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JP3564166B2 - ディスク装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスク面に記録されたサーボ情報の位相を判定してヘッドの位置を検出するディスク装置に関し、特にサーボ情報読出波形のゼロクロスを検出してヘッド位置を検出するディスク装置に関する。
磁気ディスク装置は、回転する磁気ディスクの半径方向に、ヘッドを移動して目標トラックに位置決めし、磁気ヘッドにより磁気ディスクのトラックにデータをリードし、またトラックのデータをライトする記憶装置である。この磁気ディスク装置では、記憶容量の増加と、小型化を進める上で、記録密度、特にトラック密度の向上は不可欠である。
【0002】
また高速化の上でヘッドのシーク時間は、10ミリ前後の性能が要求される。このため、ヘッドの位置決め回路は、高速のプロセッサを用いたデジタル回路が採用されている。このデジタルサーボ回路を用いると、サンプリングタイミングの時だけ位置を検出すれば良く、サーボヘッドの位置検出回路もアナログサーボ位置検出回路とは異なるものが要求されている。
【0003】
【従来の技術】
一般に、広く使用されてきた2相方式のサーボパターンは、磁気ディスクのトラック密度が高くなるに伴い、位置信号の復調回路の周波数帯域が高くなり、ノイズに弱くなるという問題があった。また2相方式のサーボパターンでは、磁気ディスクのサーボ面に記録されたサーボ情報の読取で得た波形のピーク検出を行い、検出したピークの高さにより位置を検出している。しかし、ピークの高さは連続して得られるが、ノイズの影響や、磁気ディスク媒体面のレベル変動が位置の検出量に直接影響してくるという問題もあった。
【0004】
このため、サーボパターンを位相情報として記録し、サーボ情報の位相差により位置を検出方法が米国特許第4,549,232 号明細書、米国特許第4,642,562 号明細書(対応日本国公開特許出願昭和60年第10472号公報)等により提案されている。
図89は従来の位相サーボパターンを示す。位相サーボパターンは、磁気ディスクのサーボ面を0番、1番、2番、3番の4シリンダ単位に分け、各シリンダの円周方向において、各々位相の異なるサーボ情報を記録する。即ち、1つの位相サーボパターンは、第1フィールドEVEN1、第2フィールドODD及び第3フィールドEVEN2に分けられる。第1及び第3フィールドEVEN1,EVEN2には同位相のサーボパターンを記録し、第2フィールドODDには逆位相のパターン記録し、移動するヘッドの位置を第2フィールドODDのセンタ位置で読み取れるようにしている。
【0005】
図90は図91の第1及び第3フィールドEVEN1,EVEN2における位相差の検出を示す。ここで、サーボパターンは、基準クロックの4クロックを1周期として記録されており、これにより、0〜3番のシリンダの4つのシリンダ内での位置を検出できる場合を例にとっている。
基準クロックの基準位相を図の太線で示す位相とすると、ヘッドが2番シリンダのセンタとなる位置600にある時は、クロック基準位相と位相サーボパターンのリードパルスとの位相差は、位相差信号610に示すようにサーボパターン周期の1/2となる。またヘッドが第1シリンダのセンタとなる位置620にある時は、クロック基準位相とサーボパターンのリードパルスとの位相差は、位相差信号630のように1/4周期となる。
【0006】
またヘッドが第3シリンダのセンタとなる位置640にある時は、基準位相とサーボパターンのリードパルスとの位相差は、位相差信号650のように3/4周期となる。更に、ヘッドが0番シリンダのセンタにある時は、クロック基準位相とサーボパターンのリードパルスとの位相差はゼロ又は1周期となる。
図91は第2フィールドODDでの位相差の検出を示す。例えばヘッドが2番シリンダのセンタとなる位置660にある時は、クロック基準位相とサーボパターンのリードパルスとの位相差は、位相差検出信号670のように1/2周期となる。またヘッドが3番シリンダのセンタとなる位置680にある時は、クロック基準位相とサーボパターンのリードパルスとの位相差は、位相差検出信号690のように1/4周期となる。従って、この位相差を検出することにより、磁気ヘッドが、0〜3番シリンダのいずれの位置にあるかを検出できる。
【0007】
この位相サーボパターンを用いヘッド位置検出によれば、サーボ面からの読出波形のピーク検出をしてクロック基準位相に対する位相差を複数回検出し、その平均位相差を位置信号とする。複数回の位相差検出を行うため、位置信号を連続的に得ることはできないが、平均化によってノイズの影響が受けにくい。
またディスク媒体面のレベル変動が、ピーク検出の変動にならない程度であれば、精度の良い位置検出が可能である。更に、ヘッドのデジタル的な位置決め制御においては、サンプリング周期毎に位置情報が得られれば良いため、連続的な情報が必要なく、位相サーボパターンを用いた位置検出が適している。
【0008】
従来の装置では、水晶発振器等の固定位相のクロック源を使用しており、このため、ディスクに回転変動があるとサーボパターンとの位相差を正確に検出できず、位置検出精度が低下する。また水晶発振器は、温度により発振周波数が変動し、このためクロック基準の位相が変動してサーボパターンとの位相差を正確に検出できず、位置検出精度が低下する。
【0009】
また従来装置では、位相差を検出した後の平均値の計算による位置検出処理を専用のプロセッサで行っていたため、シーク速度が早くなるとプロセッサの処理が間に合わなくなり、高速シークが困難であった。更に従来の装置では、ヘッドが0番から3番までの4シリンダの範囲で移動した場合、位相差は0〜1周期(4クロック)の範囲で変化をする。このため、中心の2番シリンダについては、位相差は4クロック分の連続した変化幅があるが、それ以外の0番、1番、3番シリンダでは、位相差の変化幅が少ない。このためコアス制御でのヘッド位置の検出範囲が狭くなり、シーク制御が難しい。
【0010】
このような問題に対し本願発明者にあっては、特願平5−54977号(対応米国特許出願番号第08/194663号)の「ディスク装置のサーボ位置検出装置」を提案している。このディスク装置にあっては、ディスクのサーボ領域の前にタイミング情報を記録したトレーニング領域を設け、クロック発生源であるPLL回路を位相同期させて、ディスクのサーボパターンに同期した基準クロックを発生している。このため、ディスクの回転変動、環境温度変動にかかわらず、規定の位相の基準クロックを発生でき、サーボパターンとの位相差を正確に検出してヘッド位置の検出精度を高めている。
【0011】
また位置信号の検出処理を、第1乃至第3フィールドでヘッド位置に応じてデューティ比率が0〜100%の範囲で変化するデューティパルスに変換し、このデューティーパルスを用いて第1乃至第3フィールドの順番にコンデンサを充電、放電、充電と切替えて積分し、コンデンサの積分電圧としてヘッド位置信号を検出する。
【0012】
ここで位相サーボ情報は第1及び第3フィールドの和が第2フィールドと略同じとなるようにしている。このため目標シリンダへのオントラック状態で、第1乃至第3フィールドのデューティ比は50%,50%,50%となり、積分電圧は零となる。この積分回路によるアナログ的な位置信号の検出により、プロセッサは積分信号をAD変換して読み込むだけでよく、高速シークに対応した位置検出ができる。
【0013】
更に、複数の位相の異なる基準クロックから目標シリンダに対応した基準クロックを選択する所謂シリンダ切替を自動的に行うことで、0番から3番シリンダのいずれが目標シリンダとなっても、常に目標シリンダがセンタシリンダとして±2シリンダの範囲で変化する位置信号が得られ、コアス制御およびオントラック制御を確実にする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既に提案したディスク装置にあっては、サーボヘッドから得られた位相サーボ情報の読取信号のピークを検出してヘッドの位置信号を作成しているが、ピーク検出では、ノイズに弱く、ジッタが発生し易いという問題がある。即ち、ピーク検出は、サーボヘッドから得られた読取信号をレベルスライスした後に微分することで作成している。このため、読取波形に混入するノイズにより誤ったタイミングでピーク検出が行われ、位相のゆらぎとなるジッタが発生し易く、結果としてヘッドの位置決め精度が低下する問題がある。
【0015】
また既に提案したディスク装置にあっては、オントラック中のサーボ情報から得られるデューティ信号は、第1乃至第3フィールドでデューティ比50%、50%、50%が理想であるが、実際には回路の遅延により50%とはならない。
このためオントラック状態でデューティ比が例えば40%、40%、40%となってデューティパルスが痩せたり、デューティ比が60%、60%、60%となってデューティパルスが太ったりする。
【0016】
オントラック制御において、ヘッドは、
(偶数フィールド)−(奇数フィールド)=0
の条件でオントラックするため、デューティ比が常に60%あるいは40%でもオントックの精度に問題はない。しかし、シーク動作を行ったとき、オントック時に50%であれば、−50%〜+50%の範囲でシークできるのに対し、例えばオントラック時に40%では−40%〜+60%の範囲でしかシークできず、高速シークに対するマージンが減少する問題がある。
【0017】
またアナログ積分回路を使用しているため、コンデンサの充電電流と放電電流との間に誤差が生じたり、デューティ比50%でも積分電圧が零にならずに、位置検出精度を低下させる要因となる。
一方、位相サーボパターンにあっては、例えば目標シリンダを中心とした前後2シリンダとなる4シリンダの範囲での位置検出しかできないため、位置検出のサンプリング周期毎の移動シリンダ数で定義されるヘッド移動速度を、4シリンダ以内に抑えなければならず、シーク速度が制限され、高速シークできない問題があった。
【0018】
またサンプリング周期毎にヘッド位置を検出する場合のコアス制御にあっては、前回と今回のヘッド位置から次のヘッド位置を予測して目標速度を設定している。しかし、コアス制御は加速、定速、減速という目標速度パターンに従って行っていることから、単純な速度に基づく予測だけでは、予測位置と実際の位置とのずれが大きくなり、位置予測に失敗してシークエラーになる恐れが高い。
【0019】
更に、従来の2相サーボパターンを使用したディスク装置は、サーマルオフセット測定やヨー角オフセット測定を実現するために、データ面の特定シリンダにサーボ情報を記録しているが、位相サーボパターンを使用した場合にも同様にデータ面の特定シリンダに位相サーボパターンを記録する必要がある。
この場合、サーボ面のサーボ情報を読取るサーボヘッドに対し、データ面の読み書きを行なうデータヘッドはライトヘッドとリードヘッドの2つを備えており、特にリードヘッドには磁気抵抗素子を用いた小型のMRヘッドを使用している。このためサーボ面と同じ位相サーボパターンをデータ面に記録しても、小型のMRヘッドによる読取信号から連続的なヘッド位置信号が得られない問題がある。
【0020】
これ以外にも、ヨー角オフセットの測定と補正、ボイスコイルモータ(VCM)の駆動系統に設けたDAコンバータに対するセンタ値の調整、パワーオンスタートに伴う初期化処理としてのリゼロ動作、サーボ系の最適状態への自動調整、イレーズ時のオントラックスライス値の適正化等、ディスク装置の性能を確保するための種々の課題を解決しなければならない。
【0021】
本発明の目的は、ノイズやジッタに強い位相サーボ情報を用いた位置検出ができるディスク装置を提供する。
本発明の他の目的は、回路遅延があってもオントラック状態でデューティ比50%のデューティパルスが得られるようにしたディスク装置を提供する。
本発明の目的は、積分動作に関する各種の誤差を除去して積分回路を最適状態に維持するディスク装置を提供する。
【0022】
本発明の他の目的は、サンプル周期あたり4シリンダを越えるヘッド移動速度の高速シークを可能とするディクス装置を提供する。
本発明の他の目的は、ヘッド移動に伴なう位置予測が正確できるディスク装置を提供する。
