JP3548534B2 - ビードコア配置装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアルタイヤのツーステージ成形工程で用いられ、ドラム上で成形された直円筒状のカーカス筒体をシェーピングフォーマに移載する際、このカーカス筒体にビードコアを供給して正確かつ確実に貼着しうるビードコア配置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジアルタイヤのツーステージ成形工程では、1stステージで成形されたドラム上のカーカス筒体を、2ndステージのシェーピングフォーマに移載し、このカーカス筒体をトロイド状にシェーピングした状態でトレッドの貼付が行われている。
【0003】
そして、前記1stステージでは、従来、図8(A)、(B)に略示する如く、ドラム主部a1の軸心方向両外側に小径なドラム副部a2を配した段付き状のドラムaを用い、前記ドラム主部a1上でカーカスプライからなる直円筒状のカーカス筒体b(インナーライナを含む場合がある)を形成する。その後、このカーカス筒体bの両端部分beをドラム副部a2の外周面に沿って小径に絞り込むとともに、ドラム外側から挿入したビードコアcをビード保持具dを介して内向きに移動せしめ、ドラム主部a1の端面に押付けることによりビードコアcをカーカス筒体bに貼着している。
【0004】
又ビード保持具dが帰還した後、前記ドラム副部a2に設けたブラダなどのターンアップ手段fを作動させて、前記両端部分beをビードコアcの回りで折返すとともに、この両端折返しのカーカス筒体を、移送装置を用いて2ndステージのシェーピングフォーマに移載している。
【0005】
しかし、このような従来の1stステージでは、カーカス両端部beの絞り込みがビードコアcの貼着前に行われるため、絞り込みの影響を受けてビードコアc、c間のカーカスコードパスにバラツキが生じ、これによってタイヤのユニフォミティーを悪化させるという問題がある。
【0006】
そこで本発明者は、図9に略示する如く、直円筒状のカーカスドラムaを用いてカーカス筒体bを形成するとともに、その外周面の外側でビードコアcを所定のセット巾で配置し、しかる後、カーカス筒体bを、その拡径によってビードコアcに貼着することを提案した。
【0007】
このものは、直円筒状態のままカーカス筒体bとビードコアcとを一体固着できるため、カーカスコードパスのバラツキを抑制でき、タイヤのユニフォミティーを向上しうるという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記提案では、ビード保持具dにおいて、従来の如く、ビードコアcの内周面を係止して保持させることができず、又ビードコアc付きのカーカス筒体bをシェーピングフォーマへ移載する間、ビードコアcがビード保持具dによって確実に保持されていること、及びビードコアcとカーカス筒体bとが確実に貼着されていることが必要となる。
【0009】
そこで本発明は、これら必要事項を満たすことにより前記提案の成形方法を実施でき、優れたユニフォミティーのタイヤを形成しうるビードコア配置装置の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、円筒状に巻回されたカーカス筒体の外周面に、ビードコアを配置しうるビードコア配置装置であって、
前記カーカス筒体の外周面外側で半径方向に進退しかつ協働して前記ビードコアを磁石を用いてその側面で保持しうる複数個のビード保持具を具えるとともに、
このビード保持具は、前記ビードコアの側面に当接するビード受面とビードコアの側面との間に生じる隙間を検知しうるビードコア検知手段、及び前記カーカス筒体の外周面と向き合いかつ該外周面との間の隙間を検知しうるカーカス検知手段を有することを特徴としている。
【0011】
又請求項2の発明では、前記ビード保持具は、半径方向に進退する移動片に取付けられる基部の半径方向内端部にビードコアの周方向両側にのびる腕体を有し、かつ腕体の一方の端部に前記ビードコア検知手段を、他方の端部に前記カーカス検知手段を設けてなることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明のビードコア配置装置を有するカーカス筒体移送装置の側面図である。
【0013】
図1において、カーカス筒体移送装置1は、カーカス筒体Bを成形するカーカスドラム2と、該カーカス筒体Bをトロイド状にシェーピングするシェーピングフォーマ3との間を移動しうる移動手段4を具える。
