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JP3563328B2 - ルート制御システム - Google Patents
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JP3563328B2 - ルート制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ転送網の入力エッジノードと出力エッジノードとの間をつなぐコネクションのルート制御に利用する。
【0002】
【従来の技術】
Ethernet LAN(Local Area Network)やインターネットの急速な普及に見られるように、データ通信トラヒックの需要が増大している。データ通信トラヒックをWAN(Wide Area Network)において転送する技術として、ATMが注目されている。ATMでは、セルと呼ばれる固定長のパケットを転送単位としている。
【0003】
このセルには転送データとともに宛先情報のような転送制御情報が付加されており、各ATMスイッチで転送制御情報をもとに中継することによりATM網上を転送される。ATMは基本的にコネクション型通信方式を採用しており、ATM網内のデータ通信トラヒックの転送はATM網の入力エッジノードと出力エッジノードの間にあらかじめコネクションを設定し、そのコネクション上を転送することで実現する。
【0004】
現在、インターネットに代表されるデータ通信の多くは、あらかじめ帯域予約を行わないベストエフォート型のサービスでユーザのパケット転送が行われている。前述のとおりベストエフォート型サービスでは、帯域予約が行われないため、ATM網内に流入するトラヒック量が増加すると、輻輳が発生してセル廃棄が起こる。廃棄されたセルは端末により再送されるため、一度輻輳が発生すると、極端にスループットが低下するという問題点がある。そのため、ベストエフォート型サービスを提供するATM網では輻輳を回避する輻輳制御が重要である。
【0005】
従来の輻輳制御技術として、ECN(Explicit Congestion Notification)方式がある。この方式は、リンクにおいて輻輳状態が検知されると当該ノードは発信側端末に輻輳発生を通知する。輻輳通知を受けた端末がセル送出レートを低下させることにより、輻輳状態を解除してセル廃棄を防ぐ。
【0006】
ベストエフォート型トラヒックをABR(Available Bit Rate)サービスを用いて転送する方式では、各コネクション毎にRM(Resource Management)セルを用いて端末の送出レートのフィードバック制御を行うことにより、セル廃棄の発生を避けて輻輳を回避する。
【0007】
このような従来提案された輻輳回避システムでは、あらかじめエッジノード間に設定されたルート上で発生する輻輳をATM網内に流入するトラヒック量に規制することで回避しているにすぎず、設定されたルートが最適でなければ、増大したトラヒックが特定のリンクに集中してしまい、そのリンクに輻輳が頻発する一方で、ほとんど資源が利用されていないリンクが存在するという状況が発生する。このような状況は、ATM網全体の資源を効率的に運用しているとは言えない。
【0008】
ATM網の利用効率を高めつつ輻輳を減少させる手段としては、輻輳リンクを通るトラヒックのルートを分散させることによる負荷分散方式が有効である。このような方式としては、特開平5−292109号公報に開示されたATM網内の論理パス分散収容呼接続方式がある。これは、ATM網内のバーストの集中あるいは障害発生によって局所的にトラヒックが急上昇した場合に、ATM網内のセル廃棄およびセル遅延時間の増大を抑制するために、常時、呼毎に発着交換ノード間の複数のルートに論理パスを収容する方式である。
【0009】
この方式では、ATM網内の発呼毎に、発着交換ノードの複数の各ルート毎に、あらかじめ計算されたパーセント遅延の推定値を比較し、それを最小とするルート(伝送路)のうち一つに論理パスを収容することによって、ATM網内の伝送路に論理パスを分散させて収容させるようになっている。
【0010】
この方式では、ATM網内の各中継ノードに対して、着側交換ノードまでの経路表が必要であり、また呼毎に発着ノード間の各経路のパーセント遅延を、時間とともに変化するトラヒックに対して推定および比較し、発着ノード間の各経路のパーセント遅延を最小とする経路を計算する機能が必要である。このような構成の複雑さのため大規模化に問題がある。
