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JP3409397B2 - イオン源 - Google Patents
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JP3409397B2 - イオン源 - Google Patents

イオン源

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JP3409397B2
JP3409397B2 JP29444293A JP29444293A JP3409397B2 JP 3409397 B2 JP3409397 B2 JP 3409397B2 JP 29444293 A JP29444293 A JP 29444293A JP 29444293 A JP29444293 A JP 29444293A JP 3409397 B2 JP3409397 B2 JP 3409397B2
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ion source
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molybdenum plate
molybdenum
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばイオン注入装
置やイオンビームを用いた表面処理装置等に用いられる
イオン源に関し、より具体的には、その引出し電極系を
構成する電極の熱歪を低減する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン源は、フィラメント等を用いてプ
ラズマを作るプラズマソース部と、このプラズマソース
部からイオンビームを引き出すものであって1枚以上の
電極を有する引出し電極系とで構成されている。
【0003】このようなイオン源の引出し電極系を構成
する電極の材料として、従来から、カーボン、銅、モリ
ブデン等が使用されている。
【0004】特に、モリブデンは、多孔電極を用いた大
面積イオンビームを発生させるためのイオン源におい
て、熱的安定性が大きく、しかもスパッタ率が小さくて
スパッタリングによる形状変化が小さくかつ不純物発生
が少ない、等の理由からよく使用されている。
【0005】しかし、イオン源では、プラズマを発生さ
せるために高温のフィラメントを使用するため、フィラ
メントからの熱輻射によって電極の温度が上昇する。あ
るいは、下流側の電極では、発散によって入射するイオ
ンによって温度が上昇する。特に後者による温度上昇
は、プラズマ加熱や表面処理用のイオン源のように、イ
オン電流密度の大きな場合に著しい。
【0006】そこで、このような原因による温度上昇か
ら生じる電極の変形を抑えるため、従来は通常は、電極
を冷媒によって冷却する冷却構造にして、電極の冷却を
行うようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電極を冷却
構造にすると、電極周りの構造が複雑になり、ひいては
イオン源のコストが上昇するという問題がある。また、
冷媒を供給する冷却系が必要になるため、そのぶんコス
トが上昇するという問題もある。
【0008】そこでこの発明は、電極の温度上昇による
変形を小さくして、電極の冷却構造を簡略化することが
できるイオン源を提供することを主たる目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る第1のイオン源は、引出し電極系を
構成する電極の少なくとも1枚を、結晶構造が板面と平
行な層状構造を有するモリブデン板で構成していること
を特徴とする。
【0010】また、この発明に係る第2のイオン源は、
引出し電極系を構成する電極の少なくとも1枚を、X線
回折測定による(200)面からの回折ピークを主ピー
クとして有するモリブデン板で構成していることを特徴
とする。
【0011】
【作用】上記のような層状構造を有する、あるいは回折
ピークを有するモリブデン板で構成した電極を用いてイ
オンビームを発生させた後、当該電極の歪量を測定した
