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JP3558682B2 - トランスオクタヒドロインダン誘導体 - Google Patents
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JP3558682B2 - トランスオクタヒドロインダン誘導体 - Google Patents

トランスオクタヒドロインダン誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規なトランスオクタヒドロインダン誘導体に関する。本発明により提供されるトランスオクタヒドロインダン誘導体は光学活性ステロイド化合物、特にビタミンD誘導体の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】
ステロイド化合物の中間体として利用されるヒドロインダン誘導体としては、ビタミンD(エルゴカルシフェロール)の酸化的開裂反応によりデ−A,B−23,24−ジノルコラン−8β,22−ジオールを得る方法[例えばエフ・ジェー・サルディナ(F.J.Sardina)、エー・ムリーニョ(A.Mourino)、エル・カステド(L.Castedo)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第51巻、1264から1269ページ(1986年)参照]、光学活性アミノ酸を用いるプロキラルなトリオンの不斉アルドール反応による光学活性ヘキサヒドロインダンジオンを得る方法[例えばエヌ・コーエン(N.Cohen)、アカウンツ・オブ・ケミカル・リサーチ(Accounts of Chemical Research)、第9巻、412から417ページ(1976年)参照]などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法のうちビタミンDの酸化的開裂反応によるものは、原料が高価でありしかも分子のごく一部しか利用できないこと、原料がもともと光学活性であること、大量に得ようとするとオゾンなどの酸化剤が大量に必要であること、などの問題点を有し必ずしも工業的な方法として有利ではない。また不斉アルドール反応による方法は、原料がプロキラル(光学不活性)であり、不斉源を触媒的に用いることができるというすぐれた方法であるけれども、ビタミンD誘導体の合成中間体として用いるためには、煩雑な官能基変換が必要であり、必ずしも有利とは云えない。
【0004】
しかして本発明の目的は、ステロイド化合物、特にビタミンD誘導体の合成中間体として有用な新規なヒドロインダン誘導体、すなわちトランスオクタヒドロインダン誘導体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の目的は一般式(I)
【0006】
【化2】
Figure 0003558682
【0007】
(式中、Rは水酸基の保護基を表す。)
で示されるトランスオクタヒドロインダン誘導体[以下、これをトランスオクタヒドロインダン誘導体(I)と称することがある]を提供することにより達成される。
【0008】
上記一般式(I)において、Rが表す水酸基の保護基としては、水酸基の保護の目的を達成することができればどのような保護基でもよく、具体的にはアセチル基、クロロアセチル基、メトキシアセチル基、フェノキシアセチル基、4−オキソペンタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基、3,5−ジニトロベンゾイル基などのアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、イソブチロキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、4−ニトロフェノキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基、4−メトキシベンジロキシカルボニル基などのオキシカルボニル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基などのシリル基;メトキシメチル基、ベンジロキシメチル基、1−エトキシエチル基、2−メトキシ−2−プロピル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基、4−メトキシ−4−テトラヒドロピラニル基などの置換基を有していてもよいオキシメチル基、などが挙げられる。
【0009】
トランスオクタヒドロインダン誘導体(I)は例えば以下の様にして合成することができる。
【0010】
【化3】
Figure 0003558682
【0011】
(式中、Rは前記定義のとおりであり、RおよびRはそれぞれ低級アルキル基を表すか、またはRとRは一緒になって置換されていてもよい低級アルキレン基を表す。)
【0012】
すなわち、ヘキサヒドロインダン誘導体(II)の二重結合を還元することにより一般式(III )で示されるトランスオクタヒドロインダン誘導体[以下、これをトランスオクタヒドロインダン誘導体(III )と称することがある。]を得る。さらにこのアセタール保護基を脱保護することによりトランスオクタヒドロインダン誘導体(I)を得る。
【0013】
ここで、一般式(II)および一般式(III )においてRおよびRが表すことのある低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などが挙げられ、RとRが一緒になって表すことのある置換されていてもよい低級アルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基などが挙げられる。
【0014】
