JP3208730B2 - 光透過性材料のマーキング方法 - Google Patents
光透過性材料のマーキング方法Info
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Description
キング方法にかかるもので、とくにレーザー光を用いた
光透過性材料のマーキング方法に関するものである。
は、レーザー光によるアブレーション(爆触)現象を利
用して、たとえば透明ガラス基板などの被マーキング材
料の表面に加工を行うものであったため、被マーキング
材料の表面が微小に割れて、その破片が生産工程に混入
するという問題がある。
ーキング方法による被マーキング材料の断面側面図であ
って、被マーキング材料としての透明ガラス基板1(光
透過性材料)の表面2の所定部位にレーザー光3を集光
し、上記アブレーションにより表面2のガラスを飛ばし
て、くぼみを形成し、このくぼみによってマーキング4
を行う。こうしたアブレーションによる加工方法以外
に、レーザー光3の吸収にともなって発生する熱による
表面2の変形によりくぼみを形成し、マーキング4とし
ての視認性を得る場合もある。この熱による加工の場合
には、表面が一度溶融し、再凝固する過程をたどるもの
と考えられ、この場合においても、クラックなどの発生
があり、微細な破片やカケラが生じることもあり、これ
らの除去が必要になる。
ションにより飛ばされたガラス材料が粉末となってマー
キング4近傍に付着して「デブリ」と称される付着物と
なり、これを除去するために透明ガラス基板1の表面2
の洗浄が必要になるという問題がある。
2にガスの吹き付けを行うこと、クリーニングショット
と呼ぶレーザー光3の再照射を必要とすることなど、ク
リーンな環境を要求するシステムには受け入れがたいマ
ーキング方法(加工方法)であるという問題がある。
料にマーキングを施すために、光透過性材料の内部にレ
ーザー光などを集光させる方法も案出されている。たと
えば、特公平7−69524号による「模様入り眼鏡枠
部品の製造方法および眼鏡枠部品」では、光透過性材料
の一種であるプラスチックの内部にレーザー光を吸収さ
せることにより焼け焦げを生じさせて、内部に模様を現
出させるものである。この方法においては、光透過性材
料として、レーザー光を吸収する透明なプラスチックを
用いる必要があり、一方、ガラス基板にプラスチックを
混入することはできず、この方法に開示された技術のま
まではガラス基板内に焼け焦げを生じさせることは不可
能である。
ザーマーキング方法」では、ガラスの内部にレーザー光
を集束させて、その表面に損傷を与えることなく、マー
クを施す方法が示されている。この方法では、ガラス内
部の破壊しきい値が表面の5〜20倍程度となっている
ため、内部においてのみレーザー光を集束させて、表面
には損傷を与えることなく内部の破壊しきい値をこえる
ようにしたものである。ただし、その実施例においては
被マーキング材料としてプラスチックが用いられてお
り、集光点近傍に、直径20〜40μm、深さ100〜
250μm程度の範囲にわたって溶融、変質などが生じ
るとされている。
たときには、ガラス内部の破壊しきい値をこえたレーザ
ー光により、ガラス内部にクラックの発生が認められ
た。しかしながら、この方法では、レーザー光が集光す
る内部の深さを所望の値に設定できないことがわかっ
た。さらに、レーザー光の集光する深さを精密に制御し
ないと、表面にクラックが生じてしまうという問題があ
る。
ング方法」では、透明基板の内部にレーザー光の焦点を
結ぶように照射して選択的に不透明化することによりマ
ーキングを行っている。この方法では、絶縁破壊により
材料が不透明化するとされ、その実施例では、数百μm
の幅にわたって、厚さ約2.3mmの石英基板の内部が
不透明化し、これを表面から見ると白い符号として識別
することができる。したがって、マーキングの対象材料
として、十分に厚い透明基板でないと適用することがで
きないという問題がある。すなわち、薄い透明基板の場
合には、レーザー光の集光の深さを適切かつ精密に制御
することが困難である。
マーキング」においても、比較的厚肉の材料をマーキン
