JP3447866B2 - 軽量ウォーム感に優れたポリエステル多層構造糸 - Google Patents
軽量ウォーム感に優れたポリエステル多層構造糸Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量でウォーム感
に優れたポリエステル多層構造糸に関する。
に優れたポリエステル多層構造糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、互いに切断伸度(以下「伸
度」という)の異なる2種以上のポリエステルマルチフ
ィラメント糸条を交絡したのち、延伸仮撚する方法は、
良く知られており、種々の特徴を有する2層構造糸が製
造されている。しかしながら、これらの2層構造糸の嵩
性は、仮撚による撚構造から発生する芯成分と鞘成分の
糸足差とクリンプの形態によるもので、単一原糸の仮撚
糸に比べると確かにスパン風合の高い嵩性が出せるもの
の、軽量ウォーム感となると、未だ充分とは言えない すなわち、撚ぐせによるクリンプのため、どうしてもク
リンプのピッチが細かく、かつ、均一になり易い。この
ため、繊維間空隙も細かくなり、ふわっとしたエアリー
な嵩性が得難いとか、断面変形が大きくなり易く、この
ため、タッチがガサガサになり、滑らかなソフトタッチ
が得られないと言った欠点を有している。
度」という)の異なる2種以上のポリエステルマルチフ
ィラメント糸条を交絡したのち、延伸仮撚する方法は、
良く知られており、種々の特徴を有する2層構造糸が製
造されている。しかしながら、これらの2層構造糸の嵩
性は、仮撚による撚構造から発生する芯成分と鞘成分の
糸足差とクリンプの形態によるもので、単一原糸の仮撚
糸に比べると確かにスパン風合の高い嵩性が出せるもの
の、軽量ウォーム感となると、未だ充分とは言えない すなわち、撚ぐせによるクリンプのため、どうしてもク
リンプのピッチが細かく、かつ、均一になり易い。この
ため、繊維間空隙も細かくなり、ふわっとしたエアリー
な嵩性が得難いとか、断面変形が大きくなり易く、この
ため、タッチがガサガサになり、滑らかなソフトタッチ
が得られないと言った欠点を有している。
【0003】このような問題を解決するため、互いに伸
度の異なる2種以上のポリエステルマルチフィラメント
糸条を交絡したのち、120℃以下の温度で延伸仮撚す
ることにより、極めてソフトな風合を有し、かつ、反発
性に富む織物が製造可能なポリエステル混繊糸およびそ
の製造方法が提案されている(特開平2−293428
号公報参照)。しかしながら、この方法によると、確か
にソフトな風合が得られるが、反面フラットヤーン形態
になってしまうため、充分な嵩性が得られず、本発明の
目的とする用途には、呼応しきれないことが判明した。
度の異なる2種以上のポリエステルマルチフィラメント
糸条を交絡したのち、120℃以下の温度で延伸仮撚す
ることにより、極めてソフトな風合を有し、かつ、反発
性に富む織物が製造可能なポリエステル混繊糸およびそ
の製造方法が提案されている(特開平2−293428
号公報参照)。しかしながら、この方法によると、確か
にソフトな風合が得られるが、反面フラットヤーン形態
になってしまうため、充分な嵩性が得られず、本発明の
目的とする用途には、呼応しきれないことが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、糸条を構成する繊維
間に多量の空隙を付与することによって軽量でウォーム
感に優れたポリエステル多層構造糸を提供することにあ
る。
従来技術の有する問題点を解消し、糸条を構成する繊維
間に多量の空隙を付与することによって軽量でウォーム
感に優れたポリエステル多層構造糸を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、伸度小なるポ
リエステルマルチフィラメント糸条(1)と、該糸条
(1)の3倍以上の伸度を有する伸度大なるポリエステ
ルマルチフィラメント糸条(2)を交絡したのち、同時
延伸仮撚することにより鞘部に配置される糸条の構成単