本発明の他の目的は、データヘッドに設けている小型のMRヘッド(リードヘッド)に適合した位相サーボパターンをデータ面に記録するディスク装置を提供する。
【0023】
本発明の他の目的は、データ面のユーザ領域の特定シリンダに、位相サーボ情報を使用してデービット0,1をヘッド位置検出回路部を使用して読み書きできるようにしたディスク装置を提供する。
本発明の他の目的は、データヘッドを最インナーと最アウタにヘッドアームで回動して位置決めしたときのリードヘッドのヨー角オフセットを測定して補正可能としたディスク装置を提供する。
【0024】
【課題を解決するための手段】
図1(A)は本発明の原理説明図である。
まず本発明のディスク装置は、ディスク媒体のサーボ面に位相サーボ情報を記録している。即ち、サーボ面の4シリンダを1単位として各シリンダの円周方向に配置した複数のサーボフレームを配置する。各サーボフレームには、トレーニング領域、マーカー領域、インデックス・ガードバンド領域びサーボ領域が設けられる。
【0025】
サーボ領域は、図1(B)に示すように、第1フィールド(EVEN1)、第2フィールド(ODD1)、第3フィールド(ODD2)、及び第4フィールド(EVEN2)に分けられる。第1及び第4フィールド(EVEN1,2)には位置の位相変化を有するサーボ情報を記録する。第2及び第3フィールド(ODD1,2) に逆の位相変化を有するサーボ情報を記録する。
【0026】
サーボ領域の回転方向前方となるトレーニング領域にはタイミング情報を記録し、マーカー領域にはサーボ領域を確定するマーカー情報を記録する。更に、カードバンド・インデックス領域にはインデックス情報とカードバンド情報を同時に複数組記録する。インデックス・ガードバンド領域については複数組のインデックス情報とカードバンド情報の読取結果の多数決により各情報を検出する。
【0027】
サーボヘッド手段18で読取ったサーボフレームの読取信号からは、リードパルス検出手段3によってリードパルスが検出される。リードパルス検出手段3は例えばピーク検出手段100とゼロクロス検出手段112で構成される。ピーク検出手段100は、トレーニング領域のタイミング信号、マーカー領域のマーカー信号、およびインデックス・カードバンド領域のインデックス信号とガードバンド信号の読取波形のピークタイミングを検出してリードパルス(ピーク検出パルス)を発生する。
【0028】
ここでリードパルス検出手段3としては、トレーニング領域、マーカー領域、インデックス・カードバンド領域、及びサーボ領域の全ての読取信号についてゼロクロス検出としてもよいし、全ての読取信号についてピーク検出としてもよい。
クロック発生手段102は、トレーニング領域のタイミング信号に位相同期した基準位相をもつ基準クロックを発生する。
マスタクロック作成手段110は、クロック発生手段102からの基準クロックを基準位相として床なる位相をもつ複数のマスタクロックを作成し、その中から、サーボヘッド手段18がオントラックする目標シリンダに対応した位相のマスタクロックを選択して出力する(シリンダ切替機能)。
【0029】
ヘッド位置信号の検出は、デューティパルス作成手段120でマスタクロックの基準位相からゼロクロス検出パルスまでの位相差に対応したデューティ比をもつデューティパルスを発生する。積分手段124は、デューティパルスを積分してサーボヘッド手段18の位置を示す位置信号を発生する。
更に、電源投入直後の初期化処理において、特定の目標シリンダに対するサーボヘッド手段18のオントラック状態で、デューティパルスのデューティ比を測定するデューティ測定手段1が設けられる。デューティ測定手段1は、サーボ情報の第2及び第3フィールドに対応したデューティパルスを反転して積分手段124に出力することでデューティ比を示す積分信号を得ることができる。
【0030】
デューティ測定手段1の測定結果は、デューティ調整手段2に与えられ、デューティパルスのデューティ比を目標シリンダのオントラック状態で50%に調整させる。デューティ調整手段2は、マスタクロックの基準タイミングを遅延させてデューティ比を低下させる第1遅延手段108と、ゼロクロス検出パルスのタイミングを遅延させてデューティ比を増加させる第2遅延手段114とで構成される。
【0031】
第1遅延手段108は、基準クロックの1周期内で所定時間ずつ段階的にマスタクロックを遅延させるシフト回路を備え、シフト回路のいずれか1つのシフト段出力を選択してマスタクロックに希望する遅延量を与える。
第2遅延手段114は、遅延量が決った複数の遅延素子(ディレイライン)を備え、複数の遅延素子を直列に選択接続してゼロクロス検出パルスクロックに希望する遅延量を与える。
【0032】
このデューティパルスのデューティ比率を50%とする調整は、データ面に記録されたサーボ情報によるヘッド位置の検出についてもそのまま適用される。即ち、選択手段116によってサーボヘッド手段20からデータヘッド手段18に切替えた状態で同様にデューティ比率を測定し、デューティ比を50%に遅延調整する。
【0033】
積分手段124の回路調整のため積分誤差を測定する積分誤差測定手段とその補正手段が設けられる。積分誤差測定手段は、パワーオンスタートの初期化処理の際に、サーボヘッド手段18をサーボ面の任意の目標シリンダ位置へのオントラック状態に相当するデューティパルスを積分手段124に擬似的に供給して積分誤差を測定する。具体的には、サーボ情報の第1フィルド乃至第4フィールドが全てデューティ比50%となるデューティパルスを擬似的に発生してデューティパルス作成手段120にゼロクロス検出パルス(リードパルス)として供給する。積分誤差補正手段は、初期化処理終了後に、積分手段124から得られた位置信号を、測定した積分誤差で補正して正しい位置信号を求める。
【0034】
また1シリンダ当りのヘッド移動量を示すシリンダゲインを測定するため、パワーオンスタートの初期化処理の際に、サーボヘッド手段18を任意の目標シリンダにオントラックしたと同等なデューティパルスの発生から、一方向に1シリンダ移動したと同等なデューティパルスの発生、または逆方向に1シリンダ移動したと同等なデューティパルスの発生に切替え、それぞれ積分手段124で位置変化を測定させる。そして、これらの測定結果に基づき1シリンダ当りの位置変化量を求めて初期化処理後のヘッド位置決め制御に使用するシリンダゲインとして設定する。
【0035】
具体的には、デューティパルス作成手段120に、目標シリンダ位置でサーボ情報の第1フィルド乃至第4フィールドが全てデューティ比50%となるデューティパルスを発生させ、−1シリンダ移動した位置でデューティ比25%、75%、75%、25%と変化するデューティパルスを発生させ、また+1シリンダ移動した位置でデューティ比75%、25%、25%、75%と変化するデューティパルスを発生させる。
【0036】
一方、離散的に得られるヘッド位置検出信号を用いたシーク制御を実現するため、シーク時にヘッド移動速度を位置信号が作成されるサンプリング周期毎に検出する速度検出手段と、サンプリング周期毎に次のサンプリング時点におけるヘッド位置を予測し、クロック選択手段110に位置予測で得られた目標シリンダに対応した位相の基準クロックを選択させる位置予測手段とを設ける。
【0037】
シーク制御時に位置予測手段は、ヘッド移動速度に応じてサーボ領域の第1乃至第4フィールドの各々で目標シリンダを切替えて対応する位相のマスタクロックを選択させる。この目標シリンダの切替えは、ヘッド移動速度が高いほど第1乃至第4フィールドでの切替段数と各切替毎の目標シリンダの変化数を増加させる。
【0038】
位置予測手段は、サンプリング周期の移動シリンダ数で定義されるヘッド移動速度がサーボ情報の繰り返しシリンダ数以内の場合、第1乃至第4フィールドで目標シリンダを切替えずに対応する位相のマスタクロックを選択させる。即ち、サーボ情報の繰り返しシリンダ数が4シリンダの場合、ヘッド移動速度が−4シリンダ乃至+4シリンダであれば、第1乃至第4フィールドで目標シリンダを切替えずに中心の目標シリンダに対応する位相のマスタクロックを選択させる。
【0039】
サンプリング周期の移動シリンダ数で定義されるヘッド移動速度がサーボ情報の繰り返しシリンダ数を越えた場合、第1及び第2フィールドと第3及び第4フィールドとに分けて目標シリンダを2段階に切替えて対応する位相のマスタクロックを選択させる。例えば、サーボ情報の繰り返しシリンダ数が4シリンダの場合、ヘッド移動速度が−2シリンダ乃至+6シリンダであれば、第1及び第2フィールドで中心シリンダに対し1シリンダ少ない目標シリンダに切替え、さらに第3及び第4フィールドでは中心シリンダに対し1シリンダ多い目標シリンダに切替えて各々対応する位相のマスタクロックを選択させる。
【0040】
更にヘッド移動速度が高速化した場合は、第1乃至第4フィールドの各々に分けて目標シリンダを4段階に切替えて対応する位相のマスタクロックを選択させる。この場合、速度増加に伴い、ヘッド移動方向の切替シリンダ数を1,2,3・・・と増加させればよい。
シーク制御における位置予測の精度を向上するため、位置予測手段は、ヘッド移動の加速度を検出して次のサンプリング時点のヘッド位置を予測する。この加速度を含めた予測は、例えばヘッド駆動電流に基づいてヘッド加速度に依存した移動シリンダ数を現在位置に加算して予測位置を算出する。
【0041】
本発明は、またデータ面に対するサーボ情報を書込むため、データ面サーボ情報書込手段が設けられる。データ面サーボ情報書込手段は、データ面の特定シリンダの円周方向に配置した複数のサーボフレームの各々に、4フィールドに分割された内の第1及び第4フィールド(EVEN1,2)に位置の位相変化を有するサーボ情報を記録すると共に第2及び第3フィールド(ODD1,2)に逆の位相変化を有するサーボ情報を記録してサーボ領域を形成する。
【0042】
ここでサーボヘッドに対しデータヘッドのリードヘッドには小型のMRヘッドを使用しているため、サーボ面と同じサーボ情報を記録してもヘッド移動に伴ってリニアに変化する位置信号は得られない。
そこで、例えばサーボ面に0.5シリンダピッチでサーボ情報を記録している場合、データ面サーボ情報書込手段は、データ面にサーボ面と同じ0.5シリンダピッチでサーボ情報を書込み、且つ、第1フィールド(EVEN1)と第4フィールド(EVEN2)のサーボ情報、及び第2フィールド(ODD1)と第3フィールド(ODD2)の位相情報の各々を、0.25シリンダピッチだけずらして書込む。
【0043】
このようなサーボ面に対するサーボ情報の書込みを可能とするため、基準クロックの立上がりと立下がりに同期した16位相分の書込パルスを発生し、0.25シリンダずつシークしながら、各シリンダ位置に対応した第1乃至第4フィールドの位相番号の書込パルスを選択してサーボパターンを書込む。
一般的には、サーボ面に記録したサーボ情報のシリンダ繰り返し数をNとした場合、データ面サーボ情報書込手段は、基準クロックを1/Nに分周した書込パルスを基準クロックに対し1/4N周期分ずつ位相を異ならせた4N種類の書込パルスを発生し、書込パルスの中から書込シリンダで特定される所定の位相の書込パルスを選択し、データ面のサーボ領域にサーボ面のサーボ情報に対応したサーボ情報を書込ませる。
【0044】
データ面に対するサーボ情報は、データ面のユーザ領域を外れた外周シリンダにデータ面のオフトラック測定に使用するために書込む。またヘッド駆動機構のヨー角オフセットの測定に使用するため、更に最後インナのシリンダにもサーボ情報を書込む。
ヨー角オフセット測定は、パワーオンスタートの初期化処理の際に、ライトヘッドとリードヘッドを一体に備えたデータヘッド手段を、サーボ面のサーボ情報に基づいてデータ面の外周シリンダ及び内周シリンダの各々にデータヘッド手段を位置決めし、各シリンダのサーボ情報に基づきヘッドアームの回動に伴うリードヘッドのヨー角オフセットを測定する。
【0045】
測定した内周と外周の各ヨー角オフセットは、補間計算により各シリンダ位置でのヨー角オフセットを求める補間計算に使用され、リンダアドレスをインデックスとした補正テーブルを作成する。補正テーブルは、所定のシリンダ数単位にヨー角オフセットを格納してもよい。
