JP3375809B2 - クレーン用ワイヤロープの寿命判定方法 - Google Patents
クレーン用ワイヤロープの寿命判定方法Info
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- B66—HOISTING; LIFTING; HAULING
- B66B—ELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
- B66B7/00—Other common features of elevators
- B66B7/12—Checking, lubricating, or cleaning means for ropes, cables or guides
- B66B7/1207—Checking means
- B66B7/1215—Checking means specially adapted for ropes or cables
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- Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
- Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
- Control And Safety Of Cranes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、天井走行
式クレーンの巻き上げ装置に使用されるワイヤロープの
寿命判定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のクレーン用ワイヤロープの寿命判
定方法としては、ワイヤロープの1より間の素線の断線
数を数え、該断線数が規定数に達すれば寿命と判定して
ワイヤロープを取り替えるのが一般的に知られている。
また、ワイヤロープの定量的評価としては、クレーンの
巻き上げ装置に使用されているワイヤロープのサンプル
の引っ張り強度を測定し、該サンプルの引っ張り強度と
新品のワイヤロープの引っ張り強度との比較による強度
差の割合で寿命を判定するの方法等が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、素線切
れ数によるワイヤロープの寿命判定では、ワイヤロープ
の外表の素線切れしか判別できず、内部の素線切れは目
視では確認できないため正確な寿命判定が困難である。
この場合、各種検出器を用いてワイヤロープの内部の素
線切れを判別することが考えられるが、各種検出器を用
いると検出設備コストが嵩むと共に多くの負担がかか
る。また、仮に、ワイヤロープの内部の素線切れを判別
したとしても、素線切れの発生時期はワイヤロープの破
断寿命の4〜8割と大きなばらつきがあり、いずれにし
ても正確なワイヤロープの寿命判定は困難である。この
ような事情から、ワイヤロープの寿命判定は残存寿命が
十分にあるにもかかわらず安全性を考慮して早めに判定
する必要が生じ、ワイヤロープ取り替え費用の高騰を招
く原因になっている。 【0004】また、引っ張り強度の比較による方法で
は、破断したワイヤロープでさえも新品のワイヤロープ
の80〜90%であるため、使用されたワイヤロープと
新品のワイヤロープとの引っ張り強度差に多くのばらつ
きが生じて正確なワイヤロープ寿命判定は困難であり、
従って、素線切れの場合と同様にワイヤロープの寿命を
早めに判定する必要が生じる。 【0005】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、正確なワイヤロープの寿命判定がで
きるようにして、ワイヤロープの取り替え費用の低減を
図ることができるクレーン用ワイヤロープの寿命判定方
法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明に係るクレーン用ワイヤロープの寿命判定
方法は、クレーンの巻き上げ装置に使用されるワイヤロ
ープの寿命判定方法であって、ニーマン式によるワイヤ
ロープの破断寿命計算結果と、ワイヤロープが実際に複
数のシーブを通過して曲げられた回数との比率を寿命比
率データとする一方、シーブを通過していないワイヤロ
ープの素線ねじり試験結果と、シーブを通過したワイヤ
ロープの素線ねじり試験結果との比率を劣化寿命データ
として、前記寿命比率データと前記劣化比率データとの
相関データを予め用意しておき、クレーンの巻き上げ装
置に使用しているワイヤロープの寿命を判定するに際し
