Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP2999749B2 - 含フッ素有機珪素化合物と化学修飾セラミック粉末およびそれを用いたセラミックス焼結体 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP2999749B2 - 含フッ素有機珪素化合物と化学修飾セラミック粉末およびそれを用いたセラミックス焼結体 - Google Patents

含フッ素有機珪素化合物と化学修飾セラミック粉末およびそれを用いたセラミックス焼結体

Info

Publication number
JP2999749B2
JP2999749B2 JP10259798A JP10259798A JP2999749B2 JP 2999749 B2 JP2999749 B2 JP 2999749B2 JP 10259798 A JP10259798 A JP 10259798A JP 10259798 A JP10259798 A JP 10259798A JP 2999749 B2 JP2999749 B2 JP 2999749B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
fluorine
organic
oxygen
chemically modified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10259798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11292973A (ja
Inventor
幸子 奥崎
雄二 岩本
浩一 菊田
眞一 平野
Original Assignee
ファインセラミックス技術研究組合
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ファインセラミックス技術研究組合 filed Critical ファインセラミックス技術研究組合
Priority to JP10259798A priority Critical patent/JP2999749B2/ja
Publication of JPH11292973A publication Critical patent/JPH11292973A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2999749B2 publication Critical patent/JP2999749B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電用ガスタービ
ンなどに用いられる、耐熱性、耐酸化性に優れた炭化珪
素や窒化珪素で代表されるセラミックス前駆体である含
フッ素珪素化合物、それを表面に有する化学修飾セラミ
ック粉末、および、それを用いたセラミックス焼結体
関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素セラミックスは、一般に耐摩耗
性、耐酸化性、高温強度に優れた構造材料であり、発電
用ガスタービンなどの部材に用いられている。炭化珪素
は共有結合性が非常に強いため、通常、単に熱処理を行
うだけで緻密な焼結体を得ることは困難である。
【0003】そこで従来、焼結を促進させるために助剤
を添加し、かつ、焼結時に熱エネルギーと共に圧力を加
えるホットプレス法で焼結されるのが一般的な製法であ
った。しかし、ホットプレス法は装置が大がかりである
こと、および、試料の形状に制限がある等の問題を有す
るため、熱エネルギーだけで焼結させる無加圧焼結の研
究が行われている。
【0004】無加圧焼結に有効な焼結助剤としては炭
素、ホウ素の複合添加、または、アルミナ単独やアルミ
ナと希土類酸化物の複合添加等が一般的である。このう
ち炭素、ホウ素の添加で、主に固相焼結のメカニズムに
よって炭化珪素の焼結が起こる。
【0005】炭素添加系では、炭素は炭化珪素原料粉末
表面に存在する表面酸化膜と反応し、1200℃以上で
CO系ガスとなって表面酸化膜を除去することにより、
表面を活性化させる働きをすると云われている。また、
