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JP3545279B2 - 強誘電体キャパシタ、その製造方法、および半導体装置 - Google Patents
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JP3545279B2 - 強誘電体キャパシタ、その製造方法、および半導体装置 - Google Patents

強誘電体キャパシタ、その製造方法、および半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に半導体装置に係り、特に強誘電体キャパシタ、およびかかる強誘電体キャパシタを備えた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電源を切っても記憶された情報が保持される不揮発性メモリとして、従来よりEPROMやフラッシュメモリ等の、トンネル絶縁膜およびフローティングゲート電極を備えた半導体記憶装置が広く使われている。特にフラッシュメモリはDRAMと類似した、一つのメモリセル中に単一のメモリセルトランジスタを備えた簡単な構成を有し、大規模集積回路を構成するのに適している。
【0003】
一方、フラッシュメモリでは、情報の記憶あるいは消去が、かかるフローティングゲート電極への、トンネル絶縁膜を介したホットエレクトロンの注入によりなされるため、必然的に高い電圧が必要になる。また大きな電界がトンネル絶縁膜に加わるため、トンネル絶縁膜の劣化により、半導体記憶装置の寿命が制限されてしまう。さらに、情報の書込みが前記ホットエレクトロンの注入によりなされるため、書込みに時間がかかる問題点を有している。また、フラッシュメモリではフローティングゲート電極への電荷の注入量を制御することにより多値情報の記憶が可能であるが、一方でこのように多値記憶が可能であるということは、トンネル絶縁膜の膜質の劣化に応じて電荷の注入量を適切に制御しないと、誤動作が生じる可能性があることでもある。
【0004】
これに対して、強誘電体ランダムアクセスメモリ(以下、FeRAMと略記する)は強誘電体膜をキャパシタ誘電体膜とした強誘電体キャパシタを備えており、情報が前記強誘電体膜中に自発分極の形で記憶される。情報の書き換えあるいは消去は、前記自発分極を反転させることにより行なわれる。かかる自発分極の反転は電圧の印加のみで実現され、電流の注入は伴わないため、FeRAMでは非常に高速の書込みが可能である。また、消費電力も少ない。さらに、強誘電体膜の分極方向は正方向および負方向に限定されるため、フラッシュメモリにおけるようなトンネル絶縁膜の膜質劣化に伴う過消去の問題は生じない。
【0005】
図1は、従来のFeRAMにおけるメモリセルの構成を示す回路図である。
図1を参照するに、メモリセルは1ビットの情報を記憶するのに二つのトランスファゲートトランジスタT,Tと二つの強誘電体キャパシタC,Cを使う、いわゆる2T/2C型の構成を有し、一方のキャパシタに情報”0”を、他方のキャパシタに情報”1”を記憶させる相補的動作を行なう。
【0006】
より具体的には、ワード線WLを選択することによりトランスファゲートトランジスタT,Tがターンオンされ、トランジスタTに接続されたビット線BITから情報”1”あるいは”0”が前記キャパシタCに、また相補ビット線/BITから情報”0”あるいは”1”が、前記キャパシタCに、それぞれの強誘電体キャパシタ絶縁膜の自発分極の形で書き込まれる。
【0007】
さらに読み出し時には前記ワード線WLを選択することにより前記トランジスタTおよびTをターンオンし、前記キャパシタC,Cの分極の結果前記ビット線BITおよび/BITに現れる電圧差を、センスアンプS/Aで検出る。
