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JP3481482B2 - フェーズドアレイアンテナおよびその製造方法 - Google Patents
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JP3481482B2 - フェーズドアレイアンテナおよびその製造方法 - Google Patents

フェーズドアレイアンテナおよびその製造方法

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波やミリ
波などの高周波信号の送受信に用いられ、各放射素子に
給電する位相を制御することによりビーム放射方向を電
気的に調整するフェーズドアレイアンテナおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、衛星追尾車載アンテナや衛星
搭載用アンテナとして、アレイ状に配置された多数の放
射素子からなるフェーズドアレイアンテナが提案されて
いる(例えば、電子情報通信学会技術報告AP90−7
5や特開平1−290301号公報など参照)。この種
のフェーズドアレイアンテナは、各放射素子に給電する
位相を電子的に変えることによって、ビームの方向を任
意に変更する機能を有している。通常、各放射素子の給
電位相を変化させる手段として移相器が用いられる。
【0003】この移相器としては、それぞれが固定的な
異なる移相量を有する複数の移相回路から構成されたデ
ィジタル移相器(以下、ディジタル移相器を単に移相器
という)が使用される。各移相回路は、各々1ビットの
ディジタルの制御信号によりオン/オフ制御され、それ
ぞれの移相回路が有する移相量を組み合わせることによ
り、移相器全体で0゜〜360゜の給電位相が得られ
る。
【0004】特に、従来のフェーズドアレイアンテナで
は、各移相回路におけるスイッチング素子として、PI
Nダイオード、GaAsFETなどの半導体デバイス
や、これらを駆動するための駆動回路部品が多数使用さ
れている。そして、これらスイッチング素子に直流電流
または直流電圧を印加してオン/オフし、伝送路長、サ
セプタンス、反射係数などを変化させることにより、所
定の移相量を発生させる構成となっている。
【0005】一方、近年は、低軌道衛星通信の分野など
において、インターネットの利用拡大さらにはマルチメ
ディア通信の普及などにより、高データレートでの通信
が要求されており、アンテナの高利得化が必要となって
いる。また、高データレートでの通信を実現するために
は伝送帯域幅の拡大が必要となり、さらには低周波数帯
における周波数資源の欠乏などから、Ka帯(約20G
Hz〜)以上の高周波数帯で適用できるアンテナを実現
する必要がある。
【0006】具体的には、低軌道衛星追尾端末(地上
局)のアンテナとして、例えば、 周波数:30GHz、 アンテナ利得:36dBi、 ビーム走査範囲:正面方向よりビームチルト角 50゜ という技術性能の要求がある。これをフェーズドアレイ
アンテナで実現するためには、まず、 開口面積:約0.13m2 (360mm×360mm) を必要とする。
【0007】さらに、サイドローブを抑制するために
は、放射素子を約1/2波長(30GHzで5mm前
後)間隔で配置してグレーティングローブの発生を回避
する必要がある。また、ビーム走査ステップを細かく
し、かつディジタル移相器量子化誤差にともなうサイド
ローブ劣化を低く抑えるためには、各移相器に使用され
る移相回路は4ビット(最小ビット移相器22.5゜)
以上であることが望ましい。
【0008】上記の条件を満たすフェーズドアレイアン
テナに用いられる合計の放射素子数および移相回路ビッ
ト数は、 移相回路素子数:72×72=約5000個、 移相回路ビット数:72×72×4=約20000ビッ
ト となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、このような高
利得で高周波数帯に適用可能なフェーズドアレイアンテ
ナを、前述した従来技術、例えば図19に示す特開平1
−290301号公報記載のフェーズドアレイアンテナ
で実現しようとした場合、次のような問題点があった。
すなわち、このような従来のフェーズドアレイアンテナ
では、図19に示すように1つのドライバ回路で各移相
器内の個々の移相回路を制御する構成となっているた
め、このドライバ回路とすべての移相回路とを個々に接
続する必要がある。
【0010】したがって、その接続のための配線は、放
射素子数×移相回路ビット数の本数だけ必要となり、前
述した数値を適用すれば、放射素子72個×72個のア
レイ配置において、1列分(放射素子72個分)の各移
相回路(4ビット)への配線数は、72×4=288本
となる。このような配線を同一平面上に形成した場合、
配線幅/配線間隔(L/S)=50/50μmとして
も、1列分(放射素子72個分)の配線束の幅は0.1
mm×288=28.8mmとなる。
【0011】これに対して、前述したように、周波数3
0GHzに適用できるフェーズドアレイアンテナでは、
その放射素子の間隔を5mm前後で配置する必要がある
が、従来技術では、配線束の幅が太すぎて物理的に配置
できなくなる。したがって、このような従来技術では、
高利得で高周波数帯に適用可能なフェーズドアレイアン
テナを実現できないという問題点があった。本発明はこ
のような課題を解決するためのものであり、高利得で高
周波数帯に適用可能なフェーズドアレイアンテナを提供
することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明によるフェーズドアレイアンテナは、
放射素子および位相制御手段をそれぞれ個別の放射素子
層および位相制御層に形成して全体を多層構造とし、マ
トリクス状に設けられた信号線および走査線により、各
位相制御手段を移相制御するようにし、各位相制御手段
を構成する回路のうち繰り返し用いられる回路部を第1
の基板に搭載し、これを位相制御層が形成された第2の
基板に実装するようにしたものである。この際、各位相
制御手段は、それぞれの位相量に対応した長さの分布定
数線路を高周波スイッチで切り替えることにより、当該
位相制御手段に対応する放射素子で送受信される信号の
位相を位相量だけ移相する複数の移相回路と、これら移
相回路ごとに設けられて当該移相回路の高周波スイッチ
を駆動する駆動回路とを有する移相ユニットから構成
し、信号線および走査線をマトリクス駆動して各信号線
および走査線の交点に位置する位相制御手段の駆動回路
を個別に制御することにより、その駆動回路に対応する
移相回路を駆動して所望の移相量を当該位相制御手段に
設定する信号線駆動部および走査線選択部とを備えたも
のである。
【0013】したがって、位相制御層から少なくとも放
射素子が取り除かれ、位相制御層上でこれらに占有され
る面積が削減される。また、複数の位相制御手段で、こ
れら移相制御のための信号線および走査線の配線が共用
される。さらに、従来のように個々の回路部品を個別に
実装する場合と比較して、部品点数および接続点数が削
減される。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明の一実施の形態であるフェ
ーズドアレイアンテナ1のブロック図である。以下で
は、フェーズドアレイアンテナを高周波信号の送信アン
テナとして用いた場合を例にして説明するが、これに限
定されるものではなく、可逆の理より同様の動作原理か
ら、高周波信号の受信アンテナとして用いることも可能
である。また、アンテナ全体が複数のサブアレイで構成
されている場合、各サブアレイのフェーズドアレイアン
テナに本発明を適用してもよい。
【0015】図1は、フェーズドアレイアンテナ1の構
成を説明する図である。同図において、フェーズドアレ
イアンテナ1は、アンテナ放射素子や位相制御回路等が
多層基板に実装された多層基板部2と、多層基板部2に
高周波電力を給電する給電部13と、多層基板部2の各
放射素子の位相を制御する制御装置11から構成されて
いる。
【0016】図1では、m×n(m,nは2以上の整
数)個の放射素子15がアレイ状に配置されており、給
電部13から分配合成部14およびストリップ線路24
(図中太線部分)を介して高周波信号が給電されてい
