JP3124338B2 - 精製ダニアレルゲン - Google Patents
精製ダニアレルゲンInfo
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Description
精製ダニアレルゲンに関するものである。
ダニは、アトピー性気管支喘息等のアレルギー疾患の主
要な原因として重要である。ダニアレルギー疾患につい
ては、屋内塵中のダニアレルゲンとして、ヤケヒョウヒ
ダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)及びコナヒョ
ウヒダニ(Dermatophagoides farinae)の2種が重要で
あると報告されている[ J. Allergy : 42,14-28,(196
8)] 。従来、主要ダニアレルゲンとしてはダニ排泄物お
よび/またはダニ虫体中に含有されている分子量24〜28
kDの糖蛋白(pI 4.6〜7.2)、および/または分子量14.5
〜20kDの蛋白(pI 5〜8.3)が報告されている[J. Immuno
l. : 125,587-592,(1980)/ J. Allergy Clin. Immuno
l. : 76,753-761,(1985)/ Immunology : 46,679-687,
(1982)/ Int. Arch. Allergy Appl. Immunol. : 81,2
14-223,(1986)/ J. Allergy Clin. Immunol. : 75,686
-692,(1985)等] 。
分子量の画分及び低分子量の画分に、ダニ喘息患者血清
IgG に特異的反応性を示し、ダニ喘息患者の白血球ヒス
タミン遊離を誘導する成分が存在することを本発明者ら
は報告している(日本農芸化学会,62:411, 1988)。し
かし、高感度にダニアレルギー疾患を検出し得る精製ダ
ニアレルゲンは得られていない。
従来、問診を主体とし、屋内塵(ハウスダスト)抽出物
および/またはダニ虫体抽出物を用いる皮内反応試験が
殆どであり、まれにRAST法による血清中のIgE 抗体価の
測定値(相対値)を併用する程度で、ダニアレルギー疾
患を直接的に断定するのはかなり困難であった。従っ
て、ダニアレルギー疾患の迅速かつ正確な診断は、ダニ
アレルギー疾患の適切な治療を行う上で重要であり、診
断システムの確立が期待されている。
ニアレルギー疾患の診断薬として極めて有用な新規な精
製ダニアレルゲンを提供することにある。即ち、本発明
の第1の目的は、ダニ培養中の排泄物から抽出しうる、
アレルゲン活性を有する新規な精製ダニアレルゲンを提
供することである。本発明の第2の目的は、当該新規な
精製ダニアレルゲンの製造方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、新規なダニアレルギー疾患診断
薬を提供することである。
ルギー疾患の診断薬を開発することを目的として、コナ
ヒョウヒダニ排泄物の抽出物中のアレルゲンについて鋭
意研究を重ねた。その結果、分子量が約 4,000の糖蛋白
質(LM−2)および該糖蛋白質の糖部分を除去して得
られる分子量約2,400 の蛋白質(LM−2p)に強いア
レルゲン活性を有することを見出し、さらに研究を重ね
て本発明を完成した。
約 4,000(セファデックスG50ゲル濾過法)のアレル
ゲン活性を有する糖蛋白質の糖部分を除去して得られる
蛋白質であって、分子量約 2,400のアレルゲン活性を有
する精製ダニアレルゲン、 (2) ダニ培養中の排泄物を飽和食塩水および/また
は中程度イオン強度の緩衝液により抽出処理し、得られ
た抽出液をゲル濾過等の手法を用いて分画し、次いで得
られたアレルゲン活性を有する糖蛋白質の糖部分を除去
する工程を有することを特徴とする前記(1)記載の精
製ダニアレルゲンの製造方法、 (3) 前記(1)記載の精製ダニアレルゲンを有効成
分とするダニアレルギー疾患診断薬に関する。
て、IUPAC−IUBに基づく略号および当該分野に
おける慣用略号で表示する場合があり、それらを例示す
