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JP3400281B2 - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents
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JP3400281B2 - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

皮革様シートおよびその製造方法

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JP3400281B2
JP3400281B2 JP03011997A JP3011997A JP3400281B2 JP 3400281 B2 JP3400281 B2 JP 3400281B2 JP 03011997 A JP03011997 A JP 03011997A JP 3011997 A JP3011997 A JP 3011997A JP 3400281 B2 JP3400281 B2 JP 3400281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の耐擦過傷
性、耐摩耗性、耐屈曲性および滑り性に優れた皮革様シ
ートおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、表面強度の高い皮革様シートに関
しては様々なものが提供されている。例えば基体層上
に、最表面がブリネル硬さが20〜100である微粒子
を含有するポリウレタンであるコート層を形成した皮革
様シートが知られている。また基体層上に、最表面が1
00%モジュラス100kg/cm2以上の1液型ウレ
タンであるコート層を形成した皮革様シート、あるいは
基体層上に、シリコン変性ウレタン層を表面層とするコ
ート層を形成させ、表面を滑らせることによって耐傷性
を向上させた皮革様シートも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り提案されている方法のうち、ブリネル硬さ20〜10
0の微粒子を含有するポリウレタンの場合においては、
ツヤ感に悪影響を及ぼしやすく、耐傷性に関しては表面
に露出した場合、傷の促進に繋がるという欠点があっ
た。また100%モジュラスにおいて100kg/cm
2以上の1液型ウレタン層を形成した皮革様シートにお
いては、耐傷性はかなり向上するものの、瞬間的な擦過
傷に対してはほとんど効果が認められなかった。同様に
コート層の最表面をシリコン変性ウレタン層としたもの
においても瞬間的な擦過傷に対してほとんど効果がなく
有効な手段とはなり得ない。本発明は、最表面の耐擦過
傷性、耐摩耗性、耐屈曲性および、滑り性に優れた皮革
様シートおよびその製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、表面を構
成する樹脂組成と乾式造面用離型紙に着目し、鋭意検討
を行った結果、繊維集合体に弾性重合体を主体とした重
合体を含有した基体層(A)の表面に、数平均分子量が
2万〜10万の2液型ポリウレタン樹脂(a)と数平均
分子量が13万〜28万の2液型ポリウレタン樹脂
(b)および該樹脂(a)と(b)の合計重量に対して
固形分比で10〜75重量%のポリイソシアネート硬化
剤を含むポリウレタン樹脂層を最表面に設けることによ
り表面の耐傷性、耐擦過傷性、耐摩耗性、耐屈曲性およ
び滑り性が大きく改善されることを見いだし本発明を完
成するに至った。さらに離型性を向上させるために、最
表面コーテイング層をポリオレフィン系にした離型紙上
に該混合樹脂溶液を塗布することによって、今まで離型
紙と2液型ポリウレタン層が剥がれずに離型性不良を起
こしていたことを改善することが可能となることを見い
だし本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明の皮革様シートは、繊維集
合体に弾性重合体を主体とした重合体を含有した基体層
(A)上に、ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂からな
る接着剤層(B)を介して、数平均分子量が2万〜10
万の2液型ポリウレタン樹脂(a)と数平均分子量が1
3万〜28万の2液型ポリウレタン樹脂(b)が、ポリ
イソシアネート系硬化剤により架橋された樹脂からなる
層(C)が積層されており、さらには、ポリウレタン
(a)とポリウレタン(b)のブレンド重量比が0.0
5〜4であることを特徴とするものである。
【0006】また本発明の皮革様シートの製造方法は、
数平均分子量が2万〜10万の2液型ポリウレタン樹脂
(a)と数平均分子量が13万〜28万の2液型ポリウ
レタン樹脂(b)および該樹脂(a)と(b)の合計重
量に対して固形分比10〜75重量%のポリイソシアネ
ート硬化剤を含むポリウレタン樹脂を離型紙上に塗布
し、乾燥して層(C)を形成した後、接着層(B)を介
して、繊維集合体に弾性重合体を主体とした重合体を含
有した基体層に貼着し硬化反応を行わせた後、該離型紙
を剥離することを特徴とするものである。
【0007】以下本発明について詳述する。本発明の皮
革様シートの基体層(A)は、繊維集合体に弾性重合体
を主体とした重合体を含有したシートである。
【0008】本発明の基体層(A)の製造に用いられる
繊維集合体は、通常の繊維、例えば、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポ
リビニルアルコールなどの合成繊維、再生セルロースな
どの化学繊維、天然繊維、又は特殊形態の繊維、例えば
ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等の
極細繊維、あるいは少なくとも2種類のポリマーからな
る極細繊維発生型繊維からつくられる。例えば、海成分
が溶剤または水酸化ナトリウム等の分解剤により溶解ま
たは分解することで島成分にフィブリル化するような断
面である海島構造を有する抽出型又は分解型繊維、ある
いは機械的にまたは処理剤によってポリマーの界面で剥
離が生じて各ポリマーからなる極細繊維にフィブリル化
する分割型繊維等があげられる。
【0009】極細繊維を構成するポリマーとしては、6
−ナイロン、66−ナイロンをはじめとする溶融紡糸可
能なポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、カチオン可染型変性ポリエチ
レンテレフタレートをはじめとする溶融紡糸可能なポリ
エステル類、ポリプロピレンで代表されるポリオレフィ
ン類などから選ばれた少なくとも1種類のポリマーが挙
げられる。また、抽出型又は分解型繊維で抽出または分
解除去される成分としては、極細繊維成分とは溶剤また
は分解剤に対する溶解性または分解性を異にし、極細繊
維成分との相溶性の小さいポリマーであり、かつ紡糸条
件下で極細繊維成分より溶融粘度が小さいかあるいは表
面張力が小さいポリマーであり、例えば、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリエチレンプロピレン共重合体、
変性ポリエステルなどのポリマーから選ばれた少なくと
も1種類のポリマーである。
【0010】この極細繊維の海成分と島成分の重量比は
1:2〜2:1であって、海成分を抽出した後の島成分
の好適デニールとしては風合いや充実感の点で、0.0
1〜0.0001デニールの範囲が好ましい。これらの
繊維をウェッブとし、ニードルパンチや高速流体流によ
り絡合して不織布とする。不織布の目付は300〜15
00g/m2が好ましく、より好ましくは500〜10
00g/m2であり、300g/m2未満の場合には繊維
量の不足によりゴムライクとなり、1500g/m2
超える場合には柔軟性のない皮革様シートとなる。さら
に厚みは0.8〜4mmが好ましく、より好ましくは1
〜3mmであり、0.8mm未満あるいは4mmを越え
る厚みの場合には、造面した時のバランスが悪く、ゴム
ライクあるいは柔軟性のないものとなる。
【0011】次に繊維絡合不織布に弾性樹脂液を含浸
し、加熱乾燥することでゲル化させるかあるいは弾性樹
脂の非溶剤を含む液に浸漬して湿式凝固することで緻密
な発泡スポンジを形成する。ここで含浸する弾性樹脂と
