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JP3376545B2 - 防湿用コーティング剤組成物及び防湿性紙 - Google Patents
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JP3376545B2 - 防湿用コーティング剤組成物及び防湿性紙 - Google Patents

防湿用コーティング剤組成物及び防湿性紙

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JP3376545B2
JP3376545B2 JP2000204186A JP2000204186A JP3376545B2 JP 3376545 B2 JP3376545 B2 JP 3376545B2 JP 2000204186 A JP2000204186 A JP 2000204186A JP 2000204186 A JP2000204186 A JP 2000204186A JP 3376545 B2 JP3376545 B2 JP 3376545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、包装用材料とし
て好適な、防湿性紙の調製に用いられる防湿用コーティ
ング剤組成物、及び該防湿用コーティング剤組成物から
形成された防湿層を有する防湿性紙に関するもので、該
防湿性紙は、前記防湿用コーティング剤組成物を、紙の
表面及び/又は裏面に塗布することにより、容易に調製
されるものである。
【0002】
【従来の技術】上質紙、晒クラフト紙、未晒クラフト
紙、各種の塗工紙などを巻き取ったロール紙や、上質紙
や塗工紙を定寸に裁断した平判紙の包装に際しては、ロ
ール紙や平判紙の吸湿を防ぐために、紙にポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の高分子化
合物を塗工又はラミネートしたり、あるいは紙の内部に
前記高分子化合物を添加して耐湿、耐水性を持たせた包
装用防湿紙を、ロール状のままの形状で、あるいは所望
の大きさにカットして使用している。
【0003】また、セメント袋、塩袋、飼料袋、肥料
袋、ゴミ袋などでは、中身の吸湿、吸水を防止するとと
もに、重量物の搬送にも耐えられるように、その原紙に
は防湿性と強度が要求されるため、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどをクラフト紙にラミネートしたポリオレ
フィンラミネート紙(以下、ポリラミ紙という。)と、
クラフト紙を重ねたものが使用されている。
【0004】しかしながら、これらポリラミ紙は、使用
後に古紙として再使用するために回収しても、ポリオレ
フィンがラミネートされているため、水に十分に離解せ
ず、古紙として再使用できないという問題を有し、使用
済みポリラミ紙は、廃棄するにしても、焼却や埋め立て
によるしかないため、環境汚染を引き起こす懸念がある
など多くの問題を抱えているので、代替防湿性紙の開発
が行われている。
【0005】この代替防湿性紙を得るための技術とし
て、例えば、特公昭55−22597号公報において
は、ブタジエン系ラテックス100重量部にワックスを
5〜200重量部ブレンドした配合物を塗工し、防湿性
紙を得るという技術が提案されているが、この技術は、
ワックスを用いるため、加工紙を重ねておく際の“すべ
り”の問題や加工紙へ印刷する際の印刷適性に問題があ
り、水性接着剤やホットメルト接着剤による接着が困難
であるという問題も有している。
【0006】また、他の技術として、特開昭61−47
896号公報においては、特定の融点を有するパラフィ
ンワックス、マレイン化、もしくはフマール化ロジンと
多価アルコールとのエステル化物、液状ポリブテン及び
ロジンなどを主成分とするワックスエマルション、ある
いは前記ワックスエマルションと合成ゴム系ラテックス
との混合物を上質紙、クラフト紙など繊維質の基材表面
に塗布し、加温下に乾燥して調製する防湿性紙の製造方
法も提案されている。
【0007】しかしながら、この製造方法もまた、得ら
れた防湿性包装紙をロール状とした場合、繊維質の基材
の裏面は、防湿層の含有するワックス成分の一部が僅か
とはいえ転移するため滑り易い。また、防湿性包装紙に
よって包装された高重量のロール紙を、搬入、搬出、あ
るいは搬送する際に、包装紙とその内容物との間にズレ
を生じたり、酷いときには包装紙の破れや、破れにとも
ない落下するなどという問題を引き起こすおそれがあ
る。
【0008】さらには、その表面にラベルを添付しよう
としても剥がれ易く、常温で液状の強い接着力を持つホ
ットメルト接着剤以外は、ワックスを含んだ防湿面との
接着が不良で、接着できる場合であっても、オープンタ
イムが非常に短くなってしまうため、使用できるホット
メルト接着剤が、非常に限定されるなどという問題もあ
る。
【0009】特に、汎用で使用される酢ビ系エマルショ
ンが、防湿性紙表面で弾かれるために塗工できず、仮に
塗工できたとしても接着性が全くないというのは重大な
問題であり、それらを解消するために、再離解性を有す
る粘着テープを使用する方法もあるが、ホットメルト接
着に比べ粘着テープを使用する場合は、包装時の作業性
が大幅に劣り、用途が限定されるという問題を内在して
いる。
【0010】これらの問題を解決するために、特公昭5
6−18712公報では、基材裏面に両性化合物からな