【0014】
そして、この移動手段4には、前記カーカスドラム2で成形されたカーカス筒体Bの外周面Bsに、ビードコアCを配置するビードコア配置装置5と、前記カーカスドラム2上のカーカス筒体Bを同芯で受け取りかつ前記シェーピングフォーマ3に渡す移載装置6とを設けている。
【0015】
ここで、前記カーカスドラム2は、その外周面が直円筒状をなす円筒ドラムであり、モータ等によって軸心廻りで回転駆動される。そして、カーカスドラム2上で、シート状のカーカスプライを巻回することにより、直円筒状の前記カーカス筒体Bが形成されるが、該カーカス筒体Bとして、カーカスプライ以外にインナーライナ等を含むことができる。このカーカスドラム2としては、例えば周方向に分割した円弧状の複数のセグメントを用いて拡縮径自在に構成したものを使用する。従って、後述するビードコア配置装置5によって、ビードコアCがカーカス筒体Bの半径方向外側のセット位置に配された後、このカーカスドラム2がカーカス筒体Bとともに拡径することにより、前記ビードコアCの内周面に該カーカス筒体Bを押付けて貼着する。
【0016】
又前記シェーピングフォーマ3は、従来と同様、ビードコアC付きのカーカス筒体Bを受け取ってトロイド状にシェーピングする機能を有する。即ち、従来と同様、各ビードコアCの内周面側を受けて互いに内向きに移動しうる一対の移動体9、9と、前記カーカス筒体BをビードコアC、C間で膨張せしめトロイド状にシェーピングする膨張手段(図示しない)とを具えている。又本実施形態では、前記シェーピングの際に、カーカス筒体BのビードコアCより外側部分を折り返す折返し手段(従来のターンアップ手段fに相当する)を、前記移動体9に側設している。
【0017】
次に、カーカス筒体移送装置1の前記移動手段4は、前記カーカスドラム2とシェーピングフォーマ3との間をのびるレール10上を移動する走行台11からなり、この走行台11は、例えばモータ等(図示しない)によって、指定位置で停止可能に駆動される。又走行台11は、本例では、中央の走行台部11Aと、その両外側の走行台部11Bとから構成され、各走行台部11A、11Bは、互いの間隔がカーカス筒体Bの長さに応じて調整しうるように継ぎ金具12を介して一体に連結している。
【0018】
そして、この移動手段4に、前述の如く、ビードコア配置装置5と移載装置6とを設けている。
【0019】
前記移載装置6として、本例では、各走行台部11A、11Bに立設するリング状フレーム13に、例えばシリンダである進退具15を介して複数の吸着パッド16を取り付けたものを例示してる。
【0020】
なお前記リング状フレーム13は、図2に示すように、前記カーカス筒体Bが通り抜け可能な環状あるいはC字状の主部13Aを有し、その側面に、前記進退具15を固着している。
【0021】
又前記吸着パッド16は、その吸着面16Sが前記カーカス筒体Bの外周面Bsと向き合いかつこのカーカス筒体Bと同心な円周上に配列するように、前記進退具15の各ロッド端に例えば取付け板17を介して取り付けられる。この吸着パッド16は、図3に拡大する如く、減圧器(図示しない)に接続される真空吸引管Pの先端に取付く蛇腹状のパッド本体16Aと、このパッド本体16Aから吸着面16Sに向かって拡径するコーン状のパッド部16Bとを具える。
【0022】
従って、前記移載装置6は、カーカスドラム2側においては、前述の如く、カーカスドラム2が拡径しカーカス筒体BをビードコアCに貼着した後、図4に示す如く、前記進退具15の作動により、吸着パッド16が、待機位置から半径方向内方に下降し、その吸着面16Sが前記カーカス筒体Bの外周面Bsに接する位置でビードコアC付きのカーカス筒体Bを吸着する。その後、カーカスドラム2が縮径し、ビードコアC付きのカーカス筒体Bは、ビードコア配置装置5のビード保持具20と吸着パッド16とによって保持される。これにより、ビードコアC付きのカーカス筒体Bをカーカスドラム2から取り外して受け取ることができる。
【0023】
又移載装置6は、この受け取り状態のまま、前記走行台11(移動手段4)によってシェーピングフォーマ3側に移動し、前記吸着パッド16による吸着を解除することにより、カーカス筒体Bをシェーピングフォーマ3に受け渡すことができる。
【0024】
次に、前記ビードコア配置装置5は、前記移載装置6とともに移動し、カーカス筒体Bのカーカスドラム2からの受け取りに先駆け、その外周面Bsに、ビードコアCを配置するとともに、カーカス筒体Bがシェーピングフォーマ3に受け渡されるまでの間、ビードコアCを前記配置した状態で保持する。なおビードコアCには、従来と同様、その外周面に、断面略三角形状のビードエーペックスゴムGが予め一体に接合されている。
