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JP3246995B2 - アクリル系重合体の製造方法 - Google Patents
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JP3246995B2 - アクリル系重合体の製造方法 - Google Patents

アクリル系重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクリュウ押出機内に
てアクリル系単量体をラジカル付加重合せしめるアクリ
ル系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル系単量体を重合する際、一般的
に水や有機溶剤を用いる溶液重合法、懸濁重合法及び乳
化重合法等が主に用いられてきた。なぜなら、かかる媒
体を全く、あるいは極く僅かしか使用しない所謂塊状重
合法では、重合反応の進行により殆ど機械的攪拌が不能
となる程系の粘度が上昇するため、アクリル系重合体特
有の大きな重合熱を適切に除去することができず、制御
不能の状態に陥り、結果的に満足な性能を有するアクリ
ル系重合体を得ることができないからであった。
【0003】単量体を直接スクリュウ押出機に導入し
て、押出機内で重合開始剤を熱分解させながら連続的に
単量体を連続的に重合せしめる、所謂重合反応押出技術
は周知技術(例えば、特公昭37─6744号公報参
照)であり、好都合な技術である。
【0004】なぜなら、スクリュウ押出機は通常充分な
熱容量を持っているので昇温・冷却が可能であり、しか
も得られる重合体がかなり粘稠であっても攪拌・混練が
可能であり、重合反応の進行を制御するに充分な熱交換
性能を有しているからである。加えてスクリュウ押出機
の出口に成形用ダイを連結すれば、得られる重合体を所
望の形状の製品に成形することができ、工程の一元化・
連続化といったメリットを合わせ持つからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、その重合反応
押出を達成するには、押出機内における単量体の滞留時
間内で重合反応をを実質的に完結する必要がある。アク
リル系単量体のラジカル付加重合反応に関しては、通常
の押出機を用いる場合には、流量を極めて小さくする
か、押出機を極端に長くするかして充分な滞留時間を確
保する必要があり、さもなければ重合反応の転化率が低
くなり、満足なアクリル系重合体を得ることができな
い。
【0006】一般的にアクリル系単量体の重合反応で
は、反応系に酸素が存在すると酸素分子とフリーラジカ
ルが反応するため、系の酸素が殆ど消費されるまでの期
間は実質的に重合反応が進まない。即ち、重合反応の遅
延が起きる。加えてこの重合阻害反応の結果、アクリル
系単量体の2〜10量体程度の不必要なアクリル系オリ
ゴマーが多量に生成してしまう。
【0007】これらの問題の根本的に解決策として、予
め反応系に存在する酸素を窒素で置換して除去する方法
が知られているが、この方法を重合反応押出に完全に適
応することは極めて煩雑である。なぜなら、通常密封型
の反応槽と異なり、押出機は入口と出口を有する連続移
送機であるがために、必要とするに十分なレベルまで酸
素濃度を下げることは技術的に困難である。結果的に得
られるアクリル系重合体の重合転化率は低く、しかもオ
リゴマーを含むものとなってしまう。
【0008】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
することを目的としてなされたものであって、押出機内
にてアクリル系単量体をラジカル付加重合せしめ、しか
も、重合転化率が高く、オリゴマーの生成が少なく、耐
熱性に富んだアクリル系重合体を製造する方法を提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶存酸素濃度
が1ppm以下のアクリル系単量体と、アクリル系単量
体100重量部に対して0.1〜2重量部の次式(1)