【0011】
各呼にあらかじめ設定されたルートの中から各中継ノードの出力(入力)バッファでのパーセント遅延の和を最小にする経路を選択するルート制御では、ATM網資源の利用効率が考慮に入れた選択がされていないため、最短経路に比べ極端に多い中継ノードを経由するルートを選択することがあり、ATM網の効率的運用の観点から問題が残る。
【0012】
また、この方式の適用領域は通信を行う前に発着ノード間で呼設定を行うコネクション型通信であり、また通信を行う前に呼毎に必要な帯域をATM網に対して申告することが前提となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ATM網を用いてベストエフォート型サービスのデータ通信トラヒックを転送する場合には、パケットをAALタイプ5によりセルに分割し、入力エッジノードと出力エッジノード間に半永久的に設定されたコネクションのルート上を転送する。また、ベストエフォート型サービスのデータ通信トラヒックは、通信を行なう際にあらかじめATM網に対して必要な帯域やトラヒックの性質を申告しないことを特徴としており、動的に容量が変更し、かつその性質を規定することが困難である。
【0014】
したがって、固定的に最適なルートを設定することは難しくルート最適化のためにはトラヒック量の変化に合わせてルートを変更する必要がある。しかし、時間的に変化する各エッジノード間のトラヒック量を測定する作業は非常に膨大かつ複雑な処理であり、測定された各エッジノード間のトラヒック量をもとに最適なルートを計算することは現実的ではない。また、ルート切替要求が発生した時点でのトラヒック量の測定結果だけに依存してルート切替えを実行してしまうと、トラヒック状況は時々刻々変化するために、必ずしも最適なルート切替えを実現することは困難である。
【0015】
本発明は、このような背景に行われたものであって、輻輳発生頻度の高いルートを回避してルート切替えを実行することができるルート制御システムを提供することを目的とする。本発明は、輻輳発生頻度をATM網全体で均等化して負荷分散を図り、ATM網のスループットを向上させることができるルート制御システムを提供することを目的とする。本発明は、ATM網全体のネットワーク資源を効率的に運用できるルート制御システムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明はルート制御システムであって、本発明の特徴とするところは、ATM網内のコネクションの設定を行う手段と、当該ATM網内の各リンクの過去の輻輳発生頻度に基づき当該各リンクの負荷状態情報を生成する手段とが設けられ、前記設定を行う手段は、ルート切替要求にしたがって、当該ATM網内の各リンクの負荷状態情報に基づき現在のルートよりも負荷が低く現在のルートのネットワーク資源の消費量との差が許容範囲内である迂回ルートが存在するときに現在のルートを当該迂回ルートに切替える手段を備えたところにある。
【0017】
ここで、前記ネットワーク資源の消費量とは、例えば、ルートの距離が長くなればなるほど、経由する中継ノード数が多くなるために、ネットワーク資源の消費量が増加するということである。また、前記許容範囲とは、例えば、現在のルートと比較して距離が著しく長くなってしまうような迂回ルートは、迂回ルートとして適当ではないと判断するために設けられるネットワーク資源の消費量のとる値の範囲であり、そのネットワークの状況に応じて適当に定めることが望ましい。
【0018】
すなわち、現在のルートが過負荷状態に陥ったときに、現在のルートよりも負荷の低いルートを迂回ルートとして選択するが、本発明では、負荷の状況を過去の輻輳発生頻度によって推定する。さらに、この迂回ルートへの切替えによって消費されるネットワーク資源が現在のルートが消費するネットワーク資源と比較して許容範囲を逸脱している場合には、切替えを断念することを特徴とする。
【0019】
このように、負荷の状況を過去の輻輳発生頻度に基づき推定するので、輻輳が発生し易いルートにトラヒックが集中するといった事態を回避することができる。さらに、ネットワーク資源の消費量を考慮して切替実行の可否を判断するので、ATM網全体のネットワーク資源を効率的に運用することができる。
【0020】