る。なお、放射素子15の配置形状については、方形格
子配列で並べてもよく、また三角配列等のその他の配列
で並べてもよい。
【0017】各放射素子15には、それぞれ移相器17
と、これを制御する位相制御部18が設けられている。
なお、以下では、各放射素子15ごとに設けられた移相
器17、この移相器17に接続されるストリップ線路の
一部、および位相制御部18をまとめて移相ユニット1
6という。
【0018】ここで、各移相ユニット16を構成する回
路において、各移相ユニット16間または同一移相ユニ
ット16内で繰り返し構成される回路部は、他の基板上
にて集積形成されてチップ化され、後述する位相制御層
35に実装されている。
【0019】なお本明細書では、同一または類似の単位
回路を半導体プロセス等により基板上に多数一括形成し
たのち単位毎に切り出した小片(第1の基板)をベアチ
ップと呼び、さらに別基板(第2の基板)に搭載・実装
するための加工をベアチップに施したデバイスをチップ
と呼ぶ。また、最終的なチップを得るために、多数一括
形成された回路を単位毎に切り出したり、あるいは別基
板(第2の基板)に搭載・実装するための加工施したり
することをチップ化と呼ぶ。
【0020】制御装置11は、所望のビーム放射方向に
基づき各放射素子15の給電移相量を算出する装置であ
る。算出された各放射素子15の移相量は、制御信号1
1X,11Yにより制御装置11から信号線駆動部12
Xおよび走査線選択部12Yに出力される。
【0021】信号線駆動部12Xおよび走査線選択部1
2Yの出力である信号線X1〜Xmおよび走査線Y1〜
Ynは、各位相制御部18と格子状に接続されている。
したがって、信号線駆動部12Xおよび走査線選択部1
2Yにおいて、後述するマトリクス駆動を制御信号11
X,11Yに基づいて行うことにより、各位相制御部1
8に対してその放射素子15の移相量が個別に設定され
る。
【0022】なお、トリガ信号Trg’は、各位相制御
部18に設定された移相量をそれぞれの移相器17に指
示出力するタイミングを決定する信号である。したがっ
て、各位相制御部18に対して個別の移相量を設定した
後、制御装置11からこのトリガ信号Trg’を出力す
ることにより、各放射素子15への給電移相量をすべて
同一タイミングで更新でき、ビーム放射方向を瞬時に変
更できる。
【0023】また、トリガ信号Trg’を常時出力する
ことにより、各放射素子15への給電位相を逐次更新す
ることも可能である。この場合は、移相器17が同時に
切り替わることなく一部づつ切り替えられるので、放射
ビームの瞬断を回避できる。
【0024】次に、図2を参照して、本実施の形態によ
るフェーズドアレイアンテナの多層基板部2について説
明する。図2は多層基板構成例を示す説明図であり、各
層の斜視図と断面の模式図が示されている。
【0025】これら各層は、フォトリソグラフィ技術,
エッチング技術,印刷技術によってパターン形成された
後、積層され一体として多層化される。なお、各層の積
層順序は必ずしも図2に示されている形態に限定される
ものではなく、電気的・機械的要求の条件により、削除
あるいは追加されたり、積層順序が一部入れ替わった場
合も本発明は有効である。
【0026】分配合成層39には、図1の給電部13
(図2には図示せず)からの高周波信号を分配する枝状
のストリップ線路23が形成されている。このストリッ
プ線路23としては、2分岐を繰り返すトーナメント方
式や櫛状に主線路から徐々に分岐させるシリーズ分配方
式などが利用できる。なお、機械強度等の機械的設計条
件、あるいは不要放射抑圧等の電気的設計条件に応じ
て、分配合成層39の外側にはさらに誘電体層38Aお
よび導体による接地層39Aが付加される。
【0027】この分配合成層39の上方には、誘電体層
38を介して結合層37(第2の結合層)が設けられて
いる。結合層37は、接地プレーンに穴すなわち結合ス
ロット22が形成された導体パターンから構成されてい
る。その上方には、誘電体層36を介して位相制御層3
5が設けられている。位相制御層35には、各移相ユニ
ット16およびこれら移相ユニット16を個別に制御す
るための配線X1〜Xm,Y1〜Ynが設けられてい
る。
【0028】この位相制御層35の上方には、誘電体層
34を介して結合層37と同様の結合スロット21が形
成された結合層33(第1の結合層)が設けられてい
る。その上方には、誘電体層32を介して放射素子15
が形成された放射素子層31が設けられている。ただ
し、無給電素子15Aは、広帯域化のために付加される
ものであり、必要に応じて構成すればよい。
【0029】なお、誘電体層31B,32,38として
は、比誘電率が1〜4程度の低誘電率の基板、例えばプ
リント基板、ガラス基板や発泡材などの材料が用いられ
る。また、これらの誘電体層は、空間(空気層)であっ
てもよい。誘電体層36としては、比誘電率が5〜30
程度の高誘電率の基板、例えばアルミナ等のセラミック
基板やガラス基板,高誘電率プリント基板などが用いら
れる。誘電体層34としては、比誘電率が1〜11程度
の基板、例えばプリント基板、セラミック基板、ガラス
基板や発泡材などの材料が用いられる。特に、位相制御
層35にチップ化された回路部が実装されるため、誘電
体層34として空間(空気層)を形成してもよい。
【0030】なお、図2では簡単のため多層基板部2を
構成する各層を個々に分解して説明したが、誘電体層3
1B,32,34,36,38,38Aに隣接する層、
例えば放射素子層31,結合層33などは、前記の誘電
体層の片面もしくは両面にパターン形成することにより
実現できる。また、上記誘電体層は必ずしも単一材料で
形成されている必要はなく、複数の材料が積層された構
成であってもよい。
【0031】以上説明した多層基板部2において、給電
部13(図2には図示せず)からの高周波信号は、分配
合成層39のストリップ線路23から、結合層37の結
合スロット22を介して、位相制御層35のストリップ
線路に伝搬する。そして、移相器17で所定の給電移相
量が与えられ、結合層33の結合スロット21を介し
て、放射素子層31の放射素子15に伝搬し、それぞれ
の放射素子15から所定のビーム方向に放射される。
【0032】ここで、前述したように、各移相ユニット
16を構成する回路(すなわち各放射素子15ごとに設
けられる移相器17、移相器17に接続されるストリッ
プ線路の一部、および位相制御部18)においては、各
移相ユニット16間または同一移相ユニット16内で共
通的に使用される回路部は、チップ67として位相制御
層35に実装されている。なお、後述するように、チッ
プ化する回路の領域は多種考えられるが、図1では移相
ユニット16全体をチップ化した場合について示してい
る。
【0033】また、位相制御層35には、位相制御層3
5上であって多層構造領域以外の外部領域に信号線駆動
部12Xおよび走査線選択部12Yが配置されており、
これら信号線駆動部12X,走査線選択部12Yと各位
相制御部18とを接続する信号線X1〜Xmの配線パタ
ーンおよび信号線Y1〜Ymの配線パターンも位相制御
層35上に形成されている。さらに、位相制御層35に
は、トリガ信号線Trgの配線パターン、および各種回
路駆動用の電源パターンや接地パターンも形成されてい
る。
【0034】ここで、信号線X1〜Xmおよび走査線Y
1〜Ynは、互いに交差するように位相制御層35に形
成されており、各位相制御部18をそれぞれ格子状に接
続している。そして、後述するように、信号線駆動部1
2Xが信号線X1〜Xmを介して駆動信号を逐次送出す
る一方、走査線選択部12Yが走査線Y1〜Ynを順次
選択することにより、その交点に位置する位相制御部1
8に所望の移相量が設定される。
【0035】このように、本発明は、各移相ユニット1
6間または同一移相ユニット16内で繰り返し構成され
る回路部を、他の基板(第1の基板)上に集積形成して
チップ化した後、位相制御層35が形成された基板(第
2の基板)に実装するようにした。これにより、チップ
単体での不良検査が実施でき、フェーズドアレイアンテ
ナ全体の歩留まりを改善でき、特に数千個単位の移相ユ
ニットで構成される高利得のフェーズドアレイアンテナ
では、その製造コストを大幅に削減できる。
【0036】また、本発明は、信号線X1〜Xmおよび
走査線Y1〜Ynにより、各位相制御部18をそれぞれ
