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JP2980845B2 - 地滑りの測定方法と測定装置 - Google Patents
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JP2980845B2 - 地滑りの測定方法と測定装置 - Google Patents

地滑りの測定方法と測定装置

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JP2980845B2
JP2980845B2 JP8166738A JP16673896A JP2980845B2 JP 2980845 B2 JP2980845 B2 JP 2980845B2 JP 8166738 A JP8166738 A JP 8166738A JP 16673896 A JP16673896 A JP 16673896A JP 2980845 B2 JP2980845 B2 JP 2980845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地滑りを測定する方
法と、この方法に使用する測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、最も一般的に使用される地滑りの
測定方法は、図1に示されている。この図の測定方法
は、たとえば、特開平6−109471号公報に記載さ
れるように、下記のようにして地滑りを測定する。
地中に直線状に測定孔1を穿孔する。 測定孔1に、
地滑りした地中と一緒に変形できるガイド管2を挿入す
る。 地滑りすると、ガイド管2が変形する。 ガ
イド管2に傾斜計3を吊り込んで、ガイド管2の傾斜角
を測定する。
【0003】この図に示す測定方法は、地滑りが大きく
なってガイド管が局部的に小さい曲率半径で変形する
と、傾斜計を挿入できなくなる。傾斜計とガイド管の隙
間を広くすることは、この弊害を少なくできる。すなわ
ち、この隙間が広いほど、傾斜計は小さい曲率半径で曲
がったガイド管に挿入できる。しかしながら、傾斜計と
ガイド管の隙間を広くするほど、ガイド管の変形を測定
できる精度が悪くなる。この隙間が広いと、傾斜計がガ
イド管に沿って正確に傾斜しなくなるからである。測定
精度を高くすることと、測定できるガイド管の最小曲率
半径を小さくすることは、互いに相乗する特性である。
したがって、この図に示す測定方法は、変位量の大きい
地滑りを高精度に測定するのが難しい欠点がある。
【0004】傾斜計を使用しないで、地滑りを測定する
方法が特開平2−52222号公報に記載されている。
この公報に記載される方法は、図2に示すように、地中
に設けた測定孔1に、一定の間隔で光ファイバー4を挿
入し、この光ファイバー4の途中に光ファイバー歪セン
サー5を配設している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図2に示す測定方法
は、大きな地滑りを測定できる特長がある。ただ、この
測定方法は、地滑り地点を正確に検出するために、高価
な測定装置を使用する必要がある。それは、光ファイバ
ーに光パルスを照射し、光ファイバー歪センサーからの
反射光の時間的な遅れを測定して、地滑り地点を検出す
るからである。光の速度は、3×10m/秒と極めて
速い。このため、反射光の遅れ時間を検出して位置を特
定する方法は、極めて少ない反射光の遅延時間を検出し
て位置を特定する必要があり、地滑り位置を正確に特定
するのが難しい欠点もある。
【0006】さらに、この測定方法は、光ファイバー歪
センサーで外圧を検出して地滑りを測定するので、地中
の地滑りの変位量を直接に検出することができない。地
滑りを起こすと、光ファイバー歪センサーに作用する圧
力が変化する。ただ、光ファイバー歪センサーに作用す