て、シーブを通過していないワイヤロープの素線ねじり
試験結果と該シーブを通過したワイヤロープの素線ねじ
り試験結果との比率を現在劣化比率として求めると共
に、該現在劣化比率に対応する現在寿命比率を前記相関
データから求め、実際にワイヤロープがシーブを通過し
て曲げられた回数と前記現在寿命比率との関係に基づい
てワイヤロープの残存寿命を求めることにより、ワイヤ
ロープの寿命を判定するようにしたことを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図1〜図6を参照して説明する。図1は天井クレーン
の巻き上げ機構の概略構造図、図2はニーマン式による
ワイヤロープの破断寿命計算結果と実機による実際のワ
イヤロープの破断寿命との比較を示すグラフ図、図3は
寿命比率データ並びに引張試験、伸び試験及び素線ねじ
り試験における劣化比率データの一例を示す表図、図4
は引張、伸び及び素線ねじりの劣化比率と寿命比率との
相関関係を示すグラフ図、図5は素線ねじりの劣化比率
と寿命比率との相関関係を示すグラフ図、図6はワイヤ
ロープの取り替え費用の従来例との比較を説明するため
のグラフ図である。 【0008】まず、説明の便宜上、図1を参照して天井
クレーンの巻き上げ機構の概略を説明すると、該機構
は、ドラム1から繰り出されたワイヤロープ2が下部シ
ーブ3と上部シーブ4とを交互に通過して、その後、ロ
ープバランス金具5に接続されている。そして、下部シ
ーブ3を下げるに従って、ワイヤロープ2は各シーブ
3,4を通過し、曲げ戻しを繰り返す。ここで、ワイヤ
ロープ2がシーブ3又は4を1回通過する時の動きを1
回の曲げとし、この回数を曲げ回数とする。 【0009】本発明の実施の形態の一例であるクレーン
用ワイヤロープの寿命判定方法の概略について説明する
と、該寿命判定方法は、まず、ニーマン式によるワイヤ
ロープ2の破断寿命計算結果と、ワイヤロープ2の実際
の曲げ回数との比率を寿命比率データとする一方、シー
ブ3,4を通過していないワイヤロープ2(製造時或い
は使用後の捨て巻き部)の素線ねじり試験結果と、シー
ブ3,4を通過したワイヤロープ2の素線ねじり試験結
果との比率を劣化寿命データとして、寿命比率データと
劣化比率データとの相関データを予め用意する。 【0010】そして、クレーンの巻き上げ装置に使用し
ているワイヤロープ2の寿命を判定するに際して、シー
ブ3,4を通過していないワイヤロープ2(製造時或い
は使用後の捨て巻き部)の素線ねじり試験結果と、該シ
ーブ3,4を通過したワイヤロープ2の素線ねじり試験
結果との比率を現在劣化比率として求めると共に、該現
在劣化比率に対応する現在寿命比率を前記相関データか
ら求め、実際のワイヤロープ2の曲げ回数と前記現在寿
命比率との関係に基づいてワイヤロープ2の残存寿命を
求めることにより、ワイヤロープ2の寿命を判定する。 【0011】以下、詳述する。寿命比率データを求める
際のワイヤロープ2の破断寿命の計算には、既知である
ニーマン式を用いる。N=170000×{ab・(D
/d−9/a)/(σ+4)}2 但し、N:ロープ破断
までのシーブ通過回数、a:シーブの形状による係数、
b:ロープの構成による係数、D:シーブ径、d:ロー
プ径、σ:ロープの引っ張り応力 ここで、一般的天井クレーンには、a=1.0、b=
1.11、レードルクレーンには、a=1.0、b=
0.78を用いる。このa,bの値は実機にて使用した
ワイヤロープの曲げ回数から求めた実績値であるが、ク
レーンの種類等に応じて適宜変更して用いる。図1にニ
ーマン式による破断寿命計算結果と、実機による実際の
破断寿命との比較を示す。図1から明らかなように両者
は近似しており、ニーマン式による計算で比較的正確に
ワイヤロープの破断寿命が求められることが判る。 【0012】寿命比率データを求める際の実際の曲げ回
数を推定するには、ワイヤロープ2の使用期間内の全て
の曲げ回数(吊り上げ回数)がカウントされるように動
作計測器を設置するか、又は1サイクルの動きからシー
ブ通過回数を求めて、使用期間内のサイクル数から曲げ
回数を求める。この曲げ回数をニーマン式による破断寿
命計算結果で割った比率を寿命比率データとする。尚、
寿命比率の求め方の一例を図3の“使用状況”の欄に示
す。 【0013】次に、劣化比率データについて説明する。
図3は引っ張り強度、伸び率及び素線ねじり試験をワイ
ヤロープ2の使用後の捨て巻き部及びシーブ3,4の通
過部で行った際の検査結果の一例を示したもので、シー
ブ通過部の値Yを捨て巻き部の値Xで割った比率を劣化
