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JP3544966B2 - 樹脂の硬化度測定方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板に形成されたスルーホール等に充填する樹脂等の硬化度測定方法に関する。さらに詳細には、樹脂の硬化度を正確に判定することができる樹脂の硬化度測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板などでは平坦性確保のために、スルーホールなどを樹脂(熱硬化性樹脂)を用いて埋めている。ところが、例えばスルーホールに樹脂を充填すると、充填部分が凸状となる(図1参照)。そして、このままの状態で上層を積層すると、上層の平坦性が確保されない。そのため、樹脂の凸状となった部分を、ベルトサンダー等で研磨することにより平坦性を確保するようにしている。
【0003】
ここで、樹脂に対する研磨条件が同一である場合、樹脂が柔らかい(硬化が進んでいない)ほど研磨量が多く、樹脂が硬い(硬化が進んでいる)ほど研磨量が少ない。すなわち、樹脂の研磨量とその硬化度との間には相関があると考えられる。従って、スルーホール等への充填後に予備硬化させた樹脂を精度良くフラットに研磨するためには、予備硬化させた樹脂の硬化度を研磨前に予め把握しておくことが重要となる。このため従来から、目視により樹脂の色の変化やダレから樹脂の硬化度を判定したり、指触により樹脂の硬化度を判定したり、あるいは鉛筆硬度法により硬化度を判定することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法では、樹脂の硬化度を正確に判定することが困難であるという問題があった。すなわち、樹脂の硬化度の判定が最終的には、目視や指触(人間の感覚)により行われることから、判定者が異なれば判定結果も異なる可能性が高い。従って、硬化度がばらつき正確に判定することができないのである。そして、充填した樹脂の硬化度を正確に判定することができないと、樹脂の凸状部に対する研磨が、研磨条件が適合していない状態で行われることが多くなる。このため、充填した樹脂に対する研磨を行った際に、研磨しすぎたり、逆に研磨不足になったりと研磨不良が発生しやすいという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、樹脂の硬化度を正確に判定することができる樹脂の硬化度測定方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するためになされた本発明に係る樹脂の硬化度測定方法は、基板上に樹脂を塗布し、その樹脂を予備硬化させ、その状態における基板の重量を計測した後に、予備硬化状態の樹脂を摩耗させ、摩耗終了後における基板の重量を計測することにより、摩耗前後における基板の重量差を算出し、その算出された重量差に基づいて樹脂の硬化度を判定する方法である。
【0007】
この測定方法では、まず、基板上に樹脂を塗布する。そして、基板上に塗布した樹脂を加熱状態で所定時間経過させて予備硬化させ、そのときの重量を計測する。その後、予備硬化させた樹脂を所定条件下で摩耗させる。
【0008】
ここで、予備硬化状態の樹脂の摩耗は、樹脂上に荷重をかけて摩耗輪を接触させ、その状態で基板を回転させて前記摩耗輪を転がすことにより行う。具体的には、摩耗試験機を用いて樹脂を摩耗させればよい。そして、摩耗輪の荷重および基板の回転回数は、その試験機で設定可能な値に設定すればよい。
【0009】
このようにして樹脂を摩耗させた後、摩耗後の基板の重量を計測して、樹脂が塗布された基板の摩耗前と摩耗後との重量差、つまり摩耗量を算出する。そして、算出された重量差に基づいて樹脂の硬化度を判定する。このように摩耗量(重量差)から樹脂の硬化度がわかるのは、樹脂の摩耗量とその硬化度との間に相関があるからである(図2参照)。ここで、樹脂の摩耗量は、一定の摩耗条件で摩耗させたときのものであり、計測機器により測定される。そして、計測機器により測定された摩耗量に基づいて樹脂の硬化度が判定される。すなわち、樹脂の硬化度の判定が、人間の感覚に頼ることなく行われる。このため、本発明に係る測定方法によれば、測定者によるばらつきも少なく、樹脂の硬化度を正確に判定することができる。
【0010】
また、本発明に係る樹脂の硬化度測定方法においては、基板の表面を粗化した後に、粗化された面上に樹脂を塗布して予備硬化させることが好ましい。基板と樹脂との密着性を向上させるためである。すなわち、摩耗中に樹脂が基板から剥がれ落ちないようにすることにより、摩耗量を正確に計測できるため、硬化度をより正確に判定することができるからである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る樹脂の硬化度測定方法を具体化した最も好適な実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態は、CLE(Cross Linking Epoxy)ワニスの硬化度を測定する場合に、本発明に係る硬化度測定方法を適用したものである。
【0012】
