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JP3047966B2 - 液晶光学素子およびその製造方法 - Google Patents
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JP3047966B2 - 液晶光学素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶光学素子およびその製造方法

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JP3047966B2
JP3047966B2 JP19120897A JP19120897A JP3047966B2 JP 3047966 B2 JP3047966 B2 JP 3047966B2 JP 19120897 A JP19120897 A JP 19120897A JP 19120897 A JP19120897 A JP 19120897A JP 3047966 B2 JP3047966 B2 JP 3047966B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧無印加時に吸
収状態となり、電圧印加時に選択反射状態となる液晶光
学素子に関するものであり、本発明の液晶光学素子は、
文字、図形等を表示する表示装置等に利用される。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイを使用した携帯端末の
動作時間の向上の解決方法の一つは、液晶デバイスとし
てバックライトが不要なデバイス、すなわち反射型の液
晶デバイスを使用することである。この反射型に関して
は、GH(ゲスト−ホスト)モード、電界制御複屈折
(ECB)モードが報告されている。また、国際出願9
2/19695号公報に開示されたカイラルネマチック
液晶中に微量の高分子化合物を分散する方法では、電界
無印加下に液晶相はプレナーテクスチャーを形成し可視
光の選択反射状態となり、電圧印加下にフォーカルコニ
ックテクスチャーを形成し半透明となる液晶光学素子が
得られている。一般に高分子安定化コレステリックテク
スチャー(PSCT)素子と呼ばれるこの液晶光学素子
は、カイラルネマチック液晶の相変化による選択反射/
半透過の特性を利用しており、光吸収層と組み合わせる
ことにより選択反射状態と光吸収状態をとる反射型液晶
光学素子が作製できる。また、この反射型液晶光学素子
は双安定性を有するため、単純マトリックスで駆動され
る。なお、この液晶光学素子では、液晶滴の間隔の設定
により選択反射波長が異なる液晶光学素子が作製できる
ため、RGB各波長を選択反射する画素を並置あるいは
積層することによりマルチカラー化がカラーフィルター
無しで実現できる。しかし、この液晶光学素子は、左右
円偏光の一方の円偏光を反射するため、反射効率が低い
という課題がある。
【0003】一方、特公平3−52843号公報では液
晶をマイクロカプセル化し高分子材料中に分散した透過
/散乱型の液晶光学素子が開示されている。この開示技
術は偏光板を要しないため光の利用効率が高いというこ
と、さらにTFT(薄膜トランジスタ)、MIM等のア
クティブ素子での駆動が可能であるという利点を有して
いる。また、この開示技術の類似技術として、液晶中に
二色性色素を溶解した透過/吸収型の液晶光学素子、い
わゆるゲスト−ホストモードが特開昭62−50278
0号公報で報告されている。さらに、特開平9−804
01号公報では、この液晶中に二色性色素を溶解した液
晶マイクロカプセル層を反射板上に電極層を介して積層
する技術が開示されている。さらに、特開平5−134
266公報において液晶と高分子から構成された反射型
の液晶素子が開示されている。この開示技術の液晶光学
素子では規則的に並んだ液晶滴と高分子材料の屈折率差
に起因する光の干渉を利用して光の反射/透過を制御し
ており、ホログラフィック高分子分散液晶素子と呼ばれ
ている。電圧無印加状態では、液晶滴中の液晶分子はラ
ンダムに配向しており、高分子材料と屈折率差が生じて
いる。この屈折率差と液晶滴の周期により光が選択的に
反射される。また、この液晶光学素子に電圧を印加して
いくと、高分子材料と液晶滴との屈折率差が小さくな
り、選択反射光強度が低下していく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホログラフィック高分
子分散液晶素子(HPDLC)の多色化方法としては赤
色、緑色、青色の空間分割(平面配置)または、赤色、
緑色、青色をそれぞれ反射する3枚の単色パネルを貼り
