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JP3545950B2 - 研磨用組成物 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体表面の研磨に使用される研磨用組成物に関し、特には多層配線シリコンウェーハの表面平坦化に最適な研磨スラリーを提供するものである。
【0002】
さらに群しく述べると、本発明は、沈降しやすい砥粒を長時間分散させるための沈降防止剤を発見するとともに、メタル層のみを選択的に研磨する促進剤と、層間絶縁膜が金属層研磨と同じスピードで研磨されるのを防ぐ研磨抑制剤を発見し、なお且つ、促進剤と抑制剤が相互に反応し期待するところの効果を半減してしまう事がない、好適な組み合わせを実証し、それを組み合わせた研磨用組成物に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
最近の半導体集積回路はその配線が年々微細になり高密度化している。それに加えて多層化の方向をたどっている。たとえば64メガバイトの配線線径は、0.25μmで密度(Bits/cm)は96Mであるが、256メガバイトになるとその配線線径は一段と細くなり0.18μmと予測され、しかも密度(Bits/cm)は70Mと高密度化が予想されている。多層の回数も3段から5段に増えると予測される。
【0004】
このように半導体集積回路に設けられる配線の微細化と高密度化がなされ、しかも多段に積層された基板の製品収率は研磨面を平坦に仕上げられるか否かに左右される。さらに詳しく述べると、図1及び図2に示す配線拡大図の例で示されるように、基板1上に金属層2、層間絶縁膜3を積層しては研磨し、さらに次の層を積層研磨する繰り返しパターンにおいて、研磨が進み、ある多間絶縁膜に到達した場合それ以上は研磨しない選択的な研磨メカニズムが必要である。選択性が無く、いずれの物質も同じ速度で研磨してしまう場合、研磨の進行が止まらず残すべき層も削り取ってしまう。このように金属層2は研磨するが層間絶縁膜3は研磨しない選沢的な研磨スラリーを開発した時、始めて平坦化の目的を達成する事が出来る。
【0005】
具体的に、金属類としてタングステンメタルの例で選択比の値を示すと、タングステンと層間絶線膜との間の研磨速度の比は少なくとも5:1以上、望ましくは10:1以上の値が求められている。
【0006】
本発明者らは金属層および層間絶線膜の研磨において、金属層を研磨する速度が大きく、かつ選択比が高いスラリーとして、α−アルミナ、フタル酸水素アンモニウム、酸化剤としてのKlO、水性溶媒およびサブミクロンの研磨材を含む研磨用組成物を提案した(特願平9−515279号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この組成物は、金属層を研磨する速度が極めて大きく選択比も高いが、実際の行程に組み込んだ場合、スラリーの長時間分散性、エロージョン、スクラッチ等の課題が完全に解決しておらず改良の余地があった。つまり、沈降しやすいα−アルミナが容器の底に沈澱し、凝集を起こし、その凝集物の再分散が十分に出来ないこともあって、被研磨面を傷(スクラッチ)つけたり、エロージョンを起こす事があった。
【0008】