前記負荷状態情報を生成する手段は、リンクi(iは各リンクに付与された番号)のネットワーク資源の消費量を定常的な負荷diとし、リンクiの運用中に観測される輻輳発生頻度Niに基づく単調非減少関数として算出されるリンクiの流動的な負荷をf(Ni)としてリンクコストf(Ni)*diを計算する手段を備え前記迂回ルートに切替える手段は、前記迂回ルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和を前記現在のルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和で除した値を指標αとして計算する手段を備え、当該ATM網にあらかじめ設定されたルート切替閾値をαHとしα<αHであるときには前記現在のルートから前記迂回ルートへ切替えを行う手段を含むことが望ましい。
【0021】
このルート切替閾値αHは、当該ATM網の平均トラヒック量その他の各種要因を考慮して設定される値であり、当該ATM網の構築時あるいはATM網構成の変更時に適当な値に設定されることが望ましい。
【0022】
本発明のルート制御システムをさらに具体的に説明すると、コネクションの開始点とATM網との境界に設置される入力エッジノードと、前記コネクションの終端点と前記ATM網との境界に設置される出力エッジノードと、前記入力エッジノードと前記出力エッジノードとの伝送路に介挿される複数の中継ノードと、
当該ATM網内の負荷情報を記録する負荷情報データベースと、当該網内のコネクションの設定を行なう経路設定装置とを備え、前記中継ノードは、当該中継ノードが接続されているリンクへ流入するトラヒック量を監視するトラヒック監視手段と、このトラヒック監視手段によるトラヒック量の監視結果にしたがって前記リンクの輻輳を検出する輻輳検出手段と、この輻輳検出手段により検出された輻輳発生に関する情報を前記負荷情報データベースに通知する輻輳情報通知手段と、この輻輳情報通知手段により通知された輻輳発生に関する情報からルート切替を要求するか否かを判断するルート切替要求判断手段とを備え、前記負荷情報データベースは、受信した輻輳発生に関する情報から各リンクの負荷状態を推定するリンク負荷状態判断手段と、当該リンクの負荷状態を記録する手段と、要求にしたがい記録されたATM網内の各リンクの負荷状態情報を送信する手段とを備え、前記経路設定装置は、当該負荷情報データベースから当該ATM網内の各リンクの負荷状態に関する情報を取得する手段と、当該各リンクの負荷状態情報から前記入力エッジノードから前記出力エッジノードまでの現在のルートよりも負荷が低く現在のルートのネットワーク資源の消費量との差が許容範囲内であるルートを迂回ルートとして選択する最適経路計算手段と、あらかじめ設定された切替閾値と比較して現在のルートから前記選択された迂回ルートへの切替実行の可否を判断するルート切替判断手段とを備え、前記リンク負荷状態判断手段は、リンクi(iは各リンクに付与された番号)のネットワーク資源の消費量を定常的な負荷diとし、リンクiの運用中に観測される輻輳発生頻度Niに基づく単調非減少関数として算出されるリンクiの流動的な負荷をf(Ni)としてリンクコストf(Ni)*diを計算する手段を含み、前記ルート切替判断手段は、前記迂回ルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和を前記現在のルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和で除した値を指標αとして計算する手段を備え、当該ATM網にあらかじめ設定されたルート切替閾値をαHとし、α<αHであるときには前記現在のルートから前記迂回ルートへの切替実行可と判断する手段を含むところにある。
【0023】
前記輻輳発生に関する情報は、輻輳発生に関する履歴から計算された輻輳発生頻度の情報であることが望ましい。
【0024】
また、前記入力エッジノードには、前記経路設定装置および前記負荷情報データベースが設けられ、当該入力エッジノードを通過するコネクションの迂回ルートの候補の選択およびルート切替可否判断を当該入力エッジノードで自律分散的に行なう手段を備えた構成とすることもできる。
【0025】
すなわち、各中継ノードは自ノードが接続されているリンクへ流入するトラヒック量を監視し、出力側リンクへの平均流入速度が出力リンク速度を一定時間以上にわたって超過している状態のときに発生する輻輳を検出し、一定期間内の輻輳発生に関する履歴を保存する。さらに、その周期内での輻輳発生頻度を負荷情報データベースに通知し、一定期間内の輻輳発生に関する履歴から負荷状態を推定してルート切替を要求するか否かを判断する。