合わせることが報告されている(特開平6−29495
2号公報)。空間分割型では、画素を3分割するため光
利用効率が単色パネルの1/3に低下するという課題が
あり、3枚のパネルのはり合わせでは光利用効率は空間
分割の3倍であるが、基板の厚みに起因する視差が発生
するという課題があった。
【0005】また、液晶マイクロカプセル層間に基板を
使用せず3層を積層した、ゲスト−ホストモードの液晶
光学素子が特開平9−80401号公報で開示されてい
るが、この開示技術では、3層の積層構造を製造するプ
ロセスとして、各画素電極に電圧を印加するための導体
柱を作製する工程、各画素電極と導体柱を電気的に接続
するために各液晶マイクロカプセル層ごとにレジスト処
理工程が必要であり、製造プロセスが複雑であるという
課題を有していた。
【0006】本発明の目的は視差が無く、高解像度で、
製造プロセスが比較的簡単なホログラフィック型高分子
分散液晶光学素子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は次のようであ
る。 1.一枚の光吸収基板上に高分子樹脂と液晶材料から成
る調光層が電極層と交互に積層され、それぞれの調光層
は電極層で挟まれていて、調光層中の液晶材料が高分子
樹脂中に滴状で規則的に配列しており、かつ、可視光領
域の光を選択的に反射することを特徴とする液晶光学素
子において各表示画素ごとに少なくとも一つ、開口部を
有することを特徴とする液晶光学素子。 2.積層された調光層が、各表示画素ごとに分離してい
ることを特徴とする上記1記載の液晶光学素子。 3.各表示画素の側面に各電極層からの取り出し電極を
有することを特徴とする上記1または2記載の液晶光学
素子。 4.光吸収基板の平面と取り出し電極を形成する開口部
の側面の成す角度が90度未満であることを特徴とする
上記1または2記載の液晶光学素子。 5.光吸収基板上に3層の調光層が積層されており、か
つ、各調光層の反射光がそれぞれ赤色、緑色、青色であ
ることを特徴とする上記1または2記載の液晶光学素
子。 6.液晶材料の常光屈折率が高分子樹脂の屈折率と一致
しており、電圧無印加時に調光層は光反射状態であり、
印加電圧が増加するに従い反射光強度が低下することを
特徴とする上記1ないし5記載の液晶光学素子。 7.緑色を反射する調光層の膜厚が青色および赤色を反
射する調光層の膜厚よりも薄いことを特徴とする上記5
記載の液晶光学素子。 8.少なくとも一つの電極層が導電性高分子材料から構
成されることを特徴とする上記1記載の液晶光学素子。 9.調光層と電極層の間に調光層の膜厚未満の保護膜を
有することを特徴とする上記1ないし8記載の液晶光学
素子。 10.一つの電極層が対向電極に、残りの電極層が薄膜
トランジスタのソース電極と電気的に接続されているこ
とを特徴とする上記1ないし9記載の液晶光学素子。 11.光吸収基板と調光層間の電極層および各調光層間
の電極層がそれぞれ光吸収基板上に設置された薄膜トラ
ンジスタのソース電極と電気的に接続され、最表面にあ
る電極層が対向電極に電気的に接続されていることを特
徴とする上記10記載の液晶光学素子。 12.光吸収基板と調光層間の電極層および各調光層間
の電極層がそれぞれ光吸収基板上に設置された薄膜トラ
ンジスタのソース電極と電気的に接続され、最表面にあ
る電極層が光吸収基板上に形成された対向電極に電気的
に接続されていることを特徴とする上記11記載の液晶
光学素子。 13.光吸収基板上に電極層を形成する工程と、その電
極層付き光吸収基板上に調光層と電極層を交互に積層す
る工程と、各表示画素ごとに最表面電極層から光吸収基
板まで到達する開口部を形成する工程と、各表示画素の
側面に取り出し電極を形成する工程を有することを特徴
とする液晶光学素子の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる光吸収基板は
可視光を吸収する材料で構成されていれば無機材料でも
有機材料でも構わない。光の吸収強度または吸収波長は
目的とする素子特性により任意に変更できる。光吸収材
料はガラス、プラスチック等の透明基板上に光吸収材料
をコーティングしても良いし、透明基板上に光吸収基板
をはり合わせて作製することもできる。このとき、光吸
収材料は、調光層側であることが好ましいが、この限り
ではない。調光層の反対側にはり合わせる場合は、調光
層形成後に透明基板上に光吸収基板を張り合わせても構
わない。
【0009】本発明の高分子樹脂と液晶材料から成る調
光層は、すくなくとも高分子樹脂の前駆体化合物、液晶
材料および重合開始剤を含む溶液に光を照射して、高分