る防滑層を設けた防湿、防水紙が提案されているが、支
持体表面に防湿層、裏面に防滑層を設けた防湿性積層体
のシートを、ロール状に仕上げた場合、その巻き圧が高
くなると、防滑層顔料が、防湿層表面に損傷を与え防湿
性能の劣化が発生する。このため、巻き圧を低い圧力と
する必要があるが、巻き圧の低下は、巻き取り時の巻き
滑り発生によって、長尺巻き取りの製造を不可能とした
り、巻き取り側面の不揃いによる、後工程での大幅な作
業性の低下などが発生することがあり、好ましいものと
は云えないものである。
【0011】さらに、ワックスに起因する種々の問題を
解決するために、特開平9−21096号公報において
は、ワックスを全く使用せず、アスペクト比が5以上
で、平均粒子径が5〜50ミクロンである平板状顔料
と、合成樹脂ラテックスからなる防湿性組成物層を形成
した防湿性紙が提案されている。
【0012】しかしながら、この提案においては、実用
上必要な防湿性(50g/m2 ・24hr以下)を得る
ためには、塗工層の厚みを、固形分で30g/m2 以上
にする必要があり、現行のポリエチレンラミネートの厚
みが15g/m2 であることを考えると、十分には満足
できないうえに、離解して再生紙を作成した場合、目視
で分かる大きさの顔料が紙中に残存し、再生方法や再生
用途が限定されるという問題を有している。
【0013】また、この提案では、非膨潤性の平板状顔
料で防湿性効果を上げることも開示しているが、防湿性
を目標レベルまで上げるには、樹脂100部に対し、顔
料を50部以上含有させる必要が有り、樹脂中の無機物
の含量を高くすると、樹脂の強度が低下するため、塗工
量を多くしないと、折り曲げ時に皮膜が割れて防湿性が
著しく低下するという問題を有している。
【0014】このように、従来の技術では、再離解性を
有し、プラスチックフイルムに優る防湿性を持った防湿
性紙で、包装物の滑りによる問題を発生させず、さら
に、再生上に問題がなく、完全に満足し得る性能の優れ
た防湿性紙は、存在していないというのが実状である。
【0015】一方、アクリル樹脂中に膨潤性粘土を分散
させることによって、包装用袋にガスバリヤ性能を付加
させる方法(高分子論文集;vol.52/No.11
/p.727)が知られている。
【0016】すなわち、この論文においては、特定の長
さと厚みを有するシリケート層(膨潤した粘土の単層)
が、フィルム中に並行に配列することにより、ガスの拡
散経路が長くなりバリヤ性が高くなると教示され、その
現象を利用したものとして、高アスペクト比の無機層状
化合物と高水素結合性樹脂との防湿性樹脂組成物(特開
平6−93133号公報)が提案されているが、該樹脂
組成物の酸素ガスバリヤ性は高いものの、防湿性に関し
ては必ずしも満足のできるものではない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、前記の
実状を踏まえ、再離解性を有し、プラスチックフイルム
に優る防湿性をもった防湿性紙で、包装物の滑りによる
問題を発生させず、紙を折り曲げた時の防湿性の低下も
無く、再生する上で全く問題のない防湿性紙を得るた
め、水溶性樹脂と比べて高い防湿性が期待される疎水性
樹脂にアスペクト比の高い平板状無機物を含有させるこ
とも検討した。
【0018】しかしながら、単純にアスペクト比が大き
いものを多量併用しても、防湿性は満足できる程度には
向上せず、さらなる検討の結果、フッ素比率の高い特定
の膨潤性雲母と疎水性樹脂、さらには、それらに水溶性
樹脂を組み合わせて得られる組成物、特にその水性分散
体により、初めて優れた防湿性皮膜を形成し得ることを
見出し、この発明を完成した。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の発明は、フッ素原子と、珪素原子の原子比(F/S
i)が、0. 25以上である膨潤性フッ素雲母系鉱物
と、疎水性樹脂からなることを特徴とする防湿用コーテ
ィング剤組成物である。
【0020】この発明の請求項2に記載の発明は、フッ
素原子と、珪素原子の原子比(F/Si)が、0. 25
以上である膨潤性フッ素雲母系鉱物と、疎水性樹脂及び
水溶性樹脂とからなることを特徴とする防湿用コーティ
ング剤組成物である。
【0021】この発明の請求項3に記載の発明は、基材
の表面及び/又は裏面に、請求項1又は2に記載の防湿
用コーティング剤組成物から形成された防湿層を有する
ことを特徴とする防湿性紙である。
【0022】なお、この発明における膨潤性とは、水を
吸って膨潤する性質をいい、膨潤性雲母においては、結
晶層間に水分子を引き入れることにより、膨潤すること
が知られている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の防湿用コーティ
ング剤組成物(以下、組成物という。)、及び該組成物
を用いた防湿性紙について、さらに詳しく説明する。
【0024】この発明の組成物は、特定の膨潤性フッ素
雲母系鉱物と、疎水性樹脂からなることを特徴とし、こ
の発明の防湿性紙は、前記組成物を紙などの基材の表面
及び/又は裏面に塗工して防湿層を形成させたものであ
る。
【0025】膨潤性フッ素雲母系鉱物 この発明に用いられる膨潤性フッ素雲母系鉱物として
は、例えば、下記化1で表される構造を有する膨潤性フ
ッ素雲母系鉱物が挙げられる。
【0026】
【化1】 式中、WはNa又はLiであり、YはMg又はMgの一
部をLiで置換したものであって、αは0.33〜1.5、
βは2.0〜3.5、γは3.0〜5.0、δは1. 25〜3.