しては、例えば平均分子量500〜3000のポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネー
トジオールあるいはポリエステルポリエーテルジオール
等の複合ジオール等から選ばれた少なくとも1種類のポ
リマージオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)などの芳香族系、脂環族系、脂肪族系のジイソシア
ネートなどから選ばれた少なくとも1種類のジイソシア
ネートと、2個以上の活性水素原子を有する少なくとも
1種類の低分子化合物で分子量300以下の化合物、例
えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1.4ーブタンジオール、ヘキサンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、キシレングリコール等のジオール類、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ピペラジン、フェニレンジア
ミン、トリレンジアミン等のジアミン類、アジピン酸ヒ
ドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のヒドラジン或
いはヒドラジド類等から選ばれた少なくとも1種類とを
反応させて得たポリウレタンである。特に好ましくは、
1,4−ブタンジオールまたは3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオールを主体とした鎖伸長剤を所定のモル比で
反応させて得たポリウレタンおよびその変性物である。
【0012】またポリエステルエラストマー等の他の弾
性樹脂およびアクリル系等の弾性樹脂であってもよい。
またこれらを混合した重合体組成物でもよい。しかし、
柔軟性、弾性回復性、スポンジ形成性等より上記のポリ
ウレタンが好ましく用いられる。なお不織布に含浸する
際の弾性体のポリマー濃度は10〜50%が好ましく、
ヤング率は1〜15kg/mm2の範囲が好ましい。ま
た上記ポリウレタンとしてポリマージオールと上記低分
子化合物のモル比が1:1〜1:7の範囲であるポリウ
レタンが好ましい。このポリウレタンを溶媒で溶解ある
いは希釈して繊維絡合不織布に含浸する。ここで使用す
る溶媒はジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロ
リドン、ジフェニルスルホン、N,N’−ジメチルイミ
ダゾリノン等であり、特にジメチルホルムアミドが好適
に用いられる。また溶解あるいは希釈したポリウレタン
液中のポリウレタン濃度は5〜30重量%が好ましく、
特に好ましくは10〜20重量%である。
【0013】含浸したポリウレタン液はポリウレタンの
非溶剤中で凝固、脱洗させるか、あるいは乾式法により
ゲル化凝固させた後、パークレンやトリクレンやトルエ
ン等の液中に浸漬することにより多成分繊維(極細繊維
発生型繊維)を極細繊維束状繊維にすることで基体層を
作製する。なお極細化と弾性重合体の含浸は順序を逆に
してもよい。基体層の厚みは得られた皮革様シートの用
途により任意に選択でき、特に限定されるものではない
が、造面層とのバランスの点から好ましくは0.5〜3
mmであり、より好ましくは0.5〜2mmの範囲であ
る。また基体層の比重は好ましくは0.2〜0.7g/
cm3であり、より好ましくは0.3〜0.5g/cm3
の範囲である。基体層を構成する繊維と弾性重合体との
重量比は90:10〜40:60の範囲が好ましい。
【0014】本発明において、表面層(C)を構成する
架橋型弾性重合体樹脂を構成するポリウレタンの種類は
特に限定されず、例えばポリエステル系、ポリエーテル
系、ポリカーボネート系あるいはそれらのブレンドまた
はその変性体等が挙げられるが、耐久性や物性等を考慮
するとポリエーテル系またはポリカーボネート系が好ま
しい。
【0015】表面層(C)を構成する樹脂は、数平均分
子量が2万〜10万の2液型ポリウレタン樹脂(a)と
数平均分子量が13万〜28万の2液型ポリウレタン樹
脂(b)のブレンド物の架橋物であり、ポリウレタン
(a)とポリウレタン(b)のブレンド重量比率(a)
/(b)は0.05〜4が好ましく、0.05未満の場
