JP3397302B2 - 積層型圧電セラミックトランス及びその製造方法 - Google Patents
積層型圧電セラミックトランス及びその製造方法Info
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Description
ックトランスに関し、特に、AC−DCコンバータの降
圧型で高効率かつ大電力伝送用の圧電セラミックトラン
スに関するものである。
て、積層型圧電トランスが開示されている。本公報では
圧電横効果を用い、厚み方向に積層された長さ縦振動モ
ードで動作する長方形型積層圧電トランス、及び径広が
り振動モードで動作する円板型積層圧電トランスについ
て記載されている。
に示す。この圧電トランスでは上主面と下主面近くに入
力部があり、中央部分に出力部がある。全圧電トランス
に占める入力部分の体積は3分の2であり、出力部分の
体積は3分の1にすぎない。従って、出力部分の体積が
入力部分の体積より小さいために、出力側の実効的電気
機械結合係数が小さくなり、同一振動振幅に対する出力
電力が小さくなるといった欠点がある。また、外部電極
103A、103G、及び内部電極103B、103
C、103D、103E、103Fが主面の全面電極と
なり、降圧比(入力電圧に対する出力電圧の比)を自由
にとれない欠点がある。101Aから101Fは圧電セ
ラミック層である。
例を図19に示す。この圧電トランスは入力部分の体積
が出力部分の体積と同一であり、これも同様に同一振動
振幅に対する出力電力が小さくなるといった欠点があ
る。また外部電極103A、103E、及び内部電極1
03B、103C、103Dが全面電極となっているた
め、降圧比を自由にとれない欠点がある。101Aから
101Dは圧電セラミック層である。
す。図20では円板の径広がり振動モードを利用した圧
電トランスが開示されている。図20において、107
Aは入力部外部電極、107Bはアース電極、107C
は出力部外部電極を示す。105A、105Bは圧電セ
ラミック層である。この積層型圧電トランスも、やは
り、入力部と出力部の体積がほぼ同等であるため、同一
振動振幅に対する出力電力が小さくなるといった欠点が
ある。また、図18、図19、図20における矢印は分
極方向を示す。
に絶縁部が存在しない三端子構成の圧電トランスであ
り、四端子構造とはなっていない。電極形状はほとんど
全面電極形状であるため分極時において特別な工夫、例
えば、隣接する電極間を電気泳動法などの方法によりガ
ラス等を付着させ絶縁するといった工夫が必要である。
また、雷サージ等外部からの電磁ノイズに対する対策が
全くなされていない欠点がある。
従来の積層型圧電トランスは、三端子構造であり、内部
電極が主面の全面を覆う構造になっているため設計の自
由度が低く、分極時において特別な工夫を要しており、
低コストで製造することができなかった。また、AC−
DCコンバータに搭載した場合、雷サージ対策が何らな
されていなかった。さらに、出力部の体積が圧電トラン
ス全体積の2分の1以下と小さいことから、出力部の電
気機械結合係数が小さく、同一振動振幅に対する出力電
力が小さいといった欠点があった。
もので、圧電横効果で最も電気機械結合係数の大きな輪
郭広がりモードあるいは基本径広がり振動モードで動作
する積層型圧電セラミックトランスを実現することを目
的としている。
成するため、下記(1)〜(12)に示す積層型圧電セ
ラミックトランス及びその製造方法を提供する。
電極及び出力側内部電極が主面と平行に形成されている
横効果輪郭広がりモードで動作する積層型圧電セラミッ
クトランスにおいて、出力部の体積を全圧電セラミック
トランスの体積の60%以上とし、かつ、該入力側、出
力側内部電極の形状を円形とし、かつ、内部電極の面積
を該積層型圧電セラミックトランスの主面の全面積の5
0%以上としたことを特徴とする圧電セラミックトラン
ス。
部電極及び出力側内部電極が主面と平行に形成されてい
る圧電横効果径広がり振動モードで動作する積層型圧電
セラミックトランスにおいて、出力部分の体積を全圧電
セラミックトランスの体積の60%以上とし、かつ、厚
み方向中心部分が出力部に含まれ、かつ、該内部電極の
形状を円形とし、かつ、該入力側、出力側内部電極の面
積を該積層型圧電セラミックトランスの主面の全面積の
50%以上としたことを特徴とする圧電セラミックトラ
ンス。
内部電極の面積を同等かそれ以上としたことを特徴とす