ヨー角オフセット補正は、例えばデータ面のリードエラー発生時にヨー角オフセットを補正してリトライ動作させる。
【0046】
本発明は、データ面に位置する位相サーボパターンの書込み読出し機能を使用して、データビット0,1を2種類のサーボパターンに変換して読み書きする。この機能を実現するため、テータ面のユーザ領域を外れた特定シリンダに、サーボ情報を使用してデータを書込むデータ書込手段と、データ書込手段で書込まれたサーボ情報を読出してデータを復元するデータ読出手段が設けられる。
【0047】
データ書込手段は、書込データビット0,1に対応して第1及び第4フィールドのデューティ比と第2及び第3フィールドのデューティ比の異なるデューティパルスを使用してサーボ情報を書込む。
例えば、書込データビット0に対応して、第1乃至第4フィールドのデューティ比が25%、75%、75%、25%のデューティパルスを書込む。またデータビット1として第1乃至第4フィールドのデューティ比が75%、25%、25%、75%のデューティパルスを使用してサーボ情報を書込む。
【0048】
データ読出手段は、データ面のサーボ情報の読取信号をデューティパルス作成手段120に供給してデューティパルスを発生し、更に積分手段120でデューティパルスを積分して得た信号からデータビット0又は1を復元する。
また本発明のディスク装置にあっては、VCM用のDA変換器の変換信号を、その中点を与える参照電圧に対する極性と大きさに応じてVCMに駆動電流を供給しており、DA変換したセンタ値と参照電圧との間に誤差がある。そこで、パワーオンスタートの初期化処理の際に、DA変換器に対するヘッド駆動データをセンタ値から変化させ、AD変換信号が参照電圧に一致するまでの誤差を求め、初期化処理後にDA変換器に出力するヘッド駆動データから測定センタ誤差を除去するように補正する。
【0049】
またサーボ系統の自動調整のため、シーク動作によりコアス制御からファイン制御に切替えるまでのコアス時間を、速度制御に使用する目標速度パターンの加減速を決めるゲインを調整値として可変しながら測定する。またシーク動作でフアイン制御に切替えてからオントラックするまでの位置誤差の絶対積分値を、速度制御に使用する目標速度パターンの加減速を決めるゲインを調整値として可変しながら測定する。
【0050】
そして、測定で得られたコアス時間と位置誤差の絶対積分値の和を評価関数として、最小値となる調整値を最適値として検出してサーボ系を自動調整する。
更に、イレーズ時にオントラック状態を判定するオントラック・スライス値を、リード及びライト時のオントラック・スライス値に対し拡大した値に変更する。
【0051】
【作用】
このような本発明のディスク装置によれば次の作用が得られる。
サーボ情報の読取信号に対しゼロクロス検出によりサーボリードパルスを検出しているため、ピーク検出のようなノイズによるジッタを起こすことなく、正確にヘッド位置を検出できる。
【0052】
また基準クロックがピーク検出で同期制御され、サーボ情報がゼロクロスで検出されることで、オントラック時の位相差検出に基づくデューティパルスが50%から必然的に外れるが、デューティ比を測定して50%となるように遅延調整することで、オントラック時に積分回路で得られる位置信号のオフセットを除去できる。この遅延調整は同時に回路遅延によるデューティ比のずれを補正する。
【0053】
また積分回路のバラツキに積分誤差信号を測定してAD変換した位置データから除去する補正を行うことで、より高精度の位置検出ができる。
またシーク時のヘッド速度に応じた第1乃至第4フィールドでのシリンダ切替えにより、位置信号の検出限界である±4シリンダの範囲を越えるヘッド速度であっても正確にヘッド位置を検出して高速シークを実現できる。
【0054】
また加速度によるヘッド位置の変化を含めることで、より正確な位置予測ができ、位置予測が大きくずれることによるシークエラーを防止できる。
またサーボヘッドに対し小型のリードヘッドを使用しているデータ面に、リードヘッドのコア幅に適合した固有の位相サーボパターンを書込むことで、データ面のオフトラック測定やヨー角オフセット測定を可能にし、各測定結果に基づく補正処理を行うことができる。
【0055】
またデータビット0,1に対応した2種類のサーボ情報を利用してデータ面のユーザ領域以外の空き領域に、上位装置からのアクセスから独立してデータを読み書きすることで、ディスク装置単体でも装置構成や調整等に最小限必要な情報を読み書きすることができる。
更に、VCM用のセンタ値の調整、サーボ系統の調整値の最適化、イレーズ時のオントラック・スライス値の拡大等により、ディスク装置の性能をより一層引き上げることができる。
【0056】
【実施例】
<目 次>
1.ハードウェア構成
2.ディスク装置の機能構成
3.サーボ面の位相サーボパターン
(1)位置信号作成回路
(2)サーボフレーム
(3)位相サーボパターン
(4)位相サーボパターンの書込み
(5)位相サーボパターンの読出しによる位置検出
4.デューティ比の測定と遅延調整
(1)積分回路
(2)オントラック時のデューティ比のずれ
(3)デューティ比測定
(4)デューティ比の遅延調整
5.積分回路の調整
6.加速度成分を含む位置予測
7.シーク速度によるシリンダ切替え
8.データ面の位相サーボパターン
9.データ面への位相サーボパータンによるリード/ライト
10.ヨー角オフセットの測定と補正
11.VCM用DAコンバータのセンタ値調整
12.リゼロ動作
13.サーボ系の自動調整
14.イレーズ時のオントラックスライス値の拡大
15.その他
1.ハードウェア構成
図2は本発明のディスク装置の全体的な構成を示す。本発明のディスク装置は、ディスクエンクロージャ10とドライブコントローラ12で構成される。ディスクエンクロージャ10にはディスクを回転するスピンドルモータ14、ヘッドを移動するボイスコイルモータ(以下、「VCM」という)16が設けられる。また、磁気ディスクのサーボ面の情報を読み出すため、サーボヘッド18とサーボヘッドIC22が設けられる。
【0057】
更に、複数のデータ面の情報を読み書きするため、データヘッド20−1〜20−nとデータヘッドIC24が設けられる。データヘッド20−1〜20−nのそれぞれは、ヘッド部にライトヘッドとリードヘッドを一体に備えている。ライトヘッドとしては磁気ヘッドを使用し、またリードヘッドとしては磁気抵抗素子を用いたMRヘッドを使用している。
【0058】
ここで、サーボヘッド18、データヘッド20−1〜20−nに設けているライトヘッドおよびリードヘッドの各コア幅は、サーボヘッド18が最も大きく、次にライトヘッドのコア幅が大く、リードヘッド(MRヘッド)のコア幅が最も小さい関係にある。例えば、データ面のトラックピッチを7μmとすると、サーボヘッド18のコア幅はトラックピッチにほぼ等しい7μmとなる。これに対し、データヘッドに設けているライトヘッドは6μmのコア幅であり、更にリードヘッドとしてのMRヘッドのコア幅はその半分の3μm程度となる。
【0059】
ドライブコントローラ12には全体的な制御部として制御プロセッサ26が設けられる。制御プロセッサ26はインタフェース回路28を介して上位のディスクコントロールユニットに結合され、シークコマンド、リードコマンド、ライトコマンドなどの各種のコマンドを受領して、対応する処理を実行する。
制御プロセッサ26の配下にはヘッド位置決め制御を実行するドライブプロセッサ30が設けられる。ドライブプロセッサ30としては、デジタル・シグナルプロセッサを使用している。ドライブプロセッサ30に対するヘッド位置検出のため、位置信号作成回路36が設けられる。
【0060】
位置信号作成回路36にはサーボヘッド18の読取信号が入力されている。本発明にあっては、ディスク媒体のデータ面に位相サーボ情報を記録しており、この位相サーボ情報の読取信号に基づき、位置信号作成回路36はヘッド位置を示す位置検出信号を作成する。位置信号作成回路36からの位置信号はADコンバータ38でデジタルデータに変換されてドライブプロセッサ30に取り込まれる。
【0061】
ドライブプロセッサ30はDAコンバータ32およびドライバ34を介してスピンドルモータ14を制御する。また、DAコンバータ40およびドライバ42を介してVCM16を駆動して、ヘッドの位置制御を行う。ドライブプロセッサ30によるヘッドの位置決め制御は、シークコマンドに基づいてヘッドを目的シリンダに移動させるシーク制御と、目的シリンダへのヘッドの到達でオントラック状態を維持するオントラック制御を行う。
【0062】
ここで、シーク制御はコアス制御とファイン制御で構成される。コアス制御は目標速度パターンに従ってヘッドを目的シリンダの直前に移動させる制御である。ファイン制御はコアス制御により目的シリンダの直前、例えば0.5シリンダ前に到達したときに、速度制御から位置サーボ制御に切り替えて、目的シリンダにヘッドを引き込む制御である。
【0063】
一方、ディスク媒体のデータ面に対するデータのリードライトを行うため、符号化/復号化回路44、復調回路48およびバイアス電流制御回路46が設けられる。これらのリードライト系の回路は、公知の回路がそのまま使用できる。
更に本発明にあっては、ディスク媒体のデータ面の特定シリンダ即ちユーザ領域に対し、インナ側の端部に位置するインナガードバンド領域およびアウタ側に位置するアウタガードバンド領域に、サーボ面の位相サーボパターンに対応した同等な位相サーボパターンを記録している。このデータ面の位相サーボパターンを、データヘッドに設けているリードヘッドで読み出してヘッド位置を検出するため、データヘッド24からのリードヘッドの読取信号を復調回路48を経由して位置信号作成回路36に供給している。
【0064】
図3は図2に示した本発明のディスク装置におけるディスクエンクロージャ10の装置構造を一部破断して示す。図3において、ディスクエンクロージャ10のケース52内には、11枚の磁気ディスク50−1〜50−11が回転軸54の支持により回転自在に組み込まれており、下部に設けたスピンドルモータ(図示せず)により回転駆動される。
【0065】
磁気ディスク50−1〜50−11の右側にはヘッドアクチュエータ58が設置され、先端に設けているヘッドを磁気ディスク50−1〜50−11の各媒体面の半径方向に一体に移動可能としている。この実施例にあっては、磁気ディスク50−1〜50−11としては5.25インチの径のものを使用している。
図4は図3のヘッドアクチュエータ58の縦断面を磁気ディスクと共に示している。ヘッドアクチュエータ58は固定設置されるシャフト60に対し上下のベアリング56−1,56−2を介してブロック62を回転自在に装着している。ブロック62の右側にはVCM16のコイル64が装着される。ブロック62の左側には、11本のアーム66−1〜66−11が一体に延在される。アーム66−1〜66−11の先端には、一対のスプリングアームを介して2個のヘッドを支持している。
【0066】
この実施例にあっては、11枚の磁気ディスク50−1〜50−11に対し20個のヘッドを設けている。ヘッドのうち、上側の9つのヘッドがデータヘッド20−1〜20−9であり、続いてサーボヘッド18を設けている。サーボヘッド18に続く残り10個のヘッドがデータヘッド20−10〜20−19である。
【0067】
データヘッド20−1〜20−19が相対する磁気ディスク50−1〜50−11のディスク面が、データの読み書きに使用されるデータ面となる。これに対し、サーボヘッド18が位置する磁気ディスク50−6の上側の媒体面が全トラックにサーボ情報を記録したサーボ面となる。このサーボ面に、本発明にあっては位相サーボパターンが記録されている。
【0068】
また、磁気ディスク50−1〜50−11の中央の磁気ディスク50−6のサーボヘッド18に相対する媒体面をサーボ面とする理由は、サーボ面が中央に位置することで、最も遠い磁気ディスク50−1,50−11までの距離を最小とし、温度変化による機械的な変形によるサーボ面に対する各データ面における位置変動としてのオフセット量を最小にするためである。
2.ディスク装置の機能構成
図5は、図2のドライブコントローラ12に設けたドライブプロセッサ30のプロセッサ制御により実現される本発明のディスク装置におけるヘッドの位置決め制御を中心とした各種の制御機能を示している。