ると次の通りである。アミノ酸残基に対する略号は、以
下の通りである。 Asp アスパラギン酸; Thr スレオニン; Se
r セリン;Glu グルタミン酸; Glyグリシ
ン; Ala アラニン;Val バリン;
Ile イソロイシン; Leu ロイシン;Tyr
チロシン; Phe フェニルアラニン; L
ys リジン;His ヒスチジン; Arg アル
ギニン; Pro プロリン;Cys システイン 糖に対する略号は、以下の通りである。 Pen ペントース; dHex デオキシヘキソー
ス; Hex ヘキソース;HexN ヘキソサミン
一の精製ダニアレルゲンよりなるもの、また複数のダニ
アレルゲンよりなるもの(すなわち、精製ダニアレルゲ
ンの混合物の態様)のいずれでもよい。
てより詳細に説明する。 (1)色および性状:白色(凍結乾燥物) (2)水溶性:易溶性 (3)分子量:約 4,000の糖蛋白質(LM−2)または
約 2,400の蛋白質(LM−2p)である〔インタクトな
糖蛋白質の分子量(約4,000,セファデックスG50ゲル
濾過法)からその糖蛋白質の糖含量約40%(約1,600)
を引いた値〕。
4,000の糖蛋白質からなる精製ダニアレルゲン(LM−
2)および分子量約 2,400の蛋白質からなる精製ダニア
レルゲン(LM−2p)のアミノ酸組成は、次の操作に
より得られる。即ち、0.2%サンプル溶液200μlを1
2M塩酸200μlと混合し、N2 置換をした密封試験
管内で、110℃で24時間加水分解する。乾固させた
後、少量の水を加え再び乾固させるという操作を3回繰
り返すことによって脱塩酸を行い、これをアミノ酸アナ
ライザー用の希釈用緩衝液1mlに溶解し、アミノ酸アナ
ライザー(日立製作所)により定量する。これにより次
の結果が得られる。
ly 1.6 ;Ala 0.5 ; Val 0.2 ; Cys 0.0 ;Ile
0.1 ; Leu 0.1 ;Tyr 0.0 ; Phe 0.1 ; Lys
0.2 ; His 0.1 ; Arg 0.1 ;Pro 0.5 LM−2pのアミノ酸(計9.6μmol/mg) Asp 1.1 ; Thr 0.5 ; Ser 0.9 ; Glu 1.5 ; G
ly 2.3 ;Ala 0.7 ; Val 0.3 ; Ile 0.2 ; Leu
0.3 ; Phe 0.1 ;Lys 0.4 ; His 0.2 ; Arg
0.4 ; Pro 0.7
らなる精製ダニアレルゲン(LM−2)の糖含量は、Gl
ucose を標準としてフェノール硫酸法で全中性糖を定量
した場合、約40%である。個々の中性糖とアミノ糖
は、サンプルを4M TFA(トリフルオロ酢酸)中で
100℃4時間加水分解し、NaBH4 で還元後、無水
酢酸を用いて100℃4時間加熱してアセチル化した
後、GLC法で定量した場合、次の結果が得られる。 LM−2の糖(計 2.9μmol/mg) Pen 1.4 ; dHex 0.1 ; Hex1.1 ; HexN 0.3 一方、分子量約 2,400の蛋白質からなる精製ダニアレル
ゲン(LM−2p)の糖成分は、検出されない。
ーゼ消化による試験は、次の操作により行うことができ
る。即ち、1%サンプル溶液100μlに、0.5Mト
リス塩酸緩衝液(pH8.5)100μl、1M塩化カ
ルシュウム10μl、1%プロナーゼE溶液10μl、
および水780μlを加え、37℃、48時間反応さ
せ、反応液を100℃、10分間煮沸して反応を止め
る。この反応液をヒスタミン遊離試験に用いる。
酸酸化による試験は、次の操作により行うことができ
る。サンプル1mgを水0.5mlに溶かし、20mM
過沃素酸ナトリウム溶液0.5mlを加え、室温、暗所
で25時間反応させる。反応期間中、等速電気泳動装置
で、過沃素酸の消費、沃素酸の生成、及び蟻酸の生成を
モニターし、過酸化の起こらないようにする。その後、
1%エチレングリコール25μlを加え、過剰の過沃素
酸を沃素酸に変換し、次にこの反応で生成したアルデヒ
ドを水素化ホウ素ナトリウムで還元して、ヒスタミン遊
離試験に用いる。
