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JP3560503B2 - 象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材 - Google Patents
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JP3560503B2 - 象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材 - Google Patents

象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材に係り、特に、木製基材に掘削した模様や文字等を構成する複数の凹部に、複数の嵌合体を嵌合してなる象嵌製品を製造する象嵌製品の製造方法、及び、複数の嵌合体を有した象嵌製品用パーツ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の象嵌製品としては、例えば、図10に示すように、木製基材1に掘削された模様M(図では菊の花の花弁模様)や文字等を構成する複数の凹部2に、この複数の凹部2に対応する複数の嵌合体3を夫々嵌合して形成されている。嵌合体3としては、木製のものをはじめ、貝殻を薄く加工した所謂「らでん」用のもの等種々の材質のものが用いられている。
このような象嵌製品の製造方法としては、従来、例えば、レーザ加工機を用いて部材の加工を行ない、その後、この加工品を組みつけて行なう方法が知られている。この方法は、図10に示すように、木製基材1に上からレーザ加工機(図示せず)のレーザ光を照射して所定の位置関係に配置された模様Mを構成する複数の凹部2を掘削する一方、シート状部材(図示せず)からレーザ加工機により上記複数の凹部2に対応する複数の嵌合体3を削成し、各嵌合体3を木製基材1の対応する凹部2に夫々嵌合して行なっている。嵌合体3の嵌合は、凹部2に接着剤を塗布し、一個一個、ピンセット等を用いて、逐一手作業で行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来の象嵌製品にあっては、嵌合体3が、例えば、貝殻を薄く加工したものであるような場合には、その厚さtが、例えば、t=0.1〜0.5mm程度の極薄い材料なので、嵌合体3の取扱が極めて煩雑で、しかも、凹部2の深さも浅いので、嵌合体3が嵌合しても取れ易く不安定になっているという問題があった。
これを解決するために、厚さの厚い貝殻を用いることも可能であるが、材料費が大幅に高くなるとともに、貝殻は固いのでレーザによる加工に時間がかかり、効率が悪くなってしまう。
また、従来の製造方法にあっては、複数の凹部2に対応する嵌合体3を逐一手作業で一個一個嵌合させているので、作業が煩雑で手間がかかり作業効率が悪いという問題があり、それだけ、時間あたりの製造数量にも限界があって、コスト高になっているという問題があった。特に、図示した、菊の花の花弁模様Mのように、凹部2が数多くあり、その凹部2同士の間隔も、例えば、0.5mm程度の小さいものになると、極めて作業が煩雑で、熟練工によらなければ、品質の高い製品が得られないという実情があった。
【0004】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、薄い材料でも嵌合体の嵌合を安定化させることができるようにし、ローコストで高品質の象嵌製品を製造するための象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材を提供することを目的とする。
また、複数の凹部に一時に嵌合体を嵌合させることができるようにして、作業を容易にして作業効率を向上させ、コストダウンを図ることのできる象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材に係る象嵌製品は、木製基材に掘削された模様や文字等を構成する複数の凹部に、該複数の凹部に対応する複数の嵌合体を夫々嵌合してなる象嵌製品において、上記嵌合体を、嵌合体本体と該嵌合体本体の裏面に貼着された補強材とを備えて構成している。
この構成によれば、嵌合体本体が極薄い材料であっても、補強材が貼着されているので、嵌合体自体を厚いものにすることができ、そのため、嵌合体の取扱が極めて容易になり、凹部に容易に嵌合させ易くなるとともに、嵌合させた状態では、凹部から容易に外れることがなく、取れにくく安定化させられる。
そして、上記補強材を、レーザ加工機によってレーザ加工が可能な材料で構成している。レーザ加工機によってレーザ加工が可能なので、加工が容易になる。
また、必要に応じ、上記補強材を紙で形成している。補強材が紙なので、木製基材面が湾曲している場合に、湾曲に追従させて曲げることができ、容易に対応できる。