ホウ素添加系では、ホウ素は粒界に存在することによっ
て、体積拡散が盛んになる温度以下での表面拡散を抑制
する働きをすると云われている。
【0006】一方、酸化物類添加系では、液相焼結のメ
カニズムで焼結が進行する。酸化物は、炭化珪素セラミ
ック粒子間に酸化物由来の液相が生成し、それを介して
焼結が進行する。
【0007】また、セラミックスの作製において、通
常、原料粉体を成形する際に粉末同士を結合して形状を
保持させるために、成形バインダとして有機高分子の添
加が行われている。そのため通常は焼結の前処理とし
て、脱脂と呼ばれる工程でバインダを除去した後、焼結
される。この脱脂過程は非常に煩雑な工程であると共
に、有機バインダの除去に基づく成形体の収縮が大きな
問題となっている。
【0008】そこで、炭化珪素セラミックスにおいて
は、特開昭52−40509号公報に示されているよう
に、有機珪素化合物を結合剤として、炭化珪素粉末から
炭化珪素成形体を製造する方法が提案されている。有機
珪素化合物は炭化珪素セラミックスの構成要素である珪
素と炭素を主成分とする高分子であるため、それ自身が
熱処理によって炭化珪素セラミックスとなる。従って、
従来の有機高分子をバインダとした場合に必須であった
脱脂工程が不要であると云う特徴がある。
【0009】また、有機珪素化合物は1000℃付近で
の熱処理によってβ型炭化珪素微結晶を生成するため、
原料として用いた炭化珪素粒子間に活性な微結晶が存在
して、焼結性においても有利と考えられている。
【0010】また、特開昭59−174575号公報に
は、炭化珪素粉末と有機珪素化合物に加え、高級脂肪
酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アル
コールおよびパラフィンワックスより選ばれる1種以上
の混和物を成形して焼結する炭化珪素成形体の製造方法
が提案されている。
【0011】また、特開昭60−16869号公報に
は、炭化珪素粉末と有機珪素高分子と焼結助剤の混合物
に有機質結合剤を添加して成形し、焼結させて炭化珪素
を得る方法が提案されている。
【0012】さらにまた、焼結助剤等を含まない、即
ち、炭化珪素以外の第二成分を含まない炭化珪素の焼結
例としては、日本ファインセラミックス協会編「SiC
は今…」第21頁に、炭化珪素微粒子を通常焼結に用い
る炭化珪素粒子に添加してホットプレスして、緻密化を
図る例が報告されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において、焼
結を有効に起こさせるためには不可欠の焼結助剤は、高
温特性を考えた際、炭化珪素以外の第二成分として析出
すると問題である。特にホウ素は酸化され易く、これが
三重点等に偏析すると耐酸化性等の高温特性が大きく減
少すると云う問題があった。
【0014】また、特開昭52−40509号公報等に
示されている炭化珪素粒子に有機珪素化合物を混合する
方法では、それ自身が炭化珪素になる成分を添加したた
め、熱処理過程で炭化珪素微結晶が生成し、これに基づ
く焼結性の向上が期待されたが、実際に緻密化には第二
成分である焼結助剤の添加が不可欠であった。さらに炭
化珪素粉末と有機珪素化合物との混和物は流動性が悪
く、成形金型に流入するのが困難で、また、金型への付
着も問題となっている。
【0015】特開昭59−174575号公報や特開昭
60−16869号公報で示されている炭化珪素粉末,
有機珪素化合物および有機化合物の混和物を成形し、焼
結する炭化珪素成形体の製法では、添加物として高分子
量の有機物が加えられるため、緻密体を得るための高温
焼結時にこの有機物の存在が大きな問題となっている。
【0016】また、日本ファインセラミックス協会編
「SiCは今…」第21頁に記載の第二成分の焼結助剤
を添加せずに緻密化するものでは、有効な焼結体を得る
ため原料に超微粒子を使用するので作業性が悪く、充填
性のよい成形体を得ることが非常に困難で、この方法で
も緻密化にはホットプレスが必要で、無加圧焼結は困難
である。
【0017】本発明の目的は、焼結性に優れ、緻密なセ
ラミックス焼結体を与える含フッ素有機珪素化合物の提
供にある。
【0018】本発明の他の目的は、上記有機珪素化合物
