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JP3472207B2 - 磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents
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JP3472207B2 - 磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子の製造方法

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JP3472207B2
JP3472207B2 JP25620899A JP25620899A JP3472207B2 JP 3472207 B2 JP3472207 B2 JP 3472207B2 JP 25620899 A JP25620899 A JP 25620899A JP 25620899 A JP25620899 A JP 25620899A JP 3472207 B2 JP3472207 B2 JP 3472207B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強磁性層/誘電体層
/強磁性層の積層構造を含むトンネル接合型の磁気抵抗
効果素子の製造方法に関し、特に高密度磁気ディスク装
置の再生用磁気ヘッド、磁気記録素子(磁気抵抗効果メ
モリー、MRAM)、磁界センサーに応用される磁気抵
抗効果素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果は強磁性体に磁場を印加す
ると電気抵抗が変化する現象である。この効果を利用し
た磁気抵抗効果素子(MR素子)は、温度安定性に優
れ、使用温度範囲が広いという特徴があるため、磁気ヘ
ッドや磁気センサーなどに用いられ、最近では磁気記録
素子(磁気抵抗効果メモリー、MRAM)などにも用い
られるようになってきている。これらの磁気抵抗効果素
子は、外部磁界に対する感度が大きいこと、および応答
スピードが速いことが要求される。
【0003】近年、2つの強磁性層の間に誘電体層を挿
入したサンドイッチ膜を有し、膜面に垂直に流れるトン
ネル電流を利用する磁気抵抗効果素子、いわゆる強磁性
トンネル接合素子(トンネル接合型磁気抵抗効果素子、
TMR)が見出されている。強磁性トンネル接合素子は
20%以上の磁気抵抗変化率を示す(J.Appl.P
hys.79,4724(1996))ため、磁気ヘッ
ドや磁気抵抗効果メモリーへの応用の可能性が高まって
きた。
【0004】この強磁性トンネル接合は、強磁性層上に
1.2〜2.0mm厚の薄いAl層を成膜した後、その
表面を酸素プラズマに曝すことによって、Al23から
なる誘電体層を形成する方法により作製されている。
【0005】しかし、この方法ではAlが極めて酸化さ
れやすく、その酸化時間が数秒〜数十秒と短いため、歩
留りやウエハー内分布などの点で問題が多い。この場
合、Alが酸化されずに残るとMR変化率が著しく低下
するという問題がある。また、強磁性トンネル接合素子
を磁気抵抗効果メモリ素子や磁気ヘッド等のデバイスに
適用するには、熱雑音の影響を低減するために実用素子
寸法で抵抗値がある程度低いことが必要である。しか
し、上記の方法では1.2nmより薄いAl層を酸化し
て薄い誘電体層を形成しないと実用的な低抵抗値が得ら
れないので、ウエハー内での抵抗値および磁気抵抗値の
ばらつきがさらに顕著になり、実用に供するだけの十分
な歩留りを得ることが難しいという問題がある。
【0006】その他の製造方法の例として、特開平5−
63254、特開平6−244477、特開平8−70
148、特開平8−70149、特開平8−31654
8等に記載されている方法が知られている。これらの方
法は、強磁性層上にAlを成膜した後、大気中に曝して
AlをAl23に変換する方法である。この方法では、
大気中の粉塵により誘電体層にピンホールが生じたり、
誘電体層が炭素酸化物、窒素酸化物等の汚染を受けて歩
留りが低下する等の問題がある。
【0007】その他の製造方法の例として、特開平11
−54814等に記載されている方法が知られている。
この方法は、強磁性層上にAlを成膜した後、チャンバ
ー内に純酸素を導入してAlをAl23を変換する方法
である。この方法では、ウエハー内での抵抗値および磁
気抵抗値のばらつきは小さくなるが、酸化に要する時間
が10〜20分と長くなる。また、抵抗値(RPA)が
数百Ωμm2と素子面積が1μm2程度のMRAM等を想
