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JP2909778B2 - フライアッシュを主材とした遠赤外線放射体 - Google Patents
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JP2909778B2 - フライアッシュを主材とした遠赤外線放射体 - Google Patents

フライアッシュを主材とした遠赤外線放射体

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JP2909778B2
JP2909778B2 JP3096214A JP9621491A JP2909778B2 JP 2909778 B2 JP2909778 B2 JP 2909778B2 JP 3096214 A JP3096214 A JP 3096214A JP 9621491 A JP9621491 A JP 9621491A JP 2909778 B2 JP2909778 B2 JP 2909778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フライアッシュを主
成分とする遠赤外線放射体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、工業製品の乾燥、加熱や調理、治
療等の分野で遠赤外線の利用が注目されているが、一般
に遠赤外線放射体としてはコージライト(2MgO・2
Al・5SiO),βスポジューメン(Li
O・Al・4SiO),チタン酸アルミニウム
(Al・TiO)等の低熱膨張性セラミックス
が知られており、これらの赤外線放射特性を測ってみる
と、熱効果があると考えられる赤外線波長域のうち、短
波長域は放射率は低いが4〜5μm以遠では比較的高い
分光赤外線放射率曲線を示す。その他、赤外線、遠赤外
線ともに高い放射率を有するものとしてコージライト
(2MgO・2Al・5SiO組成にMnO
60%,Fe20%,CoO10%,CuO10
%の仮焼物を30%添加したセラミックス)が知られて
おり、例えば周波数5000〜1000cm−1、波長
2〜10μmの範囲で約96%の高い放射率を備えてい
ることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の高効率の遠赤外線放射体はコージライトの原料が
例えば500円/kg等のように非常に高価であり、完
成品としても高価になるために高効率の放射体としての
用途に限度があった。一方、火力発電所等の燃料として
利用されている石炭がその廃棄物として大量に発生する
フライアッシュは近年増加の傾向にあるが、その処分は
産業廃棄物としてコストを掛けた埋立処分が主流であ
り、一部はセメント原料、窯業製品として利用されてい
るものの、セメントや窯業製品の品質低下やコスト高を
招くために使用量も限られている。近時、本発明者等に
よって開発されたフライアッシュを利用した成形、焼成
材として特開平2−59479号、同2−129082
号等が知られているのみで、その他の有効利用は質、量
ともに十分でない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明に示した
フライアッシュを主材とした遠赤外線放射体は、第1の
発明では、一定の耐熱性を有する基材の表面にフライア
ッシュを溶射し、フライアッシュの皮膜を形成してなる
ことを、第2の発明では、フライアッシュに少量の有機
質又は無機質のバインダーを加え、更に、練成液を加え
て混練したものを所定形状に形成し、これを焼成してな
ることを、第3の発明では、紙にフライアッシュの粉粒
体を添加して紙の表面又は内部にフライアッシュを含ま
せてなることを、第4の発明では、合成樹脂フィルムに
フライアッシュの粉粒体を添加してフィルム表面又は内
部にフライアッシュを含ませてなることを特徴としてい
る。
【0005】
【作用】プラズマ炎又はガス炎に向かって供給されたフ
ライアッシュ又は焼成済みのフライアッシュは上記炎に
よって熔融され、基材表面に向かって射出され、順次融
着して皮膜を形成して遠赤外線放射体が形成される。ま
た、フライアッシュに少量の有機質又は無機質のバイン
ダーを加え、更に、練成液を加えて混練したものを所定
形状に形成しこれを焼成した場合にも、セラミックスと
しての所定の強度及び耐熱性を有する遠赤外線放射体が
形成される。同様に紙や合成樹脂フィルムの内部に含ま
れ又は表面に付着したフライアッシュ粉粒体からも高効
率下で遠赤外線が放射される。以上のようなフライアッ
シュを主原料とした遠赤外線放射体は、一度フライアッ
