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JP3087288B2 - 光硬化型磁性流体組成物 - Google Patents
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JP3087288B2 - 光硬化型磁性流体組成物 - Google Patents

光硬化型磁性流体組成物

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JP3087288B2
JP3087288B2 JP02146662A JP14666290A JP3087288B2 JP 3087288 B2 JP3087288 B2 JP 3087288B2 JP 02146662 A JP02146662 A JP 02146662A JP 14666290 A JP14666290 A JP 14666290A JP 3087288 B2 JP3087288 B2 JP 3087288B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気ディスクや光磁気ディスク等の記録
パターンの可視化、或いは磁気探傷に好適に利用できる
光硬化型磁性流体に関する。
〔従来の技術〕
例えば、従来の磁気探傷用の媒体として、磁性流体が
利用されている。これは磁性材料で形成された被検体に
おける欠陥の有無を検査する場合などに、その被検体の
表面に塗布して用いられる。
被検体の表面もしくは内部,好適には極浅いところに
微細な傷や異物が介在しているとき、従来の顕微鏡検査
では発見が困難である。ところが被検体に磁場を形成す
ると、被検体の欠陥箇所で磁束が漏洩して不均一磁場に
なる。そこで磁性流体を塗布すると、その不均一磁場の
作用力で、塗布した磁性流体が漏洩磁束部分に引きつけ
られて盛り上がる。この磁性流体中の強磁性体粒子を微
粒子化するほど感度が良くなり、磁気探傷の精度が向上
することが知られている。もっとも粒子径がサブミクロ
ンから数十Å程度になると、通常用いる顕微鏡では直接
に粒子を観察することはできないが、前記した磁性流体
の盛り上がり部分はその他の部分と光の反射状態が異な
るから、欠陥の存在を明確にすることができる。
しかしながら、従来の磁気探傷に用いる磁性流体は文
字通り流体であり、欠陥部分の漏洩磁束で拘束されてい
るに過ぎないから、被検体の磁場が無くなると同時に流
れて、当該盛り上がりも消失してしまう。したがって、
被検体を磁場から外すと欠陥部分も不明になると言う問
題点があった。
そこで、特開昭63−150302号に開示されているように
本出願人は、磁性流体中に光硬化型樹脂を添加すること
により、被検体に磁性流体を塗布した後その磁性流体を
光硬化させて欠陥パターンが消失しないようにした光硬
化型磁性流体組成物を提案した。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、磁気ディスク,光磁気ディスクの高密度化
に伴い記録パターンも年々微細化してきている。また、
磁気探傷もより微細な内部欠陥の目視化が要求されてお
り、30μm以下、特に10μm以下の欠陥の固定化,可視
化が要求されている。
一方で、従来の光硬化型磁性流体組成物において、欠
陥のパターンを十分固定しようとすると、ある程度の量
の光硬化剤を添加しなくてはならないが、本発明者が検
討したところこの従来の光硬化剤は磁性粒子の分散安定
性に悪影響を及ぼすのではないかとの知見に到った。
従って、被検体に光硬化型磁性流体を塗布後、このキ
ャリアである分散媒が蒸発する過程で硬化剤濃度が高く
なるにつれて磁性粒子の分散安定性が経時的に低下し、
磁性粒子の二次凝集が生じる。この結果、磁性粒子が凝
集した状態で光硬化が進行する。
前記のように最近では、微細な内部欠陥の目視化が要
求されているにもかかわらず、磁性粒子の凝集が生じる
と、この凝集を原因として鮮明な欠陥パターンの映像を
形成するには限界があった。特に、欠陥が微細になれば