た患者白血球ヒスタミン遊離試験により判断する。 (6)アナフィラキシー反応を誘導しない。 常法により、モルモットを用いた実験では、アナフィラ
キシー反応は観察されない。
しては、たとえば次のような方法が例示される。 a)粗ダニ排泄物抗原の調製 ダニ抗原の製造原料として、特に制限されるものではな
いが例えばコナヒョウヒダニまたはヤケヒョウヒダニの
いずれを用いてもよい。これらのダニをダニ培養培地で
培養し、これを抽出処理する。抽出処理は飽和食塩水お
よび/またはリン酸緩衝液を加えて攪拌し、室温で30分
間静置した後に、遠心分離(3000 rpm 、30分) を行い上
清をプールする。この際、抽出溶媒としては他に、中程
度イオン強度の緩衝液であればいずれを用いてもよい。
例えば、乳酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ト
リス塩酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等が挙げられる。上清表
面にダニ虫体が浮遊するのでこれを濾過して取り除く。
プールした上清を濾過およびイオン交換水に対して透析
したもの(粗ダニ排泄物抽出液)を出発材料とする。次
に、この粗ダニ排泄物抽出液を、例えば分子量1万カッ
トの限外濾過膜(UF-20CS-10PS) に通し、この膜を通過
しない高分子粗ダニ排泄物抗原と通過する低分子粗ダニ
排泄物抗原に分画する。
血清特異IgE 、IgG 、ウサギ抗ダニ排泄物抗血清、ウサ
ギ抗ダニ排泄物抗体、排泄物抗原に特異的なマウスモノ
クローナル抗体等との反応を酵素免疫測定法(ELISA) に
より測定することによる、各フラクションの抗原活性の
測定(Immunochemistry: 8, 871,(1971))、(ii) ウサギ
抗ダニ排泄物抗血清を用いたラジオイムノアッセイによ
る、各フラクションの抗原活性の測定、(iii) 皮内反
応活性による、各フラクションのアレルゲン活性の測
定、(iv) ダニアレルギー患者白血球ヒスタミン遊離活
性による、各フラクションのアレルゲン活性の測定、等
のモニターの下に公知の精製法、例えばゲル濾過クロマ
トグラフィー、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィ
ー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水クロマトグ
ラフィー、焦点電気泳動法、ゲル電気泳動法等を単独ま
たは組み合わせて精製することができる。
原の精製は、低分子粗ダニ排泄物抗原をセファデックス
G50(Pharmacia LKB Biotechnology AB) でゲル濾過
する。その時の溶出パターンをダニ喘息患者の白血球ヒ
スタミン遊離能、ELISA による患者血清特異IgE および
ウサギ抗ダニ排泄物血清に対する反応性でモニターし、
蛋白含量および280nmの吸収をガイドに画分に分け
る。強い皮内反応活性が認められる画分を、更にイオン
交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、デ
ュアルモードクロマトグラフィー、逆相HPLC等の精
製手段を適宜組み合わせることにより本発明の精製ダニ
アレルゲンである活性成分を精製することができる。
うに分子量が約 4,000の糖蛋白質(LM−2)および該
糖蛋白質の糖部分を除去して得られる分子量約2,400 の
蛋白質(LM−2p)であるが、この糖部分を除去する
工程は通常の公知の方法を適用することができ、特に制
限されるものではない。例えば、過沃素酸酸化した後ス
ミス分解により糖鎖を切断する方法、グリコペプチダー
ゼ、N−グリカナーゼ、エンド N−アセチルガラクト
サミニダーゼ等の酵素を用いて糖鎖を遊離する方法など
種々の方法が挙げられ、いずれの方法であってもよい。
過沃素酸酸化による場合は、例えば前記のような方法が
用いられる。
ギー疾患の診断薬として有用である。即ち、患者の血
液、及びこの血液から遠心分離により得られた血球画分
を緩衝液に懸濁した血球浮遊液の一定量を、それぞれ精