繊維の一部に繊度バラツキを形成させた多層構造糸にお
いて、芯部を構成する糸条(1)が下記(イ)を、ま
た、鞘部を構成する糸条(2)が下記(ロ)、(ハ)、
(ニ)を同時に満足することを特徴とする軽量ウォーム
感に優れたポリエステル多層構造糸である。 (イ)沸水収縮率が10%以上で、かつ、沸水処理後1
30℃以上の熱処理でさらに収縮するイソフタル酸成分
を共重合したポリエステルマルチフィラメント糸条。 (ロ)沸水処理後130℃以上の熱処理で、繊維の長さ
方向に自己伸張するポリエステルマルチフィラメント糸
条。 (ハ)繊維の長さ方向に繊度差があり、沸水処理により
収縮差ならびに沸水処理後130℃以上の熱処理により
自己伸張率差がそれぞれ発生するポリエステルマルチフ
ィラメント糸条。 (ニ)100℃における熱応力が0.15g/de以下
であるポリエステルマルチフィラメント糸条。 ここで、延伸仮撚温度が80〜130℃、かつ、仮撚延
伸倍率(D)が、 1<D<(1+0.003L) であることが望ましい。なお、Lは、伸度大なるポリエ
ステルマルチフィラメント糸条の荷伸曲線における自然
延伸領域の最大伸度を表わす。
リエステルマルチフィラメント糸条(1)と、該糸条
(1)の3倍以上の伸度を有する伸度大なるポリエステ
ルマルチフィラメント糸条(2)を交絡したのち、同時
延伸仮撚することにより鞘部に配置される糸条の構成単
繊維の一部に繊度バラツキを形成させた多層構造糸にお
いて、芯部を構成する糸条(1)が下記(イ)を、ま
た、鞘部を構成する糸条(2)が下記(ロ)、(ハ)、
(ニ)を同時に満足することを特徴とする軽量ウォーム
感に優れたポリエステル多層構造糸である。 (イ)沸水収縮率が10%以上で、かつ、沸水処理後1
30℃以上の熱処理でさらに収縮するイソフタル酸成分
を共重合したポリエステルマルチフィラメント糸条。 (ロ)沸水処理後130℃以上の熱処理で、繊維の長さ
方向に自己伸張するポリエステルマルチフィラメント糸
条。 (ハ)繊維の長さ方向に繊度差があり、沸水処理により
収縮差ならびに沸水処理後130℃以上の熱処理により
自己伸張率差がそれぞれ発生するポリエステルマルチフ
ィラメント糸条。 (ニ)100℃における熱応力が0.15g/de以下
であるポリエステルマルチフィラメント糸条。 ここで、延伸仮撚温度が80〜130℃、かつ、仮撚延
伸倍率(D)が、 1<D<(1+0.003L) であることが望ましい。なお、Lは、伸度大なるポリエ
ステルマルチフィラメント糸条の荷伸曲線における自然
延伸領域の最大伸度を表わす。
【0006】本発明のポリエステル多層構造糸は、高伸
度差仮撚による2層構造糸の鞘部(鞘糸)に配置される
糸条の構成単繊維の一部に繊度のバラツキが形成され、
かつ、これが収縮差、自己伸張差となってランダムな糸
足差を形成するとともに、芯部(芯糸)に配置される糸
条にイソフタル酸成分を共重合した高収縮性のポリエス
テル糸条を使用して芯鞘間にさらに大きな糸足差を形成
するため、従来にない多量の繊維間空隙が付与でき、軽
量とウォーム感が付与できる。しかも、芯鞘の伸縮差が
大きいにもかかわらず、その染着差が少なくて済み、か
つ、ソフトタッチでありながら腰反発に優れた外観、風
合的にも優れたものが得られる。
度差仮撚による2層構造糸の鞘部(鞘糸)に配置される
糸条の構成単繊維の一部に繊度のバラツキが形成され、
かつ、これが収縮差、自己伸張差となってランダムな糸
足差を形成するとともに、芯部(芯糸)に配置される糸
条にイソフタル酸成分を共重合した高収縮性のポリエス
テル糸条を使用して芯鞘間にさらに大きな糸足差を形成
するため、従来にない多量の繊維間空隙が付与でき、軽
量とウォーム感が付与できる。しかも、芯鞘の伸縮差が
大きいにもかかわらず、その染着差が少なくて済み、か
つ、ソフトタッチでありながら腰反発に優れた外観、風
合的にも優れたものが得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
を説明する。図1は、本発明に係るポリエステル多層構
造糸の製造工程の一例を表す正面図である。図1に示す
ように、伸度小なるポリエステルマルチフィラメント糸