る圧力は、地滑りの変位量を検出するパラメーターであ
る。地滑りの変位量を直接に検出するものではない。
【0007】このため、図2に示す地滑りの測定方法と
装置は、高価な測定装置を必要とするにもかかわらず、
地滑りの変位量とその発生位置を正確に検出するのが難
しい欠点がある。
【0008】本発明は、この欠点を解決することを目的
に開発されたものである。本発明の重要な目的は、極め
て簡単な構造で、地滑りの位置と変位量とを正確に判り
やすく検出できる地滑りの測定方法と測定装置とを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
する地滑りの測定方法は、前述の目的を達成するために
下記のようして地滑りを測定する。地中に直線状に測定
孔1を設け、この測定孔1に形状記憶合金ロッド6を挿
入する。この状態で形状記憶合金ロッド6を地中に静置
させる。地滑りすると、形状記憶合金ロッド6が変形さ
れる。変形した状態を記憶させるために、形状記憶合金
ロッド6に通電して、これを記憶温度まで加熱する。加
熱された形状記憶合金ロッド6は、変形された形状を記
憶する。その後、形状記憶合金ロッド6を測定孔1から
引き抜く。引き抜くとき、形状記憶合金ロッド6は、柔
らかく自由に変形できるので、引き抜かれるのに都合の
良い形状、すなわち直線状に引き伸ばされる。測定孔1
から抜かれた形状記憶合金ロッド6は、加熱すると、記
憶している形状に呼び戻しされる。この状態で、形状記
憶合金ロッド6は、地滑りした地中に入れられたのと同
じ形状に復元する。形状記憶合金ロッド6の形状を見
て、地滑りの位置と変位量は正確に検出される。さら
に、本発明の測定方法は、測定孔に形状記憶合金ロッ
と共にリード線を挿入し、このリード線を形状
記憶合金ロッドの下端に連結して、リード線を介し
て形状記憶合金ロッドに直接に通電して記憶温度に加
熱する。形状記憶合金ロッド6を記憶温度に加熱した
後、リード線と形状記憶合金ロッドを分離し、リー
ド線9を測定孔1に残して形状記憶合金ロッド6のみを
引き抜くことを特徴としている。本発明の請求項2の測
定方法は、形状記憶合金ロッドとリード線を、溶断
できるヒューズ14、形状記憶合金ロッドに通電して
引き抜きできる弾性接点13、形状記憶合金ロッド
下端部を解除できるように挟着して固定するホールダー
16のいずれかで連結する。
【0010】さらに、本発明の請求項3に記載する地滑
りの測定装置は、形状記憶合金ロッド6と、この形状記
憶合金ロッド6が断熱材7を介して挿入されると共に、
地滑りした地中と共に変形できる外皮8と、形状記憶合
金ロッド6の下端に連結されて、形状記憶合金ロッド6
に通電して加熱するリード線9とを備える。リード線
と形状記憶合金ロッドとは、形状記憶合金ロッド
記憶温度まで加熱した後に分離できるように連結してい
る。外皮8に入れられた形状記憶合金ロッド6は地中に
設けられる測定孔1に挿入される。地滑りして外皮8と
形状記憶合金ロッド6とが変形された状態で、リード線
9を介して形状記憶合金ロッド6に通電して、記憶温度
まで加熱されると、地滑りして変形された形状が記憶さ
れる。その後、形状記憶合金ロッドとリード線とを
分離し、リード線を残して形状記憶合金ロッドが測
定孔1から引き抜かれて、加熱されると、記憶する形状
に呼び戻しされる。
【0011】本発明の請求項4の地滑りの測定装置は、
形状記憶合金ロッドとリード線を、溶断できるヒュ
ーズ14、形状記憶合金ロッドに通電して引き抜きで
きる弾性接点13、形状記憶合金ロッドの下端部を解
除できるように挟着して固定するホールダー16のいず
れかで連結している。さらに、本発明の請求項5の地滑
りの測定装置は、ホールダー16を、通電して形状記憶
合金ロッドの挟着状態を解除できるようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための地滑りの測定方法と測定