製ダニアレルゲンを滴定試薬として用いて滴定し、アレ
ルゲン刺激により好塩基球(白血球の一種)から遊離す
るヒスタミン量を測定する[ アレルギー:33,692,(198
4) /アレルギー:33,733,(1984)]。このヒスタミン遊
離滴定では、最大遊離量の50%量( 滴定曲線の変曲点)
から遊離されるヒスタミン量を求める。この滴定では、 (i) 血球浮遊液の滴定値から患者のアレルゲン感受性
を直接測定することになる。 (ii)血液の滴定値は、通常、血球浮遊液の値より高い
値が得られる。これは、血漿中にアレルゲン中和能を持
つIgG 抗体(遮断抗体)が存在するためである。
滴定曲線からのシフトの大きさから、遮断抗体価が得ら
れる。感受性とこの遮断抗体価から表1のように、ダニ
アレルギーの正確な診断が可能となる。また、減感作治
療効果のモニターとしても有用である。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 低分子粗ダニ排泄物抗原の調製:ラット、マウス、ハム
スター用飼料M(オリエンタル酵母社)中で、温度26
±2℃、湿度75%RHの環境で、ダニ密度が2〜3万
匹/g培地になるようにコナヒョウヒダニを飼育し、ダ
ニ培養培地100gに対して、飽和食塩水を1リットル
加えてよく攪拌した。室温で30分間静置した後、30
00rpm、30分遠心分離を行った。この時、ダニ虫
体は上清表面に浮遊するので、これを濾過して取り除
く。沈澱に再び飽和食塩水を加えて同じ操作を繰り返し
た。さらに沈殿に、10mMリン酸緩衝液を1リットル
加え飽和食塩水の場合と同じ操作を繰り返した(2
回)。得られた抽出液を水道水に対して一夜透析し、分
画分子量1万の限外濾過(膜はUF-20CS-10PS,東ソー)
により分子量1万以上とそれ以下に分画した。各画分を
濃縮し、凍結乾燥して、それぞれ高分子粗ダニ排泄物抗
原および低分子粗ダニ排泄物抗原とした。ダニ培養培地
3.7kgから、高分子粗ダニ排泄物抗原(HM)12
7.0g、低分子粗ダニ排泄物抗原(LM)69.7g
を得た。
画分の分画 実施例1で得られた低分子粗ダニ排泄物抗原(LM)5
00mgを30mlの0.9%NaCl溶出液に溶解
後、Ultrogel AcA 54 カラム(IBF, サイズ 4.4×100 c
m)にかけ、この溶出液を用いて、120ml/時間の
流速でゲル濾過クロマトグラフィーを行い、アレルゲン
活性をもつ成分を分画した。各フラクションについて、
抗原性を抗血清との応答で(図には示されていない)、
更にアレルゲン活性をダニアレルギー患者白血球に対す
るヒスタミン遊離試験で検定したところ、図1のヒスト
グラムで示されるようにヒスタミン遊離活性が大きく2
つに分かれた。そこでフラクションNo. 27-31 とNo. 37
-39 をアレルゲン活性成分を含む画分として集め、それ
ぞれをLM−1画分、LM−2画分とした。なお、図中
のBDはボイドボリュームに相当しブルーデキストラン
の溶出位置を、BSAは牛血清アルブミンの溶出位置
を、またTVはトータルボリュームでK2 CrO4 の溶
出位置である。破線は280nmの紫外部吸収を示す。
それぞれの凍結乾燥後の収量は、LM−1画分23.4
mg、LM−2画分70.8mgであった。また、ダニ
アレルギー患者に対する皮内反応試験も同時に検定した
ところ、どちらの画分にも強いアレルゲン活性を認め
た。
Biotechnology AB) を用いてゲル濾過し分画した。同時
にオボアルブミン、チトクロームC、インシュリンβ鎖
およびビタミンB12を用いて、キャリブレーションを行
い、LM−2画分中の活性成分の分子量推定を行った。
その結果を図2に示す。ゲル濾過の条件は、サンプル量
50mg(濃度50mg/3ml 0.9%NaCl水
溶液)、溶離液0.9%NaCl、流速30ml/時
間、カラムサイズ1.5×100 cmである。LM−2画分
の中に含まれるアレルゲン活性成分は低分子量であるた
め、抗血清との反応性が弱くELISA 測定が難しいので、
各フラクションをすべて白血球ヒスタミン遊離活性でモ
ニターした。