条1と、糸条1の3倍以上の伸度を有する伸度大なるポ
リエステルマルチフィラメント糸条2を、第1ローラー
3と第2ローラー4の間に設けた交絡ノズル6で交絡さ
せる。このときの圧縮空気圧力は1〜6kg/cm2 、
オーバーフィード率は0.5〜4%が適当である。
を説明する。図1は、本発明に係るポリエステル多層構
造糸の製造工程の一例を表す正面図である。図1に示す
ように、伸度小なるポリエステルマルチフィラメント糸
条1と、糸条1の3倍以上の伸度を有する伸度大なるポ
リエステルマルチフィラメント糸条2を、第1ローラー
3と第2ローラー4の間に設けた交絡ノズル6で交絡さ
せる。このときの圧縮空気圧力は1〜6kg/cm2 、
オーバーフィード率は0.5〜4%が適当である。
【0008】ここで、伸度小なるポリエステルマルチフ
ィラメント糸条1とは、伸度が50〜130%の、イソ
フタル酸成分を共重合したポリエステルマルチフィラメ
ント糸条をいい、伸度大なるポリエステルマルチフィラ
メント糸条2とは、伸度が130%を超え、450%以
下の普通のポリエステルマルチフィラメント糸条をい
う。また、マルチフィラメント糸条2は、マルチフィラ
メント糸条1の3倍以上の伸度を有することが必要であ
る。マルチフィラメント糸条2の伸度がマルチフィラメ
ント糸条1の伸度の3倍未満である場合は、マルチフィ
ラメント糸条2の捲付き張力が強くなりすぎ、大きな糸
足差があって、かつ、ルーズな2層構造が形成できな
い。ただ、余りマルチフィラメント糸条2の伸度が大き
過ぎると、糸物性の低下が発生するので、5倍以内に止
めることが好ましい。
ィラメント糸条1とは、伸度が50〜130%の、イソ
フタル酸成分を共重合したポリエステルマルチフィラメ
ント糸条をいい、伸度大なるポリエステルマルチフィラ
メント糸条2とは、伸度が130%を超え、450%以
下の普通のポリエステルマルチフィラメント糸条をい
う。また、マルチフィラメント糸条2は、マルチフィラ
メント糸条1の3倍以上の伸度を有することが必要であ
る。マルチフィラメント糸条2の伸度がマルチフィラメ
ント糸条1の伸度の3倍未満である場合は、マルチフィ
ラメント糸条2の捲付き張力が強くなりすぎ、大きな糸
足差があって、かつ、ルーズな2層構造が形成できな
い。ただ、余りマルチフィラメント糸条2の伸度が大き
過ぎると、糸物性の低下が発生するので、5倍以内に止
めることが好ましい。
【0009】次に、この交絡糸を、第2ローラー4と延
伸ローラー5との間に設けた加熱板7と、仮撚ディスク
8を用いて同時延伸仮撚する。この際、仮撚温度は、8
0〜130℃とすることが好ましい。仮撚温度が80℃
未満の場合には、仮撚に際し、伸度大なる糸条2の、伸
度小なる糸条1への捲付き張力が高くなり、大きな糸足
差があって、かつ、ルーズな2層構造が形成できないほ
か、耐久性のある捲縮が得られず大きな嵩性が得られな
い。一方、仮撚温度が130℃を超える場合には、糸条
2の融着が起こり易くなるうえ、単繊維の断面が変形
し、充分な嵩性とソフトタッチが発現できない。
伸ローラー5との間に設けた加熱板7と、仮撚ディスク
8を用いて同時延伸仮撚する。この際、仮撚温度は、8
0〜130℃とすることが好ましい。仮撚温度が80℃
未満の場合には、仮撚に際し、伸度大なる糸条2の、伸
度小なる糸条1への捲付き張力が高くなり、大きな糸足
差があって、かつ、ルーズな2層構造が形成できないほ
か、耐久性のある捲縮が得られず大きな嵩性が得られな
い。一方、仮撚温度が130℃を超える場合には、糸条
2の融着が起こり易くなるうえ、単繊維の断面が変形
し、充分な嵩性とソフトタッチが発現できない。
【0010】また、延伸倍率は、伸度大なる糸条2の荷
伸曲線の自然延伸領域の最大伸度をL(%)とすると
き、1を超え(1+0.003L)倍以下とすることが
好ましい。延伸倍率が(1+0.003L)倍を超える
場合には、鞘部に配置される糸条の構成単繊維の一部に
繊度のバラツキを形成させることができないばかりでな
く、仮撚の加燃張力が高くなり、大きな糸足差があっ
て、かつ、ルーズな2層構造が形成できない。