更に、必要に応じ、上記補強材を木で形成している。木製基材と同材質なので良くなじみ、木製基材に対する合いが良く、保持が確実になる。
【0006】
また、上記の課題を解決するための本発明の技術的手段は、木製基材に上からレーザ加工機のレーザ光を照射して所定の位置関係に配置された模様や文字等を構成する複数の凹部を掘削する一方、シート状部材にレーザ加工機のレーザ光を照射して不要部分を削除し上記複数の凹部に対応する複数の嵌合体を削成し、該各嵌合体を上記木製基材の対応する凹部に夫々嵌合して象嵌製品を製造する象嵌製品の製造方法において、上記シート状部材を、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ上記嵌合体を構成し得るシート状の嵌合体本体と、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ上記嵌合体本体の裏面に貼着され該嵌合体本体とともに上記嵌合体を構成し得るシート状の補強材と、上記嵌合体本体の表面に貼着され上記嵌合体を支持するシート状の支持材とで形成し、上記嵌合体を削成する際、上記シート状部材の支持材を残して不要部分を削除し、上記嵌合体本体と該嵌合体本体の裏面に貼着された補強材とから構成され上記複数の凹部とは鏡映対称の複数の嵌合体を削成し、これにより、上記支持材に複数の嵌合体が付設されたパーツ部材を形成し、次に、該パーツ部材の支持材を上にして上記木製基材の凹部に該支持材に付設された嵌合体を嵌合し、その後、上記支持材を取り除く構成としている。
【0007】
また、上記の課題を解決するための本発明の技術的手段は、木製基材に掘削され所定の位置関係に配置された模様や文字等を構成する複数の凹部に、シート状部材の不要部分を削除し上記複数の凹部に対応して削成される複数の嵌合体を嵌合させて製造される象嵌製品の当該複数の嵌合体を有した象嵌製品用パーツ部材において、上記シート状部材を、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ上記嵌合体を構成し得るシート状の嵌合体本体と、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ上記嵌合体本体の裏面に貼着され該嵌合体本体とともに上記嵌合体を構成し得るシート状の補強材と、上記嵌合体本体の表面に貼着され上記嵌合体を支持するシート状の支持材とで形成し、上記シート状部材の支持材を残して不要部分を削除し、上記嵌合体本体と該嵌合体本体の裏面に貼着された補強材とから構成され上記複数の凹部とは鏡映対称の複数の嵌合体を削成し、上記支持材に複数の嵌合体を付設した構成としている。
【0008】
この構成によって象嵌製品を製造するときは、パーツ部材を木製基材に組付ける際、パーツ部材の支持材を上にして、木製基材の凹部に支持材に付設された嵌合体を凹部に対応させて嵌合し、その後、支持材を取り除く。この場合、嵌合体は支持材に一体に設けられているので、複数の嵌合体の位置が複数の凹部の位置に対応して固定されることになり、支持材を逆さにして、押し込むだけで、嵌合体の嵌合を一時に行なうことができ、そのため、従来のように、複数の凹部に対応する嵌合体を逐一手作業で一個一個嵌合させていた場合に比較して、作業が極めて容易に行なわれ、作業効率が大幅に向上させられる。このため、時間あたりの製造数量が大幅に増加することになり、コストダウンを図ることができる。特に、凹部が数多くあり、その凹部同士の間隔が1mm以下のような複雑な模様でも、熟練工によることなく、極めて容易に作業を行なうことができる。
また、嵌合体本体が極薄い材料であっても、補強材が貼着されているので、嵌合体自体を厚いものにすることができ、そのため、嵌合体の取扱が極めて容易になり、凹部に容易に嵌合させ易くなるとともに、嵌合させた状態では、凹部から容易に外れることがなく、嵌合体を取れにくくして安定化させることできる。
【0009】
この象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材において、上記シート状部材の支持材を紙で形成している。木製基材の凹部に支持材に付設された嵌合体を凹部に対応させて嵌合した後、支持材を水洗い等によって取り除くことができ、支持材が取り除き易くなり、取り除き作業が極めて簡単に行なわれる。
また、上記補強材を紙で形成したことが有効である。補強材が紙なので、木製基材面が湾曲している場合に、湾曲に追従させて曲げることができ、容易に対応できる。
更に、上記補強材を木で形成したことが有効である。木製基材と同材質なので良くなじみ、木製基材に対する合いが良く、保持が確実になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材について説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。