装置を例示するものであって、本発明は測定方法と装置
を下記のものに特定しない。
【0013】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0014】図3と図4は、本発明の地滑りの測定方法
の概略を示す。これ等の図は、鎖線で示す位置で発生す
る地滑りを検出する方法を示している。この方法は、最
初に、図3に示すように、地中に直線状に垂直に測定孔
1を設けて、この測定孔1に形状記憶合金ロッド6を挿
入する。形状記憶合金ロッド6には、たとえば、Ti−
Ni合金が使用される。鎖線で示す位置で地滑りする
と、形状記憶合金ロッド6は、図4に示す形状に変形す
る。形状記憶合金ロッド6が、地滑りした地中と一緒に
変形されるからである。この形状を形状記憶合金ロッド
6に記憶させるために、形状記憶合金ロッド6を記憶温
度まで加熱する。形状記憶合金ロッド6を記憶温度まで
加熱するために、形状記憶合金ロッド6に大電流を流
す。大電流を流すには、たとえば、溶接機(図示せず)
を使用する。溶接機は、出力端子を形状記憶合金ロッド
6の上下端に接続して、大電流を流す。Ti−Ni合金
の形状記憶合金ロッドは、約450℃に加熱されると、
変形された形状を記憶する。
【0015】溶接機を形状記憶合金ロッド6から離し
て、形状記憶合金ロッド6を常温まで冷却した後、形状
記憶合金ロッド6を測定孔1から引き抜く。測定孔1か
ら引き抜かれる形状記憶合金ロッド6は、測定孔1から
引き抜くときに引っ張られて、直線状に伸ばされる。測
定孔1から抜かれた形状記憶合金ロッド6は、温水に浸
漬し、あるいは、ドライヤー等で約60℃に加熱する
と、記憶する形状に呼び戻しされる。記憶する形状に呼
び戻しされた形状記憶合金ロッド6は、地中に埋設され
て地滑りしたときの形状に復元する。いいかえると、形
状記憶合金ロッド6の変形は地滑りした地中の形状を示
す。
【0016】以上の地滑りの測定方法に使用する測定装
置を図5に示す。この図に示す装置は、形状記憶合金ロ
ッド6と、この形状記憶合金ロッド6を断熱材7を介し
て挿入している外皮8と、形状記憶合金ロッド6の下端
に連結されて、形状記憶合金ロッド6に通電して加熱す
るリード線9とを備える。
【0017】形状記憶合金ロッド6には、Ti−Ni合
金が最適である。Ti−Ni合金は、耐食性に優れると
共に、簡単に形状を記憶でき、さらに、繰り返し使用し
て高い信頼性があるので、本発明の用途に最適な形状記
憶合金である。ただ、本発明の地滑りの測定方法と測定
装置は、形状記憶合金ロッドを、Ti−Ni合金に特定
しない。形状記憶合金ロッドには、たとえばCu−Zn
−Al合金等、地中に挿入し、通電して形状を記憶して
引き抜きできる全てのものが使用できる。
【0018】形状記憶合金ロッド6は、断面形状を円形
とし、あるいは非円形とするロッドである。円形の形状
記憶合金ロッドは方向性がないので、地滑りの方向を特
定できない。ただ、円形の形状記憶合金ロッドは、図5
に示すように、上端に方向を示す方位棒10を固定し
て、地滑りの方向を特定できる。たとえば、方位棒が東
西南北を向くように、形状記憶合金ロッドを地中に挿入
すると、地滑りした方向を特定できる。あるいは、方位
棒は、図示しないが、形状記憶合金ロッドと別部材とし
て、形状記憶合金ロッドを地中に挿入してから、上端に
固定することもできる。この方法は、形状記憶合金ロッ
ドを地中に挿入するときに、ロッドの方向を特定する必
要がないので、速やかに挿入できる特長がある。しか
も、挿入後に方位棒を固定するため、より正確に方位を
合わせることができる。
【0019】さらに、円形の形状記憶合金ロッドは側面
に、等間隔で軸方向に複数本の直線を引くことにより方
向を特定することもできる。たとえば、形状記憶合金ロ
ッドの側面に引く直線を4本とすると、この形状記憶合