を表面に有する化学修飾セラミック粉末の提供にある。
【0019】また、本発明の他の目的は、上記有機珪素
化合物またはこれを表面に有する化学修飾セラミック粉
末を用いたセラミックス焼結体の提供にある。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は次の通りである。
【0021】〔1〕 焼結するとセラミックス焼結体と
なるセラミックス前駆体であって、珪素を主鎖に、か
つ、有機フッ素基を側鎖に有する含フッ素有機珪素化合
物の前記有機フッ素基が、ポリカルボシラン,ポリシラ
ンまたはポリシラザンの側鎖に珪素−酸素−金属結合を
介して主鎖に結合されているフルオロアルキル基である
ことを特徴とする含フッ素有機珪素化合物。
【0022】〔2〕 前記酸素−金属結合が、基本骨格
をなす有機珪素化合物の少なくとも2つの珪素に結合し
ている前記〔1〕に記載の含フッ素有機珪素化合物。
【0023】〔3〕 前記酸素−金属結合の金属が珪
素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムの少なくとも
1種である前記〔2〕に記載の含フッ素有機珪素化合
物。
【0024】〔4〕 焼結するとセラミックス焼結体と
なる化学修飾セラミック粉末であって、前記粉末が炭化
珪素粒子ではその表面に珪素を主鎖に有機フッ素基を側
鎖に有する含フッ素有機珪素化合物の前記有機フッ素基
が、ポリカルボシランまたはポリシランの側鎖に、ま
た、前記粉末が窒化珪素粒子ではその表面に珪素を主鎖
に有機フッ素基を側鎖に有する含フッ素有機珪素化合物
の前記有機フッ素基が、ポリシラザンの側鎖に、それぞ
れ珪素−酸素−金属結合を介して主鎖に結合されている
フルオロアルキル基であることを特徴とする化学修飾セ
ラミック粉末。
【0025】〔5〕 前記酸素−金属結合が、基本骨格
をなす有機珪素化合物の少なくとも2つの珪素に結合し
ている前記〔4〕に記載の化学修飾セラミック粉末。
【0026】〔6〕 前記酸素−金属結合の金属が珪
素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムの少なくとも
1種である前記〔5〕に記載の化学修飾セラミック粉
末。
【0027】〔7〕 化学修飾セラミック粉末の酸素に
対するフッ素の割合が原子比で1.5〜4倍である前記
〔4〕〜〔6〕に記載の化学修飾セラミック粉末。
【0028】〔8〕 炭化珪素粒子の表面に珪素を主鎖
に、かつ、有機フッ素基を側鎖に有する含フッ素有機珪
素化合物の前記有機フッ素基が、ポリカルボシラン,ポ
リシランまたはポリシラザンの側鎖に珪素−酸素−金属
結合を介して結合されたフルオロアルキル基である化学
修飾セラミック粉末の成形体を、500℃〜600℃と
1000℃付近とにおける2段階の熱処理を施し、さら
に昇温することで焼結されていることを特徴とするセラ
ミックス焼結体。
【0029】
【発明の実施の形態】として−(Si−CH2)n−の構
造単位からなる主鎖骨格を有するポリカルボシランに代
表される有機珪素ポリマは、珪素と炭素を有する有機金
属化合物を重合して得られた高分子化合物である。
【0030】ポリカルボシランは、粉体同士を結合する
成形バインダとして作用させることができ、加えて、構
成元素が珪素と炭素であるため、それ自身が熱処理によ
って炭化珪素系セラミックスとなるので、焼結前の脱脂
工程は必要がない。
【0031】しかし、炭化珪素粉末にポリカルボシラン
を混合しただけの特開昭52−40509号公報の方法
では、その流動性が良好でないため成形金型への流入が
困難で、また、金型への付着が問題となっている。従っ
て、これに流動性を加味する必要がある。
【0032】特開昭59−174575号公報で示す炭
化珪素粉末と有機珪素化合物に、高級脂肪酸、高級脂肪
酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコールおよび
パラフィンワックスの1種以上とからなる混和物を、成
形,焼結する方法においては、セラミックス粉末の流動
性は改良されるものの、緻密焼結体を得る上で焼結の際
に有機物の存在が問題となることを既述した。
【0033】これらを改善するために、本発明は、流動
