JP3131566B2 - 落石等を受け止め、その高運動エネルギーを吸収する防護装置 - Google Patents
落石等を受け止め、その高運動エネルギーを吸収する防護装置Info
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Description
受け止め、道路や線路の安全を確保するための防護装置
に係り、殊に落石等の高運動エネルギーを吸収すること
のできる防護装置に関する。
3−45161号に示されているものがある。この従来
装置は、地山の所要箇所にヒンジ部を介して立設した複
数の支柱に、各支柱に亘って複数の横梁を上下方向に並
べて固着して防護壁を設け、更に各支柱の上部と、防護
壁山側斜面の所定箇所との間に控えロープを張り、この
控えロープの中途に、ロープ端部を重ね合わせて締付け
部材で締付け、ロープ端部重複部にロープ間の摩擦抵抗
が生じるようにしたブレーキ装置が設けてある。この従
来装置では、防護壁が剛性であるため、防護壁が受ける
落石のエネルギーは、支柱及び防護壁の変形によって一
部吸収されるが、その量は僅かであって、大部分のエネ
ルギー吸収は上記のブレーキ装置が受け持つことにな
る。しかしながらロープ端部重複部の締付けによる摩擦
抵抗のみでは150〜200KJ以上の大きな落石エネ
ルギーの吸収は困難であり、大重量岩石の落下の虞のあ
る地域には設置できない。
所に固定的に立設した支柱に、各支柱に亘って横ロープ
を張り渡し、各横ロープは複数のロープ片を継ぎ合わせ
る構成とし、各ロープ片の端部に重複部分を設け、この
重複部分にロープとの間で滑り摩擦を生じる緩衝具を設
けた構造のものが提案されている。この従来装置におい
ても、山側に控えロープが設けてあり、控えロープの中
途にはブレーキ装置が設けてある。このブレーキ装置
も、ロープと緩衝具との間での滑り摩擦によってエネル
ギー吸収を行うようになされている。
ネルギー吸収は主としてロープと緩衝具との間の滑り摩
擦に依存しており、吸収可能の運動エネルギーは、前述
の従来装置と比較して増加するが、最大でも400〜5
00KJ迄である。
の状況に合わせて吸収すべき運動エネルギーの設定が容
易に行うことができると共に、従来装置によつて達成さ
れる以上の運動エネルギー吸収を行うことができ、しか
もこのような効果を比較的簡単な構成によって得ること
ができるようにすることである。
めの、請求項1に記載の発明は、防護の必要な傾斜箇所
の所要の長さ範囲に亘って所要の間隔で立設され、基部
が地山に固定された支柱の列を有し、各支柱の上部と支
柱列山側の地山部との間には控えロープが張られてお
り、また、支柱列全体に亘ってその谷側に張り巡らさ
れ、支柱間において支柱の上部と下部にそれぞれ張り渡
された保持ロープによって上下で保持された網状体が設
けてあり、この網状体が多数のリング部材を、それぞれ
隣り合うリング部材の内周側が接触するように相互に連
結することによって構成されている、落石を受け止めそ
の高運動エネルギーを吸収する防護装置において、各支
柱の基部がヒンジを介して地山に固定されており、上記
網状体を構成するリング部材が、線材を複数回巻き、周
方向の数箇所を締結手段によって線材を束ねて固定する
ことによって構成されており、上記支柱間に張り渡され
た保持ロープの中途及び/又は地山と支柱との間に張ら
れた控えロープの中途にそれらロープに及んでくる衝撃
エネルギーを吸収するためのブレーキ装置が設けてあ
り、このブレーキ装置が、重ね合わされた両端部を緊締
部材によって固定したループ管を有しており、当該ロー
プがこのループ管の重ね合わされた両端部の内の一方端
部の管口から入り、ループ管内を通り、他方端部の管口
から出て延びていることを特徴とするものである。
体、即ちリングネットは、防護装置において落石による
衝撃を受けると、各リング部材が他のリング部材との係
合箇所で外方へ引張られ、例えば係合箇所が周全体で4
箇所であれば、リング部材は矩形に変形し、このように
リング部材を変形させる力が吸収エネルギーとなり、支
柱間のリングネットにおける全リング部材の変形は、極
めて大きなエネルギー吸収を果たす。また、直接的衝撃
を受けたリング部材から、その周辺のリング部材への力
の伝達が均一に行われ、リングネット全体でのエネルギ
ー吸収が極めて円滑に行われる。リング部材の材質、構
成線材の太さ、リング部材の直径を適宜選択することに