【0025】
前記ビードコア配置装置5は、磁石19を用いて前記ビードコアCをその側面CS1で保持しうる複数個のビード保持具20を具える。
【0026】
なお本例では、図4、5に示す如く、4つのビード保持具20が、カーカス筒体Bと同心な円周上に等間隔を隔てて配置される場合を例示しており、各ビード保持具20は、半径方向に進退自在な移動片21に取り付けられる。この移動片21は、本例では、前記進退具15のケース部にフランジ止めされる例えばシリンダなどの進退具22のロッド端に固着し、そのロッド22Aの伸縮によって半径方向に進退移動しうる。
【0027】
又前記ビード保持具20は、図6(A)、(B)に示すように、前記移動片21に取付けられる基部23Aの半径方向内端部に、ビードコアCの周方向両側にのびる腕体23Bを設けた取付け金具23を具える。
【0028】
この腕体23Bは、ビードコアCに沿ってのびる円弧状をなし、ビードコアCに向く側面20Sには、このビードコアCの前記側面CS1を吸着して保持する磁石19を埋設している。なお磁石19は、本例では、前記側面CS1に当接するビード受面26である前記側面20Sからやや控えて取付けられる。これによって、吸着時、磁石19がビードコアCと衝接して割れ等が発生するのを防止できる。しかし、磁石19を前記側面20Sと面一或いはやや突出させて取付け、磁石19をビード受面26として構成することもできる。
【0029】
このように、前記ビード保持具20は、ビードコアCをその側面CS1で吸着して保持するため、内径差があまりないカーカス筒体Bの外周面Bs外側にビードコアCを配置しうる。又前記カーカス筒体Bを拡径することにより、その外周面Bsを前記ビードコアCの内周面CS2の全面に押し付けて内貼りすることが可能となる。しかも、前記ビードコア配置装置5は、移載装置6とともに移動するため、この内貼り状態を安定に維持しながら、カーカス筒体Bをシェーピングフォーマ3に受け渡すことができる。
【0030】
なおシェーピングフォーマ3への受け渡しは、吸着パッド16による前記吸着の解除と、この吸着パッド16及びビード保持具20の前記進退具15、22による半径方向外側の待機位置への後退移動とによって行われる。また前記走行台11がカーカスドラム2側に帰還する途中において、ビード保持具20は、進退具22によって半径方向内方位置まで前進し、新たなビードコアCの供給が行われる。
【0031】
このように、本実施形態では、直円筒状態のままカーカス筒体BとビードコアCとを貼着しているため、ビードコアC、C間のカーカスコードパスが安定化し、タイヤのユニフォミティーが向上される。
【0032】
しかしながら、このような保持構造は、磁石19による吸着力によってのみ、ビードコアCの側面CS1を保持するものであり、又カーカス筒体Bは、ゴムの粘着力によってのみビードコアCの内周面CS2と接着している。
【0033】
従って、ビードコアCやカーカス筒体Bの自重、移送時の振動、外部からの衝撃などによって、ビードコアCがビード保持具20から脱落したり、ビードコアCがカーカス筒体Bと芯ずれ(位置ずれ)を起こしたり、或いはビードコアCとカーカス筒体Bとが剥がれたりするという、新たな不具合を招く恐れがある。なお、これら不具合を確実に阻止することは困難であり、例えばビードコアCとカーカス筒体Bとの芯ずれや剥がれ等は、カーカスコードパスの不均一をもたらすため、ユニフォミティーを逆に大きく低下させるという問題がある。
【0034】
そこで、前記保持構造では、前記不具合のあるカーカス筒体Bがそのままタイヤ形成に使用されるのを未然に防ぎ、優れたユニフォミティーを有する高品質のタイヤを安定して形成するために、前記不具合の有無を検知することが必要となる。
【0035】
そのために本実施形態では、前記6(A)、(B)に示す如く、ビード保持具20に、ビードコア検知手段29とカーカス検知手段30とを設けている。
【0036】
前記ビードコア検知手段29は、本例では、前記腕体23Bの一方の端部に設けられ、図7(A)に示すように、前記ビード受面26とビードコアCの側面CS1との間に生じる隙間DAを検知する。もし前記、隙間DAが検知されれば、例えばビードコアCが脱落したり、又ビード受面26に対して傾斜してる等、正しく保持されていないことが確認できる。
【0037】