グの対象としており、三次元マーキングの可能性が示唆
されている。
に厚さの薄いガラス材料などの光透過性材料に対して所
定の深さないし厚さに精密にマーキングを施すには不十
分である。一方、たとえばガラス基板のような薄肉の光
透過性材料にマーキングを行うためには、材料の強度劣
化に影響の少ないマークが望まれる。
象を詳しく観察すると、以下のようになる。図10は、
透明ガラス基板1の要部拡大断面側面図であって、レー
ザー光3が最も集束した近傍においてガラス内部にクラ
ック5が生じ、またこのクラック5に連続して、レーザ
ー入射方向に亀裂6が伝播した穴状のマークパターン7
の発生が認められる。レーザー光3のビーム径3mm
φ、エネルギー約400μJで、焦点距離f=100m
mのレンズを使用した場合に、その大きさとしては、ク
ラック5の幅が約100μm、穴状のマークパターン7
の長さは約500μmに達する。
ーン7が生じる場合であっても、たとえば厚さ1〜2m
m程度の薄肉の透明ガラス基板1にマーキングを施すと
きに、その表面2からのレンズ位置を正確に制御すれ
ば、ガラス内部のみにマークパターン7を付すことは可
能であると予想された。しかしながら、ガラス表面2の
破壊しきい値が内部より低いため、実際にはどうしても
透明ガラス基板1の表面2ないしは裏面2Aにクラック
5ないし亀裂6を生じてしまうことが判明した。表面2
ないし裏面2Aにまでクラック5ないし亀裂6を生じる
と、材料強度の急激な劣化はもちろん、材料から飛び出
すパーティクルを生じるという問題がある。
ックを生じさせない一般的な方法としては、レーザー光
の強度をある値以下に下げ、マークサイズを小さくする
こと、および集光光学系の開口比(レンズの直径/焦点
距離)を大きくしてとくに表面におけるマークの成長を
抑えること、などが考えられる。しかしながら、こうし
たレーザー光3の照射エネルギーの制御、およびレンズ
位置の調整および開口比の選択などによってマークパタ
ーン7の大きさおよび形状の制御を適正に行っても表面
2におけるクラック5ないし亀裂6が発生してしまう原
因は、表面2にもともと存在している凹凸面あるいは微
細な傷が中心となってクラック5や亀裂6が発生してし
まうこと、および表面2にはゴミが付着しており、この
ゴミがレーザー光3の吸収の中心となり、レーザー光3
のエネルギーを予想以上に吸収しやすい環境にあるこ
と、などが考えられる。
ガラス基板1の内部のみへの集光は、これを予想以上に
精密に行う必要があることがわかり、とくに薄肉のガラ
ス材料などにマーキングを行う場合には、従来の各種マ
ーキング方法では実現困難であることがわかる。また、
マーキングとしてクラック5によりこれを構成すること
は、レーザー光3の集光操作および集光部位の制御を精
密に行う必要があることから、とくに薄い透明ガラス基
板1(光透過性材料)へのマーキング方法には、限界が
あると思われる。
諸問題にかんがみなされたもので、クリーンなシステム
に適合した光透過性材料のマーキング方法を提供するこ
とを課題とする。
ング材料の破片が生ずることがないようにした光透過性
材料のマーキング方法を提供することを課題とする。
料の表面の清浄化のための後処理を不要とした光透過性
材料のマーキング方法を提供することを課題とする。
所定の深さにかつ精密にマーキング位置を調整し、その
表面にはクラックなどが生じないようにすることが可能
な光透過性材料のマーキング方法を提供することを課題
とする。
ザー光により透明ガラス基板などの光透過性材料をマー
キングするにあたり、光透過性材料の表面ではなく、そ
の内部にレーザー光を集光すること、およびクラックの
生成だけによってマーキングを行うのではなく、より低
い照射エネルギーのレーザー光の集光によって主として
光透過性材料の光学的性質の変化を起こさせてこれをマ
ーキングに用いることに着目したもので、レーザー光に
より光透過性材料にマーキングを施す光透過性材料のマ
ーキング方法であって、上記光透過性材料は、これをガ
ラス材料とするとともに、上記レーザー光として、上記
光透過性材料に対して透過性のあるものを選択し、この