なるほど、この凝集の影響が大きくなる。
そこで、この発明は係る課題を解決するために、微細
な記録パターン及び/又は微細な欠陥を有する被検体に
使用しても十分シャープな記録パターンの映像ないしは
欠陥パターンの映像を形成することができる光硬化型磁
性流体組成物を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、この発明は、前記目的を達成するために、界
面活性剤を吸着させた強磁性体微粒子を、分散媒中に分
散させてなる磁性流体に、光硬化剤が混合された光硬化
型磁性流体組成物において、前記光硬化剤は、RCOR′
(R,R′は脂肪族系不飽和炭化水素又は脂肪族系飽和炭
化水素であり、そのうちの少なくとも一つは不飽和炭化
水素である)で表現される不飽和ケトンの単量体及び/
又は重合体から本質的になることを特徴とするものであ
る。
そして、前記不飽和ケトンRCOR′は、前記R,R′のう
ち少なくとも一つがアルケニル基であるアルケニルケト
ンであることが好ましい。
〔作用〕
本発明者が検討したところ、従来の光硬化剤に変え
て、RCOR′(R,R′は脂肪族系不飽和炭化水素又は脂肪
族系飽和炭化水素であり、そのうち少なくとも一つは不
飽和炭化水素である)で表現される不飽和ケトンの単量
体及び/又は重合体から本質的になる光硬化剤を使用す
ると、磁性粒子の分散性に悪影響を与えることなく光硬
化する磁性流体組成物を提供できることが明らかになっ
た。
以下、この発明の光硬化型磁性流体組成物を詳細に説
明する。
この発明の強磁性体微粒子の分散媒は、被検体に塗布
した後は不要であるから、室温で比較的蒸発し易い有機
溶媒が良い。もっとも、大気圧下で沸点が40℃以上250
℃以下のものが望ましい。その理由は、40℃未満だと蒸
発速度が大きすぎ、被検体に平均して一様に塗布するこ
とができなくなるからである。また、分散媒は硬化剤で
ある不飽和ケトンと相溶性があるものが好適には選択さ
れる。
このような条件を満たす分散媒としては、例えば、,n
−ヘキサン,n−オクタン,シクロヘキサン,シクロヘキ
サノン,石油エーテル,石油ベンジン,ベンゼン,キシ
レン,トルエン等の炭化水素や、クロロホルム,ジクロ
ロベンゼン,ブロムベンゼン等のハロゲン化炭化水素、
およびメタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブ
タノール,イソブタノール,ベンジルアルコール等のア
ルコール類、およびジイソプロピルエーテル等のエーテ
ル、フルフラール等のアルデヒド、アセトン,エチルメ
チルケトン等のケトン、更に酢酸,無水酢酸等の脂肪酸
及びその誘導体やフェノール類などがある。
このような分散媒中に強磁性体微粒子を安定的に分散
させるための界面活性剤(分散剤)としては、前記分散
媒と親和性が大きいものが好ましい。例えば、オレイン
酸またはその塩,石油スルホン酸またはその塩,合成ス
ルホン酸またはその塩の如く、カルボキシル基,ヒドロ
キシル基,スルホン基などの極性基を有する炭化水素化
合物である陰イオン性界面活性剤とか、或いはまたポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル等の如き非イオ
ン性界面活性剤とか、更にはアルキルジアミノエチルグ
リシンの如く分子構造内に陽イオン部分と陰イオン部分
とを共に持つ両性界面活性剤等から一つ以上を適宜選択
して用いられる。又は、次に述べるカップリング剤と併
用してもよい。
本発明の分散剤として、いわゆるカップリング剤を単
独又は併用して用いることもできる。このカップリング
剤としては、例えば一般式(YPR)4-nSiXn(Pは1以上
の整数、nは1〜3の整数)またはR4-nSiXn(nは1〜
3の整数)で表すことができるシランカップリング剤が
ある。ここに、式中のYはビニル基,エポキシ基,アミ
ノ基,メルカプト基その他の有機官能基であり、Rは例
えばアルキル基の如き炭化水素基である。Xは加水分解
性の基であり、例えば、メトキシ基(CH3O−)やエトキ