子樹脂の前駆体化合物を高分子樹脂に硬化すなわち重合
させて製造することができる。また、高分子樹脂中の液
晶材料が滴状で規則的に配列している構造は、高分子樹
脂の前駆体化合物を窒素雰囲気下でレーザー光による二
光束干渉法により硬化させることにより製造することが
できる。選択反射波長およびその強度は、液晶滴間の間
隔および高分子樹脂と液晶材料の屈折率差により調整で
きる。フルカラーの表示のためには光吸収性基板上に赤
色を選択反射する調光層、緑色を選択反射する調光層、
青色を選択反射する調光層の3種の調光層を積層する。
積層の順番が何れでも構わない。各調光層の厚みは5〜
15μm程度が望ましい。また、各調光層の厚みは同一
である必要は無い。好ましくは、赤色を選択反射する調
光層、青色を選択反射する調光層の厚みは緑色を選択反
射する調光層の厚みより厚いことが好ましい。
【0010】本発明の高分子樹脂すなわち高分子樹脂の
前駆体化合物が光硬化した後の屈折率は液晶材料の常光
屈折率(nO)またはその近くに設定する。調光層の液
晶滴中の液晶材料は電圧無印加時にはランダムな状態に
あるため、調光層は電圧無印加時には高分子樹脂の屈折
率と液晶材料の屈折率差および液晶滴の間隔に起因する
ブラッグ反射が得られ、光の選択反射状態となる。一
方、調光層への印加電圧を増加させるに従い高分子樹脂
と液晶材料の屈折率差が小さくなり、選択反射強度が低
下していく。
【0011】高分子樹脂の前駆体化合物としては、光照
射により硬化すなわち重合するモノマーまたはオリゴマ
ーあるいはモノマーとオリゴマーの混合物等を用いるこ
とができる。すなわち、アクリロイル基、メタクリロイ
ル基、ビニル基等の通常の光重合性基を有する高分子前
駆体であればいずれも使用できる。光重合性基は、高分
子前駆体化合物一分子中に複数あっても構わない。モノ
マーとしては例えば、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ブチルエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリ
レート、2−シアノエチルアクリレート、ベンジルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ジシクロ
ペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ
ート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデシル
アクリレート、ラウリルアクリレート、モルホリンアク
リレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ
ジエチレングリコールアクリレート等の単官能アクリレ
ート化合物、2−エチルヘキシルメタクリレート、ブチ
ルエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレー
ト、2−シアノエチルメタクリレート、ベンジルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、2−エトキシエチルアク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
シクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒ
ドロフルフリルメタクリレート、イソボニルメタクリレ
ート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレ
ート、モルホリンメタクリレート、フェノキシエチルメ
タクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタク
リレート等の単官能メタクリレート化合物、ジエチレン
グリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレ
ート、ジシクロペンタニルジアクリレート、グリセロー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テト
ラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエ
リスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ウレ
タンアクリレートオリゴマー等の多官能アクリレート化
合物、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4