格子状に接続し、これら信号線X1〜Xmおよび走査線
Y1〜Ynをマトリクス駆動することにより、その交点
に位置する位相制御部18に所望の移相量を設定するよ
うにした。これにより、各位相制御部18を制御するた
めの信号配線が共用でき、その配線数を大幅に削減で
き、これら配線に必要な面積を大幅に削減できる。
【0037】また、本発明は、放射素子15および移相
ユニット16をそれぞれ個別の放射素子層31および位
相制御層35に形成し、これら両層を結合層33により
結合して、全体を多層構造とした。さらには、分配合成
部14を個別の分配合成層39に形成し、位相制御層3
5と分配合成層39を結合層37により結合して、全体
を多層構造とした。これにより、位相制御層35上で放
射素子15および分配合成部14により占有される面積
を削減し、一放射素子あたりの専有面積を小さくするこ
とができる。
【0038】したがって、このようにして1つの移相ユ
ニット16を比較的小さな面積で構成できることから、
例えば30GHz程度の高周波信号に対し、5mm前後
の最適な間隔で各放射素子15を配置でき、高利得で高
周波数帯に適用可能なフェーズドアレイアンテナを実現
できる。また、最適な素子間隔を実現できることによ
り、グレーティングローブが発生するビーム走査角度が
拡がるので、アンテナ正面方向を中心として広い範囲で
ビームを走査できる。
【0039】なお、本発明で用いる各ストリップ線路と
しては、マイクロストリップ形の他、トリプレート形、
コプレーナ導波管形、スロット形などの分布定数線路を
利用できる。また、放射素子15としては、パッチアン
テナの他、プリンテッドダイポールアンテナ、スロット
アンテナ、アパーチャ素子などを利用でき、特に結合層
33のスロット21の開口部を大きくすることによりス
ロットアンテナとして利用でき、この場合は放射素子層
31が結合層33で兼用され、放射素子層31や無給電
素子層31Aが不要となる。
【0040】なお、結合スロット21の代わりに、位相
制御層35のストリップ線路と放射素子15とを接続す
る導電性の給電ピンを用いて高周波信号を結合してもよ
い。さらに、結合スロット22の代わりに、位相制御層
35のストリップ線路から結合層37に設けられた穴を
介して誘電体層38内に突出して設けられた導電性の給
電ピンを用いて高周波信号を結合してもよい。
【0041】また、分配合成層39と同一の機能は、ラ
ジアル導波路を用いても実現可能である。図17は、ラ
ジアル導波路を使用した場合の本発明の構成例を示す説
明図である。この場合、分配合成機能は、図17に示す
多層基板部2のうち、誘電体層38,接地層39A,プ
ローブ25により実現され、図2の形態においては必要
であった合成分配層39が不要となっている。
【0042】なお、この場合も誘電体層38はプリント
基板,発泡剤,あるいは空間(空気層)により構成され
る。また、接地層39Aとしては、プリント基板上の銅
箔をそのまま利用してもよいし、金属板あるいは誘電体
38の側面全体を囲む金属筐体などを別途設けてもよ
い。
【0043】さらに、本発明は空間給電フェーズドアレ
イアンテナにおいても適用可能である。その一例とし
て、図18に反射型空間給電フェーズドアレイアンテナ
の構成例を示す。図18に示されるフェーズドアレイア
ンテナ1は、給電部13,一次放射部26からなる放射
給電部27と多層基板部2、および制御装置11(図示
せず)とから構成される。
【0044】ここで、多層基板部2は図2に示される形
態とは異なり、放射素子層31,誘電体層32,結合層
33,誘電体層34,位相制御層35から構成されてい
る。また、図1に示された分配合成部14の機能は一次
放射部26により実現されているため、多層基板部2か
ら分配合成層39が除外されている。
【0045】このフェーズドアレイアンテナ1において
は、放射給電部27から放射された高周波信号は放射素
子層31上の各放射素子15により一度受信され、結合
層33を介して位相制御層35上の移相ユニット16へ
それぞれ結合される。ここで、高周波信号は各々の移相
ユニット16により位相制御されたのち、結合層33を
介して再び各放射素子15へと伝搬し、それぞれの放射
素子15から所定のビーム方向に放射される。以上説明
した空間給電型フェーズドアレイアンテナのように、多
層基板部2に合成分配層39を含まない形態においても
本発明は有効である。
【0046】次に、図3を参照して、各放射素子15ご
とに設けられる移相ユニット16について説明する。図
3は移相ユニットを示すブロック図であり、ここでは、
それぞれ異なる移相量22.5゜、45゜、90゜、1
80゜を有する4つの移相回路17A〜17Dから移相
器17が構成されている。
【0047】各移相回路17A〜17Dは、分配合成部
14から放射素子15へ高周波信号を伝搬させるストリ
ップ線路16Aに接続されている。特に、各移相回路1
7A〜17Dには、スイッチ17Sがそれぞれ設けられ
ている。このスイッチ17S内の各スイッチを切り換え
ることにより、後述するようにそれぞれ所定の給電移相
量を与えるものとなっている。
【0048】これら各移相回路17A〜17Dのスイッ
チ17Sを個別に制御する位相制御部18は、各移相回
路17A〜17Dごとに設けられた駆動回路19A〜1
9Dから構成されている。各駆動回路19A〜19Dに
は、直列接続された2つのラッチ191,192が設け
られている。
【0049】そのうち、ラッチ191は、入力Dに接続
された信号線Xiのレベルを入力CLKに接続された走
査線Yiの立ち上がりタイミングでラッチする。また、
ラッチ192は、ラッチ191の出力Qを入力CLKに
接続されたトリガ信号Trg’の立ち上がりでラッチ
し、出力Qをそれぞれ対応する移相回路のスイッチ17
Sに出力する。
【0050】図3では、1つの位相制御部18に対し
て、2本の信号線Xi1,Xi2と2本の走査線Yj
1,Yj2とを設けて、4つの駆動回路19A〜19D
に個別に各スイッチのオン/オフデータを設定してい
る。すなわち、Xi1,Yj1で移相回路17Aの動作
を制御し、Xi1,Yj2で移相回路17Bの動作を制
御し、Xi2,Yj1で移相回路17Cの動作を制御
し、Xi2,Yj2で移相回路17Dの動作を制御して
いる。
【0051】図4は位相制御部の動作を示すタイミング
チャートであり、移相回路17Aに対応する駆動回路1
9Aが例として示されている。走査線駆動部12Xは、
図3における信号線Xi1に印加する駆動信号として、
駆動回路19Aのための信号のみならず、信号線Xi1
に連なる他の駆動回路、すなわち同一位相制御部18の
駆動回路19Bや他の位相制御部18の駆動回路のため
の信号も流しているため、常に変化している。
【0052】一方、走査線選択部12Yは周期T1の間
にY11〜Yn2を一本ずつ順次選択しているので、走
査線Yj1にパルスが加えらるのは周期T1の間に一度
だけ(図5の例ではt1)である。
【0053】ここで、周期T1の時刻t1に走査線電圧
Yj1’がHレベルに変化した場合、信号線電圧Xi
1’のレベルすなわちHレベルがラッチ191の出力Q
から出力され、走査線電圧Yj1’がLレベルに戻った
後もその状態が保持される。そして、その後の時刻t2
においてトリガ信号Trg’がHレベルに変化したとき
に、ラッチ191の出力Qがラッチ192の出力Qから
出力されるようになり、トリガ信号Trg’がLレベル
に戻った後もその状態が保持される。
【0054】これにより、移相回路17Aのスイッチ1
7Sはt2の瞬間からt4(次にトリガ信号Trg’が
加わる瞬間)までオン状態に維持され、その間はストリ
ップ線路16Aを伝搬する高周波信号に+22.5゜の
給電移相量が与えられる。その後の周期T2では、時刻
t3において信号線電圧Xi1’のLレベルがラッチ1
91に保持され、その後の時刻t4においてラッチ19
2に保持される。そして、移相回路17Aのスイッチ1
7Sはオフ状態に維持され、ストリップ線路16Aを伝
搬する高周波信号への給電移相量が0゜の状態に戻され
る。
【0055】なお、図5に示すように、トリガ信号Tr
g’を常にHレベルに維持しておいてもよく、この場合
は、ラッチ191のラッチ出力Qがすぐにラッチ192
へと転送されてスイッチ17Sに出力される。このよう
にして、スイッチ17Sを順次切り換えることにより、
スイッチ切り換え時間にともなう放射ビームの瞬断を回