このCLEワニスは、プリント配線板に形成されたスルーホールや配線パターン間などをするために用いられる熱硬化性の樹脂であり、CLE−A剤とCLE−B剤とから構成されている。ここで、CLE−A剤とはシリカフィラーとエポキシ樹脂との混合体であり、CLE−B剤とは硬化剤である。
【0013】
このようなCLEワニスは、エポキシ樹脂、シリカフィラー、および硬化剤の混合によって製造される。この製造工程には、攪拌工程と3本ロール工程とが含まれている。まず、攪拌工程において、プラネタリーミキサーにより、シリカフィラー、エポキシ樹脂、および消泡剤が攪拌混合される。次いで、3本ロール工程において、これらの混合体の脱泡が行われるとともに、凝集したシリカフィラーが分散させられる。かくしてCLE−A剤が製造される。
【0014】
次に、硬化剤混合工程について説明する。この工程では、上記混合工程で得られたCLE−A剤にCLE−B剤(硬化剤)が混合される。かくして、CLEワニスが得られる。
【0015】
そして、上記のようにして製造されたCLEワニスは、プリント配線板に形成されたスルーホール等に充填される。ここで、スルーホールにCLEワニスを充填すると、図1に示すように、CLEワニスの表面が凸状となる。また、配線パターン間にCLEワニスを充填した場合も、その表面は完全にフラットにはならない。このため、CLEワニスの表面を完全にフラットにするために、CLEワニスを予備硬化させた後、ベルトサンダーを用いて研磨する。この研磨により、CLEワニスの平坦性が確保された状態にて上層を積層することができる。そして、平坦性が確保された状態で加熱されることにより、充填されたCLEワニスは完全に硬化する。
【0016】
ところで前述したように、CLEワニス(充填樹脂)の摩耗量とその硬化度との間には相関があると考えられる。従って、この考えが正しければ、予備硬化状態のCLEワニスの摩耗量を計測することにより、CLEワニスの硬化度を判定することができる。このような考えから、硬化温度を5℃刻みで105〜125℃として、硬化度が異なるように予備硬化させたCLEワニスの摩耗量をロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)を用いて調査した。その結果を図2に示す。
【0017】
ここで、図2に示す結果を得るために行ったCLEワニスの摩耗量の調査方法について説明する。最初に、CLEワニスを塗布するための基板として、図3に示すような10×10cmの大きさに切断した銅貼り板15を用意する。そして、図4に示すように、この銅貼り板15の銅表面16を黒化処理により粗化する。なお、銅表面(基板表面)の粗化処理は、黒化処理に限らず表面を粗化できる処理であれば何でも良い。このように銅表面(基板表面)を粗化するのは、CLEワニスの密着性を向上させるためである。次いで、図5に示すように、粗化した銅表面16にCLEワニス17を均一に塗布し、CLEワニス17を予備硬化させる。このときの硬化条件は、硬化温度が上記した5条件であり、硬化時間は20分である。これで、硬化度を評価するためのCLEワニス付銅貼り板18が得られる。
【0018】
そして、各硬化条件にて予備硬化させたCLEワニス付銅貼り板18の中心に、ロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)に取り付けるための穴を開け(図6)、そのときの重量を計測する。重量計測後、CLEワニス付銅貼り板18をロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)にセットする(図7参照)。そして、このロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)により、各硬化条件にて硬化させたCLEワニスの摩耗試験を行う。
【0019】
ここで、ロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)について、図7を用いて簡単に説明する。ロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)は、一般的に平面材料の摩耗試験に用いられるものである。このロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)は、外周面に砥石20が取り付けられた2個の摩耗輪21,21と、モータMが接続された回転テーブル22と、摩耗粉を吸引する吸引機(不図示)に接続された吸引ホース23とを有する。そして、摩耗輪21,21には複数の荷重をかけることができるようになっている。なお、回転テーブル22の回転数は72rpm(60Hz)である。
【0020】
そして、検査材料(CLEワニス付銅貼り板18)を回転テーブル22にセットし、摩耗輪21,21にかける荷重条件、および検査材料の回転回数をカウンタによりセットする。本実施の形態では、摩耗輪21,21にかける荷重条件は9.8Nに設定され、カウンタは「500(回転)」に設定されることになる。諸条件の設定終了後に、ロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)を作動させると、その動作は設定したカウンタ数だけ検査材料を回転させた後に停止する。このとき、検査材料は摩耗輪21,21と接触した状態で回転させられるので、その接触部分が摩耗される。そして、検査材料における摩耗輪21,21との接触面の重量、厚さ、光沢の減量により、検査材料の摩耗度が評価できるようになっている。
