JP3406347B2 - 有機焦電・圧電体の製造方法およびその製造装置 - Google Patents
有機焦電・圧電体の製造方法およびその製造装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焦電センサー、赤外線
検出器や、加速センサー、流量センサー、圧力センサー
等の圧電センサー、或いはトランジューサー等にその焦
電性や圧電性を利用して用いる有機焦電・圧電体の製造
方法および、有機焦電・圧電体の製造装置に関する。
検出器や、加速センサー、流量センサー、圧力センサー
等の圧電センサー、或いはトランジューサー等にその焦
電性や圧電性を利用して用いる有機焦電・圧電体の製造
方法および、有機焦電・圧電体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上に積層状に配設された例え
ばアルミニウムから成る対向電極間に分極処理(ポーリ
ング処理ともいう)が施されたポリ尿素から成るポリマ
ー膜を介在させた有機焦電・圧電体の製造方法として
は、真空中で、基板上に下部電極、ポリ尿素膜、上部電
極の順に積層して積層体に形成し、或いは更にこの積層
工程を数回行って多層構造の積層体に形成する。
ばアルミニウムから成る対向電極間に分極処理(ポーリ
ング処理ともいう)が施されたポリ尿素から成るポリマ
ー膜を介在させた有機焦電・圧電体の製造方法として
は、真空中で、基板上に下部電極、ポリ尿素膜、上部電
極の順に積層して積層体に形成し、或いは更にこの積層
工程を数回行って多層構造の積層体に形成する。
【0003】そして、該積層体を大気中、或いは例えば
窒素ガス雰囲気中でボリマー膜の上下の電極間に例えば
100MV/mの電界を印加した状態で室温からガラス
転移点以上の温度まで昇温し、一定時間該温度を保持し
た後、室温まで降温してポリマー膜に分極処理を施す方
法、或いは基板(導電性を付与してある)上にポリマー
膜を成膜後、大気中、或いは例えば窒素ガス雰囲気中で
基板と針間に例えば10KV/cmの電界を印加した状
態で室温からガラス転移点以上の温度まで昇温し、一定
時間該温度を保持した後、室温まで降温してポリマー膜
に分極処理を施すコロナポーリング法が知られている。
窒素ガス雰囲気中でボリマー膜の上下の電極間に例えば
100MV/mの電界を印加した状態で室温からガラス
転移点以上の温度まで昇温し、一定時間該温度を保持し
た後、室温まで降温してポリマー膜に分極処理を施す方
法、或いは基板(導電性を付与してある)上にポリマー
膜を成膜後、大気中、或いは例えば窒素ガス雰囲気中で
基板と針間に例えば10KV/cmの電界を印加した状
態で室温からガラス転移点以上の温度まで昇温し、一定
時間該温度を保持した後、室温まで降温してポリマー膜
に分極処理を施すコロナポーリング法が知られている。
【0004】また、ポリマー膜の出発原料としてポリフ
ッ化ビニリデン系の高分子材料を用い、該高分子材料を
真空中で所定温度に加熱された金属製基板またはAu、
Al等を蒸着したガラス基板(導電性を付与してある)
と針状または網状電極の間に例えば10KV/cmの電
界を印加した状態で該高分子原料を蒸発させて、基板上
に蒸着して直接ポリマー膜を形成する方法(電場アシス
トまたは電場中蒸着法)が知られている。
ッ化ビニリデン系の高分子材料を用い、該高分子材料を
真空中で所定温度に加熱された金属製基板またはAu、
Al等を蒸着したガラス基板(導電性を付与してある)
と針状または網状電極の間に例えば10KV/cmの電
界を印加した状態で該高分子原料を蒸発させて、基板上
に蒸着して直接ポリマー膜を形成する方法(電場アシス
トまたは電場中蒸着法)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法のうち、ポリマー膜形成後に分極処理をする方法の場
合は、真空中で基板上に下部電極、ポリマー膜、上部電
極の順に積層して積層体に形成、或いは更にこの積層工
程を複数回行って多層構造の積層体を形成した後、真空
室から電極とポリマー膜の積層体を一旦取り出した後、
ポリマー膜に分極処理を施すため、一つの基板上に複数
のポリマー膜を複数の対向電極間に介在させて配設され
