JP3200882B2 - ポリエステルモノフィラメント - Google Patents
ポリエステルモノフィラメントInfo
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Description
【発明の属する技術分野】本発明は耐摩耗性の優れたポ
リエステルモノフィラメントおよび該ポリエステルモノ
フィラメントを使用した抄紙用ワイヤーに関するもので
ある。
リエステルモノフィラメントおよび該ポリエステルモノ
フィラメントを使用した抄紙用ワイヤーに関するもので
ある。
【従来の技術】一般に熱可塑性ポリエステル、例えばポ
リエチレンテレフタレートは優れた力学特性、化学特性
を有しており、繊維、フィルムなどの成型品として広く
用いられてきた。しかしながら、産業用途でポリエステ
ルモノフィラメントを他の物質、例えば金属,セラミッ
ク,プラスチックなどの粒子や構造物などと接触する用
途に用いると、これらの粒子や構造物などによって擦過
損傷を受けやすく、それゆえポリエステルモノフィラメ
ントを用いた網や織物などは製品としての寿命が短いと
いう欠点を有していた。例えば、製紙業界においては、
従来、酸性紙が主として製造されていたが紙の経日劣化
の問題が顕著となるに従い、中性紙への転換が盛んに行
なわれるようになった。この酸性紙から中性紙への転換
にともない、填料と呼ばれる紙への充填材がタルクから
炭酸カルシウムに変更されたが、炭酸4ルシウム粒子は
タルク粒子に比較して硬いため、抄紙工程において使用
される紙漉き用の網(以下、ワイヤーという)の摩耗が
早く、特にポリエステルモノフィラメント製のワイヤー
は、ナイロン6などのポリアミドモノフィラメント製ワ
イヤーに比較し寿命が短いという欠点を有していた。ナ
イロン製のワイヤーは前述したように比較的摩耗し難い
利点はあるものの、抄紙時の水分でワイヤーの寸法が変
化し、製紙に支障をきたすという致命的な欠点を有して
いるため、抄紙時においても寸法安定性が良好であるポ
リエステルモノフィラメント製ワイヤーの耐摩耗性の改
良が望まれていた。従来よりポリエステルモノフィラメ
ントの耐摩耗性を改良するため、種々の提案がなされて
きた。たとえば、アルミナ粉,炭化ケイ素,ジルコニア
系研磨材などの砥材粒子を配合したポリエステルモノフ
ィラメントは若干の耐摩耗性向上効果は認められるもの
の、ポリエステル中における該砥材粒子の分散が悪いた
め糸質が劣っていたり、モノフィラメント製造工程やモ
ノフィラメントを用いた各種織物の製織工程および抄紙
機などの、モノフィラメントやモノフィラメントを用い
た各種織物と接触する各種ローラー類やガイド類などの
表面に擦過損傷を与えるなどの欠点を有していた。ま
た、特開昭63−42976号公報にはモノフィラメン
トの表面にポリシロキサン系被覆剤及び架橋アクリル系
被覆剤などの硬質被膜を付与する方法が提案されている
が、該表面被膜は脱落しやすく、耐久性の面で問題を有
していた。また、特開平2−80688号公報にはポリ
エチレンテレフタレートに特定量の熱可塑性ポリウレタ
ンを含有させたモノフィラメントを使用した耐摩耗性の
改良された抄紙用織物が提案されているが、使用する熱
可塑性ポリウレタン樹脂が、ポリエチレンテレフタレー
トとの溶融紡糸温度で分解し、紡糸が困難となり、工業
的に大きな問題を有しており実用的でない。
リエチレンテレフタレートは優れた力学特性、化学特性
を有しており、繊維、フィルムなどの成型品として広く
用いられてきた。しかしながら、産業用途でポリエステ
ルモノフィラメントを他の物質、例えば金属,セラミッ
ク,プラスチックなどの粒子や構造物などと接触する用
途に用いると、これらの粒子や構造物などによって擦過
損傷を受けやすく、それゆえポリエステルモノフィラメ
ントを用いた網や織物などは製品としての寿命が短いと
いう欠点を有していた。例えば、製紙業界においては、
従来、酸性紙が主として製造されていたが紙の経日劣化
の問題が顕著となるに従い、中性紙への転換が盛んに行
なわれるようになった。この酸性紙から中性紙への転換
にともない、填料と呼ばれる紙への充填材がタルクから
炭酸カルシウムに変更されたが、炭酸4ルシウム粒子は
タルク粒子に比較して硬いため、抄紙工程において使用
される紙漉き用の網(以下、ワイヤーという)の摩耗が
早く、特にポリエステルモノフィラメント製のワイヤー
は、ナイロン6などのポリアミドモノフィラメント製ワ
イヤーに比較し寿命が短いという欠点を有していた。ナ
イロン製のワイヤーは前述したように比較的摩耗し難い
利点はあるものの、抄紙時の水分でワイヤーの寸法が変
化し、製紙に支障をきたすという致命的な欠点を有して
いるため、抄紙時においても寸法安定性が良好であるポ