一般に、前記強誘電体キャパシタC,Cでは、前記強誘電体キャパシタ絶縁膜として、組成が(Pb,Zr)TiOで表されるPZT、あるいは組成が(Pb,Zr)(Ti,La)Oで表されるPLZT等のペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体材料、あるいは組成がSrBiTaで表されるSBT、さらには組成がBi(Ta,Nb)で表されるSBTN等のBi層状構造化合物が使われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる強誘電体キャパシタでは、強誘電体膜をゾルゲル法あるいはスパッタ法によりアモルファス状態で堆積した後、高温で短時間熱処理することにより、結晶化させている。結晶化がなされない限り所望の分極特性は得られない。一方、このような結晶化熱処理の際に、PZTあるいはPLZT等の強誘電体膜中に酸素欠損が生じやすいため、かかる結晶化熱処理を酸化雰囲気中で行なうことがなされている。また、下側電極の酸化を回避するために、最初に結晶化熱処理を不活性雰囲気中で行ない、次いで酸化雰囲気中で熱処理を行なうことにより、酸素欠損を補償する工程が提案されている。
【0009】
一方、このようにして結晶化熱処理を行ない、さらに酸素欠損を補償した強誘電体膜上に上側電極を形成する必要があるが、従来はかかる上側電極の形成は、PtあるいはIr等の耐熱金属膜をスパッタリングすることにうよりなされていた。しかし、PtやIrのスパッタリングは非酸化雰囲気中で行われるため、かかる上側電極の形成の際に前記強誘電体膜中に再び酸素欠損が生じてしまう問題がある。
【0010】
これに対し、従来より、前記強誘電体膜下の下側電極として、IrO等の導電性酸化物よりなる電極を使うことが提案されている。下側電極にかかる導電性酸化物を使うことにより、前記強誘電体膜中の酸素欠損の補償を酸化雰囲気中で行っても、下側電極が酸化されることがなく、抵抗値の増大が回避される。
一方、従来より、このようにIrO電極を形成した場合には、電極表面に異常成長したIrOよりなる巨大結晶が生じやすいことが知られている。かかる巨大結晶は欠陥を形成し、半導体装置の歩留まりを低下させると同時に、強誘電体キャパシタの電気特性を劣化させる。
【0011】
そこで、本発明は上記の課題を解決した、新規で有用な強誘電体キャパシタ、かかる強誘電体キャパシタを有する半導体装置、およびその製造方法を提供することを概括的課題とする。
本発明のより具体的な課題は、反転電荷量が大きい強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタ、およびかかる強誘電体キャパシタを使った半導体装置提供することにある。
【0012】
本発明の他の課題は、強誘電体膜上に、IrOよりなる上側電極を、IrO層中にIrO結晶の異常成長を抑制しつつ形成できる強誘電体キャパシタの製造方法、およびかかる強誘電体キャパシタを使った半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を、
請求項1に記載したように、
下側電極を形成する工程と、前記下側電極上に強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜上にIrO 2 からなる上側電極を形成する工程とを有する強誘電体キャパシタの製造方法であって、
前記上側電極を形成する工程は、Irのターゲットを使い、Irの酸化が生じかつ前記強誘電体膜の還元が回避される条件でスパッタリングして、第のIrO 2 を形成する第1工程と、
前記Irのターゲットを使い、かつ前記第1工程よりも酸化性の弱い条件でスパッタリングして、前記第1のIrO 2 膜上に微結晶からなる第2のIrO 2 膜を形成する第2工程とを有することを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法により、または
請求項2に記載したように、
請求項1記載の強誘電体キャパシタの製造方法により製造される強誘電体キャパシタにおいて、
前記強誘電体膜がPbを含有することを特徴とする強誘電体キャパシタにより、または
請求項3に記載したように、
請求項2記載の強誘電体キャパシタを有することを特徴とする半導体装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施例]
図2は、本発明の第1実施例による強誘電体キャパシタの構成を示す。