た積層体を製造する際は、夫々の電極の全てから引出し
電極を配線した後、ポリマー膜に一度に分極処理を施す
ため、複数のポリマー膜のうちのいずれか1層が引出電
極の配線時に導電した場合には全てのポリマー膜に分極
処理を施すことが出来ないという問題があり、また、ポ
リマー膜への導電を防止するために複数のポリマー膜に
対してその膜形成毎に分極処理を施す場合は、ポリマー
膜への分極処理に長時間要して生産性が低いという問題
がある。
法のうち、ポリマー膜形成後に分極処理をする方法の場
合は、真空中で基板上に下部電極、ポリマー膜、上部電
極の順に積層して積層体に形成、或いは更にこの積層工
程を複数回行って多層構造の積層体を形成した後、真空
室から電極とポリマー膜の積層体を一旦取り出した後、
ポリマー膜に分極処理を施すため、一つの基板上に複数
のポリマー膜を複数の対向電極間に介在させて配設され
た積層体を製造する際は、夫々の電極の全てから引出し
電極を配線した後、ポリマー膜に一度に分極処理を施す
ため、複数のポリマー膜のうちのいずれか1層が引出電
極の配線時に導電した場合には全てのポリマー膜に分極
処理を施すことが出来ないという問題があり、また、ポ
リマー膜への導電を防止するために複数のポリマー膜に
対してその膜形成毎に分極処理を施す場合は、ポリマー
膜への分極処理に長時間要して生産性が低いという問題
がある。
【0006】また、前記方法のうち、コロナポーリング
法の場合は、前記方法と異なり、一度に全てのポリマー
膜に分極処理を施すことが出来るが、成膜後に真空室か
ら積層体を取り出し、これに分極処理を施した後、最外
側のポリマー膜上に上部電極を蒸着等の手段により取付
けなければならないため、分極処理工程の前後にポリマ
ー膜に粉塵が付着しやすく、粉塵が付着した焦電圧電体
はポリマー膜に絶縁破壊を起こしやすく、有機焦電圧電
体の製品の歩留まりが低下するという問題がある。
法の場合は、前記方法と異なり、一度に全てのポリマー
膜に分極処理を施すことが出来るが、成膜後に真空室か
ら積層体を取り出し、これに分極処理を施した後、最外
側のポリマー膜上に上部電極を蒸着等の手段により取付
けなければならないため、分極処理工程の前後にポリマ
ー膜に粉塵が付着しやすく、粉塵が付着した焦電圧電体
はポリマー膜に絶縁破壊を起こしやすく、有機焦電圧電
体の製品の歩留まりが低下するという問題がある。
【0007】また、前記方法のうち、電場中蒸着法の場
合は、基板と基板の前面に配置された針状または網状電
極に所定電圧を印加しながらポリマー膜の原料を蒸着さ
せて成膜する方法のため、基板上にポリマー膜の成膜と
同時に分極処理を施すことが出来るが、基板の前面に針
状または網状電極が配置されているため、成膜されたポ
リマー膜に電極のかげが生じやすく、膜厚、膜質等に均
一性のあるポリマー膜を形成することが出来ず、また、
基板と電極の間が真空のため印加する電界を十分に大き
くすることが出来ないから、大面積の焦電圧電体を製造
することが出来ないという問題があり、また、基板上に
形成されたポリマー膜は焦電圧電性は有するものの耐熱
性、絶縁性が低く、焦電圧電体としての実用性に問題が
ある。
合は、基板と基板の前面に配置された針状または網状電
極に所定電圧を印加しながらポリマー膜の原料を蒸着さ
せて成膜する方法のため、基板上にポリマー膜の成膜と
同時に分極処理を施すことが出来るが、基板の前面に針
状または網状電極が配置されているため、成膜されたポ
リマー膜に電極のかげが生じやすく、膜厚、膜質等に均
一性のあるポリマー膜を形成することが出来ず、また、
基板と電極の間が真空のため印加する電界を十分に大き
くすることが出来ないから、大面積の焦電圧電体を製造
することが出来ないという問題があり、また、基板上に
形成されたポリマー膜は焦電圧電性は有するものの耐熱
性、絶縁性が低く、焦電圧電体としての実用性に問題が
ある。
【0008】本発明はかかる問題点を解消し、耐熱性、
絶縁性に優れた焦電圧電性を有し、均一な膜厚で膜質を
有する大面積のポリ尿素膜を極めて簡単に基板上に形成
することが出来る有機焦電・圧電体の製造方法、および
その製造装置を提供することを目的とする。
絶縁性に優れた焦電圧電性を有し、均一な膜厚で膜質を