−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジメタクリレート、ジシクロペンタニルジメ
タクリレート、グリセロールジメタクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、テトラエチレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジトリ
メチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリ
トールモノヒドロキシペンタメタクリレート、ウレタン
メタクリレートオリゴマー等の多官能メタクリレート化
合物があるがこれに限定されるものではない。
【0012】高分子樹脂の前駆体化合物には、光照射に
より重合を開始させるための光重合開始剤、光重合開始
剤にプロトンを供給する光開始助剤、光を吸収して励起
エネルギーを光重合開始剤に移動させる色素増感剤等を
添加することができる。ただし、光重合開始剤自身が光
重合に用いられる光線を吸収する場合は、色素増感剤は
添加しなくても構わない。
【0013】光重合開始剤としては、アセトフェノン
系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン
系等の通常の光重合開始剤が使用できる。例えば、ジエ
トキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1フェニルプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、4−フェニルベンゾ
フェノン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオ
キサンソン等がある。光重合開始剤は固体でも液体でも
構わないが素子の均一性の点から液晶中に溶解または相
溶するものが望ましい。光重合開始剤濃度は高分子樹脂
前駆体の30重量%以下が好ましい。また必要の応じて
メチルジエタノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸
等の光重合開始助剤を添加することもできる。本発明に
おける色素増感剤としてはクマリン系色素、ローダミン
系色素、オキサジン系色素、カルボシアニン系色素、ジ
カルボシアニン系色素、トリカルボシアニン系色素、テ
トラカルボシアニン系色素、ペンタカルボシアニン系色
素、オキソノール系色素、スチリル系色素、キサンテン
系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、
ポルフィリン系色素、アクリジン系色素が等があげられ
るが、これに限定されるものではない。色素材料はレー
ザー光により励起され、エネルギーを光重合開始に移動
させるものであり、かつビニル基等の光重合性を有する
ものであればいずれのもの構わない。
【0014】高分子樹脂の前駆体の光重合に用いられる
光線としては可視光のレーザー光線を用いることができ
る。レーザー光による光硬化は、二光束干渉法により行
う。すなわち、2つのレーザー光を基板に入射しレーザ
ー光が干渉した状態で硬化を行う。赤色、緑色、青色の
マルチカラーの選択反射を得るためには、レーザーの入
射角度を調整したり、異なる波長のレーザー光源を使用
する。このとき、フォトマスク等の光遮蔽膜を使用して
も構わない。
【0015】本発明の液晶光学素子に使用される液晶と
しては、特にネマチック液晶が好ましい。ネマチック液
晶としては、シアノ系、フッ素系、塩素系等のいずれの
液晶でも使用することができるが、薄膜トランジスタ
(TFT)等の能動素子でアクティブ駆動を行うために
は高電荷保持率のフッ素系液晶が望ましい。液晶の誘電
率異方性としては、正の誘電率異方性が好ましが、周波
数を変化させることにより、誘電率異方性が正負両方の
値をとることができる2周波駆動液晶、または負の誘電
率異方性の液晶でも構わない。さらに調光層中に規則的
に存在する液晶滴のサイズ、間隔は、目的とする反射光
波長により任意に設定することができる。調光層中の液
晶の比率は、20重量%以上80重量%以下であること
が望ましい。この範囲以外では、液晶滴の規則的な配列
が形成されず可視光の反射率が低下する。また、液晶材
料が少なすぎると液晶光学素子の駆動電圧が高くなる。
【0016】本発明に用いられる電極層の材料として
は、インジウム−ティン−オキサイド(ITO)や導電
性高分子材料が使用できる。光吸収基板上に形成されて
いる電極層は必ずしも透明性である必要はないが、他の
電極層、すなわち調光層間の電極層および最表面の電極
層は透明性であることが望ましい。また、各電極層に電
