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JP3244359B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents
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JP3244359B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP3244359B2
JP3244359B2 JP21316793A JP21316793A JP3244359B2 JP 3244359 B2 JP3244359 B2 JP 3244359B2 JP 21316793 A JP21316793 A JP 21316793A JP 21316793 A JP21316793 A JP 21316793A JP 3244359 B2 JP3244359 B2 JP 3244359B2
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政行 藤田
孝則 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機電界発光素子に関
し、特にその発光層の素材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の多様化に伴って、CR
Tより低消費電力で空間占有容積が少ない平面表示素子
のニーズが高まっている。このような平面表示素子とし
ては、液晶、プラズマディスプレイ等があるが、特に最
近は自己発光型で表示が鮮明な電界発光素子(以下EL
素子と称する)が注目されている。
【0003】EL素子は、それを構成する材料により無
機EL素子と有機EL素子とに大別することができる。
無機EL素子は既に実用化されているが、その駆動方式
が高電圧の印加によって加速された電子が、発光中心を
衝突励起して発光させるという、いわゆる”衝突励起型
発光”であるため、高電圧で駆動させる必要があるた
め、周辺機器の高コスト化を招来するという課題を抱え
ている。
【0004】これに対し、有機EL素子は、電極から注
入された電荷(ホールおよび電子)が発光体中で再結合
して発光するという、いわゆる”注入型発光”であるた
め低電圧で駆動することができる。しかも、有機化合物
の分子構造を変更することによって任意の発光色を容易
に得ることができるという利点もある。したがって、有
機EL素子はこれからのディスプレイデバイスとして非
常に有望である。
【0005】有機EL素子の構造は、一般に有機2層構
造と有機3層構造とに大きく分けることができる。2層
構造は、ホール注入電極と電子注入電極との間に、ホー
ル輸送層と発光層とが形成された構造(SH−A構
造)、またはホール注入電極と電子注入電極との間に、
発光層と電子輸送層とが形成された構造(SH−B構
造)である。一方3層構造は、ホール注入電極と電子注
入電極との間に、ホール輸送層と発光層と電子輸送層が
形成された構造(DH構造)である。
【0006】上記ホール注入電極としては、金やITO
(インジウムースズ酸化物)のような仕事関数の大きな
電極材料を用い、電子注入電極としてはMgのような仕
事関数の小さな電極材料を用いる。また、上記ホール輸
送層、発光層、電子輸送層には有機材料が用いられ、ホ
ール輸送層はp型半導体の性質、電子輸送層はn型半導
体の性質を有する材料が用いられる。また発光層は、S
H−A構造ではn型半導体の性質、SH−B構造ではp
型半導体の性質、3層構造(DH構造)では中性に近い
性質を有する材料が用いられる。何れにしてもホール注
入電極から注入されたホールと、電子注入電極から注入
された電子が、発光層とホール輸送層(または電子輸送
層)の界面、および発光層内で再結合して発光するとい
う原理である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】有機EL素子は、上記
のように理論上は任意の発光色を得ることができるとい
う利点を有しているが、有機EL素子を実用化する上
で、使用する有機材料の選択が素子の諸特性に大きく影
響を与えるので、有機発光材料の選択においても解決す
べき種々の技術的課題を抱えている。この諸特性に関す
る課題の中でも、特に発光色の多様化と素子の耐久性の
向上は重要な課題である。
【0008】そこで、このような課題を解決する発明と
して、例えば、従来電子写真感光体として用いられてき
たピラゾリン化合物を有機EL素子の発光材料に用いて
発光素子を作製することが、特開平2−220394、
特開平3−162486に開示されている。この有機E
L素子は、低コスト、高輝度を目的とした単層型あるい
は多層型の有機EL素子ではあるが、さらに輝度の向上
が望まれることや、安定性が確かでないという課題を有
している。
【0009】本発明は上記課題に鑑み、高輝度で種々の
発光色を呈し、耐久性に優れた有機EL素子を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、ホール注入電極と電子注入電極の間に、有
機キャリア輸送層と有機発光層とが形成された有機電界
発光素子において、前記有機発光層に、複数のピラゾリ
ン環を有するピラゾリン系化合物が用いられていること
を特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載の有機EL素子は、キャリア注入
電極から注入されたキャリア(ホールおよび電子)が有
機発光層中のピラゾリン系化合物中で再結合して発光す
ると考えられる。請求項1記載のピラゾリン系化合物
は、複数のピラゾリン環を有し、この複数のピラゾリン
環が共役系をなすことによって、ピラゾリン単量体化合