シ基(C2H5O−)等のアルコキシ基(R′O−)であ
る。
上記シランカップリング剤のアルコキシ基は、水溶液
中,空気中の水分または無機物表面に吸着された水分に
より加水分解して、シラノール基(−Si−OH)を生成す
る。一方、強磁性体微粒子はその表面に−OH基を有して
おり(M−OH)、両者の間に脱水縮合反応が生じて、メ
タシロキサン結合(Si−O−M)により化学的に結合す
るものと考えられる。
一般式(YPR)4-nSiXn(Pは1以上の整数、nは1〜
30の整数)で表されるシランカップリング剤は例えばビ
ニルトリエトキシシランであり、一般式R4-nSiXn(nは
1〜3の整数)で表されるシランカップリング剤は例え
ばオクタデシルトリメトキシシランである。
上記のシランカップリング剤以外のカップリング剤と
しては、例えば非水系に対して特に好適なアセトアルコ
キシアルミニウムジイソプロピレートからなるアルミニ
ウム系カップリング剤や、チタネート系カップリング
剤,クロム系カップリング剤等が使用できる。これらの
ものもその分子構造中に、−OH基と結合するアルコキシ
基と有機物に親和する部分(例えばアルキルアセト酢酸
基)とをもっており、親水性固体である強磁性体微粒子
表面の−OH基と化学結合して強固な親油性被膜を形成す
る機能を有する。
カップリング剤の添加量は、強磁性体微粒子表面を単
分子膜で完全に被覆する量が最適であるが、強磁性体微
粒子の比表面積,水分含有量,シランの加水分解性,膜
形成状態の違い等を考慮して定められる。
以上の分散剤は以下の強磁性粒子を分散可能な量だけ
含有されることが必要であるが、具体的には前記強磁性
粒子に対して、5〜50重量%含有されることが好まし
い。
本発明の強磁性体微粒子としては、周知の湿式法によ
り得られるマグネタイトコロイドを用い得る。また、水
もしくは有機溶媒中でマグネタイト粉末をボールミルで
粉砕するいわゆる湿式粉砕法で得られるものでもよい。
湿式粉砕法を利用する場合、研削液として水以外に例
えばヘキサン等の有機溶媒を用いるときは、強磁性体粉
末とその粒子表面に単分子層を形成できる量の後述する
分散剤を加えたうえでボールミル中で数時間以上粉砕し
てもよい。
また、マグネタイト以外のマンガンフェライト,コバ
ルトフェライト、もしくはこれらと亜鉛,ニッケルとの
複合フェライトやバリウムフェライトなどの強磁性酸化
物、または鉄,コバルト,希土類などの強磁性金属、さ
らに窒化鉄を用いることもできる。
更にまた、強磁性体微粒子として上記湿式法或いは湿
式粉砕法によるもののほか、乾式法で得たものを用いる
こともできる。
本発明の強磁性体微粒子の粒径は、一般の磁性流体に
用いられる0.1μm〜20Åの範囲であれば良い。もっと
も、強磁性体微粒子の粒径が小さい程、磁気探傷や磁気
記録パターンの検査精度が向上するから、必要に応じて
微細粒子とすることが好ましい。
この発明の強磁性体微粒子の含有量は、従来一般に使
用されている分散媒に対する体積比で1〜20vol%の範
囲で良く、光硬化剤を硬化させる光の照射を考慮すれ
ば、むしろ低濃度の方が適している。
本発明の光硬化型磁性流体組成物に使用する硬化剤
は、RCOR′で表現される不飽和ケトンを主成分とする感
光性高分子に相当するものである。本発明者が検討した
ところ、不飽和ケトンを主成分とする硬化剤は、強磁性
粒子の分散安定性を低下させず、被検体に光硬化型磁性
流体を塗布後分散媒が蒸発する過程で硬化剤濃度が増加
しても強磁性粒子の分散安定性を低下させることなく、
したがって強磁性粒子の二次凝集を防止し、微細な内部
欠陥パターンないしは記録パターンを鮮明に形成でき
る。
前記R,R′は脂肪族系不飽和炭化水素又は脂肪族系飽
和炭化水素であり、そのうちの少なくとも一つは不飽和
炭化水素である。
脂肪族系飽和炭化水素としては、メチル,エチル,プ
ロピル等の炭素数が1〜6のものが好適には選択さる。
これらの飽和炭化水素鎖は枝分かれ状又は直鎖状のもの
を問わない。
そして脂肪族系不飽和炭化水素鎖としては、直鎖状又