リエステルモノフィラメント製ワイヤーの耐摩耗性の改
良が望まれていた。従来よりポリエステルモノフィラメ
ントの耐摩耗性を改良するため、種々の提案がなされて
きた。たとえば、アルミナ粉,炭化ケイ素,ジルコニア
系研磨材などの砥材粒子を配合したポリエステルモノフ
ィラメントは若干の耐摩耗性向上効果は認められるもの
の、ポリエステル中における該砥材粒子の分散が悪いた
め糸質が劣っていたり、モノフィラメント製造工程やモ
ノフィラメントを用いた各種織物の製織工程および抄紙
機などの、モノフィラメントやモノフィラメントを用い
た各種織物と接触する各種ローラー類やガイド類などの
表面に擦過損傷を与えるなどの欠点を有していた。ま
た、特開昭63−42976号公報にはモノフィラメン
トの表面にポリシロキサン系被覆剤及び架橋アクリル系
被覆剤などの硬質被膜を付与する方法が提案されている
が、該表面被膜は脱落しやすく、耐久性の面で問題を有
していた。また、特開平2−80688号公報にはポリ
エチレンテレフタレートに特定量の熱可塑性ポリウレタ
ンを含有させたモノフィラメントを使用した耐摩耗性の
改良された抄紙用織物が提案されているが、使用する熱
可塑性ポリウレタン樹脂が、ポリエチレンテレフタレー
トとの溶融紡糸温度で分解し、紡糸が困難となり、工業
的に大きな問題を有しており実用的でない。
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した種々
の欠点のない、耐摩耗性に優れたポリエステルモノフィ
ラメントおよび該モノフィラメントを使用した抄紙ワイ
ヤーの提供にある。
の欠点のない、耐摩耗性に優れたポリエステルモノフィ
ラメントおよび該モノフィラメントを使用した抄紙ワイ
ヤーの提供にある。
【課題を解決するための手段】前記した本発明の課題
は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを1〜40
重量%以下含有してなるポリエステルモノフィラメン
ト、および該ポリエステルモノフィラメントを使用した
抄紙ワイヤーを使用した抄紙ワイヤーによって達成でき
る。
は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを1〜40
重量%以下含有してなるポリエステルモノフィラメン
ト、および該ポリエステルモノフィラメントを使用した
抄紙ワイヤーを使用した抄紙ワイヤーによって達成でき
る。
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のモノフィラメントを形成するところのポリエス
テルとは、芳香族ジカルボン酸、あるいはそのジアルキ
ルエステルなどの二官能性成分とグリコール成分からな
るものを主体とするが、特にポリエチレンテレフタレー
トを主体とするものが好ましい。このポリエチレンテレ
フタレートを主体とするポリエステルはホモポリエステ
ルであってもコポリエステルであってもよく、共重合成
分として、例えばアジピン酸、セバシン酸、フタル酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸成分、p−
オキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸成分、
およびテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリオキシアルキレング
リコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、5−ナトリウムスルホレゾルシ
ンなどのジオール成分を含んでいてもよい。本発明のポ
リエステルモノフィラメントとは前記ポリエステルを主
成分とする1本の単糸からなる連続糸であり、丸、三
角、四角、正多角形などの断面形状を有するものである
が、耐摩耗性向上の観点からは、丸形断面が最も摩耗し
にくく好ましい。また、断面の直径は用途によって適宜
選択できるが、0.01〜3mmの範囲が最もよく使用
される。また、糸の必要強度は用途により異なるが、抄
紙用網としては3.0g/デニール以上であることが好
ましい。本発明のポリエステルモノフィラメントが含有
するところの、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
としては、例えば、主としてポリプロピレンあるいはポ
リエチレンなどのポリオレフィンをハードセグメントと
し、主としてエチレン・プロピレン・ジエン系三元共重
合体をソフトセグメントとするブレンド体よりなる熱可
塑性エラストマーを挙げることができる。ポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーの中ではJIS−A硬度が8