性の向上に有機フッ素化合物を添加するものであるが、
該有機フッ素化合物を有機珪素化合物の側鎖に結合させ
ることによって、その添加を最小限に抑えたものであ
る。
【0034】また、酸素−金属結合が基本骨格をなす有
機珪素化合物の少なくとも2つの珪素に結合している含
フッ素有機珪素化合物は、珪素−酸素−金属結合が有機
珪素化合物の基本骨格を架橋する働きを有する。このた
め、本来なら熱処理過程において蒸発してしまう低分子
量の有機珪素化合物骨格成分の高分子化を、化学修飾で
有機フッ素基を導入する際に同時に実現し、含フッ素有
機珪素化合物のセラミック化を有効に起こすことができ
る。
【0035】珪素−酸素−金属結合の金属がアルミニウ
ム、チタンまたはジルコニウムであると、それらの金属
が熱処理によってSiCを固溶し、それに伴ってSiC
の拡散係数が向上して焼結性がより向上する。この有機
フッ素含有有機珪素化合物を炭化珪素粉末と混合する
と、有機フッ素基に起因して混合粉体の流動性が向上す
るため、パッキングのよい成形体が得られる。
【0036】一方、炭化珪素セラミックス作製の際、な
るべく炭化珪素自身の持つ特性を落とさずに、成形性お
よび焼結性を向上させるためには、炭化珪素以外の第二
成分の添加量を少量、かつ、均一に添加することが重要
である。こうした観点からセラミック粉末に対して成形
バインダまたは焼結バインダとして作用する物質を極力
少量で均一にコーティングされていることが望ましい。
【0037】炭素、フッ素および珪素成分コーティング
炭化珪素セラミック粒子における、粒子全体の構成元素
中の酸素に対するフッ素の割合が、原子比で1.5〜4
倍とするものである。
【0038】炭化珪素等の非酸化物系のセラミック粒子
は、通常空気中で扱うことによって粒子表面が酸化膜で
覆われている。このような粒子を焼結させようとしたと
き、粒子表面も酸化膜が焼結を阻害する。そのため、従
来はこれを除去するために炭素成分を添加し、1200
℃付近で表面酸化膜と反応させる、いわゆるcarbotherm
al reductionと呼ばれるメカニズムによってCO系ガス
として除去されていた。しかしこの脱ガス過程で、焼結
前にセラミック成形体の密度が低下すると云う問題があ
る。
【0039】炭化珪素セラミック粉末にコーティングさ
れた炭素とフッ素と珪素を含む化合物が、珪素を主鎖に
含む高分子の側鎖に炭素とフッ素を主成分とする基が結
合した化合物であると、一般に有機珪素化合物成分は1
000℃付近での処理でβ型炭化珪素微結晶を生成する
ため、炭化珪素粒子間にコーティング層由来の微結晶が
生成し、これによって焼結性が向上する。
【0040】従来の有機珪素化合物を炭化珪素粒子にコ
ーティングし、バインダとして用いた系では、この活性
な微結晶が生成した後、1200℃〜1500℃付近に
脱ガス過程があるため、生成した活性微結晶が焼結に有
効に作用しないと云う問題があった。このため、有機珪
素化合物と共に、焼結助剤として炭化珪素以外の第二成
分を添加する必要があった。
【0041】また、本発明の有機珪素化合物は側鎖にフ
ッ素成分を含むため、従来の炭素添加の場合とは異なる
メカニズムで酸化膜成分が除去される。これは有機珪素
化合物中に含まれるフッ素がセラミック粒子表面の酸化
膜と反応し、SiF系ガス、CO系ガスとして除去され
るのである。
【0042】これらガスの脱ガス温度は400〜600
℃であり、従来の炭素を焼結助剤として添加した際の脱
ガス温度の1200〜1500℃と比べ、極めて低温度
で酸化膜成分を除去することができる。
【0043】また、有機珪素化合物からSiC微粒子が
生成する前に表面酸化膜成分、および、炭化珪素以外の
第二成分が除去されるため、生成した微結晶が活性化さ
れたセラミック粒子表面に生成し、そのため焼結性が向
上する。この時、炭化珪素系セラミック粒子中に含まれ
る酸素とフッ素の割合が、原子比で酸素に対しフッ素が
1.5〜4倍にあると、セラミック粒子の表面酸化膜の
除去が有効に行われる。1.5倍未満では、酸化膜成分
の除去が十分に起こらず、炭化珪素セラミック粒子間に
生成する微結晶もごく少量となる。
【0044】また、4倍よりも多くなると過剰なフッ素
成分の残留、または、過剰な第二成分の揮発の際に非常