【0069】
尚、図5にあっては、ドライブプロセッサ30の制御機能に直接関連するハードウェアとして、VCM16、サーボヘッド18、データヘッド20、VCM16用のDAコンバータ32、位置信号作成回路36およびADコンバータ38を示している。このうち、データヘッドについては、実際には複数のデータヘッドを設けているが、説明を簡単にするため、1つのデータヘッド20を代表して示している。また、位置信号作成回路36はサーボ面の位相サーボパターンまたはデータ面の位相サーボパターンから位置信号を作成することから、この切替えを仮想的な切替スイッチ68により示している。
【0070】
ドライブコントローラ12のドライブプロセッサ30には、本発明の制御機能を実現する処理部として、サーボ系自動調整部70、データ面位相情報書込部70、データ面ビットデータ書込読出部74、ヨー角オフセット測定部76、ヨー角オフセット補正部78、VCM用DACセンタ値調整部80、リゼロ処理部82、デューティ遅延調整処理部84、積分回路調整処理部86、シーク制御部88の機能であるシリンダ切替制御部90、位置予測処理部92、サーマルオフセット測定部94、サーマルオフセット補正部96、更にパディング処理部98を設けている。このドライブプロセッサ30に設けられた各処理部の詳細は後の説明で明らかにされるが、概略を説明すると次のようになる。
【0071】
サーボ系自動調整部70は、サーボ面にサーボライタなどの専用装置により位相サーボパターンの書込みが終了した生産工程の最終段階で、コアス制御に使用する目標速度パターンにおける加速時と減速時のそれぞれにおける傾き(速度ゲイン)を決める調整値を、シーク制御のシミュレーションを通じて最適値に調整する。
【0072】
データ面サーボ情報書込手段としてのデータ面位相情報書込部72は、データヘッド20に設けているライトヘッド(磁気ヘッド)を使用して、データ面のインナガードバンドおよびアウタガードバンドの特定シリンダに、サーボ面のサーボ情報に対応するデータヘッドのリードヘッド(MRヘッド)の読出しで位置信号を作成可能なデータ面固有の位相サーボパターンを書き込む。このデータ面に対する位相サーボパターンの書込みも、ディスク装置の最終製造工程で行われる。
【0073】
位相サーボ情報を利用したデータ書込手段およびデータ読出手段としてのデータ面ビットデータ書込読出部は、図2に示したドライブコントローラ12が上位のディスクコントロールユニットに結合されていない単体状態でディスク装置の各種の設定データや機番などのデータをデータ面のユーザ領域以外の空き領域に位相サーボ情報の書込および読出機能を利用して読み書きする。このデータ面ビットデータ書込読出部74による機能も、ディスク装置の生産工程における最終段階あるいは設置現場におけるシステム構築時に利用される。
【0074】
ヨー角オフセット測定手段としてのヨー角オフセット測定部76は、データ面位相情報書込部74によりデータ面のインナガードバンド領域およびアウタガードバンド領域に書き込まれた位相サーボパターンを利用して、VCM16の駆動によるヘッドの最インナおよび最アウタ位置でのオフセット即ちヨー角オフセットを測定する。
【0075】
ヨー角オフセット補正手段としてのヨー角オフセット補正部78はヨー角オフセット測定部76の測定結果に基づき、データ面のリードヘッドによる読出しの際にリードヘッドのオフセットを補正する。ヨー角オフセット測定部76による測定処理は、パワーオンスタートによる初期化処理の際に行われる。
VCM用DACセンタ値調整部80は、VCM16に駆動電流を流すために使用するDAコンバータ32のセンタ値をパワーオンスタートの初期化処理の際に調整する。
【0076】
リゼロ処理部82は、パワーオンスタートによる初期化処理で、例えば最インナのコンタクト・スタート・ストップ領域に位置していたヘッドを最アウタのリゼロ動作を行う。
デューティ測定手段およびデューティ調整手段を構成するデューティ遅延調整処理部84は、位相サーボ情報の読取信号の検出をゼロクロス検出としたことに伴う位置信号作成回路36でオントラック時に発生するデューティパルスのデューティ比が50%からずれる点を調整して、常にオントラック状態でデューティ比50%のデューティパルスを作成できるようにする。
【0077】
積分回路調整処理部86は、位置信号作成回路36に設けているデューティパルスに基づく積分動作を行う積分回路の積分誤差の調整(積分誤差調整手段)と、1シリンダ当たりのヘッド位置信号の変化量を示すシリンダゲインの計測を行う(測定手段及びシリンダゲイン設定手段)。
シーク制御部88の機能として設けたシリンダ切替制御部90は、位置信号作成回路36で位置信号を作成するために使用する擬似クロックを決める目的シリンダの切替えをシーク速度に基づいて行う。位置予測手段としての位置予測処理部92は、位置信号作成回路36で次のサンプリング時にヘッドが位置する目標シリンダを知って、対応するマスタクロックに切り替える必要があることから、この次のサンプリング時における位置予測につき、速度に加えて加速度を含めて正確な位置予測を行う。
【0078】
ここで、本発明のシーク制御部88にあっては、従来の2相位相サーボによるヘッド位置制御のようにトラッククロッシングパルスを使用せず、位置信号作成回路36の位置信号の作成周期で決まる所定のサンプリング周期ごとに離散的に得られるヘッド位置信号を使用してコアス制御(速度制御)を行っている。
このようなトラッククロッシングパルスを使用しないコアス制御については、同一出願人による平成3年6月27日付で国際出願した国際出願番号W092/11636による「ディスクドライブのヘッド位置決め制御装置およびその制御方法」の明細書に記載されている。
【0079】
簡単に説明すると、ドライブプロセッサ30が今回のヘッド位置と前回のヘッド位置からヘッド移動速度を求め、次のサンプリング時のヘッド位置を予測し、目標シリンダに対する残りシリンダ数を算出する。そして、残りシリンダ数により予め設定された目標速度パターンから目標速度を求め、そのときの実速度と目標速度との差に対応するVCM16の電流値を算出し、DAコンバータ32を介してVCM16を駆動する。
【0080】
サーマルオフセット測定部94はデータ面のアウタガードバンド領域に書き込まれた位相サーボパターンにデータヘッドをシークし、装置の温度変動に伴うシリンダ1周分のオフセットを例えば均等に16箇所検出して、各回転位置をアドレスとしたサーマルオフセット補正テーブルを作成する。
サーマルオフセット補正部96はサーマルオフセット測定部94により作成された補正テーブルを使用し、オントラック制御の際にDAコンバータ32に出力する位置制御信号を補正する。サーマルオフセット測定部94による測定処理は、パワーオンスタート時とそれ以降については所定のタイムスケジュールに従って行うようにしてもよいが、本発明にあっては、ディスク装置がコマンドを受領しないアイドル状態を監視し、コマンド受領がないと見做したときにサーマルオフセット処理を実行するようにしている。
【0081】
パディング処理部98は上位のディスクコントロールユニットから特定のシリンダに対するイレーズコマンドを受領した際に、イレーズ動作におけるヘッド位置決め信号の許容範囲を示すオントラックスライス値を通常のリード動作やライト動作に対し拡大したオントラックスライス値に変更し、オフトラックが大きい場合にあっても、隣接トラックを消去しない範囲で可能な限りイレーズ動作を継続させる。
【0082】
図6は図5のドライブプロセッサ30に示した処理部のうち、製品出荷前の組立工程の最終段階で行う一連の処理を示している。即ち、製品出荷前の生産工程の最終段階にあっては、まずステップS100で、サーボ面に対する位相サーボパターンの書込処理を行う。この位相サーボパターンの書込処理は、専用のサーボライタを使用して通常行われる。サーボ面に対する位相サーボパターンの書込みが済むと、次にステップS200で、サーボ系自動調整部70を使用してサーボ系の自動調整処理、即ちコアス制御における目標速度パターンの加減速の傾きを決める調整値の最適化調整処理を行う。
【0083】
サーボ系の自動調整処理が済むと、ステップS300で、データ面位相情報書込部72を使用してデータ面に対する位相サーボパターンの書込処理を行う。続いてステップS400で、データ面ビットデータ書込読出部74を使用してデータ面のアウタガードバンド領域(OGB1及びインナガードバンド領域(IGB1)の空きシリンダに対しディスク装置単体で必要な各種のデータを位相サーボパターンを利用して書き込む書込処理を行う。
【0084】
続いてステップS500において、位相サーボパターンを書き込んでいるデータ面のインナガードバンド領域(IGB1)およびアウタガードバンド領域(OGB1)に順次データヘッドをシークし、最インナと最アウタにおけるデータヘッドに設けているリードヘッド(MRヘッド)のヨー角オフセットを測定して、その直線補間により各ユーザシリンダ位置におけるヨー角オフセットを求めて補正テーブルを作成するヨー角オフセット処理を行う。
【0085】
以上が製品出荷前の組立工程の最終段階における処理であり、これ以外の処理はディスク装置設置後のパワーオンスタートに伴う初期化処理および初期化処理終了後の上位コマンドに基づくシーク制御、リードライトを通じて行われる。
図7は本発明のディスク装置の運用状態における全体的な処理動作を示している。図7において、ディスク装置の電源投入によるパワーオンスタートが行われると、まずステップS1で、プログラムロード初期化診断などを含む基本的な初期化処理を行う。続いてステップS2で、VCM用DACセンタ調整部80によるVCM用のDAコンバータ32のセンタ調整処理を行う。
【0086】
次にステップS3で、リゼロ処理部82を起動してヘッドをアウタガードバンド領域(OGB1)にシークしてシリンダアドレスの絶対値を求めるリゼロ動作を行う。次にステップS4に進み、デューティ遅延調整処理部84を使用して位置信号作成回路36におけるオントラック時のデューティパルスのデューティ比を50%に調整する遅延調整処理を行う。続いてステップS5で、積分回路調整処理部86を起動し、位置信号作成回路36に設けている積分回路の位置信号がゼロとなるオントラック時の積分誤差の検出による誤差補正値の作成、更にヘッドを1シリンダ移動する際の位置信号の変化量を示すシリンダゲインの測定を含む積分回路の調整処理を行う。以上、ステップS1〜S5の一連のパワーオンスタートに伴う処理が済むと、ディスク装置はレディ状態となり、ステップS6で、上位のディスクコントロールユニットからのコマンド待ちとなる。
【0087】
ステップS6において、上位のディスクコントロールユニットにおける入出力命令の実行に伴うコマンドを受領すると、ステップS7でコマンドを解読し、通常の入出力要求にあっては、まずシークコマンドを受領することから、ステップS8でシーク動作を実行してヘッドを目標シリンダにシーク制御してオントラック状態とする。
【0088】
シーク動作が完了するとステップS9で、続いて得られたリードコマンドまたはライトコマンドに伴うリード動作またはライト動作を行う。リード動作またはライト動作の終了で、もしエラーありがステップS10で判別された場合には、再びステップS9に戻って、リード動作またはライト動作のリトライを行う。エラーがなければステップS11で、正常終了のステータス応答を上位のディスクコントロールユニットに返して処理を終了し、再びステップS6に戻る。
【0089】
一方、ステップS6のコマンド受領待ちにあっては、ディスク装置はアイドル状態にあり、このアイドル状態にあっては、ステップS12に進み、予め定められた測定処理が可能か否かチェックしている。コマンドを受領しない状態が継続して測定可能と判断された場合には、ステップS13に進み、本発明にあっては、サーマルオフセット測定部94によるサーマルオフセット測定処理を実行する。
3.サーボ面の位相サーボパターン
(1)位置信号作成回路
図8は図2のドライブコントローラ12に設けた位置信号作成回路30の実施例を示す。なお、位置信号作成回路に関連するサーボヘッド18、データヘッド20、ドライブ・プロセッサ30およびDAコンバータ38を併せて示している。