結果、当該電極の歪量が非常に小さいことを発見した。
従って、電極に上記のようなモリブデン板を用いること
により、当該電極の温度上昇による変形を小さくして、
電極の冷却構造を簡略化することができる。
【0012】
【実施例】図1は、高周波型のイオン源の一例を電源と
共に示す概略図である。
【0013】このイオン源2は、高周波放電によってプ
ラズマ14を作るプラズマソース部4と、このプラズマ
ソース部4(より具体的にはそのプラズマ14)から電
界の作用でイオンビーム22を引き出す引出し電極系1
6とを備えている。
【0014】プラズマソース部4は、この例では、ガス
12が導入されるプラズマ生成容器6と、その背面部に
絶縁物8を介して取り付けられた高周波電極7とを有し
ている。高周波電極7はプラズマ生成容器6の背面板を
兼ねており、プラズマ生成容器6は他方の高周波電極を
兼ねている。このプラズマ生成容器6と高周波電極7間
に高周波電源23から整合回路24を経由して高周波電
力を供給すると、プラズマ生成容器6内において高周波
放電が起こりそれによってガス12が分解されてプラズ
マ14が作られる。
【0015】引出し電極系16は、この例では、最プラ
ズマ側(最上流側)にあって引出し電源27からイオン
ビーム引き出し用の正電圧が印加される引出し電極1
7、その下流側にあって加速電源28からイオンビーム
加速用の正電圧が印加される加速電極18、その下流側
にあって抑制電源29から逆流電子抑制用の負電圧が印
加される抑制電極19およびその下流側にあって接地電
位にされる接地電極20で構成されている。各電極17
〜20は、イオンビーム引き出し用の多数の小孔または
スリットを有している。
【0016】このような引出し電極系16を構成する電
極17〜20の内で、イオンビーム22の引き出しに伴
って温度上昇が特に大きいのは、上流側から2枚目の加
速電極18である。これは、2枚目の加速電極18は、
引出し電極17から引き出されたイオンビーム22が発
散して当たる割合が大きく、それによって大きな熱入力
を受けるからである。
【0017】また、この例のようなフィラメントを用い
ないイオン源2はそうでもないが、図9に示すフィラメ
ント式のイオン源2aの場合は、フィラメント10から
の熱輻射のため、1枚目の引出し電極17の温度上昇も
大きい。
【0018】このようなイオン源2において、引出し電
極系16を構成する電極17〜19に次のようなモリブ
デン板AおよびBを用いて、かつ電極に冷却構造を採用
しないで、引出し電極17と接地電極20間の電圧が5
KV〜110KVの範囲でイオンビーム22を発生させ
た後の、各電極17〜19の歪量を測定した。なお、元
の板材の歪量は、両モリブデン板とも±0.1mm程度
であった。
【0019】モリブデン板Aは、従来から電極に用いら
れているような通常のモリブデン板であり、顕微鏡によ
る組織観察の結果、図2および図3に示すように、表面
および断面共に大きな結晶粒が観察された。
【0020】モリブデン板Bは、この発明に係るイオン
源の電極を構成するものであり、顕微鏡による組織観察
の結果、図4および図5に示すように、表面および断面
共に結晶粒は観られなかった。表面で観られたのは研磨
時の傷である。断面については、表面に沿った層状の結
晶構造が確認できた。
【0021】上記モリブデン板Aをイオン源2の電極1
7〜19に使用した場合の各電極17〜19の歪両の測
定結果の一例を図6に示す。この歪両の測定には隙間ゲ
ージを使用した。横軸の測定位置は、電極の面内の測定
位置である(図7においても同様)。
【0022】この図からも分かるように、上記モリブデ
ン板Aを使用した場合の歪量は非常に大きく、最大で
2.4mmの場所が観られた。
【0023】一方、上記モリブデン板Bをイオン源2の
電極17〜19に使用した場合の電極17および18の
歪量の測定結果の一例を図7に示す。この歪量の測定
は、歪量が小さいので、隙間ゲージよりも精度の高い三
次元測定器を使用した。なお、電極19については歪量
がほぼ0であったので測定結果の図示を省略した。ま
た、この三次元測定器の場合は測定点を多くすることが
容易なため、測定位置を多くした。
【0024】この図からも分かるように、上記モリブデ
ン板Bを使用した場合の歪量は、+0.3mm〜−0.
