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JP3012297B2 - 異常事象同定方法及び装置 - Google Patents
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JP3012297B2 - 異常事象同定方法及び装置 - Google Patents

異常事象同定方法及び装置

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JP3012297B2
JP3012297B2 JP2230663A JP23066390A JP3012297B2 JP 3012297 B2 JP3012297 B2 JP 3012297B2 JP 2230663 A JP2230663 A JP 2230663A JP 23066390 A JP23066390 A JP 23066390A JP 3012297 B2 JP3012297 B2 JP 3012297B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プラントや機械等の異常事象同定対象につ
いて異常同定をはかる異常事象同定方法及び装置に関す
る。
〔従来の技術〕
プラントもしくは機械を健全に保つため、各種の機器
の故障や誤動作、あるいは運転員の誤操作、外乱などを
原因とする異常事象に対しては早期に対策をたてる必要
がある。このためには早期に異常事象を検出し、同定し
なければならない。プラントもしくは機械の各種状態量
から異常事象を同定するためには例えばパターン認識の
技術が用いられる。
最近、生物の神経回路網を模擬したニューラルネット
ワークのパターン認識への有効性が確認されている。こ
のニューラルネットワークは処理が高速で、入力信号に
多少の雑音が混入されていてもパターン認識が可能であ
るという優れた特徴を持っている。
ニューラルネットワークの原子力プラントの過渡異常
事象同定への応用について、エス・ピー・アイ・イー,1
095巻,アプリケーションズ オブ アーティフィシャ
ル インテリジェンス 7(1989年)第851項から第856
項(SPIE,Vol.1095,Applications of Artificial Intel
ligence VII(1989)PP851−856)において論じられて
いる。
この論文では、プラントの各検出器の出力のパターン
が各異常事象毎にユニークに定まるので、それは任意の
時刻におけるプラントの状態を同定する情報として使え
るとしている。
また、異常診断へのニューラルネットワークの応用に
ついて、ノイズ耐性、実時間処理が可能である等の点か
らその有効性を確認したと著者らは述べている。
〔発明が解決しようとする課題〕
実際のプラントもしくは機械にとりつけられている検
出器からの時系列データを常時とり込んで、異常事象を
同定するような装置では、異常発生時刻が明確でないた
め、ニューラルネットワークに与える入力側の時系列デ
ータのパターンがかなり異なってくることが考えられ、
ニューラルネットワークによる異常事象の同定の精度が
悪くなることが考えられる。
そのため、過渡異常のはじまりの時刻を何らかの方法
によりとらえ、その時刻を基準にデータを生成する必要
がある。
また過渡異常事象の違いにより、その事象に固有の時
間的振るまいで変化する場合が考えられる。
その場合、すべての事象に対して、等しい時間の間隔
でとり込んだ時系列データで事象の同定をすることが困
難であることが考えられる。
本発明の目的は、異常の発生時刻に従った異常事象同
定をはかる異常事象同定方法及び装置を提供するもので
ある(請求項1〜11)。
更に本発明の目的は、異常事象の内容を反映して異常
事象同定をはかる異常事象同定方法及び装置を提供する
ものである(請求項2,5)。
更に本発明の目的は、ニューラルネットワークを利用
しての異常事象同定をはかる異常事象同定方法及び装置
を提供するものである(請求項6〜11)。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の同定方法は異常信号発生時点の前後の、異常
事象同定対象系からの信号を、異常同定用のデータとし
て使用した(請求項1)。
本発明の同定方法は、異常信号発生時点の前後の、異
常事象同定対象系からの信号を、その異常信号の種類に
対応したサンプリングタイムで選択し、該選択した信号
を異常同定用のデータとして使用した(請求項2)。
本発明の同定装置は異常事象同定対象系からの検出信
号を時系列データとして記録する記録手段と、異常事象
同定対象系の異常信号発生時刻を検出する検出手段と、
該異常信号発生時刻を基準にして該時刻の前後の所定の
時間幅に存在する、上記記録手段内の時系列データを事
象同定用データとして読出す手段と、該事象同定用デー
タから異常事象を同定する同定手段と、より成る(請求