定した場合には小さすぎ、素子サイズに応じた幅広い範
囲の抵抗値を得ることが不可能であった。
【0008】また、誘電体中に分散した磁性粒子を介し
た強磁性一重トンネル接合または強磁性二重トンネル接
合が提案されている(Phys.Rev.B56(1
0),R5747(1997);応用磁気学会誌23,
4−2,(1999);Appl.Phys.Let
t.73(19),2829(1998))。これらの
強磁性トンネル接合素子においても、20%以上の磁気
抵抗変化率が得られるようになったことから磁気ヘッド
や磁気抵抗効果メモリへの応用の可能性がある。これら
の提案においても、強磁性層上にAl23をダイレクト
スパッタするか、または強磁性層上にAlを成膜した後
に表面を酸素プラズマに曝すことによってAl23から
なる誘電体層を形成する方法が用いられている。したが
って、これらの方法でも、上述した場合と同様にウエハ
ー内での抵抗値および磁気抵抗値のばらつきにより、実
用に供するだけの十分な歩留りを得ることが難しいとい
う問題がある。
【0009】以上のように、強磁性トンネル接合素子を
磁気抵抗効果メモリ、磁気ヘッド等のデバイスに適用す
るには、熱雑音の影響を低減するため実用素子寸法であ
る程度抵抗値が低く、実用寸法に適合する抵抗値を有す
る強磁性トンネル接合を歩留りよく形成する必要があ
る。しかし、従来のトンネル接合形成法ではその実現が
困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、実用
的な素子サイズに適合する抵抗値を有する強磁性トンネ
ル接合を歩留りよく形成できる磁気抵抗効果素子の製造
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気抵抗効果素
子の製造方法は、2層の強磁性層の間に誘電体層を設け
た構造を有する強磁性一重トンネル接合、または3層の
強磁性層の各層間に誘電体層を設けた構造を有する強磁
性二重トンネル接合を含む磁気抵抗効果素子を製造する
にあたり、強磁性層上に誘電体膜をスパッタ形成する工
程と、前記誘電体膜をスパッタ形成した後、スパッタ装
置の真空を破ることなく、酸素または窒素を含有するガ
スを導入して前記誘電体膜を酸化または窒化するか、前
記ガスを導入した後にグロー放電させてプラズマ中で
誘電体膜を酸化または窒化する工程とを具備したこと
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の磁気抵抗効果素子は、2
層の強磁性層の間に誘電体層を設けた、強磁性層/誘電
体層/強磁性層という積層構造を有する強磁性一重トン
ネル接合、または3層の強磁性層の各層間に誘電体層を
設けた、強磁性層/誘電体層/強磁性層/誘電体層/強
磁性層という積層構造を有する強磁性二重トンネル接合
を含む。
【0013】強磁性層の材料としては、Fe、Co、N
iまたはこれらの元素を含む合金が用いられる。強磁性
層には、強磁性が損なわれないかぎり、Ag、Cu、A
u、Al、Mg、S、Bi、Ta、B、C、O、N、S
i、Pd、Pt、Zr、Ir、W、Mo、Nbなどの非
磁性元素が多少含まれていても構わない。強磁性層は、
反転磁場を調整するため、ソフト磁性層とハード磁性層
とからなる二層膜(または多層膜)にしても構わない。
【0014】誘電体層の材料としては、Al、Si、M
g、希土類元素またはこれらの元素を含む合金の酸化物
または窒化物が用いられる。
【0015】本発明の磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効
果型磁気ヘッド、磁気記録素子、磁界センサー等に適用
することができる。この場合、強磁性層に一軸異方性が
付与されていることが好ましい。また、強磁性一重トン
ネル接合の場合には2層の強磁性層のうち一方をピン層
として設計することが好ましく、強磁性二重トンネル接
合の場合は3層の強磁性体のうち2層をピン層として設
計することが好ましい。
【0016】強磁性二重トンネル接合は、誘電体層が2
層あるため、バイアス依存性に優れた素子を作製できる
ほか、抵抗値が平均され、より歩留りが向上する。
【0017】強磁性二重トンネル接合の中間の強磁性層
をハード層として設計する場合には、2層の誘電体層で
挟まれた強磁性層を構成する強磁性体として、Coまた
はFe−Co合金にPt、Pd、Crなどの元素を添加
した合金を用いることが好ましい。
【0018】強磁性層のピン止めしたい場合、強磁性層
に接して反強磁性層を設けて、交換バイアス磁界を発生
させてもよい。反強磁性層の材料としては、FeMn、
PtMn、PtCrMn、NiMn、IrMn、Ni