物と比べて、π電子系が複数のピラゾリン環を含んで大
きく広がった構造をなす。
【0012】このπ電子系の広がりは、ピラゾリン単量
体化合物と比べて、キャリアをより有効に蛍光発光に利
用する作用を有する、すなわち蛍光収率を向上させるも
のと考えられる。また、複数のピラゾリン環が共役系を
なすことは、π電子系を安定化させる。このπ電子系の
安定化は、ピラゾリン単量体化合物よりも蛍光波長を長
波長側に移動させる。ここで、複数のピラゾリン環の組
合せによって、蛍光波長を変えることもできる。
【0013】また、請求項1記載のピラゾリン系化合物
が、複数のピラゾリン環を有することにより、化合物の
分子のかさが高くなる。これは、分子の結晶化を抑制す
るという作用をなし、有機発光層の耐熱性を向上させ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1に係わる有機E
L素子A1 〜A4 の断面図である。この有機EL素子A
1は、ガラス基板1上に、ホール注入電極2と、有機発
光層3と、有機電子輸送層4と、電子注入電極5とが、
ガラス基板1側から順に所定の厚みに形成されてなるも
のであり、ホール注入電極2と電子注入電極5には、そ
れぞれリード線6が接続されており、電圧を印加できる
ようになっている。これらの部材の材料としては、ホー
ル注入電極2にはインジウムースズ酸化物(ITO)、
有機発光層3には下記化1に示すピラゾリン系化合物、
有機電子輸送層4には下記化2に示すオキサジアゾール
誘導体(OXD)、電子注入電極5にはMgIn合金
が、それぞれ用いられている。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】この有機EL素子A1 は、以下のようにし
て作製することができる。まず、ガラス基板1上にIT
Oからなるホール注入電極2が形成された基板を、中性
洗剤および水で洗浄した後、アセトン、イソプロピルア
ルコールで各々20分間超音波洗浄する。この後、上記
ホール注入電極2上に、上記化1に示すピラゾリン系化
合物を真空蒸着して有機発光層3を形成し、この有機発
光層3上に、上記化2に示すオキサジアゾール誘導体
(OXD)を真空蒸着して有機電子輸送層4を形成す
る。その後、有機電子輸送層4上にMgとInとを1
0:1の比率で共蒸着して、電子注入電極5を形成し、
有機EL素子A1 を作製する。
【0018】なお、上記蒸着はいずれも、真空度1×1
-6Torr、基板温度20℃、有機層の蒸着速度2Å
/秒という速度で行う。そして有機EL素子A2 〜A4
は、有機発光層の材料として、下記化3〜化5に示すピ
ラゾリン系化合物を用いた以外は、上記有機EL素子A
1 と同様に形成されている。この有機EL素子A2 〜A
4 の製法も、有機EL素子A1 と同様である。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】ところで、上記ピラゾリン系化合物の合成
は、一般に下記化6・化7に示すように、Richar
d H.Wiley等の方法(Journal of
Organic Chemistry,23,p.73
2−738(1957))に基づいて行う事ができる。
但し、反応時間は各々の化合物によって異なっている。
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】(比較例1)有機発光層の材料として、下
記化8・化9に示すピラゾリン単量体化合物を用いた以
外は、上記実施例1と同様に有機EL素子X1 ・X2
形成されている。また、この有機EL素子X1 ・X2
製法も実施例1と同様である。
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】(実験1)上記実施例1の有機EL素子A
1 〜A4 、および比較例1の有機EL素子X1・X2
用いて、ホール注入電極2側にプラス、電子注入電極5
側にマイナスを直流電圧として印加し、発光色、最高輝
度、発光時間などの発光特性を測定した。その結果を下
記表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、実施例1の有機
EL素子A1 〜A4 は、比較例1の有機EL素子X1
2 と比較して、10〜20倍程度の高輝度すなわち高
効率発光を示し、発光時間も長かった。このように実施
例1の有機EL素子A1 〜A 4 が、比較例1の有機EL
素子X1 ・X2 よりも高輝度であるのは、複数のピラゾ
リン環が共役系をなすことによるものと考えられ、発光
時間が長いのは、実施例1において有機発光層に用いた
ピラゾリン系化合物が、比較例1において有機発光層に
用いたピラゾリン単量体化合物よりも製膜性が良く、結
晶化しにくく、有機EL素子の耐熱性が向上したためで
あると考えられる。また、発光色については、青色以外
に緑色の発光も得ることができた。
【0031】なお、本発明に係わるピラゾリン系化合物
はこれに限らず、例えば下記化10・化11・化12・
化13に示される化合物も同様の効果を示す。
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】(上記化10〜化13において、置換基X
1 ,X2 ,X3 は下記化14で表されるアリール基の中
から選択され、置換基Y1 ,Y2 ,Y3 は下記化15で
表されるアリール基から選択され、置換基Zは下記化1
6で表されるアリール基から選択されるものとする。た
だし、化合物製造上、同一分子内の置換基X1 とX2
3 、あるいは置換基Y1 とY2 とY3 は同一である方
が好ましい)
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】また、上記実施例1では有機EL素子の構
造が、有機ホール輸送層と有機発光層を持つ2層構造で
あるが、有機電子輸送層と有機発光層を持つ2層構造