項3)。
本発明の同定装置は、異常事象同定対象からの検出信
号を時系列データとして、異常事象同定対象からの論理
信号を論理データとして、記録する記録手段と、異常事
象同定対象系の異常信号発生時刻を検出する検出手段
と、該異常信号発生時刻を基準にして該時刻の前後の所
定の時間幅に存在する、上記記録手段内の時系列データ
及び論理データを事象同定用データとして読出す手段
と、該事象同定用データから異常事象を同定する同定手
段と、より成る(請求項4)。
更に本発明の同定装置では、上記読出す手段は、異常
信号発生時刻を基準にして該時刻の前後の所定の時間幅
を特定する手段と、異常信号の種類に対応したサンプリ
ングタイムを事前に格納した格納手段と、上記発生異常
信号の種類を検出して格納手段から対応するサンプリン
グタイムを読出す手段と、該サンプリングタイムのサン
プルピッチに従って前記特定した時間幅内の、記録手段
内のデータを事象同定用データとして読出す手段と、よ
り成る(請求項5)。
更に本発明の同定装置では、上記同定手段は、ニュー
ラルネットワークを含んでなる(請求項6)。
更に本発明の同定装置では、上記ニューラルネットワ
ークは、シミュレータに基づく事前学習機能を有してな
る(請求項7)。
更に本発明の同定装置では、上記学習時にあっては、
ニューラルネットワークの入力部分である入力層に与え
るデータのサンプリング時間幅、データ点数を、異常信
号に合わせて変化させた(請求項8)。
更に本発明の同定装置では、上記ニューラルネットワ
ークに関する。その層の数、各層の情報を処理する単位
であるユニットの数は、外部に設置したメモリから与え
ることとした(請求項9)。
更に本発明の同定装置では、ユーザの問い合わせに応
じて、ニューラルネットワークで使用したデータの種
類、データ点数、サンプリング時間幅および学習済みニ
ューラルネットワークデータを表示することのできる問
い合わせ機能を有する(請求項10)。
更に本発明の同定装置では、プラントもしくは機械の
異常事象に対応した知識を登録してあるデータベースを
用いた知識処理を実施し、さらに詳細な異常項目を決定
する機能を有する(請求項11)。
〔作 用〕
本発明によれば、異常発生時点の前後の、異常事象同
定対象系からの信号を、異常同定用のデータとして使用
し、同定精度の向上をはかれる(請求項1,3,4)。
本発明によれば、異常信号の種類や変化速度に対応し
たサンプリングタイムで異常発生時点の前後のデータを
選択し、種類や変化速度に合致した異常同定をはかる
(請求項2,5)。
本発明によれば、ニューラルネットワークを用いて異
常同定をはかる(請求項6〜11)。
〔実施例〕
第1図は本発明の異常同定装置の実施例図を示す。
第1図の構成要素は以下より成る。
プラント10…異常事象の同定対象となるプラントであ
る。
検出信号及び論理信号20…プラント10に設置されてい
る検出器(図示せず)からの検出信号及びプラントの各
機器の動作状態を示す論理信号である。
異常信号30…プラント10の異常時にプラントから発生
する異常信号である。
データ取込み・記録装置40…検出器の検出信号及び論
理信号20を取り込んで記録するものである。
シミュレータ60…異常事象及び異常時の検出器の時系
列データ及び論理信号を模擬するものである。
データ90…模擬した異常信号発生時刻のデータ及模擬
した異常信号発生時刻の前後の時系列データ及び論理信
号のデータである。
データ100…実際のプラントにおける異常信号発生時
刻のデータ及び異常信号発生時刻の前後の時系列データ
及び論理信号のデータである。
事象同定用データ装置110…異常信号20の発生時刻を
もとに、異常信号20の種類に応じて予め定めた所定の時
間幅のデータを選択して事象の同定に必要なデータ120
を生成するものである。
事象同定部(ニューラルネットワーク130Aの他に学習
処理及び同定処理を行う処理部130Bを持つ)130…学習
済みのニューラルネットワークデータを外部記憶装置
(メモリ)140から取り込んでニューラルネットワーク
を確立した後に、事象同定用データ120を取り込んで、
異常の事象の同定をするものである。更に、上記学習済
みのニューラルネットワークデータを得るために、プラ
ントの動特性モデルのシミュレータ60から生成された模
擬データ90を取り込み、ニューラルネツトワークの学習
を行わせ、その結果を外部記憶装置140に記憶させる機
能を持つ。前記異常事象の同定は、事象同定用データを
入力としてのニューラルネットワークの130の出力パタ
ーンと、外部記憶装置(メモリ)150に記憶されている
出力パターン/異常事象対応データのテーブルを参照す
ることによって行う。信号160が同定結果を示す。
表示端末装置170…同定結果160を表示するためのCRT
表示及び端子装置である。キーボード等の端末部を有す
る。
信号180,190,200…本実施例の異常事象同定を学習モ