レーザー光を上記光透過性材料の内部に所定の深さで集
光するとともに、このレーザー光の強さをこの光透過性
材料の光学的性質の変化を起こす程度の強さとして上記
マーキングを可能としたことを特徴とする光透過性材料
のマーキング方法である。なお、上記光学的性質の変化
とは、たとえば屈折率その他任意の光学的特性の変化を
いい、外部からそれぞれ所定の計測手段により認識可能
なものである。
おける光学的性質が変化する部位を該光透過性材料の深
さ方向に長く生じさせることができる。
おける光学的性質が変化する部位を複数個まとめてひと
つのマーキング単位とすることができる。このとき、ク
ラックが発生したとしても、それらが連結しないだけの
間隔を互いの間にあけておくことが必要である。
ェムト秒レーザーを採用することができる。
法においては、レーザー光を光透過性材料の内部の所定
部位に集光することによって光の密度が高くなり、所定
の破壊しきい値をこえると光学的非線形現象による吸収
が起こると考えられ、この吸収にもとづき、透明ガラス
基板などの光透過性材料の光学的性質が変化する現象を
利用して、光透過性材料の内部にマーキングを行うもの
である。
ばfθレンズを用いることにより、光透過性材料をレー
ザー光に対して移動し、レーザー光の集光部分を移動さ
せ、所定の広がり面積を有するマーキング文字ないし図
形を描くようにしても、同じレベル(深さ位置)にレー
ザー光を集光させておくことができる。したがって、厚
さが1〜2mm程度あるいはそれ以下の薄肉のガラス材
料であっても、この厚さ内に光学的性質の変化部位を限
定し、クラックによらず、かつ表面に損傷を生じること
のないマーキングを施すことが可能となる。
過性材料との組み合わせにより任意のものを採用可能で
ある。たとえば、石英ガラスに対しては、赤外線領域、
可視光線領域あるいは紫外線領域の波長を有するレーザ
ー光を使用可能であり、一般的な板ガラスに対しては、
赤外線領域あるいは可視光線領域の波長を有するレーザ
ー光を使用可能である。
Gレーザー、YLFレーザーなどのLD励起固体レーザ
ーが便利である。たとえば、赤外線領域の波長を有する
レーザー光を発振するYAGレーザーを用いた場合、波
長変換器を用いることによりこれを2倍波とすれば可視
光線領域に利用することができ、3倍波あるいは4倍波
とすれば紫外線領域に利用することができる。なお、利
用するレーザー光の振動数が高くなるほど、すなわち波
長が短いほど、マーキングとしての解像度を良好なもの
とすることができる。さらに、レーザー光源としては、
パルスレーザーが制御性良好にマーキングを行うことが
でき、パルス幅についても短いものがマーキングの深さ
方向を均一にそろえることができて有利である。これ
は、熱的効果がパルス幅(時間)の平方根に比例するた
めである。このため、サブナノ秒以下のレーザー光源
(たとえば、10-15秒オーダーのパルス幅を有するフ
ェムト秒レーザー)を用いることは有用である。
くに薄肉の光透過性材料の内部にマーキングを施すこと
が困難である原因が、レーザー光の集光によるクラック
の発生が光透過性材料の表面にまで及んでその機械的強
度を低下させてしまうこと、さらに、すべてのマークを
クラック生成によるものとすればクラックが表面にまで
及ぶことを防止することが実際には非常に困難であるこ
とに着目し、クラックを発生させない範囲の強度のレー
ザー光を照射することとしている。さらに、より好まし
くは、通常のレンズではマーキングにともなって集光位
置が表面側にずれる点にあることに着目して、fθレン
ズの採用により、ガラス内部の一定の深さ位置に集光す
ること、さらに従来の方法が光透過性材料の屈折率を考
慮に入れていない点にあると推察して、ガラスの表面お
よび裏面の位置を正確に計測し、ガラスの屈折率を考慮
に入れて集光すること、などにより、薄肉ガラス基板の
内部マーキングをより精密に行うことが可能となるもの
である。
過性材料の表面ではなく、その内部にマーキングを行う
ようにしたので、光透過性材料の破片ないし粉末が発生
することはなく、清浄な状態でマーキングすることが可
能となり、生産工程に破片が混入するような問題もな