【0090】
図8において、サーボヘッド18で読み取られたサーボ面の読取信号は、ピーク検出回路100に入力され、読取波形のピークタイミングを検出したピーク検出パルス(リードバルス)が出力される。ここで、ディスクのサーボ面およびデータ面に対する磁気記録と読出しは、図9に示すようになる。
図9(A)はライト信号を示し、図9(B)に示すように、ライト信号の立上がりで媒体の極性がN極、ライト信号の立下がりで媒体の極性がS極に磁化される。この媒体の磁化状態を読み出したリード信号は、図9(C)に示すように、媒体のN極の磁化部分で正の読取波形が得られ、S極の磁化部分で負の読取波形が得られる。実際のサーボパターンでは、N極とS極の間隔はごく短いため、図9(C)の読取波形は、連続したサイン波形となる。
【0091】
図9(D)は図9(B)の媒体の磁化状態を簡略的に表現したもので、N極の磁化部分を実線212で示し、S極の磁化部分を点線214で示している。以下の位相サーボパターンのトラック記録状態は、N極磁化状態を示す実線212とS極の磁化状態を示す点線214により表現する。
リードパルス検出手段の一部として機能する図8のピーク検出回路100は、図9(C)のリード信号の読取波形のピークタイミングを検出し、ピークタイミングで立ち上がるピーク検出パルスを出力することになる。具体的には、読取波形を一定レベルでスライスした後に微分パルスを生成する。
【0092】
ピーク検出回路100の出力は、PLL回路102、マーカー検出回路104に与えられている。PLL回路102は、後の説明で明らかにするサーボフレームの先頭のトレーニング領域に記録しているタイミング信号の読取りに基づくピーク検出パルスに同期して基準クロックを発振する。PLL回路102の発振周波数としては、この実施例にあっては20MHzであり、従って1クロック周期τは50nsecとなる。マーカー検出回路104は、サーボフレームのトレーニング領域に続くマーカー領域のマーカー信号を検出する。
【0093】
ガードバンド・インデックス検出回路105は、マーカー領域に続くガードバンド・インデックス領域のガードバンド信号およびインデックス信号を検出する。マーカー検出回路104はマーカーサーチ信号E1を受けて動作可能状態となる。また、ガードバンド・インデックス検出回路105もガードバンド・サーチ信号E3を受けてガードバンド検出状態となり、インデックス・サーチ信号E4を受けてインデックス検出状態となる。
【0094】
マーカー検出回路104からはマーカー検出信号E2が出力される。また、ガードバンド・インデックス検出回路105からは第1アウタ・ガードバンド検出信号OGB1、第2アウタ・ガードバンドOGB2、インデックス信号INDEXが出力される。
PLLカウンタ106は、マーカー検出回路104からのマーカー検出信号E2が得られた時点からPLL回路102のクロックを計数する。したがって、PLLカウンタ106の値はマーカー検出時点を起点とした、それ以降のガードバンド・インデックス部およびサーボパターン部における情報記録位置を示す計数値を提供することになる。
【0095】
一方、サーボヘッド18の出力は、選択回路116を介してリードパルス検出手段の一部として機能するゼロクロス検出回路112に与えられている。本発明にあっては、サーボフレームの最後に設けているサーボパターン部の位相サーボ読取信号については、ピーク検出ではなくゼロクロス検出を行っている。このゼロクロス検出によりノイズが混入しても確実に位相サーボの読取信号を得ることができる。
ゼロクロス検出については、図9(C)のリード信号におけるN極の正の読取波形とS極の負の読取波形との間のゼロクロスタイミングを検出することになる。したがって、読取波形のピーク検出に対しゼロクロス検出は必然的に検出タイミングに位相遅れをもつことになる。即ち、PLL回路102による基準クロックについては、ピーク検出による同期制御が行われており、本来、位相サーボの読取りによるリードパルスもPLL回路102のクロックに同期する必要があるが、ゼロクロスとすることで必然的に基準クロックに対し位相遅れを起こす。
【0096】
このゼロクロス検出による位相遅れは、可変ディレイ回路114およびシフター108で調整され、オントラック状態で積分電圧がゼロとなるデューティ比が50%のデューティパルスの作成を可能とする。ここでシフター108は、PLLカウンタ106の第2ビット出力として得られるPLL回路102の基準クロックを4分の1に分周したパルス信号の立上がりを、0〜3τの3段階の範囲でデジタル的に遅延調整する。これに対し、可変ディレイ回路114は、ゼロクロス検出回路112の立上がりタイミングを複数のアナログ遅延素子の選択接続でアナログ的に遅延させる。シフター108および可変ディレイ回路114による遅延調整は、後に詳細に説明される。
【0097】
マスタクロック作成回路110は、目標シリンダに対応して定めた位相をもつ基準クロックを4分の1に分周した周期4τのマスタクロックを作成してマスタクロック信号E10として出力する。目標シリンダに対応した位相をもつマスタクロックの切替えは、ドライブ・プロセッサ36からのシリンダ切替信号E30により行われる。
【0098】
シリンダ切替信号E30による所謂シリンダ切替えは、オントラック制御にあっては、現在ヘッドが位置している目標シリンダに対応する位相のマスタクロックとなる。一方、シーク制御時にあっては、前回のヘッド位置と今回のヘッド位置で求めた実速度、更には加速度を加えて、予測された次の予測位置における目標シリンダに対応する位相のマスタクロックを作成するように切り替える。
【0099】
デューティパルス作成回路120はセット/リセット回路であり、マスタクロック作成回路110からの目標シリンダに対応したマスタクロック信号E10の立上がり(基準位相)でセットされ、選択回路118を介して得られるゼロクロス検出パルスの立下がり(検出位相)でリセットされる。デューティパルス作成回路120からはサーボヘッド18のオントラック状態で位相サーボパターンの第1フィールド(EVEN1)、第2フィールド(ODD1)、第3フィールド(ODD2)、第4フィールド(EVEN2)でデューティ比が50%,50%,50%,50%となるデューティパルスE19が出力される。
【0100】
デューティパルス作成回路120からのデューティパルスE19は、積分回路124に与えられる。積分回路124は、基本的にはコンデンサ126と、コンデンサ126に対しブリッジ結合された4つのスイッチ素子128,130,132,134で構成される。コンデンサ126に対する下側のスイッチ素子132,134は、デューティパルスE19によりオンオフ制御される。これに対し、コンデンサ126の上側のスイッチ素子128,130は、位相サーボパターンの第1フィールド〜第4フィールドに応じて切替制御される。
【0101】
ここで、コンデンサ126の両端から取り出す位置信号の極性を、図示のように右側をブラス、左側をマイナスとすると、第1〜第4フィールドにおけるスイッチ素子128,130,132,134の切替えによる積分動作は次のようになる。
まず、第1フィールドおよび第4フィールド(EVEN1,2)にあっては、コンデンサ126の上側のスイッチ素子128がオン、130がオフとなり、この状態でデューティパルスE19によりスイッチ素子130がオンオフする。このため、実線で示す経路でコンデンサ126が充電され、コンデンサ126の両端電圧で見た位置信号はマイナス側に増加する。
【0102】
一方、第2および第3フィールド(ODD1,2)にあっては、コンデンサ126の上側のスイッチ素子130がオン、128がオフとなり、この状態でデューティパルスE19によりスイッチ素子132がオンオフする。したがって、コンデンサ126は破線で示す経路で充電され、図示の極性で見た位置信号はプラス側に増加する。
【0103】
目標シリンダに対するオントラック状態でデューティパルスE19は全フィールドについてデューティ比50%であり、各フィールドにおけるパルス数は同じであることから、4フィールド分のデューティパルスの積分動作が終了した時点でコンデンサ126の積分電圧はゼロとなる。目標シリンダにオントラックしている状態からサーボヘッドがずれるとデューティ比が50%から外れ、このデューティ比の変化に応じた電圧がコンデンサ126に得られる。
【0104】
具体的には、目標シリンダに対しサーボヘッド18がマイナス方向、即ちアウタ側に移動すると、第1および第4フィールド(EVEN1,2)のデューティ比は減少し、逆に第2および第3フィールド(ODD1,2)のデューティ比は増加する。これに対し、目標シリンダに対しサーボヘッド18がプラス方向、即ちインナ側に移動すると、逆に第1および第4フィールド(EVEN1,2)のデューティ比は増加し、第2および第3フィールド(ODD1,2)のデューティ比は減少するようになる。
【0105】
積分回路124におけるコンデンサ126の上側のスイッチ素子128,130の各フィールドごとの切替制御は、一致検出回路122からの出力信号E5,E6,E7,E8により行われる。一致検出回路122はPLLカウンタ106の計数値と予め定めた所定値との一致を判定して、各一致位置に対応した信号を出力する。
【0106】
即ち、マーカー検出回路104、ガードバンド・インデックス検出回路105に対する各サーチ信号E1,E3,E4に加え、復調モード発生部122−1により第1〜第4フィールドを示す復調モード信号E5を出力する。またハーフモード発生部122−2によって第2フィールドと第3フィールドの境界となる位置信号検出時点を示すハーフモード信号E6を出力する。またデータウィンドウ発生部122−3によって第1〜第4フィールド期間で積分回路124に対するデューティパルスを有効とするデータウィンドウ信号E7を出力する。
【0107】
更に放電制御部122−4によって第1〜第4フィールドに亘るデューティパルス発生期間以外のタイミングでコンデンサ126を放電リセットする放電制御信号E8を出力する。この放電制御信号E8による放電リセットは、積分回路124に設けているスイッチ素子128,130をオフ、スイッチ素子132,134をオンすることになる。
【0108】
積分回路124のコンデンサ126の両端電圧として得られた位置信号E40は、ADコンバータ38によりサーボフレームの終了タイミングで得られる割込み信号E9によりドライブ・プロセッサ30に取り込まれる。
一方、本発明にあっては、データ面のインナ・ガードバンド領域(IGB1)およびアウタ・ガードバンド領域(OGB1)にも位相サーボパターンを書き込んでおり、このデータ面の位相サーボパターンによるヘッド位置の検出を可能とするため、データヘッド20に設けているリードヘッド410の読取信号を選択回路116を介してゼロクロス検出回路112に入力している。選択回路116はドライブ・プロセッサ30からの制御信号E31により切り替えられる。即ち、通常のサーボ制御にあっては、選択回路116はサーボヘッド18側に切り替えられている。これに対し、データ面の位相サーボパターンを読み出す際には、シリンダ1回転の中の所定サーボフレーム数単位にデータヘッド20側に切り替えられる。
【0109】
即ち、サーボ面の位相サーボ情報によるオントラック制御に対し離散的にデータヘッド20に切り替えながらデータ面の位相サーボ情報の読取りを行って、例えばサーマルオフセット測定やヨー角オフセット測定を行う。
更に本発明にあっては、サーボライタによってサーボ面に位相サーボ情報が書かれた後に、ディスク装置自身でデータ面に位相サーボパターンを書き込む機能をもっていることから、この書込用のライト信号をマスタクロック作成回路110で作成し、データヘッド20のライトヘッド400に供給してデータ面にサーボ情報を書き込むようにしている。
【0110】
更に、デューティパルス作成回路120により擬似的に任意のデューティ比をもつデューティパルスを作成して積分回路124で位置信号を作り出すため、選択回路118が設けられている。選択回路118は、制御信号E32によりドライブ・プロセッサ30からの擬似的なリードパルスとゼロクロス検出回路112より得られるゼロクロス検出パルスとを切り替える。