る(1)の積層型圧電セラミックトランス。
内部電極の面積を同等かそれ以上としたことを特徴とす
る(2)の積層型圧電セラミックトランス。
電セラミックトランスの外表面近傍に厚み方向に対称に
配置し、出力側内部電極を厚み方向中央部分に配置し、
入力側内部電極層と出力側内部電極層間に絶縁層を設け
たことを特徴とする(1)の積層型圧電セラミックトラ
ンス。
電セラミックトランスの外表面近傍に厚み方向に対称に
配置し、出力側内部電極を厚み方向中央部分に配置し、
入力側内部電極層と出力側内部電極層間に絶縁層を設け
たことを特徴とする(2)の積層型圧電セラミックトラ
ンス。
面の一方の面から厚み方向中央部分にかけて入力側電極
を設け、主面の他方の面から厚み方向中央部分にかけて
出力側電極を設け、入力側電極と出力側電極間に絶縁層
を設けたことを特徴とする(1)の積層型圧電トラン
ス。
面の一方の面から厚み方向中央部分にかけて入力側電極
を設け、主面の他方の面から厚み方向中央部分にかけて
出力側電極を設け、入力側電極と出力側電極間に絶縁層
を設けたことを特徴とする(2)の積層型圧電トラン
ス。
極を設けたことを特徴とする(1)、(3)、(5)又
は(7)の積層型圧電セラミックトランス。
電極を設けたことを特徴とする(2)、(4)、(6)
又は(8)の積層型圧電セラミックトランス。
を特徴とする(1)又は(2)の積層型圧電セラミック
トランス。
ラミックトランスの製造方法であって、ドクターブレー
ド法によって、グリーンシートを作製し、積層、圧着を
行い焼結し、その後、入力端子、出力端子にそれぞれ直
流高電圧を加え分極を行い製造することを特徴とする積
層型圧電トランスの製造方法。
ンスは、主面が正方形状あるいは円板状の圧電セラミッ
クトランスであり、厚み方向に分極された隣接する各圧
電セラミック層は互いに逆向きに分極処理がされてい
る。これらの圧電トランスの共振時の輪郭広がり振動モ
ードあるいは径広がり振動モードの電束密度分布(電荷
分布に相当する)の等高線が共に円形になり、しかも電
束密度のもっとも大きな部分については厚み方向の中央
部分が最大の面積を有し、表面に近くなれば面積は最小
になることを分析し、同一体積の圧電トランスに対し、
出力部について、その内部電極を円形とし、しかも出力
電力に直接係る出力部の実効的電気機械結合係数を最大
とするために圧電トランスの厚み方向の中央部分に設
け、その体積を圧電トランス全体積の60%以上として
いる。そして、円形電極を分極処理が確実にできる最大
限の面積(直径)とすることにより、高効率で電圧変換
のできる電力密度の大きな圧電トランスを得ることがで
きる。
ンスは、主面の一方に入力部を設け、主面の他方に出力
部を設け、第1の側面に従った積層型圧電トランスの構
造を簡素化した圧電トランスであり、入力部と出力部の
間に当然のことながら絶縁層が挿入される。出力部分の
体積は圧電トランス全体の60%以上を占めることか
ら、出力部分には電束密度が最大となる厚み方向中部分
が含まれるため、電力密度の大きな圧電トランスを実現
することができる。
ンスは、AC−DCコンバータ用として使用される場
合、もともとの入力電圧がAC100VないしはAC2
40Vであり、圧電トランスからの出力電圧がブリッジ
整流回路の場合15V〜20V程度、カレントダブラ整
流回路の場合約50V程度必要であり、この場合負荷に
DC16Vの電圧を圧電トランスの周波数制御を行うこ
とにより達成することができる。従って、圧電トランス
入力部の電極間に加わるAC電圧の方が、出力部のAC
電圧の数倍大きい。このため、圧電トランスの入力部の
電極間隔を圧電トランス出力部の電極間隔より大きくす
る必要がある。従って、圧電トランスの分極を行う場
合、入力部の分極電圧を出力部より相当大きな値とする
必要があり、分極時の放電を避けるため入力部の電極の
面積を出力部の電極面積より同等かあるいはそれより小
さくする必要がある。
ンスは、AC−DCコンバータとして使用される場合、
入力部と出力部の間の容量が数nFと大きくなるため、
雷サージが起こった場合、バリスタだけでは雷サージに
よる電磁ノイズが入力部から出力部にかけてスルーに伝
達される欠点がある。この対策として、入力部から出力
部に遮蔽電極を設け、この遮蔽電極により電磁ノイズを
アース側に逃がし、入力部から出力部にかけて電磁ノイ
ズがスルーで行かないようにしたことを特徴とするもの
である。
ンスは、圧電トランスの焼結温度が1100℃以下とな
る、例えば横効果の結合係数が大きいハイパワー特性に