圧を印加するための取り出し電極は、透明性である必要
は無く、金属、導電性高分子材料等、何れの導電性材料
を使用しても構わない。薄膜トランジスタにより各調光
層を駆動する際は、一つの電極層が対向電極に、残りの
電極層が各薄膜トランジスタのソース電極と電気的に接
続されていればよいが、薄膜トランジスタは、光吸収基
板上に形成され、光吸収基板と調光層間の電極層および
各調光層間の電極層がそれぞれが光吸収基板上に設置さ
れた薄膜トランジスタのソース電極と電気的に接続さ
れ、最表面にある電極層が光吸収基板上の設置された対
向電極であることが望ましい。また、最表面にある電極
層を対向電極として使用する場合は、必ずしも各表示画
素ごとに最表面電極層を分離する必要は無い。最表面電
極層を光吸収基板上に形成された対向電極に電気的に接
続する場合、接続部の数は、各表示画素の数と一致する
必要は無く、一カ所以上であればよい。導電性高分子材
料としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニ
リン等が使用でき、ドーパントの添加により導電率を調
整しても構わない。
【0017】本発明の積層された調光層において、各表
示画素ごとに少なくとも一つ、最表面電極層から光吸収
基板までの開口部を有する。この開口部は各表示画素、
すなわち積層した調光層の側面に各電極層からの取り出
し電極を形成するためのものであり、開口部の形、大き
さは調光層の厚み、積層数等により任意に選択できる。
また、取り出し電極を形成する開口部の側面は光吸収基
板の法線に平行であってもよいが、取り出し電極を上方
からスパッタ等により形成することができるよう、光吸
収基板平面と取り出し電極を形成する開口部の側面の成
す角度が90度未満であることが望ましい。また、この
開口部により積層された調光層が、各表示画素ごとに分
離していても構わない。この際、取り出し電極を形成す
る側面は光吸収基板の法線に平行であってもよいが、取
り出し電極を上方からスパッタ等により形成することが
できるよう、光吸収基板平面と取り出し電極を形成する
開口部の側面の成す角度が90度未満であることが望ま
しい。
【0018】なお、本発明で調光層としては、電極層を
積層する前に、調光層と電極層の間に調光層の膜厚未満
の保護膜を有していることができる。この保護膜は、主
に電極層の形成の際に調光層が破損することを防止する
ものであり、材質、厚みは、使用する電極層の材料、製
膜条件に依存するが、透明であり、耐プラズマ、耐有機
溶剤、耐紫外線等の特性を有することが好ましい。材質
としては、無機物でも有機物でも構わないが、調光層の
電荷保持率を著しく低下させないものが好ましい。
【0019】さらに、本発明では素子の保護のため積層
された調光層の上部にも透明な表面保護層を形成しても
構わない。この表面保護層は、各表示画素ごとに形成さ
れた開口部あるいは各表示画素が独立した場合は、開口
部あるいは各画素間に充填しても構わない。この表面保
護層の膜厚としては任意に選べるが、強度と透明性から
10μm〜1mmが望ましい。
【0020】この表面保護層としては、透明な基板を張
り合わせて使用することもできる。このとき、透明性基
板として、電極層が付いた透明性基板を使用することが
でき、調光層上への電極形成工程を1つ減らすことがで
きる。当然、透明性基板上の電極は、調光層と接してい
る。
【0021】以上説明した本発明の液晶光学素子の構成
をさらに図面によって説明する。図1は、調光層が2層
構造である本発明の液晶光学素子の概略図である。光吸
収基板1上に電極層2、調光層5、層間電極層3、調光
層5、最表面電極層4が順次積層され、各電極層の取り
出し電極6は、取り出し電極を形成する側面7の面上に
取り出されて、光吸収基板1の表面に集められている。
この取り出し電極を形成する側面7は図2に示すように
光吸収基板の平面8と90°よりも小さい角度9を以て
傾斜している。
【0022】図3は、図1が2層構造であるのに対し、
3層構造を示したもので各符号も図1と同じである。図
4は光吸収基板上に2ヶの画素が形成されている本発明
の液晶光学素子の模式的断面図であり、第1層の調光層
は緑色選択反射層12を、第2層の調光層は赤色選択反
射層11を、第3層の調光層には青色選択反射層13を
積層し、透明な素子保護層(表面保護層)22が開口部
10(あるいは画素間の間隙部)に充填されている状態
を示している。ここで、図示のように緑色選択反射層1
2の厚さは、青色選択反射層13および赤色選択反射層
11の厚さより薄いのが好ましい。
【0023】図5は、図4の構成において、調光層(1
1、12、13)と電極層(3、4)との間に、調光層