ードで機能させるか同定モードで機能させるかを選択す
るための信号である。即ち、学習モードを指定した場
合、シミュレータ60を動作させ、この結果の模擬データ
90を事象同定用データ装置110に送り込み、ここで模擬
の事象同定用データ120を得、ニューラルネットワーク1
30Aで学習を行わせ、その結果を外部メモリ14に記憶さ
せる、ような制御を信号180,190,200が指示する。一
方、同定モードを指定した場合、上記学習で得た学習済
みの諸データを外部メモリ140から読出してニューラル
ネットワーク130Aに設定すると共に、データ取込み・記
録装置40からの各種データ100を事象同定用データ装置1
10に取り込ませ、ここで得た事象同定用データ120をニ
ューラルネットワーク130Aに送り、ニューラルネットワ
ーク130Aでは、外部メモリ150のテーブルを利用して事
象同定を行わせる、ような制御を信号180,190,200が指
示する。
ここで、信号180,190,200は、CRT170に対するユーザ
(オペレータ)の指示によって与えられるものである。
次に、第2図は第1図の実施例の処理フローチャート
を示す。先ず、ユーザの要求が、学習モードか同定モー
ドかを判別する(処理1f)。学習モードであれば、処理
1g−1〜処理1i−3を実行する。同定モードであれば、
処理1a〜処理1eを実行する。
学習モードか同定モードかはユーザのその時の要求に
よって定まるものであり、ユーザかCRT170の文字画面で
指定(又はキーボードで指定)すればよい。
先ず、学習モードの場合(処理1g−1〜1i−3)を説
明する。シミュレータ60を起動し、プラント10の動特性
モデルを動作させて、ある異常事象に対する各種検出器
信号の模擬時系データ及びその時の模擬論理信号のデー
タ90を生成する(処理1g−1)。
このデータ90は事象同定用データ装置110に送られ、
事象同定用データが生成される(1c)。この生成処理は
同定モード(後述)の処理と変りない。
ニューラルネットワーク130Aでは、データ90による事
象同定用データ120を入力データとして与え、出力パタ
ーン/異常事象対応データテーブルを格納している外部
メモリ150から異常事象に対応する出力パターンを教師
データとして与え、通常の誤差逆伝播アルゴリズム等に
よりニューラルネットワーク130Aに学習させる(処理1i
−1)。
次に模擬する事象を他の事象に変更し(処理1g−
2)、一連の処理(処理1g−1,1c,1i−1,1g−2)を同
定する事象の数だけ繰返す。更に、ニューラルネットワ
ーク130Aにおいて、あらかじめ定めておいた学習終了条
件(二乗誤差小,所定の学習回数終了)を満たすまで上
記各処理を繰返す。
学習終了条件を満たした場合、学習結果を外部メモリ
140に記憶し(処理1i−3)、最初の状態たるユーザの
要求を聞く段階(処理1f)に戻る。
次に同定モードの場合を処理(処理1a〜1e)に従って
説明する。
先ず異常信号30が発生していない間及び異常信号30が
発生しても所定の時間が経たないうちは(処理1a)、プ
ラント10に設置されている検出器の信号及びプラントの
動作状態を表わす論理信号20をデータ取込み・記録装置
40に取り込み記録する(処理1b)。
異常信号30が発生してから所定の時間が経つ(処理1
a)と、異常信号発生時刻の前後の時系列データ、異常
信号発生時刻データおよび論理信号のデータ100は事象
同定用データ装置110に送られる。
事象同定用データ装置110では、異常信号30の種類に
応じて、予め定めた所定の時間幅で、異常信号発生時刻
を基準にして、時系列データから事象の同定に必要なデ
ータを選択する。
この時系列データから生成したデータと論理信号デー
タをまとめて事象同定用データ120として事象同定用デ
ータ装置110はニューラルネットワーク130Aに向けて送
り出す(処理1c)。
ニューラルネットワーク130Aでは、学習をした結果と
して得られた重み係数、しきい値といったすでに学習済
みのニューラルネットワークデータを外部記憶装置140
から取り込んでニューラルネットワークを確立し、事象
同定用データを用いて、この確立したニューラルネット
ワークによりニューラルネットワーク処理により、ある
出力パターンを得る。
処理部130Bは、この出力パターンについて、外部記憶
装置150内に記憶されている出力パターン/異常事象対
象データテーブルを参照することにより、同定結果160
を出力する(処理1d)。そして、同定結果160は表示端
末装置170に表示される(処理1e)。
尚、学習モードの場合、プラント10において、異常事
象が発生すると、この学習モードは自動的に終了し、同
定モードに移る。
第3図はデータ取込み・記録装置40の実施例図であ
る。
20A…プラントに設置されている検出器からの信号で
ある。
20B…プラント機器の動作状態を示す論理信号であ
る。論理信号とは、原子力発電プラントの例であれば、 (イ)給水ポンプトリップを示す論理信号(トリップで