離活性を、OVAは分子量 45,000のオボアルブミンの
溶出位置を、また Cyt. C は分子量 13,500 のチトクロ
ームCの溶出位置を、Insulin βはインシュリンβ鎖
を、さらにB12はビタミンB12の溶出位置を示す。各成
分のピークの溶出位置までの体積とそれぞれの分子量の
片対数とのプロットから、白血球ヒスタミン遊離活性を
示すLM−2画分中の活性成分の分子量は、約 4,000で
あると推定した。ここで、図中に矢印で示した画分(フ
ラクションNo. 24-27 )をプールし、LM−2活性画分
とし、透析後凍結乾燥を行った。その収量は15mgで
あった。この画分は、ダニアレルギー患者に対して強い
皮内反応活性を示した。この画分を精製LM−2活性成
分とした。
析およびGLC法での糖分析を行ったところ、アミノ酸
6.6μmol/mgおよび糖 2.9μmol/mgが検出された。アミ
ノ酸および糖の組成分析の結果は以下の通りであった。 アミノ酸:Asp 0.9 ; Thr 0.4 ; Ser 0.6 ; Glu
1.2 ; Gly 1.6 ;Ala 0.5 ; Val 0.2 ; Cys
0.0 ; Ile 0.1 ; Leu 0.1 ;Tyr 0.0 ; Phe 0.
1 ; Lys 0.2 ;His 0.1 ; Arg 0.1 ;Pro 0.5 糖:Pen 1.4 ; dHex 0.1 ; Hex 1.1 ; HexN
0.3 この精製LM−2活性成分をフェノール硫酸法で定量し
たところ、約40%が中性糖であった。
2活性成分のプロナーゼ消化と過沃素酸酸化を行った。
その結果を図3に示す。この図からわかるように、精製
LM−2活性成分はプロナーゼ消化により完全にアレル
ゲン活性が消失していたが、過沃素酸酸化処理ではその
約70%の活性が保存されていた。そこで、この精製L
M−2活性成分を、過沃素酸酸化して、活性に直接関係
のない糖部分を酸化した。この処理で、アレルゲンは低
分子化され、透析膜を通過する成分(以下、LM−2p
画分という)と通過しない成分の2つの画分に分画され
た。精製LM−2活性成分10mgから、LM−2p画
分3mg、通過しない画分7mgが得られた。いずれの
画分も、ダニアレルギー患者の白血球ヒスタミン遊離活
性と患者の皮膚に強い皮内反応活性を示した。
トグラフィー (a)で得られたLM−2p画分3mgをQAE−セフ
ァデックスA25(Pharmacia LKB Biotechnology AB 、
サイズ1.5×30cm)でイオン交換クロマトグラフィー
を行い分画した。溶離液に水を用い、サンプルを注入し
て20分後から、塩酸の3M/20時間の直線グラジエ
ントにより、流速0.5ml/分で溶出を行った。その
結果を図4に示す。ここで、ヒストグラムは白血球ヒス
タミン遊離活性を、○は215nmの紫外部吸収を、さ
らに実線は塩酸の濃度を示す。図中、ヒストグラムで示
したヒスタミン遊離活性のうち、フラクションNo. 23-2
4 に溶出した画分を集め、減圧乾固後、水に溶解し、凍
結乾燥して活性画分150mgを得た。この画分には、
ダニアレルギー患者の白血球ヒスタミン遊離活性と患者
の皮膚に強い皮内反応活性が存在した。
フィー (b)で得られたLM−2p画分10mg(濃度10m
g/0.1 ml)を、TSKgel ODS-120T (東ソー、サイズ
0.46×25cm) で逆相HPLCを行い分画した。溶離液
に0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を用い、サンプ
ルを注入して10分後から、メタノールの1%/分の直
線グラジエントにより、流速1ml/分で溶出を行っ
た。その結果を図5に示す。ここで、ヒストグラムは白
血球ヒスタミン遊離活性を、実線は280nmの紫外部
吸収を、さらに破線はメタノールの濃度を示す。図中、
ヒストグラムからわかるように、ヒスタミン遊離活性は
フラクションNo. 11-13 に溶出した。この操作を14回
繰り返し、それぞれ相当するフラクションをLM−2p
画分として集め、凍結乾燥して1.2mgを得た。この