伸曲線の自然延伸領域の最大伸度をL(%)とすると
き、1を超え(1+0.003L)倍以下とすることが
好ましい。延伸倍率が(1+0.003L)倍を超える
場合には、鞘部に配置される糸条の構成単繊維の一部に
繊度のバラツキを形成させることができないばかりでな
く、仮撚の加燃張力が高くなり、大きな糸足差があっ
て、かつ、ルーズな2層構造が形成できない。
【0011】一方、仮撚ディスク8の周速度は、糸速度
の約2倍程度が好ましい。次に、熱固定、解撚された交
絡糸を、巻取り機9で巻き取り、多層構造糸10を得
る。
の約2倍程度が好ましい。次に、熱固定、解撚された交
絡糸を、巻取り機9で巻き取り、多層構造糸10を得
る。
【0012】本発明で、糸条1に使用する高収縮ポリエ
ステルは、スルホン酸金属塩基を含有するイソフタル酸
成分、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、あ
るいは、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタ
ル酸などを公知の方法で共重合した糸条をいう。一方、
糸条2に使用するポリエステルマルチフィラメント糸条
とは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも1
種のグリコール、好ましくは、エチレングリコール、ト
リメチレングリコール、テトラメチレングリコールから
選ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを主た
るグリコール成分とするポリエステルを常法により溶融
紡糸して得られる糸条をいう。また、これらのポリエス
テルは、本発明の目的を損なわない範囲で、安定剤、酸
化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増色剤、触媒、着
色剤、無機微粒子などを添加したものでもよいし、断面
を異形にしてもよい。
ステルは、スルホン酸金属塩基を含有するイソフタル酸
成分、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、あ
るいは、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタ
ル酸などを公知の方法で共重合した糸条をいう。一方、
糸条2に使用するポリエステルマルチフィラメント糸条
とは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも1
種のグリコール、好ましくは、エチレングリコール、ト
リメチレングリコール、テトラメチレングリコールから
選ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを主た
るグリコール成分とするポリエステルを常法により溶融
紡糸して得られる糸条をいう。また、これらのポリエス
テルは、本発明の目的を損なわない範囲で、安定剤、酸
化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増色剤、触媒、着
色剤、無機微粒子などを添加したものでもよいし、断面
を異形にしてもよい。
【0013】さらに、本発明においては、芯部を構成す
る糸条(1)が下記(イ)を、また、鞘部を構成する糸
条(2)が下記(ロ)、(ハ)、(ニ)を同時に満足す
ることが肝要である。 (イ)沸水収縮率が10%以上で、かつ、沸水処理後1
30℃以上の熱処理でさらに収縮するイソフタル酸成分
を共重合したポリエステルマルチフィラメント糸条。 (ロ)沸水処理後130℃以上の熱処理で、繊維の長さ
方向に自己伸張するポリエステルマルチフィラメント糸
条。 (ハ)繊維の長さ方向に繊度差があり、沸水処理により
収縮差ならびに沸水処理後130℃以上の熱処理により
自己伸張率差がそれぞれ発生するポリエステルマルチフ
ィラメント糸条。 (ニ)100℃における熱応力が0.15g/de以下
であるポリエステルマルチフィラメント糸条。
る糸条(1)が下記(イ)を、また、鞘部を構成する糸