なお本例では、前記腕体23Bの両端部に切り欠き部24を設け、一方の切り欠き部24に、前記ビード受面26から内方に例えば1.0〜1.5mmの範囲の基準距離LAを隔ててビードコア検知手段29を設けている。そして、ビードコア検知手段29は、ビードコアCの前記側面CS1との間の距離L1が、前記基準距離LAよりも大の時、即ち隙間DAが発生した時を検知してる。
【0038】
従って、前記ビードコア検知手段25として、本例では、例えばマイクロスイッチ、タッチスイッチ等の安価なスイッチが好適に使用できる。しかし、前記距離L1、或いは隙間DAの大きさを実際に測定する、例えばレーザ変位センサ等の距離センサを用いることができる。
【0039】
又前記カーカス検知手段30は、本例では、前記腕体23Bの他方の端部に設けられ、図7(B)に示すように、カーカス筒体Bの前記外周面Bsと向き合い、該外周面Bsとの間の隙間DBを検知する。もしビードコアCが保持中に芯ずれを起こした場合には、前記隙間DBが基準値LBより小な箇所と大な箇所とが検知され、又ビードコアCとカーカス筒体Bとの接着剥れが生じた場合には、前記隙間DBが基準値LBより大となって検知される。
【0040】
従って、本例では、前記腕体23Bの他方の切り欠き部24に、基準値LBを例えば1.0〜1.5mmの範囲に設定してカーカス検知手段30を設け、前記外周面Bsとの隙間DBが、前記基準値LBよりも大の時を検知してる。これによって、芯ずれ及び接着剥がれの双方の発生を確認できる。
【0041】
従って、本例では、前記カーカス検知手段30として、ビードコア検知手段25と同様、例えばマイクロスイッチ、タッチスイッチ等の安価なスイッチが好適に使用できる。しかし、前記隙間DBの大きさを実際に測定する、例えばレーザ変位センサ等の距離センサを用いるのも良い。
【0042】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0043】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、直円筒状態のままカーカス筒体とビードコアとを貼着するため、ビードコアの間のカーカスコードパスを安定化することができタイヤのユニフォミティーを向上できる。しかも、ビードコアとカーカス筒体とを貼着状態のまま安定して移動しシェーピングフォーマ3に受け渡すことができる。
【0044】
又この移動の際の、ビードコアの脱落、位置ずれ、或いはカーカス筒体の接着剥がれ等の新たな不具合を検知することができる。従って、前記不具合のあるカーカス筒体がそのままタイヤ形成に使用されるのを防ぐことができ、優れたユニフォミティーを有する高品質のタイヤを安定して形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビードコア配置装置を有するカーカス筒体移送装置の一実施例を示す側面図である。
【図2】移載装置を示す正面図である。
【図3】吸着パッドをその作用とともに示す断面図である。
【図4】移載装置によるカーカス筒体の保持を説明する断面図である。
【図5】ビードコア配置装置を示す正面図である。
【図6】(A)は、ビード保持具を示す正面図、(B)はそのA−A断面図である。ビードコア配置装置を示す正面図である。
【図7】(A)は、ビードコア検知手段を示す図6(A)の側面図、(B)は、カーカス検知手段を示す図6(A)の側面図である。ビードコア配置装置を示す正面図である。
【図8】(A)、(B)は、従来技術の問題点を説明する線図である。
【図9】本発明の効果に一つを説明する線図である。
【符号の説明】
1 カーカス筒体移送装置
2 カーカスドラム
3 シェーピングフォーマ
4 移動手段
5 ビードコア配置装置
6 移載装置
16 吸着パッド
19 磁石
20 ビード保持具
21 移動片
23A 基部
23B 腕体
26 ビード受面
29 ビードコア検知手段
30 カーカス検知手段
B カーカス筒体
Bs カーカス筒体の外周面
C ビードコア
DA、DB 隙間
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアルタイヤのツーステージ成形工程で用いられ、ドラム上で成形された直円筒状のカーカス筒体をシェーピングフォーマに移載する際、このカーカス筒体にビードコアを供給して正確かつ確実に貼着しうるビードコア配置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジアルタイヤのツーステージ成形工程では、1stステージで成形されたドラム上のカーカス筒体を、2ndステージのシェーピングフォーマに移載し、このカーカス筒体をトロイド状にシェーピングした状態でトレッドの貼付が行われている。