“1",トリップでなければ“0") (ロ)水位レベル高を示す論理信号(上限水位閾値を越
えたで“1",越えなければ“0") (ハ)蒸気圧高を示す論理信号(上限蒸気圧閾値を越え
たで“1",越えなければ“0") (ニ)バイパス弁開を示す論理信号(開で“1",閉で
“0") の如きものである。
第3図において、 30…プラントの異常時にプラントから発生する異常信
号である。
100…実際のプラントにおける異常信号発生時刻のデ
ータ及び異常信号発生時刻の前後の時系列データ及び論
理信号のデータである。
40a…プラントからの各種データを記録する記録媒体
である。
40a−1…プラントの各種検出器信号の時系列データ
をD11,D12,…,D21,D22,…エンドレスで記録する時系列
データ記録部である。
40a−2…異常信号発生時刻を記録する異常信号発生
時刻記録部である。
40a−3…プラント周辺装置から発生するプラントの
動作状態を示す論理信号L1,L2,…を記録する論理信号記
録部である。
40b…時間を参照するためのクロックである。
40c…クロック40bにおける時刻を参照することにより
異常信号30発生の時刻tiを求める異常信号発生時刻算定
装置である。
40d…クロック40bの時刻tと、異常信号発生時刻記録
部40a−2に記録されている異常信号発生時刻tiを比較
しながら、異常信号30発生後の検出器信号の記録時間を
決める時系列データ記録限定装置である。
次に第4図のフローチャートを用いて、第3図の装置
の動作を説明する。
まず、異常信号30がデータ取込み・記録装置40内の異
常信号発生時刻算定装置40cに入力しないうちは(処理4
a)、記録媒体40aの時系列データ記録部40a−1および
論理信号記録部40a−3にそれぞれ検出器信号20Aおよび
論理信号20Bをクロック40bの時刻と共に記録していく
(処理4b)。論理信号記録部40a−3は論理信号の種類
だけ用意されたメモリである。
異常信号30が異常信号発生時刻算定装置40cに入力す
ると(処理4a)、異常信号30が入力した時刻をクロック
40bを参照して求め、その時刻を異常信号発生時刻記録
部40a−2に記録する(処理4c)。
異常信号30の発生から検出器信号を記録する時間Tを
あらかじめ定めておき、時系列データ記録限定装置40d
に事前に記録しておく。
異常信号発生時刻記録部40a−2に記録されている異
常信号発生時刻からの経過時間をクロック40bで示され
る時刻から求め、その経過時間が事前記録値Tを越えな
いうちは、検出器信号20Aおよび論理信号20Bを取り込
み、クロック40bの時刻と共に記録媒体40aに記録してい
く(処理4d,4b)。
異常信号発生時刻から時間Tが経過する(処理4d)
と、信号20A,20Bの記録を停止する(処理4e)。
その後、記録後の異常信号発生時刻の前後の検出器信
号の時系列データ、異常信号30の発生時刻のデータおよ
び論理信号データをまとめたデータ100を事象同定用デ
ータ装置110に向けて送り出す(処理4f)。
第5図は事象同定用データ装置110の実施例図であ
る。
110a…時系列データから事象同定装置に与える際のデ
ータを選択する時系列データ・サンプリング装置であ
る。
110b…時系列データから事象の同定に必要なデータを
抽出する際、異常信号30もしくは模擬異常信号31に応じ
たサンプリングタイムを記録してある外部記憶装置であ
る。サンプリングタイムとしては、Δt1,Δt2,…,Δtn
の如く数多く設定されており、異常信号の種類に応じた
サンプリングタイムとなっている。
110c…シミュレータからのデータ90かプラントからの
データ100かを選択するための学習・同定データ切換え
スイッチである。
110a−1…検出器信号の時系列データから生成した事
象の同定に必要なデータを格納しておくためのメモリで
ある。
110a−2…論理信号記録部である。
110c−1…論理信号記録部である。
110c−2…時系列データ記録部である。
110c−3…異常信号発生時刻記録部である。
次に、第6図を用いて第5図の事象同定用データ装置
110の動作を説明する。
まず、表示端末装置170を通してのユーザからの要求
が学習モードの場合(処理11a)、信号線190によって、
学習・同定データ切換えスイッチ110cを学習用に切り換
える。事象同定用データ装置110に入力するデータは、
シミュレータ60からの模擬データ90となる(処理11
c)。
ユーザからの要求が学習モードでない場合(処理11
a)、スイッチ110cは同定用に切り換わり、入力データ
は実プラントデータ100となる(処理11b)。
入力データが模擬データ90、実プラントデータ100の
いずれにしてもそれぞれの時系列データを時系列データ
記録部110c−2に、論理信号データを論理信号記録部11
0c−1に、異常信号発生時刻データを異常信号発生時刻
記録部110c−3にそれぞれ取り込む(処理11d)。
