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JP4160658B2 - 圧電トランス - Google Patents
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JP4160658B2 - 圧電トランス - Google Patents

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俊輝 胡
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として小型の携帯電子機器,OA機器等のDC/DCコンバータやDC/ACインバータに用いられる圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の圧電トランスは、圧電振動素子の逆圧電効果と圧電効果とを利用し、電気的入力を機械エネルギーに変換して圧電振動子を機械的に励振した後、この機械振動を再び電気出力に変換することにより、電圧の昇圧や降圧等の作用を得る電子デバイスとして知られている。
【0003】
こうした圧電トランスは、既存の電磁トランスと比較して巻線が無いことが特徴になっている。圧電トランスの出力電力POUT は、駆動周波数をf,質量をm,振動速度をv,電気機械結合係数をkとした場合、POUT =αmv2 2 f(但し、αは係数)なる関係で表わされる。このような関係式に従って、圧電セラミックスの様々な振動モードを利用した圧電トランスが開発されている。
【0004】
例えば図4は、従来の厚み縦振動圧電トランスの基本構成を示したもので、同図(a)は平面図に関するもの,同図(b)は変位応力分布を含む側面断面図に関するものである。
【0005】
この厚み縦振動モードを用いた圧電トランスの場合、駆動周波数fを最も高くでき、電気機械結合係数kも比較的大きなことにより、同一な出力電力POUT を得るために質量mを小さくして小型に構成できる。
【0006】
しかしながら、厚み縦振動モードを用いた圧電トランスの場合、構造上における支持の困難さとスプリアス放射という2つの大きな問題がある。
【0007】
即ち、図4(b)の変位応力分布図を参照すれば、厚み方向に例えば2次の共振が生じる場合、振動に際して変位ゼロとなる節面Mが2箇所存在する。通常、圧電トランスにおいて入出力信号用端子は、ずれの防止のために変位がゼロの節面Mや節点を利用するが、厚み寸法の小さな厚み縦振動では有限寸法の電極端子(半田付けされたリード線等)を振動の節(節面Mや節点)に取り付けることが極めて困難になっている。又、駆動周波数fの高い厚み縦振動モードでは,長さ,幅,滑り振動等の一層共振周波数の低い他のモードの振動及びそれらの高次モードの振動が無数のスプリアス放射となって主共振付近に現われ、駆動する際の大きな妨げになってしまう。
【0008】
そこで、このような問題点を解決するために、圧電部材の一部に振動エネルギーを限定的に分布させ、その周辺部は振動しないエネルギー閉じ込め現象を利用した圧電トランスが開発されている。
【0009】
図5は、従来のエネルギー閉じ込め型厚み縦振動圧電トランスの基本構成を示したもので、同図(a)は平面図に関するもの,同図(b)は側面断面図に関するものである。
【0010】
このエネルギー閉じ込め厚み縦振動型圧電トランスでは、所定数の正方形圧電板を積層して成る矩形柱状積層体の局部(中央部)に互いに厚さ方向に対向して配置されると共に、対を成す入力用電極22,23並びにそれぞれ対構成で設けられた出力用電極24,25が存在し、これらの入力用電極22,23及び出力用電極24,25による内部電極に挟まれた厚み方向に隣り合う正方形圧電板層同士がそれぞれ厚み方向の反対向きに分極されており、中央部周辺の振動しない領域を支持することが可能になっている。尚、入力用電極23及び出力用電極24は配置が近接しているため、図5(b)中では同じ位置に配置されているものとしている。
【0011】
この圧電トランスの場合、エネルギー閉じ込め現象によって主共振のみが強く励振される特性上、長さ,幅,滑り振動等の共振周波数の低い他のモードの振動によるスプリアス放射が或る程度制限できるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した正方形圧電板を用いたエネルギー閉じ込め厚み縦振動型圧電トランスの場合、エネルギー閉じ込め現象によって主共振のみが強く励振されるため、長さ,幅,滑り振動等の共振周波数の低い他のモードの振動によるスプリアス放射を或る程度制限できるが、駆動周波数の高い厚み縦振動モードでは他のモードの振動及びそれらの高次モードの振動の結合によるスプリアス放射を精度良く抑制することが困難であるという問題がある。