い。しかもマーキングを、レーザー光の集光により、ク
ラックの生成だけによらず、光透過性材料の光学的性質
が変化する部位によって構成するようにしたので、光透
過性材料の破壊を回避し、かつ微細な破片やカケラを生
じることなくマーキングを行うことができる。さらに、
fθレンズの採用およびガラス材料の屈折率に着目して
屈折率に応じた集光深さを制御しながらマーキングする
ようにすれば、精密に集光位置ないし深さを特定するこ
とができる。
ける光学的性質が変化する部位を光透過性材料の深さ方
向に長く生じさせることにより、その深さ方向に光学的
性質の変化部分が重なり合って光透過性材料の深さ方向
(厚さ方向)ではマーキングを視認することができ、そ
の側面方向からはマーキングを視認することができない
ようにすることができる。
おける光学的性質が変化する部位を複数個(たとえば4
個)まとめてひとつのマーキング単位とすることによ
り、肉眼での視認とともに光学的読取り手段による読み
取りを行うようにすることもできる。
光透過性材料のマーキング方法を図1ないし図8にもと
づき説明する。ただし、図9および図10と同様の部分
には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。図1
は、当該マーキング方法を実施するマーキング装置10
の斜視図であって、マーキング装置10は、レーザー光
源11と、ビーム整形器12と、ガルバノミラー13
と、fθレンズ14と、を有し、fθレンズ14により
透明ガラス基板1の内部15(図2)にレーザー光3を
集光可能としてある。レーザー光源11としては、たと
えばYLFレーザーの4倍波(パルス幅約10ns)を
使用する。fθレンズ14としては、たとえば焦点距離
50mmのものを使用する。透明ガラス基板1として
は、たとえば合成石英基板(厚さ10mm)を使用す
る。
あり、透明ガラス基板1の表面2ではなく、透明ガラス
基板1の内部15にレーザー光3を集光可能としてあ
る。
屈折率をnとし、透明ガラス基板1がないときの集光点
Pの深さをH1とすると、内部15におけるレーザー光
3の屈折作用の影響により、実際の集光点Qの深さH2
は、表面2側からH1×nに移動することになる。とく
に薄肉の透明ガラス基板1にマーキングを施す場合に
は、この実際の集光点Qの深さH2が重要な要素とな
る。すなわち、この屈折率nの値に応じて実際の集光点
Qの位置(深さH2)を精確に制御することにより、精
密なマーキングを行うことができる。
示したように、透明ガラス基板1の表面2においてレー
ザー光3の多重照射を行うことにより、マーキング4と
しての穴をその深さ方向に長く大きくするようにしてい
た。あるいは図10に示すような、亀裂6およびマーク
パターン7からなるクラック5を形成するようにしてい
た。
方法においては、図2に示すように、透明ガラス基板1
の内部15に焦点(集光点Q)を合わせ、従来よりエネ
ルギーの低いレーザー光3を照射し、この集光点Qにお
いて光学的損傷あるいは光学的絶縁破壊などの現象をな
るべく少なく、かつ、透明ガラス基板1の光学的性質の
変化を発生させるようにして、線状のマークパターン1
6を描く。すなわち、レーザー光3を集光点Qに集光す
ることによってレーザー光3の非線形的な吸収が起こ
り、この部分の光学的性質(たとえば屈折率など)が変
化し、その先端部分17(集光点Q)からレーザー光3
入射側の表面2の方向にマークパターン16の深さ方向
部分18が延びることが観測されている。
大側面図であって、このマークパターン16は、透明ガ
ラス基板1の深さ方向でみればほぼ円形に視認すること
ができ、側面方向においては、事実上視認することがで
きないように(図中仮想線)することができる。すなわ
ち本発明によれば、光学的性質の変化がごく微小である
ため、マークパターン16の長さ方向から照明すること
によってのみその検出が可能となり(マークパターン1
6をその横方向からの照射では検出できず)、いわゆる
隠しマークとしてのマーキングが可能となる。
パターン7)が表面2に到達すると透明ガラス基板1の
割れにつながる可能性があるので、マークパターン16