1mm程度と、上記モリブデン板Aに比べて著しく小さ
いことが確かめられた。
【0025】このように、結晶構造が板面と平行な層状
構造を有するモリブデン板で構成された電極は、熱歪が
非常に小さいことが確認された。これは次のような理由
によるものと考えられる。即ち、モリブデン板は、通常
は、粉末モリブデンの焼結および圧延で製造される。そ
の場合、モリブデンが再結晶化せずに、かつ十分な圧力
が加えられて圧延された場合、モリブデン板の断面に結
晶粒は観察できず、結晶構造は板面と平行な層状構造を
成す。このような状態では、機械的強度が高く、そのた
め温度上昇による変形量も小さいものと考えられる。
【0026】従って、引出し電極系16を構成する電極
に上記モリブデン板Bのような材質のモリブデン板を用
いることにより、当該電極の温度上昇による変形を小さ
くして、電極の冷却構造を簡略化することができる。フ
ィラメントを用いない高周波型のイオン源においては、
電極の冷却構造を省略することも可能である。その結
果、電極周りの構造が簡略化されるので、イオン源のコ
ストを下げることができる。かつ、電極の冷却構造の簡
略化に伴って、それに冷媒を供給する冷媒系の低コスト
化も可能になる。
【0027】なお、引出し電極系が複数枚の電極で構成
されている場合、その全ての電極に上記のようなモリブ
デン板を用いるのが熱歪低減の観点からは一番好ましい
のは勿論であるが、そのようにせずに、特に熱入力の大
きい電極、例えば上記イオン源2の例でいえば2枚目の
加速電極18に、更に必要に応じてその上下流側の電極
17および19に、上記のようなモリブデン板を用いて
も良く、そのようにすれば少なくともその電極について
は、上述した熱歪量低減による冷却構造の簡略化の効果
が得られる。更に一般的にいえば、特にどの電極という
ことはなく、上記のようなモリブデン板を用いた電極を
少なくとも1枚含んでいれば、少なくともその電極につ
いては、上述した熱歪量低減による冷却構造の簡略化の
効果が得られる。
【0028】引出し電極系を構成する電極に、上記のよ
うなモリブデン板を用いる代わりに、板面が主にモリブ
デン結晶の(200)面と平行になっているモリブデン
板、即ち、X線回折測定によるθ−2θ法での測定結
果、(200)面に相当するX線回折ピーク強度が他の
ピーク強度に比べて強く現れるモリブデン板を使用して
も良く、それによっても電極の熱歪量を非常に小さく抑
えることができる。その実施例を以下に説明する。
【0029】モリブデン板のX線回折強度測定で、(1
10)面からの回折ピークを主ピークとして有するモリ
ブデン板Cと、(200)面からの回折ピークを主ピー
クとして有するモリブデン板Dとを、上記と同じ冷却構
造を採用しないイオン源2においてその電極17〜19
に用いて、引出し電極17と接地電極20間の電圧が5
KV〜110KVの範囲でイオンビーム22を発生させ
た後の、各電極17〜19の歪量を測定した。なお、こ
の場合も、元の板材の歪量は両モリブデン板とも±0.
1mm程度であった。
【0030】表1は、両モリブデン板CおよびDの回折
ピーク強度比を示す。また、図8は、モリブデン板Dの
X線回折パターンを示す。
【0031】
【表1】
【0032】上記モリブデン板Cを用いた場合の各電極
17〜19の歪量の測定結果は、先に説明した図6と殆
ど同じであったので、重複図示を省略する。また、上記
モリブデン板Dを用いた場合の電極17および18の歪
量の測定結果は、先に説明した図7と殆ど同じであった
ので、これも重複図示を省略する。
【0033】このように、(200)面からの回折ピー
クを主ピークとして有するモリブデン板で構成された電
極は、熱歪が非常に小さいことが確かめられた。これは
次のような理由によるものと考えられる。即ち、モリブ
デン板は、前述したように通常は、粉末モリブデンの焼
結および圧延で製造されるが、(200)面からのX線
回折強度が強く現れる状態は、モリブデン板を構成する
結晶粒が十分小さくかつ十分な圧力が加えられて圧延さ
れたことによる。このような状態では、機械的強度が高
く、そのため温度上昇による変形量も小さいものと考え
られる。
【0034】従って、このようなモリブデン板Dを電極
に用いることによっても、前述したモリブデン板Bの場
合と同様の効果が得られる。即ち、引出し電極系16を
構成する電極にモリブデン板Dのような材質のモリブデ