図2を参照するに、CMOS構造を覆うCVD酸化膜12が形成されたSi基板11上には厚さが約20nmのTi密着層13がスパッタリングにより形成され、さらに前記Ti密着層13上には厚さが約175nmのPt膜よりなる下側電極層14が、同じくスパッタリングにより形成される。前記Ti密着層13および下側電極層14のスパッタリング条件を、以下の表1に示す。
【0015】
【表1】
Figure 0003545279
【0016】
ただし、図2の構成において、前記下側電極層14はPtに限定されるものではなく、IrやRu、さらにはRuOあるいはSrRuO等の導電性酸化物であってもよい。
さらに、前記下側電極層14上にはPZTあるいはPLZT膜よりなる強誘電体キャパシタ絶縁膜15が、RFスパッタリングにより、以下の表2の条件下で、約200nmの厚さに形成されている。
【0017】
【表2】
Figure 0003545279
【0018】
前記キャパシタ絶縁膜15は、さらにOを5%以下の濃度で含むAr雰囲気中、600°Cにおいて90秒間急速熱処理(RTA)することにより結晶化され、さらに酸化雰囲気中、750°Cで60秒間急速熱処理することにより、酸素欠損が補償される。
さらに本実施例では、前記キャパシタ絶縁膜15上にIrOよりなる上側電極層16を、表3の条件下で形成する。
【0019】
【表3】
Figure 0003545279
【0020】
以下、本実施例の予備的説明として、図3および図4を説明する。
図3は、前記表3の条件下において酸素流量およびAr流量を変化させた場合に得られるIrO電極層16の光学的反射率を示す。
図3を参照するに、スパッタ雰囲気中の酸素の割合が増加するにつれて反射率が低下しているのがわかるが、これはスパッタ雰囲気中の酸素の割合と共に堆積されたIr層の酸化が進行し、IrOの割合が増加していることを示している。
【0021】
図4は、同一のスパッタ雰囲気中においてスパッタパワーを変化させ、得られるIrO電極層16の光学的反射率を調べた結果を示す。
図4を参照するに、スパッタパワーと共に反射率は増大しており、前記電極層16は還元され、金属Irが主体となっていることを示している。このことから、前記電極層16としてIrOを使う場合には、スパッタパワーを減少させ、スパッタ雰囲気をより酸化性に設定するのが好ましいことがわかる。
【0022】
図5は、このようにして得られた強誘電体キャパシタについて、反転電荷量QSWとスパッタパワーとの関係を示す。
図5を参照するに、スパッタパワーが低いほど、前記電極層16の下の強誘電体膜15について大きな反転電荷量QSWが得られることがわかる。これは、前記スパッタパワーを減少させることによりスパッタ雰囲気がより酸化性に変化し、前記強誘電体膜15の還元が抑制されることを意味していると考えられる。
【0023】
図6は、図9の実験においてスパッタパワーを先の表3の条件に従って1kWとし、多数の基板に連続してスパッタリングを行なった場合の前記電極層16の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。ただし、図6では、前記電極層16は200nmの厚さに形成している。
図6を参照するに、スパッタパワーを1kWとして前記電極層16を200nmの厚さに形成した場合には、25枚目以降の基板において、前記電極層16の表面に針状に異常成長したIrOの巨大結晶が散在し始めるのが認められる。
【0024】
図7(A),(B)は、図9の実験においてスパッタパワーを1kWとして300nmの厚さに形成した電極層16の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。図7(A)を参照するに、前記電極層16を300nmの厚さに形成した場合、25枚目以降の基板において前記電極層16上には図6と同様なIrOの巨大結晶が形成されるのがわかるが、異常成長の程度はさらに進行し、明確な結晶面が発達しているのが認められる。また図7(B)の断面図よりわかるように、前記IrO巨大結晶は、前記電極層16表面において欠陥を形成する。
【0025】
これに対し、図8は前記図9の実験において、後で図4で説明するように、スパッタパワーを最初に1kWとし、100nmの厚さにIrO膜を堆積した後、スパッタパワーを2kWまで増大させ、さらにIrO膜の堆積を100nm行なった場合の、電極層16の表面状態を示す。