優れたMn、SbをドープしたPZT系圧電セラミック
材料を用い、内部電極を焼結温度1100℃以下で使え
るAg/Pd導電性ペーストをグリーンシートに印刷
し、セラミックキャパシタの製造方法と同様のドクター
ブレード法(テープキャスティング法)により製造し、
低コストで量産可能な製造方法を提供するものである。
及び円板の径広がり基本振動を用いた積層型圧電セラミ
ックトランスでは、出力部の圧電的に活性な部分の体積
を圧電トランスの全体積の60%以上とし、出力側の実
効的な電気機械結合係数を入力側のそれに対して大きく
することにより、圧電トランスの出力電力を大きくして
いる。
出力電極の面積を入力電極の面積と同等かそれ以上に大
きくすることにより、さらに出力側の実効的電気機械結
合係数の値を大きくし、圧電トランスの出力電力を大き
くしている。
リアス振動を完全に抑圧するため、入力側内部電極をそ
れぞれ積層型圧電トランスの外表面近傍に厚み方向に対
称に配置し、一方、出力側電極を厚み方向の中央部分に
配置している。厚み方向に入力側電極と出力側電極を非
対称に配置した圧電トランスで入力部と出力部の間に一
層だけ絶縁層を設けた圧電トランスでは、屈曲振動によ
る圧電トランスのスプリアス振動を抑圧することはでき
ないが、使用する正方形板の輪郭広がり振動モード及び
円板の径広がり基本振動モードとスプリアス振動となる
屈曲振動モードの共振周波数を圧電トランスの外形形状
を適切な寸法比に実験的に定めることにより互いに離す
ことができる。このような構成にした圧電トランスで
は、使用する振動モードとスプリアスとなる屈曲振動モ
ードの共振周波数を十分離しておけば、圧電トランスの
性能を十分に引き出すことが可能である。
間の容量が大きく、雷サージ等の電磁雑音が発生したと
き、この雑音が圧電トランスの入力部から出力部に直達
しやすいことが弱点であるが、圧電トランスの入力部と
出力部との間に遮蔽電極を挿入することにより、この問
題を容易に解決することが可能である。
クトランスのいくつかの具体的な実施例及び各実施例に
関する計算結果及び実験結果を以下に説明する。
に示す構造を有する輪郭広がり振動モードで動作する圧
電トランスについて説明する。図1において、(a)は
本発明に基づく圧電トランスの平面図、(b)は中心線
a−a’で切った断面図、(c)は中心線b−b’で切
った断面図を示す。出力部の内部電極の面積に比べて、
入力部の内部電極の面積は小さく設定されている。この
圧電トランスの外形寸法は縦・横ともに14mmの正方
形で、厚さは6mmである。圧電材料は、Mn,Sbを
ドープしたPZT系圧電セラミックス(NEPEC−
8、トーキン製)であり、内部電極はAb/Pdを用
い、テープキャスティング法により作製された。焼結温
度は1075℃である。
は出力部内部電極であり、入力部内部電極の直径は1
1.5mm、出力部内部電極の直径は12.5mmであ
る。また、入力部内部電極の間隔はAC100Vをブリ
ッジ整流回路で整流された直流電圧をハーフブリッジス
イッチング回路と直列インダクタによる電流共振回路で
ドライブされるため、出力側の内部電極間隔より大きく
設定されている。また分極処理は外部電極13,13’
及び14,14’に直流電圧を印加して行われた。内部
電極形状を円形にし、かつ、圧電トランスの主面の面積
に対して電極の面積を0.5以上としたのは以下の理由
による。
正方形状圧電振動子15の側面図を示す。分極は外部電
極16,16’に直流電圧を印加して厚み方向に一様に
なされている。正方形板状振動子が輪郭広がり振動モー
ドで振動しているときの電束密度分布を有限要素法(F
EM)によって求めた。図2において、矢印は分極方向
を示す。図2の点線c−c’及びg−g’は表面電極部
分を示す。またe−e’はこの振動子の厚み方向中央部
分を示す。d−d’、f−f’は表面電極から振動子の
厚さの4分の1部分(1.5mm)を示す。
g’表面電極部分の電束密度分布、図4は図2に示した
点線d−d’及びf−f’部分の電束密度分布、また図
5は同じく図2に示した点線e−e’部分の電束密度分
布を示す。図3から図5にかけて示した電束密度分布を
見てわかるように、斜線で示した電束密度が最高に高い
部分の面積は厚み方向中央部分にいくに従い大きくな
り、それらの等高線の形が円形であることがわかる。従
って、内部電極の形状を円形とすることにより、もっと
も効果的に圧電トランスの励振、及び発電が可能である
ことがわかる。