ヘキサヒドロインダン誘導体(II)からトランスオクタヒドロインダン誘導体(III )への変換は、ヘキサヒドロインダン誘導体(II)の二重結合を還元することによって行われる。この二重結合の還元は、一般に炭素−炭素二重結合を還元する方法、例えば、金属触媒下に水素添加することによって行われる[例えば、新実験化学講座、第15巻、酸化と還元(II)、第3章、接触水素添加、日本化学会編、丸善、1977年など参照]。この反応において触媒として使用される金属の具体例としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト、白金、パラジウムなどが挙げられる。金属触媒は、適当な配位子共存下均一系触媒として、または適当な担体の共存下もしくは非共存下に不均一系触媒として用いることが可能である。金属触媒の使用量は、通常ヘキサヒドロインダン誘導体(II)1モルに対して、0.0001から0.5g原子の範囲内である。この反応は、通常常圧または加圧下の水素雰囲気下で行われる。またこの際炭酸水素ナトリウムなどの添加剤を共存させることも可能である。
【0015】
この還元反応は、通常溶媒中で行われる。使用される溶媒は還元反応に悪影響を与えないかぎり特に限定されないが、具体例としては、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒;酢酸エチル、炭酸ジメチルなどのエステル系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、またはこれらの混合物などが挙げられる。溶媒の使用量は、ヘキサヒドロインダン誘導体(II)に対して、通常5から200倍重量の範囲内である。
【0016】
この還元反応は、通常−30から120℃の範囲内の温度で行われる。
【0017】
このようにして得られたトランスオクタヒドロインダン誘導体(III )の単離・精製は、通常の有機化合物の単離・精製に一般的に用いられる方法と同様にして行うことができる。例えば、反応混合物から有機溶媒に不溶な物質を濾別し、得られる濾液を濃縮することにより粗生成物を得、これを再結晶、クロマトグラフィなどにより精製することにより、トランスオクタヒドロインダン誘導体(III )が得られる。なお、この粗生成物を精製することなく次の反応に用いることも可能である。
【0018】
トランスオクタヒドロインダン誘導体(III )は、アセタール保護基の脱保護反応に付することによりトランスヒドロインダン誘導体(I)に変換される。この脱保護反応は、アセタールを対応するケトンに変換する際に一般的に用いられる方法と同様にして行うことができる。例えば、酸触媒下に加水分解反応または他のカルボニル化合物とのアセタール交換反応により行うことができる。使用される酸触媒としては、塩酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸;酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸;p−トルエンスルホン酸ピリジニウムなどのスルホン酸塩、などが挙げられ、その使用量は、使用する酸触媒の性質によっても異なるが、トランスオクタヒドロインダン誘導体(III )1モルに対して、通常0.01から20モルの範囲内である。
【0019】
アセタール交換反応に用いられるカルボニル化合物の具体例としては、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられ、その使用量は、トランスオクタヒドロインダン誘導体(III )1モルに対して、通常5から1000モルの範囲内である。
【0020】
この脱保護反応は通常溶媒中で行われるが、加水分解反応に用いられる水、またはアセタール交換反応に用いられるカルボニル化合物を溶媒として用いることも可能であり、またメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのトランスオクタヒドロインダン誘導体(III )および水またはアセタール交換反応に用いられるカルボニル化合物のいずれとも親和性のある溶媒を用いることもできる。溶媒の使用量は、トランスオクタヒドロインダン誘導体(III )に対して、通常5から200倍重量の範囲内である。反応は、通常0から120℃の範囲内の温度で行われる。
【0021】
このようにして得られたトランスオクタヒドロインダン誘導体(I)の反応混合物からの単離・精製は、通常の有機化合物の単離・精製において用いられる方法にしたがって行うことができる。例えば、反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液などにより中和したのち、必要に応じて溶媒を留去し、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタンなどの溶媒で抽出し、抽出液を必要に応じて水、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水などで洗浄したのち、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムなどにより乾燥後濃縮することにより粗生成物を得、これを再結晶、クロマトグラフィなどにより精製することによってトランスオクタヒドロインダン誘導体(I)を得る。
【0022】
トランスオクタヒドロインダン誘導体(I)は、例えば以下に示す様にして1,25−ジヒドロキシビタミンDに変換される。
【0023】
【化4】
Figure 0003558682
【0024】
(式中、EEは1−エトキシエチル基を表し、THPは2−テトラヒドロピラニル基を表し、TESはトリエチルシリル基を表す。)
【0025】
すなわち、トランスオクタヒドロインダン誘導体(I)のうち、式(I−1)で示されるケトンに対して、例えばMandaiらの方法[テトラヘドロン(Tetrahedron)、第50巻、475から486ページ(1994年)参照]に従って側鎖を導入し、側鎖二重結合を還元して式(IV)で示される化合物に誘導し、水酸基の脱保護、一級水酸基の酸化、三級水酸基の保護により式(V)で示されるアルデヒドへと変換する。このアルデヒドと式(VI)で示される1,25−ジヒドロキシビタミンDのA環部に相当するスルホンとを縮合し、脱離反応、脱保護反応を行うことにより式(VIII)で示される1,25−ジヒドロキシビタミンDへと変換することができる。