図1乃至図7に示すように、本発明の実施の形態に係る製造方法により製造される象嵌製品は、木製基材1に掘削され所定の位置関係に配置された模様M(図では菊の花の花弁模様)を構成する複数の凹部2に、シート状部材10の不要部分を削除し上記複数の凹部2に対応して削成される複数の嵌合体11を嵌合させて製造されるものである。凹部2の深さは、適宜に定めて良い。実施の形態では、0.8mmに定めている。また、木製基材1としては、木製の板素材そのもの、あるいは、盆,箱,箸,数珠,ブローチ等の台座等すでに加工が終わった製品であっても良く、適宜に用いて良い。木の種類はどのような種類のものであっても良い。
嵌合体11は、表面に露出する嵌合体本体13と、嵌合体本体13の裏面に貼着された補強材14とを備えて構成されている。
嵌合体本体13は、後述のレーザ加工機によってレーザ加工が可能な材料で構成され、実施の形態では、貝殻を薄く加工した所謂「らでん」用の材料が用いられている。図4に示すように、嵌合体本体13の厚さtは、例えば、t=0.1〜0.5mm程度である。実施の形態ではt=0.1mmの極薄いものが用いられている。
補強材14は、レーザ加工機によってレーザ加工が可能な材料で構成され、例えば、紙,木等の材料が用いられる。実施の形態では紙が用いられている。図4に示すように、補強材14の厚さTaは、例えば、Ta=0.5〜1mm程度である。実施の形態ではTa=0.7mmのものが用いられている。
【0011】
次に、この象嵌製品を製造する実施の形態に係る製造方法について説明する。
この製造方法においては、先ず、上記の複数の嵌合体11を有した実施の形態に係る象嵌製品用パーツ部材Pを作成する。
このパーツ部材Pの作成においては、図5に示すように、予めシート状部材10を作成する。このシート状部材10は、後述のレーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ嵌合体11を構成し得るシート状の嵌合体本体13と、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ嵌合体本体13の裏面に貼着され嵌合体本体13とともに嵌合体11を構成し得るシート状の補強材14と、嵌合体本体13の表面に貼着され嵌合体11を支持するシート状の支持材15とで形成されている。これらの嵌合体本体13,補強材14及び支持材15の貼着は、接着剤によって行なわれている。嵌合体本体13と支持材15とを貼着する接着剤は、支持材15が後から引き剥しが容易にできるような種類のものが望ましい。例えば、木工用ボンドが用いられる。また、嵌合体本体13と補強材14とを貼着する接着剤としては、引き剥しが困難な種類のものが望ましいが、嵌合体本体13及び補強材14は凹部に嵌合されるので、木工用ボンドでも充分機能する。
【0012】
嵌合体本体13は、上記のように、レーザ加工機によってレーザ加工が可能な材料で構成され、実施の形態では、貝殻を薄く加工した所謂「らでん」用の材料が用いられている。図4に示すように、嵌合体本体13の厚さtは、例えば、t=0.1〜0.5mm程度である。実施の形態ではt=0.1mmの極薄いものが用いられている。
補強材14は、上記のように、レーザ加工機によってレーザ加工が可能な材料で構成され、例えば、紙,木等の材料が用いられる。実施の形態では紙が用いられている。図4に示すように、補強材14の厚さTaは、例えば、Ta=0.5〜1mm程度である。実施の形態ではTa=0.7mmのものが用いられている。
シート状部材10の支持材15は、嵌合体本体13から容易に引き剥しできる材質のものが用いられる。実施の形態では紙が用いられている。図4に示すように、支持材15の厚さTbは、例えば、Tb=0.2〜0.5mm程度である。実施の形態ではTb=0.2mmのものが用いられている。
【0013】
このパーツ部材Pの作成においては、例えば、図9に示すようなコンピュータ制御されるレーザ加工機を用いる。
このレーザ加工機20は、木製基材1やシート状部材10の被加工品が載置される載置台21と、載置台21上の被加工品に向けてレーザ光を照射するレンズ部22と、このレンズ部22をX−Y方向に移動させる駆動機構23とを備えて構成されている。そして、制御部により、予め記憶されたレンズ部22の移動軌跡に基づいて、レンズ部22が駆動され、所要の加工を行なう。上記のパーツ部材Pの加工においては、支持材15を残して不要部分を削除するが、この削除は、レンズ部22の調整によってレーザ光の出力を調整するとともに、レンズ部22の移動速度を調整することにより、支持材15がそのまま残るようにしている。即ち、出力が大き過ぎあるいは移動速度が遅過ぎると、支持材15までも削除されるようになり、一方、出力が小さ過ぎあるいは移動速度が速過ぎると、嵌合体本体13が残るので、これら出力と移動速度を適宜に調整して、適正値に定めている。