合には耐擦過傷性、耐摩耗性および滑り性は良いが耐屈
曲性が悪い欠点がある。(a)/(b)が4を越える場
合には最表面のタックが有りすぎて滑り性が悪くなる。
また表面粘着性が大きいためブロッキングが発生すると
いった欠点がある。
【0016】さらに数平均分子量が10万よりも小さい
ポリウレタン樹脂単品で使用すると造面後のタックがか
なりあるため縫製その他の工程通過性に問題があり、数
平均分子量13万以上のポリウレタン樹脂単品で使用す
ると造面後のタックは良好であるが、耐擦過傷性、耐屈
曲性が落ちるといった問題がある。また、数平均分子量
10万〜13万のポリウレタン樹脂単品で使用すると耐
擦過傷性が十分でなく、かつタックが出てくるため縫製
その他の工程通過性に問題がある。
【0017】また数平均分子量10万〜13万のポリウ
レタン樹脂と数平均分子量2万〜10万のポリウレタン
樹脂のブレンドの場合、タックが残るといった欠点があ
り、数平均分子量10万〜13万のポリウレタン樹脂と
数平均分子量13万〜28万のポリウレタン樹脂のブレ
ンドの場合、耐屈曲性が悪くなるといった欠点がある。
また、数平均分子量が2万よりも小さいポリウレタン樹
脂と数平均分子量13万〜28万のポリウレタン樹脂の
ブレンドの場合もタックが残ってしまうという欠点があ
り、数平均分子量が28万よりも大きいポリウレタン樹
脂のブレンドの場合にも耐屈曲性が悪くなってしまう欠
点がある。よってブレンドするポリウレタン樹脂は数平
均分子量が2万〜10万の2液型ポリウレタン樹脂と数
平均分子量が13万〜28万の2液型ポリウレタン樹脂
であり、さらに該ポリウレタンのブレンド樹脂比率(重
量)(a)/(b)は0.05〜4の範囲が好ましく、
より好ましくは(a)/(b)が0.2〜2の割合でブ
レンドされたものである。なお、該ブレンド樹脂はクレ
ームの範囲外の分子量分布をもつ樹脂、例えばポリウレ
タン系の顔料インク等が樹脂全体の20重量%以内で添
加されても効果において左右されるものではない。
【0018】添加するポリイソシアネート硬化剤として
は、トリメチロールプロパン(TMP)とトリレンジイ
ソシアネート(TDI)のアダクト体、TMPと4,
4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)
(HMDI)のアダクト体、TMPとHDIのアダクト
体、TMPとIPDIのアダクト体、HMDIの三量体
等の有機ポリイソシアネートが挙げられる。本発明に用
いられる有機ポリイソシアネートは2種以上の異なる有
機ポリイソシアネートを併用しても良く、特に脂肪族系
または脂環系ポリイソシアネートに芳香族系ポリイソシ
アネートを併用しても良い。添加量はポリウレタン樹脂
溶液に対しポリイソシアネート硬化剤を固形分重量比で
10%より少ないと耐擦過傷性および耐摩耗性が悪くな
り、75%を超えると耐屈曲性が悪くなるため、10〜
75%の範囲が良い。さらに好ましくは、20〜50%
の範囲である。また必要に応じて硬化剤の反応を阻害し
ない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、界
面活性剤、帯電防止剤、難燃剤、粘着防止剤、充填剤等
の各種添加剤やコラーゲン粉末等を添加することもでき
る。
【0019】中間層(D)、接着層(B)を構成するポ
リウレタンの種類は、ポリエステル系、ポリエーテル
系、ポリカーボネート系あるいはそれらのブレンドまた
は変性体があるが、特に限定するものではなく既存のポ
リウレタン樹脂で良い。また、中間層(D)を設ける目
的は、造面層の厚み調整にあり、必ずしも設ける必要は
ない。接着層は、基体層(A)と層(C)を、或いは基
体層(A)と中間層(D)を接着するためのものであ
る。
【0020】コーテイング層の製造方法としては、ポリ
オレフィン系樹脂をコーテイングした離型紙上にポリウ
レタン樹脂(c)を塗布する方法を用いるのが好まし
い。他に最表面にアルキッド系樹脂、アミノアクリレー
ト系樹脂、アクリル系樹脂のコーテイングした離型紙が
あるが、これらの離型紙は本発明において、コーティン
グ樹脂との密着性が良すぎるため剥離しづらいといった
欠点がある。よって、離型紙は最表面コーテイング層が