【0003】
そして、前記1stステージでは、従来、図8(A)、(B)に略示する如く、ドラム主部a1の軸心方向両外側に小径なドラム副部a2を配した段付き状のドラムaを用い、前記ドラム主部a1上でカーカスプライからなる直円筒状のカーカス筒体b(インナーライナを含む場合がある)を形成する。その後、このカーカス筒体bの両端部分beをドラム副部a2の外周面に沿って小径に絞り込むとともに、ドラム外側から挿入したビードコアcをビード保持具dを介して内向きに移動せしめ、ドラム主部a1の端面に押付けることによりビードコアcをカーカス筒体bに貼着している。
【0004】
又ビード保持具dが帰還した後、前記ドラム副部a2に設けたブラダなどのターンアップ手段fを作動させて、前記両端部分beをビードコアcの回りで折返すとともに、この両端折返しのカーカス筒体を、移送装置を用いて2ndステージのシェーピングフォーマに移載している。
【0005】
しかし、このような従来の1stステージでは、カーカス両端部beの絞り込みがビードコアcの貼着前に行われるため、絞り込みの影響を受けてビードコアc、c間のカーカスコードパスにバラツキが生じ、これによってタイヤのユニフォミティーを悪化させるという問題がある。
【0006】
そこで本発明者は、図9に略示する如く、直円筒状のカーカスドラムaを用いてカーカス筒体bを形成するとともに、その外周面の外側でビードコアcを所定のセット巾で配置し、しかる後、カーカス筒体bを、その拡径によってビードコアcに貼着することを提案した。
【0007】
このものは、直円筒状態のままカーカス筒体bとビードコアcとを一体固着できるため、カーカスコードパスのバラツキを抑制でき、タイヤのユニフォミティーを向上しうるという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記提案では、ビード保持具dにおいて、従来の如く、ビードコアcの内周面を係止して保持させることができず、又ビードコアc付きのカーカス筒体bをシェーピングフォーマへ移載する間、ビードコアcがビード保持具dによって確実に保持されていること、及びビードコアcとカーカス筒体bとが確実に貼着されていることが必要となる。
【0009】
そこで本発明は、これら必要事項を満たすことにより前記提案の成形方法を実施でき、優れたユニフォミティーのタイヤを形成しうるビードコア配置装置の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、円筒状に巻回されたカーカス筒体の外周面に、ビードコアを配置しうるビードコア配置装置であって、
前記カーカス筒体の外周面外側で半径方向に進退しかつ協働して前記ビードコアを磁石を用いてその側面で保持しうる複数個のビード保持具を具えるとともに、
このビード保持具は、前記ビードコアの側面に当接するビード受面とビードコアの側面との間に生じる隙間を検知しうるビードコア検知手段、及び前記カーカス筒体の外周面と向き合いかつ該外周面との間の隙間を検知しうるカーカス検知手段を有することを特徴としている。
【0011】
又請求項2の発明では、前記ビード保持具は、半径方向に進退する移動片に取付けられる基部の半径方向内端部にビードコアの周方向両側にのびる腕体を有し、かつ腕体の一方の端部に前記ビードコア検知手段を、他方の端部に前記カーカス検知手段を設けてなることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明のビードコア配置装置を有するカーカス筒体移送装置の側面図である。
【0013】
図1において、カーカス筒体移送装置1は、カーカス筒体Bを成形するカーカスドラム2と、該カーカス筒体Bをトロイド状にシェーピングするシェーピングフォーマ3との間を移動しうる移動手段4を具える。
【0014】
そして、この移動手段4には、前記カーカスドラム2で成形されたカーカス筒体Bの外周面Bsに、ビードコアCを配置するビードコア配置装置5と、前記カーカスドラム2上のカーカス筒体Bを同芯で受け取りかつ前記シェーピングフォーマ3に渡す移載装置6とを設けている。
【0015】