効的電気機械結合係数keffと電極面積Sとの関係を示
す。縦軸は主面全体が電極で覆われたときの実効的電気
機械結合係数keff,0で基準化されている。横軸は主面
の面積S0で基準化されている。図6から明らかなよう
に、S/S0が0.8から0.9にかけて、keff/kef
f,0が最大値を取り、S/S0が0.5の時、keff/k
eff,0が0.9より若干高い値となっており、S/S0が
0.5以下になると急速にkeff/keff,0が小さくなる
ことがわかる。
モード圧電トランスにおいて、出力側の電気機械結合係
数を大きくし、所定の振動振幅に対し負荷側に最大限の
電力を供給するために、出力部の体積を圧電トランスの
体積の60%以上としている。このため、入力側の実効
的電気機械結合係数の値は25%であるのに対し、出力
側の実効的な電気機械結合係数の値は42%と高くなっ
ている。この圧電セラミックトランスの共振周波数は1
35kHzであった。
性を図7に示す。この圧電トランスは整流回路に圧電ト
ランスの出力インピーダンスを高く設定できるカレント
ダブラ方式を想定して設計されたものである。出力電力
30Wで温度上昇30℃、効率96%を示している。従
って、電力密度は25.5W/ccに達し、この電力密
度の値は電磁型トランスの約5倍に値する驚異的なもの
である。一方、圧電トランスの両主面付近に出力部を設
け、入力部を厚み方向の中央部分に設けた圧電トランス
では、同一外形寸法で、温度上昇30℃で出力電力は1
8Wと低いものであった。また本圧電トランスをカレン
トダブラ整流器に接続し、該圧電トランスをハーフブリ
ッジ駆動回路と該圧電トランスと直列に接続されるイン
ダクタで電流共振駆動を行った結果、出力20Wで90
%近い高いAC−DCコンバータ効率を得ることができ
た。
く圧電セラミックトランスは、雷サージなどが発生した
場合、該圧電セラミックトランスの入出力間容量が数n
Fと大きいため、バリスタでは十分吸収できない可能性
がある。そこで第2の実施例としては、図1に示した本
発明に基づく圧電セラミックトランスの入力部と出力部
の中間に遮蔽電極を設け、該遮蔽電極からリードを取り
出し、AC−DCコンバータのアース部分に接続するこ
とにより、雷サージ等の電磁ノイズが発生した場合、電
磁ノイズを完全にアース部分に逃がすことができる。本
第2の実施例の圧電トランスを図8に示す。図8は図1
における一点鎖線b−b’で切った断面図であり、遮蔽
電極17を入出力間に挿入することにより、1次側(入
力側)で発生した電磁ノイズを2次側(出力側)に通過
させる経路を完全に遮断することができる。本圧電トラ
ンスの性能は、図1に示した圧電トランスの性能と何ら
変わらないことは言うまでもない。
ZT系圧電セラミックス(NEPEC−8、トーキン
製)を混合した泥状の高粘度な液体を造り、ドクターブ
レード法により100μm程度の厚さのグリーンシート
を作成し、必要な部分にはAg/Pd内部電極ペースト
を印刷した。その後、これらのグリーンシートを積層、
圧着し、1100℃の温度で電気炉を用いて焼結した。
積層した圧電セラミックトランスの焼結体を図9に示
す。図9において、(a)は本実施例に基づく圧電トラ
ンスの平面図、(b)は(a)に示した圧電トランスの
平面図における中心線a−a’での断面図、(c)は
(a)に示した圧電トランスの平面図における中心線b
−b’での断面図を示す。
力部は厚み方向に非対称な構造であり、入力側端子電極
13,13’、出力側端子電極14、14’を用いて直
流高電圧を加えて分極処理を行い、圧電性を付与する。
図9に示した圧電トランスは、内部電極構成が厚み方向
に対して非対称であるため、使用する輪郭広がり振動の
他に正方形板の屈曲振動モードが励振される。しかしな
がら、この正方形板の屈曲振動モードに基づくスプリア
ス振動は、圧電トランスの外壁寸法比を適切な値に設定
することにより、使用する輪郭広がり振動の共振周波数
より十分遠ざけて、該スプリアス振動の影響を全く無視
できるほど小さくすることができる。また、図9に示し
た厚み方向に非対称構造の内部電極を有する圧電トラン
スは、図1に示した厚み方向に対称な内部電極を有する
圧電トランスに比べて、入力部と出力部との間のキャパ
シタンスの値を小さく実現することができ、外部電磁雑
音の影響を小さくすることができる。
ードで動作している場合、該圧電トランスの厚み方向中
央部分が最大の電荷蓄積を行うことができるが、圧電ト
ランスの実効的電気機械結合係数を上げるためには、厚