0である。
【0027】この膨潤性フッ素雲母系鉱物の具体例とし
ては、Naテトラシリリックマイカ[NaMg2.5 (S
4 10)F2 ]、Na又はLiテニオライト[(Na
又はLi)Mg2 Li(Si4 10)F2]、モンモリ
ロナイト系のNa又はLiヘクトライト[(Na又はL
i)1/3 Mg2/5 Li1/8 (Si4 10)F2 ]等の水
膨潤性のフッ素雲母を挙げることができ、これらは単独
でも、2種以上を混合しても用いることができる。
【0028】膨潤性フッ素雲母系鉱物としては、無機系
不純物を50質量%以下であれば含有してもよいが、不
純物の量は30質量%以下であるものが好ましい。
【0029】前記した具体例の水膨潤性のフッ素雲母
の、フッ素原子と珪素原子の比(原子比;F/Si)
は、いずれも0. 25以上であって、この発明において
は、F/Siの原子比が0. 25以上の膨潤性フッ素雲
母系鉱物を使用することを必須とし、より好ましいF/
Siの原子比は、0.25〜0.5である。膨潤性フッ
素雲母における、F/Siの原子比が0. 25未満であ
ると、得られる防湿性紙における防湿性が不十分であ
る。なお、フッ素雲母系鉱物のF/Siの原子比は、蛍
光X線分析法によって適宜求めることができる。
【0030】この膨潤性フッ素雲母系鉱物は、以下に説
明するような方法によって合成することができる。例え
ば、タルクを出発物質として用い、これにアルカリ金属
イオンをインターカレーションして膨潤性フッ素雲母鉱
物を得る方法があり、この方法では、タルクに珪フッ化
物及び/又はフッ化物を混合し、自製ルツボ内で温度7
00〜1200℃で短時間熱処理することによって膨潤
性フッ素雲母系鉱物が得られる。
【0031】また、酸化珪素と酸化マグネシウムと各種
フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉、あるいはガ
ス炉中で温度1400〜1500℃の範囲で完全に溶融
し、その冷却過程で、反応容器内にフッ素雲母系鉱物を
結晶成長させる、いわゆる溶融法がある。
【0032】この発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱物
としては、例えば、特開平5−270815号公報に詳
記された溶融法で製造されたものが好ましい。
【0033】疎水性樹脂 この発明における疎水性樹脂としては、樹脂を構成する
重合体の単量体単位のうち、親水性基を有する単量体単
位の割合が、全構成単位の合計量を基準にして45モル
%未満、好ましくは3〜30モル%で、残りが疎水性単
量体単位である非水溶性の共重合体からなる樹脂を挙げ
ることができる。
【0034】疎水性単量体としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、モノクロルスチレンもしくはビニルトル
エンなどの芳香族ビニル単量体、1,3−ブタジエン、
2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3
−ジブタジエンなどの脂肪族共役ジエン系単量体、エチ
レン、プロピレンなどのオレフィン単量体、(メタ) ア
クリル酸メチル、(メタ) アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ) アクリル酸n−アミル、
(メタ) アクリル酸イソアミル、(メタ) アクリル酸n
−ヘキシル、(メタ) アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ) アクリル
酸n−オクチル、(メタ) アクリル酸ラウリル、(メ
タ) アクリル酸ステアリル、(メタ) アクリル酸イソボ
ルニル、(メタ) アクリル酸ジシクロペンタニル、アク
リル酸グリシジル、及びメタクリル酸グリシジルなどの
(メタ) アクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0035】これらの疎水性単量体は、疎水性樹脂を構
成する重合体の主成分を占めるものであり、好ましい疎
水性単量体としては、スチレン、ブタジエン、エチレ
ン、アクリル酸アルキルなどが挙げられる。
【0036】この発明の組成物においては、疎水性樹脂
は水性分散体として用いるのが好ましく、前記した疎水
性単量体から調製される疎水性樹脂も、水性分散体の形
で調製するのが好ましく、スチレン・アクリル系エマル
ション、スチレン・ブタジエン系エマルション、メチル
メタクリレート・ブタジエン系エマルション及びエチレ
ンアクリル酸エマルションなどとして公知のエマルショ
ンが好ましく用いられる。
【0037】親水性基を有する単量体における親水性基
としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオー
ル基、スルホン酸基又は燐酸基等の水素結合を形成する
基、及びカルボキシル基、スルホン酸基又は燐酸基など
の塩が挙げられる。
【0038】カルボキシル基、スルホン酸基又は燐酸基
などと塩を形成する塩基としては、アルカリ金属、アン
モニア、アミン又はホスフィンなどが挙げられる。
【0039】この発明において、好ましい親水性基は水
酸基、カルボキシル基又は燐酸基である。
【0040】前記親水性基を有する単量体としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタ
コン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン
酸、イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチ
ルエステル又はマレイン酸モノブチルエステル等のα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸及びそれらの塩、(メ
タ) アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ) アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和カルボン
酸ヒドロキシアルキルエステル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及びジア
セトンアクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸
アミド、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、
アシッドホスホオキシエチルアクリレート、アシッドホ
スホオキシプロピルアクリレート等のホスフェイトモノ
マーアクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸ス
ルホエチルナトリウム塩、メタクリル酸スルホプロピル
ナトリウム塩、などが挙げられる。
【0041】この発明における疎水性樹脂を構成する、
特に好ましい重合体としては、メタクリル酸単位を3〜
45モル%、より好ましくは3〜30モル%含む重合体
である。
【0042】この発明における疎水性樹脂は、膨潤性フ
ッ素雲母系鉱物との混合が容易である点で、水性樹脂分
散体として調製されたものが好ましく、水性樹脂分散体
としては、前記単量体を水性媒体中で乳化重合すること
により調製され、容易に合成できるエマルションが挙げ
られ、前記のようにスチレン・アクリル系エマルション
などが挙げられる。なお、防湿性コーティング剤組成物
に用いられる疎水性樹脂分散体としては、固形分濃度が
20〜60質量%のものが好ましい。
【0043】この発明の防湿用コーティング剤組成物に
おける、膨潤性フッ素雲母と疎水性樹脂の好ましい混合
割合は、疎水性樹脂固形分100質量部当たり、膨潤性
フッ素雲母0. 05〜100質量部、さらに好ましく
は、膨潤性フッ素雲母0. 05〜50質量部で、膨潤性
フッ素雲母が、0. 05質量部未満であると防湿性が不
十分となり、一方、50質量部を越えると、防湿性紙を
折り曲げた時にクラックが入り易くなる。
【0044】水溶性樹脂 この発明における水溶性樹脂としては、純水への溶解度
が常温で1質量%以上あるものを意味し、水酸基、アミ
ノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、燐
酸基、オキサゾリン基、アミド基、カルボキシレート
基、スルホン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモニウム
基、ホスホニウム基などが重合体主鎖に付加されたもの
や、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−CO・
O−)、ウレタン結合(−NH・CO・O−)、アミド
結合(−NH・CO−)、尿素結合(−NH・CO・N
H−)、ビュレット結合、アルファネート結合などで主
鎖自体が水溶性の重合体からなるものなどが挙げられ
る。
【0045】前記水溶性樹脂の具体例としては、 a.化工澱粉及びその誘導体 b.セルロース誘導体 c.ポリ酢酸ビニルの鹸化物及びその誘導体 d.スルホン酸基を含有する重合体もしくはその塩 e.( メタ) アクリル酸の重合体及び共重合体並びにこ
れらの塩 f.アクリルアミドの重合体及び共重合体 g.ポリエチレングリコール h.オキサゾリン基をペンダント又は開環重合した重合
体 i.親水性ポリウレタン j ポリビニルピロリドン の化合物群を代表として挙げることができ、それらの化
合物群より選ばれる1種又は2種以上の水溶性の樹脂が
用いられる。
【0046】これら化合物群の具体的な例としては、例
えば、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニ
ルアルコール共重合体、ポリエチレングリコール、セル
ロース誘導体、オキサゾリン系ポリマー、ポリビニルピ
ロリドン、水溶性ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸及びポリアクリルアミドなどが挙げられ
る。これらの中では、ポリビニルアルコール、セルロー
ス誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、
オキサゾリン含有重合体、ポリエチレングリコールが特
に好ましい。
【0047】前記のポリビニルアルコールとは、酢酸ビ
ニル重合体の酢酸エステル部分を加水分解(けん化)し
て得られるもので、正確には、ビニルアルコールと酢酸
ビニルの共重合体となったものであって、けん化の割合
は、モル百分率で70%以上が好ましく、85%以上の
ものがさらに好ましい。
【0048】このような範囲の鹸化度の共重合体に対
し、カルボン酸変性、カチオン変性を行い、変性ポリビ
ニルアルコールとしたものも使用することができる。共
重合体の平均分子量としては3, 000〜500, 00
0が好ましく、特に3000〜50, 000が好まし
い。
【0049】前記セルロース誘導体とは、種々の単糖類
の縮重合によって生体系で合成される生体高分子で、こ
の発明においては、それらをもとに化学修飾した、例え
ば、セルロース及びヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