を透明ガラス基板1の内部15にとどめる範囲のレーザ
ー光3の入射エネルギーを照射するようにしている。従
来は、たとえば厚さ1.1mm以上の透明ガラス基板1
に照射エネルギー400μJのレーザー光3を照射する
ようにしていたが、厚さ1.1mm以下の透明ガラス基
板1に対しては、レーザーエネルギーの変動などによ
り、クラック5が表面2にまで達することも確率的に起
こり得ると推定される。本発明者は、透明ガラス基板1
として、具体的に、ソーダ石灰ガラス材料および無アル
カリガラス材料に、レーザー光3のビーム径約10mm
φで、焦点距離28mmのレンズを用いて、エネルギー
約100μJを照射した場合に、クラック5ないし亀裂
6を発生させず、光学的性質(屈折率)の変化が生じる
ことを実験により確認している。すなわち、ソーダ石灰
ガラス材料については、その厚さ1.1mm、および
0.7mmの材料表面にクラックが発生しないことを確
認している。また、無アルカリガラス材料について、そ
の厚さ1.1mm、0.7mmおよび0.4mmの材料
表面にクラックが発生しないことを確認しており、本発
明による光透過性材料のマーキング方法が厚さ1.1m
m以下のガラス材料にも適用可能であることがわかる。
フェムト秒レーザーをレーザー光の光源として用いた実
施例では、透明ガラス基板1の屈折率の変化を生じさせ
ることができるエネルギー範囲が広いことが判明した。
すなわち、光源として、パルス幅が約100フェムト秒
のサファイアレーザーを用い、中心波長800nm(赤
外線領域)、使用レンズの開口比0.28で、透明ガラ
ス基板1の試料としてソーダライムガラスに、ショット
数およびエネルギーを変えてマーキングを行った。
ギーとの組み合わせによる透明ガラス基板1の内部15
におけるクラック5ないし亀裂6(図10)およびマー
クパターン16(図3)などの発生状態を示す平面説明
図である。具体的には、パルス数として、1000、1
25、8パルスの3条件、単位パルス当たりのエネルギ
ーとして、70、7、0.7μJの3条件で行った。図
示のように、エネルギーが70μJ/パルスのレベルで
は、パルス数の多少にかかわらずクラック5が発生し、
7μJ/パルスのレベルでは、1000パルスなどの多
重輻射を行ってもクラック5に進展せず、図3で説明し
たマークパターン16の形成を行うことができる。ま
た、エネルギーが同一の場合には、パルス数が少ない方
が変化の度合いが小さいことがわかった。
J、8パルス)の厚さ方向における拡大断面図、図6
は、図4のVI部分(エネルギー7μJ、1000パル
ス)の厚さ方向における拡大断面図である。図5に示す
ように、フェムト秒レーザーによって生じるクラック5
ないし亀裂6は、その幅が数μm以下である。また図6
に示すように、エネルギー7μJで1000パルスの加
工においては、クラック5や亀裂6が発生せず、エネル
ギーが縦方向(厚さ方向)に分散して光学的性質の変化
によるマークパターン16(図3)が生じるだけで、そ
の長さも約40μmであり、良好な結果が得られること
がわかった。
ノ秒レーザーを用いた場合には、透明ガラス基板1に屈
折率の変化を生じるエネルギーの範囲がきわめて狭く、
エネルギーが大きいとクラック5に進展し、逆にエネル
ギーが小さいと屈折率の変化が生じない。すなわち、フ
ェムト秒レーザーでは、屈折率の変化を生じるエネルギ
ー範囲が広く、この制御の容易性はレーザーマーキング
を工業的に利用する観点からは望ましい特性である。
幅は、±5%程度あると推定され、マークパターン16
に対応する光学的性質の変化のしきい値T1と、マーク
パターン7に対応する光学的損傷を起こすしきい値T2
との間に、T1<T2、という関係が成り立っていると
しても、しきい値T1、T2が近い値を持つ場合には、
レーザーエネルギーをT1以下に保っておくことは困難
であって、実用上はT1近傍でマーキングを行うことに
なる。この場合には、マークパターンの一部にいわゆる
クラック5ないし亀裂6を生じることになるが、すべて
をクラック5や亀裂6によるマークパターン7でマーキ
ングする場合(すなわちT2での加工)よりも、個々の