O、Fe23などが用いられる。
【0019】本発明において、強磁性一重トンネル接合
または強磁性二重トンネル接合を構成する積層体は、基
板上に下地層を介して設けてもよく、また積層体の上部
には保護層を設けてもよい。これらの下地層および保護
層の材料としては、Ta、Ti、Pt、Pd、Au、T
i/Pt、Ta/Pt、Ti/Pd、Ta/Pdなどを
用いることが好ましい。
【0020】本発明の磁気抵抗効果素子に含まれる強磁
性トンネル接合を構成する各層は、各種スパッタ法、蒸
着法、MBE法などで形成される。以下においては、ス
パッタ法を用い、誘電体層としてAl23を形成する場
合について説明する。
【0021】本発明の強磁性一重トンネル接合を含む磁
気抵抗効果素子の製造方法の一例を図1(a)〜(c)
を参照して説明する。図1(a)〜(c)は、スパッタ
装置を用いて、基板11上に第1の強磁性層12、誘電
体層(トンネルバリア層)13および第2の強磁性層1
4を連続的に成膜する例を示している。
【0022】基板11をスパッタ装置に入れ、初期真空
度を1×10-6Torr以下に設定する。初期真空度
は、5×10-7Torr以下、さらに1×10-7Tor
r以下に設定することがより好ましい。その後、Arな
どの不活性ガスを導入して所定の圧力に設定する。ま
ず、強磁性体ターゲットをスパッタして基板11上に第
1の強磁性層12を形成する。次に、Al23ターゲッ
トをスパッタする。上記のような真空度の条件では、A
23ターゲットをスパッタすることにより、酸素欠損
のあるAl2x層13aが形成される(図1(a))。
【0023】次いで、真空を破ることなく、スパッタ装
置内に酸素または酸素と希ガスとの混合ガスを導入し、
Al2x層13aを酸素ガス(O2圧:10mTorr
以上)またはグロー放電により発生する酸素プラズマ
(O2圧:1mTorr以上)に曝してAl2xを酸化
して酸素欠損のない化学量論組成のAl23層13bに
変換する。このようにして誘電体層13を形成する(図
1(b))。この際、Al2xが多少残ってもよいし、
Al2xを完全に酸化してもよい。Al2xが完全に酸
化されず残っても、従来技術でAlが残った場合のよう
にMR変化率を低減させることはなく、抵抗値も小さ
い。また、Al2xを酸化してAl23に変換する場
合、従来の方法のようにAlを直接酸化する場合に比べ
て酸化時間が長くかかるため、ごく薄いAl23を制御
性よく作製できる。
【0024】次いで、酸素を排気した後、強磁性体ター
ゲットをスパッタして第2の強磁性層14を形成する
(図1(c))。このようにして、強磁性一重トンネル
接合素子を含む磁気抵抗効果素子の基本構造を形成でき
る。
【0025】なお、第2の強磁性層14をピン層とする
場合には、図2(a)に示すように、第2の強磁性層1
4上に反強磁性層21を成膜する。また、第1の強磁性
層12をピン層とする場合には、図2(b)に示すよう
に、基板11上に反強磁性層22を成膜した後、第1の
強磁性層12、誘電体層13および第2の強磁性層14
を成膜する。
【0026】本発明の方法では、上記のように真空を破
ることなく誘電体層を成膜するので、誘電体層は不純物
の影響を受けない。また、Al2xを酸化してAl23
に変換する場合、従来の方法のようにAlを直接酸化す
る場合に比べて酸化時間が長くかかるため、ごく薄いA
23を制御性よく作製できる。しかも、Al2xから
Al23への変換の度合を調整することにより、抵抗値
を任意に調整できる。
【0027】なお、バイアス依存性のオフセットをつけ
たい場合には、強磁性層を成膜した後、酸素を導入して
強磁性層をわずかに酸化してもよい。本発明では、強磁
性層上にAl2xを形成した後にその表面のみを酸化す
るので、この工程では下地の強磁性層表面の酸化が抑え
られる。このため、本発明の方法では、バイアスポイン
トを制御性よく設計できる。一方、従来の方法では、A
lを酸化しすぎると、意図せずに強磁性層上にその酸化
膜が成長するため、バイアスポイントの制御が困難にな
る。
【0028】なお、上記ではAl2xを酸化してAl2
3に変換する場合について説明したが、同様な方法を
SiO2やMgOなどの酸化物にも適用できる。
【0029】また、たとえばAlNxを成膜した後、窒
素または窒素と希ガスとの混合ガスを導入し、必要に応
じてグロー放電させてプラズマを発生させ、AlNx
窒化してAlNに変換することにより誘電体層を形成し
てもよい。
【0030】本発明の強磁性二重トンネル接合を含む磁
気抵抗効果素子の製造方法の他の例を図3(a)〜
(c)を参照して説明する。図3(a)〜(c)は、ス