避することができ、常に安定した動作を確保することが
可能となる。
【0056】なお、ラッチ192の出力電圧または電流
がスイッチ17Sを駆動するに十分でない場合は、ラッ
チ192の出力側に電圧増幅器あるいは電流増幅器を設
けてもよい。
【0057】次に、図6を参照して、具体的な寸法の一
例を引用しながらスイッチ17Sの構成例について説明
する。図6はスイッチの構成例を示す斜視図である。こ
のスイッチは、コンタクト(微小接点部)64によりス
トリップ線路62,63を短絡/開放するマイクロマシ
ンスイッチから構成されている。
【0058】ストリップ線路62,63(厚さ1μm程
度)は僅かな隙間を有して基板61上に形成されてお
り、その隙間の上部にはコンタクト64(厚さ2μm程
度)がストリップ線路62,63と接離自在となるよう
支持部材65により支持されている。ここで、コンタク
ト64の下面とストリップ線路62,63の上面との距
離は4μm程度であり、基板61の上面を基準としたコ
ンタクト64の上面の高さ、つまりマイクロマシンスイ
ッチ全体の高さは7μm程度である。
【0059】一方、基板61上のストリップ線路62,
63の隙間には、導体の電極66(厚さ0.2μm程
度)が形成されており、この電極66の高さ(厚さ)
は、ストリップ線路62,63の高さ(厚さ)よりも低
い(薄い)。
【0060】このスイッチの動作について以下に説明す
る。電極66には、駆動回路19A〜19Dの出力電圧
(例えば、10〜100V程度)が個別に供給される。
ここで、電極66に正の出力電圧が印加された場合は、
これにより電極66の表面に正電荷が発生するととも
に、対向するコンタクト64の表面には静電誘導により
負電荷が現れ、両者間の吸引力によりストリップ線路6
2,63側へ引き寄せられる。
【0061】このとき、コンタクト64の長さがストリ
ップ線路62,63の隙間よりも長いため、コンタクト
64がストリップ線路62,63の両方に接触し、スト
リップ線路62,63がコンタクト64を介して高周波
的に導通状態となる。また、電極66への出力電圧の印
加が停止された場合は、吸引力がなくなって支持部材6
5によりコンタクト64が元の離間した位置へ復元さ
れ、ストリップ線路62,63が開放される。
【0062】なお、以上の説明では、コンタクト64に
電圧を与えず、電極66に対して出力電圧を印加する場
合について説明したが、逆も可能である。すなわち、電
極66に電圧を与えず、コンタクト64に対して導体か
らなる支持部材65を介して駆動回路の出力電圧を印加
するようにしてもよく、前述と同様の作用が得られる。
【0063】また、コンタクト64は、少なくとも下面
が導体で形成され、ストリップ線路62,63とオーミ
ック接触するものであっても、導体部材の下面に絶縁体
薄膜が形成されストリップ線路62,63と容量結合す
るものであってもよい。ここで、マイクロマシンスイッ
チは、コンタクト64が可動部分であるため、本フェー
ズドアレイアンテナのように多層基板内に位相制御層3
5を設けた場合に、コンタクト64が自由に可動できる
ようなスペースを設ける必要がある。
【0064】このように、給電位相の制御を行うスイッ
チング素子として、マイクロマシンスイッチを用いるよ
うにしたので、PINダイオードなどの半導体デバイス
を用いる場合と比較して、半導体接合面での電力消費が
なくなり、消費電力が10分の1程度まで低減できる。
【0065】次に、チップの構成例および実装形態につ
いて説明する。図7はベアチップ68をフリップチップ
実装する場合の構成例を示す説明図であり、(a)はチ
ップ67Aの断面図、(b)はチップ67Aの上面図、
(c)はチップ67Aのフェイスダウン実装例(半田
法)の断面図、(d)はチップ67Aのフェイスダウン
実装例(接着法)の断面図を示している。なお、このチ
ップ67Aに含まれる回路の範囲は、図9を用いて後述
するように多種が考えられるが、以下では、図9(b)
に示す回路部、すなわち駆動回路とスイッチをチップ化
した場合を例に説明する。
【0066】図7(a),(b)に示すように、ベアチ
ップ68には、ガラス基板81上にマイクロマシンスイ
ッチからなるスイッチ82Aや薄膜トランジスタ(TF
T)からなる駆動回路82Bが形成されている。このベ
アチップ68に、信号接続用のパッドに半田や金などか
らなるバンプ83が形成されてチップ67Aが得られ
る。
【0067】図7(c)には、半田法によりチップ67
Aを別基板84へフェイスダウン実装した場合が示され
ており、基板84上に、絶縁保護膜85Aに周囲が覆わ
れた信号接続用のパッド85が形成されている。そし
て、バンプ85Bを介してパッド85とバンプ83とが
半田により固着され、電気的に接続されている。
【0068】ここで、パッド85,バンプ85B,バン
プ83の形成後の高さをそれぞれ例えば20μm,20
μm,20μmとすることにより、可動部が存在するス
イッチ82A周囲に高さ40μmの空間87が最終的な
実装後に形成され、マイクロマシンスイッチが安定動作
する。また、基板81の全周またはその一部が樹脂86
により基板84と固着されている。これにより、基板8
4に対する機械ストレスが発生した場合でも、バンプ8
5Bの接合部分が保護される。
【0069】一方、図7(d)には、接着法によりチッ
プ67Aを別基板84へフェイスダウン実装した場合が
示されており、基板84上に、絶縁保護膜85Aに周囲
が覆われた信号接続用のパッド85が形成されている。
そして、接着剤88を介してガラス基板81と基板84
とが接着され、パッド85とバンプ83とが直接接触し
て電気的に接続されている。
【0070】この場合、接着剤88は、スイッチ82A
の実装領域以外に配置され、ガラス基板81と基板84
とを接着している。これにより、可動部が存在するスイ
ッチ82A周囲に空間87が形成され、マイクロマシン
スイッチが安定動作する。さらに、接着剤88により比
較的広い範囲でガラス基板81と基板84とが接着され
ているため、基板84に対する機械ストレスが発生した
場合でも、バンプ83の接合部分が保護される。
【0071】このように、移相ユニット16のうち、ス
イッチング素子を含む所定回路部をチップ化して位相制
御層35に実装するようにしたので、比較的簡素な構成
でスイッチング素子を実装することができる。
【0072】また、位相制御層35に実装する前にチッ
プ単体での不良検査が実施でき、装置全体の歩留まりを
改善できる。特に、ベアチップをフリップチップ実装す
るようにしたので、位相制御層35で必要な高さを抑制
でき、スロット21を介して結合される放射素子15と
の結合効率を改善できる。
【0073】また、図8はベアチップをパッケージ化す
る場合の構成例を示す説明図であり、(a)はフェイス
アップ搭載によるLCCパッケージ化例の断面図、
(b)はフェイスダウン搭載によるLCCパッケージ化
例の断面図、(c)はフェイスアップ搭載によるBGA
パッケージ化例の断面図、(d)はフェイスダウン搭載
によるBGAパッケージ化例の断面図である。以下で
は、図7(a),(b)で示したベアチップ68をパッ
ケージ化する場合を例に説明する。
【0074】まず、図8(a)には、LCC(Leadless
Chip Carrier) 内にベアチップ68をフェイスアップ
搭載してパッケージ化した場合が示されており、LCC
の基板91にベアチップ68のガラス基板81の裏面が
接着されている。この場合、図7で示したバンプ83の
代わりにリード92Aを介してガラス基板81上のパタ
ーンと基板91の電極93とが電気的に接続されてい
る。
【0075】この電極93は基板91内部のビアホール
93Aおよびパターン94Aを介して外部端子95まで
電気的に接続されている。そして、スイッチ82Aを構
成するマイクロマシンスイッチの可動部のための上部空
間が形成されるように、高さ(内寸)80μm〜100
μmのカバー96が基板91上に固着され、密封されて
いる。
【0076】図8(b)には、LCC内にベアチップ6
8をフェイスダウン搭載してパッケージ化した場合が示
されており、図7で示したバンプ83と同様のバンプ9
2Bを介してガラス基板81が基板91上に固着されて
いるとともに、ガラス基板81上のパターンと基板91
のパターン97とが電気的に接続されている。さらに、
このパターン97が、ビアホール93Aおよび基板91