有する大面積のポリ尿素膜を極めて簡単に基板上に形成
することが出来る有機焦電・圧電体の製造方法、および
その製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の有機焦電圧電体
の製造方法は、真空中でポリ尿素樹脂の原料モノマーを
蒸発させ、これを基板上で蒸着重合させてポリ尿素膜か
ら成る有機焦電・圧電体の製造方法において、基板に正
バイアス電圧を印加すると共に、電子供給源から基板に
向かって電子を照射しながら、基板上で前記の原料モノ
マーの蒸着重合を行うことを特徴とする。
の製造方法は、真空中でポリ尿素樹脂の原料モノマーを
蒸発させ、これを基板上で蒸着重合させてポリ尿素膜か
ら成る有機焦電・圧電体の製造方法において、基板に正
バイアス電圧を印加すると共に、電子供給源から基板に
向かって電子を照射しながら、基板上で前記の原料モノ
マーの蒸着重合を行うことを特徴とする。
【0010】また、有機焦電圧電体の製造装置は、真空
処理室内にポリ尿素樹脂の原料モノマーを蒸発させる蒸
発源と、該蒸発源から蒸発せる原料モノマーの蒸着重合
でポリ尿素膜から成る有機焦電・圧電体の薄膜を形成さ
せる基板とを互いに対向させて配置した有機焦電・圧電
体の製造装置において、真空処理室内に該基板に向けて
電子を放出し、照射する電子供給源を設けたことを特徴
とする。
処理室内にポリ尿素樹脂の原料モノマーを蒸発させる蒸
発源と、該蒸発源から蒸発せる原料モノマーの蒸着重合
でポリ尿素膜から成る有機焦電・圧電体の薄膜を形成さ
せる基板とを互いに対向させて配置した有機焦電・圧電
体の製造装置において、真空処理室内に該基板に向けて
電子を放出し、照射する電子供給源を設けたことを特徴
とする。
【0011】
【作用】真空中でポリ尿素樹脂の原料モノマーを蒸発さ
せると、原料モノマーの蒸気は基板上に蒸着し、重合に
より基板上にポリ尿素膜が形成される。その際、電界が
ない場合は基板上に形成されるポリ尿素膜中の双極子
(尿素結合)は任意の方向を向いているため形成された
ポリ尿素膜に分極処理が必要である。
せると、原料モノマーの蒸気は基板上に蒸着し、重合に
より基板上にポリ尿素膜が形成される。その際、電界が
ない場合は基板上に形成されるポリ尿素膜中の双極子
(尿素結合)は任意の方向を向いているため形成された
ポリ尿素膜に分極処理が必要である。
【0012】本発明では、基板上へのポリ尿素の原料モ
ノマーの蒸着重合時には電界が存在するから、電子供給
源より放出された電子は基板に向かって照射される。こ
の状態で基板上にポリ尿素膜を形成すると、ポリ尿素は
誘電体であるために、膜表面に電子が帯電し、帯電した
電子と基板との間、即ち、ポリ尿素の膜厚に電界がかか
り、この電界でポリ尿素に双極子の配向が起こり、分極
され、その結果、形成されたポリ尿素膜に焦電圧電性が
生じる。
ノマーの蒸着重合時には電界が存在するから、電子供給
源より放出された電子は基板に向かって照射される。こ
の状態で基板上にポリ尿素膜を形成すると、ポリ尿素は
誘電体であるために、膜表面に電子が帯電し、帯電した
電子と基板との間、即ち、ポリ尿素の膜厚に電界がかか
り、この電界でポリ尿素に双極子の配向が起こり、分極
され、その結果、形成されたポリ尿素膜に焦電圧電性が
生じる。
【0013】
【実施例】以下添付図面に従って本発明の実施例につい
て説明する。
て説明する。
【0014】先ず、本発明の有機焦電・圧電体の製造装
置について説明する。
置について説明する。
【0015】図1は本発明の有機焦電・圧電体の製造装
置の1例を示すもので、図中、1は真空処理室を示す。
該真空処理室1内を外部の真空ポンプその他の真空排気
系2に接続すると共に、真空処理室1内の上方に有機焦
電・圧電体の蒸着膜を形成せしめるべき基板3を保持す
る基板ホルダー4を配置した。
置の1例を示すもので、図中、1は真空処理室を示す。
該真空処理室1内を外部の真空ポンプその他の真空排気
系2に接続すると共に、真空処理室1内の上方に有機焦
電・圧電体の蒸着膜を形成せしめるべき基板3を保持す
る基板ホルダー4を配置した。
【0016】また、真空処理室1内の下方に前記基板3
に対向させて焦電・圧電体のポリ尿素膜の一方の原料モ