条(2)が下記(ロ)、(ハ)、(ニ)を同時に満足す
ることが肝要である。 (イ)沸水収縮率が10%以上で、かつ、沸水処理後1
30℃以上の熱処理でさらに収縮するイソフタル酸成分
を共重合したポリエステルマルチフィラメント糸条。 (ロ)沸水処理後130℃以上の熱処理で、繊維の長さ
方向に自己伸張するポリエステルマルチフィラメント糸
条。 (ハ)繊維の長さ方向に繊度差があり、沸水処理により
収縮差ならびに沸水処理後130℃以上の熱処理により
自己伸張率差がそれぞれ発生するポリエステルマルチフ
ィラメント糸条。 (ニ)100℃における熱応力が0.15g/de以下
であるポリエステルマルチフィラメント糸条。
【0014】すなわち、2層構造糸の芯糸となる伸度小
なるポリエステルマルチフィラメント糸条1がイソフタ
ル酸成分を共重合したもので、いわゆる染色工程におい
てリラックス工程以降の工程でも熱収縮しないと充分な
嵩性を付与できない。また、伸度大なる糸条2と伸度小
なる糸条1の伸度差が大きいため、一般に、染着差が出
やすくなるが、イソフタル酸成分を共重合したものを使
うことで、この染着差が大分、縮小する効果もある。上
記のような特性を有する伸度小なるマルチフィラメント
糸条1の製造方法としては、イソフタル酸成分を共重合
したポリエステルを、ほぼ3,000m/min以上の
高速度で紡糸する方法、中でも5,000m/min以
上の超高速度で紡糸する方法が挙げられる。
なるポリエステルマルチフィラメント糸条1がイソフタ
ル酸成分を共重合したもので、いわゆる染色工程におい
てリラックス工程以降の工程でも熱収縮しないと充分な
嵩性を付与できない。また、伸度大なる糸条2と伸度小
なる糸条1の伸度差が大きいため、一般に、染着差が出
やすくなるが、イソフタル酸成分を共重合したものを使
うことで、この染着差が大分、縮小する効果もある。上
記のような特性を有する伸度小なるマルチフィラメント
糸条1の製造方法としては、イソフタル酸成分を共重合
したポリエステルを、ほぼ3,000m/min以上の
高速度で紡糸する方法、中でも5,000m/min以
上の超高速度で紡糸する方法が挙げられる。
【0015】一方、2層構造糸の鞘糸となる伸度大なる
ポリエステルマルチフィラメント糸条2は、いわゆる染
色工程において、リラックス工程以降の工程で自己伸張
しないと充分な嵩性が付与できない。また、繊維の長さ
方向に繊度斑があり、リラックス工程で収縮斑またはリ
ラックス後の乾熱処理、あるいは、染色において自己伸
張斑が発生し、鞘糸どうしでもランダムな糸足差が発生
しないと、充分な嵩性が付与できない。さらには、リラ
ックス時に熱応力が0.15g/de以下と低く、リラ
ックス時に織組織などの拘束力の影響を受けやすく余り
収縮しないで熱セットされる方がより高い嵩性が得られ
る。
ポリエステルマルチフィラメント糸条2は、いわゆる染
色工程において、リラックス工程以降の工程で自己伸張
しないと充分な嵩性が付与できない。また、繊維の長さ
方向に繊度斑があり、リラックス工程で収縮斑またはリ
ラックス後の乾熱処理、あるいは、染色において自己伸
張斑が発生し、鞘糸どうしでもランダムな糸足差が発生
しないと、充分な嵩性が付与できない。さらには、リラ
ックス時に熱応力が0.15g/de以下と低く、リラ
ックス時に織組織などの拘束力の影響を受けやすく余り
収縮しないで熱セットされる方がより高い嵩性が得られ
る。
【0016】上記のような特性を有する伸度大なるマル
チフィラメント糸条2の製造方法としては、ポリエステ
ルをほぼ2,500m/min以下、中でも2,000
m/min以下の低紡糸速度で紡糸する方法が挙げられ
る。これを仮撚温度80〜130℃、仮撚延伸倍率1〜
(1+0.003L)倍で延伸仮撚すると、上記のよう
な特性が得られるわけである。ここで、伸度小なる糸条
1と糸条大なる糸条2の関係であるが、「糸条大なる糸
条2の伸度≧伸度小なる糸条1の伸度×3」以外に、伸
度大なる糸条2によって選定される「仮撚延伸倍率1〜
(1+0.003L)」の範囲と、伸度小なる糸条1の
伸度Bの70%以下に相当する「延伸倍率1〜1+0.