図8を参照するに、前記電極層16の表面は、白く見える略一様な大きさの微細なIrOの結晶より構成されており、図6あるいは図7(A),(B)で説明したような巨大結晶は認められない。換言すると、前記電極層16の形成を、1kW程度の低いパワーでのスパッタリングにより最初に100nm以下の厚さになるように行なった場合、その上に条件を変えてさらに電極層16を形成しても、上側電極層16に欠陥が生じることはない。一般に、前記IrO電極層16の形成を、電極層16の厚さが100nm以下になるように行なった場合には、図6あるいは図7(A),(B)のような巨大結晶の生成は認められない。例えば、本発明の発明者が行なった実験では、29枚目の基板において前記IrO電極層16を100nmの厚さに形成し、さらに30枚目の基板において前記IrO電極層16を50nmの厚さに形成したが、かかる欠陥となるような巨大結晶の生成は認められなかった。また、このようにスパッタリングを低いスパッタパワーで行なうことにより、先に図5で説明したように、前記電極層16の下の強誘電体膜15の還元が回避され、強誘電体キャパシタに優れた電気特性を実現することができる。図8において、IrOの結晶粒の粒径は10〜30nmであるのに対し、図7(A),(B)の場合には結晶粒の粒径は300〜400nmに達する。
【0026】
一方、このようにスパッタパワーを減少させた場合、当然のことながら、前記電極層16の成長速度は、図9に示すように減少する。図9を参照するに、スパッタパワーを1kWに設定すると、成膜パワーは2〜3nm/s程度にしかならない。
一方、本発明の発明者は、本発明の基礎となる実験において、図10に示すように一たん前記強誘電体膜15上にIrO電極層を低いスパッタパワーで形成した場合、その上にさらにIrO電極層を、より大きなパワーで、あるいは強い還元雰囲気で形成しても、前記強誘電体膜15の反転電荷量は殆ど変化しないことを見出した。
【0027】
図10を参照するに、以下の表4に示すように、前記IrO電極層16として最初にIrO膜を、1kWのスパッタパワーで100nmの厚さに形成した場合、その上にさらにIrO膜を2kWあるいは4kWのスパッタパワーで100nm程度の厚さに形成しても、強誘電体膜15の反転電荷量は25μC/cm程度で殆ど変化しない。また、前記上側のIrO膜の形成を、Oを含まない還元雰囲気中で行なっても、前記反転電荷量の値は影響を受けないことを示している。
【0028】
【表4】
Figure 0003545279
【0029】
このことから、前記IrO電極層16の堆積を、最初に低いスパッタパワーを使い、酸化性のスパッタ雰囲気を実現しながら行い、次にスパッタパワーを増加させ、高い堆積速度で実行することにより、優れた電気特性を有する強誘電体キャパシタを、効率よく、また歩留まりよく形成することが可能になる。
図11は、前記IrO電極層16の堆積を、表3に示すように1kWのスパッタパワーで、酸素を含む雰囲気中において行なった場合の得られたIrO膜のX線回折パターンを示す。
【0030】
図11を参照するに、回折角2θが28°前後において、明確なIrO(110)面の回折ピークが観察される。また、39°付近の回折角2θにおいて、IrO(200)面の回折ピークが観察される。
これに対し、図12は、前記IrO電極層16の堆積を、2kWのスパッタパワーで行なった場合の、IrO膜のX線回折パターンを示す。
【0031】
図12を参照するに、このようにして形成されたIrO膜では、図11の場合に観察された(110)面あるいは(200)面の反射はほとんど観察されず、Siの強い反射が見られるのがわかる。
図13は、先に説明した表4の条件で形成したIrO膜のX線回折パターンを示す。
【0032】
図13を参照するに、このように最初にIrO膜を低いスパッタパワーで堆積し、次いでスパッタパワーを増加させて堆積を行なった膜では、図11と同様な回折パターンが得られることがわかる。