【0111】
ドライブ・プロセッサ30による擬似的なリードパルスの発生によるデューティパルスの作成は、シフター108および可変ディレイ回路114で行うデューティ50%の調整に使用する実際のデューティパルスのデューティ比の測定に使用される。
(2)サーボフレーム
図10は本発明のディスク装置のサーボ面に記録された1シリンダ分のサーボ情報を直線上に展開して示している。図10において、ディスク1回転分のサーボ領域154は216の区間に分割されて216個のサーボフレーム156を形成している。本発明にあっては、ディスク1回転分のサーボ領域154におけるクロック数は固定的に決められている。
【0112】
1つのサーボフレーム156は、拡大して示すように、トレーニング部158、マーカー部160、ガードバンド・インデックス部162およびサーボパターン部164で構成される。各領域はサーボフレーム156の開始位置をゼロとすると、20MHzの基準クロックの計数値でトレーニング部158が0〜1128、マーカー部160が1128〜1160、ガードバンド・インデックス部162が1160〜1268、更にサーボパターン部164が1268〜1512のカウント値をもつことになる。
【0113】
図11,図12,図13および図14は、サーボフレーム156に設けたトレーニング部158、マーカー部160、ガードバンド・インデックス部162およびサーボパターン部164の磁気記録状態を示す。ここで、図11(A)のトレーニング部158、図11(B)のマーカー部160および図12のガードバンド・インデックス部162については、基準クロック166を4クロック周期となる4τのスケールで示している。これに対し、図13,図14のサーボパターン部164については、基準クロック166を1クロック周期となる1τのスケールで示している。
【0114】
図11(A)に示すトレーニング領域158は、図8に示したPLL回路102の位相を同期させるタイミング信号を記録している。このトレーニング部158のタイミング信号を読み出してピーク検出パルスを4τで得ることで、PLL回路102は実際のディスク回転に同期した1τ=50ns、即ち20MHzの同期発振を行うことができる。
【0115】
図11(B)はトレーニング部158に続くマーカー部160を示している。マーカー部160はサーボフレームの中での位置を確定する役割を果たし、マーカー検出で図8に設けたPLLカウンタ106の計数動作を開始し、一致検出回路122による各種の一致判定を行わせる。マーカー部160からは「LHHHHLHLHLH」の読取信号が得られるが、このうち図示の「L□HH□L□L□L□」の6ビットパターンの一致検出によりマーカー検出を行っている。
【0116】
図12はガードバンド・インデックス部162を示す。本発明にあっては、ガードバンド・インデックス部162を第1多数決部174、第2多数決部176および第3多数決部178の3つの領域に分け、それぞれに同じ信号を繰り返し記録している。
図8に示したガードバンド・インデックス検出回路105は、ガードバンド・インデックス部162の読取信号から得られた3つの第1〜第3多数決部174,176,178のうち、一致情報が2以上得られればガードバンドおよびインデックス検出と判断し、ガードバンドおよびインデックスの検出性能を高めている。
【0117】
サーボ面は半径方向にインナ側からインナ・ガードバンド領域(IGB1)180、ユーザ領域182、第1アウタ・ガードバンド領域(OGB1)184および第2アウタ・ガードバンド領域(OGB2)186に分けられている。インデックス情報188,190,192は、インナ・ガードバンド領域180とユーザ領域182に記録されている。インデックス情報は第1および第2アウタ・ガードバンド領域184,186については設けられておらず、固有の領域を示す情報記録が行われている。
【0118】
図13および図14は、位相サーボパターンを記録したサーボパターン部164の詳細を示す。このサーボパターン部164は、図13に示す第1フィールド200、第2フィールド202、図14に示す第3フィールド204および第4フィールド206で構成される。以下の図面中にあっては、( )内に示すように、第1フィールド200を「EVEN1」、第2フィールド202を「ODD1」、第3フィールド204を「ODD2」、第4フィールド206を「EVEN2」としている。
【0119】
第1フィールド〜第4フィールドの各領域の長さは、未使用部194,196,208および201を除くと、同じ長さを有する。具体的には、基準クロックの4周期分の4τを基準長さとすると、各フィールドは4τ×10の長さをもつ。EVEN1,2となる第1および第4フィールド200,206は、シリンダ番号のプラス側の増加方向(インナ方向)に0.5シリンダ移動するごとに1τ、位相をシフトしたパターンを、8τ周期で書き込んでいる。
【0120】
これに対し、ODD1,2となる第2および第3フィールド202,204については、逆方向の位相シフトとなるように書き込んでいる。また、各位相サーボパターンは4シリンダごとに繰り返されている。
(3)位相サーボパターンの書込み
図13,図14に示した位相サーボパターンの書込みは専用のサーボライタを使用して行うものである。本発明のディスク装置にあっては、サーボ面の位相サーボパターンを書き込んだ後に、ディスク装置自身でデータ面に位相サーボパターンを書き込む機能をもっていることから、データ面に対する位相サーボパターンの前提として、サーボ面に対する位相サーボパターンの書込原理を説明する。
【0121】
図15はサーボ面に対する位相サーボパターンの書込みに使用されるライト信号を示している。図15(A)は基準となるクロックを示し、これは図8に示したPLL回路102によるクロックと同じものである。図15(B)はPLL回路102からのクロックをPLLカウンタ106で計数したときのビット2出力であり、PLLクロックを4分の1に分周したパルス信号となる。このパルス信号が位相番号0のライト信号となる。
【0122】
図15(C)〜(I)は位相番号0のライト信号をクロックの周期1τずつ、順次位相シフトして得た信号であり、位相番号2,4,6,8,10,12および14のライト信号となる。サーボ面に対するサーボパターンの書込みについては、図15(B)〜(I)に示す偶数の位相番号をもつ8つのライト信号の組合せを使用する。
【0123】
図16は本発明のディスク装置がデータ面に位相サーボパターンを書き込む際に更に必要となる奇数の位相番号1,3,5,7,9,11,13,15をもつライト信号を示す。即ち、図16(A)に示すクロックは図6(A)のPLLクロックを反転したクロックであり、反転前のクロックの立下がりタイミングを立上がりタイミングとする。
【0124】
この図16(A)の反転PLLクロックを使用して図16(B)に示すPLLカウンタ106のビット2出力の位相シフトを1τずつ行うことで、図16(C)〜(J)に示す奇数の位相番号をもつライト信号を得ることができる。尚、以下の説明にあっては位相番号10,11,12,13,14,15についてはA,B,C,D,E,Fの16進表示とする。
【0125】
図17は図15,図16に示した位相番号0〜16のライト信号を作成するための回路を示す。この回路は図8のマスタクロック作成回路110として実現されている。
図17において、シフト回路500にはシフトパルスとしてPLLクロックが供給される。一方、シフト回路510には反転回路520で反転された反転PLLクロックがシフトクロックとして入力される。また、シフト回路500,510のそれぞれにはPLLカウンタ106のビット2出力が入力される。シフト回路500はPLLクロックに同期して位相番号0,2,4,6,8,A,C,Eとなる8種類のライト信号を1τごとに順次出力する。
【0126】
これに対し、シフト回路510はシフト回路500に対し0.5τの遅れをもって、位相番号1,13,5,7,9,B,D,Fとなる奇数の位相番号のライト信号を順次出力する。マルチプレクサ(選択回路)530はシフト回路500,510より0.5τの位相ずれをもって出力される16種類のライト信号の中のいずれか1つを選択する。
【0127】
図18は図13,図14に示した位相サーボパターンを、サーボヘッドを0.5シリンダずつシークしながら書き込む際のライト信号位相番号を示している。本発明にあっては、4シリンダ単位に繰り返し同じ位相番号のライト信号の組合せを使用する。
このようなサーボ面に対する位相サーボパターンの書込みはディスク装置自身が行うものではないが、データ面に対する位相サーボパターンの書込みを可能とするため、機能としては外部的にサーボヘッドの位置を位置決めできるが、位相サーボパターンをデータ面にも書き込むことは可能である。
【0128】
図19は、図18に従ってサーボ面に書き込まれた位相サーボパターンの読出時の目標シリンダに対応したマスタクロックの切替えに使用されるマスタクロック選択用の位相番号を示している。位相サーボパターンの書込みについては0.5シリンダ単位であるが、目標シリンダに対応したマスタクロックについては1シリンダ単位であり、且つ4シリンダごとに繰り返している。
【0129】
従って、アウタ側からインナ側へのシリンダ番号を0〜3とすると、各目標シリンダとなるシリンダ番号0〜3に対応して、対応する位相番号のパターンに従ったマスタクロックがマスタクロック作成回路110で作成される。具体的には、マスタクロック作成回路110には図17に示す回路が設けられており、ドライブ・プロセッサ30により、そのときの目標シリンダのシリンダ番号に対応した位相番号の選択信号を、図19のパターンに従って第1および第4フィールドごとにマルチプレクサ530で切替選択すればよい。
【0130】
このようにデータサーボ面のサーボ情報の読出しによる位置検出の際には、図15,図16に示した16種類のマスタクロック信号のうち、位相番号0.4,8,12の4種類の組合せが使用される。
(4)位相サーボパターンの読出しによる位置検出
図20は、本発明のディスク装置でサーボ面の位相サーボパターンを読み出したときの図8の一致検出回路122より出力される各信号のタイミングチャートを1サーボフレームについて示している。図20において、サーボフレームの読出しで先頭のトレーニング領域から読み出したタイミング信号によるPLL回路102の同期が完了すると、図20(B)に示すマーカー検出信号E2がマーカー領域の検出でマーカー検出回路104より出力される。このマーカー検出信号E2により、図20(C)に示すようにPLLカウンタ106が動作状態となって、PLL回路102からのクロック信号E0の計数を開始する。
【0131】
ここで、マーカー検出からフレーム最後の位置信号の読込みまでの期間は、PLLカウンタ106の16進カウント値で180Hと定まっている。したがって、16進計数値180Hが得られるまでの期間に当たり、カウンタ動作が行われる。また図20(A)に示すように、マーカー検出回路104の検出動作を有効とするマーカーサーチ信号E1も同じ期間に亘って出力される。
【0132】
続いて図20(D)に示すガードバンド・インデックス検出信号E3が16進計数値で0〜B0Hの期間に亘って得られる。このとき図20(E)の有効となっていたガードバンド・インデックスサーチ信号E4は立ち上がって、ガードバンド・インデックス検出回路105の検出動作を禁止する。ガードバンド・インデックスサーチ信号E4がHレベルに立ち上がっている16進計数値でB0H〜148Hの期間がサーボパターン部164の読取期間となる。
【0133】
このサーボパターン部164の読取期間において、一致検出回路122は第1フィールドEVEN1、第2,第3フィールドODD1,2、および第4フィールドEVEN2で変化する図20(F)の復調モード信号E5を出力し、積分回路124に設けているコンデンサ126の上側のスイッチ素子128,130を各フィールド期間で選択的にオンオフする。また、図20(G)に示すサーボパターン部164の中点となる位置検出点を与えるハーフモード信号E6を出力する。
【0134】