ここで、前記カーカスドラム2は、その外周面が直円筒状をなす円筒ドラムであり、モータ等によって軸心廻りで回転駆動される。そして、カーカスドラム2上で、シート状のカーカスプライを巻回することにより、直円筒状の前記カーカス筒体Bが形成されるが、該カーカス筒体Bとして、カーカスプライ以外にインナーライナ等を含むことができる。このカーカスドラム2としては、例えば周方向に分割した円弧状の複数のセグメントを用いて拡縮径自在に構成したものを使用する。従って、後述するビードコア配置装置5によって、ビードコアCがカーカス筒体Bの半径方向外側のセット位置に配された後、このカーカスドラム2がカーカス筒体Bとともに拡径することにより、前記ビードコアCの内周面に該カーカス筒体Bを押付けて貼着する。
【0016】
又前記シェーピングフォーマ3は、従来と同様、ビードコアC付きのカーカス筒体Bを受け取ってトロイド状にシェーピングする機能を有する。即ち、従来と同様、各ビードコアCの内周面側を受けて互いに内向きに移動しうる一対の移動体9、9と、前記カーカス筒体BをビードコアC、C間で膨張せしめトロイド状にシェーピングする膨張手段(図示しない)とを具えている。又本実施形態では、前記シェーピングの際に、カーカス筒体BのビードコアCより外側部分を折り返す折返し手段(従来のターンアップ手段fに相当する)を、前記移動体9に側設している。
【0017】
次に、カーカス筒体移送装置1の前記移動手段4は、前記カーカスドラム2とシェーピングフォーマ3との間をのびるレール10上を移動する走行台11からなり、この走行台11は、例えばモータ等(図示しない)によって、指定位置で停止可能に駆動される。又走行台11は、本例では、中央の走行台部11Aと、その両外側の走行台部11Bとから構成され、各走行台部11A、11Bは、互いの間隔がカーカス筒体Bの長さに応じて調整しうるように継ぎ金具12を介して一体に連結している。
【0018】
そして、この移動手段4に、前述の如く、ビードコア配置装置5と移載装置6とを設けている。
【0019】
前記移載装置6として、本例では、各走行台部11A、11Bに立設するリング状フレーム13に、例えばシリンダである進退具15を介して複数の吸着パッド16を取り付けたものを例示してる。
【0020】
なお前記リング状フレーム13は、図2に示すように、前記カーカス筒体Bが通り抜け可能な環状あるいはC字状の主部13Aを有し、その側面に、前記進退具15を固着している。
【0021】
又前記吸着パッド16は、その吸着面16Sが前記カーカス筒体Bの外周面Bsと向き合いかつこのカーカス筒体Bと同心な円周上に配列するように、前記進退具15の各ロッド端に例えば取付け板17を介して取り付けられる。この吸着パッド16は、図3に拡大する如く、減圧器(図示しない)に接続される真空吸引管Pの先端に取付く蛇腹状のパッド本体16Aと、このパッド本体16Aから吸着面16Sに向かって拡径するコーン状のパッド部16Bとを具える。
【0022】
従って、前記移載装置6は、カーカスドラム2側においては、前述の如く、カーカスドラム2が拡径しカーカス筒体BをビードコアCに貼着した後、図4に示す如く、前記進退具15の作動により、吸着パッド16が、待機位置から半径方向内方に下降し、その吸着面16Sが前記カーカス筒体Bの外周面Bsに接する位置でビードコアC付きのカーカス筒体Bを吸着する。その後、カーカスドラム2が縮径し、ビードコアC付きのカーカス筒体Bは、ビードコア配置装置5のビード保持具20と吸着パッド16とによって保持される。これにより、ビードコアC付きのカーカス筒体Bをカーカスドラム2から取り外して受け取ることができる。
【0023】
又移載装置6は、この受け取り状態のまま、前記走行台11(移動手段4)によってシェーピングフォーマ3側に移動し、前記吸着パッド16による吸着を解除することにより、カーカス筒体Bをシェーピングフォーマ3に受け渡すことができる。
【0024】
次に、前記ビードコア配置装置5は、前記移載装置6とともに移動し、カーカス筒体Bのカーカスドラム2からの受け取りに先駆け、その外周面Bsに、ビードコアCを配置するとともに、カーカス筒体Bがシェーピングフォーマ3に受け渡されるまでの間、ビードコアCを前記配置した状態で保持する。なおビードコアCには、従来と同様、その外周面に、断面略三角形状のビードエーペックスゴムGが予め一体に接合されている。
【0025】
前記ビードコア配置装置5は、磁石19を用いて前記ビードコアCをその側面CS1で保持しうる複数個のビード保持具20を具える。
【0026】