図14(A)〜図16(E)は、図2の強誘電体キャパシタにおいて、前記IrO電極層16を様々な条件でスパッタリングした場合の、前記電極層16中における様々な元素の分布プロファイルをSIMS法により求めた結果を示す。
【0033】
図14(A)は、前記電極層16を図3の条件に従って1kWのスパッタパワーで堆積した場合の、堆積直後における、前記電極層16中の元素分布を、また図14(B)は、このようにして堆積された電極層16に対して熱処理を行なった場合の、前記電極層16中における元素分布を示す。
図14(A)を参照するに、堆積直後においては前記電極層16中におけるPbの濃度は検出限界以下であるのに対し、図14(B)に示すように、650°Cで60分間の回復熱処理を行なった場合には、前記電極層16中にPbが、前記強誘電体膜15との界面から自由表面にかけて、徐々に減少するプロファイルで含まれるようになるのがわかる。
【0034】
これに対し、図15(C)、前記電極層16を2kWのスパッタパワーで堆積した場合の、堆積直後における、前記電極層16中の元素分布を、また図15(D)は、このようにして堆積された電極層16に対して熱処理を行なった場合の、前記電極層16中における元素分布を示す。
図15(C)を参照するに、堆積直後においては前記電極層16中におけるPbの濃度は検出限界以下であるのに対し、図15(D)に示すように、650°Cで60分間の回復熱処理を行なった場合には、前記電極層16中にPbが、前記強誘電体膜15との界面と自由表面近傍で検出限界以上含まれるのに対し、前記強誘電体膜15の中央部付近では検出限界以下となるようなプロファイルで含まれるのがわかる。
【0035】
さらに図16(E)は、先の表4の条件に従って前記電極層16のうち、最初の100nmの部分を1kWのスパッタパワーで堆積し、次の100nmの部分を2kWのスパッタパワーで堆積した場合の、前記電極層16中における元素分布を示す。
図16(E)を参照するに、図4の条件で堆積した電極層16中には、Pbが略一様な濃度で含まれているのがわかる。この特徴は、前記電極層16を形成した後、前記強誘電体膜15に対して回復熱処理を行なった場合にも維持される。
【0036】
なお、本実施例において、前記導電性酸化物はIrOに限定されるものではなく、RhOやRuO、さらにSrRuO等の導電性酸化物を使うことも可能である。また、前記表4の条件において第1層目のスパッタリングと第2層目のスパッタリングを、連続して条件を変化させながら行なうことも可能である。
[第2実施例]
図17(A)〜図22(R)は、本発明の一実施例による半導体装置の製造工程を示す。
【0037】
図17(A)を参照するに、p型あるいはn型のSi基板21上にはp型ウェル21Aおよびn型ウェル21Bが形成され、さらに前記Si基板21上には各々のウェル21Aおよび21B中においてそれぞれの活性領域を画成するフィールド酸化膜22が形成されている。
さらに、前記p型ウェル21Aおよびn型ウェル21Bの活性領域上にはゲート酸化膜23が形成され、前記p型ウェル21Aにおいては前記ゲート酸化膜23上にp型ポリシリコンゲート電極24Aが、また前記n型ウェル21Bにおいては、前記ゲート酸化膜23上にn型ポリシリコンゲート電極24Bが形成される。また、図示の例では前記フィールド酸化膜22上にポリシリコン配線パターン24C,24Dが、前記ポリシリコンゲート電極24Aあるいは24Bと同様に延在している。
【0038】
また、図17(A)の構造では、前記p型ウェル21Aの活性領域中には前記ゲート電極24Aおよびその両側の側壁絶縁膜を自己整合マスクにn型の不純物をイオン注入することにより、n型拡散領域21a,21bが形成される。同様に、前記n型ウェル21Bの活性領域中には前記ゲート電極24Bおよびその両側の側壁絶縁膜を自己整合マスクにp型の不純物をイオン注入することにより、p型拡散領域21c,21dが形成される。
【0039】
以上の工程は通常のCMOS工程に他ならない。
次に、図17(B)の工程において、図17(A)の構造上に厚さが約200nmのSiON膜25をCVD法により堆積し、さらにその上にSiO膜26をCVD法により約1000nmの厚さに堆積する。