み方向の中央部分に出力側電極を設ける必要がある。本
実施例の圧電トランスの場合、出力部分の体積を該圧電
トランス全体の体積の60%以上とすることができるの
で、この課題は容易に達成することができる。
6mm、出力部の体積を圧電トランスの体積の70%と
し、入力部の電極の直径11.5mm、出力部分の電極
12.5mmとして、本実施例に従った圧電トランスを
試作した。その結果、入力部における実効的電気機械結
合係数の値0.23、出力部における実効的電気機械結
合係数の値0.44を得た。この圧電トランスの出力電
力に対する効率、温度上昇の関係を図10に示す。出力
電力30Wにおいて、効率97%、温度上昇25℃であ
った。また。温度上昇30℃における電力密度は27W
/ccと電磁型トランスの約5倍の値となる極めて大き
なものであった。なお、本圧電トランスにおいて、スプ
リアスとなる屈曲振動モードは圧電トランスの輪郭広が
り振動モードの共振周波数(135kHz)から十分離
れた位置にあるので、該スプリアスによる圧電トランス
への悪影響は全くなかった。
中間に遮蔽電極17を設けた構造の圧電トランスの断面
図を図9(c)に基づいて、図11に示す。図11から
明らかなように、入力側で発生した電磁ノイズを該遮蔽
電極17により出力側に伝送するのを完全に防止するこ
とができる。
がり振動モードで動作する円板状圧電セラミックトラン
スについて説明する。本発明に基づく圧電トランスの動
作を説明するために、図12に示すような主面全体に電
極を付けた円板状圧電セラミック振動子について述べ
る。図12は円板状圧電セラミック振動子の側面図を示
す。図12において、18は円板状圧電セラミック振動
子、19,19’は外部電極であり、図中の矢印は厚み
方向に一様に分極された分極方向を示す。
動基本モード(一様に径方向に広がる振動モード)で駆
動したときの電束密度分布を図13、図14及び図15
に示す。図13は振動子18の主面p−p’及びt−
t’部分の電束密度分布を示す。図14は振動子18の
主面p−p’及びt−t’と振動子厚み方向の中央部r
−r’の中間部分q−q’及びs−s’部における電束
密度分布を示す。図15はr−r’部分の電束密度分布
を示す。図13、図14、図15を比較すると、厚み方
向の中心部分に近づくほど、電束密度が最大となる面積
が大きくなることがわかる。すなわち、r−r’に近い
部分に出力部分の電極面積をできるだけ大きく設け、こ
の部分を出力部とすることにより。電力密度が大きくか
つ電力伝送効率の大きな圧電トランスを実現することが
できるものと考えられる。
の径広がり基本モードで動作する圧電トランスを図16
に示す。図16(a)は円板状圧電トランスの平面図、
図16(b)は図16(a)における中心線a−a’で
切った断面図、図16(c)は図16(a)における中
心線b−b’で切った断面図を示す。図16において、
10は本発明に基づく圧電トランス、11は入力部の内
部電極、12は出力部における内部電極、13,13’
は入力部の外部電極、14,14’は出力部の外部電極
であり、内部電極11、12は図1に示した輪郭広がり
振動モードで動作する圧電トランスと同様に、厚み方向
に対称に設けられている。この結果、本圧電トランスは
屈曲振動モードによるスプリアス振動を完全に抑圧する
ことができる。
1に示した正方形板状圧電トランスに比べて、加工の工
程が1つ増える(例えば外周研磨など)が、実効的電気
機械結合係数が高いという長所があり、これは電力密度
の高い圧電トランスを実現できることを意味する。ま
た、図16に示した円板状圧電トランスでは、トランス
の電力密度を大きくするために、出力部の電極面積を入
力部の電極より大きく設定している。入力部の電極面積
は圧電トランス主面の電極面積の50%以下とすると急
激に入力部の実効的電気機械結合係数の値が小さくなる
ため、50%以上に設定している。
直径が14mm、高さ6mmの円板状圧電トランスにつ
いて述べる。入力側内部電極の直径は11mm、出力側
内部電極の直径は12.5mmである。この圧電トラン
スは、入力側外部電極13,13’及び出力側外部電極
14,14’にそれぞれ直流高電圧を印加して分極され
た。本圧電トランスは出力電力が20Wのときに効率9
8%で、温度上昇30℃における電力密度は36W/c
cを示した。
振動モードで動作する圧電セラミックトランスの一実施
例を図17に示す。図17に示した圧電セラミックトラ