【0014】
そして、このパーツ部材Pの作成においては、図1,図4,図7及び図9に示すように、シート状部材10にレーザ加工機のレーザ光を照射して不要部分を削除し、嵌合体本体13と嵌合体本体13の裏面に貼着された補強材14とから構成され木製基材1の複数の凹部2とは鏡映対称の複数の嵌合体11を削成し、これにより、支持材15に複数の嵌合体11を付設した象嵌製品用パーツ部材Pとなす。
詳しくは、レーザ加工機20の載置部21にシート状部材10を載置し、シート状部材10の上からレンズ部22のレーザ光を照射して不要部分を削除し上記複数の凹部2に対応する複数の嵌合体11が支持材15と一体になったパーツ部材Pを作成する。この嵌合体11を削成する際、支持材15が残され、かつ、複数の嵌合体11が上記複数の凹部2とは鏡映対称で形成されるように不要部分が削除される。
この場合、図7に示すように、支持材15に、多数の嵌合体11を列設して形成して良い。そして、支持材15を切断して使用するようにする。
【0015】
更に、実施の形態に係る製造方法について説明すると、上記のレーザ加工機20により、予め木製基材1の加工も行なう。
木製基材1の加工においては、図1,図3及び図9に示すように、レーザ加工機20の載置部21に木製基材1を載置し、木製基材1に上からレンズ部22のレーザ光を照射して所定の位置関係に配置された複数の凹部2からなる模様Mを掘削する。
【0016】
このようにして、木製基材1及びパーツ部材Pを作成したならば、次に組付けを行なう。この組付けは、図6(a)(b)に示すように、木製基材1の凹部2に接着剤を塗布し、パーツ部材Pをその支持材15を上にして、木製基材1の凹部2にパーツ部材Pに付設された嵌合体11を凹部2に対応させて嵌合する。この場合、嵌合体11は支持材15に一体に設けられているので、複数の嵌合体11の位置が複数の凹部2の位置に対応して固定されることになり、支持材15を逆さにして、押し込むだけで、嵌合体11の嵌合を一時に行なうことができ、そのため、従来のように、複数の凹部2に対応する嵌合体11を逐一手作業で一個一個嵌合させていた場合に比較して、作業が極めて容易に行なわれ、作業効率が大幅に向上させられる。このため、時間あたりの製造数量が、大幅に増加することになり、コストダウンを図ることができる。特に、図示した菊の花の花弁模様Mのように、凹部2が数多くあり、その凹部2同士の間隔が、例えば、0.5mm程度の小さいものでも、熟練工によることなく、極めて容易に作業を行なうことができる。
また、嵌合体本体13が、厚さt=0.1mmと極薄い材料ではあるが、補強材14が貼着されているので、嵌合体11自体は厚いものになっており、そのため、嵌合体11の取扱が極めて容易になり、嵌合させ易くなる。
【0017】
その後、図6(C)▲1▼の断面図に示すように、水洗いする等して支持材15を取り除く。この場合、支持材15は、紙なので、容易に水に流され、取り除きが容易に行なわれる。その後、必要に応じ表面を研磨する等して仕上げる。これにより、図2及び図4(C)▲2▼の平面図に示すように、象嵌製品が作成される。この場合、支持材15を取り除くだけで、嵌合体11を露出させることができ、作業が極めて容易に行なわれる。また、この製品においては、凹部2間(模様Mの花弁間)に木製基材1の地肌が露出させられているので、品質が劣ってしまう事がなく、熟練工によらなくても、品質の高い製品が得られるのである。
また、製品においては、嵌合体本体13が、厚さt=0.1mmと極薄い材料ではあるが、補強材14が貼着されているので、嵌合体11自体は厚いものになっており、そのため、凹部2から容易に外れることが抑制され、取れにくく安定化させられる。即ち、嵌合体本体13が薄い材料でも嵌合が安定化させられ、ローコストで高品質の象嵌製品が作成される。
【0018】
尚、上記実施の形態においては、図8に示すように、例えば、木製基材1が球状の数珠のような曲面を持つ材料のものにも容易に対応できる。この場合も、木製基材1の凹部2に接着剤を塗布し、パーツ部材Pをその支持材15を上にして、木製基材1の凹部2にパーツ部材Pに付設された嵌合体11を凹部2に対応させて嵌合する。この場合、支持材15が紙で形成されており、嵌合体11の補強材14が紙で形成されているので、木製基材1の曲面に追従して容易に湾曲させることができ、そのため、複数の嵌合体11の位置を複数の凹部2の位置に対応させて、嵌合体11を凹部2に嵌合させることができ、嵌合を確実に行なうことができる。
尚また、上記実施の形態においては、補強材14として紙を用いたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、厚さTaがTa=0.5〜1mm程度のシート状の木を用いても良い。この場合には、補強材14が木なので、木製基材1と同材質で良くなじみ、そのため、木製基材1に対する合いが良く、保持が確実になる。