ノマーA(例えばジアミン)、および他方の原料モノマ
ーB(例えばジイソシアナート)を蒸発させるためのガ
ラス製、或いは銅製容器から成る蒸発源5,6を配設
し,夫々の蒸発源5,6近傍に配置したヒーター7,8
で前記原料モノマーA,Bを夫々所定温度に加熱出来る
ようにした。
に対向させて焦電・圧電体のポリ尿素膜の一方の原料モ
ノマーA(例えばジアミン)、および他方の原料モノマ
ーB(例えばジイソシアナート)を蒸発させるためのガ
ラス製、或いは銅製容器から成る蒸発源5,6を配設
し,夫々の蒸発源5,6近傍に配置したヒーター7,8
で前記原料モノマーA,Bを夫々所定温度に加熱出来る
ようにした。
【0017】そして、図1に示す装置では、基板ホルダ
ー4内を循環パイプ9を介して循環ポンプ10に接続す
ると共に、該循環ポンプ10で一定温度の液体(例えば
温度25℃の恒温水、或いはエチルアルコールのような
冷媒)を基板ホルダー4内に循環させて基板ホルダー4
に保持される基板3を所定温度に維持出来るようにし
た。
ー4内を循環パイプ9を介して循環ポンプ10に接続す
ると共に、該循環ポンプ10で一定温度の液体(例えば
温度25℃の恒温水、或いはエチルアルコールのような
冷媒)を基板ホルダー4内に循環させて基板ホルダー4
に保持される基板3を所定温度に維持出来るようにし
た。
【0018】また、基板ホルダー4を直流電源11に接
続し、基板ホルダー4に保持された基板3に正のバイア
ス電圧を印加出来るようにした。
続し、基板ホルダー4に保持された基板3に正のバイア
ス電圧を印加出来るようにした。
【0019】また、蒸発源5,6の上方近傍であって、
各蒸発源5,6で加熱されて蒸発する原料モノマーA,
Bの蒸気の基板3方向への蒸発に影響のない位置に、タ
ングステン、白金等の電子を放出するためのフィラメン
ト状の電子供給源12を配置すると共に、電子供給源1
2を前記直流電源11に配線13を介して接続し、該配
線13中に電流計14と、電圧計15を夫々配設した。
各蒸発源5,6で加熱されて蒸発する原料モノマーA,
Bの蒸気の基板3方向への蒸発に影響のない位置に、タ
ングステン、白金等の電子を放出するためのフィラメン
ト状の電子供給源12を配置すると共に、電子供給源1
2を前記直流電源11に配線13を介して接続し、該配
線13中に電流計14と、電圧計15を夫々配設した。
【0020】そして、直流電源11より基板3に100
V程度の正のバイアス電圧を印加すると共に、電子供給
源12から基板3に電子を照射して、基板3と電子供給
源12との間に直流電界を生じせしめ、基板3上に前記
蒸発源5,6で加熱され蒸発する原料モノマーA,Bの
蒸気の蒸着、重合中に分極処理を施して双極子が一定方
向に配向されたポリ尿素膜から成る有機焦電・圧電体を
得るようにした。この場合、基板3と電子供給源12間
に印加する直流電界は、基板3上に形成する膜厚に対応
させて設定するが、膜厚1μmに対して、直流電源11
よりの電圧を50〜100V程度とし、電流計14が1
〜数μA/cm2(基板の表面積)程度を示すように電
圧計15で印加する電界をコントロールするようにし
た。
V程度の正のバイアス電圧を印加すると共に、電子供給
源12から基板3に電子を照射して、基板3と電子供給
源12との間に直流電界を生じせしめ、基板3上に前記
蒸発源5,6で加熱され蒸発する原料モノマーA,Bの
蒸気の蒸着、重合中に分極処理を施して双極子が一定方
向に配向されたポリ尿素膜から成る有機焦電・圧電体を
得るようにした。この場合、基板3と電子供給源12間
に印加する直流電界は、基板3上に形成する膜厚に対応
させて設定するが、膜厚1μmに対して、直流電源11
よりの電圧を50〜100V程度とし、電流計14が1
〜数μA/cm2(基板の表面積)程度を示すように電
圧計15で印加する電界をコントロールするようにし
た。
【0021】図中、16は基板3と両蒸発源5,6の間
に介在させたシャッター、17は両蒸発源5,6の間に
設けた仕切板、18はアースを夫々示す。
に介在させたシャッター、17は両蒸発源5,6の間に
設けた仕切板、18はアースを夫々示す。
【0022】次に前記図示装置を用いて、本発明方法の
有機焦電・圧電体の製造方法の具体的実施例を対比例と