金ロッドは、4本の直線を東西南北に向けて挿入して、
地滑りの方向を特定できる。あるいは、側面に引く直線
は8本、12本、16本とすることもできる。これらの
場合は、さらに細かく方向を特定することができる。こ
のように、側面に複数本の直線を引かれた形状記憶合金
ロッドは、簡単に方向を特定できるばかりか、形状記憶
合金ロッドのねじれや、さらには、歪みについても簡単
に検出することができる特長がある。形状記憶合金ロッ
ドの側面に直線を引くには、たとえば、塗料を塗布する
方法がある。この方法は、簡単に直線を表示できると共
に、色分けすることで方向を区別できる特長がある。あ
るいは、直線は、形状記憶合金ロッドの側面に直線状の
突起もしくは溝を設けることで表示することもできる。
この方法は、形状記憶合金ロッドが長期間地中に埋設さ
れて、表面が雨等により浸食を受けることがあっても、
方向を正確に検出できる特長がある。
【0020】形状記憶合金ロッド6は、好ましくは断面
形状を非円形とする。非円形の形状記憶合金ロッドは、
方位棒を固定しないで、地滑りの方向を特定できる。た
とえば、形状記憶合金ロッドは角柱状とする。この形状
記憶合金ロッドは、4面を東西南北に向けて挿入して、
地滑りの方向を特定できる。さらに、形状記憶合金ロッ
ドは断面形状を楕円形とし、楕円の長径を南北、あるい
は東西に向けて挿入することにより、地滑りの方向を特
定できる。非円形の形状記憶合金ロッドも、図5に示す
ように上端に方位棒10を固定して、より正確に地滑り
の方向を検出できる。
【0021】形状記憶合金ロッド6は、たとえば、直径
または対角線の長さを、1〜5mm、最適には約3mm
とする。太い形状記憶合金ロッドは、測定孔から引き出
した状態で、正確に地滑りを表示できるが、高価にな
る。細い形状記憶合金ロッドは低コストにできるが、呼
び戻しした状態で、強度が低下する欠点がある。形状記
憶合金ロッド6の太さは、要求される測定精度とコスト
とを考慮して、最適値に設計される。
【0022】外皮8は、地滑りする地中と一緒に変形で
きるパイプ、たとえば、塩化ビニルパイプやポリエチレ
ンパイプ等の水道管である。ただ、外皮には、水道管等
のプラスチックパイプに代わって、地滑りと一緒に変形
する薄肉の金属パイプも使用できる。外皮8のパイプ
は、約3mmの形状記憶合金ロッド6を、1本挿入する
もので、内径を16mm〜50mmとする鉄等の金属管
を最適とする。ただ、外皮8の太さは、挿入する形状記
憶合金ロッド6の太さと本数を考慮して最適値に決定す
る。
【0023】外皮8と形状記憶合金ロッド6の間に挿入
される断熱材7は、形状記憶合金ロッド6を加熱すると
きに断熱するもので、ガラスウール、ロックウールやシ
リカ繊維が最適である。断熱材7は、形状記憶合金ロッ
ド6を引き抜きでき、かつ、形状記憶合金ロッド6を外
皮8に近似する形状に変形させるように、形状記憶合金
ロッド6と外皮8の間に密に挿入される。断熱材7は、
形状記憶合金ロッド6の表面に巻き付けられて、外皮8
のパイプに挿入される。断熱材には、ガラスウールに代
わって、地滑りとともに変形する無機質の発泡体も使用
できる。無機質の発泡体は、筒状に成形して、中心に形
状記憶合金ロッドを挿通する。さらに、断熱材には、無
機質の粉体も使用できる。粉体は形状記憶合金ロッドを
外皮のパイプに挿入した後、形状記憶合金ロッドと外皮
との間に充填される。
【0024】さらに、形状記憶合金ロッド6は、これに
通電して記憶温度まで加熱するために、下端にリード線
9を接続している。リード線9は、形状記憶合金ロッド
6と一緒に外皮8に収納される。リード線9は、ヒュー
ズ14を介して形状記憶合金ロッド6の下端に連結して
いる。ヒューズ14は、形状記憶合金ロッド6を記憶温
度まで加熱するときに、リード線9から形状記憶合金ロ
ッド6に通電させる。さらに、ヒューズ14は、上端に
ヒューズ14を加熱して溶断するためのリード線15を