に大きな脱ガスが起こり、緻密化を阻害する恐れがあ
る。
【0045】この炭化珪素系セラミック粉末の緻密な焼
結体を得るには、二段階以上の加熱保持過程を経て焼結
させるのが有効である。ここで一回の加熱保持過程は、
炭化珪素セラミック粒子表面の酸化膜成分を除去する過
程である。この過程は500℃〜600℃の温度で行う
ことがより有効である。その後、1000℃付近で処理
することによって、セラミック粒子表面に有機珪素化合
物由来の炭化珪素微結晶が生成され、その後に更に昇温
する過程を経ることによって緻密な焼結体が得られる。
【0046】主鎖が珪素のみからなる有機珪素化合物で
あるポリシランに有機フッ素化合物を結合させた例は、
特開平2−55051号公報、特開平5−125193
号公報や特開平7−90086号公報に示されている。
これらは、はっ水材料や光学材料としての応用を提案し
ているものである。
【0047】また、本発明の方法は、窒化珪素等その他
多くのセラミックスにも適応でき、窒化珪素セラミック
スの場合、有機珪素化合物としてはケイ素と窒素を主鎖
に持つポリシラザンを用いることができる。ポリシラザ
ンに有機フッ素化合物を含有させ、これと窒化珪素粉末
を混合した後焼結させることによって、容易に窒化珪素
セラミックス成形体を作製することができる。
【0048】有機珪素ポリマとして珪素のみを主鎖に持
つポリシランを用い、それに有機フッ素化合物を含有さ
せたものは、窒化珪素粉末と混合することによって窒化
珪素セラミックスを作製することができ、さらに、炭化
珪素粉末と混合することによって炭化珪素系セラミック
スを作製することができる。
【0049】本発明は化学修飾時に有機珪素化合物の基
本骨格を架橋させると云う観点からも、従来の側鎖に有
機フッ素基を結合させただけの有機珪素化合物と区別す
ることができる。
【0050】
【実施例】〔実施例 1〕珪素と炭素を主骨格に含むポ
リカルボシラン10gを四塩化炭素(CCl4)50g
に溶解し、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)0.1
gを作用させることによって、Si−H結合をSi−C
l結合に置き換えたクロル化ポリカルボシラン(PCC
l)を作製した。
【0051】次に、PCClをトルエン中、アンモニア
水を作用させることによってSi−Cl結合をSi−O
H結合に置き換えた水酸化ポリカルボシラン(PCO
H)を作製した。これをフルオロアルキルシランカップ
リング剤〔(CH3O)3SiCH2CH2(CF2)CF3〕と
反応させて、側鎖に珪素−酸素−珪素結合を介して有機
フッ素基を持つポリカルボシラン(含フッ素有機珪素化
合物)を合成した。合成品のIRスペクトルを図1に示
す。1200cm~1付近にC−F結合を有し、1100
cm~1付近にSi−O−Si結合を含むことが確認でき
た。
【0052】また、原料に用いたポリカルボシランの平
均分子量は約800であったが、化学修飾後の平均分子
量は約8000に増加した。こうして得た含フッ素有機
珪素化合物のトルエン溶液に粒径450nmのSiC粒
子を添加し、撹拌、溶媒除去することによって、粒子表
面に有機珪素化合物をコーティングして化学修飾セラミ
ック粉末を得た。この化学修飾セラミックス粒子中に含
まれる酸素とフッ素の割合を調べたところ、原子比で
3.2であった。
【0053】化学修飾セラミック粉末を370kg/c
2の圧力で金型成形した成形体密度が63%のもの
を、ヘリウム中で熱処理したときの重量減少挙動を図2
に示す。重量減少は200℃付近から始まり、550℃
までの一段階で終了した。
【0054】この重量減少過程における発生ガスをGC
−MASSで分析したところ、400℃付近からCF系
ガス、および、Si(CH3)2F、Si(CH3)F2等のS
iF系ガスの発生が観察された。化学修飾セラミック粉
末を600℃で1時間処理したもののフッ素と酸素の分
析を行ったところ、共に検出限界以下であった。
【0055】これより、本発明で作製した化学修飾セラ
ミック粉末は、従来のSiCセラミックス焼結時に観察
されるcarbothermal reductionのメカニズムで表面酸化
膜が除去される温度よりもはるかに低温で酸素除去能が
あることが分かった。