より、吸収すべきエネルギーの大きさに簡単に対応させ
ることができる。
網状体を構成するリング部材が、線材を複数回巻き、周
方向の数箇所を締結手段によって線材を束ねて固定する
ことによって構成されていることを特徴とする。この構
成によれば、線材の材質、太さ、巻数を適宜選択するこ
とにより、吸収すべきエネルギーの大きさに合わせてリ
ングネットを構成することが容易である。また、支柱間
に張り渡された保持ロープの中途及び/又は地山と支柱
との間に張られた控えロープの中途にそれらロープに及
んでくる衝撃エネルギーを吸収するためのブレーキ装置
が設けてあり、このブレーキ装置が、重ね合わされた両
端部を緊締部材によって固定したループ管を有してお
り、当該ロープがこのループ管の重ね合わされた両端部
の内の一方端部の管口から入り、ループ管内を通り、他
方端部の管口から出て延びていることを特徴とする。こ
の構成により、リングネットで賄いきれない衝撃エネル
ギーは、リングネットから保持ロープ及び/又は控えロ
ープへ波及し、ブレーキ装置によって吸収される。伝達
した衝撃エネルギーによって保持ロープ及び/又は控え
ロープへ及ぼされる張力は、ブレーキ装置におけるルー
プ管の径を縮小させるように作用し、その際ループ管の
重ね合わされた両端部が緊締部材によって緊締されてい
るために、ループ管径の縮小動作が生じると、緊締部で
のループ管重畳部の摩擦及びループ管と緊締部材との間
の摩擦並びに、ループ管それ自体の強さによってエネル
ギー吸収が行なわれ、また、ループ管の径縮小に要する
力もエネルギー吸収となる。これによって、保持ロープ
及び/又は控えロープに大きな荷重負担を与えることな
く、円滑に且つ効果的にエネルギー吸収ができる。
線材が一定の間隔置きに拡径部を有する異形の線材であ
ることを特徴とする。この構成によれば、リング部材を
構成する線材相互間の滑動が拡径部によって阻止される
ので、相当のエネルギーを受けてもリング部材の径は拡
がることはなく、リング部材の長期にわたる形状維持が
達成される。
控えロープの地山への定着箇所が、防護装置の正面から
見て、支柱の延長線から外れた箇所に設置されているこ
とを特徴としている。この構成により、控えロープがリ
ングネットに対して斜めの方向に延びることになり、リ
ングネットに落石が衝突してネットが谷側へ突き出さ
れ、その結果支柱がネットに引き寄せられて斜めの方向
へ傾倒した際、控えロープが支柱の傾倒方向と略同方向
へ延びていることにより、控えロープに設けたブレーキ
装置の作用が速やかにもたらされる。
控えロープの地山への定着部に設けたアンカー頭部が首
振り可能に設けてあることを特徴としており、この構成
により、アンカー頭部に結合された、延長方向の異なる
2本の控えロープのうちの何れのロープに引張力が作用
しても、その方向に追随してアンカー頭部の向きを変え
られるので、引張荷重以外の荷重がアンカー頭部に及ぼ
されることが減少し、耐用寿命が長くなるという利点が
得られる。
面から見た概略図であって、実際に設置した状態では紙
面の手前側が谷側であり、紙面の裏側が山側である。こ
のことは図2の側面図を参照すると明らかである。
り、これら支柱は所定の間隔を置いて設置されたコンク
リート基礎2の上に、或は地山の土又は岩盤上に直接立
設されている。詳細には、例えばコンクリート基礎2の
上に支柱を立設する場合には、コンクリート基礎2の上
に金属基板が取り付けられ、金属基板の上部に設けたジ
ョイント部と支柱下部に設けたジョイント部とをヒンジ
式に結合し、支柱が基礎に対して傾動可能に支持されて
いる。傾動は谷側、山側の何れの方向へも可能であり、
また斜めの方向へも行い得る。
ンカー3が地山又は岩盤に固定され、その頭部4が図2
に示すように地上に露出せしめられる。アンカーの頭部
4と支柱1の上部との間には控えロープ5が張設され、
その中途には追って説明されるブレーキ装置6が設けて
ある。各控えロープに設けるブレーキ装置6は、予想さ
れる落石の落下エネルギーに応じて、設置個数が変えら
れる。
7が地山または岩盤に固定されており、同アンカーの頭
部8と端末支柱1の上部との間には側方上部アンカーロ
ープ9が、また端末支柱1の下部との間には側方下部ア
ンカーロープ10が展張されている。落石の落下エネル
ギーが大きいと予想される場合には、上記のアンカーロ
ープ9にブレーキ装置6を設置するのが望ましい。