で示される第一錫化合物 (R─COO─)2 Sn・・・式(1) 〔式(1)中、Rは炭素数5〜14のアルキル基を示
す〕と、重合開始剤とをスクリュウ押出機に供給し、ス
クリュウ押出機内にて重合開始剤を熱分解して生ずるフ
リーラジカルによりアクリル系単量体をラジカル付加重
合せしめ、重合体をスクリュウ押出機の出口より連続的
に吐出させるアクリル系重合体の製造方法である。
【0010】本発明において、アクリル系単量体とは、
主として炭素数約1〜14個のアルキル基を有するアク
リル酸あるいはメタクリル酸のエステル、及びアクリル
酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリルアミド、N─置換アクリルアミド、ヒド
ロキシアクリレートから選ばれる少なくとも一種以上の
化合物を指す。
【0011】特に好適に使用されるアクリル系単量体と
しては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸オクチル、アクリル酸─2─エチルヘキ
シル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
【0012】アクリル系単量体には、必要に応じて、こ
れと共重合可能な一種あるいは複数のビニル化合物が少
量併用されてもよい。このようなビニル化合物として
は、例えば、無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、
酢酸ビニル、スチレン及びその誘導体(例えば、o─メ
チルスチレン、m─メチルスチレン、p─メチルスチレ
ン、α─メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルス
チレン、ブチルスチレン等のアルキレンスチレン、クロ
ルスチレン)などが挙げられる。
【0013】スクリュウ押出機に供給されるアクリル系
単量体は、溶存する酸素の濃度が1ppm以下であるこ
とが要求される。上記の理由により、如何なる場合にお
いても反応系に酸素が存在しないことが最も好ましい
が、次に説明する第一錫化合物の作用により、アクリル
系単量体中の溶存酸素濃度が1ppm以下であれば、例
え重合反応押出の工程で酸素が浸入しても本発明の効果
は得られる。しかし、1ppmを超える場合には、やは
りスクリュウ押出機内で重合反応が完結せず、オリゴマ
ーが発生する等の問題が発生する。
【0014】尚、この溶存酸素濃度の測定は、例えば、
白金/銀を電極とするポーラロ方式の溶存酸素計で直接
測定することが可能である。
【0015】本発明において、式(1)で示される第一
錫化合物〔式(1)中、Rは炭素数5〜14のアルキル
基を示す)としては、例えば、オクチル酸第一錫、デシ
ル酸第一錫、ドデシル酸第一錫等が挙げられ、特にウレ
タンフォーム製造用触媒等に広く使用されているオクチ
ル酸第一錫は入手し易く、特に好適に使用される。
【0016】この第一錫化合物をアクリル系単量体に溶
解させる場合、通常行われるような厳密な窒素置換を行
わなくとも、酸素阻害反応による重合の遅延やオリゴマ
ー生成のない、良好な重合反応が可能となる。換言する
と、第一錫化合物の導入は、みかけ上窒素による置換と
同様の効果を与える。このことは密封系でないスクリュ
ウ押出機を反応機として用いる場合の大きな長所であ
る。
【0017】この理由は必ずしも明らかではないが、恐
らくは第一錫化合物がアクリル系単量体中の溶存酸素と
直接反応することで酸素を消費し、系の絶対酸素濃度を
下げることによるものと考えられる。
【0018】しかもこの第一錫化合物には強い還元効果
があり、アクリル系重合体に対して熱安定剤として有効
に働くという二重の効能がある。なぜなら、塊状重合で
得られるアルリル系重合体は、他の重合法で得られるも
のと比較して強い熱履歴を持つため、酸化による熱劣化
を受け易いからである。
【0019】第一錫化合物の添加量は、アクリル系単量
体100重量部に対して0.1〜2重量部である必要が
あり、0.3〜1.5重量部が好ましい。添加量が0.