は枝分かれ状のアルケニル基及び/又はアルキニル基を
選択することができ、アルケニル基として例えば、エテ
ニル(−C=C),1ないし2−プロペニル〔−C=C−
C,−C−C=C,−C(C)=C〕の炭素数2〜6のもの
を選択することができる。また、アルキニル基として
は、例えば、エチニル(−C≡C),1ないし2プロピニ
ル〔−C−C≡C,−C≡C−C〕等の炭素数2〜6のも
のを選択することができる。
不飽和結合は一つに限らず複数存在していることを妨
げないし、また、不飽和結合として二重結合と三重結合
が混合したものであっても良い。そして、これら不飽和
結合の位置は特に限定されないが、本発明者が考察した
ところ、カルボニル基(C=O)の二重結合と共役位置
にあることがより望ましいと推察される。
ここに、本発明において使用可能な光硬化剤の主成分
である主構造である不飽和ケトン(単量体)の具体的名
称を記する。
メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、n−プロ
ピルビニルケトン、イソプロピルビニルケトン、メチル
−n−プロペニルケトン(エチリデンアセトン)、エチ
ル−n−プロペニルケトン、メチルイソプロペニルケト
ン(メシチルオキシド)、エチルイソプロペニルケト
ン、ジビニルケトン、ジ−n−プロペニルケトン、ジイ
ソプロペニルケトン等のアルケニルケトンの他、メチル
プロピニルケトン等のアルキニルケトン、3,5−ヘキサ
ジエン−2−オン等のアルカジエニルケトン。
硬化剤中にはこれらの不飽和ケトンが単量体の状態及
び/又はオリゴマー・ポリマーの状態で存在する。これ
らのものは、特に紫外領域(主に300〜400nm)の波長に
より重合反応や架橋反応を生じ、光硬化し以下のような
重合体になる。
この光硬化反応に当たっては、公知の架橋剤及び/又
は光増感剤を添加することが好ましい。
一般に光硬化型磁性流体組成物において、本発明に係
る組成物に混合されることもある後述の公知の光硬化剤
の含有量を上げると強磁性粒子の分散安定性を低下して
磁性粒子の凝集が増える傾向となる。一方で光硬化剤の
含有量を下げると付着強度が低下し剥離の問題がある。
ところで、本発明に係る本質的に不飽和ケトンからなる
光硬化剤は、公知の光硬化剤と比較して付着強度が高
く、且つ前記のように強磁性粒子の分散安定性を低下さ
せることもない。従って、前記不飽和ケトンからなる光
硬化剤は、低濃度から比較的高濃度までの範囲で磁性流
体中に含有することができる。具体的には、前記溶媒に
対して、5〜40vol%、特に10〜20vol%含有されること
が好ましい。強磁性粒子の分散安定性を低下させないた
めには、硬化剤の含有量が少ない程良いものであるが、
5vol%未満では、光硬化の程度が弱く欠陥パターンを固
定化することができない、そして、硬化後の磁性流体組
成物の耐剥離性の低下が生じる等の問題がある。また、
40vol%を越えると、相対的に硬化剤の濃度が大きくな
り強磁性粒子の二次凝集のおそれがあるかもしれないか
らである。そして、付着膜も厚くなるため、これらが原
因で微細な欠陥パターンが不鮮明となる。
以上述べたような本発明に係わる光硬化型磁性流体組
成物によれば、幅ないしは長さが30μm以下、特に10μ
m以下の微細な記録・欠陥パターンを固定化,可視化す
ることができる。
〔実施例〕
次に本発明の実施例について説明する。
(実施例1) 本発明に係る光硬化型磁性流体の製造 まず、硫酸第1鉄と硫酸第2鉄とをそれぞれ0.3molづ
つ含む水溶液1に、6NのNaOHaqをpHが11以上になるま
で加える。その後、その混合液を60℃で30分間熟成して
マグネタイトコロイドの水懸濁液を得た。次いで室温下
で水洗し、このスラリー中の電解質を除去する。以上は
湿式法によるマグネタイトコロイドを製造する工程であ
る。
このようにして得たマグネタイトコロイド液に3NのHC
laqを加えてそのpHを3に調整した後、これに界面活性
剤として石油スルホン酸ナトリウムを40g添加し、60℃
で30分間攪拌することにより、マグネタイト微粒子の表