時系列データ・サンプリング装置110aでは、模擬異常
信号31あるいは異常信号30の種類に応じて外部記憶装置
110bに貯えられているサンプリングタイムのうちの1つ
を選択する(処理11e)。
選択したサンプリング・タイムで時系列データから、
異常信号発生時刻を基準にしてデータを取り出し、メモ
リ110a−1に格納する(処理11f)。
取り出したデータ及び論理信号のデータ120を事象同
定装置130に送り出す(処理11g)。
データのサンプリングタイムの変更は、異常信号の種
類に応じて行ったが、この具体例を以下述べる。
(イ)異常信号の発生源別に行うやり方がある。この場
合には、異常信号の発生個所が特定できることが前提で
ある。但し、発生源がわかっていることは、必ずしも異
常事象の同定とは結びつかず矛盾することはない。むし
ろ、原子力プラントの如き大型システムにあっては、異
常が種々の現象として現われて来、そこから異常の同定
が必ず必要である。
(ロ)検出器信号の変化をみるやり方がある。検出器信
号は、その振幅、周期(一種の変化速度)等でその性状
を規定できる。この性状の大小(振幅が小さいとか大き
いとか、変化速度が速いとか遅いとか)で、異常の同定
をはかることができる。
(ハ)(イ)と(ロ)との組合せをもって、異常の同定
に供することもできる。即ち、異常発生源と異常信号の
性状によって、サンプリングタイムを選択するやり方で
ある。
第7図は、サンプリングタイムを検出器信号の変化速
度に対応して変更させた場合のあるいは異常信号の種類
を変えた場合の、同定用データ装置の動作を説明した図
である。
第7図(a)のようにプラントから異常信号Aが発生
した場合には、検出器信号の時系列データ40a−10のよ
うな早い変化を起こす過渡応答があるものとする。
このとき、かかる早い変化であることを判断してΔt1
のように短いサンプリング・タイムを選択し、このサン
プリングタイムで同定用データa1,a2,a3,…を採取す
る。
第7図(b)のようにプラントから異常信号Bが発生
した場合には、検出器信号の時系列データ40a−11のよ
うなゆっくりとした変化を起こす過渡応答があるものと
する。
このとき、かかる遅れ変化であることを判断してΔt2
のように長いサンプリングタイムを選択し、このサンプ
リングタイムで同定用データb1,b2,b3を採取する。
以上のように異常信号に応じたサンプリングタイムを
導入することで、固有の時間的変化をする過渡異常事象
をとらえることができ、事象同定の際に誤認識する割合
を減少させることができる。
第8図は、事象同定装置130の実施例図を示す。
130A…ニューラルネットワークである。
130B1,130B2…処理部130Bを構成し、130B1は出力パタ
ーン・事象照合部、130B2は同定/学習切換え部であ
る。
140a…ニューラルネットワークの層の数、各層のユニ
ット数、ユニット間の結合の重み係数、各ユニットのし
きい値といった学習済みニューラルネットワークデータ
である。
140b…学習直後のニューラルネットワークデータであ
る。
140c…ニューラルネットワークの入力部である。
140d…ニューラルネットワークの出力部である。
次に第8図の事象同定部130の動作を第9図のフロー
チャートを用いて説明する。
先ず、ユーザの要求180が学習モードか同定モードか
の判定をする(処理13a)。表示端末装置170を通しての
ユーザの要求が学習モードの場合、同定・学習モード切
り換え部130B2を信号線180を通して学習側のデータの流
れだけにする。
シミュレータ60で模擬した異常事象に対応した出力パ
ターン130aを出力パターン/異常事象対応データ・テー
ブルを出力パターン・異常事象照合部130B1からニュー
ラルネットワーク130Aの出力部140dに与える(処理13
i)。
シミュレータ60からの模擬データ90より生成した事象
同定用データ120を取り込み、ニューラルネットワーク1
30Aの入力部140cに与える(処理13j)。
この後、ニューラルネットワーク130Aに学習をさせ、
重み係数、しきい値を修正し(処理13k)、予め定めた
学習終了条件を満たしていなかったら(処理13l)、別
の異常事象を選択し(処理13m)、シミュレータ60を起
動して、模擬プラント・データから新たに事象同定用デ
ータ120を作成しておく。
その後、処理13i,13j,13k,13l,13mの一連の手続き
を、学習終了条件を満たさないうちは繰り返す。学習終
了条件を満たすと(処理13l)、重み、しきい値といっ
た学習後のニューラルネットワークデータ140bを外部記
憶装置140に記憶させる(処理13n)。そして、動作は事
象同定装置の実行開始地点にもどる。
次に、表示端末装置170を通してのユーザの要求が学
習モードでない場合(処理13a)、同定・学習モード切
り換え部13B2を信号線180を介して同定側のデータの流
れだけにする。まず、学習済みニューラルネットワーク