共に説明する。
有機焦電・圧電体の製造方法の具体的実施例を対比例と
共に説明する。
【0023】実施例1
本実施例では基板3は厚さ0.2μmのアルミニウムの
下部電極を蒸着した50mm×40mm×厚さ25μm(基
板面積20cm2)のポリイミドフィルムを用い、基板
3のフィルム側を銅製の基板ホルダー4に密着保持し、
基板3のアルミニウムの下部電極に直流電源11の陽極
側を接続し、電子供給源12に直流電源11の陰極側を
接続し、基板3と電子供給源12との間隔を5cmと
し、両者3,12間に基板3側を正として、基板単位面
積当たり2μA/cm2の電流を加えて膜厚1μmに対
して100V程度の電界を印加するようにした。
下部電極を蒸着した50mm×40mm×厚さ25μm(基
板面積20cm2)のポリイミドフィルムを用い、基板
3のフィルム側を銅製の基板ホルダー4に密着保持し、
基板3のアルミニウムの下部電極に直流電源11の陽極
側を接続し、電子供給源12に直流電源11の陰極側を
接続し、基板3と電子供給源12との間隔を5cmと
し、両者3,12間に基板3側を正として、基板単位面
積当たり2μA/cm2の電流を加えて膜厚1μmに対
して100V程度の電界を印加するようにした。
【0024】先ず、真空処理室1内の蒸発源5内にポリ
尿素膜の一方の原料モノマーAとして4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン(以下原料モノマーAという)を、
蒸発源6内にポリ尿素膜の他方の原料モノマーBとして
4,4′−ジイソシアナートジフェニルメタン(以下原
料モノマーBという)を夫々充填し、シャッター16を
閉じた状態で真空処理室1内の圧力を真空排気系2によ
り2×10-3Paに設定した。
尿素膜の一方の原料モノマーAとして4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン(以下原料モノマーAという)を、
蒸発源6内にポリ尿素膜の他方の原料モノマーBとして
4,4′−ジイソシアナートジフェニルメタン(以下原
料モノマーBという)を夫々充填し、シャッター16を
閉じた状態で真空処理室1内の圧力を真空排気系2によ
り2×10-3Paに設定した。
【0025】次に、原料モノマーAを蒸発源5で110
±0.2℃に、また原料モノマーBを蒸発源6で71±
0.2℃に夫々加熱した。
±0.2℃に、また原料モノマーBを蒸発源6で71±
0.2℃に夫々加熱した。
【0026】また、基板ホルダー4内に循環ポンプ10
より水から成る温冷媒を循環パイプ9を介して循環させ
て基板3を温度50℃に維持せしめた。
より水から成る温冷媒を循環パイプ9を介して循環させ
て基板3を温度50℃に維持せしめた。
【0027】次いで、原料モノマーAおよび原料モノマ
ーBが所定温度に達した時点で、シャッター16を開
き、原料モノマーA,Bを0.5〜1Å/secの析出
速度で蒸発させて基板3上に蒸着させると共に、前記電
界を印加しながら蒸着物に重合を起こさせて厚さ500
0Åのポリ尿素膜を形成した。
ーBが所定温度に達した時点で、シャッター16を開
き、原料モノマーA,Bを0.5〜1Å/secの析出
速度で蒸発させて基板3上に蒸着させると共に、前記電
界を印加しながら蒸着物に重合を起こさせて厚さ500
0Åのポリ尿素膜を形成した。
【0028】尚、原料モノマーA,Bは化学量論的にポ
リ尿素膜が形成されるように蒸発量の調整によって1:
1のモル比で蒸発するようにした。また、原料モノマー
A,Bの蒸発時における真空処理室1内の圧力は1×1
0-3Paとした。
リ尿素膜が形成されるように蒸発量の調整によって1:
1のモル比で蒸発するようにした。また、原料モノマー
A,Bの蒸発時における真空処理室1内の圧力は1×1
0-3Paとした。
【0029】基板3にポリ尿素膜を形成後、該ポリ尿素
膜上に真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(厚さ0.
2μm)してこれを上部電極とした。
膜上に真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(厚さ0.