内部のパターン94Aを介して外部端子95まで電気的
に接続されている。
【0077】そして、ガラス基板81の裏面を覆うよう
に、基板91上にカバー96が固着され、密封されてい
る。この場合、スイッチ82Aを構成するマイクロマシ
ンスイッチの可動部のための空間が、高さ20μmのバ
ンプ92Bによりガラス基板81と基板91との間に形
成されている。
【0078】図8(c)には、BGA(Ball Grid Arra
y)内にベアチップ68をフェイスアップ搭載してパッケ
ージ化した場合が示されており、BGAの基板91にベ
アチップのガラス基板81の裏面が接着されている。こ
の場合、図7で示したバンプ83の代わりにリード92
Aを介してガラス基板81上のパターンと基板91の電
極93とが電気的に接続されている。
【0079】さらに、この電極93は基板91内部のビ
アホール93Aを介してボール98まで電気的に接続さ
れている。そして、スイッチ82Aを構成するマイクロ
マシンスイッチの可動部のための上部空間が形成される
ように、基板91上にカバー96が固着され、密封され
ている。
【0080】図8(d)には、BGA内にベアチップ6
8をフェイスダウン搭載してパッケージ化した場合が示
されており、図7で示したバンプ83と同様のバンプ9
2Bを介してガラス基板81が基板91上に固着されて
いるとともに、ガラス基板81上のパターンと基板91
のパターン97とが電気的に接続されている。さらに、
このパターン97がビアホール93Aに電気的に接続さ
れており、このビアホール93Aの外側には、外部接続
用のボール98が設けられている。
【0081】そして、ガラス基板81の裏面を覆うよう
に、基板91上にカバー96が固着され、密封されてい
る。この場合、スイッチ82Aを構成するマイクロマシ
ンスイッチの可動部のための空間が、バンプ92Bによ
りガラス基板81と基板91との間に形成されている。
【0082】なお、これらLCCおよびBGAによりパ
ッケージ化された各チップ67Bは、テープに梱包され
た後にリールに巻かれて供給される。したがって、SM
D(Surface Mount Device )として位相制御層35に自
動実装される。
【0083】このように、移相ユニット16のうち、ス
イッチング素子を含む所定回路部をチップ化して位相制
御層35に実装するようにしたので、比較的簡素な構成
でスイッチング素子を実装することができる。
【0084】また、位相制御層35に実装する前にチッ
プ単体での不良検査が実施でき、装置全体の歩留まりを
改善できる。特に、ベアチップをパッケージに封入して
実装するようにしたので、高速かつ簡便な自動実装が可
能となり、組立工数を大幅に削減できる。
【0085】次に、図9を参照して、チップに含まれる
回路について説明する。各放射素子15ごとに設けられ
る移相ユニット16(すなわち移相器17、移相器17
に接続されるストリップ線路の一部、および位相制御部
18)には、繰り返し用いられている回路部分が存在す
る。例えば、図3では、駆動回路19A〜19Dが同一
回路構成となっている。
【0086】また、移相回路17Aは、各放射素子15
ごとに設けられる移相器17で共通の回路構成であり、
他の移相回路17B〜17Dも同様である。したがっ
て、これら回路部分のうち、各放射素子15または各移
相回路17A〜17Dごとに共通的に用いられる部分を
チップ化することにより、各回路部分でチップを共用で
きる。
【0087】例えば、図9(a)には、各駆動回路19
A〜19Dを単位としてチップ化した例が示されてい
る。ここでは、駆動回路19を構成する2つのラッチ1
91,192が、ガラス基板71上に、薄膜トランジス
タ(TFT)により形成され、その周囲に信号接続用の
パッド72が設けられている。これにより、各チップを
各移相回路17A〜17Dに対応するすべての駆動回路
19A〜19Dで共用できる。
【0088】また、図9(b)には、駆動回路19A〜
19Dおよびスイッチ17Sの対を単位としてチップ化
した例が示されている。特に、図中破線で囲んだ部分
は、図9(a)に相当しており、この他、スイッチ17
Sを構成する2つのスイッチング素子73、このスイッ
チング素子73に高周波信号を供給するためのストリッ
プ線路74、およびパッド72が設けられている。これ
により、これらチップをすべての移相回路17A〜17
Dで共用できる。
【0089】また、図9(c)には、駆動回路19A〜
19Dと移相回路17A〜17Dの対を単位としてチッ
プ化した例が示されている。特に、図中破線で囲んだ部
分は、図9(b)に相当しており、この他、スイッチ1
7Sをストリップ線路16Aに接続するためのストリッ
プ線路75と、このストリップ線路とは反対側に接続さ
れ、それぞれの移相量に応じた長さを有する分布定数線
路76および主線路70とが設けられている。これによ
り、これらチップを各移相ユニット16の個々の移相回
路17A〜17Dごとに共用できる。
【0090】また、図9(d)には、各移相ユニット1
6内のすべての駆動回路19A〜19Dとすべての移相
回路17A〜17Dを単位としてチップ化した例が示さ
れている。特に、図中破線で囲んだ部分は、図9(c)
に相当しており、この他、各移相回路17A〜17Dを
接続するストリップ線路16Aが形成されている。この
場合、すべての駆動回路19A〜19Dが位相制御部1
8として、ガラス基板71上に薄膜トランジスタ(TF
T)により一体形成されている。これにより、これらチ
ップを各移相ユニット16ごとに共用できる。
【0091】また、図9(e)には、各移相ユニット1
6を単位としてチップ化した例が示されている。特に、
図中破線で囲んだ部分は、図9(d)に相当しており、
この他、スロット22とストリップ線路16Aとを接続
するストリップ線路77と、ストリップ線路16Aとス
ロット21とを接続するストリップ線路78とが形成さ
れている。これにより、各チップを各移相ユニット16
で共用できる。
【0092】このように、移相ユニット16のうち、ス
イッチング素子を含む所定回路部をチップ化して位相制
御層35に実装するようにしたので、比較的簡素な構成
でスイッチング素子を実装することができる。したがっ
て、部品点数および接続点数を削減できるとともに、組
立工数を削減できる。
【0093】なお、図9では、ストリップ線路16Aに
対し、スイッチ17Sを介して所定の分布定数線路を分
岐接続することにより、給電位相を制御するローテッド
ライン形の移相回路を例として説明したが、これに限定
されるものではなく、線路切換形や反射形など、他の移
相回路でもよい。
【0094】一般に、移相量が比較的小さい場合はロー
テッドライン形の方が良好な特性が得られ、移相量が比
較的大きい場合は線路切換形の方が良好な特性が得られ
る。例えば、後述する実施例では、22.5゜,45
゜,90゜の各移相回路17A〜17Cをローデッドラ
イン形で構成し、180゜の移相回路17Dを線路切換
形で構成している。
【0095】以上、図7〜図9を引用しながら、駆動回
路19A〜19Dとして薄膜トランジスタをガラス基板
上に形成した場合を一例として説明したが、その代わり
に半導体基板上に拡散されたトランジスタを利用しても
他の発明は有効である。また、スイッチ17Sに関して
も、マイクロマシンスイッチをガラス基板上に形成した
場合を一例として説明したが、その代わりに半導体基板
上のトランジスタ回路やダイオードを利用しても他の発
明は有効である。
【0096】
【実施例】次に、図10〜16を参照して、本発明を3
0GHzのフェーズドアレイアンテナに適用した場合の
第1〜第6の実施例(1放射素子あたりの構成例)につ
いて説明する。ただし、以下では、それぞれ異なる移相
量22.5゜、45゜、90゜、180゜を有する4つ
の移相回路17A〜17Dから移相器17を構成した場
合を例に説明する。
【0097】また、移相回路のスイッチング素子として
マイクロマシンスイッチが用いられているものとする。
なお、以下に記載する寸法は、あくもでも30GHzに
おけるアンテナの各部寸法の例示に過ぎず、周波数が変
われば寸法が変わるのはもちろんのこと、30GHzで
あっても別の寸法で実現可能であることをあらかじめ断
っておく。
【0098】まず、図10を参照して、第1の実施例に
ついて説明する。図10は第1の実施例を示す回路配置
図であり、(a)は移相ユニット全体を示す位相制御層