などのセルロース誘導体、アミロース、アミロペクチ
ン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサ
ンなどが含まれる。
【0050】オキサゾリン基含有重合体とは、オキサゾ
リン基を有する重合体であり、オキサゾリン当量が10
0〜500g・ 重合体/当量のものが好ましい。それら
には市販品があり、例えば、エポクロスWS−500,
エポクロスWS−700(共に商品名;株式会社日本触
媒製)などが挙げられる。
【0051】アクリルアミド重合体とは、アクリルアミ
ド、アルキルアクリルアミドの重合体ないし共重合体で
あり、例えば、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミ
ド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)などが
挙げられる。
【0052】前記のポリオキサゾリンとは、オキサゾリ
ンが開環重合してできた重合体であり、具体的には、2
−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−
エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサ
ゾリンなどの重合体が挙げられる。
【0053】(メタ) アクリル酸の重合体及び共重合
体、並びにこれらの塩とは、アクリル酸又はメタクリル
酸、もしくはその塩の重合体及び共重合体、(メタ) ア
クリル酸と無水マレイン酸との共重合体、アクリル酸と
メタクリル酸との共重合体などであり、平均分子量は、
一般的には1, 000〜6, 000, 000であり、好
ましいものは2, 000〜1, 000, 000である。
【0054】水溶性樹脂の好ましい配合割合は、疎水性
樹脂固形分100質量部に対して、0. 1〜50質量部
で、水溶性樹脂の配合量が0. 1質量部未満の場合、防
湿性が低下するため好ましくなく、一方、50質量部を
超えても防湿性が著しく低下するため好ましくなく、よ
り好ましい上限は30質量部である。
【0055】この発明の組成物から紙等の表面に形成さ
れる防湿皮膜は、防湿性に優れる点で、架橋硬化されて
いることが好ましいので、この組成物には、前記疎水性
樹脂及び/又は水溶性樹脂を硬化し得る架橋剤が配合さ
れていることが好ましい。
【0056】架橋剤としては、疎水性樹脂及び/又は水
溶性樹脂中に含まれる親水性基と反応し得る官能基を1
分子中に2個以上有する化合物が使用でき、具体的に
は、メチロール基を有するメラミン−ホルムアルデヒド
縮合物、アルデヒド基を有するグリオキザール、エポキ
シ基を有するポリグリシジルエーテル、多価金属を有し
前記親水性官能基と配位結合および共有結合を形成する
もの(炭酸ジルコニウムなど)、水溶液中でカチオン性
を示しアニオン性官能基とイオン結合を形成するもの
(ポリアミドアミンポリ尿素樹脂など)、カルボキシ基
と付加反応を起こすオキサゾリン基を有するものなどが
挙げられる。
【0057】この発明にとって、得られる特性の面から
はメラミンが好ましく、低温での架橋性、保存安定性、
さらに有害なホルマリンの発生しないことを考慮すれ
ば、オキサゾリン基含有重合体がさらに好ましく、オキ
サゾリン基含有重合体で水溶性のものは、前記水溶性樹
脂をも兼ねることができ、特に好ましい。
【0058】架橋剤の配合量は、疎水性樹脂と水溶性樹
脂の合計100質量部(固形分)に対して0. 01〜3
0質量部用いられる。
【0059】この発明においては、疎水性樹脂は、前記
のように水性樹脂分散体の形態をとるのが好ましく、水
性樹脂分散体の粒子径としては、一般に100〜300
nmであるが、粒子径150nm以下、特に、60〜1
00nm程度の小さい粒子径の水性分散体を使用する
と、成膜性が向上し欠陥の少ない膜ができるため好まし
い。
【0060】水性乳化重合などによって得られる疎水性
樹脂の水性分散体を、膨潤性フッ素雲母と混合すること
により、この発明の組成物を容易に得ることができる。
【0061】膨潤性フッ素雲母と水性樹脂分散体の混合
に当たっては、防湿性に優れる皮膜が得られ易い点でp
Hが7以上の水性樹脂分散体を用いることが好ましく、
より好ましくはpHが8〜12の水性樹脂分散体であ
る。かゝるpHの調整のためには、例えば、アンモニア
等が好ましく使用できる。
【0062】この組成物からなる防湿剤の調製として
は、水中にあらかじめ分散した膨潤性フッ素雲母の分散
液と、疎水性樹脂水性分散体と、水溶性樹脂を混合する
か、水溶性樹脂が溶解もしくは膨潤状態で存在する疎水
性樹脂水性分散体中で、膨潤性フッ素雲母を分散し、所
定の固形分に調製する方法が採用される。
【0063】このようにして調製した液状の防湿剤を、
紙の表面に塗工し乾燥する場合、乾燥温度は、疎水性樹
脂が乾燥し十分に成膜する温度で良い。
【0064】防湿剤の塗工量は、固形分換算で5〜30
g/m2 で、その塗工量が5g/m2 未満では紙表面の
凹凸を充分にカバーしきれなくなり、防湿性が極端に低
下し、塗工量が30g/m2 を超えて高くなると、得ら
れる防湿性は、塗工量の増大とともに僅かしか向上せ
ず、頭打ちとなり、コスト高を招く。
【0065】透湿度が50g/m2 ・24hr以下の防
湿性紙を得るためには、膨潤性フッ素雲母の質量が、紙
面上に0. 05g/m2 以上あることが好ましく、より
好ましくは0. 1〜4g/m2 、特に好ましくは0. 1
〜1g/m2 である。
【0066】防湿剤を塗工するための塗工設備として