【0026】
負荷情報データベースは、ATM網内の各中継ノードに接続されており、ATM網内のすべてのノードとリンクのトポロジに関する情報をもち、各リンクの負荷状態を記録することができる。各中継ノードは自ノードに接続されているリンクの輻輳情報を負荷情報データべ−スに送信し、負荷状態データベースはATM網内の各中継ノードから送信される輻輳情報からATM網内の各リンクの負荷状態を推定する。また、リンクの輻輳発生頻度によりすでに記録されている負荷状態情報を更新する。さらに要求にしたがい、ATM網内のトポロジと各リンクの負荷状態情報を送信することができる。
【0027】
経路設定装置は、入力エッジノードと出力エッジノードまでに経由する中継ノードを指定したコネクションを設定する。経路設定装置は、負荷情報データベースと接続されており、負荷情報データベースからATM網のトポロジと負荷状態に関する情報を取得してその情報を記録する。また、負荷情報データベースの情報をもとに入力エッジノードから出力エッジノードまでの過去の輻輳発生頻度に基づき負荷を推定して迂回ルートを選択し、選択された迂回ルートに切替えるか否かを判断する。
【0028】
中継ノードは、自ノードに接続されているリンクの単位時間内の輻輳発生頻度がある一定値を超える状態が続いた状態を検出すると、該当リンクを通過するコネクションの経路設定を行なう経路設定装置にルート切替要求を送信する。
【0029】
ルート切替要求を受信した経路設定装置は負荷分散を図るために、まず該当リンクを迂回する迂回ルートを選択する。このとき、ATM網内の各リンクの過去の輻輳発生頻度に基づく負荷状態情報を考慮に入れて行われるため、輻輳発生頻度の高いルートにトラヒックが集中することを回避できる。さらに、現在のルートのネットワーク資源の消費量と迂回ルートのネットワーク資源の消費量とを比較してその差が許容範囲内を逸脱しない場合に限りルート切替えを実行するため、ATM網全体のネットワーク資源を有効利用する形で負荷分散をはかり、輻輳発生頻度を減少させることができる。輻輳が減少すると、セル廃棄が減少するため、ATM網のスループットが向上する。
【0030】
このように、ATM網全体のスループットを最大化するためには特定のリンクに集中している負荷をATM網全体に分散させる必要があるが、本発明のルート制御システムは、各コネクションのルート上での輻輳発生頻度を均等化させることができる。
【0031】
すなわち、輻輳リンクを通るすべてのコネクションのルートを変更すると、再び他のリンクに負荷が偏ってしまうので、負荷分散を図るためには、適切にルート変更をするコネクションを選択し、過負荷状態にあるリンクを通過するトラヒック量を適切な値に調節することが必要である。本発明の経路設定装置は、現在のコネクションのルート上での負荷が高い場合で、過去の輻輳発生頻度に基づき推定される負荷の低い迂回ルートの候補が存在し、さらに、迂回ルートが消費するネットワーク資源が現在のルートが消費するネットワーク資源と比べて許容範囲内にある場合のみルー卜切替を行なう。ルート切替を判断すると、計算された迂回ルートにしたがいコネクションを設定し、当該コネクションを切り替える。このような手順によりATM網全体のネットワーク資源の効率的な利用とルート変更によるトラヒックの急激なシフトの予防を実現している。
【0032】
このようにして、本発明ではATM網内の輻輳発生情報を収集し、その情報をもとに推定されたATM網全体の負荷状態を使い、各エッジノード間のコネクションのルートを最適化することで、各リンクでの輻輳の発生頻度を均一化し負荷分散を図り、ATM網全体のスループットを向上することができ、ATM網全体のネットワーク資源を効率的に運用することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明実施例のルート制御システムの構成を図1ないし図4を参照して説明する。図1は本発明実施例のルート制御システムの全体構成図である。図2は本発明実施例の中継ノードの要部ブロック構成図である。図3は本発明実施例の負荷情報データベースの要部ブロック構成図である。図4は本発明実施例の経路設定装置の要部ブロック構成図である。
【0034】