の回路配置図、(b)は多層構成を示す模式図である。
以下では、図9(b)で示した回路部、すなわち駆動回
路とスイッチをチップ化した場合を例に説明する。
【0099】図10(a)に示すように、移相ユニット
16は、アレイ状に配置された各放射素子15に対応し
て設けられており、ほぼ正方形(5mm×5mm)の領
域(図中破線正方形参照)内に形成されている。特に、
その周部には、信号線駆動部12Xからの信号線Xi
1,Xi2、走査線選択部12Yからの走査線Yj1,
Yj2、制御装置11からのトリガ信号線Trg、およ
びスイッチの駆動電源線Vdrvが格子状に配置されて
いる。
【0100】また、これら配線の内側には、スロット2
2の上部位置からスロット21の下部位置までを接続す
るストリップ線路16Aが設けられている。さらに、こ
のストリップ線路16Aの途中には、22.5゜,45
゜,90゜,180゜の各移相回路とこれに対応する駆
動回路とがそれぞれ配置されている。
【0101】そして、これら移相回路17A〜17Dと
駆動回路19A〜19Dの一部、ここではスイッチ17
Sと各駆動回路19A〜19Dがチップ67にチップ化
されて実装されている。また、スロット21の上層の放
射素子層31には、直径2.5mm〜4mmの円形の放
射素子15(図中細線破線)が配置されている。
【0102】図11は第1および第2の実施例で用いる
各チップを示す回路配置図であり、(a)は22.5
゜,45゜,90゜の移相回路で用いられるチップ、
(b)は180゜の移相回路で用いられるチップを示し
ている。特に、図11(a)はローテッドライン形の移
相回路用として共用でき、図11(b)は線路切換形の
移相回路用として共用できる。なお、これらチップ構成
は前述した図7(b)および図8(a)〜(d)と同様
であり、ここでの説明は省略する。
【0103】図10(b)には、第1の実施例による多
層構造が示されており、前述した図2と同じ部分には同
一符号を付してある。なお、この図は多層構造を模式的
に示すものであり、図10(a)の特定の断面を示すも
のではない。
【0104】本実施例における多層構成は、図10
(b)の下から上へ順に、接地層39A,ラジアル導波
路を形成する誘電体層38(厚さ1mm),接地層3
7,誘電体層36(厚さ0.2mm),位相制御層3
5,誘電体層34(厚さ0.2mm),結合スロット2
1が形成された接地層33,誘電体層32(厚さ0.5
mm),放射素子層31,誘電体層31B(厚さ1m
m),無給電素子層31Aが積層されている。
【0105】ここで、位相制御層35と結合層33との
間の誘電体層34は、厚さ(高さ)が0.2mmのスペ
ーサ34Aにより確保された空間から構成されており、
位相制御層35上にはチップ67が実装されている。
【0106】この場合、スペーサ34Aをスロット21
の下部に配置してもよく、これにより、通常、空き領域
となるスロット21の下部をスペーサ34Aの配置領域
として兼用でき、スペーサ34Aによる占有面積を削減
できる。さらに、スペーサ34Aとして、アルミナなど
比誘電率が5〜30程度の高誘電率の材料を用いれば、
スロット21と位相制御層35上のストリップ線路16
Aとが高周波的に効率よく結合される。
【0107】また、位相制御層35のうち、横方向に配
線された走査線Yj1,Yj2と、縦方向に配線された
信号線Xi1,Xi2、トリガ信号線Trgおよび駆動
電源線Vdrvとが交差する部分については、ゼロオー
ムのジャンパ抵抗を用いることにより干渉を回避するこ
とが可能となる。なお、これら交差部分に関しては、後
述する他の実施例のように交差配線の一方を位相制御層
35以外の層、あるいは2層化した位相制御層35の中
間層に形成することにより、干渉を回避することも可能
である。
【0108】次に、図12を参照して、本発明の第2の
実施例について説明する。図12は第2の実施例を示す
回路配置図であり、(a)は移相ユニット全体を示す位
相制御層の回路配置図、(b)は多層構成を示す模式図
である。以下では、第1の実施例と同様に、図9(b)
で示した回路部、すなわち駆動回路とスイッチをチップ
化した場合を例に説明する。
【0109】本実施例では、2層構成の位相制御層35
上にチップ67が実装されており、位相制御層35と結
合層33との間の誘電体層34が空間から構成され、そ
の0.2mmの厚さ(高さ)が導体からなるスペーサ3
4Bにより確保されている。特に、このスペーサ34B
をビアホール36Aの上部に配置して、接地パターン、
例えば結合層37の導体パターンと電気的に接続するよ
うにしてもよい。これにより、別途、接地電位を結合す
る手段を設けることなく、接地板間不要モード(パラレ
ルプレートモード)を抑制できる。
【0110】また、位相制御層35を2層構造としたの
で、横方向に配線された走査線Yj1,Yj2と、縦方
向に配線された信号線Xi1,Xi2、トリガ信号線T
rgおよび駆動電源線Vdrvとが交差する部分につい
ては、一方の配線を中間層配線35Bとすることによ
り、互いに干渉することなく配線することが可能とな
る。
【0111】次に、図13を参照して、本発明の第3の
実施例について説明する。図13は第3の実施例を示す
回路配置図であり、(a)は移相ユニット全体を示す位
相制御層の回路配置図、(b)は多層構成を示す模式図
である。以下では、図9(d)で示した回路部、すなわ
ち移相ユニット内の全ての移相回路および駆動回路をチ
ップ化した場合を例に説明する。
【0112】ここでは、図10に示した第1の実施例と
同様に位相制御層35は1層構造であるが、誘電体層3
4、位相制御層35および誘電体層36が上下入れ替わ
って構成されている。これにより、結合層37と位相制
御層35との間に空間からなる誘電体層34が設けら
れ、その厚さ(高さ)がスペーサ34Aにより確保され
ている一方、誘電体層36と結合層33とが密着してい
る。したがって、位相制御層35からその下側の誘電体
層34に向けてチップ67が実装されている。
【0113】ここで、スペーサ34Aをスロット22の
上部に配置してもよく、これにより、通常、空き領域と
なるスロット22の真上をスペーサ34Aの配置領域と
して兼用でき、スペーサ34Aによる占有面積を削減で
きる。さらに、スペーサ34Aとして、アルミナなど比
誘電率が5〜30程度の高誘電率の材料を用いれば、ス
ロット22と位相制御層35上のストリップ線路16A
とが高周波的に効率よく結合される。
【0114】なお、他の実施例と同様、横方向に配線さ
れた走査線Yj1,Yj2と、縦方向に配線された信号
線Xi1,Xi2、トリガ信号線Trgおよび駆動電源
線Vdrvとが交差する部分が発生するが、本発明にお
いては一方の配線を放射素子層32上の配線35Bとす
ることにより互いに干渉することなく配線することが可
能となっている。
【0115】次に、図14を参照して、本発明の第4の
実施例について説明する。図14は第4の実施例を示す
回路配置図であり、(a)は移相ユニット全体を示す位
相制御層の回路配置図、(b)は多層構成を示す模式図
である。以下では、図9(e)で示した回路部、すなわ
ち移相ユニット全体をチップ化した場合を例に説明す
る。
【0116】ここでは、第3の実施例と同様に、位相制
御層35と誘電体層36が上下入れ替わって構成されて
いる。特に、位相制御層35からその下側の空間すなわ
ち誘電体層34に向けて実装されているチップ67の下
面が結合層37に密着しており、このチップ67の厚さ
を0.2mmとすることにより、誘電体層34の厚さ
(高さ)が確保されている。これにより、別途、スペー
サ用の配置領域を確保する必要がなくなり、比較的占有
面積の大きなチップを実装できる。
【0117】次に、図15を参照して、本発明の第5の
実施例について説明する。図15は第5の実施例を示す
回路配置図であり、(a)は移相ユニット全体を示す位
相制御層の回路配置図、(b)は多層構成を示す模式図
である。以下では、第1の実施例と同様に、図9(b)
で示した回路部、すなわち駆動回路とスイッチをチップ
化した場合を例に説明する。
【0118】ここでは、2層構成の位相制御層35上に
チップ67が実装されており、位相制御層35と結合層
33との間に誘電体基板34Dからなる誘電体層34が
構成されている。この基板34Dには、その位相制御層
35上に実装されているチップ67の位置に、高さ0.