の膜厚より薄い透明の保護膜14を設けた構成を示して
いる。さらに図6は、図4の構成において、最表面電極
層の上に透明性基板23のある構成であって、この透明
性基板は表面保護層の役割を果たすとともに、電極層を
設けた透明基板の使用により、調光層上の電極形成工程
の一つを減らすことができることは前述のとおりであ
る。
【0024】図7は、図3の画素が2ヶある場合の開口
部10の配置を示している。図8は図7のような表示画
素4ヶが基板上に配設された状態を示す平面図である。
【0025】図9は、光吸収基板1上に形成された電極
層2の表面に高分子化合物の前駆体と液晶材料の混合溶
液16を塗布しレーザー光15で硬化させて調光層を形
成する状況を示す図であり、図10は図9の調光層上に
さらに電極層(層間電極層)3を積層して形成させた本
発明の液晶光学素子をとり出し、使用時の入射光19、
反射光20を示した図である。図中17は液晶滴を、1
8は高分子化合物を模式的に示している。
【0026】本発明の製造方法は、光吸収基板上の電極
層を形成する工程と、その電極層付き光吸収基板上に調
光層と電極層を交互に積層する工程と、各表示画素ごと
に最表面電極層から光吸収基板まで到達する開口部を形
成する工程と、各表示画素の側面に取り出し電極を形成
する工程を有するが、調光層上の電極層を積層する前に
調光層上に保護膜を積層する工程を設けても構わない
し、最表面電極上に素子を保護するための表面保護膜を
形成する工程を設けても構わない。光吸収基板上の電極
層を形成する工程は通常のスッパッタ、蒸着等が利用で
きる。また、このとき、薄膜トランジスタ等の能動素子
を形成しても構わない。電極層付き光吸収基板上に調光
層を形成する工程としては、少なくとも液晶材料、高分
子樹脂の前駆体化合物、光重合開始剤の混合溶液をスピ
ンコーターあるいはバーコーター等により光吸収基板上
にキャストし、レーザーの二光束干渉法で硬化させるこ
とが好ましい。調光層を保護するための保護膜を形成す
る工程としては、蒸着、スピンコート等が利用できる
が、これに限定されるものでは無い。また、保護膜を形
成する際に、表面部にある液晶材料を除去する工程があ
って構わない。保護膜を有した調光層または調光層その
ものに電極層を形成する工程としては、導電体の蒸着、
スパッタまたは溶剤可溶性導電性高分子のコート等があ
る。開口部を形成する工程としては、通常のレジスト工
程が利用できる。側面に取り出し電極を形成する工程と
しては、調光層の電極層を形成する工程と同様に導電体
の蒸着、スパッタまたは溶剤可溶性導電性高分子のコー
ト等が利用できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0028】実施例1 ジトリメチロールトリシクロデカンジアクリレートとウ
レタンアクリレートオリゴマーの混合物である高分子樹
脂の前駆体化合物、ネマチック液晶材料TL215(メ
ルク社製)および可視光硬化用重合開始剤を含む溶液を
電極層付き光吸収基板上にキャストし、波長488nm
のアルゴンレーザーを使用して窒素雰囲気下で二光束干
渉法により光硬化を行い厚さ5μmの1層目の調光層
(青色選択反射)を作製した。この調光層の上にITO
電極層を形成した後、レーザーの角度を変更する以外は
1層目の調光層と同様の材料および工程で厚さ5μmの
2層目の調光層(赤色選択反射)を作製した。さらに、
この調光層の上にITO電極層を形成した後、レーザー
の角度を変更する以外は1層目、2層目の調光層と同様
の材料および工程で厚さ5μmの3層目の調光層(緑色
選択反射)を作製した。そして、3層目の調光層の上に
ITO電極層を形成した。この積層された調光層にレジ
ストプロセスを使用して各表示画素に開口部を作製し
た。そして、各画素の側面に取り出し電極をITOで作
製し、さらに、素子保護層をコートした。得られた液晶
光学素子は、電圧無印加時に白色を表示した。また、各
調光層に交流電圧を独立して印加するとフルカラーの表
示が得られた。
【0029】実施例2 2−エチルヘキシルアクリレートとウレタンアクリレー
トオリゴマーの混合物である高分子樹脂の前駆体化合
物、ネマチック液晶材料TL204(メルク社製)およ
び可視光硬化用重合開始剤を含む溶液を電極層および薄
膜トランジスタが付いた光吸収基板上にキャストし、波
長488nmのアルゴンレーザーを使用して窒素雰囲気
下で二光束干渉法により光硬化を行い厚さ5μmの1層
目の調光層(青色選択反射)を作製した。この調光層の
上に保護膜およびITO電極層を形成した後、レーザー
の角度を変更する以外は1層目の調光層と同様の材料お
よび工程で厚さ7μmの2層目の調光層(緑色選択反