は、格別に限定されたものはなく、エアナイフコータ、
バーコータ、ロールコータ、ブレードコータ、ゲートロ
ールコータ等から任意に選択することができる。
【0067】この発明の防湿性紙を構成する素材の紙と
しては、機械的離解作用によって水中で分散しやすいも
のとして、例えば、広葉樹クラフトパルプや針葉樹クラ
フトパルプのような化学パルプ、機械パルプ等から選ば
れたパルプを原料とした上質紙、中質紙、片艶クラフト
紙、両更クラフト紙、クラフト伸長紙などを挙げること
ができ、これらの原紙の坪量に格別の限定はなく、30
〜300g/m2 のものを目的に応じて適宜選択して使
用することができる。
【0068】この発明の防湿性組成物は、紙以外の基
材、例えば、樹脂、アルミ箔、木材、布、不織布、石膏
ボード、木質ボードなどに対しても塗工可能であり、そ
れらの表面に防湿層を形成することができる。
【0069】
【作用】この発明の防湿用コーティング剤組成物は、ワ
ックス類を必要としないため、この組成物を紙等の基材
の表面及び/又は裏面に塗工させることによって、防湿
性・防水性に優れた防湿性紙を得ることができる。
【0070】さらに、この発明の防湿性紙は、ワックス
類を使用していないため、通常のオープンタイムでホッ
トメルト接着剤を使用することができ、もちろん合成ゴ
ム系やエチレンビニル酢酸系などの一般に使用されてい
るホットメルト接着剤も問題なく使用できる。
【0071】この発明で使用される膨潤性フッ素雲母
は、2層のシリカ四面体層がマグネシウム八面体層を間
に挟んだサンドイッチ型の3層構造を有し、これが数層
〜数十層積層されたもので、また、膨潤性フッ素雲母の
ケイ酸塩層は負の電荷を有し、これは、通常、層間に存
在するアルカリ金属カチオン及びアルカリ土類金属カチ
オンで中和されているという構造を有するため、この発
明における膨潤性フッ素雲母は、結晶層間に水分子を引
き入れて膨潤し、膨潤したフッ素雲母の一部は、水分子
の浸透した層において、水性媒体中でへき開し、薄片化
が進むものと推測される。
【0072】また、防湿用コーティング剤組成物から形
成される防湿性塗膜中で、へき開により生成したフッ素
雲母の薄片が塗膜面と平行に配列することにより、該塗
膜面における湿気の自由な通過が該薄片により抑制され
る結果、該塗膜において効果的な防湿性が発現すると推
測される。
【0073】
【実施例】以下、実施例を挙げてこの発明の組成物と、
この組成物を用いた防湿性紙について具体的に説明す
る。各例における「部」は「質量部」を意味する。
【0074】疎水性樹脂の合成例1 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロ
ートを備えた3Lのガラス製の4つ口フラスコに、脱イ
オン水60部を仕込み、窒素置換した後、内温を温度8
2℃に昇温させた。一方、あらかじめ脱イオン水43
部、スチレン45部、2−エチルヘキシルアクリレート
50部、メタクリル酸5部、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル硫酸ナトリウム1部を、ホモジナイザ
ーで乳化混合して得た乳液と、2.5%過硫酸アンモニ
ウム8部とを、それぞれ別々に4つ口フラスコ中に、攪
拌しながら3時間かけて滴下した後、さらに温度82℃
で2.5時間反応を継続し終了させた。冷却後、10%
アンモニア水でp Hを9.0に調整し、固形分45%、
粘度15cP,粒径80nmのスチレンアクリルエマル
ション(以下、A−1という。)を得た。
【0075】疎水性樹脂の合成例2 脱イオン水43部、スチレン29部、2−エチルヘキシ
ルアクリレート51部、メタクリル酸20部、アルキル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を、ホモジナイザー
で乳化混合した以外は、合成例1と同様な方法により、
固形分45%、p H8.5、粘度70cP,粒径120
nmのスチレンアクリルエマルション(以下、A−2と
いう。)を得た。
【0076】疎水性樹脂の合成例3 脱イオン水43部、スチレン29部、2−エチルヘキシ
ルアクリレート51部、メタクリル酸20部、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム1部
を、ホモジナイザーで乳化混合した以外は、合成例1と
同様な方法により、固形分45%、p H4.0、粘度7
0cP,粒径120nmのスチレンアクリルエマルショ
ン(以下、A−3という。)を得た。
【0077】前記A−1、A−2及びA−3以外には、
以下のエマルションを、疎水性樹脂水性分散体として使
用した。 1.旭化成株式会社製SBRエマルション(以下、L1
201という。) 商品名;L1201、Tg=−7℃、固形分50% 2.東邦化学株式会社製エチレンアクリル酸共重合体エ
マルション(以下、S3121という。) 商品名;ハイテックS3121、分子量27500 アクリル酸/エチレン共重合比率=15/85
【0078】前記水性樹脂分散体と併用した雲母など
は、以下のとおりである。 a.DMA350 ;ナトリウムテトラシリシックマイカ トピー工業製 膨潤度30ml/2g カチオン交換能60mg/100g アスペクト比 15400 F/Siモル比=0.40 b.DMクリーンA;ナトリウムテトラシリシックマイカ トピー工業製 膨潤度30ml/2g カチオン交換能54mg/100g アスペクト比 24500 F/Siモル比=0.40 c.NTS10 ;ナトリウムテトラシリシックマイカ 膨潤度30ml/2g カチオン交換能92mg/100g アスペクト比 12000 F/Siモル比=0.33 d.ME−100 ;ナトリウムテトラシリシックマイカ コープケミカル製 膨潤度30ml/2g カチオン交換能60mg/100g アスペクト比 9954 F/Siモル比=0.22 e.白雲母 ;商品名;マイカA11((株)山口雲母工業所製) 非膨潤性(膨潤度5以下) カチオン交換能5mg/100g以下 f.Li−TN ;リチウムテニオライト トピー工業製 膨潤度30ml/2g カチオン交換能88mg/100g アスペクト比 3000 F/Siモル比=0.33