【0019】
た、上記実施の形態では、嵌合体本体13として、貝殻を薄く加工した所謂「らでん」用の材料を用いたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、適宜の材料を選択して良いことは勿論である。
また、模様Mも上述した菊の花の花弁模様に限定されるものではなく、どのような模様であっても良い。特に、本発明においては、凹部2が分離した細かい模様Mにおいて極めて有用になる。その模様としては、例えば、各種花の花弁模様、点在する花火模様、散在する星空模様、枝垂れ桜の花同士が離れて咲く風情、魚や竜等の沢山の鱗模様、雪や雨の降る風景等、従来極めて煩雑を極めていたどのような模様にも対応できるのである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材によれば、嵌合体本体が極薄い材料であっても、補強材が貼着されているので、嵌合体自体を厚いものにすることができ、そのため、嵌合体の取扱が極めて容易になり、凹部に容易に嵌合させ易くなるとともに、嵌合させた状態では、凹部から容易に外れることがなく、嵌合体を取れにくく安定化することできる。その結果、嵌合体本体が薄い材料でもそのまま使用できるので、ローコストで高品質の象嵌製品を作成することができる。特に、嵌合体本体が「らでん」用の貝のシート等高価なものである場合には、極めて有用になる。
【0021】
そして、補強材を、レーザ加工機によってレーザ加工が可能な材料で構成した場合には、レーザ加工機によってレーザ加工が可能なので、加工が容易になる。
この際、補強材を紙で形成すれば、レーザ加工が容易になることに加えて、木製基材面が湾曲している場合に、湾曲に追従させて曲げることができ、容易に対応でき、保持をより一層確実にすることができる。
また、補強材を木で形成した場合には、レーザ加工が容易になることに加えて、木製基材に対する合いが良く、保持をより一層確実にすることができる。
【0022】
また、本発明の象嵌製品の製造方法及び象嵌製品用パーツ部材によれば、支持材に複数の嵌合体を複数の凹部と鏡映対称に一体に形成するので、パーツ部材において複数の嵌合体の位置が複数の凹部の位置に対応して固定されることになり、凹部に嵌合体を嵌合させる際、パーツ部材の支持材を上にして、木製基材の凹部に嵌合体を対応させて嵌合するだけで、嵌合体の嵌合を一時に行なうことができ、そのため、従来のように、複数の凹部に対応する嵌合体を逐一手作業で一個一個嵌合させていた場合に比較して、作業を極めて容易に行なうことができ、作業効率を大幅に向上させることができる。このため、時間あたりの製品の製造数量を、大幅に増加させることができ、コストダウンを図ることができる。特に、間隔の小さい凹部が多数ある模様の場合には、熟練工によらなくても、極めて容易に作業を行なうことができる。
また、嵌合体を嵌合させた後は、支持材を取り除けば、象嵌製品を完成させることができ、作業を極めて容易に行なうことができるとともに、隣接する凹部間に木製基材の地肌を露出させることができるので、品質が劣ってしまう事がなく、熟練工によらなくても、品質の高い製品を得ることができる。
更に、嵌合体本体が極薄い材料であっても、補強材が貼着されているので、嵌合体自体を厚いものにすることができ、そのため、嵌合体の取扱が極めて容易になり、凹部に容易に嵌合させ易くなるとともに、嵌合させた状態では、凹部から容易に外れることがなく、嵌合体を取れにくく安定化することできる。その結果、嵌合体本体が薄い材料でもそのまま使用できるので、ローコストで高品質の象嵌製品を作成することができる。
【0023】
そして、シート状部材の支持材を紙で形成したので、水洗い等によって、支持材を取り除き易くなり、取り除き作業を極めて簡単に行なうことができる。
また、補強材を紙で形成すれば、レーザ加工が容易になることに加えて、木製基材面が湾曲している場合に、湾曲に追従させて曲げることができ、容易に対応でき、保持をより一層確実にすることができる。