【0026】
ヘキサヒドロインダン誘導体(II)は、例えば以下のようにして調製することができる。
【0027】
【化5】
Figure 0003558682
【0028】
(式中、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りであり、Rは光学活性アルコール残基を表し、Rは置換されていてもよい低級アルキル基を表し、Zは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい低級アルコキシ基または置換されていてもよいアリールオキシ基を表す。)
【0029】
すなわち、式(IX)で示される2−メチルシクロペンタン−1,3−ジオンの2位をアリル化して式(X)で示されるアリル化体とし、この2つのケトンをエチレンアセタールとして保護して式(XI)で示されるビスアセタールへと誘導する。これをヨウ素化し式(XII)で示されるヨウ化物に導き、このヨウ化物を一般式(XIII)で示されるホスホノ酢酸誘導体と縮合させることにより一般式(XIV)で示されるホスホノエステル誘導体とする。これを不斉環化反応により一般式(XV)で示される光学活性ヒドロインダノン誘導体へ導く。このエステルをイソプロペニル化することによって一般式(XVI)で示されるアルコールを得る。このアルコールをエステル化後脱酸素化反応に付すことによって一般式(XVIII )で示されるヘキサヒドロインダンカルボン酸誘導体へと変換する。この側鎖の二重結合を酸化的に開裂し、生成する一般式(XIX )で示されるケトンをアセタール化することによって一般式(XX)で示されるヘキサヒドロインダンカルボン酸誘導体へと導く。ついで二重結合を異性化し、エステルを還元し一般式(XXII)で示されるアルコールを得、この水酸基を保護することによりヘキサヒドロインダン誘導体(II)を得る。
【0030】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0031】
参考例1 ヨウ化物(XII)の調製
2−メチル−1,3−シクロペンタンジオン(5.65g;50.4ミリモル)、酢酸パラジウム(201mg;0.90ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(707mg;2.70ミリモル)をテトラヒドロフラン(15ml)中で混合し、この混合物に炭酸アリルメチル(7.31g、63ミリモル)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、フロリジルを用いて濾過した。濾液を減圧下に濃縮し、得られた薄茶色の残渣を蒸留した(95℃、0.2mmHg)。蒸留残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、6.74g(収率88%)の2−メチル−2−(2−プロペニル)−1,3−シクロペンタンジオンを得た。
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
1.05(s,3H),2.28(d,J=7.32Hz,2H),2.59−2.75(m,4H),4.98−5.02(m,2H),5.47−5.58(m,1H).
【0032】
2−メチル−2−(2−プロペニル)−1,3−シクロペンタンジオン(2.75g;18.1ミリモル)と1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)エタン(10.6ml;43.4ミリモル)を混合し、撹拌しながら−2℃でトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.17ml;0.91ミリモル)を加えた。混合物を−2℃から0℃の間で10時間撹拌したのち、ピリジン(1ml)を加え、ジエチルエーテル(40ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40ml)との混合物に注いだ。有機層を分離し、水層をジエチルエーテル(20ml)で2回抽出した。有機層をすべて合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮したところ油状物が得られ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製することにより4.21g(収率95%)の2−メチル−2−(2−プロペニル)−1,3−シクロペンタンジオンのビスエチレンアセタールが得られた。
【0033】
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm):
1.08(s,3H),187−1.98(m,4H),2.24(d,J=7.3Hz,2H),3.82−4.01(m,8H),4.94−5.03(m,2H),5.80−5.91(m,1H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm):
17.4,32.4,34.2,50.6,64.1,64.7,115.8,117.2,136.1
【0034】