さらに図17(C)の工程において前記SiO膜26をCMP法により、前記SiON膜25をストッパとして研磨し、図18(D)の工程においてこのようにして平坦化されたSiO膜26中に、コンタクトホール26A〜26Dを、それぞれ前記拡散領域21a,21b,21cおよび21dが露出されるように形成する。図示の例では、さらに前記SiO膜26中には前記配線パターン24Cを露出するコンタクトホール26Eも形成されている。
【0040】
次に、図18(E)の工程において図18(D)の構造上に前記コンタクトホール26A〜26Eを埋めるようにW層27を堆積し、さらに図18(F)の工程で前記W層27を前記SiO膜26をストッパとしてCMP法により研磨し、前記コンタクトホール26A〜26Eにそれぞれ対応してWプラグ27A〜27Eを形成する。
【0041】
次に図19(G)の工程において、図18(F)の構造上にSiNよりなる酸化防止膜28およびSiO膜29とをそれぞれ100nmおよび130nmの厚さに形成し、さらにN雰囲気中、650°Cにて30分間熱処理し、脱ガスを十分に行なう。
さらに図19(H)の工程において、前記SiO膜29上に、厚さが20nmのTi膜30および厚さが175nmのPt膜31とを、先の表1に示す条件下でスパッタリングを行なうことにより堆積し、下側電極層を形成する。
【0042】
図19(H)の工程では、前記Pt膜31の堆積の後、PZTあるいはPLZT膜32をスパッタリングにより、先の表2の条件で約200nmの厚さに、強誘電体キャパシタ絶縁膜として堆積する。
さらに、図19(H)の工程では、前記強誘電体キャパシタ絶縁膜32の堆積の後、O雰囲気中、725°Cにおいて20秒間の急速熱処理工程を行ない、前記PLZT膜32を結晶化すると同時に、酸素欠損の補償を行なう。その際、125°C/秒程度の非常に大きな昇温速度を使うことにより、前記熱処理時間を最短化することができる。
【0043】
さらに、図19(H)の工程では、前記急速熱処理工程の後、前記強誘電体キャパシタ絶縁膜32上にIrO膜33を約200nmの厚さに、先の表4に示す条件でスパッタリングを行なうことにより堆積し、上側電極層を形成する。
次に、図19(I)の工程において前記上側電極層33上にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクに前記上側電極層33をドライエッチングすることにより、前記上側電極層33に対応して上側電極パターン33Aが前記強誘電体キャパシタ絶縁膜32上に形成される。さらに図19(I)の工程では、前記上側電極パターン33Aの形成後、O雰囲気中、650°Cで60分間のアニールを行ない、前記上側電極層33のスパッタリングおよびパターニングの際に前記強誘電体キャパシタ絶縁膜32に入った損傷を消滅させる。
【0044】
次に図20(J)の工程において、形成したい強誘電キャパシタのキャパシタ絶縁膜パターンに対応したレジストパターンを前記強誘電体キャパシタ絶縁膜32上に形成し、さらに前記レジストパターンをマスクに前記強誘電体キャパシタ絶縁膜32をドライエッチングしてキャパシタ絶縁膜パターン32Aを形成し、さらに前記下側電極層31上に、前記キャパシタ絶縁膜パターン32Aを覆うように、前記強誘電体キャパシタ層32と同一の材料よりなるエンキャップ層32Bを前記強誘電体キャパシタ層32と同様の条件でスパッタリングすることにより約20nmの厚さに堆積し、さらにO雰囲気中、700°Cにて60秒間の急速熱処理を、例えば125°C/秒の昇温速度で行なう。前記エンキャップ層32Bは、前記強誘電体キャパシタ絶縁膜32Aを還元作用から保護する。
【0045】
次に図20(K)の工程において、前記下側電極層31上、すなわち前記エンキャップ層32B上に、形成したい下側電極パターンの形状に対応したレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクに前記エンキャップ層32Bおよびその下の下側電極層30,31をドライエッチングによりパターニングし、下側電極31Aを形成する。さらに、図20(K)の工程では、前記下側電極パターン31Aのパターニングの後、レジストパターンを除去し、O雰囲気中、650°Cで60分間の熱処理を行なうことにより、前記ドライエッチングに際して前記強誘電体キャパシタ絶縁膜32A中に導入された損傷を解消する。
