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JP3553776B2 - ロータリ圧縮機 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はロータリ圧縮機に関し、さらに詳しくはロータリ圧縮機に設けられたシリンダ内で偏心回転して圧縮を行うローラと、シリンダ内に弾性的に突設されローラに接触して圧縮室と吸入室を形成するベーンとの材質の組み合わせに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、ロータリ圧縮機は、円筒状のシリンダ内でローラが偏心回転し、このローラに対し、シリンダ内で弾性的に突設されたベーンが接触し、これによって、シリンダとローラとの間に形成される三日月状の空間が2つに分けられ、圧縮室と吸入室が形成される。
【0003】
ベーンとローラは、互いに接触して摩擦を生じるので、この摩擦に対し耐摩耗性を有する材質が選ばれる。従来は、ベーンの材質としてSKH51にCrNコーティングしたもの、あるいはSKH51相当の焼結材にTiN、TiC粒子を分散した複合材などを使用した。ローラの材質には、CrやBが添加された鋳鉄を焼き入れしたものを使用した。このような両材質が、一般的な組み合わせである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の両材質では、ベーンのコーティング処理は寸法がばらついてしまう問題があり、あるいは製造コストが高いため、量産性に劣るものであった。
【0005】
この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、寸法のばらつきが小さく、製造コストを低くでき、量産性に優れた材質の組み合わせとなっているベーンとローラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、第一の発明は、円筒状のシリンダと、このシリンダ内で偏心回転するローラと、前記シリンダ内に突設されて前記ローラに接触し、前記シリンダと前記ローラとの間の空間を二分して圧縮室と吸入室を形成するベーンとを備えるロータリ圧縮機において、
前記ベーンは、Al含浸カーボンからなり、焼成温度を約680〜730℃として、カーボンとアルミニウムの境界に発生するAl を5〜10%に高めたもの、
前記ローラは、チル化処理された鋳鉄をNi−P系メッキ処理したものとすることを特徴とするロータリ圧縮機である。
【0007】
第二の発明は、さらに、前記ローラは、Ni−P系メッキ処理のメッキ膜のマトリックス中に、TiN、Si のセラミック粒子を1〜5%分散していることを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1によって、この発明の一実施形態にかかるロータリ圧縮機、すなわち、冷媒ガスを圧縮する密閉型ロータリ圧縮機を説明する。
【0009】
このロータリ圧縮機1は、円筒状の密閉容器3が取り付け脚5によって、円筒の軸を縦にした状態で据え付けられる。この密閉容器3の内部には前記円筒状の軸と同心に回転軸7が回転自在に支えられる。回転軸7の上方には、図示しないロータコアが固定されている。このロータコアに対し所定の隙間を介して、外周側に図示しないステータコアが密閉容器3の内壁に固定されて設けられ、このステータコアの上下に隣接して図示しない電動機巻線が固定して設けられ、通電されて、回転軸7が回転する。
【0010】
回転軸7の周囲には、円筒状のシリンダ9が同軸に設けられる。このシリンダ9の内部における前記回転軸7の形状は、回転軸7の軸心に対し偏心し、円柱形状の偏心シャフト部11を形成する。この偏心シャフト部11の外周に円筒状のローラ13が配置される。これにより回転軸7が回転すると、ローラ13は、シリンダ9の内壁に接して転がる自転を行いながら、偏心回転する。
【0011】
ローラ13とシリンダ9との間には三日月状の空間15が形成される。
そして、シリンダ9の内周壁から弾性的に突設されたベーン17が、三日月状の空間15を2つに分け、分けられた各空間はローラ13の偏心回転(図中左回り)に伴い、左側が吸入室19、右側が圧縮室21となる。吸入室19は、ローラ13の偏心回転が進むに伴い空間体積が増加する。圧縮室21は、偏心回転が進むに伴い空間体積が減少する。また、シリンダ9にはベーン17の図中の左 隣に吸入ポート23が形成されて吸入室19に臨み、さらに吸入管25に接続され密閉容器3の外部へ導かれる。また、ベーン17の右隣に吐出ポート27が形成され圧縮室21に臨み、さらに吐出管に接続され密閉容器3の外部へ導かれる。
【0012】
ベーン17はAl含浸カーボン製である。Al含浸カーボンとしては、例えばNC−094(日本カーボン株式会社製)があるが、本発明で用いるAl含浸カーボンは焼成温度をより高めて、約680〜730℃にすることにより、カーボンとアルミニウムの境界に発生するAl を5〜10%に高めたものにできる。これにより耐摩耗性を向上できる。
【0013】
またローラは鋳鉄(FC−300相当)製とし、チル化処理焼き入れを行う。このチル化処理は、金型鋳造や焼き入れなどによる急冷、または浸炭によっても良い。その上からNi−P系メッキ処理が施される。このNi−P系メッキ処理で形成されるメッキ膜のマトリックス中には、TiN、Si のセラミック粒子を1〜5%分散して存在させる。
【0014】
このような材料および処理にすることで、ローラとベーンはそれぞれ耐摩耗性が従来よりも向上できるのみならず、ベーンへのメッキ処理を避けることによって寸法のばらつきを抑えることができ、製造コストが抑えられ、したがって量産性を向上できる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係るロータリ圧縮機のベーンとローラによれば、従来よりも耐摩耗性を向上でき、しかもベーンにはメッキ処理を施さないので、メッキによる寸法ばらつきを抑えることができ、また低コストにでき、量産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るロータリ圧縮機のシリンダ付近の水平断 面図である。
【符号の説明】
9 シリンダ
13 ローラ
17 ベーン
19 吸入室
21 圧縮室
23 吸入ポート
27 吐出ポート

Claims (2)

  1. 円筒状のシリンダと、このシリンダ内で偏心回転するローラと、前記シリンダ内に突設されて前記ローラに接触し、前記シリンダと前記ローラとの間の空間を二分して圧縮室と吸入室を形成するベーンとを備えるロータリ圧縮機において、
    前記ベーンは、Al含浸カーボンからなり、焼成温度を約680〜730℃として、カーボンとアルミニウムの境界に発生するAl を5〜10%に高めたもの、
    前記ローラは、チル化処理された鋳鉄をNi−P系メッキ処理したものとすることを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 前記ローラは、Ni−P系メッキ処理のメッキ膜のマトリックス中に、TiN、Si のセラミック粒子を1〜5%分散していることを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機。
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