クラック5ないし亀裂6の大きさを小さくすることがで
きる。したがって、クラック5ないし亀裂6はある程度
発生するとしても、これらが小さいので、透明ガラス基
板1の表面2にまで亀裂6が進展することを、確率的に
ゼロに近く、防止することができる。つまり、実用上、
表面2に傷などのないマーキングを実現可能である。
るマークパターン7の範囲を大きくする方が、視認性は
はるかに改善されるが、マークパターン7を大きくする
と亀裂6ないしクラック5(図10)の進展につながり
さらに透明ガラス基板1の破損を招くため、本発明にお
いては、レーザー光3の照射エネルギーを下げ、光学的
損傷をなくし、あるいはその径をなるべく小さく押さ
え、あるいは光学的損傷の発生手前で、これに代わっ
て、透明ガラス基板1の光学的性質の変化を起こすレベ
ルに照射エネルギーをとどめることとしている。
パターン16の部分の拡大平面図であって、クラック5
(図10)に比較して視認性の劣るマークパターン16
の数(ドット数)を多くすることにより、対応すること
ができる。すなわち、たとえば4個のマークパターン1
6により、かつそれぞれの間の間隔を調整することによ
り(たとえば、図示のようにマークパターン16の互い
の間の間隔を40μmなどとする)、万が一、クラック
が発生したとしても、クラックどうしが連絡することな
く、ひとつのマーキング単位19を形成することができ
る。
学的性質の変化によって生じる筋状のマークパターン1
6の長さ方向に透明ガラス基板1を移動し(図2に図示
の例では図中下方に透明ガラス基板1を移動)、内部1
5の中央にマークパターン16が位置するようにする。
もちろん、透明ガラス基板1を図中横方向および斜め方
向に移動することにより所定の文字ないし図形を描く。
マークパターン16の長さおよび太さは、レーザー光3
の絞りの程度により、またレーザー光3の光量の増減の
程度により、あるいはfθレンズ14の焦点距離を変え
ることにより、これを調整することができる。
し、レーザー光3の集光部分(集光点Q)を移動させ、
所定の広がり面積を有するマーキング文字ないし図形を
描くようにしても、このfθレンズ14を用いることに
より、同じレベル(深さ位置)にレーザー光を集光させ
ておくことができる。すなわち図8は、通常のレンズ2
0による集光の場合(図中左側)と、fθレンズ14に
よる集光の場合(図中右側)とを比較する要部断面図で
あり、従来のマーキング方法のように通常のレンズ20
を用いた場合、透明ガラス基板1の操作は光学系に対し
て一般的にはその初期位置からの平行移動であるため、
その集光点21は、マーキング文字ないし図形を描くに
ともないその光軸からずれるにしたがってレンズ20の
収差の影響により透明ガラス基板1の表面2側に移動し
てくる。つまり、集光点21の深さが光軸部分における
深さD1と、光軸部分からずれた位置の深さD2とでは
D2の方が小さく(浅く)なる。このため、通常のレン
ズ20を用いる加工では、光学系を固定した状態で透明
ガラス基板1の方を移動させる必要がある。この移動用
装置としては、たとえば、X−Yステージ(図示せず)
上に透明ガラス基板1を設置し、このステージの移動に
よりマーキング文字ないし図形を描く。この加工方法で
は、加工速度がステージの移動速度に律速されるため、
複数のマークパターン16を有するマーキング単位19
を高速に加工することは困難である。一方、fθレンズ
14を用いた場合には、fθレンズ14について、被加
工物の透明ガラス基板1の厚さおよび屈折率nを考慮に
入れた設計を行うことにより、マーキング文字ないし図
形を描くにあたっても、その集光点Qが表面2に対して
水平ないし等間隔である状態を維持することができ、集
光点Qの深さはこれをH2(図2)と一定にすることが
できる。すなわち、レーザー光3を集光させるためにf
θレンズ14を用いれば、とくに薄肉の透明ガラス基板
1であってもその厚さ方向に精密に集光点Qを一定深さ
で調整することができ、有効にマーキングを行うことが
できるとともに、ガルバノミラー13により光をきわめ
て高速に走査することが可能である。
ことにより、あるいはマークパターン16の長さをさら
