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JP3550993B2 - 採血管 - Google Patents
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JP3550993B2 - 採血管 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、抗凝固剤を収容した減圧採血管に関する。さらに詳しくは、採血管の内面状態により検査値に影響を及ぼす虞のない採血管に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、病気の予防、診断等の臨床検査においては、血液の凝固検査、末梢血液検査、および線溶検査等が行われており、従来、このような検査の際には、血液にクエン酸ナトリウム水溶液等の抗凝固剤を定まった比率で作用させて測定する方法が行われている。このような検査用容器としてガラス製、あるいはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等の合成樹脂製の採血管に抗凝固剤を予め収容し、その内部に必要な血液量が採取できるように減圧状態にして封止部材で密栓された減圧採血管が使用されている。
しかし、採血管内に採取された血液が採血管の内壁と接触して凝固因子が活性化されたり、採血管内に予め収容された抗凝固剤が採血管の内壁と接触することによりpHが上昇するなどして凝固因子が不安定となり凝固検査の値に影響を与える虞があった。中でも、プロトロンビン時間(PT)、部分活性化トロンボプラスチン時間(APTT)、フィブリノーゲン量、トロンボテスト、ヘパプラスチンテスト等については採血管の内壁面の状態により検査値が大きく変化することが分かっている。このため、従来から採血管の内壁にシリコンの皮膜を形成することが行われてきた。例えば、採血管の内壁面にポリジメチルシロキサンを約300 ℃で焼付けて被膜する方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このシリコン被膜は採血管の輸送時に高温下に晒されたり、長期保存をおこなった際に採血管の内壁面の被膜が劣化して検査値に影響を与える虞があった。
また、従来使用していたシリコンは焼付け処理温度が約200 ℃以上の高温で処理するため、製造機械が高価になり製造コストがかかり、さらに高温下での製造は危険でもあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる従来の欠点を解決するために鋭意研究をした結果、両末端にアミノ基とアルコキシシリル基を有するポリオルガノシロキサンを採血管の内壁に被膜することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、抗凝固剤を収容した採血管であって、該採血管の内壁が、両末端にアミノ基とアルコキシシリル基を有するポリオルガノシロキサンの被膜からなる採血管である。
ここで、ポリオルガノシロキサンの両末端に存在するアミノ基にエポキシ基含有アルコキシシランを反応させたポリオルガノシロキサンを使用することが好ましい。また、ポリオルガノシロキサンのシロキサン部分の平均重合度が10〜10000であることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において、両末端に存在するアミノ基にエポキシ基含有アルコキシシランを反応させたポリオルガノシロキサンを合成するには、両末端にシラノール基を有するポリオルガノシロキサンを用いておこなう。すなわち、下記のように溶媒中で2段階の反応を行う。第1段階として、両末端にシラノール基を有するポリオルガノシロキサンに、アミノ基含有アルコキシシランを反応させる。第2段階として、第1段階の反応生成物とエポキシ基含有アルコキシシランとを反応させる。第1段階の反応では、シラノール基とアミノ基含有アルコキシシランのアルコキシシリル基が反応する。第2段階の反応では、主としてアミノ基含有アルコキシシランのアミノ基とエポキシ基含有アルコキシシランのエポキシ基とが反応する。このようにして得られたポリオルガノシロキサンは、両末端にエポキシ基と反応したアミノ基、およびアルコキシシリル基を有する。ここで、アミノ基含有アルコキシシランとしては、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。また、エポキシ基含有アルコキシシランとしては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0006】
上記の反応において、第1段階としてアミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシランとを反応させ、第2段階としてこの反応生成物と両末端にシラノール基を有するポリオルガノシロキサンとを反応させてもよい。この場合、第1段階の反応では、主としてアミノ基含有アルコキシシランのアミノ基とエポキシ基含有アルコキシシランのエポキシ基が反応する。第2段階の反応では、この反応生成物のアルコキシシリル基と両末端にシラノール基を有するポリオルガノシロキサンのシラノール基とが反応する。いずれにしても、公知の反応手段により、目的とする生成物が得られる。
【0007】
本発明におけるポリオルガノシロキサンのシロキサン部分の平均重合度は10〜10000の範囲が好ましい。シロキサン部分の重合度が10未満であると、変色して外観が悪くなる傾向があり、10000を越えると末端に存在するアルコキシシリル基が互いに反応しにくく、良好な架橋体を形成しにくくなる傾向がある。好ましくは、50〜1000の範囲である。
【0008】
本発明の採血管は、アミノ基とアルコキシシリル基を有するポリオルガノシロキサンまたは両末端に存在するアミノ基にエポキシ基含有アルコキシシランを反応させたポリオルガノシロキサンを採血管の内壁に被覆し、約80〜120℃で乾燥させて製造される。