面に界面活性剤を吸着させた。その後静置して、液中の
マグネタイト微粒子を凝集沈降させ、その上澄液を捨て
る。更に新たな水を加えて攪拌してから静置し、上澄液
を捨てる。この水洗を数回繰り返して水溶液中の電解質
を除去した後、ろ過,脱水,乾燥を行い、表面が界面活
性剤で被覆された粉末状のマグネタイト微粒子とした。
次に、このマグネタイトコロイド粉末に低沸点無極性
溶媒としてヘキサンを加えて十分に振とうすることによ
り、マグネタイト粒子がヘキサン中に分散した中間媒体
が得られた。
得られたコロイド液に低沸点極性有機溶媒としてメタ
ノールを加え、一度粒子を凝集沈澱させて、上澄液を捨
てる。これにより、微粒子に単分子吸着した分散剤以外
の余分な分散剤が除去される。
その後、沈澱した微粒子をクロロホルム中に再分散さ
せて中間媒体を得る。
この中間媒体を遠心分離機にかけて8000Gの遠心力下
で20分間遠心分離し、マグネタイト分散粒子のうちの比
較的大きな分散性の悪い粒子を沈澱せしめて除去する。
次いで沈澱せずに残ったマグネタイト微粒子が分散して
いる上澄液をロータリーエバポレータに移し、90℃に保
って低沸点有溶媒即ちクロロホルムを蒸発除去して、親
油性のマグネタイト微粒子を得た。
こうして得られた親油性のマグネタイト微粒子6gをク
ロロホルムとシクロヘキサノンの容量比1対1の混合溶
媒20mlに超音波を20分間照射することで再分散させる。
溶媒と同時に(又は再分散後でも良い)3.9ml(15vol
%相当)の平均分子量約20万のメチルイソプロペニルケ
トンからなる光硬化剤(ONNR−20,東京応化工業製)を
溶解させる。
以上により、光硬化型樹脂分を含んだ極めて安定に分
散させてなる光硬化型磁性流体が得られた。
(比較例1) 従来の光硬化型磁性流体組成物の製造 前記実施例1と同様にして得た親油性マグネタイト6g
をキシレン20mlに超音波を20分間照射することで再分散
させる。キシレンと同時に(または再分散後)2.6ml(1
0vol%)の環化イソプレンを含有する硬化剤(東京応化
工業製、OMR−85)を溶解させて、従来の光硬化剤を含
有する磁性流体組成物を得た。
(実施例2) 前記実施例1の光硬化型磁性流体組成物による鋼材の
磁気探傷試験を行った。
被検体として、第1図に模式的に示すように、表面下
1μmのところに、長さ2mm・幅30μm程度の既知の内
部欠陥1を有する鋼材2を用いた。
この被検体を予め印加磁界13Kガウスの磁場内に置
き、その表面に光硬化型磁性流体3を塗布した。する
と、被検体2における内部欠陥1の直上部付近に生じた
漏洩磁束4の作用で、強磁性体微粒子が局部的に集中し
て、図示のように光硬化型磁性流体3が内部欠陥1に沿
って盛り上がる現象が認められた。
この盛り上がり現象は、被検体2を磁場外に取り出す
と消滅し、磁場内に戻すと再び認められた。次に盛り上
がり状態を示している光硬化型磁性流体3に対して加熱
等の方法により溶媒を除去し、波長が400〜500nmの程度
の紫外線を照射したところ、1分程度で光硬化型磁性流
体3が硬化し、内部欠陥1を示している状態をそのまま
固定することができた。この硬化膜を顕微鏡で観察する
ことにより、針状の陰影を示す内部欠陥状態を正確に検
査できた。
〔実施例3〕 次に前記実施例1及び比較例1の各光硬化型磁性流体
組成物において、各硬化剤の濃度を順次変更し実施例2
と同様の方法にて内部欠陥の可視化,固定化を行った。
内部欠陥の幅がそれぞれ50〜60μm,20〜30μm,5〜10μ
mである三種類の被検体をそれぞれ複数用意し、各種の
被検体に硬化剤の濃度が異なる実施例1に係る光硬化型
磁性流体組成物(本発明組成物)及び比較例1に係る光
硬化型磁性流体組成物(比較例組成物)を前記実施例2
と同様の方法により塗布し、欠陥パタンーの可視化,固
定化を行った。そして、欠陥パターンの固定の良否を
○,△,×の三段階に分けた。○は全ての被検体につい
てシャープな欠陥パターンを得ることができたことを示
し、△は一部の被検体についての欠陥パターンが不鮮明