5以下のもの一層好ましいものである。ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマーのJIS−A硬度が85より大
きいと得られるモノフィラメントの耐摩耗性がやや低め
の傾向を示すとともに、モノフィラメントの太さばらつ
き(以下、線径斑という)もやや大きくなる傾向にあ
る。なお、熱可塑性エラストマーとは常温でゴム弾性を
示し、高温では熱可塑性プラスチックと同様な可塑性を
示すポリマーである。前記したポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーのポリエステルモノフィラメント中にお
ける含有量は、1重量%以上、40重量%以下の範囲で
ある。含有量が1重量%より少ないと耐摩耗性が十分で
なく、一方、40重量%より多いと、得られるモノフィ
ラメントの強伸度が低下し、モノフィラメントの線径斑
も増加するため好ましくない。また、ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーのポリエステルモノフィラメント
中における含有量が5重量%以上、30重量%以下の場
合には一層耐摩耗性と強伸度特性が良好となり、かつ線
径斑が少なく均一なモノフィラメントとなり好ましい。
本発明のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを1重
量%以上、40重量%以下含有してなるポリエステルモ
ノフィラメントは次のような方法によって得ることがで
きる。ポリエステルとポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーとの混合は該ポリエステルの重縮合完了直後から
該モノフィラメントが紡糸口金より紡出されるまでの任
意の段階に行なうことができ、例えば、重縮合が完了し
た直後に重合缶で、溶融状態のポリエステルにポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーを添加・混練し、常法に
よりチップ化した後、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーの軟化点より低い温度で乾燥し、次いでメルトプ
レッシャー式またはエクストルダ式紡糸機などを用いて
溶融紡糸・延伸する方法、あるいは乾燥したポリエステ
ルチップにポリオレフィン系熱可塑性エラストマーチッ
プを添加・チップブレンド後、エクストルダ式紡糸機で
混練しながら溶融紡糸・延伸する方法、あるいはチップ
定量供給機で所定量のポリエステルチップとポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーとを供給しながらエクスト
ルダ式紡糸機で混練・溶融紡糸・延伸する方法、あるい
は1軸,2軸エクストルダ式混練機でポリエステルとポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマーとをあらかじめ溶
融混練後チップ化し、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーの軟化点より低い温度で乾燥し、次いで溶融紡糸
・延伸する方法などが挙げられるが、溶融紡糸前の段階
で少なくとも一回はポリエステルとポリオレフィン系熱
可塑性エラストマーとを強制混練することが好ましい。
また、溶融紡糸時の温度は通常のポリエステルの溶融紡
糸温度すなわちポリエステルの溶融温度以上、分解温度
以下の範囲を採用できるが、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーの分解を避けるためには290℃以下が好
ましい。また、同様な理由で溶融ポリエステルとの平均
的な接触時間は合計で15分間以下が好ましく、更に好
ましくは10分間以下である。本発明のポリエステルモ
ノフィラメントは各種酸化防止剤、酸化チタンなどの各
種不活性粒子、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
以外の各種ポリマー、ポリエステル製造時に通常用いら
れる触媒としての各種金属化合物、着色防止として用い
られるリン化合物などを含有していてもよい。本発明の
ポリエステルモノフィラメントは優れた耐摩耗性を有
し、抄紙用網,フィルター,ベルト布などの工業資材と
して有用なものであり、特に紙製造の抄紙工程で用いら
れる長網あるいは丸網などの抄紙ワイヤーとして用いた
場合、炭酸カルシウムによる摩耗を著しく抑制できるた
め好適なものである。
本発明のモノフィラメントを形成するところのポリエス
テルとは、芳香族ジカルボン酸、あるいはそのジアルキ
ルエステルなどの二官能性成分とグリコール成分からな