比率データとする。尚、この実施の形態では、Xをワイ
ヤロープ2の捨て巻き部の値としたが、これに代えて、
Xをワイヤロープ2の製造時の値としてもよい。 【0014】図4に複数機(この実施の形態では、A〜
Dの4機)の実機テストによる劣化比率と寿命比率との
相関結果を示す。図4から明らかなように、素線ねじり
回数が最も顕著に寿命との相関を示し、引っ張り強度や
伸びは破断寿命に至るまでの値の低下が少ないために、
わずかの測定誤差やばらつきにより寿命比率が大きく変
化し推定精度の信頼性に劣ることが判る。このように実
機でのワイヤロープ2の劣化に関する多くのデータを解
析した結果、ワイヤロープ2の劣化、即ち寿命を最も明
確に表すのは素線のねじり試験による素線ねじり回数で
あることを解明し、これにより劣化比率データとして素
線ねじり回数を採用している。 【0015】尚、図4の各値はワイヤロープ2の素線が
初めて断線した時にワイヤロープ2を交換してサンプル
を調査した値、及び実際に破断したワイヤロープ2のサ
ンプルの値であり、素線の断線発生時期は寿命の40〜
80%と大きくばらついて従来の素線の断線による寿命
判定がいかに適切でないかを示している。図5に、図4
から不要なデータ(引っ張り及び伸び)を排除し素線ね
じり回数に限定した劣化比率と寿命比率との相関曲線
(相関データ)を示す。 【0016】次に、図5の相関曲線を用いてワイヤロー
プ2の寿命を判定する方法を説明する。まず、実際にシ
ーブ3,4を通過したワイヤロープ2のサンプルの素線
ねじり試験を実施し、素線ねじり回数を求める。この素
線ねじり回数をワイヤロープ2の使用後の捨て巻き部
(又は製造時)の素線ねじり回数で割った比率を現在劣
化比率として図5の縦軸の適合点に合わせ、この状態で
水平に直線を引く。この直線が相関曲線と交差する点
A,Bを求める。点A,Bから横軸に向けて垂直に直線
を引き、横軸との交点C,Dを求める。交差した点C,
Dの値がワイヤロープ2の現在寿命比率を示す。 【0017】仮に点Cが60%、点Dが75%であると
すると、このワイヤロープ2の残存寿命比率は40〜2
5%であることが判る。さらにこのワイヤロープ2の実
績使用期間又はクレーン吊り上げ回数から求められる実
際の曲げ回数を現在寿命比率で割ることにより、後何回
の曲げ回数で破断寿命に至るかの残存曲げ回数(残存寿
命)及び最初から何回の曲げ回数で破断寿命に至るかの
トータル曲げ回数を容易に計算することができる。この
結果、同一条件で使用されるワイヤロープ2については
トータルの曲げ回数をカウントするだけで、破断までの
正確な寿命を容易に判定することができることとなり、
ワイヤロープの取り替え費用の大幅な低減を図ることが
できる。 【0018】尚、図6にワイヤロープの取り替え費用に
関して従来例と本発明とを比較した結果を示す。図6か
ら明らかなように、本発明によるワイヤロープの寿命判
定方法を使用すると、従来に比べて約36%の費用削減
が達成できた。 【0019】 【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
では、トータルの曲げ回数をカウントするだけで正確な
ワイヤロープの寿命判定ができるため、ワイヤロープの
取り替え周期が延長されて取り替え費用の大幅な低減を
図ることができるという効果が得られる。
式クレーンの巻き上げ装置に使用されるワイヤロープの
寿命判定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のクレーン用ワイヤロープの寿命判
定方法としては、ワイヤロープの1より間の素線の断線
数を数え、該断線数が規定数に達すれば寿命と判定して
ワイヤロープを取り替えるのが一般的に知られている。
また、ワイヤロープの定量的評価としては、クレーンの
巻き上げ装置に使用されているワイヤロープのサンプル
の引っ張り強度を測定し、該サンプルの引っ張り強度と
新品のワイヤロープの引っ張り強度との比較による強度
差の割合で寿命を判定するの方法等が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、素線切
れ数によるワイヤロープの寿命判定では、ワイヤロープ
の外表の素線切れしか判別できず、内部の素線切れは目
視では確認できないため正確な寿命判定が困難である。
この場合、各種検出器を用いてワイヤロープの内部の素
線切れを判別することが考えられるが、各種検出器を用
いると検出設備コストが嵩むと共に多くの負担がかか
る。また、仮に、ワイヤロープの内部の素線切れを判別
したとしても、素線切れの発生時期はワイヤロープの破