ポリオレフィン系樹脂によるものが本発明においては好
ましい。
【0021】塗布方法は、離型紙上にナイフコーター、
コンマコーター、ロールコーター、リバースコーター、
ロータリースクリーンコーターなどの手段によって塗布
する方法が用いられる。表面層(C)の乾燥後の厚みは
5μm〜100μm、好ましくは10μm〜50μmで
ある。5μm以下の場合には耐摩耗性が悪くなるという
問題があり、100μmを越える場合には表面が勝ちす
ぎて風合いが悪くなるという問題がある。また乾燥後の
最表面層(C)から接着層(B)までのトータル乾式造
面層の厚みとしては10μm〜200μmが好ましく、
特に50μm〜100μmが好ましい。膜厚が10μm
未満になると塗布ムラが発生する場合があり、膜厚が2
00μmを越えると風合いが硬くなる。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施態様を具体的な実施例によ
り説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の部及び%はことわりのない
限り重量に関するものである。また以下の実施例及び比
較例において、耐擦過傷性、耐摩耗性、耐屈曲性、滑り
性の測定または評価は以下の方法に従って行った。
【0023】〔耐擦過傷性〕耐擦過傷性は、実施例およ
び比較例で得られた皮革様シートに対し、爪で約2kg
の荷重が掛かるように調整して時速約30〜50kmの
スピードでこすった後の白化傷の状態を判定した。白化
傷の状態評価は次に示す通りである。 ○:白化傷無し。 △:白化傷薄く見える。 ×:白化
傷目立つ。
【0024】〔耐摩耗減量〕耐摩耗減量はテーバー磨耗
試験(JIS K7204)に従って測定した。すなわ
ち、実施例および比較例で得られた皮革様シートより直
径12cmの円形の試験片を切り出した。この円形試験
片の造面側に摩耗輪(Hー22)を当て、荷重1kgf
で円形の試験片を1000回転させて摩耗試験を行い、
摩耗試験の前の試験片の重量から摩耗試験後の試験片の
重量を差し引いて、テーバー摩耗量(摩耗によって減少
した重量)mgを求めた。
【0025】〔耐屈曲性〕耐屈曲性は、FLEXO試験
法(JIS K6545)による判定。
【0026】〔滑り性〕滑り性は手で触った感触で、ド
ライタッチの場合が良好、若干タックがある場合をやや
不良、タックがある場合を不良とした。
【0027】実施例1 基体層(A)として、6−ナイロンを100部とポリエ
チレン100部を混合紡糸した後、延伸、捲縮及びカッ
トして、6−ナイロンが島成分となっている4drの原
綿を作製した。この原綿からランダムウエーバーによっ
てウエブを作り、ニードルパンチを行い430g/m2
の絡合不織布を作った。ついでポリビニルアルコール水
溶液に浸漬し、乾燥後更に135℃で熱処理をし、海成
分であるポリエチレンを融着せしめ硬いシートを作っ
た。その後、ポリエチレン・プロピレンアジペートグリ
コール/4、4−ジフェニルメタンジイソシアネート/
エチレングリコールを当量比で1/5/4で重合したポ
リウレタンエラストマーの13%のDMF溶液を含浸し
水70部及びDMF30部よりなる30℃の凝固浴中に
浸漬して湿式凝固した。引き続きこのシートをパークレ
ン中に浸漬して海成分のポリエチレンを抽出し、6−ナ
イロンの極細繊維束(単繊維の平均デニール、0.01
デニール)の絡合内部に多孔質ポリウレタンエラストマ
ーを有する基体層(A)を得た。このシートは目付37
0g/m2、見掛け密度0.35g/cm3、厚み1mm
であった。
【0028】次に乾式造面を行うが、表面層(C)を構
成するポリウレタン樹脂溶液を下記の要領にて作製し
た。2液型ポリウレタン(a)(ポリオール成分として
1,6−ヘキサンポリカーボネートポリオールと、ジイ
ソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネート
(TDI)と、鎖伸長剤としてエチレングリコールから
重合した固形分濃度70%のジメチルホルムアミド(D
MF)溶液、数平均分子量:7万)を10部と2液型ポ
リウレタン(b)(ポリオール成分として1,6−ヘキ
サンポリカーボネートポリオールと、ジイソシアネート