接続している。形状記憶合金ロッド6が外皮8から引き
抜かれる前に、ヒューズ14は、リード線15とリード
線9から通電されて溶断される。したがって、ヒューズ
14は、形状記憶合金ロッド6を記憶温度に加熱する電
流では溶断されず、それよりも大きな電流で溶断される
ように設計される。ヒューズ14は、たとえば、アルミ
合金や、錫と鉛の合金で製作される。
【0025】ヒューズ14を溶断して、形状記憶合金ロ
ッド6を外皮8から引き抜きできる測定装置は、形状記
憶合金ロッド6をスムーズに外皮8から引き抜きできる
と共に、リード線9を確実に接触不良なく形状記憶合金
ロッド6に電気的に接続できる特長がある。
【0026】ただ、形状記憶合金ロッド6は、図6に示
すように、ソケット11を介してリード線9に接続する
こともできる。ソケット11は、形状記憶合金ロッド6
を引き抜きできるように挿入する連結孔12を有する。
連結孔12には、形状記憶合金ロッド6の表面に弾性的
に押圧される弾性接点13を設けている。この構造の測
定装置も、形状記憶合金ロッド6をスムーズに外皮8か
ら引き抜きできる特長がある。
【0027】以上の構造の測定装置は、リード線9を残
して、形状記憶合金ロッド6を外皮8から引き抜く構造
をしている。ソケット11を介して形状記憶合金ロッド
6をリード線9に連結する構造は、外皮8に複数本の形
状記憶合金ロッド6を挿入する測定装置に適している。
形状記憶合金ロッド6を外皮8から引き抜いた後に、外
皮8に残る形状記憶合金ロッド6に通電して、記憶温度
まで加熱できるからである。この構造の測定装置は、ソ
ケットに、複数の形状記憶合金ロッドを連結できる連結
孔を設ける。外皮に複数本の形状記憶合金ロッドを挿入
している測定装置は、一定の期間毎に形状記憶合金ロッ
ドを外皮から引き抜いて、地滑りする様子を経時的に測
定できる。
【0028】図5に示す地滑りの測定装置は、下記のよ
うにして使用する。 断熱材7を介して、形状記憶合
金ロッド6とリード線9の挿入された外皮8を、地中に
直線状に穿設している測定孔1に挿入する。外皮8は、
方位棒10を正確に東西南北の方向に向け、あるいは、
非円形の形状記憶合金ロッド6を特定の方向に向けて、
地中の測定孔1に挿入して固定する。 この状態で地
滑りすると、外皮8と形状記憶合金ロッド6とが地滑り
した地中と一緒に変形する。 形状記憶合金ロッド6
の変形を記憶させるために、リード線9を介して形状記
憶合金ロッド6に大電流を流し、形状記憶合金ロッド6
を記憶温度まで加熱する。Ti−Ni合金の形状記憶合
金ロッド6は、約450℃に加熱すると、変形する形状
を記憶する。形状記憶合金ロッド6に大電流を流す装置
には、溶接機が最適である。溶接機は、電流を調整し
て、形状記憶合金ロッド6の加熱温度を調整できる。
【0029】 形状記憶合金ロッド6を記憶温度まで
加熱して、形状を記憶させた後、リード線15とリード
線9に瞬間的に大電流を流して、ヒューズ14を溶断す
る。ヒューズのない測定装置は、この工程を必要としな
い。
【0030】 形状記憶合金ロッド6を常温まで冷却
した後、上端を挟着して、形状記憶合金ロッド6を外皮
8から引き抜く。形状記憶合金ロッド6は、溶断された
ヒューズ14でリード線9から分離され、あるいはソケ
ット11から引き抜かれて、外皮8から速やから引き抜
かれる。 外皮8から引き抜かれる形状記憶合金ロッ
ド6は、直線状に伸ばされるが、熱湯に浸漬し、あるい
はドライヤーで約60℃に加熱すると、記憶する形状に
呼び戻しされる。記憶する形状に呼び戻しされた形状記
憶合金ロッド6は、地中に埋設されて地滑りしたときの
形状に復元する。いいかえると、形状記憶合金ロッド6
の変形は地滑りした地中の形状を示す。
【0031】さらに、測定装置は、図7と図8に示す構
造とすることができる。この測定装置は、形状記憶合金
ロッド6の下端部を挟着して固定するホールダー16