持ロープ11が、下部には下側支持ロープ12がそれぞ
れ展張されており、各ロープの端部は支柱に結合されて
いる上側及び下側の支持ロープ11、12はそれぞれダ
ブルで設けてもよく、或は場合によっては3本以上の本
数にしてもよい。これら上側及び下側支持ロープ11、
12にも、下記のようなブレーキ装置6が設けてある。
上側及び下側支持ロープ11、12に取り付けられるブ
レーキ装置6は、予想される落石の落下エネルギーを考
慮して、1個乃至複数個設けてある。
支持ロープ11と下側支持ロープ12によって支持され
た網状体13が張り渡されている。この網状体13は、
図3に示すように、多数のリング部材13aを、それぞ
れ隣合うリング部材の内周側が接触するように相互に連
結することによって構成されている。図面には、円形の
リング部材13aのみを用いた網状体が示されている
が、円形に近い多角形状のものを用いても良く、或は円
形のものと多角形状のものを複合的に組み合わせて網状
体のもにしても良い。更に、三角形や四角形のリング部
材と円形又は多角形状リングとを複合連結し、網状体を
構成することも可能であり、更に様々な形状のリング部
材を組み合わせて網状体を構成してもよい。上方及び下
方のリング部材と、上側支持ロープ11及び下側支持ロ
ープ12との連結は、図3に示すように、各支持ロープ
をリング部材13aの環の中を通して行うものの他に、
リング部材13aと上下支持ロープとを連結する結合部
材(図示せず)を用いて行ってもよい。
に、線材を複数回巻き、周方向の数箇所を締結手段13
bによって線材束を固定することによって構成される。
締結手段は、具体的には、例えば断面C形の筒状の金具
であって、その開放部を通して線材束に嵌めた後に、締
め付け工具によって線材束に固定される。線材の巻数を
加減することにより、或いは線材の太さを選定すること
により、リング部材13aのエネルギー吸収力が調整可
能である。線材は例えば鋼製であって、図4(B)に示
すように一様な径を有する丸鋼線材であってもよいし、
図4(C)に示すように一定の間隔を置いて拡径部を有
する異形の丸鋼線材であってもよい。図4(C)に示す
異形の丸鋼線材を巻いて線材束としたリング部材13a
の場合、このリング部材13aが落石の衝撃エネルギー
を受けたときに、線材が周方向に引張力を受けても、隣
り合う線材の拡径部が引っ掛かって、線材相互間の滑動
が阻止され、リング部材13aの径が変化し難くなって
いるので、極めて大きな衝撃エネルギーを受けて変形し
たり、破断したりしない限り、長期にわたって本来の径
のリング形状を維持し続けることができる。
製作することが可能であり、例えばスチール、炭素繊
維、アラミド繊維などで製作可能である。
れた網状体13、即ちリングネットが落石による衝撃を
受けたとき、図3のように衝撃力が衝撃中心部からリン
グ部材を伝達し外方へ均一に拡がっていき、その際に各
リング部材が他のリング部材との連結箇所で外方へ引張
られ、各リング部材の受ける引張力に応じて変形し、リ
ングネットが図5のように谷側へ張り出した状態にな
り、その結果エネルギーが吸収される。リング部材13
aが最も大きく変形した場合が図5に示されているが、
受ける力の大きさによって、また力の掛かり具合によっ
て、変形の度合は異なり、また変形形状も異なる。この
ような多数のリング部材13aの変形によって極めて大
きなエネルギーの吸収が達成される。前述のように、リ
ング部材の構成によって、リングネットにより吸収され
るエネルギー量は任意に変更することができる。
ーの吸収が可能であるが、前述のように、上下の保持ロ
ープ11、12及び控えロープ5にブレーキ装置6を設
けることにより、防護装置におけるエネルギー吸収能力
が更に増大する。図7は、このブレーキ装置6の具体例
を示すものであって、図示のように、ループ管6aと緊
締部材6bとより成っており、ループ管6aには上記の
保持ロープ、控えロープの中途部分が挿通されている。
ループ管6aの両端部は並列して重ね合わされており、
この重畳部は緊締部材、例えば圧縮スリーブ6bによっ
て締固され、圧縮スリーブによって締固されている部分
でループ管の重畳部は相互に摩擦接触し、またループ管
と圧縮スリーブの間においても摩擦接触がもたらされて
いる。ループ管6aは鋼性管であることが好ましいが、
他の金属材料、プラスチック材料で製作することができ
る。