1重量部を下回ると充分な効果が得られず、逆に、2重
量部を超えて使用するとアクリル系重合体の熱的性質が
著しく損なわれる他、錫の濃度が増して皮膚(人体)に
対する刺激性を有する恐れも強くなる。
【0020】本発明で使用する重合開始剤は、通常のア
クリル系重合体の溶液重合に使用され得る一般的なもの
でもよいが、アクリル系単量体に可溶であり、1時間の
半減期温度が60〜150℃程度であるものが好まし
い。
【0021】1時間の半減期温度が60℃未満のものを
使用すると、重合反応速度が速くなり過ぎ暴走反応に陥
る危険性を伴い易く、これに対して制御可能となるまで
反応系の温度を下げると、既に系に存在する高分子の影
響により粘度が上昇し反応が停止し易くなり、逆に、1
50℃を超えるものを使用すると、重合反応速度が遅く
なり過ぎ、もはや押出機内では重合反応が完結し難く、
そこで反応系の温度を上げて対応すると、今度はアクリ
ル系単量体の揮発や分解、あるいは得られたアクリル系
重合体の分解等の新たな不都合が生じ易い傾向がある。
【0022】尚、1時間の半減期温度とは、ベンゼン又
はトルエンに溶解した物質の半減期が1時間を示す温度
を意味する。重合開始剤の半減期は、例えば、重合禁止
剤の一種であるジフェニル─1─ピクリルヒドラジル
(DPPH)を用いて、その消失速度を紫外線吸収スペ
クトルで測定することにより求めることができる。
【0023】このような重合開始剤としては、例えば、
ベンゾイルパーオキサイド、2,4─ジクロルベンゾイ
ルパーオキサイド、p─クロルベンゾイルパーオキサイ
ド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス─3,
5,5─トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ビス
─3,5,5─トリメチルヘキサノールパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキシド、2,5─ジメチル─2,5
─(t─ブチルパーオキシ)─ヘキサン、t─ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ─t─ブチルパーオキサイド、
1,3─ビス─(t─ブチルパーオキシイソプロピル)
─ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド、1,1─ジ
─t─ブチルパーオキシシクロヘキサン等のパーオキシ
ケタール、t─ブチルパーオキシベンゾエート等のアル
キルパーエステル、ジイソプロピルパーオキシカーボネ
ート等のパーカーボネートなどの有機過酸化物、2,
2′─アゾビス(2,4─ジメチルバレロニトリル)、
2,2′─アゾビスイソブチロニトリル、2,2′─ア
ゾビスシクロヘキシルニトリル等のアゾニトリル化合物
等が挙げられる。
【0024】これら重合開始剤の添加量は、アクリル系
単量体100重量部に対して0.02〜2重量部が好ま
しい。添加量が0.02より少ないと、押出機内では重
合反応が完結し難く、逆に、2重量部を越える場合に
は、重合反応速度が速くなり過ぎ暴走反応に陥る危険性
を伴い易くなる傾向がある。
【0025】本発明において、得られるアクリル系重合
体に適当な性状を付与するために、原料であるアクリル
系単量体には、必要に応じて、例えば、上記のアクリル
系単量体を原料として重合したアクリル系重合体、その
他の重合体、有機溶剤、可塑剤、ガラス繊維、マイカ、
タルク等の無機充填剤などの配合剤が添加されてもよ
い。これらの配合剤の添加量は、アクリル系単量体10
0重量部に対して30重量部以下が好ましい。
【0026】本発明において、アクリル系単量体、第一
錫化合物、重合開始剤、必要に応じて添加される配合剤
は、予め全て又は幾つかが混合され、あるいは独立して
スクリュウ押出機に供給される。この場合、特にアクリ
ル系単量体と第一錫化合物は予め充分溶解混合された後
に押出機に供給されるのが好ましいが、必ずしもこの限
りではない。
【0027】本発明において、スクリュウ押出機は、1
軸スクリュウ押出機、2軸スクリュウ押出機、及び3本
以上のスクリュウを有する多軸スクリュウ押出機が使用
される。
【0028】1軸スクリュウ押出機としては、一般的な
フルフライト型スクリュウを有するものの他、不連続フ
ライト型のスクリュウ、ピンバレル、ミキシングヘッド
等を有するものが使用される。2軸スクリュウ押出機と
しては、噛み合い同方向回転型、噛み合い異方向回転
型、非噛み合い異方向回転型のいずれも使用できる。
【0029】以上のスクリュウ押出機のうちで特に好適