に短くすることにより、内部15における深さを変えて
マーキングを行えば、三次元的なマーキングも可能であ
る。
光を透明ガラス基板などの光透過性材料の内部に集光す
ることにより内部においてレーザー光を吸収させ、なる
べくクラックないし亀裂を生じさせずに、光学的的性質
に変化を起こさせてマーキングとするようにしたので、
マーキングにともなって光透過性材料が破損することを
回避し、またマーキングにともなう破片が出ることもな
いため、クリーンなシステムに利用される光透過性材料
のマーキング方法として好適である。
実施するマーキング装置10の斜視図である。
る。
組み合わせによる透明ガラス基板1の内部15における
クラック5ないし亀裂6(図10)およびマークパター
ン16(図3)などの発生状態を示す平面説明図であ
る。
ス)の厚さ方向における拡大断面図である。
パルス)の厚さ方向における拡大断面図である。
16(マーキング単位19)の部分の拡大平面図であ
る。
左側)と、fθレンズ14による集光の場合(図中右
側)とを比較する要部断面図である。
マーキング材料(透明ガラス基板1)の断面側面図であ
る。
である。
料) 2 透明ガラス基板1の表面 3 レーザー光 4 表面2におけるマーキング(図9) 5 クラック(図10) 6 レーザー入射方向にクラック5に連続した亀裂 7 穴状のマークパターン 10 マーキング装置(図1) 11 レーザー光源 12 ビーム整形器 13 ガルバノミラー 14 fθレンズ 15 透明ガラス基板1の内部 16 線状のマークパターン 17 マークパターン16の先端部分 18 マークパターン16の深さ方向部分 19 4個のマークパターン16によるひとつのマーキ
ング単位 20 通常のレンズ 21 通常のレンズ20を用いた場合の集光点 n 透明ガラス基板1(被マーキング材料)の屈折率 H1 透明ガラス基板1がないときの集光点Pの深さ H2 実際の集光点Qの深さH2(=H1×n) P 透明ガラス基板1がないときの集光点 Q 内部15におけるレーザー光3の屈折作用の影響に
よる実際の集光点 D1 通常のレンズ20を用いた場合の、集光点21の
光軸部分における深さ D2 通常のレンズ20を用いた場合の、集光点21の
光軸部分からずれた位置の深さ(D2<D1)
Claims (5)
- 【請求項1】 レーザー光により光透過性材料にマー
キングを施す光透過性材料のマーキング方法であって、 前記光透過性材料は、これをガラス材料とするととも
に、 前記レーザー光として、前記光透過性材料に対して透過
性のあるものを選択し、このレーザー光を前記光透過性
材料の内部に所定の深さで集光するとともに、 このレーザー光の強さを7μJ/パルス以下として、前
記光透過性材料の屈折率の変化を起こし、前記マーキン
グを可能としたことを特徴とする光透過性材料のマーキ
ング方法。 - 【請求項2】 レーザー光により光透過性材料にマー
キングを施す光透過性材料のマーキング方法であって、 前記レーザー光として、前記光透過性材料に対して透過
性のあるものを選択し、前記光透過性材料の屈折率に応
じて前記レーザー光の集光深さを制御して、前記光透過
性材料の内部に所定の深さで前記レーザー光を集光する
とともに、 このレーザー光の強さをこの光透過性材料の屈折率の変
化を起こす程度の強さとして前記マーキングを可能とし
たことを特徴とする光透過性材料のマーキング方法。 - 【請求項3】 前記レーザー光による前記光透過性材
料における屈折率が変化する部位を該光透過性材料の深
さ方向に長く生じさせることを特徴とする請求項1ある
いは2記載の光透過性材料のマーキング方法。 - 【請求項4】 前記レーザー光による前記光透過性材
料における屈折率が変化する部位を複数個まとめてひと
つのマーキング単位とすることを特徴とする請求項1あ
るいは2記載の光透過性材料のマーキング方法。 - 【請求項5】 前記レーザー光のレーザー光源とし
て、フェムト秒レーザーを採用することを特徴とする請
求項1あるいは2記載の光透過性材料のマーキング方
法。
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