【0079】実施例1 膨潤性フッ素雲母(DMA350) をイオン交換水に固
形分4wt%となるように分散させ、さらに温度80℃
に加温後、ホモジナイザーで攪拌し、該雲母の分散液を
得た。これと、前記A−1を固形分比で膨潤性雲母/疎
水性樹脂=15/100となるように混合し、これを防
湿剤とした。未晒両更クラフト紙にメイヤーバーで固形
分として塗工量20g/m2 になるように手塗りした
後、温度150℃で2分間乾燥させ防湿性紙を製造し
た。得られた防湿性紙について、後記した物性を測定す
ることにより、防湿性、解離性等を評価し、その結果
を、表2に示す。
【0080】実施例2 表1に示す成分、すなわち、膨潤性フッ素雲母としてD
MクリーンAを用い、他方、疎水性樹脂水性分散体とし
てL1201を使用した以外は、すべて実施例1と同様
な操作を行い、得られた防湿剤を、紙に塗布して防湿性
紙を製造し、防湿性、解離性等を評価し、その結果を表
2に示した。なお、表中で疎水性樹脂の種類の欄におけ
る*印は、架橋剤を樹脂100部当たり5部添加したも
のを使用したことを意味する。
【0081】実施例3 表1に示した成分、すなわち、疎水性樹脂水性分散体と
してS3121を使用し、樹脂と雲母の割合を雲母/樹
脂=20/100とした以外は、すべて実施例1と同様
な操作を行い、得られた防湿剤を紙に塗布して防湿性紙
を製造し、防湿性、解離性等を評価し、その結果を表2
に示した。
【0082】前記の実施例1〜3の結果(表2)から明
らかなとおり、水性樹脂分散体として、A−1(スチレ
ンアクリルエマルション)、L1201(SBRエマル
ション)又はS3121(エチレンアクリル酸共重合体
エマルション)のいずれを使用した防湿剤も、優れた防
湿性を有することが明らかである。
【0083】実施例4 表1に示した成分、すなわち、膨潤性フッ素雲母として
NTS10を用い、他方疎水性樹脂水性分散体として、
A−2を使用した以外は、すべて実施例1と同様な操作
を行い、得られた防湿剤を紙に塗布して防湿性紙を製造
し、防湿性、解離性等を評価し、その結果を表2に示し
た。
【0084】実施例5 表1に示した成分、すなわち、A−1の100部当た
り、膨潤性フッ素雲母としてDMA350を10部、架
橋剤オキサゾリン基含有水溶性重合体(株式会社日本触
媒製;商品名エポクロスWS−500/オキサゾリン基
当量220)を5部配合して防湿剤を得、これを紙に塗
布して防湿性紙を製造するに際し、樹脂成分は前記架橋
剤との反応により硬化させた。得られた防湿性紙の防湿
性、解離性等を評価し、その結果を表2に示した。
【0085】実施例6 表1に示した成分、すなわち、A−1の100部当た
り、膨潤性フッ素雲母としてNTS10を10部、架橋
剤トリメチロールメラミン(住友化学工業株式会社製;
商品名スミレジンM−3)を5部配合して防湿剤を得、
これを紙に塗布して防湿性紙を製造するに際し、樹脂成
分は、前記架橋剤との反応により硬化させた。得られた
防湿性紙の防湿性、解離性等を評価し、その結果を表2
に示す。
【0086】実施例1による防湿性紙と、実施例5又は
実施例6による防湿性紙との物性の対比から、架橋され
た防湿皮膜は、防湿性能がさらに優れることが分かる。
【0087】比較例1 A−1の100部当たり、パラフィンワックス(中京油
脂(株)製;商品名セロゾールH−908)10部混合
して得られる防湿剤を、未晒両更クラフト紙に固形分と
して塗工量20g/m2 となるようにメイヤーバで手塗
りし、防湿性紙を製造し、得られた防湿性紙の防湿性、
解離性等を評価した結果を、表2に示した。
【0088】この防湿性紙と前記実施例による防湿性紙
を比較すると、この防湿性紙では、解離性が劣ってお
り、また摩擦係数が極めて小さいため、かゝる防湿性紙
で包装された荷物が積み重ねられると、荷滑りが発生し
易い。
【0089】比較例2 表1に示した成分、すなわち、A−1の100部当た
り、白雲母10部混合して得られる防湿剤を、未晒両更
クラフト紙に固形分として塗工量20g/m2 となるよ
うにメイヤーバーで手塗りし、防湿性紙を製造し、得ら
れた防湿性紙の防湿性、解離性等を評価した結果を表2
に示す。
【0090】比較例3 表1に示した成分、すなわち、A−1の100部当た
り、F/Siが0.22の膨潤性フッ素雲母(ME−1
00)15部混合して得られる防湿剤を、未晒両更クラ
フト紙に固形分として塗工量20g/m2 となるように
メイヤーバーで手塗りし、防湿性紙を製造し、得られた
防湿性紙の防湿性、解離性等を評価した結果を、表2に
示した。
【0091】比較例2又は3と前記実施例を比較する
と、比較例2又は3による防湿性紙では、透湿度が著し
く劣っている。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】実施例7 膨潤性フッ素雲母(DMA350) を、イオン交換水に
固形分4wt%となるように分散させ、さらに温度80
℃に加温後、ホモジナイザーで攪拌し、該雲母の分散液
を得た。この分散液と、前記A−1と、10%PVA−
102水溶液(ポリビニルアルコール、けん化度98.