サーボパターン部164が終了した次のトレーニング部158までの間には、図20(H)に示す割込信号E9の発生が行われ、このタイミングでドライブ・プロセッサ30はADコンバータ38で変換した積分回路124のコンデンサ126の両端電圧で決まる位置信号を取り込む。更に、図20(I)に示すように、サーボパターン部164および割込信号E9の発生期間以外の期間で有効となる放電制御信号E8を出力して、積分回路124のコンデンサ126を放電リセット状態即ちゼロ電圧状態としている。
【0135】
図21は本発明のディスク装置によるサーボ面の位相サーボパターン、マスタクロック、ゼロクロス検出によるリードパルス、デューティパルス、更にデューティパルスに基づく積分回路124によるコンデンサ126の端子電圧の変化を示している。
図21において、サーボ面のサーボパターンはシリンダ番号0〜3の4シリンダで繰り返している。いまサーボヘッド18が中央の2番シリンダにオントラックしていたとする。この状態にあっては、シリンダ番号2に記録した位相サーボパターンに対し4τ進んだ基準位相をもつマスタクロックとして選択されている。
【0136】
したがって、図21()に示すデューティパルスE19は4τごとの基準クロックの立上がりでセットされ、サーボヘッド18による位相サーボパターンの読出しでリセットされる。そしてオントラック状態であることから、第1〜第4フィールドEVEN1,ODD1,ODD2,EVEN2のいずれについてもデューティ比は50%となっている。
【0137】
このデューティ比50%の状態にあっては、積分回路124のコンデンサ126は、まず第1フィールドEVEN1でマイナス方向に充電される。続いて第2フィールドODD2でプラス方向に充電され、0Vを過ぎて第3フィールドODD2で更にプラス方向に充電される。最後に第4フィールドEVEN2にあっては、第1フィールドEVEN1と同様、マイナス方向に充電され、位相サーボパターンの読出しが完了した時点でコンデンサ電圧はオントラックを示す零電圧となっている。
【0138】
サーボヘッド18がマイナス方向にシークしてシリンダ番号1または0にオントラックした場合には、各トラックの位相サーボパターンに対し4τ位相が進んだ基準位相のマスタクロックを選択することで、デューティ比50%のデューティパルスE19が同様に得られる。この点はプラス方向のシリンダ番号3にサーボヘッド18をシークした場合についても同様である。そして、オントラックしているシリンダ位置に対し±2シリンダの位置でヘッド位置に応じて直線的に変化するヘッド位置信号を作り出すことができる。
4.デューティ比の測定と遅延調整
(1)積分回路
図22は図8に示した積分回路124の実施例を示す。図22において、積分回路124は第1電源+Vdd1と第2電源+Vdd2で動作する。この実施例にあっては、第1電源+Vdd1から第2電源+Vdd2を抵抗R20、トランジスタQ1、定電流源138、トランジスタQ2でなる回路によって作り出している。
【0139】
ここで、トランジスタQ1,Q2はベース,エミッタ間電圧の保障用ダイオードとして動作する。第2電源電圧Vdd2は定電流源138の定電流をi、トランジスタQ1,Q2のベース,エミッタ間電圧V、トランジスタQ1,Q2によるベース,エミッタ間電圧をVBEとすると、次式で与えられる。
Vdd2=Vdd1−{(R20×i)+VBE
即ち、第1の電源電圧Vdd1から定電流iによる抵抗R20の電圧降下とベース,エミッタ間電圧VBEを差し引いた電圧となる。
【0140】
このような電源電圧に対し並列的に、抵抗R1,R2,R4,R5,R6,R7,R9,R10を介して、カレントスイッチとして動作する8つのトランジスタQ3,Q4,Q5,Q6,Q7,Q8,Q9,Q10が接続される。これらのトランジスタQ3〜Q10は、トランジスタQ3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8、Q9とQ10で差動回路を構成し、共通エミッタ側に定電流源140,142,144,146をそれぞれ接続している。
【0141】
各差動回路のトランジスタQ3,Q6,Q7,Q10に対しては、図25に示す積分制御回路部より制御信号E20,E21,E22,E23が供給されている。即ち、制御信号E20はトランジスタQ3を制御し、制御信号E21はトランジスタQ7を制御し、制御信号E22はトランジスタQ6を制御し、制御信号E23はトランジスタQ10を制御する。
【0142】
このように制御信号E20,E21,E22,E23により制御されるトランジスタQ3,Q7,Q6,Q10に対し、差動接続したトランジスタQ4,Q8,Q5,Q10のそれぞれは、逆のオンオフ動作を行う。トランジスタQ6,Q7のそれぞれには直列にトランジスタQ11,Q12が接続され、その間にコンデンサ126を接続している。
【0143】
したがって、トランジスタQ11,Q12,Q6,Q7によって、図8の積分回路124に示したブリッジ型のスイッチング回路が構成されている。コンデンサ126の上側に位置するトランジスタQ1,Q2を制御するサーボトランジスタQ3,Q4とQ9,Q10は、図8に示した一致検出回路122に設けた復調モード発生部122−1からの復調モード信号E5により第1〜第4フィールド期間に応じて切替制御される。
【0144】
したがって、トランジスタQ3に対する制御信号E20およびトランジスタQ10に対する制御信号E23は、復調モード信号から作り出されている。これに対し、コンデンサ126の下側に位置する2つのトランジスタQ6,Q7は、図8に示すデューティパルス作成回路120からのデューティパルスE19に基づく制御信号E21,E23によりオンオフ制御される。
【0145】
即ち、第1および第4フィールドで制御信号E21がデューティパルスに応じて変化し、トランジスタQ7のオンオフによりトランジスタQ11、コンデンサ126およびトランジスタQ7、更に定電流源144で定まる経路で定電流によりコンデンサ126を充電する。
一方、第2および第3フィールドにあっては、デューティパルスにより制御信号E22が変化してトランジスタQ6をオンオフし、トランジスタQ12、コンデンサ126、トランジスタQ6、定電流源142となる経路で定電流を流して、コンデンサ126を充電する。
【0146】
コンデンサ126の端子電圧はボルテージフォロワとして動作するオペアンプ148,150、更に抵抗R1,R2を介して差動アンプ152に入力される。差動アンプ152のゲインは、期間抵抗R33と抵抗R34を介してドライブ・プロセッサ36より供給されるセンタ電圧Vcにより決まる。更に、トランジスタQ4,Q5とQ8,Q9のベースには基準電圧Vrefが与えられており、電源電圧から見た相対的な充電圧を与える中点としての基準電圧を設定している。したがってコンデンサ126の端子電圧は、この基準電圧Vrefを中心にプラス側またはマイナス側に充放電されることになる。
【0147】
図23は、図22に示した積分回路124においてサーボヘッドのオントラック状態で供給される制御信号E20,E21,E22およびE23に基づく積分動作を示している。
図23(A)は4シリンダの位相サーボパターンを簡略化して示している。このような位相サーボパターンの読出しに対し、図23(B)の制御信号E20は、第1および第4フィールドEVEN1,2のそれぞれでHレベルとなって、トランジスタQ3をオン、Q4をオフとすることで、トランジスタQ11をオンする。図23(C)に示す制御信号E23は、第2および第3フィールドODD1,2の期間、Hレベルとなって、トランジスタQ10をオン、トランジスタQ9をオフとし、これによってトランジスタQ12をオンする。
【0148】
図23(A)はシリンダ番号2にサーボヘッド18がオントラックした状態であり、図23(D)に示すクロックパルスがマスタクロックとして選択され、また図23(E)に示すリードパルスが得られる。したがって、図23(F)に示すデューティパルスE19は第1〜第4フィールドのいずれについても50%のデューティ比となる。
【0149】
このようなデューティパルスE19に対し、図23(G)の制御信号E21は、第1および第4フィールドEVEN1,2でデューティパルスE19に応じて変化し、トランジスタQ7をオンオフして、このときオン状態にあるトランジスタQ11を介してコンデンサ126に定電流源144による定電流で積分動作を行わせる。
【0150】
一方、図23(H)に示す制御信号E22は、第2および第3フィールドODD1,2でデューティパルスE19に応じて変化し、トランジスタQ6のオンオフにより、このときオン状態にあるトランジスタQ12を介して定電流源142で定まる定電流をコンデンサ126に逆方向から流して、積分動作を行わせる。
更に、実際の積分動作に対しては図23(I)に示すデータウィンドウ信号E7が使用され、データウィンドウ信号E7がHレベルとなっている期間についての制御信号E21,E22によってコンデンサ126の1方向および逆方向の充電動作が行われる。このときサーボヘッド18はシリンダ番号2にオントラックしていることから、第1〜第4フィールドの積分動作が終了したときのコンデンサ両端電圧は0Vとなっている。
(2)オントラック時のデューティ比のずれ
図22に示した積分回路124を動作する位相サーボパターンの読取りに基づいて生成されたデューティパルスのデューティ比は、理想的にはオントラック状態で50%となる。しかしながら、図8の実施例に示したようにPLL回路102の同期については読取信号のピーク検出で行い、一方、位相サーボパターンの読取信号についてはゼロクロス検出で行っているため、必然的に基準位相に対しゼロクロス検出のタイミングがずれ、オントラック状態で50%のデューティ比をもつデューティパルスが得られなくなる。
【0151】
図24は、位相サーボパターンの読取りをピーク検出した場合と、本発明のようにゼロクロス検出した場合のデューティ比の相違を示している。
図24(A)に示すように、4シリンダのうちのシリンダ番号2のシリンダにサーボヘッド18がオントラックしていると、図24(B)に示す基準位相となるマスタクロックの選択でデューティパルス作成回路120におけるセットタイミングが得られ、従来のピーク検出であれば、図24(C)に示すようにサーボパターンの磁気記録に一致するピーク検出タイミングが得られる。この場合、デューティパルスは図24(D)に示すように第1〜第4フィールドでデューティ比50%となる。
【0152】
しかしながら本発明のゼロクロス検出にあっては、図24(E)に示すようにゼロクロス検出タイミングがピーク検出タイミングに対し遅れをもつ。その結果、オントラック状態で図24(F)に示すようにデューティパルスのデューティ比が75%となってしまう。このように、オントラック状態でデューティ比が50%とならない理由はゼロクロス検出以外にアナログ回路系における回路遅延によって任意に生じ、ディスク装置ごとにオントラック状態で50%を外れた様々なデューティ比になってしまう。
【0153】
そこで本発明のディスク装置にあっては、まずオントラック状態で得られるデューティパルスのデューティ比を測定し、測定したデューティ比を50%とするように、図8に示したシフター108および可変ディレイ回路114に対する遅延量の設定で、デューティ比50%の調整状態をパワーオンスタートの初期化処理の際に自動的に作り出す。
(3)デューティ比の測定
図25は、オントラック状態で得られるデューティパルスE19の実際のデューティ比を測定するための機能を組み込んだ図8に示した積分回路124の一部を構成する積分制御部の実施例を示す。
【0154】
図25において、積分制御部は反転回路312、AND回路314,322,324、OR回路318,320,326,328および排他的論理和回路(EOR)316で構成される。このうち、デューティ比を測定するために設けられているのはAND回路314と排他的論理和回路316である。
この回路において、ドライブ・プロセッサ36からのODD領域反転信号E20に基づき、デューティパルス作成回路120より出力されるデューティパルスE19の第2および第3フィールドODD1,2のパルスを反転したデューティ信号を作り出す。
【0155】
このODD領域の反転回路部を除く回路部は、前段に位置する一致検出回路122からの復調モード信号E5、データウィンドウ信号E7、および放電制御信号E8を使用して、図23(B)(C)(G)(H)に示した制御信号E20,E23,E21およびE22を生成する。
