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JP3552755B2 - 車両用収納装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、リテーナに出し入れ自在に収納されるケースを有する車両用収納装置に関し、とくにリテーナからのケースの突出速度を簡単な構造で抑制することが可能な車両用収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車室内に、飲料水が入った缶等の容器を保持するカップホルダを設ける技術は、実開平1−170036号公報に開示されている。また、車室内に、埋め込み式灰皿を設けた技術は、実開平5−1586号公報に開示されている。各公報のカップホルダや灰皿では、使用時にはバネの付勢力によって容器を保持するホルダや吸殻を収納するケースが自動的に車室内側に突出するようになっている。とくに実開平5−1586号公報の灰皿では、ケース側に灰皿本体のラックと噛合うオイルダンパが設けられており、ケースが車室側に突出する際の速度が抑制されている。これにより、ケースの突出する際の動きが緩やかなものとなり、突出完了時の衝撃も緩和される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、オイルダンパはオイルの粘性抵抗を利用してケースの移動速度を抑制するものであるので、内部構造が複雑となり、コストが高くなるという問題がある。したがって、オイルダンパを用いることなく、ケースの車室側への突出時におけるケースの移動速度を抑制することが可能な技術の開発が望まれる。
本発明の目的は、リテーナからのケースの突出速度を簡単な構造で抑制することが可能な車両用収納装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る車両用収納装置は、次の通りである。
リテーナと、
前記リテーナに移動可能に支持され、該リテーナに出し入れ自在に収納されるケースと、
前記ケースをリテーナから突出する方向に付勢する第1の弾性体と、
前記ケースをリテーナに収納する方向に付勢し、ケースがリテーナから所定量突出した際の付勢力が前記第1の弾性体の付勢力よりも小に設定される第2の弾性体と、
を備えたことを特徴とする車両用収納装置。
【0005】
【作用】
本発明に係る車両用収納装置においては、ケースは、第1の弾性体によりリテーナから突出する方向に付勢され、第2の弾性体によりリテーナに収納される方向に付勢される。これにより、第1の弾性体は、ケースがリテーナに完全に収納された状態では、付勢力が大となる方向に弾性変形し、ケースのリテーナからの突出量が大になるにつれて、付勢力が小となる方向に弾性変形する。同様に、第2の弾性体は、ケースがリテーナに完全に収納された状態では、付勢力が小となる方向に弾性変形し、ケースのリテーナからの突出量が大になるにつれて、付勢力が大となる方向に弾性変形する。
ケースがリテーナから所定量突出した際の付勢力は、第2の弾性体が第1の弾性体よりも小に設定されているので、ケースはリテーナから所定量だけ確実に突出することになるが、ケースがリテーナから突出する際には、第2の弾性体が付勢力が大になる方向に弾性変形するので、ケースの移動速度が第2の弾性体の弾性変形によって抑制される。すなわち、ケースの運動エネルギの一部が第2の弾性体の弾性変形により吸収され、ケースの移動速度が抑制される。したがって、高価なオイルダンパを用いることなく、リテーナからのケースの突出速度を簡単な構造で抑制することが可能となる。
【0006】
【実施例】
図1ないし図5は、本発明の一実施例に係る車両用収納装置を示しており、とくにカップホルダに適用した場合を示している。図4は、車体側に固定されたインストルメントパネル(図示略)に取付けられるリテーナ(ベゼル)2を示している。リテーナ2は、合成樹脂から構成されている。リテーナ2には、平面形状が四角形の開口部4が形成されている。リテーナ2の下面の左右には、下方に延びる支持壁6がそれぞれ形成されている。一方の支持壁6には、後述するロック機構部22の各部品が取付けられる取付板8が連らなって設けられている。各支持壁6には、後述するシャフト14が挿通される貫通穴9が形成されている。
【0007】
リテーナ2の直下には、図5に示すように、ケース(ホルダ)10が配置されている。ケース10は、合成樹脂から構成されている。ケース10は、側面形状が略C形となっている。ケース10の上部前面には、ドア11が取付けられている。ケース10の上部10aには、カップ載置部12が2つ形成されている。2つのカップ載置部12は、ケースの出し入れ方向に対して横並びで配置されている。カップ載置部12は、カップ100の底面の一部を受け止めるように平面形状が略半円形となっている。ケース10の各カップ載置部12の内周縁には、カップ100の外周部を保持するアーム14がそれぞれ揺動自在に取付けられている。アーム14は、スプリング15によって外方に付勢されている。
【0008】
ケース2の上部10aは、リテーナ2の開口部4から突出可能となっている。開口部4から突出したケース2の上部10aをリテーナ2側に収納させる際には、アーム14は開口部4の内周縁との接触により、内側に揺動するようになっている。ケース2の下部10bの左右には、図3に示す金属製のシャフト14が挿入される貫通穴16がそれぞれ形成されている。ケース2の下部10bの左右には、固定爪18aを有するブッシュ18が装着されている。シャフト14の両端部は、ブッシュ18に形成された支持穴19に嵌合されている。ケース2は、リテーナ2に対しシャフト14を中心として回動可能となっている。
【0009】