2μm)してこれを上部電極とした。
【0030】そして、ポリ尿素膜と上部電極が形成され
た下部電極付き基板を真空処理室1内より取り出した
後、上部電極および下部電極から夫々リード線を引き出
し、常法により焦電率および圧電率を調べ、その結果を
表1に示した。
た下部電極付き基板を真空処理室1内より取り出した
後、上部電極および下部電極から夫々リード線を引き出
し、常法により焦電率および圧電率を調べ、その結果を
表1に示した。
【0031】対比例1
原料モノマーA,Bの蒸着、重合中に基板3への正のバ
イアス電圧の印加、および電子供給源12からの電子の
照射を一切行わなかった以外は前記実施例1と同様の方
法で基板3上にポリ尿素膜を形成し、該ポリ尿素膜上に
上部電極を形成した。
イアス電圧の印加、および電子供給源12からの電子の
照射を一切行わなかった以外は前記実施例1と同様の方
法で基板3上にポリ尿素膜を形成し、該ポリ尿素膜上に
上部電極を形成した。
【0032】そして、ポリ尿素膜(バイアス電圧の印加
および電子の照射なし)と上部電極が形成された下部電
極付き基板を真空処理室1内より取り出した後、窒素雰
囲気中で上下電極間、即ちポリ尿素膜に50Vの直流を
印加した状態で温度180℃に加熱し、該温度を10分
間維持した後、印加と、加熱を停止し、ポリ尿素膜の温
度を180℃から室温まで徐冷してポリ尿素膜にポーリ
ング処理を施した。
および電子の照射なし)と上部電極が形成された下部電
極付き基板を真空処理室1内より取り出した後、窒素雰
囲気中で上下電極間、即ちポリ尿素膜に50Vの直流を
印加した状態で温度180℃に加熱し、該温度を10分
間維持した後、印加と、加熱を停止し、ポリ尿素膜の温
度を180℃から室温まで徐冷してポリ尿素膜にポーリ
ング処理を施した。
【0033】ポーリング処理を施した後、上部電極およ
び下部電極から夫々リード線を引き出し、常法により焦
電率および圧電率を調べ、その結果を表1に示した。
び下部電極から夫々リード線を引き出し、常法により焦
電率および圧電率を調べ、その結果を表1に示した。
【0034】対比例2
原料モノマーA,Bの蒸着、重合中に基板3への正のバ
イアス電圧の印加、および電子供給源12からの電子の
照射を一切行わなかった以外は前記実施例1と同様の方
法で基板3上にポリ尿素膜を形成した。
イアス電圧の印加、および電子供給源12からの電子の
照射を一切行わなかった以外は前記実施例1と同様の方
法で基板3上にポリ尿素膜を形成した。
【0035】そして、ポリ尿素膜(バイアス電圧の印加
および電子の照射なし)が形成された下部電極付き基板
を真空処理室1内より取り出した後、電源に接続せる針
状電極に2cmの間隔を存して基板上に形成されたポリ
尿素膜側を対向させ、基板の下部電極にも電源を接続
し、大気中で針状電極と下電極間に電界10KVの電圧
を印加した状態で、温度180℃に加熱し、該温度を1
0分間維持した後、印加と、加熱を停止し、ポリ尿素膜
の温度を180℃から室温まで徐冷してポリ尿素膜にコ
ロナポーリング処理を施した。
および電子の照射なし)が形成された下部電極付き基板
を真空処理室1内より取り出した後、電源に接続せる針
状電極に2cmの間隔を存して基板上に形成されたポリ
尿素膜側を対向させ、基板の下部電極にも電源を接続
し、大気中で針状電極と下電極間に電界10KVの電圧
を印加した状態で、温度180℃に加熱し、該温度を1
0分間維持した後、印加と、加熱を停止し、ポリ尿素膜
の温度を180℃から室温まで徐冷してポリ尿素膜にコ
ロナポーリング処理を施した。
【0036】コロナポーリング処理を施した後、ポリ尿
素膜上に真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(厚さ
0.2μm)して上部電極を形成した。
素膜上に真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(厚さ
0.2μm)して上部電極を形成した。
【0037】そして、上部電極および下部電極から夫々
リード線を引き出し、常法により焦電率および圧電率を
調べ、その結果を表1に示した。
リード線を引き出し、常法により焦電率および圧電率を
調べ、その結果を表1に示した。
【0038】対比例3
原料モノマーA,Bの蒸着、重合中に基板3への正のバ
イアス電圧の印加、および電子供給源12からの電子の
照射を一切行わなかった以外は前記実施例1と同様の方
法で基板3上にポリ尿素膜を形成し、該ポリ尿素膜上に
上部電極を形成した。
イアス電圧の印加、および電子供給源12からの電子の
照射を一切行わなかった以外は前記実施例1と同様の方
法で基板3上にポリ尿素膜を形成し、該ポリ尿素膜上に
上部電極を形成した。
【0039】そして、ポリ尿素膜(バイアス電圧の印加
および電子の照射なし)と上部電極が形成された下部電
極付き基板を真空処理室1内より取り出した後、上部電
極および下部電極から夫々リード線を引き出し、常法に
より焦電率および圧電率を調べ、その結果を表1に示し
た。
および電子の照射なし)と上部電極が形成された下部電
極付き基板を真空処理室1内より取り出した後、上部電