断寿命の4〜8割と大きなばらつきがあり、いずれにし
ても正確なワイヤロープの寿命判定は困難である。この
ような事情から、ワイヤロープの寿命判定は残存寿命が
十分にあるにもかかわらず安全性を考慮して早めに判定
する必要が生じ、ワイヤロープ取り替え費用の高騰を招
く原因になっている。 【0004】また、引っ張り強度の比較による方法で
は、破断したワイヤロープでさえも新品のワイヤロープ
の80〜90%であるため、使用されたワイヤロープと
新品のワイヤロープとの引っ張り強度差に多くのばらつ
きが生じて正確なワイヤロープ寿命判定は困難であり、
従って、素線切れの場合と同様にワイヤロープの寿命を
早めに判定する必要が生じる。 【0005】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、正確なワイヤロープの寿命判定がで
きるようにして、ワイヤロープの取り替え費用の低減を
図ることができるクレーン用ワイヤロープの寿命判定方
法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明に係るクレーン用ワイヤロープの寿命判定
方法は、クレーンの巻き上げ装置に使用されるワイヤロ
ープの寿命判定方法であって、ニーマン式によるワイヤ
ロープの破断寿命計算結果と、ワイヤロープが実際に複
数のシーブを通過して曲げられた回数との比率を寿命比
率データとする一方、シーブを通過していないワイヤロ
ープの素線ねじり試験結果と、シーブを通過したワイヤ
ロープの素線ねじり試験結果との比率を劣化寿命データ
として、前記寿命比率データと前記劣化比率データとの
相関データを予め用意しておき、クレーンの巻き上げ装
置に使用しているワイヤロープの寿命を判定するに際し
て、シーブを通過していないワイヤロープの素線ねじり
試験結果と該シーブを通過したワイヤロープの素線ねじ
り試験結果との比率を現在劣化比率として求めると共
に、該現在劣化比率に対応する現在寿命比率を前記相関
データから求め、実際にワイヤロープがシーブを通過し
て曲げられた回数と前記現在寿命比率との関係に基づい
てワイヤロープの残存寿命を求めることにより、ワイヤ
ロープの寿命を判定するようにしたことを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図1〜図6を参照して説明する。図1は天井クレーン
の巻き上げ機構の概略構造図、図2はニーマン式による
ワイヤロープの破断寿命計算結果と実機による実際のワ
イヤロープの破断寿命との比較を示すグラフ図、図3は
寿命比率データ並びに引張試験、伸び試験及び素線ねじ
り試験における劣化比率データの一例を示す表図、図4
は引張、伸び及び素線ねじりの劣化比率と寿命比率との
相関関係を示すグラフ図、図5は素線ねじりの劣化比率
と寿命比率との相関関係を示すグラフ図、図6はワイヤ
ロープの取り替え費用の従来例との比較を説明するため
のグラフ図である。 【0008】まず、説明の便宜上、図1を参照して天井
クレーンの巻き上げ機構の概略を説明すると、該機構
は、ドラム1から繰り出されたワイヤロープ2が下部シ
ーブ3と上部シーブ4とを交互に通過して、その後、ロ
ープバランス金具5に接続されている。そして、下部シ
ーブ3を下げるに従って、ワイヤロープ2は各シーブ
3,4を通過し、曲げ戻しを繰り返す。ここで、ワイヤ
ロープ2がシーブ3又は4を1回通過する時の動きを1
回の曲げとし、この回数を曲げ回数とする。 【0009】本発明の実施の形態の一例であるクレーン
用ワイヤロープの寿命判定方法の概略について説明する
と、該寿命判定方法は、まず、ニーマン式によるワイヤ
ロープ2の破断寿命計算結果と、ワイヤロープ2の実際
の曲げ回数との比率を寿命比率データとする一方、シー
ブ3,4を通過していないワイヤロープ2(製造時或い
は使用後の捨て巻き部)の素線ねじり試験結果と、シー
ブ3,4を通過したワイヤロープ2の素線ねじり試験結
果との比率を劣化寿命データとして、寿命比率データと
劣化比率データとの相関データを予め用意する。 【0010】そして、クレーンの巻き上げ装置に使用し
ているワイヤロープ2の寿命を判定するに際して、シー
ブ3,4を通過していないワイヤロープ2(製造時或い
は使用後の捨て巻き部)の素線ねじり試験結果と、該シ
ーブ3,4を通過したワイヤロープ2の素線ねじり試験
結果との比率を現在劣化比率として求めると共に、該現
在劣化比率に対応する現在寿命比率を前記相関データか
ら求め、実際のワイヤロープ2の曲げ回数と前記現在寿
命比率との関係に基づいてワイヤロープ2の残存寿命を