パッタ装置を用いて、基板11上に第1の強磁性層1
2、第1の誘電体層(トンネルバリア層)13、第2の
強磁性層14、第2の誘電体層(トンネルバリア層)1
5、第3の強磁性層16を連続的に成膜する例を示して
いる。
【0031】まず、図1(a)〜(c)と全く同様にし
て、基板11上に第1の強磁性層12を形成し、Al2
x層13aを形成した後、その表面側をAl23層1
3bに変換して第1の誘電体層13を形成し、さらに第
2の強磁性層14を形成する。次に、Al23ターゲッ
トをスパッタして第2の強磁性層14上にAl2x層1
5aを形成する(図3(a))。その後、スパッタ装置
内に酸素または酸素と希ガスとの混合ガスを導入し、A
2x層15aを酸素ガス(O2圧:10mTorr以
上)またはグロー放電により発生する酸素プラズマ(O
2圧:1mTorr以上)に曝してAl2xを酸化して
酸素欠損のない化学量論組成のAl23層15bに変換
する。このようにして誘電体層15を形成する(図3
(b))。この際、Al2xが多少残ってもよいし、A
2xを完全に酸化してもよい。次いで、酸素を排気し
た後、強磁性体ターゲットをスパッタして第2の強磁性
層16を形成する(図3(c))。
【0032】この場合も、真空を破ることなく誘電体層
を成膜するので、誘電体層は不純物の影響を受けない。
また、Al2xを酸化してAl23に変換する場合、従
来の方法のようにAlを直接酸化する場合に比べて酸化
時間が長くかかるため、ごく薄いAl23を制御性よく
作製できる。しかも、Al2xからAl23への変換の
度合を調整することにより、抵抗値を任意に調整でき
る。
【0033】なお、第1および第3の強磁性層12、1
6をピン層とする場合には、図4に示すように、基板1
1と第1の強磁性層12との間に反強磁性層23を形成
し、第3の強磁性層16上に反強磁性層24を形成す
る。
【0034】また、第2の強磁性層14に接して反強磁
性層を形成するか、または第2の強磁性層14の中間に
反強磁性層を挟んでもよい。
【0035】次に、本発明の磁気抵抗効果素子を応用し
たデバイスの例として、磁気記録素子(MRAM)およ
び磁気抵抗効果ヘッドについて説明する。
【0036】磁気記録素子は、図5および図6に示すよ
うにトランジスタ上に本発明に係る強磁性トンネル接合
素子を積層した構造でもよいし、図7および図8に示す
ようにダイオードと本発明に係る強磁性トンネル接合素
子とを積層した構造でもよい。
【0037】図5および図6を参照して、トランジスタ
上に強磁性トンネル接合素子を積層した構造を有する磁
気記録素子を説明する。図5は磁気記録素子の等価回路
図、図6は磁気記録素子の断面図である。図6に示すよ
うに、シリコン基板1、ゲート電極31、ソース、ドレ
イン領域32、33からなるトランジスタ30が形成さ
れている。ゲート電極31は読み出し用のワードライン
(WL1)を構成している。ゲート電極31上には絶縁
層を介して書き込み用のワードライン(WL2)41が
形成されている。トランジスタ30のドレイン領域33
にはコンタクトメタル42が接続され、さらにコンタク
トメタル42には下地層43が接続されている。この下
地層43上の書き込み用のワードライン(WL2)41
の上方に対応する位置に、図1〜図4に示したようなト
ンネル接合型磁気抵抗効果素子(TMR)10が形成さ
れている。このTMR10上にはビットライン(BL)
44が接続されている。図5の等価回路図に示すよう
に、トランジスタ30とTMR10とからなる記録セル
はマトリックス状に配列されている。トランジスタ30
のゲート電極31からなる読み出し用のワードライン
(WL1)と、書き込み用のワードライン(WL2)4
1とは平行に配置されている。また、TMR10の他端
(上部)と接続されたビットライン(BL)44は、ワ
ードライン(WL1)31およびワードライン(WL
2)41と直交して配置されている。
【0038】図7および図8を参照して、ダイオードと
強磁性トンネル接合素子とを積層した構造を有する磁気
記録素子を説明する。図7は磁気記録素子の等価回路
図、図8は磁気記録素子の斜視図である。図7および図
8に示すように、ダイオード50とTMR10との積層
体からなる記録セルはマトリックス状に配列されてい
る。ダイオード50とTMR10との積層体はビットラ
イン(BL)61上に形成され、ダイオード50の一端
とビットライン(BL)61とが接続されている。TM
R10の他端には、ビットライン(BL)61と直交し
て配置されたワードライン(WL)62が接続されてい
る。
【0039】図9は本発明に係るトンネル接合型磁気抵
抗効果素子を含む磁気抵抗効果ヘッドを搭載した磁気ヘ
ッドアセンブリの斜視図である。アクチュエータアーム
71は、磁気ディスク装置内の固定軸に固定されるため
の穴が設けられ、図示しない駆動コイルを保持するボビ
ン部等を有する。アクチュエータアーム71の一端には
サスペンション72が固定されている。サスペンション
72の先端には上述した各形態のトンネル接合型磁気抵
抗効果素子を含む磁気抵抗効果ヘッドを搭載したヘッド
スライダ73が取り付けられている。また、サスペンシ
ョン72には信号の書き込みおよび読み取り用のリード
線74が配線され、このリード線74の一端はヘッドス
ライダ73に組み込まれた磁気抵抗効果ヘッドの各電極
に接続され、リード線74の他端は電極パッド75に接
続されている。
【0040】図10は図9に示す磁気ヘッドアセンブリ
を搭載した磁気ディスク装置の内部構造を示す斜視図で
ある。磁気ディスク101はスピンドル102に装着さ
れ、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答す
る図示しないモータにより回転する。図9のアクチュエ
ータアーム71は固定軸103に固定され、サスペンシ
ョン72およびその先端のヘッドスライダ73を支持し
ている。磁気ディスク101が回転すると、ヘッドスラ
イダ73の媒体対向面は磁気ディスク101の表面から
所定量浮上した状態で保持され、情報の記録再生を行
う。アクチュエータアーム71の基端にはリニアモータ
の1種であるボイスコイルモータ104が設けられてい
る。ボイスコイルモータ104はアクチュエータアーム
71のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイル
とこのコイルを挟み込むように対向して配置された永久
磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成され
る。アクチュエータアーム71は固定軸103の上下2
個所に設けられた図示しないボールベアリングによって
保持され、ボイスコイルモータ104により回転摺動が
自在にできるようになっている。
【0041】本発明に係るトンネル型磁気抵抗効果素子
を磁気抵抗効果ヘッドに適用する場合は、磁場中成膜ま
たは磁場中熱処理により、隣り合う強磁性層のスピンを
ほぼ直交させる。このようにすれば、磁気ディスクから
の漏れ磁場に対して線形応答が得られ、どのようなヘッ
ド構造でも使用できる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0043】(実施例1)Al23を誘電体層(トンネ
ルバリア層)とする図2(b)に示した構造の強磁性一
重トンネル接合を有する磁気抵抗効果素子を製造した実
施例を、図11(a)〜(c)および図12(a)〜
(c)を参照して説明する。
【0044】Si/SiO2基板11をスパッタ装置に
入れ、初期真空度を2×10-7Torrに設定した後、
Arを導入して圧力を1×10-3Torrに設定した。
Si/SiO2基板11上に、厚さ5nmのTaからな
る下地層25、厚さ17nmのIr22Mn78からなる反
強磁性層22、厚さ3nmのCoFeからなる強磁性層
12を連続的に形成した。次に、以下の(A)または
(B)の方法を用い、CoFeからなる強磁性層12上
にAl23からなる誘電体層13を形成した。
【0045】(A)Arガス中でAl23ターゲットを
スパッタしてAl2xを成膜した。このとき、Al2x
の厚さを1.5〜2.5nmの範囲で変化させた。その
後、真空を破ることなくスパッタ装置に純酸素を導入
し、酸素ガス中でAl2xを表面側から酸化してAl2
3に変換し、誘電体層13を形成した。このとき、酸
化時間を変化させることにより、Al2xからAl23
への変換度合を調整した。
【0046】(B)Arガス中でAl23ターゲットを
スパッタしてAl2xを成膜した。このとき、Al2x
の厚さを1.5〜2.5nmの範囲で変化させた。その
後、真空を破ることなくスパッタ装置に純酸素を導入し
グロー放電させてプラズマを発生させ、酸素プラズマ中
でAl2xを表面側から酸化してAl23に変換し、誘
電体層13を形成した。このとき、グロー放電時のパワ
ーおよび酸化時間を変化させることにより、Al2x
らAl23への変換度合を調整した。
【0047】Arガス中において上記と同様の条件でス
パッタすることにより、誘電体層13上に、厚さ5nm
のCoFeおよび厚さ15nmのNiFeからなる強磁
性層14、および厚さ5nmのTaからなる保護層26
を連続的に形成した(図11(a))。
【0048】通常のフォトリソグラフィ技術とイオンミ
リング技術を用いて、上記の積層膜を50μm幅の下部
配線形状に加工した(図11(b))。
【0049】通常のフォトリソグラフィ技術により接合
部を規定するためのレジストパターンR1を形成し、T
a保護層26およびCoFe/NiFe強磁性層14を
イオンミリングした。このとき接合面積を種々変化させ
た(図11(c))。
【0050】レジストパターンR1を残したまま電子ビ
ーム蒸着により厚さ300nmのAl23を堆積した
後、レジストパターンR1およびその上のAl23をリ
フトオフし、接合部以外の部分に層間絶縁膜27を形成
した(図12(a))。
【0051】電極配線の形成領域以外の領域を覆うレジ
ストパターンR2を形成した後、表面を逆スパッタして
クリーニングした(図12(b))。
【0052】全面にAlを堆積した後、レジストパター
ンR2およびその上のAlをリフトオフして、Al電極
配線28を形成した(図12(c))。その後、磁場中
熱処理炉に導入し、ピン層となる強磁性層12に一方向
異方性を導入した。
【0053】上記の(A)または(B)の方法を用いて
誘電体層を形成した試料AまたはBについて種々の測定
を行った。これらの結果を図13〜図16に示す。
【0054】図13に試料AおよびBの磁気抵抗効果曲
線を示す。図13に示されるように、試料Aでは23O
eという小さな磁界においてMR変化率21%が得られ
ている。同様に、試料Bでは25Oeという小さな磁界
でMR変化率25%が得られている。
【0055】図14に試料AおよびBについてMR変化
率および抵抗値(R)の接合面積依存性を示す。図14
に示されるように、MR変化率は接合面積にほとんど依
存しないことがわかる。
【0056】図15に試料Aについて抵抗値(R)の酸
化時間依存性、および試料Bについて抵抗値(R)の酸
化時間依存性をプラズマ酸化時の印加電力をパラメータ
として示す。いずれも接合面積が200μm2のときの
データである。図15に示されるように、酸化時間やプ
ラズマ酸化時の印加電力を変えてAl2xからAl23
への変換度合を調整することによって、抵抗値を調整で
きることがわかる。
【0057】図16に試料AおよびBについてMR変化
率および抵抗値(R)のAl2x膜厚(t)依存性を示
す。いずれも酸化時間またはプラズマ酸化時の印加電力
を一定にしたときのデータである。図16に示されるよ
うに、Al2x膜厚がある程度厚ければ、抵抗値および
MR変化率はそれほど変化しない。このようにある程度
厚いAl2xを成膜した後、その表面のみを酸化してA
23に変換することによって所望の磁気抵抗効果が得
られるため、強磁性トンネル接合素子の歩留りを向上で
きる。
【0058】(実施例2)Al23を誘電体層(トンネ
ルバリア層)とする図4に示した構造の強磁性二重トン
ネル接合を有する磁気抵抗効果素子を製造した実施例
を、図17(a)〜(c)および図18(a)、(b)
を参照して説明する。
【0059】Si/SiO2基板11をスパッタ装置に
入れ、初期真空度を2×10-7Torrに設定した後、
Arを導入して圧力を1×10-3Torrに設定した。
Si/SiO2基板11上に、厚さ5nmのTaからな
る下地層25、厚さ20nmのFe−Mnからなる反強
磁性層22、厚さ5nmのNiFeおよび厚さ3nmの
CoFeからなる強磁性層12を連続的に形成した。次
に、以下の(A2)または(B2)の方法を用い、強磁
性層12上にAl23からなる誘電体層13を形成し
た。
【0060】(A2)Arガス中でAl23ターゲット
をスパッタしてAl2xを成膜した。このとき、Al2
xの厚さを1.5〜2.5nmの範囲で変化させた。
その後、真空を破ることなくスパッタ装置に純酸素を導
入し、酸素ガス中でAl2xを表面側から酸化してAl
23に変換し、誘電体層13を形成した。このとき、酸
化時間を変化させることにより、Al2xからAl23
への変換度合を調整した。
【0061】(B2)Arガス中でAl23ターゲット
をスパッタしてAl2xを成膜した。このとき、Al2
xの厚さを1.5〜2.5nmの範囲で変化させた。
その後、真空を破ることなくスパッタ装置に純酸素を導
入しグロー放電させてプラズマを発生させ、酸素プラズ
マ中でAl2xを表面側から酸化してAl23に変換
し、誘電体層13を形成した。このとき、グロー放電時
のパワーおよび酸化時間を変化させることにより、Al
2xからAl23への変換度合を調整した。
【0062】Arガス中において上記と同様の条件でス
パッタすることにより、誘電体層13上に、厚さ3nm
のCoFeからなる強磁性層14を形成した。つづい
て、上記と同様に(A2)または(B2)の方法で誘電
体膜15を形成した。その後、Arガス中において上記
と同様の条件でスパッタすることにより、厚さ3nmの
CoFeおよび厚さ5nmのNiFeからなる強磁性層
16、厚さ20nmのFe−Mnからなる反強磁性層2
4、および厚さ5nmのTaからなる保護層26を連続
的に形成した。なお、この例では、各層をメタルマスク
を通して成膜することにより、1mm幅の下部配線形状
に形成している(図17(a))。
【0063】通常のフォトリソグラフィ技術により接合
部を規定するためのレジストパターンR1を形成し、保
護層26、反強磁性層24、強磁性層16、誘電体層1
5および強磁性層14をイオンミリングした。このとき
接合面積を種々変化させた(図17(b))。
【0064】レジストパターンR1を残したまま電子ビ
ーム蒸着により厚さ300nmのAl23を堆積した
後、レジストパターンR1およびその上のAl23をリ
フトオフし、層間絶縁膜27を形成した(図17
(c))。
【0065】電極配線の形成領域以外の領域を覆うレジ
ストパターンR2を形成した後、表面を逆スパッタして
クリーニングした(図18(a))。
【0066】全面にAlを堆積した後、レジストパター
ンR2およびその上のAlをリフトオフして、Al電極
配線28を形成した(図18(b))。その後、磁場中
熱処理炉に導入し、ピン層となる強磁性層12、16に
一方向異方性を導入した。
【0067】上記の(A2)または(B2)の方法を用
いて誘電体層を形成した試料A2またはB2について種
々の測定を行った。これらの結果を図19〜図22に示
す。
【0068】図19に試料A2およびB2の磁気抵抗効
果曲線を示す。図19に示されるように、試料A2では
30Oeという小さな磁界においてMR変化率23%が
得られている。同様に、試料B2では35Oeという小
さな磁界でMR変化率27.5%が得られている。
【0069】図20に試料A2およびB2についてMR
変化率および抵抗値(R)の接合面積依存性を示す。図
20に示されるように、MR変化率は接合面積にほとん
ど依存しないことがわかる。
【0070】図21に試料A2について抵抗値(R)の
酸化時間依存性、および試料B2について抵抗値(R)
の酸化時間依存性をプラズマ酸化時の印加電力をパラメ
ータとして示す。図21に示されるように、酸化時間や
プラズマ酸化時の印加電力を変えてAl2xからAl2
3への変換度合を調整することによって、抵抗値を調
整できることがわかる。
【0071】図22に試料A2およびB2についてMR
変化率および抵抗値(R)のAl2x膜厚(t)依存性
を示す。いずれも酸化時間またはプラズマ酸化時の印加
電力を一定にしたときのデータである。図22に示され
るように、Al2x膜厚がある程度厚ければ、抵抗値お
よびMR変化率はそれほど変化しない。このようにある
程度厚いAl2xを成膜した後、その表面のみを酸化し
てAl23に変換することによって所望の磁気抵抗効果
が得られるため、強磁性トンネル接合素子の歩留りを向
上できる。
【0072】(実施例3)実施例1、2と同様の方法に
よって、強磁性一重トンネル接合または強磁性二重トン
ネル接合を有する、表1の11種の磁気抵抗効果素子を
製造した。表1に試料1〜11の各素子の積層構造を示
す。なお、試料番号が偶数のものは、誘電体層を成膜し
た後、プラズマ酸化またはプラズマ窒化している。ま
た、試料番号が奇数のものは、誘電体層を成膜した後、
30mTorrのO2またはN2雰囲気で酸化または窒化
している。
【0073】表1に、各試料のMR変化率および抵抗
値、ならびにこれらの値のウエハー内でのばらつきを示
す。表1から、MR変化率および抵抗値のウエハー内で
のばらつきは比較的小さいことがわかる。したがって、
本発明の方法を用いれば、強磁性トンネル接合素子を歩
留りよく製造できることがわかる。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法を用い
れば、高品質の誘電体層を制御性よく形成でき、トンネ
ル接合型の磁気抵抗効果素子を歩留りよく製造すること
ができ、磁気抵抗効果型ヘッド、磁界センサー、磁気記
憶素子などに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る強磁性一重トンネル接合素子の製
造方法を工程順に示す断面図。
【図2】本発明に係る反強磁性体を有する強磁性一重ト
ンネル接合素子の断面図。
【図3】本発明に係る強磁性二重トンネル接合素子の製
造方法を工程順に示す断面図。
【図4】本発明に係る反強磁性体を有する強磁性二重ト
ンネル接合素子の断面図。
【図5】磁気記録素子(MRAM)の一例を示す等価回
路図。
【図6】磁気記録素子(MRAM)の一例を示す断面
図。
【図7】磁気記録素子(MRAM)の他の例を示す等価
回路図。
【図8】磁気記録素子(MRAM)の他の例を示す斜視
図。
【図9】本発明に係るトンネル接合型磁気抵抗効果素子
を含む磁気抵抗効果ヘッドを搭載した磁気ヘッドアセン
ブリの斜視図。
【図10】図9に示す磁気ヘッドアセンブリを搭載した
磁気ディスク装置の内部構造を示す斜視図。
【図11】実施例1の強磁性一重トンネル接合素子の製
造方法を工程順に示す断面図。
【図12】実施例1の強磁性一重トンネル接合素子の製
造方法を工程順に示す断面図。
【図13】実施例1の試料AおよびBの磁気抵抗効果曲
線を示す図。
【図14】実施例1の試料AおよびBについてMR変化
率および抵抗値(R)の接合面積依存性を示す図。
【図15】実施例1の試料Aについて抵抗値(R)の酸
化時間依存性、および試料Bについて抵抗値(R)の酸
化時間依存性をプラズマ酸化時の印加電力をパラメータ
として示す図。
【図16】実施例1の試料AおよびBについてMR変化
率および抵抗値(R)のAl2x膜厚(t)依存性を示
す図。
【図17】実施例2の強磁性二重トンネル接合素子の製
造方法を工程順に示す断面図。
【図18】実施例2の強磁性二重トンネル接合素子の製
造方法を工程順に示す断面図。
【図19】実施例2の試料A2およびB2の磁気抵抗効
果曲線を示す図。
【図20】実施例2の試料A2およびB2についてMR
変化率および抵抗値(R)の接合面積依存性を示す図。
【図21】実施例2の試料A2について抵抗値(R)の
酸化時間依存性、および試料B2について抵抗値(R)
の酸化時間依存性をプラズマ酸化時の印加電力をパラメ
ータとして示す図。
【図22】実施例2の試料A2およびB2についてMR
変化率および抵抗値(R)のAl 2x膜厚(t)依存性
を示す図。
【符号の説明】 11…基板 12…第1の強磁性層 13…誘電体層(トンネルバリア層) 13a…Al2x層、13a…Al23層 14…第2の強磁性層 15…誘電体層(トンネルバリア層) 15a…Al2x層、15a…Al23層 16…第3の強磁性層 21、22、23、24…反強磁性層 25…下地層 26…保護層 27…層間絶縁層 28…電極配線 30…トランジスタ 31…ゲート電極(読み出し用ワードライン) 32、33…ソース、ドレイン領域 41…書き込み用ワードライン 42…コンタクトメタル 43…下地層 44…ビットライン 50…ダイオード 61…ビットライン 62…ワードライン 71…アクチュエータアーム 72…サスペンション 73…ヘッドスライダ 74…リード線 75…電極パッド 101…磁気ディスク 102…スピンドル 103…固定軸 104…ボイスコイルモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−3507(JP,A) 特開2000−113428(JP,A) 特開 平11−177161(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/39 G01R 33/09 H01L 43/08 H01L 43/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2層の強磁性層の間に誘電体層を設けた
    構造を有する強磁性一重トンネル接合、または3層の強
    磁性層の各層間に誘電体層を設けた構造を有する強磁性
    二重トンネル接合を含む磁気抵抗効果素子を製造するに
    あたり、 強磁性層上に誘電体膜をスパッタ形成する工程と、前記誘電体膜をスパッタ形成した後、スパッタ装置の真
    空を破ることなく、 酸素または窒素を含有するガスを導
    入して前記誘電体膜を酸化または窒化するか、前記ガス
    を導入した後にグロー放電させてプラズマ中で前記誘電
    体膜を酸化または窒化する工程とを具備したことを特徴
    とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記強磁性層がFe、Co、Niまたは
    これらの元素を含む合金からなることを特徴とする請求
    項1記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記誘電体層がAl、Si、Mg、希土
    類元素またはこれらの元素を含む合金の酸化物または窒
    化物からなることを特徴とする請求項1または2記載の
    磁気抵抗効果素子の製造方法。
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