化合物としてトリレンジイソシアネート(TDI)と、
鎖伸長剤としてエチレングリコールから重合した固形分
濃度が30%のDMF溶液、数平均分子量17万)90
部をブレンドした。このブレンドもののブレンド比率は
(a)/(b)が0.26であった。
【0029】このブレンド樹脂(c)100部に対し、
顔料として酸化チタン粉末を6部、ポリイソシアネート
硬化剤(d)(TMPとHDIのアダクト体で固形分濃
度75%酢酸エチル溶液)を15部(ポリウレタン樹脂
に対する硬化剤の固形分比率33%)、硬化促進剤とし
てアミン系触媒(e)(固形分4%)5部、希釈溶剤と
してDMF40部、メチルエチルケトン(MEK)40
部添加し、均一に混合してコーティング液を調整し、離
型紙(旭ロール社製AR−60SG(表面がポリオレフ
ィン系樹脂によりコーテイングしたもの)上にコンマコ
ーターにて100g/m2の塗布量で均一に塗布し、1
00〜130℃の乾燥炉で1分間乾燥して皮膜を得た。
【0030】そしてその上に接着層(B)として2液型
ポリウレタン(a)を100部、酸化チタン粉末を6
部、ポリイソシアネート硬化剤(d)を8部、アミン系
触媒(e)を5部、DMFを15部、MEKを15部添
加し均一に混合して更に表面層上にコンマコーターにて
100g/m2の塗布量で均一に塗布し、70℃の乾燥
炉で1分間乾燥し皮膜を得た。そして、乾燥直後のまだ
粘着性を有する状態で該シート上にドライラミネートに
て前記基体層(A)をプレスして貼り合わせた。その後
60℃で48時間放置してから離型紙をはがし、目的の
皮革様シートを得た。得られたシートは表1に示すとお
り、耐屈曲性、耐擦過傷性および耐摩耗性が優れ、かつ
滑り性の良好なものであった。
【0031】比較例1 実施例1の基体層(A)を使用し、乾式造面を下記の要
領にて行った。表面層を構成するポリウレタン樹脂溶液
として、実施例1に対し2液型ポリウレタン(b)をブ
レンドせずに2液型ポリウレタン(a)100部に対
し、顔料として酸化チタン粉末6部、ポリイソシアネー
ト硬化剤(d)15部、硬化促進剤としてアミン系触媒
(e)5部、希釈溶剤としてDMF40部及びメチルエ
チルケトン(MEK)40部を添加し、均一に混合して
コーテイング液を調整し、前記離型紙上にコンマコータ
ーにてこのコーティング液を100g/m2の塗布量で
均一に塗布し、100〜130℃の乾燥炉で1分間乾燥
して皮膜を得た。
【0032】そして、その上に接着層(B)として、2
液型ポリウレタン(a)100部、酸化チタン粉末6
部、ポリシソシアネート硬化剤(d)8部、アミン系触
媒(e)5部、DMF15部及びMEK15部からなる
均一混合液をコンマコーターにて100g/m2の塗布
量で均一に塗布し、70℃の乾燥炉で1分間乾燥し皮膜
を得た。そして乾燥直後のまだ粘着性を有する状態で該
シートにドライラミネートにて前記基体層(A)にプレ
スして貼り合わせた。その後60℃で48時間放置して
から離型紙を剥がし、皮革様シートを得た。得られたシ
ートは表1に示すとおり、耐屈曲性、耐擦過傷性および
耐摩耗性は良好であるが、滑り性の悪い粘着性のあるタ
ックとなり、目的のシートは得られなかった。
【0033】比較例2 実施例1の基体層(A)を使用し、乾式造面を下記の要
領にて行った。表面層(C)を構成するポリウレタン樹
脂溶液は、前記実施例1に対し2液型ポリウレタン
(a)をブレンドせずに、2液型ポリウレタン(b)1
00部に対し、顔料として酸化チタン粉末6部、ポリイ
ソシアネート硬化剤(d)15部、硬化促進剤としてア
ミン系触媒(e)5部、希釈溶剤としてDMF40部、
メチルエチルケトン(MEK)40部を添加し、均一に
混合してコーテイング液を調整し、前記離型紙上にコン
マコーターにて100g/m2を均一に塗布し、100
〜130℃の乾燥炉で1分間乾燥して皮膜を得た。そし
て、その上に、接着層(B)として、2液型ポリウレタ
ン(a)100部、酸化チタン粉末6部、ポリシソシア
ネート硬化剤(d)8部、アミン系触媒(e)5部、D
MF15部及びMEK15部からなる均一混合液をコン
マコーターにて100g/m2の塗布量で均一に塗布
し、70℃の乾燥炉で1分間乾燥し皮膜を得た。そして
乾燥直後の粘着性を有する状態で該シートにドライラミ