るものを主体とするが、特にポリエチレンテレフタレー
トを主体とするものが好ましい。このポリエチレンテレ
フタレートを主体とするポリエステルはホモポリエステ
ルであってもコポリエステルであってもよく、共重合成
分として、例えばアジピン酸、セバシン酸、フタル酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸成分、p−
オキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸成分、
およびテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリオキシアルキレング
リコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、5−ナトリウムスルホレゾルシ
ンなどのジオール成分を含んでいてもよい。本発明のポ
リエステルモノフィラメントとは前記ポリエステルを主
成分とする1本の単糸からなる連続糸であり、丸、三
角、四角、正多角形などの断面形状を有するものである
が、耐摩耗性向上の観点からは、丸形断面が最も摩耗し
にくく好ましい。また、断面の直径は用途によって適宜
選択できるが、0.01〜3mmの範囲が最もよく使用
される。また、糸の必要強度は用途により異なるが、抄
紙用網としては3.0g/デニール以上であることが好
ましい。本発明のポリエステルモノフィラメントが含有
するところの、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
としては、例えば、主としてポリプロピレンあるいはポ
リエチレンなどのポリオレフィンをハードセグメントと
し、主としてエチレン・プロピレン・ジエン系三元共重
合体をソフトセグメントとするブレンド体よりなる熱可
塑性エラストマーを挙げることができる。ポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーの中ではJIS−A硬度が8
5以下のもの一層好ましいものである。ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマーのJIS−A硬度が85より大
きいと得られるモノフィラメントの耐摩耗性がやや低め
の傾向を示すとともに、モノフィラメントの太さばらつ
き(以下、線径斑という)もやや大きくなる傾向にあ
る。なお、熱可塑性エラストマーとは常温でゴム弾性を
示し、高温では熱可塑性プラスチックと同様な可塑性を
示すポリマーである。前記したポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーのポリエステルモノフィラメント中にお
ける含有量は、1重量%以上、40重量%以下の範囲で
ある。含有量が1重量%より少ないと耐摩耗性が十分で
なく、一方、40重量%より多いと、得られるモノフィ
ラメントの強伸度が低下し、モノフィラメントの線径斑
も増加するため好ましくない。また、ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーのポリエステルモノフィラメント
中における含有量が5重量%以上、30重量%以下の場
合には一層耐摩耗性と強伸度特性が良好となり、かつ線
径斑が少なく均一なモノフィラメントとなり好ましい。
本発明のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを1重
量%以上、40重量%以下含有してなるポリエステルモ
ノフィラメントは次のような方法によって得ることがで
きる。ポリエステルとポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーとの混合は該ポリエステルの重縮合完了直後から
該モノフィラメントが紡糸口金より紡出されるまでの任
意の段階に行なうことができ、例えば、重縮合が完了し
た直後に重合缶で、溶融状態のポリエステルにポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーを添加・混練し、常法に
よりチップ化した後、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーの軟化点より低い温度で乾燥し、次いでメルトプ
レッシャー式またはエクストルダ式紡糸機などを用いて
溶融紡糸・延伸する方法、あるいは乾燥したポリエステ
ルチップにポリオレフィン系熱可塑性エラストマーチッ
プを添加・チップブレンド後、エクストルダ式紡糸機で
混練しながら溶融紡糸・延伸する方法、あるいはチップ
定量供給機で所定量のポリエステルチップとポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーとを供給しながらエクスト