データ140aをニューラルネットワーク130Aに読み込む
(処理13b)。この後で異常信号30が発生し(処理13
c)、事象同定用データ120が生成されると、事象同定用
データ120を取り込む(処理13d)。
次に、ニューラルネットワーク130c内のニューラルネ
ットワークの処理により、出力パターン130aを得る(処
理13e)。
出力パターン/異常事象対応データテーブル150から
出力パターン・異常事象照合部130B1にデータを取り込
み(処理13f)、出力パターン・異常事象照合部130B1で
同定結果160を得る(処理13g)。
そして、同定結果160を表示端末装置170に表示する。
本実施例によれば、学習時には学習済みのニューラル
ネットワークデータを得ることができ、同定時にはこの
データを利用して異常事象の同定をはかることができ
る。
尚、以上の本実施例における異常事象同定装置におい
ては学習モードの動作時に、事象同定装置130を構成す
るニューラルネットワークの入力部分である入力層に与
えるデータのサンプリング時間幅、データ点数を表示端
末装置170を介しても変化させることができる。
また、表示端末装置170においては、ユーザからの問
い合わせに応じて、異常事象同定装置で使用したデータ
の種類、データ点数、サンプリング時間幅および学習済
みニューラルネットワークデータを表示することができ
る。
出力パターン/異常事象対応データテーブル150の一
例を第10図に示す。異常事象は、原子力プラントの例を
示し、主蒸気隔離弁閉鎖、給水加熱喪失、全給水流量喪
失の3つの例を示した。一方、出力パターンは、2値デ
ータ例を示す。即ち、ニューラルネットワークからの出
力は多くの場合、1と0との2値データであり、図で
は、3ビット出力例を示した。
尚、学習時には、事象に対応した出力パターンをニュ
ーラルネットワークの教師データとして与えることにな
る。
以上の第1図〜第10図で述べた本実施例によれば、以
下の如き効果がある。
(イ)本実施例によれば、異常信号発生時刻を基準に事
象同定用データを作成するため、個々の異常事象に対応
した同定用データは、それぞれユニークなパターンとな
る。そのため事象の誤認識は減少し、複雑なパターンの
同定用データでも同定が可能となる。
また、異常信号の種別によりデータのサンプリング時
間を変えることで、異常事象固有の時間的変化をとらえ
ることができ、事象の誤認識を減少させることができ
る。
(ロ)プラントの異常な過渡変化を模擬することのでき
るシミュレータを有することで、事象同定装置内のニュ
ーラルネットワークに学習をさせることができる。この
ため、プラント側に仕様の変更があった場合でも、事象
同定装置の迅速な対応が可能となる。
(ハ)本実施例の異常事象同定装置によれば、プラント
からの時系列データに加えて、プラントの動作状態を示
す論理信号の発生の有無に係るデータを使用しているた
め、プラントの異常に対する情報がより明確になるの
で、高い精度でプラントの異常事象を同定することがで
きる。
(ニ)シミュレータを用いた学習時にニューラルネット
ワークの入力層に与えるデータのサンプリング時間幅、
データ点数を変化させることができる。
このため、事象同定装置に固有の時間的変化をする異
常事象の時系列データからそれぞれ最適なサンプリング
タイムで取り出したデータを与えることができ、事象を
誤認識する割合を減少させることができる。
(ホ)事象同定部130内のニューラルネットワークにつ
いて、その層の数、各層の情報を処理する単位であるユ
ニットの数のデータおよびそれに対応した学習済みニュ
ーラルネットワークデータを外部記憶装置140から与え
ることができる。
このため、事象同定装置130で使用するニューラルネ
ットワークの構成を容易に更新することができ、装置の
保守が容易になる。
(ヘ)ユーザの問い合わせに応じて、事象同定部130で
使用したデータの種類、データ点数、サンプリング時間
幅および学習済みニューラルネットワークデータを表示
端末装置170に表示することができるので、使用したデ
ータの確認が可能になり、異常事象同定装置に対する信
頼性が高まる。
第11図は、第1の実施例を変形させた場合の異常事象
同定装置の構成を示すブロック図である。第1の実施例
からの変更部分は、データ取込み・記録装置40からシミ
ュレータ60に新たにデータの流れ101を付け加えたこと
と、知識処理装置210と異常部分知識ベース220を加えた
ことである。
データ101は、実際のプラントにおける異常信号発生
時刻のデータおよび異常信号発生時刻の前後の時系列デ
ータおよび論理信号のデータ100と同じものである。
異常部分知識ベース220は種々の異常事象に対応する
詳細な異常部分についての知識を格納してある異常部分
知識ベースである。
知識処理装置210は事象同定部130からの同定結果160
と異常部分知識ベース220を利用して、さらに詳細なプ
ラントの異常部分を決定する知識処理装置である。