ン板を用いることにより、当該電極の温度上昇による変
形を小さくして、電極の冷却構造を簡略化することがで
きる。フィラメントを用いない高周波型のイオン源にお
いては、電極の冷却構造を省略することも可能である。
その結果、電極周りの構造が簡略化されるので、イオン
源のコストを下げることができる。かつ、電極の冷却構
造の簡略化に伴って、それに冷媒を供給する冷却系の低
コスト化も可能になる。
【0035】なお、引出し電極系において、上記モリブ
デン板Dのような材質のモリブデン板を用いるのが好ま
しい電極の範囲は、前述したモリブデン板Bの場合と同
様である。
【0036】また、上記モリブデン板BおよびDのよう
な材質のモリブデン板は、フィラメント式のイオン源の
引出し電極系を構成する電極に用いても効果が大きい。
【0037】図9のイオン源2aは、そのようなフィラ
メント式のものであり、プラズマソース部4aは、この
例では、ガス12が導入されるプラズマ生成容器6およ
び熱電子放出用のフィラメント10を有しており、両者
間のアーク放電によってプラズマ14が作られる。プラ
ズマ14からイオンビーム22を引き出す引出し電極系
16aは、この例では、前述した加速電極18のない3
枚構成である。
【0038】このようなイオン源2aにおいては、特
に、前述したような理由から熱入力の大きい1枚目の引
出し電極17および2枚目の抑制電極19に、上記モリ
ブデン板BおよびDのような材質のモリブデン板を用い
ると、熱歪量低減の効果が大きい。
【0039】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、引出し
電極系を構成する電極に前述したような材質のモリブデ
ン板を用いているので、当該電極の温度上昇による変形
を小さくして、電極の冷却構造を簡略化することができ
る。フィラメントを用いない高周波型のイオン源におい
ては、電極の冷却構造を省略することも可能である。そ
の結果、電極周りの構造が簡略化されるので、イオン源
のコストを下げることができる。かつ、電極の冷却構造
の簡略化に伴って、それに冷媒を供給する冷却系の低コ
スト化も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高周波型のイオン源の一例を電源と共に示す概
略図である。
【図2】モリブデン板Aの表面組織の顕微鏡写真であ
り、倍率は40倍である。
【図3】図2と同じモリブデン板の断面組織の顕微鏡写
真であり、倍率は40倍である。
【図4】モリブデン板Bの表面組織の顕微鏡写真であ
り、倍率は40倍である。
【図5】図4と同じモリブデン板の断面組織の顕微鏡写
真であり、倍率は40倍である。
【図6】図2および図3に示すような結晶粒が観測され
たモリブデン板Aを用いた電極の歪量の面内分布測定結
果の一例を示す図である。
【図7】図4および図5に示すような層状構造を有する
モリブデン板Bを用いた電極の歪量の面内分布測定結果
の一例を示す図である。
【図8】モリブデン板DのX線回折強度の測定結果の一
例を示す図である。
【図9】フィラメント式のイオン源の一例を電源と共に
示す概略図である。
【符号の説明】
2,2a イオン源 4,4a プラズマソース部 14 プラズマ 16,16a 引出し電極系 17〜20 電極 22 イオンビーム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマを作るプラズマソース部と、こ
    のプラズマソース部からイオンビームを引き出すもので
    あって1枚以上の電極を有する引出し電極系とを備える
    イオン源において、前記引出し電極系を構成する電極の
    少なくとも1枚を、結晶構造が板面と平行な層状構造を
    有するモリブデン板で構成していることを特徴とするイ
    オン源。
  2. 【請求項2】 プラズマを作るプラズマソース部と、こ
    のプラズマソース部からイオンビームを引き出すもので
    あって1枚以上の電極を有する引出し電極系とを備える
    イオン源において、前記引出し電極系を構成する電極の
    少なくとも1枚を、X線回折測定による(200)面か
    らの回折ピークを主ピークとして有するモリブデン板で
    構成していることを特徴とするイオン源。
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