本発明は、ATM網1内のコネクションの設定を行う経路設定装置2と、当該ATM網内の各リンクの過去の輻輳発生頻度に基づき当該各リンクの負荷状態情報を生成するリンク負荷状態判断部60とが設けられ、経路設定装置2は、ルート切替要求にしたがって、ATM網1内の各リンクの負荷状態情報に基づき現在のルートよりも負荷が低く現在のルートのネットワーク資源の消費量との差が許容範囲内である迂回ルートが存在するときに現在のルートを当該迂回ルートに切替えるルート切替判断部21を備えたことを特徴とする。
【0035】
リンク負荷状態判断部60は、リンクi(iは各リンクに付与された番号)のネットワーク資源の消費量を定常的な負荷diとし、リンクiの運用中に観測される輻輳発生頻度Niに基づく単調非減少関数として算出されるリンクiの流動的な負荷をf(Ni)としてリンクコストf(Ni)*diを計算し、前記迂回ルートの候補の各リンクコストf(Ni)*diの総和を前記現在のルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和で除した値を指標αとして計算し、当該ATM網1にあらかじめ設定されたルート切替閾値をαHとするときに、ルート切替判断部21は、α<αHであるときには前記現在のルートから前記迂回ルートへの切替実行可と判断する。
【0036】
さらに、具体的に説明すると、コネクションの開始点とATM網1との境界に設置される入力エッジノード3と、前記コネクションの終端点とATM網1との境界に設置される出力エッジノード4と、入力エッジノード3と出力エッジノード4との伝送路に介挿される複数の中継ノード5と、ATM網1内の負荷情報を記録する負荷情報データベース6と、ATM綱1内のコネクションの設定を行なう経路設定装置2とを備え、中継ノード5は、当該中継ノード5が接続されているリンクへ流入するトラヒック量を監視するモニタ部50と、このモニタ部50によるトラヒック量の監視結果にしたがって前記リンクの輻輳を検出する輻輳検出部51と、この輻輳検出部51により検出された輻輳発生に関する情報を負荷情報データベース6に通知する輻輳情報通知部52と、この輻輳情報通知部52により通知された輻輳発生に関する情報からルート切替を要求するか否かを判断するルート切替要求判断部53とを備え、負荷情報データベース6は、受信した輻輳発生に関する情報から各リンクの負荷状態を推定するリンク負荷状態判断部60と、当該リンクの負荷状態を記録するとともに要求にしたがい記録されたATM網1内の各リンクの負荷状態情報を送信する各リンク別負荷状態情報格納部61とを備え、経路設定装置2は、当該負荷情報データベース6から当該ATM網1内の各リンクの負荷状態に関する情報を取得するデータベース22と、当該各リンクの負荷状態情報から入力エッジノード3から出力エッジノード4までの現在のルートよりも負荷が低く現在のルートのネットワーク資源の消費量との差が許容範囲内であるルートを迂回ルートとして選択する最適経路計算部20と、現在のルートから前記迂回ルートへの切替実行の可否を判断するルート切替判断部21とを備え、リンク負荷状態判断部60は、リンクiのネットワーク資源の消費量を定常的な負荷diとし、リンクiの運用中に観測される輻輳発生頻度Niに基づく単調非減少関数として算出されるリンクiの流動的な負荷をf(Ni)としてリンクコストf(Ni)*diを計算し、前記迂回ルートの候補の各リンクコストf(Ni)*diの総和を前記現在のルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和で除した値を指標αとして計算し、当該ATM網1にあらかじめ設定されたルート切替閾値をαHするときに、ルート切替判断部21は、α<αHであるときには前記現在のルートから前記迂回ルートへの切替実行可と判断するところにある。前記輻輳発生に関する情報は、輻輳発生に関する履歴から計算された輻輳発生頻度の情報である。
【0037】
また、別の実施例として、入力エッジノード3には、経路設定装置2および負荷情報データベース6が設けられ、当該入力エッジノード3を通過するコネクションの迂回ルートの候補の選択およびルート切替可否判断を当該入力エッジノード3で自律分散的に行なう構成とすることもできる。以下では、本発明実施例をさらに詳細に説明する。
【0038】
図1に示すように、ATM網1内には、ATMコネクションの開始点となる入力エッジノード3と、コネクションの終端点となる出力エッジノード4が配置されている。入力エッジノード3と出力エッジノード4の間には複数の中継ノード5が配置されており、入力エッジノード3と出力エッジノード4間の転送パケット(セル)を中継するようになっている。ATM網1内にはあらかじめ入力エッジノード3と出力エッジノード4の間で半永久的なコネクションが設定されており、このコネクション上をデータ通信トラヒックは転送される。