次に本実施例の異常事象同定装置の動作を第12図のフ
ローチャートにもとづいて説明する。
尚、第12図においては、学習モード(処理1f)の場合
の動作は、処理1g−10において実機データも出力する以
外はまったく同じなので、ここでは説明を省略する。
一方、ユーザの要求が学習モードでない(処理1f)場
合、異常信号30が発生していない間および異常信号30が
発生しても所定の時間が経たないうち(処理1a)はプラ
ント10に設置されている検出器の信号およびプラントの
動作状態を表す論理信号20をデータ取込み・記録装置40
に取り込み、記録する(処理1b)。
異常信号30が発生してから所定の時間が経つ(処理1
a)と、異常信号発生時刻の前後の時系列データ、異常
信号発生時刻データおよび論理信号のデータ100は事象
同定用データ生成装置110に送られると同時に同じ異常
時のプラントデータ101がシミュレータ60に記録される
(処理11a)。
事象同定用データ装置110では、異常信号30の種類に
応じて、予め定めた所定の時間幅で、異常信号発生時刻
を基準にして、時系列データから事象の同定に必要なデ
ータを選択する。この時系列データから生成したデータ
と論理信号データをまとめて事象同定用データ120とし
て事象同定用データ信号110は事象固定部130に向けて送
り出す(処理1c)。
事象同定部130では、学習をした結果として得られた
重み係数、しきい値といったすでに学習済みのニューラ
ルネットワークデータを外部記憶装置140から取り込ん
で、事象同定用データを用いて、ニューラルネットワー
ク処理により、ある出力パターンを得る。
事象同定部130は、この出力パターンについて、外部
記憶装置150内に記憶されている出力パターン/異常事
象対応データテーブルを参照することにより、同定結果
160を出力する(処理1d)。
同定結果160と異常部分知識ベース220を利用すること
により、知識処理装置210において、さらに詳細なプラ
ントの異常部分の項目を導出する(処理11b)。
そして、最後に同定結果および異常項目を表示端末装
置170に表示する(処理11c)。
例えば、全給水流量喪失という事象の場合は故障した
給水ポンプを導出するうことにより細かな異常項目を導
出することができる。
(イ)本実施例によれば、プラント実機データも学習デ
ータとして利用できるようになり、学習の信頼性も向上
する。
そのため、同定の性能においても、誤認識の少ない異
常事象同定装置を構成することができる。
(ロ)更に本実施例によれば、知識処理の利用により、
詳細な異常部分が明確になるため、異常事象発生後の対
策決定が容易になる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、異常発生時点の前後のデータを用い
て、異常の同定を行うことができ、同定精度の向上がは
かれる(請求項1,3,4)。
更に本発明によれば、異常信号の種類や検出器信号の
変化速度に対応したサンプリングタイムで、異常発生時
点の前後のデータを選択し、種類や変化速度に合致した
異常の同定をはかれる(請求項2,5)。
更に本発明によれば、時系列データの他に論理信号を
も取り込んでいるため、時系列データのみに比べ同定精
度を高めることができる(請求項3)。
更に本発明によれば、ニューラルネットワークを異常
同定用に使ったことにより、ニューラルネットワークに
よる同定認識能力を高めることができる(請求項6〜1
1)。
更に本発明によれば、プラントの異常な過渡変化を模
擬することのできるシミュレータを有することで、事象
同定装置内のニューラルネットワークに学習をさせるこ
とができる(請求項7)。このため、プラント側に仕様
の変更があった場合でも、事象同定装置の迅速な対応が
可能となる。
更に本発明によれば、シミュレータを用いた学習時に
ニューラルネットワークの入力層に与えるデータのサン
プリング時間幅、データ点数を変化させることができる
(請求項8)。このため、事象同定装置に固有の時間的
変化をする異常事象の時系列データからそれぞれ最適な
サンプリングタイムで取り出したデータを与えることが
でき、事象を誤認識する割合を減少させることができ
る。
更に本発明によれば、事象同定装置内のニューラルネ
ットワークについて、その層の数、各層の情報を処理す
る単位であるユニットの数のデータおよびそれに対応し
た学習済みニューラルネットワークデータを外部記憶装
置140から与えることができる(請求項9)。このた
め、事象同定装置で使用するニューラルネットワークの
構成を容易に更新することができ、装置の保守が容易に
なる。
更に本発明によれば、ユーザの問い合わせに応じて、
事象同定装置で使用したデータの種類、データ点数、サ
ンプリング時間幅および学習済みニューラルネットワー
クデータを表示装置に表示することができるので、使用
したデータの確認が可能になり、異常事象同定装置に対
する信頼性が高まる(請求項10)。