2−メチル−2−(2−プロペニル)−1,3−シクロペンタンジオンのビスエチレンアセタール(4.13g;17.2ミリモル)をテトラヒドロフラン(25ml)に溶解し、この溶液に0℃でボラン−ジメチルスルフィド複合体(2.2ml;21.1ミリモル)を滴下した。混合物を室温で4時間撹拌したのち、過酸化水素水(25ml)と3規定水酸化ナトリウム水溶液(25ml)の混合物をゆっくりと加え、室温で14時間撹拌を続けた。反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(70ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(50ml)で2回抽出した。抽出液を合わせ、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(30ml)、水(30ml、2回)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮したところ4.42gの無色油状物が得られた。これをジクロロメタン(20ml)に溶解し、この溶液に0℃でトリエチルアミン(4.79ml;34.4ミリモル)、塩化メタンスルホニル(2.0ml;25.8ミリモル)を順次加えた。室温で10分間撹拌したのち、反応混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に注いだ。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮することにより5.32gの粗メタンスルホン酸エステルを得た。これをアセトン(50ml)中、ヨウ化ナトリウム(5.16g;34.4ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(4.33g;51.6ミリモル)と一緒に2.5時間還流下に加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に注ぎ、酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥後減圧下に濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製することにより3.94g(収率56%)の2−(3−ヨードプロピル)−2−メチル−1,3−シクロペンタンジオンのビスエチレンアセタールを得た。
【0035】
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
1.07(s,3H),1.50−1.54(m,2H),1.79−1.95(m,8H),3.13(t,J=7.0Hz,2H),3.80−4.01(m,8H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
8.38,17.0,28.5,30.5,32.2,49.9,64.1,64.6,117.3
【0036】
参考例2 ホスホノ酢酸エステルの調製
(−)−8−フェニルメントール(5.42g;23.4ミリモル)のジエチルエーテル(40ml)溶液に−50℃でピリジン(5.7ml)及び臭化ブロモアセチル(4.1ml;46.7ミリモル)を順次加え、反応混合物を3時間かけて室温まで加温した。反応混合物を氷冷した1規定塩酸に注ぎ、酢酸エチル(30ml)で2回抽出した。抽出液を合わせ、1規定塩酸(50ml、2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml、2回)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濃縮により得られる黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、7.55gの白色結晶を得た。エタノールより再結晶することにより純品のブロモ酢酸(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルを得た。
【0037】
融点:64.0〜65.0℃
比旋光度:[α] +34.5°(c=2.16、四塩化炭素)
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.88(d,J=6.6Hz,3H),0.90−2.10(m,8H),1.31(s,3H),2.96(d,J=12.5Hz,1H),3.05(d,J=12.5Hz,1H),4.86(dt,J=10.6Hz,4.4Hz,1H),7.08−7.31(m,5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
21.7,22.9,26.2,26.2,26.4,29.5,31.2,34.4,39.4,41.2,50.2,75.8,125.1,125.3,128.0,151.7,166.3.
【0038】
ブロモ酢酸(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチル(7.69g、21.8ミリモル)と亜リン酸トリメチル(5.14ml、43.6ミリモル)とを混合し、この混合物を還流下1.5時間加熱した。混合物より過剰の亜リン酸トリメチルを蒸留により除去し、得られた無色の油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、8.15g(収率98%)のホスホノ酢酸ジメチルの(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを得た。
【0039】
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.88(d,J=6.6Hz,3H),0.90−2.10(m,8H),1.20(s,3H),1.30(s,3H),2.08(dd,J=21.3Hz,14.6Hz,1H),2.36(dd,J=21.3Hz,14.6Hz,1H),3.69(d,J=11.4Hz,3H),3.72(d,J=11.4Hz,3H),4.83(dt,J=10.6Hz,4.4Hz,1H),7.08−7.31(m,5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
21.7,22.9,26.2,26.4,29.3,31.2,32.3,33.6,34.4,39.4,41.2,50.2,52.9,75.2,125.1,125.3,127.9,151.8,164.9.