本発明はこれらの課題を解決するためになされたもので、化学的、機械的研磨に用いられるスラリーに、従来より求められていた、大きな選択比と傷のない完全な表面を得ることができる研磨用組成物を提供する事を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の研磨用組成物は、α−アルミナ、水性溶媒、砥粒沈降防止剤、酸化剤、絶縁膜研磨抑制剤、金属層研磨促進剤およびpH緩衝剤を含んでなる研磨用組成物であって、該組成物がA液とB液に分離保存され、使用する直前に混合されるものであり、該A液は、α−アルミナ、砥粒沈降防止剤、水性溶媒を含有し、pH3.0〜4.8に調整されており、該B液は、酸化剤、絶縁膜研磨抑制剤、金属層研磨促進剤、水性溶媒およびpH緩衝剤を含有し、pH3.0〜4.8に調整され、該pH緩衝剤が、クエン酸およびリン酸塩類からなる群より選ばれ、研磨用組成物に対して0.1〜5重量%含まれ、該α−アルミナと砥粒沈降防止剤の合計重量が研磨用組成物に対して2〜15重量%含まれ、該α−アルミナと砥粒沈降防止剤の合計重量中にしめる該α−アルミナが20〜40重量%であり、そのことにより上記目的が達成される。
【0011】
一つの実施態様では、前記α−アルミナの一次粒子径が、T.E.M法により測定した平均粒子径で10〜150nmである。
【0013】
一つの実施態様では、前記砥粒沈降防止剤が、ギプサイト、バイヤライト、ハイジライト、ベーマイト、ガンマアルミナ、デルタアルミナ、フュームドシリカおよびコロイダルシリカからなる群から選ばれる。
【0014】
一つの実施態様では、前記酸化剤が硝酸アルミ、硝酸鉄、硝酸アンモニウム、硝酸ジルコニウム、Kl0、アンモニア水およびHからなる群から選ばれ、その添加量が0.5〜5重量%含まれる。
【0015】
一つの実施態様では、前記絶縁膜研磨抑制剤が、フタル酸水素カリウム、フタル酸水素アンモニウム、ポリビニルピロリドン、琥珀酸水素アンモニウム、プロピレングリコール、エチレングリコールおよびポリビニルアルコールからなる群から選ばれ、0.1〜3重量%含まれる。
【0016】
一つの実施態様では、前記金属層研磨促進剤が、アスコルビン酸、蓚酸、サリチル酸およびその塩類であり、0.1〜5重量%含まれる。
【0018】
一つの実施態様では、前記研磨用組成物(全体スラリー)のpHコントロールが、アンモニア水、ピペラジン、NaOHおよびKOHからなる群から選ばれる薬品でなされ、調整後のpHが3.0〜4.8であることを特徴とする。
【0020】
(発明の具体的説明)
本発明の研磨用組成物(研磨スラリー)の中で主研磨材として使用するα−アルミナは、結晶成長抑制した高温焼結体を湿式粉砕したものでも、フュームドアルミナをさらに高温処理し、アルファ化したのち解砕した物でも、プラズマ、レーザー等の超高温熱源を使い、アルミナ焼結体を瞬時に蒸発し、そののち気相析出させアルファ化した物のいずれであっても良く、特に限定されるものではない。
【0021】
砥粒沈降防止剤には、繊維質のセルロースあるいは有機高分子分散剤等があるが、α−アルミナに対しては、同じ化学組成を持ち非晶質かもしくはそれに近いアルミナがより効果的である。その理由は同じ化学組成を持つ事でα−アルミナとの分散性がセルロース等よりも一段と優れている事による。
【0022】
α−アルミナに適する沈降防止剤は、非晶質のベーマイトとハイジライ卜、および緩やかな結晶であるガンマ晶アルミナが混在する高純度アルミナが望ましい。また、コロイダルシリカ、フュームドシリカも良好な沈降防止剤として使用できるが、これらを使うときは等電位点が異なるため沈降防止剤に活性化処理を施し、(特願平7−508250号の方法による。)等電位点コントロールを施した上で使うと良い。
【0023】
α−アルミナと沈降防止剤を合計した重量は、研磨スラリーの2〜15重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜8重量%である。15重量%を超える高濃度スラリーを使用したポリッシングは、時として研磨パッドの目詰まりを引き起こし、研磨不良の原因となるばかりでなく、不経済でもある。逆に2重量%よりも濃度が低すぎた場合は、研磨時間がかかりすぎ作業性が低下し実用的でない。
【0024】