5%以上、重合度500;クラレ(株)製)を、固形分
比で膨潤性雲母/エマルション樹脂/水溶性樹脂=10
/100/1となるように混合し、これを防湿剤とし
た。未晒両更クラフト紙に、メイヤーバーで固形分とし
て塗工量20g/m2 になるように手塗りした後、温度
150℃で2分間乾燥させ防湿性紙を製造し、得られた
防湿性紙について、後記した物性を測定することによ
り、防湿性、解離性等を評価した。その結果を表4に示
す。
【0095】実施例8 表3に示した成分、すなわち、膨潤性フッ素雲母として
NTS10を用い、他方、疎水性樹脂水性分散体として
A−3、水溶性樹脂としてPVA−105水溶液を使用
した以外は、すべて実施例1と同様な操作を行い、得ら
れた防湿剤を紙に塗布して防湿性紙を製造し、防湿性、
解離性等を評価し、その結果を表4に示した。
【0096】実施例9 表3に示す成分、すなわち、A−1の100部当たり、
膨潤性フッ素雲母としてNTS10を10部、水溶性樹
脂PVA−105を1部、及び架橋剤オキサゾリン基含
有水溶性重合体((株)日本触媒製;商品名エポクロス
WS−500/オキサゾリン基当量220)を5部配合
して防湿剤を得、実施例1と同様にして防湿性紙を得、
得られた防湿性紙の防湿性、解離性等を評価した結果
を、表4に示す。
【0097】実施例10〜14 膨潤性フッ素雲母、疎水性樹脂水性分散体、及び水溶性
樹脂として表3に示した成分を用いた以外は、実施例9
と同様に、全てに架橋剤オキサゾリン基含有水溶性重合
体を添加して得られた防湿剤を、紙に塗布して防湿性紙
を製造し、得られた防湿性紙の防湿性、解離性等を評価
した結果を表4に示す。
【0098】比較例4 表3に示す成分、すなわち、A−1の100部当たり、
F/Siが0.22の膨潤性フッ素雲母(ME−10
0)を10部、PVA−102を1部混合して得られる
防湿剤を、未晒両更クラフト紙に固形分として塗工量2
0g/m2 となるようにメイヤーバで手塗りし、防湿性
紙を製造し、得られた防湿性紙の防湿性、解離性等を評
価した結果を表4に示すが、比較例4の防湿性紙は、前
記実施例の防湿性紙と比較して、透湿度が著しく劣って
いる。
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】表に記載の防湿性紙の有する物性の試験方
法は、以下のとおりである。 1)透湿度(単位;g/m2 ・24hr) 防湿性紙サンプルを、JIS Z0208(カップ法)
B法で防湿塗工面を外側にして測定した。平版透湿度の
値の基準としては、50g/m2 ・24hr以下であれ
ば実用性がある。また、防湿面を内側に十字に手折りし
たのち、同様に透湿度を測定した。折り透湿度の値の基
準としては、100g/m2 ・24hr以下であれば実
用性がある。 2)摩擦係数 前記透湿度の測定で得た未晒クラフト紙の被転写面相互
の間の摩擦係数を、JIS P8147に準拠した方法
で実施した(引張りスピードは150mm/分とし
た)。動摩擦係数が0. 5以上、静摩擦係数が0. 3以
上であることが好ましい。 3)離解性 家庭用小型ミキサー(内容量1. 2リットル、回転数1
1, 000rpm)を用いて、本実施例で得られた前記
防湿紙を、常温の水道水にパルプ濃度が1重量%となる
量加えて3分間攪拌した。得られたスラリーを、実験室
手抄きマシーンで坪量60g/m2 の手抄きシートを作
成した。未離解物(フィルム片、紙片)の有無を目視で
評価し、 未離解物を含まないものを ○ 含むものを × とした。 4)接着性 塗工面にポリ酢ビエマルションを塗布したのち、非塗工
面と張り合わせ2日間常温で放置した後、剥離試験を行
なった。 紙が材破するものを ○ 接着面で剥がれるものを × と判定した。 5)F/Siのモル比 蛍光X線分析にて求めた。使用装置はリガク3270型
蛍光X線分析装置で、分析条件としては、ロジウムター
ゲットX線加速電圧50KV、管電流30mAである。
【0102】
【発明の効果】この発明の防湿用コーティング剤組成物
は、フッ素原子と、珪素原子の原子比(F/Si)が、
0. 25以上である膨潤性フッ素雲母系鉱物と、疎水性
樹脂とからなり、ワックスを全く必要とせず、この組成
物を紙等の基材の表面及び/又は裏面に塗工させること
によって、防湿・防水性に優れた防湿性紙を得ることが
できる。
【0103】この発明の防湿性紙は、防湿・防水性に優
れ、ワックスを全く含まないので、再離解性を有し、包
装物の滑りによる問題を発生させず、紙を折り曲げた時
の防湿性の低下も無く、再生する上で全く問題がなく、
印刷や接着剤の使用も可能であるという優れた特性を奏
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼杵 有光 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開2001−288694(JP,A) 特開2001−89996(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/00 - 27/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素原子と、珪素原子の原子比(F/
    Si)が、0. 25以上である膨潤性フッ素雲母系鉱物
    と、疎水性樹脂からなることを特徴とする防湿用コーテ
    ィング剤組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素原子と、珪素原子の原子比(F/
    Si)が、0. 25以上である膨潤性フッ素雲母系鉱物
    と、疎水性樹脂及び水溶性樹脂からなることを特徴とす
    る防湿用コーティング剤組成物。
  3. 【請求項3】 基材の表面及び/又は裏面に、請求項1
    又は2に記載の防湿用コーティング剤組成物から形成さ
    れた防湿層を有することを特徴とする防湿性紙。
  4. 【請求項4】 前記防湿層内の膨潤性フッ素雲母系鉱物
    の含有量が、0. 05g/m2 以上であることを特徴と
    する請求項3に記載の防湿性紙。
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