【0039】
負荷情報データベース6はATM網1内にある各リンクの負荷状態の監視を行ない、各リンクの負荷状態情報を格納している。経路設定装置2はコネクションの設定の機能を持つ。
【0040】
図2に示すように、各中継ノード5には輻輳検出部51が設けられており、自ノードに接続されているリンクのトラヒック量を監視し、出力側リンクへの平均流入速度が出力リンク速度より一定時間以上大きいときに発生する輻輳状態を検知することができる。輻輳状態を検知すると、その状態の発生を輻輳情報通知部52に通知する。輻輳情報通知部52には過去TM内に起きた輻輳状態発生の時系列データが格納されている。
【0041】
図5は輻輳発生情報から各リンクの負荷状態を推定する原理を説明するための図である。TLは輻輳情報送信周期である。TMは輻輳情報格納時間幅である。tcは現在時刻である。tnは輻輳情報送信時刻である。図5に示すように、中継ノード5は、TL時間ごとの一定間隔で負荷情報データベース6へ輻輳情報を通知する。通知する情報は、過去TL時間内の輻輳発生頻度で、過去TL時間内に発生した輻輳発生回数をTLで割った値である。通知する情報は他に、発信元アドレスと、中継ノード5に接続されている各リンクの輻輳発生頻度等の輻輳情報がであり、負荷情報データベース6は、この情報をリンク負荷状態判断部60に渡し、リンクの負荷状態を推定する。各リンクの輻輳発生頻度をNiとすると(ここで、添字のiはリンクに付けられた番号)、Ni≧CHのとき過負荷状態、Ni≦CLのとき低負荷状態と判断する。
【0042】
図6は輻輳発生頻度の変動を示す図であり、横軸に時間をとり、縦軸に輻輳発生頻度をとる。図6に示すように、輻輳発生頻度は時間とともに変動する。したがって、図6における輻輳が発生していない時間帯に当該ルートが迂回ルートの候補として選択された場合には、従来技術によれば、そのまま現在のルートから当該迂回ルートの候補へのルート切替えが実行されてしまうが、本発明によれば、過去の輻輳発生頻度に基づき負荷状態が推定されるため、輻輳発生頻度の高いルートへの切替えを回避することができる。
【0043】
図7は最適ルートの計算に用いる関数を説明するための図であり、横軸に輻輳発生頻度αをとり、縦軸に単調非減少関数f(α)をとる。図7に示すように、負荷状態を数値化するために関数f(α)を用いる。関数f(α)はリンクの輻輳発生頻度から負荷状態を決定する役割を持ち、0<f(0)≦1、f(CL)=1以上の単調非減少関数である。すなわち、低負荷状態のリンクには1未満の値、過負荷状態のリンクは常に1以上の値が与えられる。
【0044】
負荷情報データベース6内のトポロジデータベース62は、ATM1内のノード、リンクに関する情報のほかに、各リンクに半固定的に与えられたコストdiの情報を持つ。リンク負荷状態判断部60は、リンクの負荷状態を反映したコストf(Ni)*diを計算する。このコストは低負荷状態のときはdiより小さい値に、負荷が高いリンクではdiより大きい値となる。計算されたリンクの負荷状態を反映したコストf(Ni)*diは各リンク別負荷状態情報格納部61に記録される。負荷情報データべ一ス6は、中継ノード5から輻輳情報を受取る度にこの各リンク別負荷状態情報格納部61を更新し、経路設定装置2からデータベース情報の要求があると、経路設定装置2にその情報を通知する機能を持つ。中継ノード5は過去TM内の平均輻輳発生頻度がCHを越えたことを検出すると、該当リンクを通過するコネクションの設定を行なう経路設定装置2にルート切替要求を送信する。要求と同時に値αHを通知する。
【0045】
図8は経路設定装置2がルート切替要求を受信してからルート切替を判断するまでの動作を示すフローチャートである。図8に示すように、ルート切替要求を受信した経路設定装置2は該当リンクを迂回するルートの計算を行うが、以下に迂回ルートの計算方法を具体的に説明する。経路設定装置2は定期的に負荷情報データベース6にアクセスし、ATM網1内の各リンクの負荷状態情報を取得し、自ノードのデータベース22を更新する。最適経路計算部20はこのデータベース22の情報に基づき、入力エッジノード3から出力エッジノード4までの各リンクの負荷状態を反映したコストf(Ni)*diの和が最小になるルートを計算する。計算された迂回ルートは、輻輳発生頻度の高い過負荷状態のリンクは迂回され、低負荷状態のリンクをATM網資源の消費を増加させない範囲で選択されたものである。