極および下部電極から夫々リード線を引き出し、常法に
より焦電率および圧電率を調べ、その結果を表1に示し
た。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、実施例1の焦電
率および圧電率が、成膜後ポーリング処理を施した対比
例1、成膜後コロナポーリング処理を施した対比例2の
夫々の焦電率および圧電率のおおよそ70%の値を示し
ており、このことは成膜中のポリ尿素膜に確実にポーリ
ング処理を施すことが出来て、成膜後にポリ尿素膜への
ポーリング処理、即ち分極処理を施さなくてもよいこと
が確認された。
率および圧電率が、成膜後ポーリング処理を施した対比
例1、成膜後コロナポーリング処理を施した対比例2の
夫々の焦電率および圧電率のおおよそ70%の値を示し
ており、このことは成膜中のポリ尿素膜に確実にポーリ
ング処理を施すことが出来て、成膜後にポリ尿素膜への
ポーリング処理、即ち分極処理を施さなくてもよいこと
が確認された。
【0042】また、実施例1の有機焦電・圧電体は18
0℃まで安定した特性が得られており、実用性に何ら問
題がないことが確認された。
0℃まで安定した特性が得られており、実用性に何ら問
題がないことが確認された。
【0043】前述のように、基板に正バイアス電圧が印
加されているから、基板近傍に電界が生じ、電子供給源
から放出された電子は該電界により基板に照射され、こ
の状態でポリ尿素が成膜されるとポリ尿素は誘電体であ
るために膜表面に電子が帯電する。事実、ポリ尿素膜の
成長につれて膜厚が厚くなると、当初1μA/cm2あ
つた電流は0に近づき、最後には電流は流れなくなる。
帯電した電子と基板との間、即ちポリ尿素の膜厚に電界
がかかり、この電界でポリ尿素が分極される。例えば電
子供給源と基板間に100V印加した場合、最終的にポ
リ尿素を1μm成膜すると100V/1μm=100M
V/mの電界がかかることになる。この電界を強めるこ
とは容易である。
加されているから、基板近傍に電界が生じ、電子供給源
から放出された電子は該電界により基板に照射され、こ
の状態でポリ尿素が成膜されるとポリ尿素は誘電体であ
るために膜表面に電子が帯電する。事実、ポリ尿素膜の
成長につれて膜厚が厚くなると、当初1μA/cm2あ
つた電流は0に近づき、最後には電流は流れなくなる。
帯電した電子と基板との間、即ちポリ尿素の膜厚に電界
がかかり、この電界でポリ尿素が分極される。例えば電
子供給源と基板間に100V印加した場合、最終的にポ
リ尿素を1μm成膜すると100V/1μm=100M
V/mの電界がかかることになる。この電界を強めるこ
とは容易である。
【0044】
【発明の効果】このように本発明の有機焦電・圧電体の
製造方法によるときは、基板上へのポリ尿素の原料モノ
マーの蒸着、重合を基板に正のバイアス電圧を印加し、
基板に向かって電子を照射しながら行うようにしたの
で、蒸着重合と同時に形成されるポリ尿素膜に双極子の
配向が起こって耐熱性、絶縁性に優れた焦電圧電性を有
し、針状または網状の電極によるかげが生じることな
く、均一な膜厚で膜質を有する大面積のポリ尿素膜から
成る有機焦電・圧電体を容易にかつ効率良く製造するこ
とが出来る効果がある。
製造方法によるときは、基板上へのポリ尿素の原料モノ
マーの蒸着、重合を基板に正のバイアス電圧を印加し、
基板に向かって電子を照射しながら行うようにしたの
で、蒸着重合と同時に形成されるポリ尿素膜に双極子の
配向が起こって耐熱性、絶縁性に優れた焦電圧電性を有
し、針状または網状の電極によるかげが生じることな
く、均一な膜厚で膜質を有する大面積のポリ尿素膜から
成る有機焦電・圧電体を容易にかつ効率良く製造するこ
とが出来る効果がある。
【0045】また、本発明の有機焦電・圧電体の製造装
置によるときは、真空処理室内に基板に向かって電子を
照射する電子供給源を配置したから、従来装置のような
蒸発源と基板との間に針状または網状の電極がないか
ら、電極によるかげが生じることなく、耐熱性、絶縁性
に優れた焦電圧電性を有し、均一な膜厚で膜質の大面積
の有機焦電・圧電体を容易にかつ効率良く製造すること
が出来る製造装置を提供する効果がある。
置によるときは、真空処理室内に基板に向かって電子を
照射する電子供給源を配置したから、従来装置のような
蒸発源と基板との間に針状または網状の電極がないか
ら、電極によるかげが生じることなく、耐熱性、絶縁性
に優れた焦電圧電性を有し、均一な膜厚で膜質の大面積
の有機焦電・圧電体を容易にかつ効率良く製造すること
が出来る製造装置を提供する効果がある。
【図1】 本発明の有機焦電・圧電体を製造する装置の
1例の説明線図。
1例の説明線図。
1 真空処理室、 2 真空排気系、 3
基板、4 基板ホルダー、 5,6 蒸発源、
11 電源、12 電子供給源、 A,B 原
料モノマー。
基板、4 基板ホルダー、 5,6 蒸発源、
11 電源、12 電子供給源、 A,B 原
料モノマー。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C23C 14/00 - 14/58