このように乾燥することで、アルコキシシリル基が相互に縮合して3次元架橋体を形成するので、採血管の内壁には強固な被膜が形成される。特に採血管がガラス製の場合には、ガラス表面の水酸基とアルコキシシリル基が縮合して、採血管の内壁にはより強固な被膜が形成される。そして両末端に存在するアミノ基にエポキシ基含有アルコキシシランを反応させたポリオルガノシロキサンは、多くのアルコキシシリル基を分子内に有するため、特に強固な3次元の架橋構造を形成することができる。
【0009】
本発明における採血管は、抗凝固剤と血液を一定の比率で作用させる必要から、その内部を所定圧に減圧、保持され、正確に所定の採血量を得ることができる減圧採血管が好ましく用いられる。
採血管はガラス製、またはポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート等の合成樹脂製のものが用いられるが、好ましくは、ガスバリヤー性の優れたガラス製の採血管が用いられる。
抗凝固剤はクエン酸塩、エチレン−ジアミン−テトラ酢酸塩( EDTA )、ヘパリン塩、フッ化塩等が挙げられる。
【0010】
【実施例】
以下実施例により本発明の一例を述べる。
〔実施例1〕
両末端にアミノ基とアルコキシシリル基を有するポリオルガノシロキサン( MDX4−4159、ダウコーニング社製、平均重合度約70)とγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン( KBM−402、信越化学社製)とをトルエン溶媒中において80℃で 3時間反応させた。反応終了後、ヘキサンで希釈させることにより、無色透明なコーティング液を得た。このコーティング液を、内径12.3mm、長さ75.0mmのガラス製清浄試験管に充填してから取り出し、ディッピング方式で採血管の内壁にコーティングし、100 ℃で 1時間熱処理を行った。
このようにして得られた採血管に、3.8 % に調整したクエン酸ナトリウム水溶液を0.2ml 充填し、1.8ml 採血できるように採血管内を減圧状態とし、ブチルゴム製のゴム栓で密栓してクエン酸ナトリウム水溶液入りガラス製減圧採血管を得た。
【0011】
〔比較例1〕
ポリジメチルシロキサンのエマルジョン( 365メディカルグレードエマルジョン、ダウコーニング社製、平均重合度約200 )を精製水で希釈させて乳白色のコーティング液をを得た。このコーティング液を、内径12.3mm、長さ75.0mmのガラス製清浄試験管に充填してから取り出し、ディッピング方式で採血管の内壁にコーティングし、260 ℃で 1時間熱処理を行った。
このようにして得られた採血管に、3.8 % に調整したクエン酸ナトリウム水溶液を0.2ml 充填し、1.8ml 採血できるように採血管内を減圧状態としてブチルゴム製のゴム栓で密栓して、クエン酸ナトリウム水溶液入りガラス製減圧採血管を得た。
【0012】
〔比較例2〕
ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体である水溶性シリコーン( YF3842 、東芝シリコーン社製)を精製水で希釈させて無色透明のコーティング液をを得た。このコーティング液を、内径12.3mm、長さ75.0mmのガラス製清浄試験管に充填してから取り出し、ディッピング方式で採血管の内壁にコーティングし、260 ℃で 8時間熱処理を行った。
このようにして得られた採血管に、3.8 % に調整したクエン酸ナトリウム水溶液を0.2ml 充填し、1.8ml 採血できるように採血管内を減圧状態としてブチルゴム製のゴム栓で密栓して、クエン酸ナトリウム水溶液入りガラス製減圧採血管を得た。
【0013】
上記実施例および比較例で得られた減圧採血管を温度 60 ℃の恒温器中で4 週間保存したもの、および、製造初期のもの各3本を用いて、健常者から減圧採血を実施して遠心分離処理を施し、得られた血漿部分を用いてプロトロンビン活性値(PT %)、部分活性化トロンボプラスチン時間( APTT 秒)、トロンボテスト値(TT %)の各血液凝固検査の検査値を求めた。この測定結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0003550993
【0015】
表1より、実施例1で使用した減圧採血管は製造初期のものも、温度 60 ℃で4 週間保存したものも、ほぼ同じ値であることが確かめられたが、比較例で使用した減圧採血管は、温度 60 ℃で4 週間保存後に比較例1のプロトロンビン活性値が8%、トロンボテスト値が25%、比較例2のプロトロンビン活性値が7%、トロンボテスト値が22%も上昇して、凝固因子が活性化されていた。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、採血管の内面に形成されたポリオルガノシロキサンの強固な皮膜が採血管の輸送時の高温下や長期保存中に容易に劣化する虞もないため、採取した血液の凝固因子に影響を与えることなく、安定した検査値を得ることができる。また、乾燥温度も約80〜100℃の比較的低い焼付け処理であるため、安全に製造することができ、さらに製造機械のコストも下がるため安価に製造することが可能である。

Claims (3)

  1. 抗凝固剤を収容した採血管であって、該採血管の内壁が、両末端にアミノ基とアルコキシシリル基を有するポリオルガノシロキサンの被膜からなる採血管。
  2. 請求項1記載のポリオルガノシロキサンの両末端に存在するアミノ基にエポキシ含有アルコキシシランを反応させてなる採血管。
  3. 前記ポリオルガノシロキサンのシロキサン部分の平均重合度は、10〜10000である請求項1または2記載の採血管。
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