【0013】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、高い駆動周波数においてもスプリアス放射を精度良く抑制できる基本性能の優れた小型のエネルギー閉じ込め振動モードを利用した圧電トランスを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、所定数の圧電板を積層して成る積層体の局部に厚さ方向に互いに対向する複数の対電極を配置して成ると共に、該複数の対電極のうちの一部を厚さ振動のエネルギー閉じ込め振動モードの励振を得るための入力用電極として使用し、且つ他部を該エネルギー閉じ込め振動に伴う出力電圧を取り出すための出力用電極として使用する圧電トランスにおいて、所定数の圧電板は円板状であり、入力用電極及び出力用電極は円形で形成され、積層体は円柱状構造として成る圧電トランスが得られる。
【0015】
又、本発明によれば、上記圧電トランスにおいて、円板状圧電板は圧電セラミックス円板であり、円柱状積層体は圧電セラミックス円板を接合又は接着して積層して成る圧電トランスや、或いは円板状圧電板は圧電単結晶円板であり、円柱状積層体は圧電単結晶円板を接合又は接着して積層して成る圧電トランスが得られる。
【0016】
更に、本発明によれば、上記何れか一つの圧電トランスにおいて、入力用電極及び出力用電極を外部に取り出すための引き出し電極を互いに円柱状積層体の厚さ方向で電位の異なる他のものと重なることがないように位置をずらして配置した圧電トランスが得られる。
【0017】
加えて、本発明によれば、上記何れか一つの圧電トランスにおいて、入力用電極及び出力用電極の間には絶縁層が設けられた圧電トランスが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下の実施例を挙げ、本発明の圧電トランスについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例に係る圧電トランスの基本構成を示したもので、同図(a)は平面図に関するもの,同図(b)は側面断面図に関するものである。この圧電トランスは、所定数の円板状圧電板としての圧電セラミックス円板を接合又は接着して積層して成る円柱状積層体の局部(中央部)に厚さ方向に互いに対向する円形の複数の対電極を配置して成ると共に、これらの対電極のうちの一部を厚さ振動のエネルギー閉じ込め振動モードの励振を得るための入力用電極32,33として使用し、且つ他部をエネルギー閉じ込め振動に伴う出力電圧を取り出すための出力用電極34,35として使用するように構成されている。
【0020】
尚、ここでも出力用電極34,35はそれぞれ対構成で設けられており、ここでも入力用電極33及び出力用電極34は配置が近接しているため、図1(b)中では同じ位置に配置されているものとしている。
【0021】
即ち、この圧電トランスは、図5に示した従来の正方形圧電板を用いた矩形柱状積層体構造のものと比べ、所定数の圧電セラミックス円板が円板状であり、入力用電極32,33及び出力用電極34,35が円形で形成され、これによって積層体が円柱状の円柱状積層体構造となっている点が相違している。
【0022】
ここでの円柱状積層体は直径が30mmで厚さが2mmの円板であり、入力用電極32,33及び出力用電極34,35による内部電極に挟まれた厚み方向に隣り合う圧電セラミックス円板層同士がそれぞれ厚み方向の反対向きに分極されており、中央部周辺の振動しない領域を支持することが可能になっている。
【0023】
この圧電トランスにおいて、円柱状積層体(圧電セラミックス円板)の厚み縦振動モードのエネルギー閉じ込め振動の共振周波数にほぼ等しい交流電圧を入力用電極32,33間に印加すると、これらの入力用電極32,33の近傍に厚み縦振動モードのエネルギー閉じ込め振動が励振され、このときに対構成の出力用電極34,35間にはそれぞれ圧電効果により出力電圧が発生する。
【0024】
比較のため、図5に示した正方形圧電板を用いた矩形柱状積層体構造のエネルギー閉じ込め厚み縦振動圧電トランスとして、一辺が30mm、厚さが2mmのものを試作し、図1に示す圧電セラミックス円板を用いた円柱状積層体構造のエネルギー閉じ込め厚み縦振動圧電トランスとの間で出力部ショート状態での入力部インピーダンスを調べたところ、円柱状積層体構造のものでは主共振近傍に存在するスプリアス放射が矩形柱状積層体構造のものよりも少ないことが判った。又、試作した2つの圧電トランスの出力電力及び伝送効率は、表面温度最大50℃という制限下において、円柱状積層体構造のものでは15Wで94%、矩形柱状積層体構造のものでは12Wで95%となることが判った。
【0025】
因みに、上述した円柱状積層体構造の圧電トランスにおいて、円板状圧電板としての圧電セラミックス円板を圧電単結晶円板とし、円柱状積層体を圧電単結晶円板を接合又は接着して積層して成る構成としても良い。この場合にもほぼ同等な性能が得られる。
【0026】
図2は、本発明の他の実施例に係る圧電トランスの基本構成を要部を透視させて示した斜視図である。
【0027】