に使用されるのは、部分的にニーディングエレメントを
有する噛み合い(セルフワイピング)同方向回転型2軸
スクリュウ押出機である。尚、何れのスクリュウ押出機
を選んだ場合でも、スクリュウ押出機バレルには少なく
とも1箇所以上で真空脱気のためのベント口があること
が望ましい。
【0030】スクリュウ押出機のバレル温度は適宜設定
されるが、そのプロファイルは使用されるアクリル系単
量体と重合開始剤の種類、及び平均滞留時間によって異
なる。しかし、本質的には、スクリュウ押出機の前段部
ではアクリル系単量体の成分が、沸騰あるいは暴走反応
に陥らない範囲で昇温しながら移送し、中央部では重合
反応が充分に進行し、更には後段部ではスクリュウ・ポ
ンピングが可能となる重合体粘度になるよう、各区間毎
に適切な温度に設定されていることが好ましい。
【0031】このとき、平均滞留時間は次式(2)で求
めることができる。 平均滞留時間=(スクリュウ抽出機の内容積/吐出流
量)×充満率・・・式(2)
【0032】しかし、式(2)中の充満率の実測は技術
的に困難である。そこで、例えば、平均粒径が1mm程
度で均一なアルミフレーク等の、流体に不溶不融の粉体
の一定量を原料供給口から一括投入し、それらが吐出口
から押し出されるまでの時間を頻度分布として測定し、
これに基づく確率分布関数より直接的に平均滞留時間を
求めることができる。
【0033】所望の平均滞留時間の確保は、押出キャビ
ティのバレル径と長さ、スクリュウの形状と回転数、及
び押出機出口部に設けるブレーカー、ダイヘッド、ダイ
金型等の形状を適切に設計、又は選定することにより達
成される。
【0034】未反応アクリル系単量体の残留、分解物の
発生、又、溶剤や可塑剤の使用等による原因で、得られ
るアクリル系重合体が揮発性物質を含む場合には、必要
に応じてスクリュウ押出機の減圧ベント口を通してそれ
らを取り除くことができる。又、直接に連結された第2
の押出機に供給し、更に減圧脱揮を繰り返してもよい。
【0035】本発明で得られるアクリル系重合体は、平
均分子量が10,000〜900,000であるのが好
ましく、10,000〜600,000であるのが更に
好ましい。
【0036】又、押出機から吐出されるアクリル系重合
体を、成形ダイを通して所望の形状に賦形し冷却する等
の後処理がなされるのが好ましい。典型的には、複数の
棒状に成形し冷却水に晒した後に、適当な長さに切断し
た成形材料用ペレット、他には同時に(又は別に)成形
した支持体上にアクリル系重合体を連続的に塗布した積
層体等が考えられる。
【0037】
【作用】本発明のアクリル系重合体の製造方法は、溶存
酸素濃度が1ppm以下のアクリル系単量体と、アクリ
ル系単量体100重量部に対して0.1〜2重量部の式
(1)で示される第一錫化合物と、重合開始剤とをスク
リュウ押出機に供給し、スクリュウ押出機内にて重合開
始剤を熱分解して生ずるフリーラジカルによりアクリル
系単量体をラジカル付加重合せしめ、重合体をスクリュ
ウ押出機の出口より連続的に吐出させることにより、ス
クリュウ押出機が内容物に与える優れた対流伝熱と界面
更新の効果により、重合反応時の微妙な温度制御を可能
とするので、一般的な反応槽でのラジカル塊状重合で見
られる、急激な重合反応に伴う増粘が原因で起こる暴走
反応や反応転化率の低下は起こらず、又、通常行われる
様な厳密な窒素置換を行わなくとも、酸素阻害反応によ
る重合転化率の低下を引き起こすことがなく、オリゴマ
ーの生成が低く、且つ、熱安定性に優れたアクリル系重
合体を連続的に得ることができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1 セルフワイピング型の2条スクリュウエレメントとニー
ディングディスクエレメントからなる直径39mm、L
/D42のスクリュウを備えた噛み合い型同方向回転2
軸スクリュウ押出機(プラスチック工学研究所社製、商
品名「BT─40」)の先端に、90mmΦのノズル形
状のダイを取り付けた。
【0039】そして、予め設定温度を入口部(第1〜2
バレル区間)で90℃、中央部(第2〜6バレル区間)
で150℃、出口部(第7バレル及びダイ区間)で18
0℃とし、スクリュウ回転数を90回転/分に設定し
た。
【0040】次に、100リットルのタンクにメタクリ
ル酸メチル80kgを取り、そのメタクリル酸メチル1
00重量部に対してオクチル酸第一錫(城北化学社製、
商品名「KCS−405−T」)1.0重量部、及びベ
ンゾイルパーオキサイド0.1重量部を配合し溶解して
原料溶液とした。
【0041】引き続いて、この原料溶液の温度を25℃
未満に保ちながら、流量10リットル/分の窒素ガス