【0040】
参考例3 ホスホノエステル誘導体の調製
水素化ナトリウム(60%、700mg;17.4ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に懸濁し、0℃でホスホノ酢酸ジメチルの(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル(6.92g;18.1ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)溶液を加え、この混合物を室温で1時間撹拌した。こうして得られた混合物に2−(3−ヨードプロピル)−2−メチル−1,3−シクロペンタンジオンのビスエチレンアセタール(5.57g;15.1ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)溶液を滴下した。反応混合物は室温でさらに13時間撹拌した。反応混合物に水(100ml)を加え、ベンゼンと酢酸エチルの混合物(1対1、100ml)で抽出した。抽出液を水(100ml)で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濃縮して得られる明黄色油状物(10.3g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、6.62g(収率70%)の5−(2−メチル−1,3−ジオキソ−2−シクロペンチル)−2−ホスホノペンタン酸ジメチルの(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルのビスエチレンアセタールをふたつのジアステレオマの混合物として得た。この5−(2−メチル−1,3−ジオキソ−2−シクロペンチル)−2−ホスホノペンタン酸ジメチルの(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルのビスエチレンアセタール(6.62g)をアセトン(30ml)中アンバーリスト−15(200mg)と一緒に室温で14時間撹拌した。反応混合物をセライト−545を用いて濾過し、濾液を濃縮して6.19gの油状物を得た。副生成物であるアセトンのアルドール成績体を蒸留で除去し、5.43g(収率95%)の5−(2−メチル−1,3−ジオキソ−2−シクロペンチル)−2−ホスホノペンタン酸ジメチルの(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを淡黄色油状物として得た。
【0041】
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.87(d,J=7.32,3H),1.08,1.13(2本のs,合わせて3H),2.70−2.80(m,1.14H),2.78(s,2.86H),3.59,3.62,3.65,3.67,3.77,3.80(6本のs,合わせて6H),4.80(dt,J=10.6Hz,4.4Hz,1H),7.13−7.30(m,5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
14.0,18.5,18.7,21.6,22.5,22.6,22.7,23.4,23.4,24.3,25.6,26.3,26.7,26.8,27.5,28.1,31.1,31.13,31.4,34.3,34.4,35.0,39.3,39.7,40.6,41.1,43.1,44.0,44.4,45.4,50.0,50.2,52.9,56.1,56.2,75.8,125.0,125.2,125.5,127.8,128.2,151.1,151.7,167.6,167.53,168.6,215.8,215.9,215.93.
【0042】
参考例4 不斉環化反応
5−(2−メチル−1,3−ジオキソ−2−シクロペンチル)−2−ホスホノペンタン酸ジメチルの(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル(1.17g、2.17ミリモル)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液に−80℃でカリウムtert−ブトキシド(0.5Mテトラヒドロフラン溶液、5.0ml;2.50ミリモル)を滴下し、得られた混合物を−50℃で24時間撹拌した。反応混合物に1規定塩酸(60ml)を加え、ベンゼンと酢酸エチルの混合物(1対1、40ml)で2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、712mg(収率80%)の(6S)−6−メチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−7−オン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを粘稠な油状物として得た。ジアステレオマ選択率は98%であった。
【0043】
比旋光度:[α] +137.5°(c=0.589、クロロホルム)
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.87(d,J=6.9Hz,3H),0.85−1.87(m,14H),1.14(s,3H),1.21(s,3H),1.33(s,3H),2.03−2.21(m,2H),2.59−2.80(m,2H),3.38−3.47(m,1H),4.99(dt,J=10.6Hz,4.4Hz,1H),7.05−7.30(5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
17.7,21.7,23.7,24.3,24.5,25.2,26.5,27.2,28.4,31.3,34.5,35.5,39.6,42.2,49.8,50.4,73.5,123.6,124.8,125.3,127.8,151.7,154.6,166.2,219.2.
元素分析:実測値 C 79.50, H 9.20%;計算値(C2736) C 79.37, H 8.88%
【0044】
参考例5 イソプロペニル化反応および脱酸素化反応
(6S)−6−メチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−7−オン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル(398mg;0.976ミリモル)のジエチルエーテル(12ml)溶液に−80℃でイソプロペニルリチウム(0.20規定ジエチルエーテル溶液、5.4ml;1.07ミリモル)を加え、得られた混合物を30分間撹拌した。反応混合物に水(30ml)を加え、ジエチルエーテル(20ml)で2回抽出した。抽出液を水(30ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濃縮することにより441mgの淡黄色油状物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し245mg(収率56%)の(6S,7R)−6−メチル−7−(2−プロペニル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−7−オール−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを白色結晶として、また原料の(6S)−6−メチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−7−オン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを152mg(回収率38%)得た。(6S,7R)−6−メチル−7−(2−プロペニル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−7−オール−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルの物性値は下記の通りである。
【0045】
融点:124.0〜125.0℃
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm):
0.85(d,J=6.6Hz,3H),0.80−1.81(m,14H),1.15(s,3H),1.22(s,3H),1.32(s,3H),1.60(s,3H),1.97−2.14(m,3H),2.78−2.89(m,1H),2.98−3.11(m,1H),4.79(bs,1H),4.90(bs,1H),4.95(dt,J=10.6Hz,4.4Hz),7.07−7.29(m,5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm):
14.1,18.5,20.8,21.8,22.6,23.0,23.9,25.9,26.8,27.3,29.0,29.7,31.4,34.6,36.4,39.8,42.3,49.0,50.5,73.1,86.0,110.4,1210,124.9,125.4,127.8,149.6,151.6,161.7,166.5.