さらにα−アルミナと沈降防止剤の比率は、これらの合計に対して、α−アルミナ10〜70重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%である。70重量%を超えると、沈降防止剤が少なくなりすぎ、均一分散状態を保てなくなると共に、値段の高価なα−アルミナを多く使うことになり不経済である。他方、10重量%を下回る場合は容易に均一分散し安定化するが研磨スピードが低下し作業性が悪くなる。
【0025】
ここに使われるα−アルミナの粒子径は、T.E.Mで測定した一次粒子平均径で10〜150nm、好ましくは30〜80nmの粒子が良い。一次粒子平均径が150nmより大きい場合、スクラッチの原因になり易く、30nmより小さいものは容易に製造できない。
【0026】
酸化剤は、硝酸アルミ、硝酸鉄、硝酸アンモニウム、硝酸ジルコニウム、K10、アンモニア水およびHの中から選択されるのが好ましい。さらに好ましくはKl0である。硝酸鉄はウェーハ洗浄設備の性能による。設備の洗浄力が劣る場合はFeがウェーハに付着したまま残るので酸化剤として使用することは好ましくない。
【0027】
酸化剤の添加量は0.5〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは2〜4重量%である。5重量%より多すぎる場合、リセスの原因となり、0.5重量より少なすぎると金属層を酸化するスピードが低下し、研磨速度が上がらなくなる。
【0028】
絶縁膜研磨抑制剤は、フタル酸水素アンモニウム、フタル酸水素カリウム、ポリビニルピロリドン、琥珀酸水素アンモニウム、プロピレングリコール、エチレグリコールおよびポリビニルアルコールからなる群から選択されるのが好ましく、さらに好ましくはフタル酸水素アンモニウムかポリビニルピロリドンである。
【0029】
フタル酸水素カリウムは、抑制効果は十二分にあるが水性溶媒に溶解し難い。他方、琥珀酸水素アンモニウムは抑制効果が、研磨条件によっては十分でない事がある。
【0030】
絶縁膜研磨抑制剤の添加量は0.1〜3童量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.0重量%である、3重量%を越えて添加すると水性溶媒に溶解しにくくなると共にスラリー泡立ちの原因となり好ましくない。0.1重量%未満の添加量では十分に抑制効果を発揮するまでには至らない、
金属層研摩促進剤は、アスコルビン酸、蓚酸、サリチル酸およびその塩類からなる群から選択されるのが好ましい。好ましくは、金属層研摩促進剤は、スラリー中に0.1〜5重量%含まれ、サリチル酸および塩類である。その濃度は1〜3%がさらに好ましい。また、サリチル酸は金属層研磨促進効果があるのみではなく絶縁膜研磨抑制にも効果がある。
【0031】
pH緩衝剤は、クエン酸、リン酸塩類からなる群から選択されるのが好まく、また0.1〜5重量%が好ましく添加される。リン酸塩類としては例えば、リン酸二水素カリウムがある。さらに好ましくはクエン酸で、その濃度は1〜3%である。特にクエン酸はスラリーに添加される他の薬品と複雑な相互作用を起こさず好都合である。
【0032】
スラリーのpHコントロールは、アンモニア水、ピペラジン、NaOH、KOHのいずれかで行われるのが好ましく、さらに好ましくはアンモニア水、KOHである。KOHはカリウムイオンがシリコンウェーハ上に残存していても容易にシリコンウェーハの内部へ拡散漫透せず、容易に洗浄できる。他方NaOHは、ナトリウムイオンの原子半径が小さいためシリコンウェーハ内部へ拡散浸透し、洗浄し切れず、ウェーハ表面に残存し、シリコンウェーハの電気特性を変化させ、半導体製品不良を起こす事がある。
【0033】