ケース2の下部13の前端部には、ハートカム20が形成されている。リテーナ2の取付板8には、ハートカム20と係合可能なロック機構部22が設けられている。ロック機構部22は、ロック用アーム23、係合ピン24を有している。ロック用アーム23は、ビス25を介して取付板8に揺動可能に支持されている。ロック用アーム23には、1対の板ばね23aが形成されている。板ばね23aは、ロック用アーム23を所定の姿勢に戻すためのものであり、本実施例では、ロック用アーム23と一体成形されている。係合ピン24は、ケース2のハートカム20と係合可能となっている。
【0010】
シャフト14の一方の外周には、ケース10をリテーナ2から突出する方向に付勢する第1の弾性体としての第1のトーションスプリング30が設けられている。第1のトーションスプリング30は、一方がリテーナ2の支持壁6に固定(係合)されており、他方がケース10の下部10bの下面に固定(係合)されている。シャフト14の他方の外周には、ケース10をリテーナ2に収納する方向に付勢する第2の弾性体としての第2のトーシンスプリング32が設けられている。第2のトーションスプリング32は、一方がリテーナ2の支持壁6に支持されており、他方がケース10の下部10bに支持されている。
【0011】
第1のトーションスプリング30および第2のトーションスプリング32は、共に捩り方向の弾性変形を利用したスプリングであり、リテーナ2に対するケース10の回動量が変化することにより、付勢力(トルク)T、Tが変化する。図1の実線に示すように、ケース10がリテーナ2から所定量突出した際の第2のトーションスプリング32の付勢力(トルク)Tは、第1のトーションスプリング30の付勢力(トルク)Tよりも小に設定されている。
【0012】
つぎに、上記の車両用収納装置における作用について説明する。
図1の2点鎖線で示すように、ケース10がリテーナ2に完全に収納されている状態では、ロック機構部22の係合ピン24がケース10側のハートカム20と係合しているので、ケース10が第1のトーションスプリング30によって突出方向に付勢されていても、ケース10はリテーナ2から突出することはない。この状態でケース10のドア11を収納方向(矢印A方向)に押圧すると、ロック用アーム23の揺動により係合ピン24とハートカム20との係合が外れる。係合ピン24とハートカム20との係合が外れると、第1のトーションスプリング30の付勢力により、ケース10はシャフト14を中心に回動し、矢印Bに示すように車室内に突出する。
【0013】
ここで、ケース10がリテーナ2から車室内に突出する際には、第2のトーションスプリング32が付勢力(トルク)Tが大となる方向に弾性変形するので、ケース10の運動エネルギの一部が第2のトーションスプリング32の弾性変形によって吸収され、ケース10の移動速度が抑制される。また、ケース10がリテーナ2から所定量突出した際の第2のトーションスプリング32の付勢力(トルク)Tは、第1のトーションスプリング30の付勢力(トルク)Tよりも小に設定されているので、ケース10をリテーナ2から所定量だけ確実に突出させることができる。
【0014】
ケース10が所定量だけリテーナ2から突出する直前では、ケース10の移動速度が第2のトーションスプリング32の弾性変形によって十分小となるので、ケース10の突出完了時における衝撃も緩和される。図1に示すように、ケース10がリテーナ2から所定量突出した状態では、ケース10のカップ載置部12にカップ100が載せられる。カップ100の使用が終了すると、ケース10のドア11が押圧され、ケース10の上部10aがリテーナ2に収納される。ケース10がリテーナ2に完全に収納されると、ハートカム20とロック機構部22の係合ピン24とが係合し、ケース10はこの状態にロックされる。
【0015】
上記実施例では、カップホルダに適用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、灰皿やその他の物品の収納装置にも適用することができる。また、ケース10はリテーナ2に対して回動可能な構成としたが、ケース10はリテーナ2に対して直線的に出し入れ可能な構造であってもよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、リテーナに出し入れ自在に収納されるケースを、第1の弾性体によりリテーナから突出する方向に付勢するとともに、第2の弾性体によりリテーナに収納する方向に付勢し、ケースがリテーナから所定量突出した際の第2の弾性体の付勢力を第1の弾性体の付勢力よりも小に設定したので、ケースの車室内への突出時には、第2の弾性体の弾性変形を利用してケースの移動速度を低下させることができる。
したがって、高価なオイルダンパを用いることなく、リテーナからのケースの突出速度を簡単な構造で抑制することができ、車両用収納装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る車両用収納装置の要部断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の第1の弾性体と第2の弾性体の組付け状態を示す分解斜視図である。
【図4】図1のリテーナの斜視図である。
【図5】図1のケースの分解斜視図である。
【符号の説明】
2 リテーナ
10 ケース
30 第1の弾性体
32 第2の弾性体

Claims (1)

  1. リテーナと、
    前記リテーナに移動可能に支持され、該リテーナに出し入れ自在に収納されるケースと、
    前記ケースをリテーナから突出する方向に付勢する第1の弾性体と、
    前記ケースをリテーナに収納する方向に付勢し、ケースがリテーナから所定量突出した際の付勢力が前記第1の弾性体の付勢力よりも小に設定される第2の弾性体と、
    を備えたことを特徴とする車両用収納装置。
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