ルダ式紡糸機で混練・溶融紡糸・延伸する方法、あるい
は1軸,2軸エクストルダ式混練機でポリエステルとポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマーとをあらかじめ溶
融混練後チップ化し、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーの軟化点より低い温度で乾燥し、次いで溶融紡糸
・延伸する方法などが挙げられるが、溶融紡糸前の段階
で少なくとも一回はポリエステルとポリオレフィン系熱
可塑性エラストマーとを強制混練することが好ましい。
また、溶融紡糸時の温度は通常のポリエステルの溶融紡
糸温度すなわちポリエステルの溶融温度以上、分解温度
以下の範囲を採用できるが、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーの分解を避けるためには290℃以下が好
ましい。また、同様な理由で溶融ポリエステルとの平均
的な接触時間は合計で15分間以下が好ましく、更に好
ましくは10分間以下である。本発明のポリエステルモ
ノフィラメントは各種酸化防止剤、酸化チタンなどの各
種不活性粒子、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
以外の各種ポリマー、ポリエステル製造時に通常用いら
れる触媒としての各種金属化合物、着色防止として用い
られるリン化合物などを含有していてもよい。本発明の
ポリエステルモノフィラメントは優れた耐摩耗性を有
し、抄紙用網,フィルター,ベルト布などの工業資材と
して有用なものであり、特に紙製造の抄紙工程で用いら
れる長網あるいは丸網などの抄紙ワイヤーとして用いた
場合、炭酸カルシウムによる摩耗を著しく抑制できるた
め好適なものである。
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中の耐摩耗性および線径斑の評価
は次のようにして行なった。 A.耐摩耗性評価方法 ポリエステルモノフィラメントの先端に荷重100gの
重りをつけ、1500rpmで回転する直径60cmの
セラミック製円筒表面に、中性紙抄紙用の填料として用
いられる三共(株)製の炭酸カルシウム粉末“エスカロ
ン”(登録商標)#800の0.5%水懸濁液を滴下し
ながら接触させ、該モノフィラメントが切断するまでの
時間を測定した。なお、該モノフィラメントを抄紙用網
として用いる場合の耐摩耗性は、本摩耗性評価における
モノフィラメントの切断するまでに要する時間が、従来
のホモポリエステルモノフィラメントの1.3倍以上で
あることが必要とされる。 B.線径斑評価方法 レーザー式線径測定器を用い、モノフィラメント250
mを、50m/分の速度で5分間線径を測定し、測定値
の平均値をフィラメントの直径とし、測定値の最大値と
最小値との差を線径斑とした。なお、該モノフィラメン
トを抄紙用網として用いる場合の線径斑は紙製品の表面
均一性との関係から、本評価方法による測定値の最大値
と最小値との差が20μm以下であることが必要とされ
る。 実施例1 真空下160℃で8時間乾燥した極限粘度0.70(フ
ェノールとテトラクロルエタン1:1の混合溶剤中25
℃で測定)のポリエチレンテレフタレート(以下、PE
Tという)チップ88重量部と、熱可塑性エラストマー
としてポリオレフィン系エラストマー(三菱油化(株)
製“サーモラン”(登録商標)3550,JIS A硬
度55)12重量部とを窒素雰囲気下、V型ブレンダー
中で混合しブレンドチップを得た。次いでこのブレンド
チップを孔径1.5mmのノズルを備えたエクストルダ
式溶融紡糸機に供し、溶融紡糸した後一旦冷却し、さら
に120℃で5.7倍に延伸し、次いで0.9倍で弛緩
熱セットすることにより、直径0.22mm,線径斑は
4μmで強度4.1g/デニールのポリエステルモノフ
ィラメントを得た。このモノフィラメントの耐摩耗性を
評価したところ切断までに120分を要した。 比較実施例1 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを使用しないこ
と以外はすべて実施例1と同様にして直径0.22m
m,線径斑2μmで強度4.7g/デニールを有するP
ET単独のポリエステルモノフィラメントを得た。この
モノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ15分で
切断した。 実施例2,3 PETチップを98重量部、ポリオレフィン系エラスト
マー(三菱油化(株)製“サーモラン”(登録商標)3
550,JIS A硬度55)を2重量部に変更したこ