スラリーのpHは3.0〜4.8の範囲が好ましく、さらに好ましくは3.0〜4.0である。pHが4.8以上に上昇するにつれ、組成物に含まれる研磨材としてのα−アルミナは凝集しやすくなる。凝集の一つの指標にゼータ電位があるが、アルミナはpH5.5〜7.5に等電位点(ゼータ電位が±0mvになる所)を持ち、この近傍においては粒子帯電による反発力が期待できず、凝集しやすくなる。他方、pHが3.0より低くなる場合、ゼータ電位は大きく、粒子分散は安定するが精密研磨機械の酸腐食を招く恐れがある事と絶縁層研磨抑制効果を低下させる。
【0034】
本発明で使用される水性溶媒は、水、エタノール、メタノール等、およびこれらの混合溶媒が使用できるが、好ましくは脱イオンされた純水である。
【0035】
このようにして、α−アルミナ、水性溶媒、砥粒沈降防止剤、酸化剤、絶縁膜研磨抑制剤、金属層研磨促進剤、緩衝剤を混合して所定範囲(好ましくは3.0〜4.8)のpHを有するスラリー(研磨用組成物)が得られる。本発明の研磨用組成物は、特にアルミニウム、タングステンおよびバリヤー金属層の研磨に特に優れている。
【0036】
本発明では、特に、研磨用組成物を複数の液体(例えば、A液とB液)に分け分別貯蔵し、使用時にこれらを均一に混合することにより、長期保存(約1年)状態での分散安定性を改良することができる。
【0037】
例えば、A液には研磨材と粒沈降防止剤をいれ、公知の酸とアルカリ(例えば、KOH)でpH調製しスラリー化する。ここで、公知の酸としては、シュウ酸、硫酸、硝酸、燐酸等を使用することができる。アルカリとしては、上記したアンモニア水、ピペラジン、NaOH、KOHを使用することができる。上記B液は、酸化剤、絶緑膜研磨抑制剤、金属層研磨促進剤、緩衝剤を水性溶媒に溶解した薬液とする。
【0038】
本発明の研磨用組成物では、pH緩衝剤を含有することにより、実際の研磨作業中に削られた金属層の一部が溶解することによるスラリーの大きいpH変動を防止することができる。
【0039】
すなわち、組成物に含まれる絶縁膜研磨仰制剤の働きが十二分に発揮される適正なpHが存在し、pHが適正領域をはずれると抑制効果が失われる事が特願平7−501033号に記載されている。従ってpHを一定に保つことは非常に重要である。ところが、実際に研磨作業を行ってみると研磨中に削られた金属層の一部が溶解するためスラリーのpH変動を起こす事がわかった。この対策が特願平7−501033号、特願平9−515279号においては、緩衝剤が入っておらず不十分であった。
【0040】
さらに、本発明では、金属層研磨促進剤を使用することにより、金属層の研磨速度を向上することができる。
【0041】
すなわち、金属層研磨に注目すると酸化剤が金属層に作用し、酸化物MOxを金属層表面に形成する。これを素早く取り去り、金属層の活性面を常にむき出しにして次の瞬間に酸化剤のアタックを受ける。この現象が繰り返し行なわれる事で研磨速度が向上するメカニズムが明らかになってきた。酸化物MOxを素早く取り去る役割をするのが促進剤であるが、上記特願平7−501033号、特願平9−515279号では促進剤の選択が十分なされていなかった。
【0042】
また、それぞれの機能を満足する薬品を合わせたスラリーにおいて未知の最大の心配事は沈降防止剤、酸化剤、絶縁膜研磨抑制剤、金属層研磨促進剤、およびpH緩衝剤が思わぬ複雑な複合反応を起こし、期待した効果を半減する事であったが、本発明の実施態様では、α−アルミナ、水性溶媒、砥粒沈降防止剤、酸化剤、絶縁膜研磨抑制剤、金属層研磨促進剤およびpH変動を防止する緩衝剤を含んでなる研磨用組成物を、A液、B液の二つに分けて保存することにより、
1年間に渡るスラリーの長期安定性を保つことができる。
【0043】
この場合、組成物のA液、B液を使用時に均一混合し、金属配線基板、特には金属層をポリッシュする時に使用し、平坦でスクラッチ、エロージョン、ディッシング等の加工傷の無い研磨を行う研磨用組成物を得る。
【0044】
ここでエロージョン発生機構をタングステンメタル研磨の例で詳述する。
【0045】