2mmのキャビティー(空間)34Eが形成されてお
り、基板密着時にはチップ67がキャビティー34E内
に納められる。
【0119】基板34Dへのキャビティー34Eの形成
方法としては、ルータなどにより基板34Dの表面を切
削する機械加工、あるいは型抜きなどにより貫通穴を設
ける機械加工でもよく、また有機基板に感光性樹脂を塗
布した後、露光および現像処理によりキャビティー34
E部分の樹脂を剥離するようにしてもよく、各種の形成
方法を利用できる。
【0120】次に、図16を参照して、本発明の第6の
実施例について説明する。図16は第6の実施例を示す
回路配置図であり、(a)は移相ユニット全体を示す位
相制御層の回路配置図、(b)は多層構成を示す模式図
である。以下では、第1の実施例と同様に、図9(b)
で示した回路部、すなわち駆動回路とスイッチをチップ
化した場合を例に説明する。
【0121】本実施例においては、第1〜第5の実施例
とは積層の順番が異なり、下から上へ順に、位相制御層
35,誘電体層36,結合層37,誘電体層38A,分
配合成層39,誘電体層38,結合層33,誘電体層3
2,放射素子層31,誘電体層31B,無給電素子層3
1A、となっている。また、位相制御層35は2層構成
となっており、その中間層に配線35Bが形成されてい
る。
【0122】ここで、分配合成層39と位相制御層35
の間は結合層37上の穴22Aを貫通する給電ピン28
Bにより高周波的に接続されており、位相制御層35と
放射素子15の間は結合層37上の穴22Aおよび結合
層33上の穴21Aを貫通する給電ピン28Aにより高
周波的に接続されている。本実施例のように位相制御層
35を外側に配置すると、チップ67の高さによらず積
層構成が可能となる。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、放射素
子および位相制御手段をそれぞれ個別の放射素子層およ
び位相制御層に形成して全体を多層構造としたので、位
相制御層から少なくとも放射素子が取り除かれて、位相
制御層上でこれらに占有される面積が削減される。ま
た、信号線および走査線をマトリクス状に形成し、これ
ら信号線および走査線を用いて各位相制御手段に所望の
移相量を設定するようにしたので、各位相制御手段を制
御するための信号配線が共用でき、その配線数を大幅に
削減できる。さらに、移相ユニットを構成する駆動回路
をガラス基板上に薄膜トランジスタで形成するととも
に、移相回路にマイクロマシンスイッチを用い、これら
を同一チップに納めることにより、これら回路部品が占
める面積を従来と比べて削減できる。したがって、1つ
の移相ユニットを比較的小さな面積で構成できることか
ら、30GHz程度の高周波信号に最適な間隔(5mm
前後)で各放射素子を数千個単位で多数配置でき、高利
得で高周波数帯に適用可能なフェーズドアレイアンテナ
を実現できる。
【0124】さらに、各位相制御手段のうち繰り返し構
成される回路部を第1の基板に搭載し、これを位相制御
層が形成された第2の基板に実装するようにしたので、
従来のように個々の回路部品を個別に実装する場合と比
較して、部品点数および接続点数が削減される。したが
って、組立工数が削減されるとともに、チップ単体での
不良検査が実施でき、フェーズドアレイアンテナ全体の
歩留まりを改善でき、特に数千個単位の移相ユニットで
構成される高利得のフェーズドアレイアンテナでは、そ
の製造コストを大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態によるフェーズドアレ
イアンテナのブロック図である。
【図2】 多層基板構成例を示す説明図である。
【図3】 移相ユニットを示すブロック図である。
【図4】 位相制御部の動作を示すタイミングチャート
である。
【図5】 位相制御部の他の動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図6】 スイッチの構成例を示す斜視図である。
【図7】 ベアチップ実装例を示す説明図である。
【図8】 パッケージによるチップ化の例を示す説明図
である。
【図9】 チップに含まれる回路の例を示す説明図であ
る。
【図10】 第1の実施例を示す回路配置図である。
【図11】 チップ内部の構成例を示す回路配置図であ
る。
【図12】 第2の実施例を示す回路配置図である。
【図13】 第3の実施例を示す回路配置図である。
【図14】 第4の実施例を示す回路配置図である。
【図15】 第5の実施例を示す回路配置図である。
【図16】 第6の実施例を示す回路配置図である。
【図17】 ラジアル導波路を用いた本発明の構成例を
説明する図である。
【図18】 反射型空間給電フェーズドアレイアンテナ
による本発明の構成例を説明する図である。
【図19】 従来のフェーズドアレイアンテナ構成例を
説明する図である。
【符号の説明】
1…フェーズドアレイアンテナ、2…多層基板部、11
…制御装置、11X,11Y…制御信号、12X…信号
線駆動部、12Y…走査線選択部、13…給電部、14
…分配合成部、15…放射素子、15A無給電素子、1
6…移相ユニット、16A…ストリップ線路、17…移
相器、17A〜17D移相回路、17S…スイッチ、1
8…位相制御部、19A〜19D…駆動回路、191,
192…ラッチ、21,22…結合スロット、23…ス
トリップ線路、24…ストリップ線路、25ラジアル導
波路、26プローブ、27給電ピン、31…放射素子
層、31A…無給電素子層、31B,36…誘電体層、
32,34,38…誘電体層、33…結合層(第1の結
合層)、35…位相制御層、37…結合層(第2の結合
層)、39…分配合成層、67…チップ、67A…ベア
チップによるチップ、67B…パッケージによるチッ
プ、68…ベアチップ、70…移相器ストリップライン
主線路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒 洋一 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 草光 秀樹 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 鈴木 健一郎 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−182103(JP,A) 特開 平5−206718(JP,A) 特開 平6−267926(JP,A) 特開 平8−288734(JP,A) 実開 平3−125510(JP,U) 実開 平5−91016(JP,U)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波やミリ波などの高周波信号の
    送受信に用いられ、各放射素子で送受信される高周波信
    号の位相を制御することによりそのビーム方向を調整す
    るフェーズドアレイアンテナにおいて、 少なくとも、多数の放射素子が配置された放射素子層
    と、各放射素子で送受信される信号の位相を制御する多
    数の位相制御手段が実装された位相制御層との多層構造
    を有し、 各位相制御手段は、それぞれの位相量に対応した長さの
    分布定数線路を高周波スイッチで切り替えることによ
    り、当該位相制御手段に対応する放射素子で送受信され
    る信号の位相を位相量だけ移相する複数の移相回路と、
    これら移相回路ごとに設けられて当該移相回路の高周波
    スイッチを駆動する駆動回路とを有する移相ユニットか
    らなり、該位相制御手段を構成する回路のうち繰り返し
    用いられる回路部を搭載した第1の基板が、位相制御層
    が形成された第2の基板に実装されており、 互いに交差して配線され、かつ各位相制御手段内の各駆