と以外は実施例1と同様にして、直径0.22mm,線
径斑3μmで糸強度4.5g/デニールのポリエステル
モノフィラメントを得た。このモノフィラメントの耐摩
耗性を評価したところ切断までに30分を要した(実施
例2)。またPETチップを65重量部、ポリオレフィ
ン系エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラン”
(登録商標)3550,JIS A硬度55)を35重
量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、直径
が0.22mm,線径斑11μmで、糸強度3.4g/
デニールのポリエステルモノフィラメントを得た。この
モノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ、切断ま
でに 400分を要した(実施例3)。 実施例4,5 PETチップを94重量部、ポリオレフィン系エラスト
マー(三菱油化(株)製“サーモラン”(登録商標)3
550,JIS A硬度55)を6重量部に変更したこ
と以外は実施例1と同様にして、直径0.22mm,線
径斑3μmで糸強度4.4g/デニールのポリエステル
モノフィラメントを得た。このモノフィラメントの耐摩
耗性を評価したところ切断までに70分を要した(実施
例4)。また、PETチップを72重量部、ポリオレフ
ィン系エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラン”
(登録商標)3550,JIS A硬度55)を28重
量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして直径
0.22mm,線径斑8μmで糸強度3.9g/デニー
ルのポリエステルモノフィラメントを得た。このモノフ
ィラメントの耐摩耗性を評価したところ切断までに32
0分を要した(実施例5)。 実施例6,7 ポリオレフィン系エラストマーを三井石油化学工業
(株)製“ミラストマー”(登録商標)8032N(J
IS A硬度80)に変更したこと以外は実施例1と同
様にして直径0.22mm,線径斑5μmで糸強度4.
1g/デニールのポリエステルモノフィラメントを得
た。このモノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ
切断までに115分を要した(実施例6)。また、ポリ
オレフィン系エラストマーを三井石油化学工業(株)製
“ミラストマー”(登録商標)9020N(JIS A
硬度90)に変更したこと以外は実施例1と同様にして
直径0.22mm,線径斑12μmで糸強度4.0g/
デニールのポリエステルモノフィラメントを得た。この
モノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ切断まで
に80分を要した(実施例7)。 比較実施例2,3 比較のために、PETチップを99.5重量部、ポリオ
レフィン系エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラ
ン”(登録商標)3550,JIS A硬度55)を
0.5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にし
て直径0.22mm,線径斑2μmで強度4.6g/デ
ニールを有するポリエステルモノフィラメントを得た。
このモノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ17
分で切断してしまった(比較実施例2)。また、比較の
ために、PETチップを55重量部、ポリオレフィン系
エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラン”(登録
商標)3550,JIS A硬度55)を45重量部に
変更したこと以外は実施例1と同様にして、直径0.2
2mmのポリエステルモノフィラメントを得た。このモ
ノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ、切断まで
には580分を要したが、強度2.6g/デニールと低
く、線径斑も30μmと大きいものであった(比較実施
例3)。以上の実施例1〜7および比較実施例1〜3の
結果を表1に示した。これらの結果から本発明のポリエ
ステルモノフィラメントは中性抄紙用填料の炭酸カルシ
ウムによる擦過に対して優れた耐摩耗性と、抄紙用網と
して必要な糸強度および安定な線径を有するものである
ことがわかる。
明する。なお、実施例中の耐摩耗性および線径斑の評価
は次のようにして行なった。 A.耐摩耗性評価方法 ポリエステルモノフィラメントの先端に荷重100gの