【0046】
入力エッジノード3は迂回ルートの計算が終了すると、迂回ルート切替をするか否かを判断するために迂回ルートの消費するATM網資源の指標αを計算する。αは
α=(迂回ルートの各リンクコスf(Ni)*diの総和)/(現在のルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和)で定義される。入力エッジノード3は、計算されたαを中継ノード5から送られてきたαHと比較して、この値より小さいときに計算された迂回ルートへコネクションのルート切替を判断する。ルート切替を判断すると、ルート切替判断部21は該当コネクションのルートを計算された迂回ルートへと切り替えるようにルート切替部7に指示する。
【0047】
このような閾値αHと比較してルート切替を決定することにより、当該リンクを通るコネクションの中で、現在のコネクションのルート上でのリンク負荷が特に高く、かつ過去の輻輳発生頻度が小さく、さらに、現在のルートのネットワーク資源の消費量と比較してそのネットワーク資源の消費量が許容範囲内の迂回ルートが存在するコネクションのみが選択されてルート切替される。
【0048】
このため、輻輳リンクを迂回することで過去の輻輳発生頻度が高いルートをとおらなければならないコネクションはルート変更をしないため、ATM網資源の有効利用が図れ、効率的なATM網1の運用が図れる。効率的なATM網1の運用を行なうことで、複数箇所で輻輳が発生している状況でも、適切に負荷分散を図ることが可能である。
【0049】
図1ないし図4に示した実施例は、ATM網1内に一つの負荷情報データベース6と経路設定装置2を設けた構成を説明したが、段落0046の説明のように、負荷情報データベース6と経路設定装置2の機能を各入力エッジノード3内に持たせ、各入力エッジノード3で当該入力エッジノード3が収容するコネクションについて、個々の入力エッジノード3で自律分散的にルート制御を実行する構成とすることもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ATM網内の輻輳発生情報を収集し、その情報をもとに推定されたATM網の各リンクの負荷状態を用いて、各エッジノード間のコネクションのルートを最適化することで、各リンクでの輻輳の発生頻度を均一化し、負荷分散を図ることができる。
【0051】
すなわち、トラヒックの集中により輻輳が頻発しているリンクの負荷を、輻輳発生頻度の小さいリンクへと分散させることができるので、ATM網内で発生するセル廃棄を少なくすることができ、ATM網のスループットを向上させることができる。このようにして、ATM網全体のネットワーク資源を効率的に運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のルート制御システムの全体構成図。
【図2】本発明実施例の中継ノードの構成の要部ブロック構成図。
【図3】本発明実施例の負荷情報データベースの要部ブロック構成図。
【図4】本発明実施例の経路設定装置の要部ブロック構成図。
【図5】輻輳発生情報から各リンクの負荷状態を推定する原理を説明するための図。
【図6】輻輳発生頻度の変動を示す図。
【図7】最適ルートの計算に用いる関数を説明するための図。
【図8】経路設定装置がルート切替要求を受信してからルート切替を判断するまでの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 ATM網
2 経路設定装置
3 入力エッジノード
4 出力エッジノード
5 中継ノード
6 負荷情報データベース
7 ルート切替部
20 最適経路計算部
21 ルート切替判断部
22 データベース
50 モニタ部
51 輻輳検出部
52 輻輳情報通知部
53 ルート切替要求判断部
60 リンク負荷状態判断部
61 各リンク別負荷状態情報格納部
62 トポロジデータベース

Claims (5)

  1. 非同期転送モード(以下、Asynchronous Transfer Mode:ATMという)網内のコネクションの設定を行う手段と、
    当該ATM網内の各リンクの過去の輻輳発生頻度に基づき当該各リンクの負荷状態情報を生成する手段と
    が設けられ、
    前記設定を行う手段は、
    ルート切替要求にしたがって、