ンスの内部電極構造は図19に示した圧電セラミックト
ランスと同様、厚み方向に非対称である。このため円板
の屈曲振動モードによるスプリアス振動モードが現れる
が、圧電トランスの寸法比を適切な値にし、用いる径広
がり基本振動モードの共振周波数からスプリアス振動の
共振周波数を全く影響が出ない程度に遠ざける必要があ
る。本実施例では、入力側の実効的結合係数を必要十分
な程度に高めるため、入力側電極の面積を圧電トランス
主面の50%以上とする必要がある。
直径を14mm、入力部の電極の直径は10.5mm、
出力部の電極の直径は12.5mmとした。この圧電ト
ランスは実施例3で述べたドクターブレード法と全く同
じ方法で造られた。本圧電トランスは、入力部の実効的
電気機械結合係数は0.24、出力部の電気機械結合係
数は出力部の体積が圧電トランスの体積の65%を占め
ていることもあり、51%と高い値を示している。本圧
電トランスの性能を測定した結果、出力電力が20W時
の効率は97.5%と高く、温度上昇30℃における電
力密度は37W/ccを示した。
ックトランスでは、実施例4及び実施例5に述べた圧電
トランスにおいて、入力と出力間の静電容量の値が数n
F程度あり、入力側で発生した電磁ノイズの影響を受け
やすいといった弱点がある。この対策として、圧電トラ
ンスの入力部と出力部の中間に図8及び図11に示した
ような遮蔽電極17を設けることにより、圧電トランス
の性能を損なわずに容易に解決することができる。
圧電横効果で最も電気機械結合係数の大きな輪郭広がり
モードあるいは基本径広がり振動モードで動作する積層
型圧電セラミックトランスを実現することにより、小型
で大電力の伝送に好適であり、かつ、入力部で発生した
電磁ノイズを出力部に伝達することを避けることができ
る圧電トランスを提供することができる。
す積層型圧電セラミックトランスの上面図、図1(b)
は(a)図a−a’面の断面図、図1(c)は(a)図
b−b’面の断面図である。
る。
極部分の電束密度分布図である。
の電束密度分布図である。
図である。
械結合係数keffと電極面積Sとの関係を示すグラフで
ある。
トランスにおける出力電力に対する効率、温度上昇Δt
を示す図である。
ックトランスの側断面図である。
す積層型圧電セラミックトランスの上面図、図9(b)
は(a)図a−a’面の断面図、図9(c)は(a)図
b−b’面の断面図である。
クトランスにおける出力電力に対する効率、温度上昇Δ
tを示す図である。
クトランスにおいて、入力側と出力側の中間に遮蔽電極
を設けた構造の圧電トランスの断面図である。
る。
面電極部分の電束密度分布図である。
部分の電束密度分布図である。
分布図である。
例である円板の径広がり基本モードで動作する積層型圧
電セラミックトランスの上面図、図16(b)は(a)
図a−a’面の断面図、図16(c)は(a)図b−
b’面の断面図である。
例である円板の径広がり基本モードで動作する積層型圧
電セラミックトランスの他の構成例を示す上面図、図1
7(b)は(a)図a−a’面の断面図、図17(c)
は(a)図b−b’面の断面図である。
ランスの構成図である。
ランスの他の構成図である。
トランスの従来技術を示す圧電トランスの構成図であ
る。
Claims (12)
- 【請求項1】外形形状が正方形状で、入力側内部電極及
び出力側内部電極が主面と平行に形成されている横効果
輪郭広がりモードで動作する積層型圧電セラミックトラ
ンスにおいて、出力部の体積を全圧電セラミックトラン
スの体積の60%以上とし、かつ、該入力側、出力側内
部電極の形状を円形とし、かつ、内部電極の面積を該積
層型圧電セラミックトランスの主面の全面積の50%以
上としたことを特徴とする圧電セラミックトランス。 - 【請求項2】 外形形状が円板状であり、入力側内部電
極及び出力側内部電極が主面と平行に形成されている圧
電横効果径広がり振動モードで動作する積層型圧電セラ
ミックトランスにおいて、出力部分の体積を全圧電セラ
ミックトランスの体積の60%以上とし、かつ、厚み方
向中心部分が出力部に含まれ、かつ、該内部電極の形状
を円形とし、かつ、該入力側、出力側内部電極の面積を
該積層型圧電セラミックトランスの主面の全面積の50
%以上としたことを特徴とする圧電セラミックトラン
ス。 - 【請求項3】入力側内部電極の面積より、出力側内部電
極の面積を同等かそれ以上としたことを特徴とする請求
項1に記載の積層型圧電セラミックトランス。 - 【請求項4】入力側内部電極の面積より、出力側内部電