求めることにより、ワイヤロープ2の寿命を判定する。 【0011】以下、詳述する。寿命比率データを求める
際のワイヤロープ2の破断寿命の計算には、既知である
ニーマン式を用いる。N=170000×{ab・(D
/d−9/a)/(σ+4)}2 但し、N:ロープ破断
までのシーブ通過回数、a:シーブの形状による係数、
b:ロープの構成による係数、D:シーブ径、d:ロー
プ径、σ:ロープの引っ張り応力 ここで、一般的天井クレーンには、a=1.0、b=
1.11、レードルクレーンには、a=1.0、b=
0.78を用いる。このa,bの値は実機にて使用した
ワイヤロープの曲げ回数から求めた実績値であるが、ク
レーンの種類等に応じて適宜変更して用いる。図1にニ
ーマン式による破断寿命計算結果と、実機による実際の
破断寿命との比較を示す。図1から明らかなように両者
は近似しており、ニーマン式による計算で比較的正確に
ワイヤロープの破断寿命が求められることが判る。 【0012】寿命比率データを求める際の実際の曲げ回
数を推定するには、ワイヤロープ2の使用期間内の全て
の曲げ回数(吊り上げ回数)がカウントされるように動
作計測器を設置するか、又は1サイクルの動きからシー
ブ通過回数を求めて、使用期間内のサイクル数から曲げ
回数を求める。この曲げ回数をニーマン式による破断寿
命計算結果で割った比率を寿命比率データとする。尚、
寿命比率の求め方の一例を図3の“使用状況”の欄に示
す。 【0013】次に、劣化比率データについて説明する。
図3は引っ張り強度、伸び率及び素線ねじり試験をワイ
ヤロープ2の使用後の捨て巻き部及びシーブ3,4の通
過部で行った際の検査結果の一例を示したもので、シー
ブ通過部の値Yを捨て巻き部の値Xで割った比率を劣化
比率データとする。尚、この実施の形態では、Xをワイ
ヤロープ2の捨て巻き部の値としたが、これに代えて、
Xをワイヤロープ2の製造時の値としてもよい。 【0014】図4に複数機(この実施の形態では、A〜
Dの4機)の実機テストによる劣化比率と寿命比率との
相関結果を示す。図4から明らかなように、素線ねじり
回数が最も顕著に寿命との相関を示し、引っ張り強度や
伸びは破断寿命に至るまでの値の低下が少ないために、
わずかの測定誤差やばらつきにより寿命比率が大きく変
化し推定精度の信頼性に劣ることが判る。このように実
機でのワイヤロープ2の劣化に関する多くのデータを解
析した結果、ワイヤロープ2の劣化、即ち寿命を最も明
確に表すのは素線のねじり試験による素線ねじり回数で
あることを解明し、これにより劣化比率データとして素
線ねじり回数を採用している。 【0015】尚、図4の各値はワイヤロープ2の素線が
初めて断線した時にワイヤロープ2を交換してサンプル
を調査した値、及び実際に破断したワイヤロープ2のサ
ンプルの値であり、素線の断線発生時期は寿命の40〜
80%と大きくばらついて従来の素線の断線による寿命
判定がいかに適切でないかを示している。図5に、図4
から不要なデータ(引っ張り及び伸び)を排除し素線ね
じり回数に限定した劣化比率と寿命比率との相関曲線
(相関データ)を示す。 【0016】次に、図5の相関曲線を用いてワイヤロー
プ2の寿命を判定する方法を説明する。まず、実際にシ
ーブ3,4を通過したワイヤロープ2のサンプルの素線
ねじり試験を実施し、素線ねじり回数を求める。この素
線ねじり回数をワイヤロープ2の使用後の捨て巻き部
(又は製造時)の素線ねじり回数で割った比率を現在劣
化比率として図5の縦軸の適合点に合わせ、この状態で
水平に直線を引く。この直線が相関曲線と交差する点
A,Bを求める。点A,Bから横軸に向けて垂直に直線
を引き、横軸との交点C,Dを求める。交差した点C,
Dの値がワイヤロープ2の現在寿命比率を示す。 【0017】仮に点Cが60%、点Dが75%であると
すると、このワイヤロープ2の残存寿命比率は40〜2
5%であることが判る。さらにこのワイヤロープ2の実
績使用期間又はクレーン吊り上げ回数から求められる実
際の曲げ回数を現在寿命比率で割ることにより、後何回
の曲げ回数で破断寿命に至るかの残存曲げ回数(残存寿
命)及び最初から何回の曲げ回数で破断寿命に至るかの
トータル曲げ回数を容易に計算することができる。この
結果、同一条件で使用されるワイヤロープ2については
トータルの曲げ回数をカウントするだけで、破断までの
正確な寿命を容易に判定することができることとなり、
ワイヤロープの取り替え費用の大幅な低減を図ることが
できる。 【0018】尚、図6にワイヤロープの取り替え費用に
関して従来例と本発明とを比較した結果を示す。図6か
ら明らかなように、本発明によるワイヤロープの寿命判