【0056】この含フッ素有機珪素化合物を1000℃
で処理すると、1nm以下の非常に微細なβ−SiC粒
子が生成していることが分かった。
【0057】上記セラミック粉末を550℃で1時間保
持した後、2100℃に昇温して30分保持することに
よって、炭化珪素の理論密度3.21g/cm3に対して
相対密度で90%以上の緻密な焼結体が得られた。
【0058】〔実施例 2〕 実施例1と同様の方法でPCOHを作製した。これを
ルオロアルキルシランカップリング剤〔(CH3O)2Si
(CH3)CH2CH2(CF2)CF3〕と反応させて、側鎖
に珪素−酸素−珪素結合を介して有機フッ素基を持つポ
リカルボシランを合成した。原料に用いたポリカルボシ
ランの平均分子量は約800であったが、化学修飾後の
ものの平均分子量は実施例1と同様に約5000に増加
した。
【0059】こうして得た含フッ素有機珪素化合物のト
ルエン溶液に粒径450nmのSiC粉末を添加し、撹
拌、溶媒除去することによりコーティングして、化学修
飾セラミック粉末を得た。
【0060】このようにして得た化学修飾セラミックス
粉末中に含まれる酸素に対するフッ素の割合を調べたと
ころ、原子比で3.1であった。化学修飾セラミック粉
末を370kg/cm2の圧力で金型成形したものの成
形体密度は64%であった。
【0061】この成形体をヘリウム中で熱処理すると、
実施例1と同様に、重量減少は200℃付近から始ま
り、550℃までの一段階で終了した。この重量減少過
程における発生ガスをGC−MASSで分析したとこ
ろ、400℃付近からCF系ガス、およびSiF系ガス
の発生が観察された。
【0062】化学修飾セラミック粉末を550℃で1時
間処理したもののフッ素と酸素の分析を行ったところ、
共に検出限界以下であった。
【0063】この化学修飾セラミック粉末を1000℃
で処理すると、1nm以下の非常に微細なβ−SiC粒
子が生成していることが分かった。
【0064】上記化学修飾セラミック粉末を600℃で
1時間保持した後、2100℃に昇温し、30分保持す
ることによって、炭化珪素の理論密度3.21g/cm3
に対し、相対密度92%以上の緻密な焼結体が得られ
た。
【0065】〔実施例 3〕 実施例1と同様の方法でPCOHを作製した。これを
ルオロアルキルチタネートカップリング剤〔(CH3O)2
TiCH3CH2CH2(CF2)CF3〕、フルオロアルキ
アルミネートカップリング剤〔(CH3O)2AlCH2
CH2CH2(CF2)CF3〕、または、フルオロアルキル
ジルコネートカップリング剤〔(CH3O)2ZrCH3
2CH2(CF2)CF3〕と反応させて、側鎖に珪素−酸
素−チタン結合、珪素−酸素−アルミニウム結合、また
は、珪素−酸素ジルコニウム結合を介して有機フッ素基
を持つポリカルボシランを合成した。
【0066】原料に用いたポリカルボシランの平均分子
量は約800であったが、化学修飾後の平均分子量は実
施例1、2と同様にいずれも約5000に増加した。
【0067】こうして得た含フッ素ポリカルボシランの
トルエン溶液に、粒径450nmのSiC粉末を添加
し、撹拌、溶媒除去してコーティングし、化学修飾セラ
ミック粉末を得た。このようにして得た化学修飾セラミ
ックス粉末中に含まれる酸素に対するフッ素の割合を調
べたところ、それぞれ原子比で3.1、3.2、3.1で
あった。
【0068】化学修飾セラミック粉末を370kg/c
2圧力で金型成形した成形体の密度はそれぞれ64
%、65%、65%であった。
【0069】この成形体をヘリウム中で熱処理すると、
いずれも実施例1、2と同様に重量減少は200℃付近
から始まり、550℃までの一段階で終了した。
【0070】この重量減少過程における発生ガスをGC
−MASSで分析したところ、400℃付近からCF系
ガスおよびSiF系ガスの発生が観察された。化学修飾
セラミック粉末を550℃で1時間処理したもののフッ
素と酸素の分析を行ったところ、共に検出限界以下であ
った。
【0071】この化学修飾セラミック粉末を1000℃
で処理すると、1nm以下の非常に微細なβ−SiC粒
子が生成していることが分かった。
【0072】この含フッ素有機珪素化合物をコーティン
グした化学修飾炭化珪素系セラミック粉末を600℃で