この圧電トランスは、先の一実施例のものと比べ、入力用電極32,33と出力用電極34,35とに対し、これらを外部に取り出すための引き出し電極42,43と引き出し電極44,45とをそれぞれ互いに円柱状積層体の厚さ方向で電位の異なる他のものと重なることがないように位置をずらして接続配置した点が相違している。
【0028】
一般に圧電トランスにおいては、入力,出力,及びグラウンドの最低3つの異なる電位を持った電極が必要となるが、これらの全部を互いに重ねるように配置すると分極時に引き出し電極42,43及び引き出し電極44,45の間が分極されるため、弾性波の閉じ込めを行う際に好ましくない伝搬や反射等を生ずる可能性がある。従って、こうした問題を回避する意味で上述した要件を満たすように各引き出し電極42,43,44,45を配置することが有効となる。
【0029】
図3は、本発明の別の実施例に係る圧電トランスの基本構成を要部を拡大して示した側面断面図である。
【0030】
この圧電トランスは、先の一実施例のものと比べ、入力用電極32,33及び出力用電極34,35の間として、入力用電極32,33間に絶縁層36が設けられた点が相違している。
【0031】
このような入力用電極32,33と出力用電極34,35とによる内部電極に挟まれた絶縁層36は、圧電セラミックス円板と同じ材質であっても、更に誘電率の低い別な材質であっても良く、主共振近傍に存在するスプリアス放射を効率良く抑制するように作用する。
【0032】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の圧電トランスによれば、既存の正方形圧電板を用いた矩形柱状積層体構造を改良し、円板状圧電板を用いて入力用電極及び出力用電極を円形とした円柱状積層体構造としているので、スプリアス放射を充分に抑制できるようになる。又、入力用電極及び出力用電極を外部に取り出すための引き出し電極をそれぞれ互いに円柱状積層体の厚さ方向で電位の異なる他のものと重なることがないように位置をずらして配置しているので、分極に際して引き出し電極間が分極されることが防止され、これによって弾性波の閉じ込めを行う際の伝搬や反射等の発生を抑止することができるようになる。更に、入力用電極及び出力用電極の間に絶縁層を設けているため、主共振近傍に存在するスプリアス放射を効率良く抑制できるようになる。結果として、高い駆動周波数においてもスプリアス放射を精度良く抑制できる基本性能の優れた小型のエネルギー閉じ込め振動モードを利用した圧電トランスが具現されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る圧電トランスの基本構成を示したもので、(a)は平面図に関するもの,(b)は側面断面図に関するものである。
【図2】本発明の他の実施例に係る圧電トランスの基本構成を要部を透視させて示した斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例に係る圧電トランスの基本構成を要部を拡大して示した側面断面図である。
【図4】従来の厚み縦振動圧電トランスの基本構成を示したもので、(a)は平面図に関するもの,(b)は変位応力分布を含む側面断面図に関するものである。
【図5】従来のエネルギー閉じ込め型厚み縦振動圧電トランスの基本構成を示したもので、(a)は平面図に関するもの,(b)は側面断面図に関するものである。
【符号の説明】
22,23,32,33 入力用電極
24,25.34,35 出力用電極
36 絶縁層
42,43,44,45 引き出し電極
M 節面

Claims (5)

  1. 所定数の圧電板を積層して成る積層体の局部に厚さ方向に互いに対向する複数の対電極を配置して成ると共に、該複数の対電極のうちの一部を厚さ振動のエネルギー閉じ込め振動モードの励振を得るための入力用電極として使用し、且つ他部を該エネルギー閉じ込め振動に伴う出力電圧を取り出すための出力用電極として使用する圧電トランスにおいて、前記所定数の圧電板は円板状であり、前記入力用電極及び前記出力用電極は円形で形成され、前記積層体は円柱状構造として成ることを特徴とする圧電トランス。
  2. 請求項1記載の圧電トランスにおいて、前記円板状圧電板は圧電セラミックス円板であり、前記円柱状積層体は前記圧電セラミックス円板を接合又は接着して積層して成ることを特徴とする圧電トランス。
  3. 請求項1記載の圧電トランスにおいて、前記円板状圧電板は圧電単結晶円板であり、前記円柱状積層体は前記圧電単結晶円板を接合又は接着して積層して成ることを特徴とする圧電トランス。
  4. 請求項1〜3の何れか一つに記載の圧電トランスにおいて、前記入力用電極及び前記出力用電極を外部に取り出すための引き出し電極を互いに前記円柱状積層体の厚さ方向で電位の異なる他のものと重なることがないように位置をずらして配置したことを特徴とする圧電トランス。
  5. 請求項1〜4の何れか一つに記載の圧電トランスにおいて、前記入力用電極及び前記出力用電極の間には絶縁層が設けられたことを特徴とする圧電トランス。
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