と、保持ロープ11、12及び控えロープ5に落石によ
る衝撃力が波及し、これらロープに異常な張力が発生す
ると、ループ管6aの径を縮少しようとする力が働き、
ループ管の両端部はロープに沿って互に反対方向へ向う
力を受ける。ロープ張力に加わっている張力が、圧縮ス
リーブ6bによる締固箇所におけるループ管同志及びル
ープ管と圧縮スリーブとの間の摩擦力を超えると、相互
間に滑りが生じ衝撃による運動エネルギーは吸収され
る。ループ管の変形によっても運動エネルギーの吸収が
行われる。
ることにより、エネルギー吸収能力は様々に変更可能で
あり、様々な要求に簡単に対応することができる。
である場合が示されているが、2重巻き又はそれ以上の
巻数であってもよい。
に固定したアンカーの頭部と、各支柱の上端部との間に
張り渡されているが、この張設の態様は図1に示すよう
にすることが特に好ましい。即ち、図1に示すように、
アンカーは、設置した防護装置の正面から見て、隣り合
う2本の支柱1のほぼ中間に位置している。従って、控
えロープ5はリングネット13の面に対して斜めの方向
に延びた状態になる。控えロープのこのような張設の仕
方によって次のような効果が得られる。即ち、いずれか
のリングネット13に落石が衝突した際、リングネット
は衝撃により図5に示すように前方へ張り出すが、その
際リングネットは上側保持ロープ11を介して支柱1に
対し斜めの方向へ傾倒する力を及ぼす。この支柱傾倒方
向は同支柱に結合されている控えロープの延長方向と略
々同方向になり、控えロープに効率よく張力が及ぼされ
ることになるので、その控えロープに設けてあるブレー
キ装置6もただちに反応して、運動エネルギー吸収の作
用を果たす。
2号明細書に示されているものが有利に使用可能であ
る。斜面から突出しているアンカー頭部4(図2)はル
ープ状に形成されて、控えロープ5との結合が容易に行
い得るようになされていると共に、首振りが自在になさ
れるように構成されており、従って2本の控えロープに
結合されていても、張力の生じた控えロープの方向へ無
理なく方向転換でき、張力以外の力の作用が掛かる度合
が少ないので長期間の使用に耐え得る。
ある。
す斜視図(A)であり、リング部材を構成する線材の一
部を示す斜視図(B)(C)である。
側面図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 防護の必要な傾斜箇所の所要の長さ範囲
に亘って所要の間隔で立設され、基部が地山に固定され
た支柱の列を有し、各支柱の上部と支柱列山側の地山部
との間には控えロープが張られており、また、支柱列全
体に亘ってその谷側に張り巡らされ、支柱間において支
柱の上部と下部にそれぞれ張り渡された保持ロープによ
って上下で保持された網状体が設けてあり、この網状体
が多数のリング部材を、それぞれ隣り合うリング部材の
内周側が接触するように相互に連結することによって構
成されている、落石を受け止めその高運動エネルギーを
吸収する防護装置において、 各支柱の基部がヒンジを介して地山に固定されており、 上記網状体を構成するリング部材が、線材を複数回巻
き、周方向の数箇所を締結手段によって線材を束ねて固
定することによって構成されており、 上記支柱間に張り渡された保持ロープの中途及び/又は
地山と支柱との間に張られた控えロープの中途にそれら
ロープに及んでくる衝撃エネルギーを吸収するためのブ
レーキ装置が設けてあり、このブレーキ装置が、重ね合
わされた両端部を緊締部材によって固定したループ管を
有しており、当該ロープがこのループ管の重ね合わされ
た両端部の内の一方端部の管口から入り、ループ管内を
通り、他方端部の管口から出て延びていることを特徴と
する、 落石を受け止めその高運動エネルギーを吸収する
防護装置。 - 【請求項2】 線材が一定の間隔置きに拡径部を有する
異形の線材であることを特徴とする、請求項1に記載の
防護装置。 - 【請求項3】 控えロープの地山への定着箇所が、防護
装置の正面から見て、支柱の延長線から外れた箇所に設
置されていることを特徴とする、請求項1または2に記
載の防護装置。 - 【請求項4】 控えロープの地山への定着部に設けたア
ンカー頭部が首振り可能に設けてあることを特徴とす
る、請求項1〜3のいずれか1つに記載の防護装置。
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