ネートにて前記基体層(A)にプレスして貼り合わせ
た。その後60℃で48時間放置してから離型紙を剥が
し、皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは表1
に示すとおり、耐擦過傷性、耐摩耗性、最表面の滑り性
は良好であるが、耐屈曲性が不良となり、目的のシート
は得られなかった。
【0034】実施例2 実施例1の基体層(A)を使用し、乾式造面を下記の要
領にて行った。表面層を構成するポリウレタン樹脂溶液
は、2液型ポリウレタン(a)を10部と2液型ポリウ
レタン(b)を90部をブレンドした。このブレンドも
のブレンド比率は(a)/(b)が0.26である。こ
のブレンド樹脂(c)100部に対し顔料として酸化チ
タン粉末6部、ポリイソシアネート硬化剤(d)3部
(ポリウレタン樹脂に対する硬化剤の固形分比率6.6
%)とし、硬化剤の添加量は実施例1に対し極めて少な
い量とした。さらに、硬化促進剤としてアミン系触媒
(e)(固形分4%)5部、希釈溶剤としてDMF40
部、メチルエチルケトン(MEK)40部添加し均一に
混合してコーテイング液を調整し、前記離型紙上にコン
マコーターにて100g/mの塗布量で均一に塗布
し、100〜130℃の乾燥炉で1分間乾燥して皮膜を
得た。そして、その上に接着層(B)として2液型ポリ
ウレタン(a)100部、酸化チタン粉末6部、ポリ
ソシアネート硬化剤(d)8部、アミン系触媒(e)5
部、DMF15部、MEK15部からなる均一混合液を
コンマコーターにて100g/mの塗布量で均一に塗
布し、70℃の乾燥炉で1分間乾燥し皮膜を得た。そし
て、乾燥直後の粘着性を有する状態で該シートにドライ
ラミネートにて前記基体層(A)にプレスして貼り合わ
せた。その後60℃で48時間放置してから離型紙をは
がし、目的の皮革様シートを得た。得られたシートは表
1に示すとおり、耐屈曲性は良好であるが、耐擦過傷
性、耐摩耗性および滑り性は必ずしも良くない皮革様シ
ートであった。
【0035】実施例3 実施例1の基体層(A)を使用し、乾式造面を下記の要
領にて行った。表面層を構成するポリウレタン樹脂溶液
は、2液型ポリウレタン(a)を10部と2液型ポリウ
レタン(b)を90部をブレンドした。このブレンドも
ののブレンド比率は(a)/(b)が0.26である。
このブレンド樹脂(c)100部に対し顔料として酸化
チタン粉末6部、ポリイソシアネート硬化剤(d)50
部(ポリウレタン樹脂に対する硬化剤の固形分比率11
0%)とし、硬化剤の添加量は実施例1に対し極めて多
い量とした。さらに、硬化促進剤としてアミン系触媒
(e)(固形分4%)5部、希釈溶剤としてDMF40
部、メチルエチルケトン(MEK)40部を添加し均一
に混合した液を調整し、前記離型紙上にコンマコーター
にて100g/m2の塗布量で均一に塗布し、100〜
130℃の乾燥炉で1分間乾燥して皮膜を得た。そし
て、その上に、接着層(B)として、2液型ポリウレタ
ン(a)100部、酸化チタン粉末6部、ポリイソシア
ネート硬化剤(d)8部、アミン系触媒(e)5部、D
MF15部及びMEK15部からなる均一混合液をコン
マコーターにて100g/m2を均一に塗布し、70℃
の乾燥炉で1分間乾燥し皮膜を得た。そして、乾燥直後
の粘着性を有する状態で該シートにドライラミネートに
て前記基体層(A)にプレスして貼り合わせた。その後
60℃で48時間放置してから離型紙をはがし、目的の
皮革様シートを得た。得られたシートは表1に示すとお
り、耐擦過傷性、耐摩耗性および滑り性は良好である
が、耐屈曲性は十分良好とは言えない皮革様シートであ
った。
【0036】比較例3 実施例1の基体層(A)を使用し、乾式造面を下記の要
領にて行った。表面層(C)を構成するポリウレタン樹
脂溶液として、実施例1に対し2液型ポリウレタン
(f)(ポリオール成分として1,6−ヘキサンポリカ
ーボネートポリオールと、ジイソシアネート化合物とし
てトリレンジイソシアネート(TDI)と鎖伸長剤とし
てエチレングリコールから重合した固形分濃度が70%
のDMF溶液(数平均分子量11万)100部に対し、
顔料として酸化チタン粉末6部、ポリイソシアネート硬
化剤(d)、硬化促進剤としてアミン系触媒(e)5