所定の膜厚でタングステン研磨が終了し、層間絶縁膜が露出した時点で研磨を完了すれば、該絶縁膜部位はそれ以上に浸食されない。(エロージョンを受けない。)しかし、多くの場合、終点がはっきりせず過剰研磨の力が引き続き加わる。この状態になると残った層間絶縁膜材質の部位は、他の部位より大きな研磨圧力を受けるためにエロージョンを受ける。スラリーに有効な層間絶縁膜研磨抑制剤が使用され、該絶縁膜が充分に保護されている場合は過剰研磨状態に陥った場合でもエロージョンを受けにくい。
【0046】
【実施例】
(研磨用組成物の調製)
(A液の調製)
以下に示す重量%のα−アルミナと砥粒沈降防止剤を媒体撹絆ミル(ビーズミル)で強く解砕し、スラリー化しA原液とした。
【0047】
α−アルミナ砥粒は平均粒子径200nm,150nm,100nmの三種類を用意し、砥粒濃度は200nmサイズのものに関し7.5重量%と21重量%と30重量%の3種類を用意した。その他は30重量%スラリーとした。
【0048】
Figure 0003545950
【0049】
(B液の調製)
薬品B原液として下記配合の溶液を用意した。
【0050】
Figure 0003545950
B−3原液は、研磨促進剤、緩衝剤を加えていないものである。
【0051】
α−アルミナあるいはα−アルミナと砥粒沈降防止剤あわせたスラリー中の固形分濃度はA液とB液混合した時、おおむね5重量%になるように合わせた。詳しくはA−▲1▼〜A−▲5▼原液1部と、B−1原液〜B−3原液5部とを均一混合し、配線が描かれた6インチ、シリコンウェーハの研磨に供した。
【0052】
(研磨機)
精密研磨機はWestech社372M型機(定盤径24インチ)を使用した。研磨機の定盤にはポリウレタン製の積層研磨パツド(Rodel社製lC−1000/subaIV)を貼り付け使用した。
【0053】
(研磨条件)
研磨条件は加工圧力7psi、定盤回転50rpm、研磨スラリー供給量125cc/分、ウェーハ回転数90rpm、バック圧力0psiとした。
【0054】
(測定)
除去遠度(Å/min):テンコール社金属マッピング方式による測定をおこなった。
【0055】
エロージョンデータ:Digital Instruments社製AFM方式による測行った。
【0056】
パーティクル残存状態:ノルマルスキー方式の微分干渉顕微鏡にて写真判定した。
【0057】
(測定結果)
タングステンに対する研磨速度、チタンに対する研磨速度、および絶縁膜に対する研磨速度の結果を表1にまとめた。
【0058】
【表1】
Figure 0003545950
【0059】
(考察)
α−アルミナの平均粒子径を順次小さくした場合、傷(スクラッチ)が小さくなる代わりに研磨速度が低下する可能性があったが、200nm、150nm、100nmの間では大きな差はなかった。
【0060】
絶緑膜研磨抑制剤をフタル酸水素アンモニウムからポリビニルピロリドン(以後PVPという。)に変えて試したところ絶縁膜がより強く保護され、PVPはフタル酸水素アンモニウムよりも選択性に優れていることが解った。このときのエロージョンは目標とする500Å以下であることが証明された。ディッシングも目標とする110Å以下を満足するものであった。
【0061】
さらに驚くべき事に研磨、洗浄後の絶縁膜表面に残るパーティクルの数が激減していることであった。ノルマルスキー法による写真撮影結果を図3、および図4に示す。白い斑点の数が残存パーティクルを表しており、A−▲4▼/B−1の組み合わせは非常にその教が少ないことを表している。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、約1年の長きにわたる長期保存においても分散状態が良好であり、シリコンウェーハ表面に描かれた高集積回路のアルミニウムメタル層、タングステンメタル層、バリヤーメタル層、および層間絶縁膜の研磨において、スクラッチ、エロージョン、ディッシング等の加工傷を残さず、しかも金属層を優先的に研磨し絶縁膜はほとんど研磨しない選択研磨が出来る研磨用組成物を提供することができる。