【0046】
(6S,7R)−6−メチル−7−(2−プロペニル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−7−オール−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル(393mg;0.87ミリモル)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に−80℃でtert−ブチルリチウム(1.6規定ペンタン溶液、0.64ml;1.02ミリモル)を滴下した。得られた混合物を1時間撹拌したのち、−80℃でクロル蟻酸メチル(0.11ml;1.34ミリモル)を加えた。反応混合物を6時間かけて室温まで加温し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)を加え、ジエチルエーテル(30ml)で2回抽出した。抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥し濃縮することにより466mgの残渣を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、420mg(収率95%)の(6S,7R)−7−(メトキシカルボニルオキシ)−6−メチル−7−(2−プロペニル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを半固体として得た。
【0047】
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.86(d,J=6.6Hz,3H),0.80−1.83(m,13H),1.20(s,3H),1.22(s,3H),1.32(s,3H),1.63(s,3H),1.97−2.08(m,1H),2.20−2.30(m,1H),2.70−2.91(m,2H),3.04−3.17(m,1H),3.76(s,3H),4.65(bs,1H),4.89(bs,1H),4.95(dt,J=10.6Hz,4.4Hz),7.08−7.30(m,5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
14.1,18.4,21.0,21.8,22.6,23.2,23.8,25.6,26.7,27.5,29.5,29.8,31.4,31.6,34.0,34.5,39.7,42.3,50.5,50.8,54.5,73.2,94.8,111.8,122.1,124.9,125.4,127.8,151.7,154.6,158.3,166.3.
【0048】
パラジウム(II)ビス(アセチルアセトナート)(34mg;0.111ミリモル)のベンゼン(5ml)溶液に室温でトリn−ブチルホスフィン(0.028ml;0.111ミリモル)を加えたところ、数分で暗黄色の溶液が淡黄色になった。この混合物にトリエチルアミン(0.8ml;5.72ミリモル)、蟻酸(0.22ml;5.72ミリモル)および(6S,7R)−7−(メトキシカルボニルオキシ)−6−メチル−7−(2−プロペニル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル(566mg;1.114ミリモル)のベンゼン(3ml)溶液を順次加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、460mg(収率95%)の(6R,7R)−6−メチル−7−(2−プロペニル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルおよびその(6R,7S)−異性体を10対1の比率で含む混合物を無色油状物として得た。
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
4.56(bs,0.1H),4.61(bs,0.1H),4.77(bs,0.9H),4.92(bs,0.1H).
【0049】
参考例6 二重結合の酸化的開裂反応
(6R,7R)−6−メチル−7−(2−プロペニル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルおよびその(6R,7S)−異性体を10対1の比率で含む混合物(332mg;0.756ミリモル)およびトリメチルアミン−N−オキシド二水和物(170mg;1.53ミリモル)をジオキサン(10ml)中に混合し、室温で四酸化オスミウム(0.08M水溶液、1.94ml;0.153ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌したのち、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50ml)および酢酸エチル(50ml)との混合物に注ぎ、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(30ml)で2回抽出し、有機層をすべて合わせて水(30ml)で2回洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥したのち、濃縮したところ暗色の油状物が得られ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製することにより220mg(収率61.5%)のジオール誘導体が得られた。このようにして得られたジオール誘導体(220mg;0.47ミリモル)をアセトン(10ml)および水(5ml)の混合物に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム(201mg;0.94ミリモル)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチル(25ml)で2回抽出した。抽出液を水(30ml)で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥したのち濃縮したところ白色結晶が得られ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、174mg(収率85%)の(6R,7S)−7−アセチル−6−メチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを得た。このものは高速液体クロマトグラフィ分析により1対10の比率で異性体を含んでいた。メタノールより再結晶することにより純品の(6R,7S)−7−アセチル−6−メチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを得た。
【0050】
融点:146〜146.5℃
比旋光度:[α] +81.7°(c=0.933、ベンゼン)
元素分析:実測値 C 79.57, H 9.50%;計算値(C2940) C 79.77, H9.24%
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.85(s,3H),0.86(d,J=7.0Hz,3H),0.85−2.15(m,16H),1.20(s,3H),1.32(s,3H),2.16(s,3H),2.44(dd,J=11.9Hz,7.0Hz,1H),2.55−2.72(m,2H),4.96(dt,J=10.6Hz,4.4Hz,1H),7.05−7.28(m,5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
18.1,19.6,21.8,23.6,23.63,24.4,26.6,28.4,28.7,31.3,31.5,34.5,34.8,39.6,42.3,45.6,50.5,62.1,73.1,120.7,124.7,125.3,127.7,151.9,161.4,166.7,209.1.