007B」の範囲との間に共有される範囲が存在し、こ
の共有範囲の仮撚延伸倍率を使用する必要がある。すな
わち、この共有範囲以外では、本発明の目的とする糸特
性と安定した加工性の両方を同時に得ることが難しくな
る。
チフィラメント糸条2の製造方法としては、ポリエステ
ルをほぼ2,500m/min以下、中でも2,000
m/min以下の低紡糸速度で紡糸する方法が挙げられ
る。これを仮撚温度80〜130℃、仮撚延伸倍率1〜
(1+0.003L)倍で延伸仮撚すると、上記のよう
な特性が得られるわけである。ここで、伸度小なる糸条
1と糸条大なる糸条2の関係であるが、「糸条大なる糸
条2の伸度≧伸度小なる糸条1の伸度×3」以外に、伸
度大なる糸条2によって選定される「仮撚延伸倍率1〜
(1+0.003L)」の範囲と、伸度小なる糸条1の
伸度Bの70%以下に相当する「延伸倍率1〜1+0.
007B」の範囲との間に共有される範囲が存在し、こ
の共有範囲の仮撚延伸倍率を使用する必要がある。すな
わち、この共有範囲以外では、本発明の目的とする糸特
性と安定した加工性の両方を同時に得ることが難しくな
る。
【0017】また、延伸仮撚後の、伸度小なる糸条1の
単繊維デニールは、3〜7de、伸度大なる糸条2の単
繊維デニールは、2〜4deが好ましく、かつ、伸度小
なる糸条1の糸全体に占める比率は、30〜50重量%
が好ましい。これにより、軽量ウォーム感のほか、ソフ
トタッチでありながら腰反発のある風合も付与すること
ができる。かくして得られる2層構造糸は、芯鞘間なら
びに鞘糸内の両方に糸足差が形成された多層構造糸とな
るため、布帛にした場合、従来にない軽量とウォーム感
を呈する。
単繊維デニールは、3〜7de、伸度大なる糸条2の単
繊維デニールは、2〜4deが好ましく、かつ、伸度小
なる糸条1の糸全体に占める比率は、30〜50重量%
が好ましい。これにより、軽量ウォーム感のほか、ソフ
トタッチでありながら腰反発のある風合も付与すること
ができる。かくして得られる2層構造糸は、芯鞘間なら
びに鞘糸内の両方に糸足差が形成された多層構造糸とな
るため、布帛にした場合、従来にない軽量とウォーム感
を呈する。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、実施例中の各物性は、以下の方法によ
り測定した。熱応力 カネボウエンジニアリング(株)製、熱応力測定器(タ
イプKE−II)を用い、綛状にした試料に1/30g/
deの初荷重をかけたのち、2.3℃/分の速度で昇温
し、発生する応力をチャート上に記録した。熱応力の値
はチャートから読み取った応力をデニールで除し、g/
deで表した。
説明する。なお、実施例中の各物性は、以下の方法によ
り測定した。熱応力 カネボウエンジニアリング(株)製、熱応力測定器(タ
イプKE−II)を用い、綛状にした試料に1/30g/
deの初荷重をかけたのち、2.3℃/分の速度で昇温
し、発生する応力をチャート上に記録した。熱応力の値
はチャートから読み取った応力をデニールで除し、g/
deで表した。
【0019】実施例1
常法に従い、紡糸速度を4,500m/minで紡糸し
た伸度80%のイソフタル酸成分を共重合したポリエス
テルマルチフィラメント(75デニール/12フィラメ
ント)と、紡糸速度1,200m/minで紡糸した伸
度270%、自然延伸領域の最大伸度120%の三角断
面のポリエステルマルチフィラメント(180デニール
/48フィラメント)とを、図1の装置を用いてインタ
ーレースノズルで交絡後、延伸仮撚加工を行った。
た伸度80%のイソフタル酸成分を共重合したポリエス
テルマルチフィラメント(75デニール/12フィラメ
ント)と、紡糸速度1,200m/minで紡糸した伸
度270%、自然延伸領域の最大伸度120%の三角断
面のポリエステルマルチフィラメント(180デニール
/48フィラメント)とを、図1の装置を用いてインタ
ーレースノズルで交絡後、延伸仮撚加工を行った。
【0020】この際、交絡のオーバーフィード率は2
%、圧縮空気圧は3kg/cm2 、仮撚温度は105
℃、延伸倍率は1.25、ディスクの表面速度は800
m/min、延伸ローラー速度は400m/minであ
った。また、これによって得られた多層構造糸は、20
9デニール/60フィラメント(芯糸の単糸デニール
5.1de、鞘糸の単糸デニール2.3de)で、沸水
収縮率は14%、芯鞘の糸足差は34%であった。
%、圧縮空気圧は3kg/cm2 、仮撚温度は105
℃、延伸倍率は1.25、ディスクの表面速度は800
m/min、延伸ローラー速度は400m/minであ