【0046】
さらに図20(L)の工程において、前記図20(K)の構造上にSiO膜34をCVD法により典型的には200nmの厚さに堆積し、さらにSOG膜35をその上に堆積して段差を緩和する。前記SiO膜34およびSOG膜35は、層間絶縁膜36を構成する。
次に図21(M)の工程において前記層間絶縁膜36中に前記上側電極パターン33Aを露出するコンタクトホール36Aおよび前記下側電極パターン31Aを露出するコンタクトホール36Bが形成され、さらに図21(N)の工程において前記層間絶縁膜36、およびその下のSiO膜29およびSiN酸化防止膜28を貫通して、前記Wプラグ27Bおよび27Dを露出するコンタクトホール36C,36Dがそれぞれ形成される。図21(M)の工程では、前記コンタクトホール36Aおよび36Bのドライエッチングの後、O雰囲気中、550°Cで60分間熱処理することにより、前記強誘電体膜パターン32A,32Bにドライエッチングに伴って導入された欠陥を解消する。
【0047】
さらに図21(O)の工程において、前記コンタクトホール36Aと前記コンタクトホール36Cとを電気的に接続するローカル配線パターン37AがTiN膜により形成され、同様なローカル配線パターン37B,37Cが前記コンタクトホール36B,36D上にも形成される。
さらに図22(P)の工程において、図21(O)の構造上にSiO膜38が形成され、図22(Q)の工程において前記SiO膜38中に前記Wプラグ27A、ローカル配線パターン37B,およびWプラグ27Cを露出するコンタクトホール38A,38Bおよび38Cが形成される。
【0048】
さらに図22(R)の工程において前記コンタクトホール38A,38B,38Cにそれぞれ対応して、電極39A,39B,39Cが形成される。
本実施例による半導体装置では、先に表4で説明したように、前記上側電極層33として、酸化性雰囲気中でスパッタリングされたIrO膜を下層とし、より酸化性の弱い雰囲気中でスパッタリングされたIrO膜を上層とした2層構造の導電性酸化物電極を使うことにより、前記上側電極層の堆積に伴う前記強誘電体膜の電気特性の劣化を回避することが可能である。
【0049】
以上の工程において、必要に応じて前記層間絶縁膜およびローカル配線パターンを形成する工程を繰り返すことにより、多層配線構造を形成することもできる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、強誘電体膜上に形成される、導電性酸化物よりなる上側電極層を、酸化性の強い条件下でのスパッタリングによって形成することで、前記強誘電体膜中における酸素欠損の形成が抑制され、優れた電気特性を有する強誘電体キャパシタが得られる。さらに、かかる導電性酸化物膜の形成の際にその厚さを減少させることにより、前記導電性酸化物膜中における異常成長した巨大結晶の形成を抑制でき、歩留まりを向上させることができる。また、前記酸化性の強い条件下でスパッタリングした導電性酸化物膜上に、より酸化性の弱い条件を使うことにより、より大きな堆積速度で導電性膜をスパッタリングしても、前記強誘電体膜の特性は劣化しない。このように酸化性の強い条件下でスパッタリングされた導電性酸化物膜は、前記強誘電体膜を構成するPbを、膜厚方向に略一様な濃度で含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のFeRAMの構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施例による強誘電体キャパシタの構成を示す図である。
【図3】反応性スパッタリングで形成されたIrO膜の反射率とガス流量との関係を示す図である。
【図4】反応性スパッタリングで形成されたIrO膜の反射率とスパッタパワーとの関係を示す図である。
【図5】図2の強誘電体キャパシタにおける反転電荷量とスパッタパワーとの関係を示す図である。
【図6】従来の方法で形成したIrO膜中に形成される欠陥の例を示す図である。
【図7】(A),(B)は、従来の方法で形成したIrO膜中に形成される欠陥の例を示す別の図である。
【図8】本発明による方法で形成したIrO膜の表面状態を示す図である。
【図9】本発明による方法で形成したIrO膜の堆積速度とスパッタパワーとの関係を示す図である。
【図10】本発明による方法で形成したIrO膜上に、より酸化性の弱い条件でIrO膜を形成した場合の強誘電体膜の電気特性を示す図である。
【図11】1kWのスパッタパワーで形成したIrO膜のX線回折パターンを示す図である。
【図12】2kWのスパッタパワーで形成したIrO膜のX線回折パターンを示す図である。
【図13】1kWのスパッタパワーでIrO膜を形成した後、さらに2kWのスパッタパワーでIrO膜を形成した、本発明による上側電極のX線回折パターンを示す図である。
【図14】(A)〜(B)は、様々な条件下で形成されたIrO膜中における元素分布プロファイルを示す図(その1)である。
【図15】(C)〜(D)は、様々な条件下で形成されたIrO膜中における元素分布プロファイルを示す図(その2)である。
【図16】(E)は、様々な条件下で形成されたIrO膜中における元素分布プロファイルを示す図(その3)である。
【図17】(A)〜(C)は、本発明の第2実施例によるFeRAMの製造工程を示す図(その1)である。
【図18】(D)〜(F)は、本発明の第2実施例によるFeRAMの製造工程を示す図(その2)である。
【図19】(G)〜(I)は、本発明の第2実施例によるFeRAMの製造工程を示す図(その3)である。
【図20】(J)〜(L)は、本発明の第2実施例によるFeRAMの製造工程を示す図(その4)である。
【図21】(M)〜(O)は、本発明の第2実施例によるFeRAMの製造工程を示す図(その5)である。
【図22】(P)〜(R)は、本発明の第2実施例によるFeRAMの製造工程を示す図(その6)である。
【符号の説明】
11 基板
12 CVD酸化膜
13 Ti密着層
14 Pt下側電極
15 PLZT膜
16 IrO上側電極
21 基板
21A p型ウェル
21B n型ウェル
21a,21b n型拡散領域
21c,21d p型拡散領域
22 フィールド酸化膜
23 ゲート絶縁膜
24A,24B ポリシリコンゲート電極
24C,24D ポリシリコン配線パターン
25 SiON膜
26 SiO
26A〜26E 開口部
27 W層
27A〜27E Wプラグ
28 SiN酸化防止膜
29 SiO膜 30 Ti膜
31 Pt膜
32 PLZT膜
33 IrO
31A 下側電極パターン
32A 強誘電体キャパシタ絶縁膜パターン
32B 強誘電体エンキャップ層
33A 上側電極パターン
34 SiO
35 SOG膜
36 層間絶縁膜
36A,36B,36C,36D コンタクトホール
37A〜37C TiNローカル配線パターン
38 SiO
38A〜38C コンタクトホール
39A〜39C 電極

Claims (3)

  1. 下側電極を形成する工程と、前記下側電極上に強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜上にIrO 2 からなる上側電極を形成する工程とを有する強誘電体キャパシタの製造方法であって、
    前記上側電極を形成する工程は、Irのターゲットを使い、Irの酸化が生じかつ前記強誘電体膜の還元が回避される条件でスパッタリングして、第のIrO 2 を形成する第1工程と、
    前記Irのターゲットを使い、かつ前記第1工程よりも酸化性の弱い条件でスパッタリングして、前記第1のIrO 2 膜上に表面が粒径10〜30nmの微細なIrO 2 結晶からなる第2のIrO 2 膜を形成する第2工程とを有することを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法。
  2. 請求項1記載の強誘電体キャパシタの製造方法により製造される強誘電体キャパシタにおいて、
    前記強誘電体膜がPbを含有することを特徴とする強誘電体キャパシタ。
  3. 請求項2記載の強誘電体キャパシタを有することを特徴とする半導体装置。
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