や、3層構造の有機EL素子についても同様にして実施
は可能である。また、上記実施例1では、ホール注入電
極としてITO膜を用いたが、この他に、例えば金の半
透明膜など、仕事関数が高く透明性が高い電極材料であ
れば用いることができる。
【0041】さらに、上記実施例1では、電子輸送材料
として上記化2に示すオキサジアゾール誘導体(OX
D)を用いたが、他に各種ジオキサジアゾール誘導体
(浜田等、日本化学雑誌、1991,(11),p15
40〜1548)等も用いることができる。 (その他の例) 以下、ホール注入電極と電子注入電極の間に、有機ホー
ル輸送層と有機発光層とが形成された有機EL素子にお
いて、有機ホール輸送層に、複数のピラゾリン環を有す
るピラゾリン系化合物であって、複数のピラゾリン環が
共役系をなすピラゾリン系化合物が、主成分として用い
られている例を示す。
【0042】図2は、このような例の有機EL素子A5
〜A8 の断面図である。実施例1と同じ機能を有する構
成部分については同一の番号を付して説明を省力する。
有機EL素子A5 は、ガラス基板1上に、ホール注入電
極2と、有機ホール輸送層13と、有機発光層14と、
電子注入電極5とが、ガラス基板1側から順に所定の厚
みに形成されてなるものであり、ホール注入電極2と電
子注入電極5にはリード線6が接続されている。
【0043】有機ホール輸送層13には上記化1に示す
ピラゾリン系化合物、有機発光層14には下記化17に
示すアルミニウム−キノリレート錯体がそれぞれ用いら
れている。
【0044】
【化17】
【0045】この有機EL素子A5 は、実施例1と同
様、下記のようにして作製することができる。まず、ガ
ラス基板1上にITOからなるホール注入電極2が形成
された基板を、中性洗剤および水で洗浄した後、アセト
ン、イソプロピルアルコールで各々20分間超音波洗浄
する。この後、上記ホール注入電極2上に、上記化1に
示すピラゾリン系化合物を真空蒸着して有機ホール輸送
層13を形成し、この有機ホール輸送層13上に、上記
化17に示すアルミニウム−キノリレート錯体を真空蒸
着して有機発光層14を形成する。その後、電子注入電
極5を形成し有機EL素子A5 を作製する。
【0046】そして有機EL素子A6 ・A7 ・A8 は、
有機ホール輸送層の材料として、上記化3・化4・化5
に示すピラゾリン系化合物を用いた以外は、上記有機E
L素子A5と同様に形成されおり、その製法もA5と同様
である。 (比較例2) 有機ホール輸送層の材料として、上記化8・化9に示す
ピラゾリン単量体化合物を用いた以外は、上記その他の
例と同様に有機EL素子X3 ・X4 は形成されている。
また、この有機EL素子X3 ・X4 の製法もその他の例
と同様である。
【0047】(実験2)上記その他の例の有機EL素子
5 〜A8 、および比較例2の有機EL素子X 3 ・X4
を用いて、ホール注入電極2側にプラス、電子注入電極
5側にマイナスを直流電圧として印加し、発光色、最高
輝度、発光時間などの発光特性を測定した。その結果を
表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】発光色は、緑色で発光ピーク波長は520
nmであった。表2から明らかなように、その他の例の
有機EL素子A5 〜A8 は、比較例2の有機EL素子X
3 ・X4 と比較して、低電圧で高輝度の高効率発光を示
し、発光時間も長かった。このようにその他の例の有機
EL素子A5 〜A8 が、比較例2の有機EL素子X3
4 よりも発光時間が長いのは、その他の例において有
機ホール輸送層に用いたピラゾリン系化合物が、比較例
2において有機ホール輸送層に用いたピラゾリン単量体
化合物よりも製膜性が良く、結晶化がしにくく、有機E
L素子の耐熱性が向上したためであると考えられる。
【0050】
【発明の効果】以上の本発明によれば、高輝度でかつ青
色〜緑色の種々の発光色を呈し、耐久性に優れた有機E
L素子を提供することができる。したがって、有機EL
素子を従来よりも幅広い用途に使用することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わる有機EL素子A1
4 の断面図である。
【図2】その他の例に係わる有機EL素子A5 〜A8
断面図である。
【符号の説明】
2 ホール注入電極 3 有機発光層 4 有機電子輸送層 5 電子注入電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 孝則 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (72)発明者 浜田 祐次 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (72)発明者 柴田 賢一 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−220394(JP,A) 特開 平2−250292(JP,A) 特開 平3−162486(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00 - 33/28 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール注入電極と電子注入電極の間に、
    有機キャリア輸送層と有機発光層とが形成された有機電
    界発光素子において、 前記有機発光層に、複数のピラゾリン環を有するピラゾ
    リン系化合物であって前記複数のピラゾリン環が共役系
    をなすピラゾリン系化合物が、主成分として用いられて
    いることを特徴とする有機電界発光素子。
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