った。また、これによって得られた多層構造糸は、20
9デニール/60フィラメント(芯糸の単糸デニール
5.1de、鞘糸の単糸デニール2.3de)で、沸水
収縮率は14%、芯鞘の糸足差は34%であった。
【0021】また、得られた多層構造糸における芯糸の
沸水収縮率は12%で、後述の製織後の染色において、
さらに収縮することが可能であった。また、鞘糸は、繊
維の長さ方向に繊度差を有しており、後述の製織後の沸
水処理(リラックスなど)において、収縮差を、また、
130℃以上の熱処理(染色など)において、自己伸長
率差を発現することが可能であった。
沸水収縮率は12%で、後述の製織後の染色において、
さらに収縮することが可能であった。また、鞘糸は、繊
維の長さ方向に繊度差を有しており、後述の製織後の沸
水処理(リラックスなど)において、収縮差を、また、
130℃以上の熱処理(染色など)において、自己伸長
率差を発現することが可能であった。
【0022】また、この糸をイーストマンコダック社の
イーストマンポリエステルブルーGLF染料を用いて9
7℃で染色したのち、顕微鏡にて視察した結果、鞘糸の
単繊維の長さ方向に繊度差が認められ、染着濃度差より
その長さを測定したところ、おおよそ5〜30mmのラ
ンダムなピッチて混在していた。また、鞘糸を分離して
熱応力を測定した結果、100℃で0.09g/deで
あった。
イーストマンポリエステルブルーGLF染料を用いて9
7℃で染色したのち、顕微鏡にて視察した結果、鞘糸の
単繊維の長さ方向に繊度差が認められ、染着濃度差より
その長さを測定したところ、おおよそ5〜30mmのラ
ンダムなピッチて混在していた。また、鞘糸を分離して
熱応力を測定した結果、100℃で0.09g/deで
あった。
【0023】次いで、多層構造糸に300T/mの撚糸
を施し、2/2・綾組織に製織したのち、常法に従って
リラックス(100℃、25分間)、乾熱フリーセット
(180℃、45秒間)、プレセット(180℃、45
秒間)、アルカリ減量(97℃、15重量%)、染色
(130℃、45分間)、ファイナルセット(160
℃、45秒間)を行って染色仕上げ加工を行った。得ら
れた繊維の目付は、170g/m2 、嵩性は3.3g/
cm3 、反発性はBR89%で、非常に軽量で、かつ、
ウォームで、ソフトタッチでありながら、反発性のある
高風合が得られたほか、わずかな芯鞘の染着差と芯糸の
染着差がナチュラルな趣を醸し出した全体として深色性
のある高外観の織物が得られた。なお、この織物から糸
を解きほぐし、さらに、芯糸と鞘糸を分離したところ、
鞘糸のみでもランダム糸足差による嵩性が認められた。
を施し、2/2・綾組織に製織したのち、常法に従って
リラックス(100℃、25分間)、乾熱フリーセット
(180℃、45秒間)、プレセット(180℃、45
秒間)、アルカリ減量(97℃、15重量%)、染色
(130℃、45分間)、ファイナルセット(160
℃、45秒間)を行って染色仕上げ加工を行った。得ら
れた繊維の目付は、170g/m2 、嵩性は3.3g/
cm3 、反発性はBR89%で、非常に軽量で、かつ、
ウォームで、ソフトタッチでありながら、反発性のある
高風合が得られたほか、わずかな芯鞘の染着差と芯糸の
染着差がナチュラルな趣を醸し出した全体として深色性
のある高外観の織物が得られた。なお、この織物から糸
を解きほぐし、さらに、芯糸と鞘糸を分離したところ、
鞘糸のみでもランダム糸足差による嵩性が認められた。
【0024】実施例2
実施例1で得た多層構造糸を用いて、常法に従って30
0T/mの撚糸を施し、さらに、65℃で30分間スチ
ームセットを加えたのち、実施例1と同様の仕上げ密度
になるよう製織・染色仕上げ加工を行ったところ、目付
165g/m2、嵩性3.6g/cm2 、反発BR91
%の織物が得られ、実施例1で得られた織物よりさらに
一段と軽量ウォームで、嵩性ならびにソフトタッチに優
れた織物が得られた。
0T/mの撚糸を施し、さらに、65℃で30分間スチ
ームセットを加えたのち、実施例1と同様の仕上げ密度
になるよう製織・染色仕上げ加工を行ったところ、目付
165g/m2、嵩性3.6g/cm2 、反発BR91
%の織物が得られ、実施例1で得られた織物よりさらに
一段と軽量ウォームで、嵩性ならびにソフトタッチに優
れた織物が得られた。
【0025】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、軽量
で、かつ、ウォーム感に優れ、ナチュラルでソフトタッ
チでありながら、反発性にも優れた多層構造糸が得られ
る。
で、かつ、ウォーム感に優れ、ナチュラルでソフトタッ