部、希釈溶剤としてDMF40部、メチルエチルケトン
(MEK)40部を添加し均一に混合したコーテイング
液を前記離型紙上にコンマコーターにて塗布量100g
/m2で均一に塗布し、100〜130℃の乾燥炉で1
分間乾燥して皮膜を得た。そして、その上に接着層
(B)として、2液型ポリウレタン(a)100部、酸
化チタン粉末6部、ポリイソシアネート硬化剤(d)8
部、アミン系触媒(e)5部、DMF15部及びMEK
15部からなる均一溶液をコンマコーターにて塗布量1
00g/m2で均一に塗布し、70℃の乾燥炉で1分間
乾燥し皮膜を得た。そして、乾燥直後のまだ粘着性を有
する状態で該シートにドライラミネートにて前記基体層
(A)にプレスして貼り合わせた。その後60℃で48
時間放置してから離型紙をはがし、皮革様シートを得
た。得られたシートは表1に示すとおり、耐屈曲性、耐
摩耗性は良好であるが耐擦過傷性効果および滑り性効果
が満足されず、目的のシートは得られなかった。
【0037】
【表1】
【0038】総合評価方法においては以下に示した通
り。 ○:良好、 △:やや不良、 ×:不良。
【0039】
【発明の効果】本発明により、最表面の耐擦過性、耐摩
耗性、耐屈曲性および滑り性に優れた皮革様シートが得
られ、本発明の皮革様シートは、スポーツ用品、一般
靴、鞄、バックなどの袋物、衣料および衣料パーツ等に
使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−81275(JP,A) 特開 平5−279967(JP,A) 特開 平5−222681(JP,A) 特開 平5−163684(JP,A) 特開 平5−163682(JP,A) 特開 平2−127574(JP,A) 特開 昭60−173180(JP,A) 特開 昭56−112579(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 3/00 - 3/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維集合体に弾性重合体を主体とした重
    合体を含有した基体層(A)上に、ポリウレタン樹脂を
    主体とする樹脂からなる接着剤層(B)を介して、数平
    均分子量が2万〜10万の2液型ポリウレタン樹脂
    (a)と数平均分子量が13万〜28万の2液型ポリウ
    レタン樹脂(b)が、ポリイソシアネート系硬化剤によ
    り架橋された樹脂からなる層(C)が積層されている皮
    革様シート。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン(a)とポリウレタン
    (b)のブレンド重量比が0.05〜4である請求項1
    記載の皮革様シート。
  3. 【請求項3】 層(C)と接着剤層(B)との間にポリ
    ウレタン中間層(D)が設けられている請求項1記載の
    皮革様シート。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が2万〜10万の2液型ポ
    リウレタン樹脂(a)と数平均分子量が13万〜28万
    の2液型ポリウレタン樹脂(b)および該樹脂(a)と
    (b)の合計重量に対して固形分比10〜75重量%の
    ポリイソシアネート硬化剤を含むポリウレタン樹脂を離
    型紙上に塗布し、乾燥して層(C)を形成した後、接着
    層(B)を介して、繊維集合体に弾性重合体を主体とし
    た重合体を含有した基体層(A)に貼着し硬化反応を行
    わせた後、該離型紙を剥離することを特徴とする皮革様
    シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリウレタン(a)とポリウレタン
    (b)のブレンド重量比が0.05〜4の割合である請
    求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 離型紙の最表面コーテイング層をポリオ
    レフィン系にしたものである請求項4記載の製造方法。
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