を、外皮8の内部に配設している。ホールダー16は、
2枚の平板であるホールダー本体16Aと、これらのホ
ールダー本体16Aを端縁部で連結しているスプリング
17と、スプリング17と反対側の端縁部でホールダー
本体16Aを緊結するノッチボルト19を備える。
【0032】ホールダー本体16Aは、図8に示すよう
に、平行に並設されている。これらのホールダー本体1
6Aは、端縁部でスプリング17を介して連結されてい
る。スプリング17は、金属線を螺旋状に巻いたもの
で、両端の金属線は、直線状に延長されている。スプリ
ング17は、この直線部分をホールダー本体16Aの対
向面に溶着等により固定されている。スプリング17
は、ホールダー本体16Aの上部と下部に配設されてい
る。これらのスプリング17は、スプリング軸18を介
して同軸に連結されている。2枚のホールダー本体16
Aは、このスプリング軸18を回転軸として開閉され
る。
【0033】また、ホールダー本体16Aは、反対側の
端縁部をノッチボルト19により連結されている。ホー
ルダー本体16Aは、この端縁部の対向する位置に貫通
孔16aを設けている。この貫通孔16aに、一端に鍔
20aを有する円筒状のセラミック絶縁体20を配設し
ている。セラミック絶縁体20は、鍔20aの部分が、
並設されるホールダー本体16Aの外側に位置するよう
に貫通孔16aに挿通されて、鍔20aで係止される。
さらに、セラミック絶縁体20の外側に、ターミナル端
子21を配設している。ターミナル端子21は、ホール
ダー本体16Aの下端から上方に突出して延長される金
属端子で、ホールダー本体16Aの貫通孔16aに対向
する位置に貫通孔を設けている。この貫通孔からノッチ
ボルト19を挿通し、対向する位置に配設されたターミ
ナル端子21とセラミック絶縁体20を貫通した後、ノ
ッチボルト19を締め付ける。ホールダー本体16A
は、ターミナル端子21とセラミック絶縁体20とを介
してノッチボルト19により緊結される。この状態で、
ホールダー本体16Aは、ターミナル端子21およびノ
ッチボルト19と絶縁されている。また、両側のターミ
ナル端子21は、ノッチボルト19により電気的に接続
されている。ノッチボルト19は、中央部にノッチ19
aを設けており、通電されて所定の温度に達すると、こ
の部分で溶断されるように設計されている。さらに、2
つのターミナル端子21は、それぞれ上端部にリード線
15を接続している。リード線15は、上方に延長され
て、ノッチボルト19の溶断用配線22として使用され
る。
【0034】さらに、ホールダー本体16Aは、対向す
る面の中央部に上下方向に延長して凹部16bを設け、
この凹部16bにターミナル端子23を配設している。
ターミナル端子23は、ホールダー本体16Aの上端か
ら下方に突出して延長される金属端子で、ホールダー本
体16Aの凹部16bに嵌着されている。ホールダー本
体16Aは、その中央部でターミナル端子23を介し
て、形状記憶合金ロッド6を挟着している。ターミナル
端子23は、下端部にリード線9を接続している。この
リード線9は、上方に延長されて、形状記憶合金ロッド
6の加熱用配線24として使用される。形状記憶合金ロ
ッド6は、この配線を介して通電されて、記憶温度まで
加熱される。
【0035】この測定装置は、記憶温度まで加熱された
形状記憶合金ロッド6を引き抜くときに、溶断用配線2
2に通電してノッチボルト19を溶断する。溶断された
ノッチボルト19は、ホールダー本体16Aの緊結状態
を解除する。ホールダー本体16Aは、スプリング17
の弾性力で開放されて、形状記憶合金ロッド6の挟着状
態を解除する。したがって、この測定装置は、記憶温度
まで加熱された形状記憶合金ロッド6を簡単に引き抜き
できる特長がある。さらに、この測定装置は、形状記憶
合金ロッド6の加熱用配線24と、ホールダー16を開
放するための溶断用配線22を絶縁して別回路としてい