射)を作製した。さらに、この調光層の上に保護膜およ
びITO電極層を形成した後、レーザーの角度を変更す
る以外は1層目、2層目の調光層と同様の材料および工
程で厚さ5μmの3層目の調光層(赤色選択反射)を作
製した。そして、3層目の調光層の上に保護膜およびI
TO電極層を形成した。この積層された調光層にレジス
トプロセスを使用して各表示画素に開口部を作製した。
そして、各表示画素の側面に各電極層からの取り出し電
極をITOで作製した。最表面電極層(第3の調光層上
の電極層)は対向電極に接続し、他の電極は各薄膜トラ
ンジスタのソース電極と接続した。その後、素子保護層
をコートした。得られた液晶光学素子は、電圧無印加時
に白色を表示した。また、各調光層を独立して薄膜トラ
ンジスタによるアクティブマトリックス駆動するとフル
カラーの表示が得られた。
【0030】実施例3 2−エチルヘキシルアクリレートとジトリメチロールト
リシクロデカンジアクリレートの混合物である高分子樹
脂の前駆体化合物、ネマチック液晶材料TL213(メ
ルク社製)、光重合開始剤および色素増感剤を含む溶液
を電極層および薄膜トランジスタが付いた光吸収基板上
にキャストし、波長488nmのアルゴンレーザーを使
用して窒素雰囲気下で二光束干渉法により光硬化を行い
厚さ7μmの1層目の調光層(青色選択反射)を作製し
た。この調光層の上にITO電極層を形成した後、レー
ザーの角度を変更する以外は1層目の調光層と同様の材
料および工程で厚さ5μmの2層目の調光層(緑色選択
反射)を作製した。さらに、この調光層の上にITO電
極層を形成した後、レーザーの角度を変更する以外は1
層目、2層目の調光層と同様の材料および工程で厚さ7
μmの3層目の調光層(赤色選択反射)を作製した。そ
して、この積層された調光層にレジストプロセスを使用
して各表示画素ごとに分離した。そして、各表示画素の
一つの側面に各電極層からの取り出し電極をITOで作
製した。各引き出し電極は各薄膜トランジスタのソース
電極と接続した。この上に透明な電極層が付いた透明性
基板を、電極層が調光層と密着するように張り合わせ
た。なお、透明性基板に付いた電極層は対向電極とし
た。得られた液晶光学素子は、電圧無印加時に白色を表
示した。また、各調光層を独立して薄膜トランジスタに
よるアクティブマトリックス駆動するとフルカラーの表
示が得られた。
【0031】実施例4 調光層間の電極層を導電性高分子(ポリアニリン)を使
用する以外はすべて実施例3と同等の条件で液晶光学素
子を作製した。得られた液晶光学素子は、電圧無印加時
に白色を表示した。また、各調光層を独立して薄膜トラ
ンジスタによるアクティブマトリックス駆動するとフル
カラーの表示が得られた。
【0032】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の液
晶光学素子は、電極層だけを介してホログラフィック型
高分子分散液晶を積層するため、視差の問題が解決され
る。また一画素で多色マルチカラー化が可能になるた
め、高解像度のホログラフィック型高分子分散液晶光学
素子を得ることができる。さらに本発明の製造方法によ
れば、レジスト工程が少なく、導電柱の製造を必要とせ
ず、積層構造が容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶光学素子の2層構造の概略を示す
斜視図である。
【図2】本発明の液晶光学素子の取り出し電極を形成す
る側面を示す斜視図である。
【図3】本発明の液晶光学素子の3層構造の概略を示す
斜視図である。
【図4】本発明の液晶光学素子の3層構造の概略を示す
断面図である。
【図5】本発明の液晶光学素子の3層構造の他の例の概
略を示す断面図である。
【図6】本発明の液晶光学素子の3層構造の他の例の概
略を示す断面図である。
【図7】本発明の液晶光学素子の開口部を示す模式図で
ある。
【図8】本発明の液晶光学素子の表示画素を示す平面図
である。
【図9】本発明の液晶光学素子の光硬化方法を示す模式
図である。
【図10】本発明の液晶光学素子の調光層を1層形成
し、さらに電極層を形成させた状態を示す模式的断面図
である。
【符号の説明】
1 光吸収基板 2 光吸収基板上の電極層 3 層間電極層 4 最表面電極層 5 調光層 6 取り出し電極 7 取り出し電極を形成する側面 8 光吸収基板平面 9 光吸収基板平面と取り出し電極を形成する側面の