更に本発明によれば、知識処理の利用により、詳細な
異常部分が明確になるため、異常事象発生後の対策決定
が容易になる(請求項11)。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の異常事象同定装置の全体構成のブロッ
ク図、第2図は第1図の装置の動作を説明するフローチ
ャート、第3図は第1図の異常事象同定装置の一部を構
成するデータ取込み記録装置の構成を示すブロック図
で、第4図は第3図の装置の動作を説明するフローチャ
ートで、第5図は第1図の異常事象同定装置の一部を構
成する事象同定用データ生成装置の構成を示すブロック
図で、第6図は第5図の装置の動作を説明するフローチ
ャートで、第7図(a),(b)は事象同定用データ生
成の際のサンプリングタイムを変化させた場合の効果を
説明している図で、第8図は第1図の異常事象同定装置
の一部を構成する事象同定装置と表示端末装置の構成を
示すブロック図で、第9図は第8図の装置の動作を説明
するフローチャートで、第10図は出力パターン/異常事
象対応データテーブル構成図で、第11図は第1図の異常
事象同定装置の変形例のブロック図で、第12図は第11図
の装置の動作を説明するフローチャートである。 10……プラント、20……検出器からの信号およびプラン
ト論理信号、30……異常信号、31……模擬異常信号、40
……データ取込み・記録装置、60……シミュレータ、90
……模擬プラントデータ、100……実機プラントデー
タ、110……事象同定用データ装置、120……事象同定用
データ、130……事象同定部、140……学習済みニューラ
ルネットワークデータを記録してある外部記憶装置、15
0……出力パターン・異常事象対応データテーブルを記
録してある外部記憶装置、160……同定結果のデータ、1
70……表示端末装置、180,190,200……同定・学習制御
信号。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−77616(JP,A) 特開 昭63−223905(JP,A) 特開 昭63−189906(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 21/00 G05B 23/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異常信号発生時点の前後の、異常事象同定
    対象系からの信号を、異常同定用のデータとして使用し
    てなる異常事象同定方法。
  2. 【請求項2】異常信号発生時点の前後の、異常事象同定
    対象系からの信号を、その異常信号の種類に対応したサ
    ンプリングタイムで選択し、該選択した信号を異常同定
    用のデータとして使用してなる異常事象同定方法。
  3. 【請求項3】異常事象同定対象系からの検出信号を時系
    列データとして記録する記録手段と、異常事象同定対象
    系からの異常信号から異常発生時刻を検出する検出手段
    と、該異常発生時刻を基準にして該時刻の前後の所定の
    時間幅に存在する、上記記録手段内の時系列データを事
    象同定用データとして読出す手段と、該事象同定用デー
    タから異常事象を同定する同定手段と、より成る異常事
    象同定装置。
  4. 【請求項4】異常事象同定対象からの検出信号を時系列
    データとして、異常事象同定対象からの論理信号を論理
    データとして、記録する記録手段と、異常事象同定対象
    からの異常信号から異常発生時刻を検出する検出手段
    と、該異常信号発生時刻を基準にして該時刻の前後の所
    定の時間幅に存在する、上記記録手段内の時系列データ
    及び論理データを事象同定用データとして読出す手段
    と、該事象同定用データから異常事象を同定する同定手
    段と、より成る異常事象同定装置。
  5. 【請求項5】上記読出す手段は、異常信号発生時刻を基
    準にして該時刻の前後の所定の時間幅を特定する手段
    と、異常信号の種類に対応したサンプリングタイムを事
    前に格納した格納手段と、上記発生異常信号の種類を検
    出して格納手段から対応するサイプリングタイムを読出
    す手段と、該サンプリングタイムのサンプルピッチに従
    って前記特定した時間幅内の、記録手段内のデータを事
    象同定用データとして読出す手段と、より成る請求項3
    又は4の異常事象同定装置。
  6. 【請求項6】上記同定手段は、ニューラルネットワーク
    を含んでなる請求項3〜5のいずれか1つの異常事象同
    定装置。
  7. 【請求項7】上記ニューラルネットワークは、シミュレ
    ータに基づく事前学習機能を有してなる請求項6の異常
    事象同定装置。
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