る。このため、溶断用配線22に通電される電流が、形
状記憶合金ロッド6に影響を与えることがなく、安心し
て使用できる特長もある。
【0036】
【発明の効果】本発明の地滑りの測定方法と測定装置
は、簡単な構造で、地滑りの位置と変位量とを正確に判
りやすく検出できる特長がある。それは、本発明の測定
方法と測定装置が、地中に直線状に設けた測定孔に形状
記憶合金ロッドを挿入し、地滑りして形状記憶合金ロッ
ドが変形された状態で、形状記憶合金ロッドに通電し、
記憶温度まで加熱して変形された形状を記憶させている
からである。地中の形状を記憶された形状記憶合金ロッ
ドは、その後、測定孔から引き抜かれる。このとき、形
状記憶合金ロッドは直線状に引き伸ばされるが、加熱す
ることにより、記憶している形状に呼び戻しされる。地
滑りした地中の形状と同じ形状に復元した形状記憶合金
ロッドは、その形状を見ることにより、地滑りの位置と
変位量を正確に検出することができる。特に、本発明の
方法と装置は、直接地中に埋設された形状記憶合金ロッ
ドの変形を見て、地滑りを測定することを特徴としてい
る。従来のように、特定の計器類を地中に挿入すること
がない。したがって、高価な装置を使用することなく安
価に、しかも簡単に地滑りの位置と変位量とを正確に判
りやすく検出できると共に、変位量の大きい地滑りであ
っても、高精度に測定できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の地滑りの測定方法の一例を示す断面図
【図2】従来の地滑りの測定方法の他の一例を示す断面
【図3】本発明の実施例の地滑りの測定方法の概略を示
す断面図
【図4】本発明の実施例の地滑りの測定方法の概略を示
す断面図
【図5】本発明の実施例の地滑りの測定方法に使用する
測定装置を示す断面図
【図6】本発明の実施例の地滑りの測定方法に使用する
測定装置の他の一例を示す断面図
【図7】本発明の実施例の地滑りの測定方法に使用する
測定装置の他の一例を示す断面図
【図8】図7に示す装置のホールダー部分を示す水平断
面図
【符号の説明】
1…測定孔 2…ガイド管 3…傾斜計 4…光ファイバー 5…光ファイバー歪センサー 6…形状記憶合金ロッド 7…断熱材 8…外皮 9…リード線 10…方位棒 11…ソケット 12…連結孔 13…弾性接点 14…ヒューズ 15…リード線 16…ホールダー 16A…ホールダー本体 16a…貫通孔 16b…凹部 17…スプリング 18…スプリング軸 19…ノッチボルト 19a…ノッチ 20…セラミック絶縁体 20a…鍔 21…ターミナル端子 22…溶断用配線 23…ターミナル端子 24…加熱用配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山上 拓男 徳島県板野郡北島町新喜来字下竿1番地 の27 (56)参考文献 特開 平6−26030(JP,A) 特開 平5−215541(JP,A) 特開 平3−93993(JP,A) 特開 昭59−108912(JP,A) 特開 平7−159249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 7/02 G01D 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に直線状に測定孔(1)を設け、この
    測定孔(1)に形状記憶合金ロッド(6)を挿入し、地滑りし
    て形状記憶合金ロッド(6)が変形された状態で、形状記
    憶合金ロッド(6)に通電し、記憶温度まで加熱して変形
    された形状を記憶させ、その後、形状記憶合金ロッド
    (6)を測定孔(1)から引き抜いた後、加熱して記憶される
    形状に呼び戻しする地滑りの測定方法において、 測定孔(1)に形状記憶合金ロッド(6)と共にリード線(9)
    を挿入し、このリード線(9)を形状記憶合金ロッド(6)の