【0051】
参考例7 ケトンの保護反応
(6R,7S)−7−アセチル−6−メチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル(75.0mg;0.172ミリモル)のジクロロメタン(1ml)溶液に1,2−ビス(トリメチルシリルオキシ)エタン(0.21ml、0.86ミリモル)を加え、得られた溶液に−35℃でトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.002ml;0.009ミリモル)を加えた。反応混合物を−25℃で3時間撹拌した。反応混合物にピリジン(0.25ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を加えた。得られた混合物を酢酸エチル(20ml)で2回抽出し、抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥した。濃縮することにより136mgの油状物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製することにより80mg(収率97%)の(6R,7S)−6−メチル−7−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルを無色油状物として得た。
【0052】
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.85(d,J=6.2Hz,3H),0.96(s,3H),0.80−1.90(m,15H),1.21(s,3H),1.32(s,3H),1.33(s,3H),1.98−2.08(m,2H),2.54−2.70(m,2H),3.86−4.03(m,4H),4.96(dt,J=10.6Hz,4.4Hz,1H),7.05−7.28(m,5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
18.2,19.6,21.8,23.2,23.7,24.7,25.2,26.7,27.8,28.8,31.4,34.6,35.5,39.7,42.4,44.6,50.6,57.0,63.4,64.8,73.1,111.4,119.9,124.9,125.4,127.8,151.9,164.1,167.2.
【0053】
参考例8 二重結合の異性化反応
ジイソプロピルアミン(0.14ml;1.00ミリモル)のテトラヒドロフラン(4ml)溶液に0℃でn−ブチルリチウム(1.56Mヘキサン溶液、0.58ml;0.91ミリモル)を加えた。0℃で10分間撹拌したのち、得られたリチウムジイソプロピルアミド溶液を−50℃まで冷却した。この溶液に(6R,7S)−6−メチル−7−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−1−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル(218mg;0.454ミリモル)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液を滴下し、得られた混合物を−50℃で1時間撹拌した。この反応混合物に無水メタノール(4ml)と塩化アセチル(0.5ml)とより調製した溶液を−80℃で一度に加えた。反応混合物を−80℃でピリジン(2ml)により中和し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40ml)に注いだ。有機層を分離し、水層を酢酸エチルにより抽出した。抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮することにより213mgの油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、122mg(収率56%)の(2S,6R,7S)−6−メチル−7−(2−メチルジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−8−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル、12mg(収率5.5%)の(2R,6R,7S)−異性体および80mg(回収率36.6%)の原料を得た。(2S,6R,7S)−6−メチル−7−(2−メチルジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−8−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステルの物性値は下記の通りである。
【0054】
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.86(d,J=6.6Hz,3H),0.99(s,3H),0.80−2.52(m,18H),1.22(s,3H),1.32(s,3H),1.34(s,3H),3.86−4.03(m,4H),4.85(dt,J=10.6Hz,4.4Hz,1H),5.40(bs,1H),7.05−7.28(m,5H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
17.9,21.5,21.8,22.6,24.2,25.9,26.7,27.1,30.0,31.2,31.5,34.6,39.8,41.6,43.2,46.8,50.3,59.6,63.4,64.9,74.3,111.2,119.9,125.0,125.4,127.9,144.6,151.6,173.0.
【0055】
また、(2R,6R,7S)−異性体の物性値は以下の通りである。
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.84(d,J=6.7Hz,3H),0.86(s,3H),1.18(s,3H),1.30(s,6H),1.20−2.40(m,18H),3.82−4.01(m,4H),4.79(dt,J=10.6Hz,4.4Hz,1H),5.10(bs,1H),7.05−7.30(m,5H).