重りをつけ、1500rpmで回転する直径60cmの
セラミック製円筒表面に、中性紙抄紙用の填料として用
いられる三共(株)製の炭酸カルシウム粉末“エスカロ
ン”(登録商標)#800の0.5%水懸濁液を滴下し
ながら接触させ、該モノフィラメントが切断するまでの
時間を測定した。なお、該モノフィラメントを抄紙用網
として用いる場合の耐摩耗性は、本摩耗性評価における
モノフィラメントの切断するまでに要する時間が、従来
のホモポリエステルモノフィラメントの1.3倍以上で
あることが必要とされる。 B.線径斑評価方法 レーザー式線径測定器を用い、モノフィラメント250
mを、50m/分の速度で5分間線径を測定し、測定値
の平均値をフィラメントの直径とし、測定値の最大値と
最小値との差を線径斑とした。なお、該モノフィラメン
トを抄紙用網として用いる場合の線径斑は紙製品の表面
均一性との関係から、本評価方法による測定値の最大値
と最小値との差が20μm以下であることが必要とされ
る。 実施例1 真空下160℃で8時間乾燥した極限粘度0.70(フ
ェノールとテトラクロルエタン1:1の混合溶剤中25
℃で測定)のポリエチレンテレフタレート(以下、PE
Tという)チップ88重量部と、熱可塑性エラストマー
としてポリオレフィン系エラストマー(三菱油化(株)
製“サーモラン”(登録商標)3550,JIS A硬
度55)12重量部とを窒素雰囲気下、V型ブレンダー
中で混合しブレンドチップを得た。次いでこのブレンド
チップを孔径1.5mmのノズルを備えたエクストルダ
式溶融紡糸機に供し、溶融紡糸した後一旦冷却し、さら
に120℃で5.7倍に延伸し、次いで0.9倍で弛緩
熱セットすることにより、直径0.22mm,線径斑は
4μmで強度4.1g/デニールのポリエステルモノフ
ィラメントを得た。このモノフィラメントの耐摩耗性を
評価したところ切断までに120分を要した。 比較実施例1 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを使用しないこ
と以外はすべて実施例1と同様にして直径0.22m
m,線径斑2μmで強度4.7g/デニールを有するP
ET単独のポリエステルモノフィラメントを得た。この
モノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ15分で
切断した。 実施例2,3 PETチップを98重量部、ポリオレフィン系エラスト
マー(三菱油化(株)製“サーモラン”(登録商標)3
550,JIS A硬度55)を2重量部に変更したこ
と以外は実施例1と同様にして、直径0.22mm,線
径斑3μmで糸強度4.5g/デニールのポリエステル
モノフィラメントを得た。このモノフィラメントの耐摩
耗性を評価したところ切断までに30分を要した(実施
例2)。またPETチップを65重量部、ポリオレフィ
ン系エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラン”
(登録商標)3550,JIS A硬度55)を35重
量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、直径
が0.22mm,線径斑11μmで、糸強度3.4g/
デニールのポリエステルモノフィラメントを得た。この
モノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ、切断ま
でに 400分を要した(実施例3)。 実施例4,5 PETチップを94重量部、ポリオレフィン系エラスト
マー(三菱油化(株)製“サーモラン”(登録商標)3
550,JIS A硬度55)を6重量部に変更したこ
と以外は実施例1と同様にして、直径0.22mm,線
径斑3μmで糸強度4.4g/デニールのポリエステル
モノフィラメントを得た。このモノフィラメントの耐摩
耗性を評価したところ切断までに70分を要した(実施
例4)。また、PETチップを72重量部、ポリオレフ
ィン系エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラン”
(登録商標)3550,JIS A硬度55)を28重
量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして直径
0.22mm,線径斑8μmで糸強度3.9g/デニー
ルのポリエステルモノフィラメントを得た。このモノフ
ィラメントの耐摩耗性を評価したところ切断までに32
0分を要した(実施例5)。 実施例6,7 ポリオレフィン系エラストマーを三井石油化学工業
(株)製“ミラストマー”(登録商標)8032N(J
IS A硬度80)に変更したこと以外は実施例1と同
様にして直径0.22mm,線径斑5μmで糸強度4.