H01L 35/00 - 37/04
H01L 41/00 - 41/26
JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 真空中でポリ尿素樹脂の原料モノマーを
蒸発させ、これを基板上で蒸着重合させてポリ尿素膜か
ら成る有機焦電・圧電体の製造方法において、基板に正
バイアス電圧を印加すると共に、電子供給源から基板に
向かって電子を照射しながら、基板上で前記の原料モノ
マーの蒸着重合を行うことを特徴とする有機焦電・圧電
体の製造方法。 - 【請求項2】 真空処理室内にポリ尿素樹脂の原料モノ
マーを蒸発させる蒸発源と、該蒸発源から蒸発せる原料
モノマーの蒸着重合でポリ尿素膜から成る有機焦電・圧
電体の薄膜を形成させる基板とを互いに対向させて配置
した有機焦電・圧電体の製造装置において、真空処理室
内に該基板に向けて電子を放出し、照射する電子供給源
を設けたことを特徴とする有機焦電・圧電体の製造装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14782593A JP3406347B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 有機焦電・圧電体の製造方法およびその製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14782593A JP3406347B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 有機焦電・圧電体の製造方法およびその製造装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0711424A JPH0711424A (ja) | 1995-01-13 |
| JP3406347B2 true JP3406347B2 (ja) | 2003-05-12 |
Family
ID=15439090
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14782593A Expired - Fee Related JP3406347B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 有機焦電・圧電体の製造方法およびその製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3406347B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4010380B2 (ja) | 1997-08-08 | 2007-11-21 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 車両制御装置及びプログラムを記録した記録媒体 |
| JP4979048B2 (ja) * | 2000-03-15 | 2012-07-18 | 大日本印刷株式会社 | バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 |
| WO2007129643A1 (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-15 | Japan Advanced Institute Of Science And Technology | 有機半導体材料を用いた電界効果トランジスタおよびその製造方法 |
| WO2008007551A1 (en) * | 2006-07-10 | 2008-01-17 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | Process for formation of piezoelectric synthetic resin films |
| JP4797843B2 (ja) * | 2006-07-11 | 2011-10-19 | コニカミノルタエムジー株式会社 | 圧電性合成樹脂膜の形成方法 |
| JP4868475B1 (ja) * | 2011-06-20 | 2012-02-01 | ムネカタ株式会社 | 圧電・焦電性膜の形成方法及び形成装置 |
| WO2017069221A1 (ja) * | 2015-10-22 | 2017-04-27 | 東京エレクトロン株式会社 | 膜形成装置及び膜形成方法 |
| TWI717651B (zh) * | 2018-11-06 | 2021-02-01 | 馗鼎奈米科技股份有限公司 | 壓電材料薄膜之製造方法與設備 |
-
1993
- 1993-06-18 JP JP14782593A patent/JP3406347B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0711424A (ja) | 1995-01-13 |
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