画分でダニアレルギー患者に対する皮内反応試験も同時
に検定したところ、強いアレルゲン活性を認めた。
ロマトグラフィー(DMC) (c)で得られたLM−2p画分1.1mgを、 Asahi
pack GS-320 (旭化成、サイズ0.76×50cm) カラムを
用いて、DMCを行い分画した。溶離液に50mM酢酸
アンモニウムを用い、流速 0.5ml/分でアイソクラテ
ィックに溶出を行った。その結果を図6に示す。ここ
で、ヒストグラムは白血球ヒスタミン遊離活性を、実線
は215nmの紫外部吸収を示す。図に示すようにヒス
タミン遊離活性は、フラクションNo. 10, 12, 17に認め
られたが、多くの症例で共通に活性の検出されるフラク
ションNo. 10をLM−2p画分として集め、凍結乾燥し
たが、微量で充分な精度で計量することができなかっ
た。しかし、ダニアレルギー患者に対する皮内反応試験
も同時に検定したところ、強いアレルゲン活性を認め
た。
0)を、TSKgel ODS-120T ( 東ソー、サイズ0.46×25c
m)カラムを用いて、逆相HPLCを行い、精製した。
溶離液に0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を用い、
サンプルを注入して5分後から、メタノールの1%/分
の直線グラジエントにより、流速1ml/分で溶出を行
った。その結果を図7に示す。ここで実線は215nm
の紫外部吸収を、破線はメタノールの濃度を示す。図
中、矢印で示したピークを含む画分にヒスタミン遊離活
性が検出された。また、ダニアレルギー患者に対する皮
内反応試験も同時に検定したことろ、強いアレルゲン活
性を認めた。この画分を分取して精製LM−2p活性成
分とした。
アミノ酸分析、およびフェノール硫酸法で糖分析したと
ころ、アミノ酸27.5μgが検出されたが、糖は全く
検出されなかった。アミノ酸の組成分析の結果は以下の
通りであった。 Asp 1.1 ; Thr 0.5 ; Ser 0.9 ; Glu 1.5 ; G
ly 2.3 ;Ala 0.7 ; Val 0.3 ; Ile 0.2 ; Leu
0.3 ; Phe 0.1 ;Lys 0.4 ; His 0.2 ; Arg
0.4 ; Pro 0.7
実施例3で推定された糖蛋白質の分子量である約4,000
から糖含量約40%(約1,600)を差し引くことにより、
約 2,400と推定された。このような本発明の精製ダニア
レルゲンの一つである分子量約 2,400の蛋白質の色およ
び性状は、白色(凍結乾燥物)であり水には易溶性のも
のであった。また、モルモットを用いたアナフィラキシ
ー反応試験ではアナフィラキシー反応を誘導しないもの
である。これらの性質・性状は、本発明の精製ダニアレ
ルゲンの一つである分子量約4,000 の精製LM−2活性
成分についても同様であった。
得られた精製LM−2活性成分および精製LM−2p活
性成分をそれぞれ1mg/mlの濃度に溶解し、ヒスタ
ミン遊離滴定用試薬の原液とする。
よび安全性の観点から有用な診断薬用抗原である。本発
明の精製ダニアレルゲンを用いたダニアレルギー疾患の
迅速かつ正確な診断システムの確立が期待されている。
た各フラクションについて、アレルゲン活性をダニアレ
ルギー患者白血球に対するヒスタミン遊離試験で検定し
た結果を示す。図中、BDはボイドボリュームに相当し
ブルーデキストランの溶出位置を、BSAは牛血清アル
ブミンの溶出位置を、またTVはトータルボリュームで
K2 CrO4 の溶出位置を示す。また、破線は280n
mの紫外部吸収を示す。
ルブミン、チトクロームC、インシュリンβ鎖およびビ
タミンB12と共にセファデックスG50でのゲル濾過ク
ロマトグラフィーを行い、LM−2画分中の活性成分の
分子量推定を行った図である。図中、ヒストグラムは白
血球ヒスタミン遊離活性を、OVAは分子量 45,000 の
オボアルブミンの溶出位置を、またCyt. C は分子量 1
3,500 のチトクロームCの溶出位置を、Insulin βはイ
ンシュリンβ鎖を、さらにB12はビタミンB12の溶出位