1g/デニールのポリエステルモノフィラメントを得
た。このモノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ
切断までに115分を要した(実施例6)。また、ポリ
オレフィン系エラストマーを三井石油化学工業(株)製
“ミラストマー”(登録商標)9020N(JIS A
硬度90)に変更したこと以外は実施例1と同様にして
直径0.22mm,線径斑12μmで糸強度4.0g/
デニールのポリエステルモノフィラメントを得た。この
モノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ切断まで
に80分を要した(実施例7)。 比較実施例2,3 比較のために、PETチップを99.5重量部、ポリオ
レフィン系エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラ
ン”(登録商標)3550,JIS A硬度55)を
0.5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にし
て直径0.22mm,線径斑2μmで強度4.6g/デ
ニールを有するポリエステルモノフィラメントを得た。
このモノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ17
分で切断してしまった(比較実施例2)。また、比較の
ために、PETチップを55重量部、ポリオレフィン系
エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラン”(登録
商標)3550,JIS A硬度55)を45重量部に
変更したこと以外は実施例1と同様にして、直径0.2
2mmのポリエステルモノフィラメントを得た。このモ
ノフィラメントの耐摩耗性を評価したところ、切断まで
には580分を要したが、強度2.6g/デニールと低
く、線径斑も30μmと大きいものであった(比較実施
例3)。以上の実施例1〜7および比較実施例1〜3の
結果を表1に示した。これらの結果から本発明のポリエ
ステルモノフィラメントは中性抄紙用填料の炭酸カルシ
ウムによる擦過に対して優れた耐摩耗性と、抄紙用網と
して必要な糸強度および安定な線径を有するものである
ことがわかる。
【表1】
【発明の効果】本発明のポリエステルモノフィラメント
は、中性紙用填料の炭酸カルシウム粒子などによる擦過
に対して優れた耐摩耗性と、必要十分な糸強度および安
定な線径を有するものであり、抄紙ワイヤーとして有用
な優れた特徴を有するものである。
は、中性紙用填料の炭酸カルシウム粒子などによる擦過
に対して優れた耐摩耗性と、必要十分な糸強度および安
定な線径を有するものであり、抄紙ワイヤーとして有用
な優れた特徴を有するものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/62 301 - 308 D01F 6/84 301 - 6/86 307 D01F 6/92 301 - 309 D21F 1/10
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを
1〜40重量%以下含有してなるポリエステルモノフィ
ラメント。 - 【請求項2】 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが
エチレン・プロピレン・ジエン系三元共重合体とポリオ
レフィンとのブレンド体を主体とするものであることを
特徴とする請求項1記載のポリエステルモノフィラメン
ト。 - 【請求項3】 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの
JIS−A硬度が85以下のものであることを特徴とす
る請求項1または請求項2のいずれか1項記載のポリエ
ステルモノフィラメント。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエ
ステルモノフィラメントを使用した抄紙ワイヤー。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP24322191A JP3200882B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | ポリエステルモノフィラメント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24322191A JP3200882B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | ポリエステルモノフィラメント |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0586507A JPH0586507A (ja) | 1993-04-06 |
| JP3200882B2 true JP3200882B2 (ja) | 2001-08-20 |
Family
ID=17100635
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24322191A Expired - Fee Related JP3200882B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | ポリエステルモノフィラメント |
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|---|---|
| JP (1) | JP3200882B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2004149963A (ja) * | 2002-10-30 | 2004-05-27 | Uniplas Shiga Kk | ポリエステルフィラメントおよびその加工方法 |
| JP6420130B2 (ja) * | 2014-12-02 | 2018-11-07 | 株式会社クラレ | ポリエステル系繊維 |
| JP7122734B2 (ja) * | 2017-07-11 | 2022-08-22 | ユニチカ株式会社 | 耐摩耗性に優れるポリエステル繊維とその製造方法 |
| JP7748700B2 (ja) * | 2021-06-22 | 2025-10-03 | ユニチカ株式会社 | 連続線材 |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP24322191A patent/JP3200882B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0586507A (ja) | 1993-04-06 |
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