成す角 10 開口部 11 赤色選択反射層 12 緑色選択反射層 13 青色選択反射層 14 保護膜 15 レーザー光 16 高分子化合物の前駆体と液晶材料の混合溶液 17 液晶滴 18 高分子化合物 19 入射光 20 反射光 21 表示画素 22 素子保護層 23 透明性基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正春 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−178624(JP,A) 特開 平3−2825(JP,A) 特開 平4−309922(JP,A) 特開 平8−43848(JP,A) 特開 平4−11224(JP,A) 特開 平6−337643(JP,A) 特開 平9−80401(JP,A) 特開 平8−146456(JP,A) 特開 平1−252936(JP,A) 特開 平6−95133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1333 G02F 1/1347 G02F 1/1368

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一枚の光吸収基板上に高分子樹脂と液晶
    材料から成る調光層が電極層と交互に積層され、それぞ
    れの調光層は電極層で挟まれていて、調光層中の液晶材
    料が高分子樹脂中に滴状で規則的に配列しており、か
    つ、可視光領域の光を選択的に反射することを特徴とす
    る液晶光学素子において、各表示画素ごとに少なくとも
    一つ、開口部を有することを特徴とする液晶光学素子。
  2. 【請求項2】 積層された調光層が、各表示画素ごとに
    分離していることを特徴とする請求項2記載の液晶光学
    素子。
  3. 【請求項3】 各表示画素の側面に各電極層からの取り
    出し電極を有することを特徴とする請求項2記載の液晶
    光学素子。
  4. 【請求項4】 光吸収基板の平面と取り出し電極を形成
    する開口部の側面の成す角度が90度未満であることを
    特徴とする請求項1または2記載の液晶光学素子。
  5. 【請求項5】 光吸収基板上に3層の調光層が積層され
    ており、かつ、各調光層の反射光がそれぞれ赤色、緑
    色、青色であることを特徴とする請求項1または2記載
    の液晶光学素子。
  6. 【請求項6】 液晶材料の常光屈折率が高分子樹脂の屈
    折率と一致しており、電圧無印加時に調光層は光反射状
    態であり、印加電圧が増加するに従い反射光強度が低下
    することを特徴とする請求項1ないし5記載の液晶光学
    素子。
  7. 【請求項7】 緑色を反射する調光層の膜厚が青色およ
    び赤色を反射する調光層の膜厚よりも薄いことを特徴と
    する請求項5記載の液晶光学素子。
  8. 【請求項8】 少なくとも一つの電極層が導電性高分子
    材料から構成されることを特徴とする請求項1記載の液
    晶光学素子。
  9. 【請求項9】 調光層と電極層の間に調光層の膜厚未満
    の保護膜を有することを特徴とする請求項1ないし8記
    載の液晶光学素子。
  10. 【請求項10】 一つの電極層が対向電極に、残りの電
    極層が薄膜トランジスタのソース電極と電気的に接続さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし9記載の液晶
    光学素子。
  11. 【請求項11】 光吸収基板と調光層間の電極層および
    各調光層間の電極層がそれぞれ光吸収基板上に設置され
    た薄膜トランジスタのソース電極と電気的に接続され、
    最表面にある電極層が対向電極に電気的に接続されてい
    ることを特徴とする請求項10記載の液晶光学素子。
  12. 【請求項12】 光吸収基板と調光層間の電極層および
    各調光層間の電極層がそれぞれ光吸収基板上に設置され
    た薄膜トランジスタのソース電極と電気的に接続され、
    最表面にある電極層が光吸収基板上に形成された対向電
    極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1
    1記載の液晶光学素子。
  13. 【請求項13】 光吸収基板上に電極層を形成する工程
    と、その電極層付き光吸収基板上に調光層と電極層を交
    互に積層する工程と、各表示画素ごとに最表面電極層か
    ら光吸収基板まで到達する開口部を形成する工程と、各
    表示画素の側面に取り出し電極を形成する工程を有する
    ことを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
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