    当該ATM網内の各リンクの前記負荷状態情報に基づき現在のルートよりも負荷が低く現在のルートのネットワーク資源の消費量との差が許容範囲内である迂回ルートが存在するときに現在のルートを当該迂回ルートに切替える手段を備えた
    ことを特徴とするルート制御システム。
  2. 前記負荷状態情報を生成する手段は、リンクi(iは各リンクに付与された番号)のネットワーク資源の消費量を定常的な負荷diとし、リンクiの運用中に観測される輻輳発生頻度Niに基づく単調非減少関数として算出されるリンクiの流動的な負荷をf(Ni)としてリンクコストf(Ni)*diを計算する手段を備え
    前記迂回ルートに切替える手段は、前記迂回ルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和を前記現在のルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和で除した値を指標αとして計算する手段を備え、
    当該ATM網にあらかじめ設定されたルート切替閾値をαHとし
    α<αH
    であるときには前記現在のルートから前記迂回ルートへ切替えを行う手段を含む
    請求項1記載のルート制御システム。
  3. コネクションの開始点とATM網との境界に設置される入力エッジノードと、
    前記コネクションの終端点と前記ATM網との境界に設置される出力エッジノードと、
    前記入力エッジノードと前記出力エッジノードとの伝送路に介挿される複数の中継ノードと、
    当該ATM網内の負荷情報を記録する負荷情報データベースと、
    当該網内のコネクションの設定を行なう経路設定装置と
    を備え、
    前記中継ノードは、当該中継ノードが接続されているリンクへ流入するトラヒック量を監視するトラヒック監視手段と、このトラヒック監視手段によるトラヒック量の監視結果にしたがって前記リンクの輻輳を検出する輻輳検出手段と、この輻輳検出手段により検出された輻輳発生に関する情報を前記負荷情報データベースに通知する輻輳情報通知手段と、この輻輳情報通知手段により通知された輻輳発生に関する情報からルート切替を要求するか否かを判断するルート切替要求判断手段とを備え、
    前記負荷情報データベースは、受信した輻輳発生に関する情報から各リンクの負荷状態を推定するリンク負荷状態判断手段と、当該リンクの負荷状態を記録する手段と、要求にしたがい記録されたATM網内の各リンクの負荷状態情報を送信する手段とを備え、
    前記経路設定装置は、当該負荷情報データベースから当該ATM網内の各リンクの負荷状態に関する情報を取得する手段と、当該各リンクの負荷状態情報から前記入力エッジノードから前記出力エッジノードまでの現在のルートよりも負荷が低く現在のルートのネットワーク資源の消費量との差が許容範囲内であるルートを迂回ルートとして選択する最適経路計算手段と、あらかじめ設定された切替閾値と比較して現在のルートから前記選択された迂回ルートへの切替実行の可否を判断するルート切替判断手段とを備え、
    前記リンク負荷状態判断手段は、リンクi(iは各リンクに付与された番号)のネットワーク資源の消費量を定常的な負荷diとし、リンクiの運用中に観測される輻輳発生頻度Niに基づく単調非減少関数として算出されるリンクiの流動的な負荷をf(Ni)としてリンクコストf(Ni)*diを計算する手段を含み、
    前記ルート切替判断手段は、前記迂回ルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和を前記現在のルートの各リンクコストf(Ni)*diの総和で除した値を指標αとして計算する手段を備え、
    当該ATM網にあらかじめ設定されたルート切替閾値をαHとし
    α<αH
    であるときには前記現在のルートから前記迂回ルートへの切替実行可と判断する手段を含む
    ことを特徴とするルート制御システム。
  4. 前記輻輳発生に関する情報は、輻輳発生に関する履歴から計算された輻輳発生頻度の情報である請求項3記載のルート制御システム。
  5. 前記入力エッジノードには、前記経路設定装置および前記負荷情報データベースが設けられ、
    当該入力エッジノードを通過するコネクションの迂回ルートの候補の選択およびルート切替可否判断を当該入力エッジノードで自律分散的に行なう手段を備えた請求項3記載のルート制御システム。
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