定方法を使用すると、従来に比べて約36%の費用削減
が達成できた。 【0019】 【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
では、トータルの曲げ回数をカウントするだけで正確な
ワイヤロープの寿命判定ができるため、ワイヤロープの
取り替え周期が延長されて取り替え費用の大幅な低減を
図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天井クレーンの巻き上げ機構の概略構造図であ
る。 【図2】ニーマン式によるワイヤロープの破断寿命計算
結果と実機による実際のワイヤロープの破断寿命との比
較を示すグラフ図である。 【図3】寿命比率データ並びに引張試験、伸び試験及び
素線ねじり試験における劣化比率データの一例を示す表
図である。 【図4】引張、伸び及び素線ねじりの劣化比率と寿命比
率との相関関係を示すグラフ図である。 【図5】素線ねじりの劣化比率と寿命比率との相関関係
を示すグラフ図である。 【図6】ワイヤロープの取り替え費用の従来例との比較
を説明するためのグラフ図である。 【符号の説明】 2…ワイヤロープ 3,4…シーブ
る。 【図2】ニーマン式によるワイヤロープの破断寿命計算
結果と実機による実際のワイヤロープの破断寿命との比
較を示すグラフ図である。 【図3】寿命比率データ並びに引張試験、伸び試験及び
素線ねじり試験における劣化比率データの一例を示す表
図である。 【図4】引張、伸び及び素線ねじりの劣化比率と寿命比
率との相関関係を示すグラフ図である。 【図5】素線ねじりの劣化比率と寿命比率との相関関係
を示すグラフ図である。 【図6】ワイヤロープの取り替え費用の従来例との比較
を説明するためのグラフ図である。 【符号の説明】 2…ワイヤロープ 3,4…シーブ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01M 13/00
B66C 13/00
B66D 1/54
G01N 3/34
B66C 13/48
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 クレーンの巻き上げ装置に使用されるワ
イヤロープの寿命判定方法であって、 ニーマン式によるワイヤロープの破断寿命計算結果と、
ワイヤロープが実際に複数のシーブを通過して曲げられ
た回数との比率を寿命比率データとする一方、シーブを
通過していないワイヤロープの素線ねじり試験結果と、
シーブを通過したワイヤロープの素線ねじり試験結果と
の比率を劣化寿命データとして、前記寿命比率データと
前記劣化比率データとの相関データを予め用意してお
き、 クレーンの巻き上げ装置に使用しているワイヤロープの
寿命を判定するに際して、シーブを通過していないワイ
ヤロープの素線ねじり試験結果と該シーブを通過したワ
イヤロープの素線ねじり試験結果との比率を現在劣化比
率として求めると共に、該現在劣化比率に対応する現在
寿命比率を前記相関データから求め、 実際にワイヤロープがシーブを通過して曲げられた回数
と前記現在寿命比率との関係に基づいてワイヤロープの
残存寿命を求めることにより、ワイヤロープの寿命を判
定するようにしたことを特徴とするクレーン用ワイヤロ
ープの寿命判定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34159695A JP3375809B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | クレーン用ワイヤロープの寿命判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34159695A JP3375809B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | クレーン用ワイヤロープの寿命判定方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09178611A JPH09178611A (ja) | 1997-07-11 |
| JP3375809B2 true JP3375809B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=18347310
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
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