になったことを示し、×は全ての被検体についての欠陥
パターンが不鮮明になったことを示す。この結果を次の
第1表に示す。
また、幅が10μmでその他の条件を前記実施例と同様
にした複数の被検体について前記実施例1及び比較例1
の光硬化型磁性流体を塗布した後硬化させ、被検体との
付着強度について試験(セロテープ剥離試験)して評価
した。評価結果は、○,△,×の三段階に分け、○は全
ての被検体において剥離が発生しなかったことを示し、
△は一部の被検体で剥離が発生したことを示し、×は全
ての被検体で剥離が発生したことを示してる。この結果
を次の第2表に示す。
第1表から分かるように、本発明組成物については、
欠陥の幅が5〜10μの欠陥であっても硬化剤濃度を分散
媒に対して5〜20vol%することにより欠陥パターンの
固定化,可視化を達成することができる。そして、この
時の付着強度も第2表からほぼ良好となっている。これ
に対して、比較例組成物については、欠陥の幅が5〜10
μmの欠陥パターンを硬化剤濃度を5vol%にすることに
より一部固定化,可視化することができるが、この時の
付着強度は第2表から分かるようにほとんど問題になら
ない位悪い値となっている。
また、幅20〜30μmの欠陥パターンを固定化するに際
しては、比較例組成物では、第2表の付着強度をも考慮
すると、最低10vol%の硬化剤濃度を必要とするが、こ
の時の固定された欠陥パターンは一部の被検体で不明瞭
となる。これに対し、実施例1の磁性流体組成物では、
第2表の付着強度を考慮すると、幅20〜30μmの欠陥パ
ターンを固定化するに際しては、最低5vol%の硬化剤濃
度を必要とするが、この時の固定された欠陥パターンは
全ての被検体について明瞭なものとなっている。
したがって、硬化剤を実施例1のタイプのものにする
ことにより、欠陥パターン固定後の磁性流体組成物の耐
剥離性を良好に維持した状態で、30μm以下、特に10μ
m以下の微細な欠陥パターンを明瞭に固定化,可視化す
ることができる。
以上説明した実施例では、欠陥パターンの可視化につ
いて説明したが、本発明を微細な記録パターンの可視化
に適用しても同様の効果を達成することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明に係る光硬化型磁性流体
組成物によれば、強磁性粒子の分散安定性を低下せず、
しかも低濃度であっても被検体への付着強度が比較的高
い不飽和ケトンを光硬化剤として含有しているため、微
細な記録パターン及び/又は欠陥を有する被検体に使用
しても、記録・欠陥パターン固定後の磁性流体組成物の
耐剥離性を良好に維持した状態で、十分シャープな記録
・欠陥パターンの映像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の作用を示す模式図であ
る。 1は内部欠陥、2は被検体、3は光硬化型磁性流体組成
物、4は漏洩磁束である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5:00 9:04)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】界面活性剤を吸着させた強磁性体微粒子
    を、分散媒中に分散させてなる磁性流体に、光硬化剤が
    混合された光硬化型磁性流体組成物において、 前記光硬化剤は、RCOR′(R,R′は脂肪族系不飽和炭化
    水素又は脂肪族系飽和炭化水素であり、そのうち少なく
    とも一つは不飽和炭化水素である)で表現される不飽和
    ケトンの単量体及び/又は重合体から本質的になること
    を特徴とする光硬化型磁性流体組成物。
  2. 【請求項2】前記不飽和ケトンRCOR′は、前記R,R′の
    うち少なくとも一つがアルケニル基であるアルケニルケ
    トンであることを特徴とする請求項(1)記載の光硬化
    型磁性流体組成物。
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