極の面積を同等かそれ以上としたことを特徴とする請求
項2に記載の積層型圧電セラミックトランス。 - 【請求項5】入力側内部電極をそれぞれ積層型圧電セラ
ミックトランスの外表面近傍に厚み方向に対称に配置
し、出力側内部電極を厚み方向中央部分に配置し、入力
側内部電極層と出力側内部電極層間に絶縁層を設けたこ
とを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電セラミック
トランス。 - 【請求項6】入力側内部電極をそれぞれ積層型圧電セラ
ミックトランスの外表面近傍に厚み方向に対称に配置
し、出力側内部電極を厚み方向中央部分に配置し、入力
側内部電極層と出力側内部電極層間に絶縁層を設けたこ
とを特徴とする請求項2に記載の積層型圧電セラミック
トランス。 - 【請求項7】積層型圧電セラミックトランスの主面の一
方の面から厚み方向中央部分にかけて入力側電極を設
け、主面の他方の面から厚み方向中央部分にかけて出力
側電極を設け、入力側電極と出力側電極間に絶縁層を設
けたことを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電トラ
ンス。 - 【請求項8】積層型圧電セラミックトランスの主面の一
方の面から厚み方向中央部分にかけて入力側電極を設
け、主面の他方の面から厚み方向中央部分にかけて出力
側電極を設け、入力側電極と出力側電極間に絶縁層を設
けたことを特徴とする請求項2に記載の積層型圧電トラ
ンス。 - 【請求項9】入力側と出力側の中央部分に遮蔽電極を設
けたことを特徴とする請求項1、3、5又は7に記載の
積層型圧電セラミックトランス。 - 【請求項10】入力側と出力側の中央部分に遮蔽電極を
設けたことを特徴とする請求項2、4、6又は8に記載
の積層型圧電セラミックトランス。 - 【請求項11】内部電極をAg/Pdとしたことを特徴
とする請求項1又は2に記載の積層型圧電セラミックト
ランス。 - 【請求項12】請求項1又は2に記載の積層型圧電セラ
ミックトランスの製造方法であって、ドクターブレード
法によって、グリーンシートを作製し、積層、圧着を行
い焼結し、その後、入力端子、出力端子にそれぞれ直流
高電圧を加え分極を行い製造することを特徴とする積層
型圧電トランスの製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP16254599A JP3397302B2 (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 積層型圧電セラミックトランス及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16254599A JP3397302B2 (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 積層型圧電セラミックトランス及びその製造方法 |
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|---|---|
| JP2000353833A JP2000353833A (ja) | 2000-12-19 |
| JP3397302B2 true JP3397302B2 (ja) | 2003-04-14 |
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ID=15756642
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16254599A Expired - Fee Related JP3397302B2 (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 積層型圧電セラミックトランス及びその製造方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3397302B2 (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-06-09 JP JP16254599A patent/JP3397302B2/ja not_active Expired - Fee Related
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