【0063】
特に、研磨用組成物を二液以上に分離することにより、使用直前に混合使用するため長期間貯蔵後も沈殿物が少なく分散性に優れている。
【0064】
このため、擬集粗大粒が原因で起こすスクラッチの発生がなく、また仰制剤の働きによりエロージョン、ディッシングの発生が見られない従来にはなかった画期的な研磨スラリーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコンウエハ基板上に金属層と層間絶縁層が積層された半導体集積回路の断面構造を示す模式図であり、表面が研磨されていない状態を示す。
【図2】シリコンウエハ基板上に金属層と層間絶縁層が積層された半導体集積回路の断面構造を示す模式図であり、表面が平坦に研磨されている状態を示す。
【図3】研磨、洗浄後の絶縁膜表面の、ノルマルスキー法による電子顕微鏡写真であり、実施例で使用した研磨用組成物(A−▲4▼/B−1の組み合わせ)を用いた場合である。
【図4】研磨、洗浄後の絶縁膜表面の、ノルマルスキー法による電子顕微鏡写真であり、比較例で使用した研磨用組成物(A−▲5▼/B−3の組み合わせ)を用いた場合である。
【符号の説明】
1 シリコンウエハ基板
2 金属層
3 層間絶縁膜

Claims (7)

  1. α−アルミナ、水性溶媒、砥粒沈降防止剤、酸化剤、絶縁膜研磨抑制剤、金属層研磨促進剤およびpH緩衝剤を含んでなる研磨用組成物であって、
    該組成物がA液とB液に分離保存され、使用する直前に混合されるものであり、
    該A液は、α−アルミナ、砥粒沈降防止剤、水性溶媒を含有し、pH3.0〜4.8に調整されており、
    該B液は、酸化剤、絶縁膜研磨抑制剤、金属層研磨促進剤、水性溶媒およびpH緩衝剤を含有し、pH3.0〜4.8に調整され、
    該pH緩衝剤が、クエン酸およびリン酸塩類からなる群より選ばれ、研磨用組成物に対して0.1〜5重量%含まれ、
    該α−アルミナと砥粒沈降防止剤の合計重量が研磨用組成物に対して2〜15重量%含まれ、
    該α−アルミナと砥粒沈降防止剤の合計重量中にしめる該α−アルミナが20〜40重量%である、研磨用組成物。
  2. 前記α−アルミナの一次粒子径が、T.E.M法により測定した平均粒子径で10〜150nmである、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記砥粒沈降防止剤が、ギプサイト、バイヤライト、ハイジライト、ベーマイト、ガンマアルミナ、デルタアルミナ、フュームドシリカおよびコロイダルシリカからなる群から選ばれる、請求項1に記載の研磨用組成物。
  4. 前記酸化剤が、硝酸アルミ、硝酸鉄、硝酸アンモニウム、硝酸ジルコニウム、Kl0、アンモニア水およびHからなる群から選ばれ、0.5〜5重量%含まれる、請求項1に記載の研磨用組成物。
  5. 前記絶縁膜研磨抑制剤が、フタル酸水素カリウム、フタル酸水素アンモニウム、ポリビニルピロリドン、琥珀酸水素アンモニウム、プロピレングリコール、エチレングリコールおよびポリビニルアルコールからなる群から選ばれ、0.1〜3重量%含まれる、請求項1に記載の研磨用組成物。
  6. 前記金属層研磨促進剤が、アスコルビン酸、蓚酸、サリチル酸およびその塩類であり、0.1〜5重量%含まれる、請求項1に記載の研磨用組成物。
  7. 研磨用組成物のpHコントロールが、アンモニア水、ピペラジン、NaOHおよびKOHからなる群から選ばれる薬品でなされ、調整後のpHが3.0〜4.8であることを特徴とする、請求項1に記載の研磨用組成物。
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