チでありながら、反発性にも優れた多層構造糸が得られ
る。
【図1】本発明に係るポリエステル多層構造糸の製造工
程の一例を表す正面図である。
程の一例を表す正面図である。
1 伸度小なるポリエステルマルチフィラメント糸条
2 伸度大なるポリエステルマルチフィラメント糸条
10 多層構造糸
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平7−118976(JP,A)
特開 平7−118973(JP,A)
特開 平6−57564(JP,A)
特開 平2−293426(JP,A)
特開 平2−160940(JP,A)
特開 平4−41729(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D02G 1/00 - 3/48
D02J 1/00 - 13/00
Claims (2)
- 【請求項1】 伸度小なるポリエステルマルチフィラメ
ント糸条(1)と、該糸条(1)の3倍以上の伸度を有
する伸度大なるポリエステルマルチフィラメント糸条
(2)を交絡したのち、同時延伸仮撚することにより鞘
部に配置される糸条の構成単繊維の一部に繊度バラツキ
を形成させた多層構造糸において、芯部を構成する糸条
(1)が下記(イ)を、また、鞘部を構成する糸条
(2)が下記(ロ)、(ハ)、(ニ)を同時に満足する
ことを特徴とする軽量ウォーム感に優れたポリエステル
多層構造糸。 (イ)沸水収縮率が10%以上で、かつ、沸水処理後1
30℃以上の熱処理でさらに収縮するイソフタル酸成分
を共重合したポリエステルマルチフィラメント糸条。 (ロ)沸水処理後130℃以上の熱処理で、繊維の長さ
方向に自己伸張するポリエステルマルチフィラメント糸
条。 (ハ)繊維の長さ方向に繊度差があり、沸水処理により
収縮差ならびに沸水処理後130℃以上の熱処理により
自己伸張率差がそれぞれ発生するポリエステルマルチフ
ィラメント糸条。 (ニ)100℃における熱応力が0.15g/de以下
であるポリエステルマルチフィラメント糸条。 - 【請求項2】 延伸仮撚温度が80〜130℃、かつ、
仮撚延伸倍率(D)が、 1<D<(1+0.003L) である請求項1記載の軽量ウォーム感に優れたポリエス
テル多層構造糸。ここで、Lは、伸度大なるポリエステ
ルマルチフィラメント糸条の荷伸曲線における自然延伸
領域の最大伸度を表わす。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25574095A JP3447866B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | 軽量ウォーム感に優れたポリエステル多層構造糸 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25574095A JP3447866B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | 軽量ウォーム感に優れたポリエステル多層構造糸 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0978386A JPH0978386A (ja) | 1997-03-25 |
| JP3447866B2 true JP3447866B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=17282980
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25574095A Expired - Fee Related JP3447866B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | 軽量ウォーム感に優れたポリエステル多層構造糸 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3447866B2 (ja) |
-
1995
- 1995-09-08 JP JP25574095A patent/JP3447866B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0978386A (ja) | 1997-03-25 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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