【0056】
参考例9 エステルの還元反応
水素化アルミニウムリチウム(19mg;0.5ミリモル)をジエチルエーテル(2ml)中に懸濁し、室温で(2S,6R,7S)−6−メチル−7−(2−メチルジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−8−ノネン−2−カルボン酸の(1R,2S,5R)−8−フェニルメンチルエステル(122mg;0.254ミリモル)のジエチルエーテル(3ml)溶液を加え、得られた混合物を1時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(30ml)で希釈し、0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40ml)を加えた。有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥したのち濃縮することにより無色油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、53mg(収率83%)の(2R,6R,7S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−7−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−8−ノネンを白色結晶として得た。
【0057】
融点:73.0〜74.0℃
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.85−1.04(m,1H),1.04(s,3H),1.18−1.28(m,1H),1.34(s,3H),1.54(bs,1H),1.57−1.67(m,2H),1.80−1.89(m,1H),2.02−2.09(m,1H),2.17−2.39(m,4H),3.67(dd,J=10.4Hz,5.9Hz,1H),3.82(dd,J=10.4Hz,5.1Hz,1H),3.86−4.04(m,4H),5.25(bs,1H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
18.1,21.9,24.2,29.8,31.5,38.5,42.3,47.1,60.0,63.4,65.0,65.4,111.3,116.8,149.9.
【0058】
参考例10 水酸基の保護反応
(2R,6R,7S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−7−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−8−ノネン(53mg;0.21ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(10mg)およびトリエチルアミン(0.15ml;1.05ミリモル)をジクロロメタン(2ml)に溶解し、塩化ベンゾイル(0.05ml;0.42ミリモル)を加えた。室温で30分間撹拌したのち、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)と酢酸エチル(30ml)の混合物に注ぎ、有機層を分離した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濃縮することにより、明黄色の油状物が得られた。塩化ベンゾイルを蒸留で除去し、残渣の油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、74mg(収率99%)の(2R,6R,7S)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−6−メチル−7−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−8−ノネンを無色油状物として得た。
【0059】
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.95−1.10(m,1H),1.07(s,3H),1.21−1.32(m,1H),1.36(s,3H),1.59−1.70(m,2H),1.93−2.40(m,5H),2.50−2.60(m,1H),3.86−4.04(m,4H),4.27(dd,J=10.6Hz,7.3Hz,1H),4.54(dd,J=10.6Hz,5.5Hz,1H),5.30(bs,1H),7.40−7.47(m,2H),7.53−7.58(m,1H),8.00−8.06(m,2H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
18.1,21.9,24.2,30.3,31.6,35.5,42.3,47.1,60.0,63.4,65.0,67.4,111.3,117.4,128.3,129.5,130.4,132.8,148.9,166.6.
【0060】
実施例1 二重結合の還元反応およびケトンの脱保護反応
10%パラジウム炭素(200mg)および炭酸水素ナトリウム(200mg)を酢酸エチル(2ml)に懸濁し、水素雰囲気下(1気圧)30分間撹拌した。この混合物に(2R,6R,7S)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−6−メチル−7−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ビシクロ[4.3.0]−8−ノネン(60mg;0.169ミリモル)の酢酸エチル(2ml)溶液を加え、水素雰囲気下(1気圧)14時間撹拌した。反応混合物をセライト−545を用いて濾過し、不溶物を酢酸エチルで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせて濃縮し、無色油状物を得た。これをアセトン(30ml)中触媒量のp−トルエンスルホン酸で処理した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)で中和し、酢酸エチル(30ml)で抽出した。抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮して油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、50.3mg(収率95%)の(2R,6S,7S)−7−アセチル−2−(ベンゾイルオキシメチル)−6−メチルビシクロ[4.3.0]ノナンを白色結晶として得た。
【0061】
融点:72.5〜73.5℃
比旋光度:[α] +55.0°(c=0.34、ベンゼン)
元素分析:実測値 C 76.35, H 8.53%;計算値(C2026)C 76.40, H 9.34%.
H核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
0.66(s,3H),0.98−2.22(m,12H),2.13(s,3H),2.56(t,J=9.3Hz,1H),4.11(dd,J=10.6Hz,6.60Hz,1H),4.23(dd,J=10.6Hz,4.8Hz,1H),7.40−7.48(m,2H),7.52−7.58(m,1H),7.99−8.06(m,2H).
13C核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム)化学シフト(ppm ):
13.1,21.5,22.6,24.8,29.7,31.6,36.2,38.9,44.6,52.7,63.4,68.7,128.3,129.5,130.3,132.9,166.6,209.3.
【0062】
【発明の効果】
光学活性ステロイド化合物、とくにビタミンD誘導体の合成中間体として有用な新規なトランスオクタヒドロインダン誘導体が提供される。

Claims (1)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003558682
    (式中、Rは水酸基の保護基を表す。)
    で示されるトランスオクタヒドロインダン誘導体。
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