(純度99.9%)を吹き込み溶存酸素の窒素置換を行
った。このとき、タンク中の原料溶液の酸素濃度を溶存
酸素計(セントラル化学社製、商品名「UC−12−S
OL型)により測定し、酸素濃度が0.5ppmになっ
たところで窒素置換を停止した。
【0042】これをケミカルギアポンプにより70g/
分の流量で、噛み合い型同方向回転2軸スクリュウ押出
機に連続供給して塊状重合を行った。そして、押出機の
出口付近のバレルに設けたベンド口を減圧にして、溶融
物に内在する揮発成分の脱揮も同時に行った。
【0043】原料溶液の供給開始より20分の連続運転
の後、ダイから吐出するメタクリル酸メチル重合体の一
部を採取し、分析評価用の重合体サンプルとした。その
後直に、平均粒径500μmのアルミフレークを用いて
平均滞留時間を測定した。
【0044】実施例2 原料溶液に配合するオクチル酸第一錫をメタクリル酸メ
チル100重量部に対して0.5重量部としたこと以外
は実施例1と同様にして重合反応押出を行い、重合体サ
ンプルの採取、平均滞留時間の測定を行った。
【0045】実施例3 実施例1と同様の噛み合い型同方向回転2軸スクリュウ
押出機の、設定温度を入口部で120℃、中央部で16
0℃、出口部で110℃とし、スクリュウ回転数を13
0/分に設定した。次に、100リットルのタンクにア
クリル酸ブチル80kgを取り、そのアクリル酸ブチル
100重量部対して、オクチル酸第一錫(城北化学社
製、商品名「KCS−405−T」)0.5重量部、及
びアゾイソブチロニトリル0.2重量部を配合し溶解し
て原料溶液とした。それ以降は実施例1と同様に窒素置
換、押出機への供給(但し、流量は100g/分とし
た)を行って重合反応押出を行い、重合体サンプルの採
取、平均滞留時間の測定を行った。
【0046】比較例1 オクチル酸第一錫を一切使用しなかったこと以外は実施
例1と同様にして重合反応押出を行い、重合体サンプル
の採取、平均滞留時間の測定を行った。
【0047】比較例2 溶存酸素が2.0ppmとなったところで窒素置換を停
止したこと以外は実施例2と同様にして重合反応押出を
行い、重合体サンプルの採取、平均滞留時間の測定を行
った。
【0048】比較例3 オクチル酸第一錫を一切使用しなかったこと以外は実施
例3と同様にして重合反応押出を行い、重合体サンプル
の採取、平均滞留時間の測定を行った。
【0049】比較例4 オクチル酸第一錫の代わりに、ジ─n─オクチル錫ラウ
レート(旭電化工業社製、商品名「OT─1」)を用い
たこと以外は実施例3と同様にして重合反応押出を行
い、重合サンプルの採取、平均滞留時間の測定を行っ
た。
【0050】実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた
重合体サンプルについて、ガスクロマトグラフィーによ
り残存単量体量を測定して重合反応の転化率を求めると
ともに、ゲルパークロマトグラフィー(GPC)により
重量平均分子量とオリゴマーの収量を測定した。それら
の結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】表1からも明らかな如く、本発明の実施例
1〜3の場合は、いずれも、得られたアクリル系重合体
の反応転化率が高く95%を上回り、しかも問題となる
オリゴマーの生成量は微量に止まり、平均分子量が高か
った。それに対して、比較例1〜4の場合は、いずれ
も、得られたアクリル系重合体の反応転化率が低く、オ
リゴマーが多量に生成しており、又、平均分子量も低か
った。
【0053】
【発明の効果】本発明のアクリル系重合体の製造方法
は、上記の構成とされているので、酸素阻害反応による
重合転化率が低下することがなく、オリゴマーの生成が
低く、且つ、熱安定性に優れたアクリル系重合体を連続
的に得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶存酸素濃度が1ppm以下のアクリル
    系単量体と、アクリル系単量体100重量部に対して
    0.1〜2重量部の次式で示される第一錫化合物 (R─COO─)2 Sn (式中、Rは炭素数5〜14のアルキル基を示す)と、
    重合開始剤とをスクリュウ押出機に供給し、スクリュウ
    押出機内にて重合開始剤を熱分解して生ずるフリーラジ
    カルによりアクリル系単量体をラジカル付加重合せし
    め、重合体をスクリュウ押出機の出口より連続的に吐出
    させることを特徴とするアクリル系重合体の製造方法。
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