シュになる過程で石炭の燃焼温度中にさらされた後に再
度プラズマ溶射ないしは焼成によって高温下で熱処理す
ることから、良好な遠赤外線放射特性を有する遠赤外線
放射体を得ることができる。また、フライアッシュを有
効に利用できるので、その処理を効率よく行うことがで
きる。
【0006】
【実施例】<第1実施例>第1実施例として示す遠赤外
線放射体は、図1に示すプラズマ溶射用のノズル(米
国、ベーステート社製、プラズマ出力17〜26KW)
によりフライアッシュを基材5に溶射して皮膜を形成す
るものである。ここで、ノズル本体1はそれ自身が一方
の電極となり、該ノズル本体1内には他方の電極2が固
設され、両電極間には電源4が接続され、電極2の先端
位置のノズル本体1にはプラズマ炎4の通過する小孔か
らなる噴出孔31が穿設されている。ノズル本体1内の
底部後方にはアルゴン等の不活性ガスを噴入するガス導
入孔32が形成されている。
【0007】図1に示したノズルはフライアッシュを高
温で溶融する内吹き型ノズルでフライアッシュ供給用の
不活性ガスとともにフライアッシュを供給するフライア
ッシュ供給口33は噴出孔31の周壁に小孔として穿設
開口している。該ノズルのプラズマ溶射位置には噴出口
31に対向せしめて金属板、セラミックス板その他の耐
熱性基材5が設けられていて、フライアッシュは供給口
33よりプラズマ炎7内に噴出溶解し、上記基材5の表
面に溶射され、膜厚150〜200μmのフライアッシ
ュ皮膜6として付着せしめるものである。以上は、石炭
ボイラー等から回収したままのフライアッシュ原粉につ
いて説明したが、これに代えて、例えば1100°C以
上の高温下で焼製してカーボン等の不純物を除去し且つ
二次熱処理したフライアッシュを使用すれば、セラミッ
クスとして耐熱性、耐熱衝撃性は更に高まる。
【0008】なお、上記実施例ではプラズマ溶射によっ
てフライアッシュを溶着せしめたが、これをアセチレン
ガス及び酸素ガス等を用いたガス溶射によることも可能
で、この場合溶射温度が低いため基材の対照性の低いも
のでも利用できる。その他基材5としてグラスウールそ
の他の耐熱材で補強された耐熱シートを用いることも可
能である。
【0009】
【表1】
【0010】上記に述べたフライアッシュは、中国電力
(株)火力発電所から採取したフライアッシュであり、
上記に示した表1のような化学分析値を有する。また、
該フライアッシュの粒度分布と加熱減少率は以下の表2
に示す数値を示すものである。
【0011】
【表2】
【0012】以上のような工程を経て製造した遠赤外線
放射体は、測定の結果図2の(ハ)に示すような特性を
得ることができた。つまり、波長6〜21μmの範囲で
は黒体の放射エネルギーに対する割合が93%あり、他
のサンプルとして使用したFe−Si溶射皮膜や砂鉄溶
射皮膜に比しても極めて優れた特性を得ることができ、
特に、波長が6μm以長になると前述したコージライト
セラミックスに殆ど劣らない良好な特性を得ることがで
きることがわかる。また、上記フライアッシュはコスト
的には現状で5〜6円/kgで入手でき、これを110
0°C前後で熱処理(焼製)しても約2倍以下のコスト
で済む。ちなみに上述したサンプルであるケイ素鉄や天
然砂鉄も在来のセラミックス放射体と比して極めて優れ
た特性を供えたものであるが、本考案のものはそれらに
比して特性は無論コスト及び原料の供給の容易性の面で
更に優れている。
【0013】<第2実施例>次に示す本発明遠赤外線放
射体は、主原料であるフライアッシュを重量比99%に
体してバインダーとしてのメチルセルローズを混合した
後、練成液として水をフライアッシュ重量に対して約5
0%加え、これを撹拌混練して練成材を作る。上記練成
材を所定形状に金型成形し、その成形物を乾燥させた後
に、酸化雰囲気で徐々に加熱して焼結させ冷却させるも
のである。以下、これらの実際の試作方法に基づいて説
明する。 (1)試料 原料として用いたフライアッシュは、第一
実施例と同様に、中国電力(株)火力発電所から採取し
たフライアッシュであり、上記に示した表のような性質
を有していて、その原料炭はオーストラリア産のものを
主体とした混合炭である。 (2)バインダーとしてメチルセルロースを使用した。 (3)試験体の成形、乾燥、焼成 試料にバインダーを
所定重量外割りで添加し、乾式混合した。それに水を加
え混練後10×5×1cmの石膏型に押し方成形する
方法で作成した。試験体の乾燥は脱型後自然乾燥したも
のを110°Cで2時間以上強制通風することとした。
次に、電気炉により酸化雰囲気下で徐々に焼成するが、
焼成温度は1150°C前後で行う。焼成開始後数時間
で焼成を完了する。以上のようにして形成した遠赤外線
放射体により良好な遠赤外線効果を得ることができた。