なお本例では、図4、5に示す如く、4つのビード保持具20が、カーカス筒体Bと同心な円周上に等間隔を隔てて配置される場合を例示しており、各ビード保持具20は、半径方向に進退自在な移動片21に取り付けられる。この移動片21は、本例では、前記進退具15のケース部にフランジ止めされる例えばシリンダなどの進退具22のロッド端に固着し、そのロッド22Aの伸縮によって半径方向に進退移動しうる。
【0027】
又前記ビード保持具20は、図6(A)、(B)に示すように、前記移動片21に取付けられる基部23Aの半径方向内端部に、ビードコアCの周方向両側にのびる腕体23Bを設けた取付け金具23を具える。
【0028】
この腕体23Bは、ビードコアCに沿ってのびる円弧状をなし、ビードコアCに向く側面20Sには、このビードコアCの前記側面CS1を吸着して保持する磁石19を埋設している。なお磁石19は、本例では、前記側面CS1に当接するビード受面26である前記側面20Sからやや控えて取付けられる。これによって、吸着時、磁石19がビードコアCと衝接して割れ等が発生するのを防止できる。しかし、磁石19を前記側面20Sと面一或いはやや突出させて取付け、磁石19をビード受面26として構成することもできる。
【0029】
このように、前記ビード保持具20は、ビードコアCをその側面CS1で吸着して保持するため、内径差があまりないカーカス筒体Bの外周面Bs外側にビードコアCを配置しうる。又前記カーカス筒体Bを拡径することにより、その外周面Bsを前記ビードコアCの内周面CS2の全面に押し付けて内貼りすることが可能となる。しかも、前記ビードコア配置装置5は、移載装置6とともに移動するため、この内貼り状態を安定に維持しながら、カーカス筒体Bをシェーピングフォーマ3に受け渡すことができる。
【0030】
なおシェーピングフォーマ3への受け渡しは、吸着パッド16による前記吸着の解除と、この吸着パッド16及びビード保持具20の前記進退具15、22による半径方向外側の待機位置への後退移動とによって行われる。また前記走行台11がカーカスドラム2側に帰還する途中において、ビード保持具20は、進退具22によって半径方向内方位置まで前進し、新たなビードコアCの供給が行われる。
【0031】
このように、本実施形態では、直円筒状態のままカーカス筒体BとビードコアCとを貼着しているため、ビードコアC、C間のカーカスコードパスが安定化し、タイヤのユニフォミティーが向上される。
【0032】
しかしながら、このような保持構造は、磁石19による吸着力によってのみ、ビードコアCの側面CS1を保持するものであり、又カーカス筒体Bは、ゴムの粘着力によってのみビードコアCの内周面CS2と接着している。
【0033】
従って、ビードコアCやカーカス筒体Bの自重、移送時の振動、外部からの衝撃などによって、ビードコアCがビード保持具20から脱落したり、ビードコアCがカーカス筒体Bと芯ずれ(位置ずれ)を起こしたり、或いはビードコアCとカーカス筒体Bとが剥がれたりするという、新たな不具合を招く恐れがある。なお、これら不具合を確実に阻止することは困難であり、例えばビードコアCとカーカス筒体Bとの芯ずれや剥がれ等は、カーカスコードパスの不均一をもたらすため、ユニフォミティーを逆に大きく低下させるという問題がある。
【0034】
そこで、前記保持構造では、前記不具合のあるカーカス筒体Bがそのままタイヤ形成に使用されるのを未然に防ぎ、優れたユニフォミティーを有する高品質のタイヤを安定して形成するために、前記不具合の有無を検知することが必要となる。
【0035】
そのために本実施形態では、前記6(A)、(B)に示す如く、ビード保持具20に、ビードコア検知手段29とカーカス検知手段30とを設けている。
【0036】
前記ビードコア検知手段29は、本例では、前記腕体23Bの一方の端部に設けられ、図7(A)に示すように、前記ビード受面26とビードコアCの側面CS1との間に生じる隙間DAを検知する。もし前記、隙間DAが検知されれば、例えばビードコアCが脱落したり、又ビード受面26に対して傾斜してる等、正しく保持されていないことが確認できる。
【0037】
なお本例では、前記腕体23Bの両端部に切り欠き部24を設け、一方の切り欠き部24に、前記ビード受面26から内方に例えば1.0〜1.5mmの範囲の基準距離LAを隔ててビードコア検知手段29を設けている。そして、ビードコア検知手段29は、ビードコアCの前記側面CS1との間の距離L1が、前記基準距離LAよりも大の時、即ち隙間DAが発生した時を検知してる。
【0038】