    動回路をそれぞれ格子状に接続する複数の信号線および
    走査線と、 これら信号線および走査線をマトリクス駆動して各信号
    線および走査線の交点に位置する位相制御手段の駆動回
    路を個別に制御することにより、その駆動回路に対応す
    る移相回路を駆動して所望の移相量を当該位相制御手段
    に設定する信号線駆動部および走査線選択部とを備える
    ことを特徴とするフェーズドアレイアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記フェーズドアレイアンテナは、前記
    位相制御層と放射素子層との間に高周波信号結合用の第
    1の結合層を設けることを特徴とする請求項1記載のフ
    ェーズドアレイアンテナ。
  3. 【請求項3】 マイクロ波やミリ波などの高周波信号の
    送受信に用いられ、各放射素子で送受信される高周波信
    号の位相を制御することによりそのビーム方向を調整す
    るフェーズドアレイアンテナにおいて、 各放射素子で送受信される信号の位相を制御する各位相
    制御手段が実装された位相制御層と、高周波信号を結合
    する第1の結合層と、多数の放射素子が配置された放射
    素子層と、無給電素子層とが順に積層された多層構造を
    有し、 各位相制御手段は、それぞれの位相量に対応した長さの
    分布定数線路を高周波スイッチで切り替えることによ
    り、当該位相制御手段に対応する放射素子で送受信され
    る信号の位相を位相量だけ移相する複数の移相回路と、
    これら移相回路ごとに設けられて当該移相回路の高周波
    スイッチを駆動する駆動回路とを有する移相ユニットか
    らなり、該位相制御手段を構成する回路のうち繰り返し
    用いられる回路部を搭載した第1の基板が、位相制御層
    が形成された第2の基板に実装されており、 互いに交差して配線され、かつ各位相制御手段内の各駆
    動回路をそれぞれ格子状に接続する複数の信号線および
    走査線と、 これら信号線および走査線をマトリクス駆動して各信号
    線および走査線の交点に位置する位相制御手段の駆動回
    路を個別に制御することにより、その駆動回路に対応す
    る移相回路を駆動して所望の移相量を当該位相制御手段
    に設定する信号線駆動部および走査線選択部とを備える
    ことを特徴とするフェーズドアレイアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記位相制御層は、前記位相制御手段が
    実装された面の上部に所定の高さの空間を有しているこ
    とを特徴とする請求項1〜3記載のフェーズドアレイア
    ンテナ。
  5. 【請求項5】 前記多層構造を構成する各層間に誘電体
    層を有することを特徴とする請求項1〜3記載のフェー
    ズドアレイアンテナ。
  6. 【請求項6】 前記フェーズドアレイアンテナは、さら
    に送信信号を前記各位相制御手段に分配するとともに各
    位相制御手段からの受信信号を合成する分配合成部をさ
    らに具備することを特徴とする請求項1〜3記載のフェ
    ーズドアレイアンテナ。
  7. 【請求項7】 前記駆動回路は、薄膜トランジスタ技術
    により構成されていることを特徴とする請求項1〜3記
    載のフェーズドアレイアンテナ。
  8. 【請求項8】 前記高周波スイッチは、ストリップ線路
    から離間して支持されたコンタクトを電気的または磁気
    的に作動させることにより、そのストリップ線路と他の
    ストリップ線路とを前記コンタクトを介して電気的に接
    続/開放するマイクロマシンスイッチからなることを特
    徴とする請求項1〜3記載のフェーズドアレイアンテ
    ナ。
  9. 【請求項9】 前記移相ユニットのうち繰り返し構成さ
    れる回路部が搭載された第1の基板は、前記各移相ユニ
    ットの繰り返し構成される回路部を多数一括形成された
    ものから単位毎に切り出し、前記第1の基板上に実装し
    てチップとして構成されていることを特徴とする請求項
    1〜3記載のフェーズドアレイアンテナ。
  10. 【請求項10】 前記放射素子は、パッチアンテナ若し
    くはスロットアンテナであることを特徴とする請求項1
    〜3記載のフェーズドアレイアンテナ。
  11. 【請求項11】 前記分配合成部は、ストリップ線路を
    用いた分岐回路若しくは内部空間を有する金属筐体を用
    いたラジアル導波路からなる分配合成層で構成され、前
    記分配合成層は第2の結合層を介して前記位相制御層に
    結合して前記多層構造を形成することを特徴とする請求
    項6記載のフェーズドアレイアンテナ。
  12. 【請求項12】 前記第1,第2の結合層は、それぞれ
    結合スロット若しくは導電性の給電ピンを用いて結合す
    ることを特徴とする請求項11記載のフェーズドアレイ
    アンテナ。
  13. 【請求項13】 マイクロ波やミリ波などの高周波信号
    の送受信に用いられ、各放射素子で送受信される高周波
    信号の位相を制御することによりそのビーム方向を調整
    するフェーズドアレイアンテナのうち、各放射素子で送
    受信される信号の位相を制御する各位相制御手段が、そ
    れぞれの位相量に対応した長さの分布定数線路を高周波
    スイッチで切り替えることにより、当該位相制御手段に
    対応する放射素子で送受信される信号の位相を位相量だ
    け移相する複数の移相回路と、これら移相回路ごとに設
    けられて当該移相回路の高周波スイッチを駆動する駆動
    回路とを有する移相ユニットからなり、互いに交差して
    配線され、かつ各位相制御手段内の各駆動回路をそれぞ
    格子状に接続する複数の信号線および走査線と、これ
    ら信号線および走査線をマトリクス駆動して各信号線お
    よび走査線の交点に位置する位相制御手段の駆動回路を
    個別に制御することにより、その駆動回路に対応する移
    相回路を駆動して所望の移相量を当該位相制御手段に設
    定する信号線駆動部および走査線選択部とを備えるフェ
    ーズドアレイアンテナの製造方法において、 少なくとも、多数の放射素子が配置された放射素子層
    と、各放射素子から送受信される信号の位相を制御する
    とともにその位相制御を構成する回路のうち繰り返し用
    いられる回路部がチップ形態で形成されている複数の位
    相制御手段が実装された位相制御層とが各々フォトリソ
    グラフィ技術若しくはエッチング技術によりパターン形
    成され、 パターン形成された各層がそれぞれ所定の順序で積層さ
    れ、 積層された各層が接着されることを特徴とするフェーズ
    ドアレイアンテナの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記位相制御層には、予め前記移相ユ
    ニットのうち繰り返し構成される回路部が搭載されたチ
    ップが実装されることを特徴とする請求項13記載のフ
    ェーズドアレイアンテナの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記チップは、前記移相ユニットのう
    ち繰り返し構成される回路部が多数一括形成され、 前記多数一括形成されたものから単位ごとに切り出さ
    れ、 基板上に実装されることを特徴とする請求項14記載の
    フェーズドアレイアンテナの製造方法。
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