【0021】
このようなロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)を用いて、10cm四方の銅貼り板15上に塗布し予備硬化させたCLEワニスの摩耗量を、上記した方法で調査することにより図2の結果を得た。なお、図2において、各硬化温度条件におけるN数は、N=3である。図2より、硬化温度が高くなるに従いCLEワニスの摩耗量が減少することがわかる。ここで一般的に、硬化時間が同じであれば、硬化温度が高いほど硬化度も高く、硬化温度が低いほど硬化度も低い。このようなことから、図2の結果は摩耗量と硬化度との間に相関があることを示していると言える。従って、CLEワニスの摩耗量を算出することにより、硬化度を精度良く判定することができる。そこで、この方法によりCLEワニスの摩耗量を算出し、その摩耗量に基づいてCLEワニスの硬化度を判定した。そして、その判定結果に基づきCLEワニス充填後の研磨工程における研磨条件を設定したところ、研磨不良が発生せずにCLEワニスの表面が精度良くフラットに研磨された。すなわち、CLEワニスの硬化度が正確に判定されたのである。
【0022】
以上詳細に説明したように本実施の形態に係るCLEワニスの硬化度測定方法によれば、まず、銅貼り板15の銅表面16を粗化した後にCLEワニスを塗布し、CLEワニスを予備硬化させ、その状態におけるCLEワニス付銅貼り板18の重量を計測する。次に、予備硬化状態のCLEワニスをロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)を用いて所定条件下で摩耗させる。続いて、摩耗終了後におけるCLEワニス付銅貼り板18の重量を計測することにより、摩耗前後におけるCLEワニス付銅貼り板18の重量差、すなわち摩耗量を算出する。そして、摩耗量と硬化度との間に相関があることを利用して、算出された摩耗量に基づいてCLEワニスの硬化度を判定する。このようにCLEワニスの硬化度の判定が、人間の感覚に頼ることなく行われる。従って、測定者によるばらつきが少ないため、CLEワニスの硬化度を正確に判定することができる。
【0023】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、CLEワニス(熱硬化性樹脂)の硬化度の測定について説明したが、本発明の測定方法は熱硬化性樹脂に限らずその他の硬化性樹脂(紫外線硬化樹脂など)における硬化度の評価にも適用することができる。また、図8に示すように、CLEワニス付銅貼り板18の回転回数とCLEワニスの摩耗量とは比例関係にあると言える。従って、硬化度の測定試験を短時間で行いたい場合などには、ロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)のカウンタの設定値を「500」以下に設定して、そのときの摩耗量から500回転相当の摩耗量を推定して硬化度を判定することもできる。ただしこの場合、硬化度の判定精度は若干低下することもあり得る。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、樹脂の硬化度を正確に判定することができる樹脂の硬化度測定方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】スルーホールにCLEワニスを充填した状態を示す図である。
【図2】CLEワニスの予備硬化温度と摩耗量との関係を示す図である。
【図3】基板となる銅貼り板を示す平面図である。
【図4】黒化処理後の銅貼り板を示す断面図である。
【図5】CLEワニス付銅貼り板を示す断面図である。
【図6】ロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)にセットするための加工を施したCLEワニス付銅貼り板を示す平面図である。
【図7】ロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)の概略構成を示す図である。
【図8】ロータリーアブレージョンテスタ(東洋精機製)による基板の回転回数とCLEワニスの摩耗量との関係を示す図である。
【符号の説明】
15 銅貼り板
17 CLEワニス
18 CLEワニス付銅貼り板
20 砥石
21 摩耗輪
22 回転テーブル
23 吸引ホース

Claims (2)

  1. 基板上に樹脂を塗布し、その樹脂を予備硬化させ、その状態における基板の重量を計測した後に、
    予備硬化状態の樹脂上に荷重をかけて摩耗輪を接触させ、その状態で基板を回転させて前記摩耗輪を転がすことにより、前記樹脂を摩耗させ、
    摩耗終了後における基板の重量を計測することにより、摩耗前後における基板の重量差を算出し、
    その算出された重量差に基づいて前記樹脂の硬化度を判定することを特徴とする樹脂の硬化度測定方法。
  2. 請求項1に記載する樹脂の硬化度測定方法において、
    基板の表面を粗化した後に、粗化された面上に樹脂を塗布して予備硬化させることを特徴とする樹脂の硬化度測定方法。
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