    下端に連結して、リード線(9)を介して形状記憶合金ロ
    ッド(6)に直接に通電して記憶温度に加熱し、その後、
    リード線(9)と形状記憶合金ロッド(6)を分離して、リー
    ド線(9)を測定孔(1)に残して形状記憶合金ロッド(6)の
    みを引き抜き、加熱して記憶される形状に呼び戻しする
    ことを特徴とする地滑りの測定方法。
  2. 【請求項2】 形状記憶合金ロッド(6)とリード線(9)と
    を、溶断できるヒューズ(14)、形状記憶合金ロッド(6)
    に通電して引き抜きできる弾性接点(13)、形状記憶合金
    ロッド(6)の下端部を解除できるように挟着して固定す
    るホールダー(16)のいずれかで連結し、形状記憶合金ロ
    ッド(6)に通電した後、リード線と形状記憶合金ロッド
    とを分離する請求項1に記載される地滑りの測定方法。
  3. 【請求項3】 形状記憶合金ロッド(6)と、この形状記
    憶合金ロッド(6)が断熱材(7)を介して挿入されると共
    に、地滑りした地中と共に変形できる外皮(8)と、形状
    記憶合金ロッド(6)の下端に連結されて、形状記憶合金
    ロッド(6)に通電して加熱するリード線(9)とを備え、リ
    ード線(9)と形状記憶合金ロッド(6)とは、形状記憶合金
    ロッド(6)を記憶温度まで加熱した後に分離できるよう
    に連結しており、 外皮(8)に入れられた形状記憶合金ロッド(6)が地中に設
    けられる測定孔(1)に挿入され、地滑りして外皮(8)と形
    状記憶合金ロッド(6)とが変形された状態で、リード線
    (9)を介して形状記憶合金ロッド(6)に通電して、記憶温
    度まで加熱されると、地滑りして変形された形状が記憶
    され、形状記憶合金ロッド(6)とリード線(9)とを分離し
    て、リード線(9)を残して形状記憶合金ロッド(6)を測定
    孔(1)から引き抜いて、形状記憶合金ロッド(6)が加熱さ
    れて記憶する形状に呼び戻しされるように構成されてい
    る地滑りの測定装置。
  4. 【請求項4】 地中に直線状に測定孔(1)を設け、この
    測定孔(1)に形状記憶合金ロッド(6)を挿入し、地滑りし
    て形状記憶合金ロッド(6)が変形された状態で、形状記
    憶合金ロッド(6)に通電し、記憶温度まで加熱して変形
    された形状を記憶させ、その後、形状記憶合金ロッド
    (6)を測定孔(1)から引き抜いた後、加熱して記憶される
    形状に呼び戻しする地滑りの測定方法に使用する装置に
    おいて、 形状記憶合金ロッド(6)とリード線(9)とを、溶断できる
    ヒューズ(14)、形状記憶合金ロッド(6)に通電して引き
    抜きできる弾性接点(13)、形状記憶合金ロッド(6)の下
    端部を解除できるように挟着して固定するホールダー(1
    6)のいずれかで連結しており、 測定孔(1)に形状記憶合金ロッド(6)と共にリード線(9)
    を挿入し、このリード線(9)を形状記憶合金ロッド(6)の
    下端に連結して、リード線(9)を介して形状記憶合金ロ
    ッド(6)に直接に通電して記憶温度に加熱し、その後、
    リード線(9)と形状記憶合金ロッド(6)を分離して、リー
    ド線(9)を測定孔(1)に残して形状記憶合金ロッド(6)の
    みを引き抜き、加熱して記憶される形状に呼び戻しすよ
    うに構成してなることを特徴とする 地滑りの測定装置。
  5. 【請求項5】 ホールダー(16)が、通電して形状記憶合
    金ロッド(6)の挟着状態を解除する請求項4に記載され
    る地滑りの測定装置。
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