また、補強材を木で形成した場合には、レーザ加工が容易になることに加えて、木製基材に対する合いが良く、保持をより一層確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る象嵌製品の製造方法において、本発明の実施の形態に係る象嵌製品用パーツ部材を木製基材との関係で示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る象嵌製品の製造方法により製造される象嵌製品を示し、(a)は平面図、(b)は(a)中X−X線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る木製基材を示し、(a)は平面図、(b)は(a)中A−A線断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る象嵌製品用パーツ部材を示し、(a)は平面図、(b)は(a)中B−B線断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る象嵌製品用パーツ部材のためのシート状部材の製造工程(a)(b)を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る象嵌製品の製造方法の工程(a)(b)(c)を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る象嵌製品用パーツ部材の加工形態を示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る象嵌製品の製造方法により製造される象嵌製品の別の製造例を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る象嵌製品の製造方法に用いられるレーザ加工機の一例を示す斜視図である。
【図10】従来の象嵌製品の製造方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 木製基材
2 凹部
M 模様
10 シート状部材
P パーツ部材
11 嵌合体
13 嵌合体本体
14 補強材
15 支持材
t 嵌合体本体の厚さ
Ta 補強材の厚さ
Tb 支持材の厚さ
20 レーザ加工機
21 載置台
22 レンズ部
23 駆動機構

Claims (6)

  1. 木製基材に上からレーザ加工機のレーザ光を照射して所定の位置関係に配置された模様や文字等を構成する複数の凹部を掘削する一方、シート状部材にレーザ加工機のレーザ光を照射して不要部分を削除し上記複数の凹部に対応する複数の嵌合体を削成し、該各嵌合体を上記木製基材の対応する凹部に夫々嵌合して象嵌製品を製造する象嵌製品の製造方法において、
    上記シート状部材を、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ上記嵌合体を構成し得るシート状の嵌合体本体と、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ上記嵌合体本体の裏面に貼着され該嵌合体本体とともに上記嵌合体を構成し得るシート状の補強材と、上記嵌合体本体の表面に貼着され上記嵌合体を支持するシート状の支持材とで形成し、
    上記シート状部材の支持材を紙で形成し、
    上記嵌合体を削成する際、レーザ加工機によるレーザ加工によって上記シート状部材の支持材を残して不要部分を削除し、上記嵌合体本体と該嵌合体本体の裏面に貼着された補強材とから構成され上記複数の凹部とは鏡映対称の複数の嵌合体を削成し、これにより、上記支持材に複数の嵌合体が付設されたパーツ部材を形成し、
    次に、該パーツ部材の支持材を上にして上記木製基材の凹部に該支持材に付設された嵌合体を嵌合し、
    その後、上記支持材を水洗いにより取り除くことを特徴とする象嵌製品の製造方法。
  2. 上記補強材を紙で形成したことを特徴とする請求項1記載の象嵌製品の製造方法。
  3. 上記補強材を木で形成したことを特徴とする請求項1記載の象嵌製品の製造方法。
  4. 木製基材に掘削され所定の位置関係に配置された模様や文字等を構成する複数の凹部に、シート状部材の不要部分を削除し上記複数の凹部に対応して削成される複数の嵌合体を嵌合させて製造される象嵌製品の当該複数の嵌合体を有した象嵌製品用パーツ部材において、
    上記シート状部材を、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ上記嵌合体を構成し得るシート状の嵌合体本体と、レーザ加工機によってレーザ加工が可能かつ上記嵌合体本体の裏面に貼着され該嵌合体本体とともに上記嵌合体を構成し得るシート状の補強材と、上記嵌合体本体の表面に貼着され上記嵌合体を支持するシート状の支持材とで形成し、
    上記シート状部材の支持材を紙で形成し、
    レーザ加工機によるレーザ加工によって上記シート状部材の支持材を残して不要部分を削除し、上記嵌合体本体と該嵌合体本体の裏面に貼着された補強材とから構成され上記複数の凹部とは鏡映対称の複数の嵌合体を削成し、上記支持材に複数の嵌合体を付設して構成したことを特徴とする象嵌製品用パーツ部材。
  5. 上記補強材を紙で形成したことを特徴とする請求項4記載の象嵌製品用パーツ部材。
  6. 上記補強材を木で形成したことを特徴とする請求項4記載の象嵌製品用パーツ部材。
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