置を示す。
分10mgをプロナーゼ消化と過沃素酸酸化を行い、各
生成物についてヒスタミン遊離活性を調べ、その結果を
示す図である。図中、○はインタクトなものを、△は過
沃素酸酸化処理したもの、□はプロナーゼ消化をしたも
のを示す。
−2p画分3mgをQAE−セファデックスA25でイ
オン交換クロマトグラフィーを行い分画した結果を示
す。図中、ヒストグラムは白血球ヒスタミン遊離活性
を、○は215nmの紫外部吸収を、実線は塩酸の濃度
を示す。
−2p画分10mgを、TSKgelODS-120T を用いて逆相
HPLCを行い分画した結果を示す。図中、ヒストグラ
ムは白血球ヒスタミン遊離活性を、実線は280nmの
紫外部吸収を、また破線はメタノールの濃度を示す。
−2p画分1.1mgを Asahipack GS-320 カラムを用
いたDMCの結果を示す。図中、ヒストグラムは白血球
ヒスタミン遊離活性を、実線は215nmの紫外部吸収
を示す。
−2p画分を、TSKgel ODS-120T を用いて逆相HPLC
を行った結果を示す。図中、実線は215nmの紫外部
吸収を、破線はメタノールの濃度を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 ダニ培養中の排泄物抽出液に含まれる分
子量が約 4,000(セファデックスG50ゲル濾過法)の
アレルゲン活性を有する糖蛋白質の糖部分を除去して得
られる蛋白質であって、分子量約 2,400のアレルゲン活
性を有する精製ダニアレルゲン。 - 【請求項2】 ダニ培養中の排泄物を飽和食塩水および
/または中程度イオン強度の緩衝液により抽出処理し、
得られた抽出液をゲル濾過等の手法を用いて分画し、次
いで得られたアレルゲン活性を有する糖蛋白質の糖部分
を除去する工程を有することを特徴とする請求項1記載
の精製ダニアレルゲンの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の精製ダニアレルゲンを有
効成分とするダニアレルギー疾患診断薬。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03290849A JP3124338B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 精製ダニアレルゲン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03290849A JP3124338B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 精製ダニアレルゲン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0597899A JPH0597899A (ja) | 1993-04-20 |
| JP3124338B2 true JP3124338B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=17761282
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03290849A Expired - Lifetime JP3124338B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 精製ダニアレルゲン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3124338B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-09 JP JP03290849A patent/JP3124338B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0597899A (ja) | 1993-04-20 |
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