1時間保持した後、2100℃に昇温して、30分保持
することにより炭化珪素の理論密度3.21g/cm3
対する相対密度で、いずれも93%以上の緻密な焼結体
が得られた。
【0073】
【発明の効果】本発明の化合物の基本骨格を架橋した有
機フッ素基含有有機珪素化合物を、セラミック粉末にコ
ーティングして化学修飾することにより、流動性,成形
性に優れた粉末が得られ、良好な成形体を提供すること
ができる。
【0074】また、熱処理過程において含有するフッ素
がセラミックス粉末表面を活性化するため焼結性にも優
れ、炭化珪素等の共有結合性が強く難焼結性のセラミッ
クスでも容易に焼結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の含フッ素有機珪素化合物のIRスペク
トル図である。
【図2】本発明の含フッ素有機珪素化合物の熱処理によ
る重量減少過程を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 眞一 東京都港区虎ノ門三丁目7番10号 ファ インセラミックス技術研究組合内 (56)参考文献 特開 平9−263451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/60 C08G 77/62

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結するとセラミックス焼結体となるセ
    ラミックス前駆体であって、珪素を主鎖に、かつ、有機
    フッ素基を側鎖に有する含フッ素有機珪素化合物の前記
    有機フッ素基が、ポリカルボシラン,ポリシランまたは
    ポリシラザンの側鎖に珪素−酸素−金属結合を介して主
    鎖に結合されているフルオロアルキル基であることを特
    徴とする含フッ素有機珪素化合物。
  2. 【請求項2】 前記酸素−金属結合が、基本骨格をなす
    有機珪素化合物の少なくとも2つの珪素に結合している
    請求項1に記載の含フッ素有機珪素化合物。
  3. 【請求項3】 前記酸素−金属結合の金属が珪素、チタ
    ン、アルミニウム、ジルコニウムの少なくとも1種であ
    る請求項2に記載の含フッ素有機珪素化合物。
  4. 【請求項4】 焼結するとセラミックス焼結体となる化
    学修飾セラミック粉末であって、 前記粉末が炭化珪素粒子ではその表面に珪素を主鎖に有
    機フッ素基を側鎖に有する含フッ素有機珪素化合物の前
    記有機フッ素基が、ポリカルボシランまたはポリシラン
    の側鎖に、 また、前記粉末が窒化珪素粒子ではその表面に珪素を主
    鎖に有機フッ素基を側鎖に有する含フッ素有機珪素化合
    物の前記有機フッ素基が、ポリシラザンの側鎖に、 それぞれ珪素−酸素−金属結合を介して主鎖に結合され
    ているフルオロアルキル基であることを特徴とする化学
    修飾セラミック粉末。
  5. 【請求項5】 前記酸素−金属結合が、基本骨格をなす
    有機珪素化合物の少なくとも2つの珪素に結合している
    請求項4に記載の化学修飾セラミック粉末。
  6. 【請求項6】 前記酸素−金属結合の金属が珪素、チタ
    ン、アルミニウム、ジルコニウムの少なくとも1種であ
    る請求項5に記載の化学修飾セラミック粉末。
  7. 【請求項7】 化学修飾セラミック粉末の酸素に対する
    フッ素の割合が原子比で1.5〜4倍である請求項4,
    5または6に記載の化学修飾セラミック粉末。
  8. 【請求項8】 炭化珪素粒子の表面に珪素を主鎖に、か
    つ、有機フッ素基を側鎖に有する含フッ素有機珪素化合
    物の前記有機フッ素基が、ポリカルボシラン,ポリシラ
    ンまたはポリシラザンの側鎖に珪素−酸素−金属結合を
    介して結合されたフルオロアルキル基である化学修飾セ
    ラミック粉末の成形体を、500℃〜600℃と100
    0℃付近とにおける2段階の熱処理を施し、さらに昇温
    することで焼結されていることを特徴とするセラミック
    ス焼結体。