成形は上記方法に限らず、押出成形、ロール成形等多く
の方法の採用が可能である。
【0014】<第3実施例>この実施例では製紙工程で
紙内にフライアッシュ原粉又は焼製済フライアッシュを
必要に応じて適度の粒度に粉砕し、重量比で数パーセン
ト〜20%程度の範囲で添加し、紙の表面にフライアッ
シュ粉粒体を付着させ又は内部に抄き込むことによりフ
ライアッシュを含有する紙を遠赤外線放射体を得るもの
である。フライアッシュの量が過度になると紙の強度を
弱める恐れがあり、少量過ぎると遠赤外線放射効果が乏
しくなる。このような紙材は、各種商品の包装に使用し
たり、建築物や装置類の壁面や天井面に貼り付けられる
ほか、例えば青菜類やいちご等の果実類のハウス栽培に
際し、雑草発生防止用として畝を被覆するカバーに使用
した場合、青菜や果実の下側の面にも遠赤外線が照射さ
れ、青菜では緑化が促進され、いちごやなす、瓜類等で
は完熟や色彩の均一化を促進する効果がある。
【0015】<第4実施例>また、ポリエチレンや塩化
ビニールフィルム等の製造に際し、フィルム製造過程で
合成樹脂材に前記実施例に示すようなフライアッシュ粉
粒体を重量比粉パーセント〜30%位混入又は添加する
ことにより、内部や表面にフライアッシュを有する合成
樹脂フィルムを得ることができ、上記した実施例のよう
に遠赤外線効果を期待する各種商品の包装に使用した
り、壁面や天井面に使用したり、農業用のシートとして
の用途が期待されている。特に、合成樹脂フィルム状の
遠赤外線放射体であるので、農業用に使用した場合、ハ
ウス栽培だけでなく、屋外栽培用としても使用できる。
【0016】
【発明の効果】上記のように構成される本発明は以下の
ような効果を有する。 (1)上記のようにフライアッシュを主成分として遠赤
外線放射体を形成するので、従来その処理に窮していた
フライアッシュの処理を低コストで有効利用することが
でき、産業廃棄物として処分する必要がなく、公害問題
を生じることもない。また、従来のコージライトのよう
な遠赤外線放射体に比べて原料費が殆ど掛からないた
め、遠赤外線放射体を安価に形成することができる。 (2)フライアッシュは良質の高効率遠赤外線放射物質
としての性質を有しているので、品質のよい遠赤外線放
射体を製造することができる。 (3)単に、フライアッシュを溶射する場合は、製造も
簡単で低コストである。 (4)フライアッシュに少量の有機質又は無機質のバイ
ンダーを加え、更に、練成液を加えて混練したものを所
定形状に形成し焼製した場合には、セラミックスとして
の所定の強度及び耐熱性を有する遠赤外線放射体が形成
できる。また、金型成形、押出成形、ロール成形等の任
意の製造方法の採用が可能であり、製品の大きさを限定
されず用途も広い。 (5)紙の表面又は内部にフライアッシュを含ませてな
る場合や、合成樹脂フィルムの表面又は内部にフライア
ッシュを含ませてなる場合等、シート状に形成した場合
には、商品の包装用や壁面、天井面に使用でき、また、
ハウス栽培や野外栽培等にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ溶射用ノズルの構成を示した説明図で
ある。
【図2】赤外線放射特性を示したグラフであり、(イ)
はFe−Si溶射皮膜、(ロ)は砂鉄溶射皮膜、(ハ)
はフライアッシュ溶射皮膜の波長と放射率の関係をそれ
ぞれ示したものである。
【符号の説明】
1 ノズル本体 2 電極 31 噴出孔 32 ガス導入口 33 フライアッシュ供給口 4 電源 5 基材 6 フライアッシュ皮膜 7 プラズマ炎

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の耐熱性を有する基材の表面にフラ
    イアッシュを溶射し、フライアッシュの皮膜を形成して
    なることを特徴とするフライアッシュを主材とした遠赤
    外線放射体。
  2. 【請求項2】 フライアッシュに少量の有機質又は無機
    質のバインダーを加え、更に、練成液を加えて混練した
    ものを所定形状に形成し、これを焼成してなることを特
    徴とするフライアッシュを主材とした遠赤外線放射体。
  3. 【請求項3】 紙にフライアッシュの粉粒体を添加して
    紙の表面又は内部にフライアッシュを含ませてなること
    を特徴とするフライアッシュを主材とした遠赤外線放射
    体。
  4. 【請求項4】 合成樹脂フィルムにフライアッシュの粉
    粒体を添加してフィルム表面又は内部にフライアッシュ
    を含ませてなることを特徴とするフライアッシュを主材
    とした遠赤外線放射体。
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