従って、前記ビードコア検知手段25として、本例では、例えばマイクロスイッチ、タッチスイッチ等の安価なスイッチが好適に使用できる。しかし、前記距離L1、或いは隙間DAの大きさを実際に測定する、例えばレーザ変位センサ等の距離センサを用いることができる。
【0039】
又前記カーカス検知手段30は、本例では、前記腕体23Bの他方の端部に設けられ、図7(B)に示すように、カーカス筒体Bの前記外周面Bsと向き合い、該外周面Bsとの間の隙間DBを検知する。もしビードコアCが保持中に芯ずれを起こした場合には、前記隙間DBが基準値LBより小な箇所と大な箇所とが検知され、又ビードコアCとカーカス筒体Bとの接着剥れが生じた場合には、前記隙間DBが基準値LBより大となって検知される。
【0040】
従って、本例では、前記腕体23Bの他方の切り欠き部24に、基準値LBを例えば1.0〜1.5mmの範囲に設定してカーカス検知手段30を設け、前記外周面Bsとの隙間DBが、前記基準値LBよりも大の時を検知してる。これによって、芯ずれ及び接着剥がれの双方の発生を確認できる。
【0041】
従って、本例では、前記カーカス検知手段30として、ビードコア検知手段25と同様、例えばマイクロスイッチ、タッチスイッチ等の安価なスイッチが好適に使用できる。しかし、前記隙間DBの大きさを実際に測定する、例えばレーザ変位センサ等の距離センサを用いるのも良い。
【0042】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0043】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、直円筒状態のままカーカス筒体とビードコアとを貼着するため、ビードコアの間のカーカスコードパスを安定化することができタイヤのユニフォミティーを向上できる。しかも、ビードコアとカーカス筒体とを貼着状態のまま安定して移動しシェーピングフォーマ3に受け渡すことができる。
【0044】
又この移動の際の、ビードコアの脱落、位置ずれ、或いはカーカス筒体の接着剥がれ等の新たな不具合を検知することができる。従って、前記不具合のあるカーカス筒体がそのままタイヤ形成に使用されるのを防ぐことができ、優れたユニフォミティーを有する高品質のタイヤを安定して形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビードコア配置装置を有するカーカス筒体移送装置の一実施例を示す側面図である。
【図2】移載装置を示す正面図である。
【図3】吸着パッドをその作用とともに示す断面図である。
【図4】移載装置によるカーカス筒体の保持を説明する断面図である。
【図5】ビードコア配置装置を示す正面図である。
【図6】(A)は、ビード保持具を示す正面図、(B)はそのA−A断面図である。ビードコア配置装置を示す正面図である。
【図7】(A)は、ビードコア検知手段を示す図6(A)の側面図、(B)は、カーカス検知手段を示す図6(A)の側面図である。ビードコア配置装置を示す正面図である。
【図8】(A)、(B)は、従来技術の問題点を説明する線図である。
【図9】本発明の効果に一つを説明する線図である。
【符号の説明】
1 カーカス筒体移送装置
2 カーカスドラム
3 シェーピングフォーマ
4 移動手段
5 ビードコア配置装置
6 移載装置
16 吸着パッド
19 磁石
20 ビード保持具
21 移動片
23A 基部
23B 腕体
26 ビード受面
29 ビードコア検知手段
30 カーカス検知手段
B カーカス筒体
Bs カーカス筒体の外周面
C ビードコア
DA、DB 隙間
Claims (2)
- 円筒状に巻回されたカーカス筒体の外周面に、ビードコアを配置しうるビードコア配置装置であって、
前記カーカス筒体の外周面外側で半径方向に進退しかつ協働して前記ビードコアを磁石を用いてその側面で保持しうる複数個のビード保持具を具えるとともに、
このビード保持具は、前記ビードコアの側面に当接するビード受面とビードコアの側面との間に生じる隙間を検知しうるビードコア検知手段、及び前記カーカス筒体の外周面と向き合いかつ該外周面との間の隙間を検知しうるカーカス検知手段を有することを特徴とするビードコア配置装置。 - 前記ビード保持具は、半径方向に進退する移動片に取付けられる基部の半径方向内端部にビードコアの周方向両側にのびる腕体を有し、かつ腕体の一方の端部に前記ビードコア検知手段を、他方の端部に前記カーカス検知手段を設けてなることを特徴とする請求項1記載のビードコア配置装置。
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