JP10259798A 1998-04-14 1998-04-14 含フッ素有機珪素化合物と化学修飾セラミック粉末およびそれを用いたセラミックス焼結体 Expired - Fee Related JP2999749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10259798A JP2999749B2 (ja) 1998-04-14 1998-04-14 含フッ素有機珪素化合物と化学修飾セラミック粉末およびそれを用いたセラミックス焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10259798A JP2999749B2 (ja) 1998-04-14 1998-04-14 含フッ素有機珪素化合物と化学修飾セラミック粉末およびそれを用いたセラミックス焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11292973A JPH11292973A (ja) 1999-10-26
JP2999749B2 true JP2999749B2 (ja) 2000-01-17

Family

ID=14331658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10259798A Expired - Fee Related JP2999749B2 (ja) 1998-04-14 1998-04-14 含フッ素有機珪素化合物と化学修飾セラミック粉末およびそれを用いたセラミックス焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2999749B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11292973A (ja) 1999-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2653724B2 (ja) 高密度炭化ホウ素セラミックスの製造方法
JPH0840772A (ja) 炭化チタン焼結体とその製法
JP2999749B2 (ja) 含フッ素有機珪素化合物と化学修飾セラミック粉末およびそれを用いたセラミックス焼結体
JPH05222468A (ja) 反応合成法による炭化チタンとほう化チタンウイスカ強化チタニウム基複合材料の製造法
JPH08109067A (ja) 二ホウ化チタン焼結体とその製法
JPS593955B2 (ja) 高強度耐熱性ケイ素化合物焼成成形体の製造方法
JP2883074B1 (ja) 炭化珪素系セラミック粉末およびセラミックス焼結体の製法
JP3005650B2 (ja) 化学修飾炭化珪素セラミック粉末及び炭化珪素セラミックスの作製方法
JP2658944B2 (ja) 窒化珪素−窒化チタン系複合セラミックス及びその製造方法
JPS6212663A (ja) B4c質複合体およびその製造方法
CN1052652A (zh) 晶须补强氮化硅复合材料制造方法
JP3297547B2 (ja) 炭化珪素質焼結体の製造方法
JP2512942B2 (ja) ガスタ―ビン用強靱セラミック材料の製造方法
JP2984757B2 (ja) 含フッ素有機珪素化合物、及びセラミックスの製造方法
JPS6117466A (ja) セラミックス焼結体の製造方法
JP2944787B2 (ja) SiC系酸化物焼結体およびその製造方法
JPH03109269A (ja) 炭素繊維強化サイアロン基セラミックス複合材料
JP3051931B1 (ja) 高強度炭化ケイ素焼結体とその製造方法
JPS6144767A (ja) 高密度窒化珪素反応焼結体の製法
JPH0142915B2 (ja)
JPS62148370A (ja) 高耐酸化性窒化ケイ素系セラミツクスの製造方法
JPS63252966A (ja) 窒化ケイ素質セラミツクス複合体の製造方法
JP2534214B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JP2631109B2 (ja) 窒化珪素質複合焼結体の製造方法
JPH05132361A (ja) 窒化ケイ素焼結体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees