JP3479978B2 - 塗料組成物および樹脂被覆金属板 - Google Patents
塗料組成物および樹脂被覆金属板Info
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Description
加工性に優れた樹脂被覆層を形成することができる塗料
組成物、ならびにこの塗料組成物が塗装された、例えば
自動車の補修部品用素材として好適な樹脂被覆金属板に
関する。
板は、成形された後そのまま製品の外板として使用され
るもの(以下「プレコート金属板」という)と、成形さ
れた後でさらに上に塗装が施されるもの(以下「プレプ
ライムド金属板」という)とに大別される。
く必要ないプレコート金属板は、現在では家電製品や屋
内器物用の素材に多く用いられるようになってきたが、
自動車用の素材としての利用は殆どなされていない。そ
の最大の理由は、自動車を組み立てる際の接合方法とし
て溶接法が多用されており、電気伝導性のない従来のプ
レコート鋼板では溶接が行えないからである。
課題である。そのためには、金属板(主に鋼板)をプレ
コート化して塗装工程全体を省略する方法と、プレプラ
イムド化して塗装工程の一部(電着塗装工程、あるいは
電着塗装工程および中塗り塗装工程)を省略する方法が
考えられるが、適用が容易なプレプライムド化が先行す
るであろう。
厚板の小物部品のプレプライムド化まで必要となるとい
った技術的課題の多いボディ全体ではなく、部品毎に単
独塗装され、しかも薄板部品のみが使用される補修部品
が最もプレプライムド化し易いと考えられる。補修部品
の場合でも、プレプライムド化により、電着塗装工程、
または中塗り工程と電着塗装工程の省略が可能となるか
らである。
性、耐食性、溶接性などの種々の性能を合わせ持つ樹脂
被覆金属板(特に、樹脂被覆鋼板)の開発がなされてき
た。溶接性についても、樹脂被覆層に導電顔料を加えた
り、樹脂被覆層を極薄にすることにより、スポット溶接
を行うことが可能な樹脂被覆鋼板が開発されている。こ
れまで自動車用に採用されてきた樹脂被覆鋼板は、その
大半が、亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっき鋼板
の表面に、下層のクロメート皮膜と、上層の厚さ1μm
程度の極薄の有機樹脂被覆層とを形成した、溶接と電着
塗装が可能な高耐食性のいわゆる有機複合被覆鋼板(例
えば特開昭6−155658号公報参照)である。
等の平板部の耐食性や塗装後の耐食性等を意味し、プレ
コート鋼板に要求される切断端面や打ち抜き端面の耐食
性(以下、「端面耐食性」という)は、これとは異なる
性質である。
適用すると、端面耐食性の問題が生じる。すなわち、従
来の有機複合被覆鋼板は、樹脂被覆層の厚みが1μm程
度と非常に薄く、端面を十分に保護することができな
い。また、中・上塗り塗装だけで端面を完全に被覆する
ことは困難である。
略して中塗り塗装と上塗り塗装を施して使用しても、端
面耐食性は十分ではない。従って、有機複合被覆鋼板
は、めっき鋼板よりさらに耐食性の向上が可能な鋼板素
材として、主に高級自動車のボディ用に使用されてお
り、成形後に電着塗装を含む全ての塗装工程が施される
ので、塗装工程の簡略化にはつながらない。
修用塗料は、自動車製造工程で使用される高温焼き付け
型の塗料とは異なり、50℃から80℃程度の低温焼付け型
塗料であり、従来の有機複合被覆鋼板ではこの低温焼付
け型補修用塗料との密着性の確保は困難である。
金属板は、溶接性、加工性、平板部の耐食性には優れる
ものの、端面耐食性は不十分であり、また低温焼付け型
の補修塗料との密着性にも問題がある。
れた塗装が可能で、溶接性(連続スポット溶接性)、端
面耐食性および加工性にも優れた樹脂被覆層を形成する
ことができる塗料組成物を提供することである。
樹脂被覆層を有する、自動車の補修部品用素材として好
適な樹脂被覆金属板を提供することである。
接可能な樹脂被覆金属板について、特に低温焼付け型補
修用塗料の密着性(以下、上塗り密着性という)を高め
ることにより十分な端面耐食性を具備させる方策を検討
した結果、樹脂、有機潤滑剤、導電顔料、導電顔料以外
の他の無機顔料の適正化および硬化触媒の適正量添加に
より、端面耐食性、上塗り密着性、溶接性、および加工
性の各性能をバランスよく向上させることができること
と見出した。
響されるので、密着性の向上に寄与する樹脂の樹脂被覆
層中での含有量を増大させ、さらに塗膜の強度を向上さ
せる他の無機顔料を適正量添加することにより、樹脂被
覆金属板の端面耐食性を向上させることができる。
る。樹脂被覆層中における有機潤滑剤および導電顔料の
リン化鉄の量を増すと濡れ性が低下し、それに伴い上塗
り密着性も低下する。
り密着性に大きく影響する。極表面が粗な状態である
と、上塗り塗装中の有機溶剤(シンナー)により塗膜表
面が膨潤し、脆弱な層となり、その脆弱な層を起点とし
て上塗り塗料の剥離が生じる。
面の濡れ性を適正に制御すると同時に、極表面(表層
部)の架橋密度を高くして緻密化することが必要であ
る。そのためには、適正量の硬化触媒の添加が効果的
で、上塗り密着性が飛躍的に向上する。
めには、樹脂被覆層中の樹脂量と顔料量の適正化が重要
である。樹脂量を減少させ、あるいは導電顔料のリン化
鉄量を増大させると、加工時に粉ふき(パウダリング)
が生じ易くなる。なお、前記の硬化触媒の適正量の添加
は、樹脂と導電顔料の結合力の向上にも寄与するので、
パウダリングの抑制にも有効である。
樹脂被覆層の動摩擦係数は低下するが、動摩擦係数が小
さすぎると成形時にしわが発生しやすくなる。特に、自
動車補修部品用の素材の場合は、プレス成形の際には洗
浄油が塗布されているので、ノンオイル成形が前提であ
った従来の非溶接型プレコート金属板に比べると、動摩
擦係数をより高い値に制御する必要がある。
と有機潤滑剤量に必要最小限に止め、樹脂量を増大さ
せ、その他の無機顔料の適正量添加で塗膜を補強し、さ
らに硬化触媒を添加して樹脂被覆層の極表面(表層部)
を緻密にすることによって、上記の各性能(上塗り密着
性、溶接性、端面耐食性および加工性)をバランスよく
向上させることができる。
の塗料組成物および(2)の樹脂被覆金属板である。
料の合計量が31%以上56%以下 を含有し、かつバインダー樹脂(硬化剤を含む)量と有
機潤滑剤量が下記式を満たし、さらに前記バインダー
樹脂(硬化剤を含む)の固形分重量に対して0.7%以上1
0%以下の硬化触媒を含有することを特徴とする塗料組
成物。
に、リン酸亜鉛処理およびクロメート処理から選ばれた
少なくとも1種の化成処理により形成された下地皮膜
と、その上に上記(1)に記載の塗料組成物から形成さ
れた、厚み2〜9μmの樹脂被覆層とを有することを特
徴とする樹脂被覆金属板。
量と有機潤滑剤量との適正範囲を示す図であり、 図2は実施例で各種試験に供した塗料組成物のバイン
ダー樹脂量と有機潤滑剤量との関係を表す図である。
おいて、%は特に指定のない限り重量%である。
れぞれ所定量のバインダー樹脂(硬化剤を含む)、硬化
触媒、有機潤滑剤および顔料(導電顔料、およびその他
の無機顔料)を含む。ただし、硬化触媒は一般に液状で
あるため、ここでは有効成分として所定量含まれている
ことを意味する。バインダー樹脂は、後述するように溶
剤中に溶解または分散している。
発性成分を除いた固形分の総重量に対する固形分(もし
くは有効成分)の量(即ち、固形分基準の量)であり、
硬化触媒の量はバインダー樹脂(硬化剤を含む)の固形
分重量に対する固形分(もしくは有効成分)の量であ
る。塗料組成物を塗装、乾燥して得られる樹脂被覆層
は、揮発性成分を含まないので、樹脂被覆層の組成は上
記の固形分基準の塗料組成物の組成に実質的に一致す
る。
は、一般に主樹脂と硬化剤とからなる。硬化剤のみをバ
インダー樹脂として使用することも可能ではあるが、樹
脂被覆層の加工性や密着性が不十分となり易いので、ま
れである。
ト鋼板に使用されている樹脂であればよく、特に限定さ
れない。塗料組成物を塗装して得られる樹脂被覆金属板
の上塗り密着性、端面耐食性、加工性、および溶接性を
バランスよく向上させるという点を考慮すると、主樹脂
はポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およ
びアクリル樹脂のいずれかであることが好ましい。これ
らの樹脂を変性した樹脂も主樹脂として使用できる。こ
こでいう変性とは、2種類以上の樹脂を混合するコール
ドブレンドによる変性と、樹脂の末端に異なる樹脂を反
応させる末端修飾による変性の両者を意味する。主樹脂
は、相溶性が損なわれなければ、2種以上の併用が可能
である。
のであれば特に限定されない。アミン系硬化剤、酸無水
物系硬化剤、フェノール樹脂等が挙げられる。特に好適
な硬化剤としては、アルキルエーテル化アミノホルムア
ルデヒド樹脂(例、アルキルエーテル化メラミン樹
脂)、イソシアネート化合物が挙げられる。主樹脂に対
して、2種以上の硬化剤を併用してもよい。
種類のものでも、水性化したものでもよい。
計)の含有量(固形分基準、以下同じ)は、固形分とし
て38%以上66%以下にする。含有量が38%未満では樹脂
被覆層の密着性が十分に発現せず、加工時にパウダリン
グを生じやすくなる。また、端面耐食性も低下する。一
方、その含有量が66%を超えると溶接性が著しく低下す
る。含有量の好ましい範囲は42%以上62%以下、さらに
好ましい範囲は46%以上58%以下である。
い。例えば、硬化剤としてアルキルエーテル化アミノホ
ルムアルデヒド樹脂を使用する場合には、パラトルエン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン
酸系硬化触媒を使用することができる。これらの触媒
は、アミンなどの塩基で中和したタイプでも、中和しな
いタイプでもよい。
錫ジラウレートや、1,3−ジアセトキシテトラブチルス
タノキサンなどの金属有機酸塩や、トリエチレンジアミ
ン、テトラブチルアンモニウムクロライドなどの三級ア
ミンおよびその塩を用いればよい。
(主樹脂+硬化剤)に対し0.7%以上10%以下、即ち、
0.7〜10PHR(=Per Hundred Resin)となるようにす
る。添加量が0.7%未満では表層に緻密な層が十分形成
されず、上塗り密着性が低下する。10%を超えると、硬
化が促進されすぎて、加工性、溶接性の低下を招くばか
りか、塗料の貯蔵安定性も低下する。添加量の好ましい
範囲は1.5%以上8%以下:さらに好ましい範囲は2%
以上7%以下である。
少させ、樹脂被覆層にかかる力を弱めて加工時に生じる
樹脂被覆層の損傷を防止しようとするものである。低比
重で樹脂被覆層中での容積分率が大きいだけでなく、溶
接時に熱分解しやすく、しかも共存する樹脂の熱分解促
進物質であることが好ましい。
等のポリオレフィン類や、カルボン酸エステル系化合
物、ポリアルキレングリコール等が特に好ましい。カル
ボン酸エステル系化合物としては、ステアリン酸、オレ
イン酸、アジピン酸、セバシン酸等のカルボン酸と、n
−ブタノール、sec−ブタノール、ネオペンチルアルコ
ール等のアルコールとのモノエステル、ジエステル、ポ
リエステル等が挙げられ、ポリアルキレングリコールと
しては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール等が挙げられる。これらの有機潤滑剤は、それぞ
れ単独でも、あるいは2種以上の組み合わせでも使用で
きる。
以下が好ましい。平均粒径が1μm未満では十分な潤滑
性の発現が困難であり、10μmを超えると成型時に有機
潤滑剤自身が脱落しやすくなり、押し込み疵の原因とな
る。より好ましい粒径は3〜8μmである。
%以下とする。含有量が0.2未満では十分な加工性が得
られず、特に、洗浄油が十分に塗布されていない状態で
パウダリングや塗膜剥離を生じやすくなる。また、洗浄
油が塗布されている部分と塗布されていない部分での潤
滑性が大きく異なるため、シワの発生を招く恐れもあ
る。一方、有機潤滑剤の含有量が6%を超えると動摩擦
係数が小さくなりすぎて成型時にしわが発生したり、剥
離した有機潤滑剤が押し込み疵の原因となり易く、上塗
り密着性も著しく低下する。有機潤滑剤含有量の好まし
い範囲は、0.5%以上5%以下であり、さらに好ましい
範囲は0.7%以上4%以下である。
(%)が下記式で表される関係を満たすことが必要で
ある(但し、上述したように、38≦R≦66、0.2≦W≦
6である)。
必要な有機潤滑剤量とバインダー樹脂量との関係につい
ての検討結果に基づくもので、バインダー樹脂量Rが多
い場合は有機潤滑剤量Wが少なくてもよいことになる。
これは、バインダー樹脂自体が潤滑性を有しており、ま
た、バインダー樹脂量が多い場合には、樹脂被覆層と基
材鋼板との密着性が良好なため、有機潤滑剤量が少なく
ても優れた加工性が得られることによるものである。逆
に、バインダー樹脂量が少ない場合には、有機潤滑剤量
を増大させる必要がある。
潤滑剤量W(%)の量は、図1に示す最も外側の斜線を
施した範囲(図中に「本発明の範囲」と表示した部分)
である。なお、前記に関しての好ましい範囲は下記
式で表され、一方バインダー樹脂量Rおよび有機潤滑剤
量Wについての好ましい範囲は、前記のように42≦R≦
62および0.5≦W≦5(単位は、いずれも%)なので、
これらの条件を満たす範囲がバインダー樹脂量Rと有機
潤滑剤量Wとの関係における好ましい範囲となる(図中
に「好ましい範囲」と表示)。
(単位は、いずれも%)で表される範囲である(図中に
「より好ましい範囲」と表示)。
脂被覆層に導電性を付与するため、導電顔料を添加す
る。導電顔料としては、(イ)電気抵抗が低く安定して
おり、少量で十分な通電効果が得られること、(ロ)溶
接時の発熱により溶融しない高融点物質であること、
(ハ)硬度が高く、溶接時の加圧により導電顔料が絶縁
性の樹脂被覆層を破壊し、導電性をより良好にできるこ
と、および(ニ)低価格で大量供給が可能であること、
等の性質を備えた顔料が好ましい。
を主成分とし、平均粒径が20μm以下、好ましくは10μ
m以下の顔料が最適である。リン化鉄を主成分とする顔
料は、商品名フェロホス等として各種のものが市販され
ているので、それらを単独あるいは組み合わせて用いれ
ばよい。
上50%以下となるようにする。含有量が20%未満では十
分な溶接性が得られず、一方、50%を超えて含有させて
も溶接性はそれほど改善されないばかりか、加工性、上
塗り密着性、端面耐食性が低下する。好ましくは25%以
上45%以下である。
脂被覆金属板の端面耐食性や耐水密着性などを向上させ
るために、導電顔料に加えて、それ以外の1種もしくは
2種以上の「他の無機顔料」を一緒に添加する。
る防錆顔料と体質顔料とを含む意味である。防錆顔料
は、6価クロムの溶出によって端面耐食性を向上させる
クロム酸系防錆顔料と、クロムを含有しない非クロム系
防錆顔料を含む。
ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸バリウ
ム、塩基性クロム酸鉛等である。クロム酸系防錆顔料
は、リン化鉄分解抑制剤としても有効である。
ン酸塩顔料、モリブデン酸塩顔料、リンモリブデン酸塩
顔料等が挙げられる。具体例としては、リン酸亜鉛、リ
ン酸カルシウム、リン酸マグネシウム/五酸化バナジウ
ム混合物、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸ストロンチ
ウム、リンモリブデン酸アルミニウム系顔料などが挙げ
られる。
ン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、カー
ボンブラック、酸化鉄等が挙げられる。
用しても、2種以上を組合わせて使用してもよい。2種
以上を組合わせる場合の好ましい組合わせは、クロム酸
系または非クロム系の防錆顔料1種もしくは2種以上
と、体質顔料1種もしくは2種以上との組合わせである
が、防錆顔料を全く含有させずに体質顔料のみの組合わ
せや、防錆顔料のみの組合わせも可能である。
が、25%以下となるように添加する。含有量の合計が25
%を超えると、溶接性が低下する。他の無機顔料がクロ
ム酸系または非クロム系防錆顔料を含有する場合、これ
らの防錆顔料を含む他の無機顔料の合計量が3%以上と
なるように添加することが好ましい。但し、クロム酸系
防錆顔料の含有量は、11%以下とすることが好ましい。
この含有量が11%を超えると、加工性が低下するのみな
らず、クロム溶出の問題を生ずることがある。他の無機
顔料が防錆顔料を含有せず、体質顔料のみからなる場合
には、他の無機顔料の量を10%以上にすることが好まし
い。
含有量は、31%以上56%以下とする。無機顔料の総量が
31%未満では、溶接性および端面耐食性のいずれかが低
下する。また、56%を超えると、加工性および端面耐食
性が低下する。好ましい範囲は35%以上52%以下であ
る。
る方法により溶剤と混合することによって製造すること
ができる。溶剤についても特別のものは必要ではなく、
例えば、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶
剤や、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の石油系溶剤、
トルエンやキシレン等の芳香族石油系溶剤、n−ブチル
アルコールやベンジンアルコール等のアルコール系溶
剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、さらに
は水等、通常のプレコート鋼板用塗料に使用される溶剤
であればよい。
続スポット溶接性)、端面耐食性および加工性に優れた
樹脂被覆金属板を製造することができる。好ましくは、
亜鉛系またはアルミニウム系めっきが施されためっき金
属板の表面にリン酸亜鉛処理およびクロメート処理の少
なくとも一方の化成処理を施した後で、本発明の塗料組
成物を用いて塗装を行う。こうして得られた樹脂被覆金
属板は、基材の金属板の片面または両面に、下からめっ
き皮膜、下地化成処理皮膜、および樹脂被覆層を有して
いる。
キシ樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂のいずれか
であり、硬化剤としてアルキルエーテル化アミノホルム
アルデヒド樹脂およびイソシアネート化合物のうちの少
なくとも1種が用いられている本発明の塗料組成物は、
これを塗装して得られる樹脂被覆金属板の上塗り密着
性、端面耐食性、加工性および溶接性をバランスよく向
上させることができるという点で、特に優れている。
は、鋼板、特にJIS G 3141に規定されるSPCC、SPCD、SP
CE等の鋼板、あるいは極低炭素Ti添加鋼、P添加鋼、そ
の他の高張力鋼等の鋼板であるが、アルミニウム板等の
鋼板以外の金属板も使用できる。
に亜鉛系めっき皮膜(亜鉛または亜鉛合金めっき皮膜)
またはアルミニウム系めっき皮膜(アルミニウムまたは
アルミニウム合金めっき皮膜)を形成する。
応じて適宜選択されうる。めっき種の例は、純Zn、Zn−
Fe合金、Zn−Co合金、Zn−Ni合金、Zn−Mn合金、Zn−Cr
合金、Zn−Mg合金、Zn−Al合金、純Al、Al−Mn合金等で
ある。好ましいめっき種は、純Zn、Zn−Ni合金、Zn−Co
合金、Zn−Al合金、および純Alである。
っき皮膜を形成することも可能である。めっき方法は電
気めっき(溶融塩電解めっきを含む)、溶融めっき、気
相めっきのいずれでもよく、溶融亜鉛めっきの場合には
その後に合金化熱処理を施したものでもよい。
場合、めっき皮膜の耐食性を向上させるため、めっき浴
中に1種もしくは2種以上の有機インヒビターを添加し
てもよい。
ン、ヘプチン、オクチン等)、アルキノール類(例、プ
ロパギルアルコール、1−ヘキシン−3−オール、1−
ヘプチン−3−オール等)、脂肪族もしくは芳香族アミ
ン類(例、ラウリルアミン、オクチルアミン、プロペニ
ルアミン、シクロヘキシルアミン等)およびその塩
(例、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等)、チオ化合物(例、
チオ尿素およびその誘導体、デシルメルカプタン、ジメ
チルスルフィド等)、複素環化合物(例、チオフェン、
インドール、バンゾイミダゾール、デキストリン等)、
ポリカルボン酸化合物(例、クエン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸等)およびその塩(例、ナトリウム
塩、カリウム塩等)、芳香族カルボン酸化合物(例、安
息香酸、サリチル酸等)およびその塩(例、ナトリウム
塩、カリウム塩等)、リグニンスルホン酸もしくはその
塩(例、ナトリウム塩)、デキストリンなどが例示され
る。
に換算して0.001〜10%とすることが好ましい。0.001%
未満であれば、耐食性向上の効果が小さく、10%を超え
ると、めっき皮膜の機械的特性が失われるばかりか、溶
接性にも悪影響を及ぼすからである。
耐食性および溶接性のバランスを考慮すると、片面あた
り10g/m2以上120g/m2以下であるのが好ましく、より好
ましくは20〜100g/m2である。
層との密着性)および耐食性の向上のために、めっき金
属板の下地処理として化成処理を施す。化成処理は、ク
ロメート処理、リン酸亜鉛処理、またはリン酸亜鉛処理
+クロメート処理のいずれかが適当である。
の方法により形成されたものであってもよいが、塗布型
クロメート処理によるものが耐食性に優れているので好
ましい。塗布型クロメート液の種類は特に限定されず、
市販の部分還元クロメート液を使用すればよい。
下し、多いと加工性が低下するので、金属クロム量に換
算して10mg/m2以上100mg/m2以下であることが好まし
い。さらに好ましくは、30mg/m2以上80mg/m2以下であ
る。
に使用される薬液を用いて、スプレー法、浸漬法等の慣
用手段で形成された皮膜であればよい。リン酸亜鉛皮膜
の付着量は、クロメート皮膜の場合と同様の理由で、0.
2g/m2以上1.8g/m2以下であるのが好ましく、さらに好ま
しくは、0.4g/m2以上1.2mg/m2以下である。
覆層を形成する。樹脂被覆層の厚みは2μm以上9μm
以下とすることが好ましい。2μm未満では、端面耐食
性や加工性が劣化しやすく、9μmを超えると溶接性が
著しく低下する。より好ましくは3〜7μmである。
ルコート法、カーテンフローコート法、スプレー法等に
より上記の厚みになるように塗膜を塗布した後、加熱し
て塗膜を乾燥・硬化させればよい。
オーブンや、誘導加熱オーブンが適用できる。乾燥・硬
化温度は樹脂種により適宜設定されるが、一般には、最
高到達鋼板温度で140℃以上260℃以下で、加熱時間は30
秒以上3分以下である。
密着性、溶接性(連続スポット溶接性)、端面耐食性お
よび加工性に優れており、自動車の補修部品用素材とし
て好適である。
は、アクリル系、ウレタン系塗料などが挙げられる。中
塗りを省略してこれらの上塗り塗料を直接塗装しても十
分に高い上塗り密着性が得られる。しかし、上塗り塗料
の前に中塗り塗料を適用することももちろん可能であ
る。
の塗料組成において、バインダー樹脂(主樹脂+硬化
剤)、有機潤滑剤および各種顔料の含有量は全固形分に
対する固形分としての重量%であり、硬化触媒の含有量
(有効成分の量)はバインダー樹脂(主樹脂+硬化剤)
の固形分100重量部に対する重量部(PHR)である。
した種類のものを使用した。バインダー樹脂のうち、ポ
リエステル樹脂は水性化(エマルジョン型)樹脂であ
り、残りのウレタン樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、
エポキシ樹脂およびポリエーテルスルホン樹脂は有機溶
剤溶解型樹脂であった。
ポリエチレンワックス、粒径3〜8μm)を、導電顔料
にはフェロホスHRS 2132(フーカーケミカルスアンドプ
ラスチックス社製リン化鉄主成分導電顔料)を、他の無
機顔料としてはリンモリブデン酸アルミニウム系防錆顔
料(キクチカラー社製LFボウセイPM−308)を用いた。
リンモリブデン酸アルミニウム系顔料の添加量は5%と
固定し、導電顔料、バインダー樹脂および有機潤滑剤の
量を変化させた。
モリブデン酸アルミニウム系顔料を添加し、ペイントシ
ェーカーで1時間ガラスビーズ分散した後、ビーズを濾
過で除去し、有機潤滑剤と、無機顔料を所定量添加した
後、10分間混合することにより調製した。必要により溶
剤(シクロヘキサノン)を加えて、塗料の不揮発分を50
%に調整した。
材)の両面に、硫酸塩系酸性めっき浴を用いて、Zn−Ni
合金電気めっき(Ni:13%、Zn:87%、片面当たり付着量
20g/m2)を施し、アルカリ脱脂、水洗および乾燥処理を
行った後、両面のめっき皮膜上に市販のクロメート処理
液(日本ペイント社製NRC300)をロールコータで塗布
し、最高到達鋼板温度が140℃となるよう熱風オーブン
で40秒間乾燥した。クロメート皮膜の付着量は金属クロ
ム量に換算して60mg/m2であった。
塗料をロールコータで乾燥膜厚が5μmになるよう塗布
し、熱風オーブンにより最高到達鋼板温度が232℃にな
るように1分間焼付け硬化させ、樹脂被覆鋼板を得た。
スポット溶接性、加工性(成形性)および端面耐食性の
各性能を下記の方法により評価した。
端径が5mmの電極を用い、加圧力250kgf、通電時間12サ
イクル、溶接電流8500Aの条件で連続スポット溶接を行
った。
より以下の3段階で行い、◎であれば良好とした。
ポンチ径50mm、ダイス径52.4mm、ブランク径95mmで絞り
抜き加工を行い、加工部のテープ剥離試験を行った。
とした。
り、但し、供試材割れなし)、 ×:供試材に割れあり。
さ0.3mmの穴をあけ、そのまま複合腐食試験に供し、20
サイクルの試験を行った。複合腐食試験の1サイクルは
下記のとおりである。
端面における赤錆と白錆の発生状況を肉眼で調査し、以
下の3段階で行い、◎であれば良好とした。
での錆発生長さ合計の百分率である。
高さ0.3mmの穴をあけた後、カエリが下になる状態で2
液型ウレタン塗料を乾燥膜厚40μmとなるようにスプレ
ー塗装し、60℃雰囲気で1時間焼き付けした後、上記
と同じサイクルの複合腐食試験に供し、30サイクルの試
験を行った。
おける赤錆と白錆の発生状況を肉眼で調査して、上記と
同じ3段階で評価を行い、◎であれば良好と判断した。
て2液型ウレタン塗料を乾燥膜厚が40μmとなるように
直接スプレー塗装し、60℃で40分焼付けした。
リオ。
離試験を行った。
ば良好とした。
これは、作製した塗料を50℃に30日間放置し、その前後
の塗料粘度を測定して評価したものである。塗料粘度は
フォードカップNo.4で測定し、「放置後の粘度/初期粘
度」の値が1.5を超える場合は×、1.2を超えて1.5まで
を△、1.2以下を◎とした。
置」の欄の記号(丸付き数字)に対応する。
成を持つ塗料組成物から作製した樹脂被覆鋼板では、上
塗り密着性、溶接性、加工性および端面耐食性の全ての
性能が良好であったのに対し、比較例の塗料組成物から
作製した樹脂被覆鋼板では、これらの性能の少なくとも
一つが劣った。
して調製した。この組成において、バインダー樹脂(主
樹脂+硬化剤)、有機潤滑剤および各種顔料の含有量
は、全固形分に対する固形分基準の量であり、硬化触媒
(その有効成分)の量は、バインダー樹脂(主樹脂+硬
化剤)の固形分に対するPHR量である。
エポキシ樹脂(主樹脂)とジフェニルメタンジイソシア
ネート(硬化剤)からなる樹脂を使用し、硬化触媒とし
ては、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を使用した。
有機潤滑剤および導電顔料は、それぞれ実施例1と同じ
セリダスト3620およびフェロホスHRS2132を使用した。
これらの各成分の量を、表3に示すように変動させた。
ン酸アルミニウム系防錆顔料の他に、シリカ(日本アエ
ロジル社製アエロジル130)、酸化チタン顔料(石原産
業社製タイペークCR95)、およびクロム酸系防錆顔料
(クロム酸ストロンチウム、亜鉛、またはバリウム塩、
いずれもキクチカラー社製)の1種もしくは2種以上を
使用した。
材)の両面に溶融亜鉛めっき(片面当たり付着量:60g/m
2、めっき皮膜中のFe含有率:0.3%、Al含有率:0.2%、P
b含有率:30ppm)を施し、水洗および乾燥処理を行った
後、市販のクロメート処理液(日本パーカライジング社
製ジンクロムR1415A)を両面にロールコータで塗布し、
最高到達鋼板温度が140℃となるように熱風オーブンで2
5秒間乾燥した。クロメート皮膜の付着量は金属クロム
量に換算して50mg/m2であった。
ロールコータで乾燥膜厚が1〜10μmになるよう塗布
し、熱風オーブンを用いて最高到達鋼板温度が232℃に
なるように1分間焼付け硬化させ、樹脂被覆鋼板とし
た。
スポット溶接性、成形性、および端面耐食性の各種性能
を、実施例1と同じ方法で評価した。さらに、耐クロム
溶出性を下記の方法により評価した。
100mlに浸漬し、24時間放置した後のイオン交換水中の
6価クロム濃度を吸光度分析により測定した。耐クロム
溶出性の評価は下記の2段階で行った。
満、 「多」:イオン交換水中のCr6+濃度が1.0mg/l/m2以
上。
うに、本発明の範囲内の組成を持つ塗料組成物から作製
した樹脂被覆鋼板は、上塗り密着性、溶接性、加工性、
および端面耐食性の全ての性能が良好であったのに対
し、比較例の塗料組成物から作製した樹脂被覆鋼板で
は、これらの性能の少なくとも一つが劣った。
して調製した。この組成において、バインダー樹脂(主
樹脂+硬化剤)、有機潤滑剤および各種顔料の含有量
は、全固形分に対する固形分基準の量であり、硬化触媒
(その有効成分)の量は、バインダー樹脂(主樹脂+硬
化剤)の固形分に対するPHR量である。
樹脂)とヘキサメチレンジイソシアネート(HDMI、硬化
剤)からなる樹脂を使用し、硬化触媒としてはジブチル
錫ジラウレート(DBTDL)を使用した。有機潤滑剤およ
び導電顔料は、それぞれ実施例1と同じセリダスト3620
およびフェロホスHRS2132を使用した。バインダー樹脂
量は52%、硬化触媒量は4PHR、有機潤滑剤量は3%に固
定した。バインダー樹脂量と有機潤滑剤量の関係は、図
2のの位置に相当する。
ン酸アルミニウム系防錆顔料、リン酸亜鉛系防錆顔料
(キクチカラー社製LFボウセイZP−SB)、およびリン酸
マグネシウム/五酸化バナジウム混合系防錆顔料(日本
ペイント社製VP顔料F−121)から選ばれた非クロム系
防錆顔料、ならびに実施例2と同じシリカおよび酸化チ
タン、さらにはアルミナ(山陽クレー工業社製MCクレ
ー)、カオリン(山陽クレー工業社製カオリンHA)、炭
酸カルシウム(白石工業社製ホモカルD)から選ばれた
体質顔料から選ばれた、1種もしくは2種以上の非クロ
ム系無機顔料を使用した。
脂被覆鋼板を作製し、同様に試験した。試験結果を表6
に示す。
く含有していなくても、防錆顔料を含有する場合と同様
に優れた耐食性や他の特性が得られた。
用いた場合でも上塗り密着性に優れ、かつ溶接性(連続
スポット溶接性)、端面耐食性および加工性にも優れた
樹脂被覆金属板を製造することができる。この樹脂被覆
金属板は、自動車の補修部品用素材として好適である。
また、自動車のボディが分割構造、すなわち、成形した
小部品を密着接合や溶接接合により組み立てる方式のも
のとなった際の素材としても好適であり、自動車ボディ
全体に使用されうる可能性もある。
Claims (8)
- 【請求項1】重量基準で、溶剤中に、固形分として、 バインダー樹脂(硬化剤を含む):38%以上66%以下 有機潤滑剤 :0.2%以上6%以下 リン化鉄を主成分とする導電顔料:20%以上50%以下 導電顔料以外の他の無機顔料 :3%以上25%以下 但し、リン化鉄を主成分とする導電顔料と他の無機顔料
の合計量が31%以上56%以下、 を含有し、かつバインダー樹脂(硬化剤を含む)量と有
機潤滑剤量が下記式を満たし、さらに前記バインダー
樹脂(硬化剤を含む)の固形分重量に対して0.7%以上1
0%以下の硬化触媒を含有することを特徴とする塗料組
成物。 −0.4×R+16.2≦W≦−0.4×R+30.4 ・・・ 但し、R:硬化剤を含むバインダー樹脂量(%) W:有機潤滑剤量(%) - 【請求項2】前記他の無機顔料がクロム酸系または非ク
ロム系の防錆顔料を含有する、請求の範囲第1項記載の
塗料組成物。 - 【請求項3】前記他の無機顔料がクロム酸系防錆顔料を
含有し、クロム酸系防錆顔料の含有量が11%以下であ
る、請求の範囲第2項記載の塗料組成物。 - 【請求項4】前記他の無機顔料が防錆顔料を含有してお
らず、その含有量が10〜25%である、請求の範囲第1項
記載の塗料組成物。 - 【請求項5】バインダー樹脂が、ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、およびこれ
らの変性樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
主樹脂と、アミン、酸無水物、およびフェノール樹脂よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種の硬化剤とからな
る、請求の範囲第1項記載の塗料組成物。 - 【請求項6】硬化剤がアルキルエーテル化アミノホルム
アルデヒド樹脂およびイソシアネート化合物よりなる群
から選ばれたものである請求の範囲第5項記載の塗料組
成物。 - 【請求項7】有機潤滑剤の平均粒径が1μm以上10μm
以下である、請求の範囲第1項記載の塗料組成物。 - 【請求項8】亜鉛系またはアルミニウム系めっき金属板
の表面に、リン酸亜鉛処理およびクロメート処理から選
ばれた少なくとも1種の化成処理により形成された下地
皮膜と、その上に請求の範囲第1項記載の塗料組成物か
ら形成された、厚み2〜9μmの樹脂被覆層とを有する
ことを特徴とする樹脂被覆金属板。
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