図26はドライブ・プロセッサ36からのODD領域反転信号E20をデセーブルとしたときとイネーブルとしたときのデューティパルスおよびコンデンサの積分動作を示している。
【0156】
図26(A)はデューティ比の非測定状態で得られるデューティパルスE19であり、第1〜第4フィールドの全期間について例えばデューティ比50%を越えたパルス列となっている。図26(B)はデューティ比の非測定時のデューティパルスE19による積分電圧、即ちコンデンサ126の両端電圧の変化を示し、デューティ比50%からずれても最終的な積分電圧は零電圧となっており、オントラックの際の位置制御については基本的には問題はない。
【0157】
しかし、オントラック状態で位置信号は±2シリンダの範囲で変化したときに位置検出ができなければならない。このため、もしオントラック時のデューティ比が75%であったとすると、2シリンダの範囲でデューティ比は−50%〜+50%と変化する。したがって、デューティパルスの変化は+25%〜+125%となり、+125%と100%を越えると位置検出不能となる。
【0158】
逆に、デューティ比が50%より低い例えば25%であった場合には、4シリンダの範囲でデューティ比は同様に−50%〜+50%の範囲で変化し、結果的に得られるデューティパルスのデューティ比は−25%〜+75%となり、マイナスのデューティとなった場合には位置検出が不能となってしまう。このような理由からオントラック時におけるデューティパルスのデューティ比を50%に維持する必要がある。
【0159】
図26(C)は、図25の放電制御部に対しドライブ・プロセッサ36からのODD領域反転信号E20をイネーブル状態としたときの排他的論理和回路316より出力される出力信号E24と、それに基づくコンデンサ126の積分電圧を示している。
この場合、図26(A)に示すデューティパルスE19が第2および第3フィールドODD1,2の期間について反転され、最終的に得られる積分電圧はデューティ比50%の0電圧に対し、デューティ比が50%に対し増加した分だけマイナス側に変化したデューティ比測定電圧を得ることができる。
【0160】
図26(C)(D)にあっては、デューティ比が増加した場合を例にとっているが、デューティ比が50%より小さくなっている場合には、最終的に得られる測定電圧はプラス側の測定電圧となる。このような測定機能によってドライブ・プロセッサ30は、デューティパルス作成回路120より出力されているデューティパルスE19のデューティ比が何%かを実際に測定することができる。
(4)デューティ比のディレイ調整
図27は図8に示したシフター108の実施例を示す。シフター108はD−FF300,302,304と選択回路306で構成される。3つのD−FF300,302,304は直接接続によりシフトレジスタを構成する。初段のD−FFには、前段に設けているPLLカウンタ106からのビット1出力、即ち20MHzのPLLクロックE0を2分の1に分周した分周パルスが入力される。
【0161】
D−FF300,302,304に対しては、シフトクロックとしてPLLクロックE0が供給される。このPLLクロックE0は発振周波数が20MHzの場合、クロック周期1τは50nsecとなる。選択回路306にはPLLカウンタのビット1出力、およびシフトレジスタを構成する各D−FF300,302,304の出力信号E12,E13,E15が入力される。尚、PLLカウンタのビット1出力は信号E15として示している。
【0162】
選択回路306は、ドライブ・プロセッサ30におけるデューティ比の測定結果に基づいて決定された遅延制御のための選択信号E11を受けて、入力のいずれか1つを選択してマスタクロック作成回路110に基準クロックとして出力する。
図28は図27のシフター108による遅延調整を示している。図28(A)はPLLクロックE0であり、20MHzの場合、1τは50nsecとなる。図28(B)のPLLカウンタビット1出力はPLLクロックE0を2分の1に分周したパルスである。このビット1出力は図28(F)の信号E15に示すように、そのまま選択回路306に与えられ、この場合、遅延量は0nsとなる。
【0163】
図28(C)はD−FF300の出力信号E12であり、PLLクロックE0の周期1τ分即ち50nsecだけ遅延した信号となる。図28(D)は2段目のD−FF302の出力信号E13であり、100nsecだけ遅延した信号となる。更に図28(E)は3段目のD−FF304の出力信号E14であり、150nsec遅延した信号となる。
【0164】
このように図27のシフター108にあっては、遅延時間0,50,100,150nsecとなるデジタル的な遅延量をPLLクロックE0に与えることになる。ここで、シフター108によりデジタル的に設定される遅延量をτd1とする。
図29は図8の可変ディレイ回路114の実施例を示す。図29において、可変ディレイ回路114は8つのディレイ素子308−1〜308−8と、同じく8つの選択回路310−1〜310−8で構成される。選択回路310−1〜310−8の入力段に、ディレイ素子309−1〜308−8のそれぞれは前段からの直接接続とディレイ素子308−1〜308−8を経由する経路との2つの入力を接続する。
【0165】
従って、いずれかの入力を選択回路310−1〜310−8で選択することで、入力段から出力段に必要な数のディレイ素子を直列接続することができる。選択回路310−1〜310−8のそれぞれはドライブ・プロセッサ30からの選択信号E17により制御される。ディレイ素子308−1〜308−8としては、例えばディレイ素子308−1〜308−6の6つに遅延時間12nsecのものを使用し、ディレイ素子308−7,8の2つに遅延時間5nsecのものを使用している。
【0166】
ドライブ・プロセッサ30からの選択信号E17はディレイ素子308−1〜308−8に対応した8ビットの信号b7〜b0であり、選択回路310−1〜310−8の順にビット信号b0〜b7を各々入力している。このビット信号b0〜b7の各ビットがHレベル(ビット1)のとき、選択回路310−1〜310−8はディレイ素子308−1〜308−8からのラインを選択する。逆に、ビット信号b0〜b7がLレベル(ビット0)のときはディレイ素子308−1〜308−8をバイパスしたラインを選択する。
【0167】
ドライブプロセッサ30からの選択信号E17のビットb0〜b7に対する選択遅延時間の関係は、図31のテーブルに示すようになる。このような8ビットの選択信号E17によりドライブ・プロセッサ30は、8ビットをデシマル表現したテーブル番号Iで指定される図32に示すテーブル番号I=0〜255までの256種類の遅延時間τ0〜τ255を設定することができる。
【0168】
ここで、テーブル番号I=0は遅延時間τ0=0nsecで遅延量がない場合であり、I=255の遅延時間τ255が最大遅延量を与える82nsecとなる。尚、遅延時間τ0〜τ255は遅延時間の大小関係に従って並べられてはおらず、最適遅延時間の選択は遅延時間の設定とデューティ比の測定を繰り返すことで決定される。また、図31,図32に示した各遅延時間は、実際にはある程度のばらつきがあり、これはあくまで理想的な設計値を示すにすぎない。
【0169】
図30は図29に示した可変ディレイ回路114による遅延動作を示している。可変ディレイ回路114はゼロクロス検出回路112より得られたゼロクロス検出信号E16を遅延する。このゼロクロス検出信号E16はデューティパルス作成回路120においてデューティパルスのリセットタイミングを与え、従ってリセットタイミングを遅延することになる。
【0170】
即ち、図30(A)はゼロクロス検出回路112から入力するゼロクロス検出信号E16であり、ドライブ・プロセッサ30からの選択信号E17により任意の遅延時間τb2が設定され、最終段の選択回路310−8よりディレイ出力信号E18が得られることになる。
図33は図27のシフター108と図29の可変ディレイ回路114によるデューティパルスの遅延調整動作を示している。図33(A)はPLLクロックE10の立上がりタイミングを示し、これに対し図33(B)の補正前のデューティパルスが4τで50%となるデューティ比を越えていたとする。このデューティパルスのデューティ比は図26(C)に示したように、デューティパルスの第2および第3フィールドODD1,2を反転することで、積分回路124によるコンデンサ126の積分電圧として得られてドライブ・プロセッサ30に取り込まれ、調整を必要とする遅延量が決まる。例えば、図33(B)の場合には、50%デューティとするために、4τを越えるΔτd分のデューティを減らす必要がある。
【0171】
この場合、ドライブ・プロセッサ30は調整を必要とする遅延量Δτdを実現するため、シフター108に対する50nsec単位のPLLクロックE10の遅延と、可変ディレイ回路114によるゼロクロス検出タイミングの遅延量τd2を決定する。即ち、
Δτd−τd1+τd2=100nsec
となるように設定遅延量τd1,τd2の値を決める。
【0172】
図33(C)は、シフター108に対するτd1=100nsecの設定と、図38(D)に示す可変ディレイ回路114に対するゼロクロス検出タイミングのτd2の遅延設定を示す。この結果、デューティパルス作成回路120からは図38(E)に示す50%のデューティ比に補正された補正デューティパルスを得ることができる。
【0173】
図34のフローチャートはドライブ・プロセッサ30によるデューティ調整処理を示している。図34において、まずステップS1で、サーボヘッド18を適宜の目標シリンダにオントラックした状態で第2および第3フィールドODD1,2を反転することでデューティ比を測定する。測定したデューティ比が、ステップS2で、50%であれば調整処理は行わずに終了する。
【0174】
デューティ比が50%に一致していない場合には、測定したデューティ比に基づいて、ステップS3で、デューティ比を減らす遅延時間τd1の計算とデューティ比を増やす遅延時間τd2の計算を行い、それぞれシフター108および可変ディレイ回路114にステップS4,S5で設定し、再びステップS1に戻って、デューティを測定する。
【0175】
以上のステップS1〜S5の処理を、ステップS2でデューティ比50%が得られるまで繰り返す。このデューティ比調整処理は、図7のフローチャートのステップS4に示したように、パワーオンスタート後の初期化処理の際に行われる。
図35は図34のステップS4で行われる可変ディレイ回路114に対する遅延時間τd2の設定処理をサブルーチンとして示している。このサブルーチンにあっては、図32に示したテーブル情報を使用する。
【0176】
図35において、まずステップS1で、図32に示したテーブルのテーブル選択番号I、最終的に決定される遅延時間のテーブル番号Ds、および前回の計算で得られた遅延時間Dmを0に初期化する。次にステップS2で、デューティ測定で決定された可変ディレイ回路114に対する決定遅延時間τd2をDとして読み込む。
【0177】
続いてステップS3で、初期化されたテーブル選択番号I=0で指定される遅延素子の組合せから遅延時間Diを計算する。この実施例にあっては、遅延時間は図32に示すように予めテーブル情報としてもっていることから、テーブル検索だけでよい。テーブルを使用しない場合には、テーブル選択番号Iで指定される遅延素子の組合せから遅延時間DIを計算する。
【0178】
次にステップS4で、計算した遅延時間DIは、前回の計算計算遅延時間Dmより大きく、ステップS2で読み込んだ決定遅延時間Dより小さいか否かチェックする。この条件を満たしていれば、現在選択しているテーブル選択番号Iで決まる計算遅延時間Dmは有効であることから、ステップS5に進んで、計算遅延時間Dmに現在求めた遅延時間DIをセットし、更に決定遅延時間テーブル番号Dsにテーブル番号Iをセットする。ステップS4の条件を満足しなければステップS5の処理は行わず、このテーブル選択番号の遅延時間は無視する。続いてステップS6で、テーブル選択番号Iを1つインクリメントし、ステップS7で最終テーブル番号I=255に達するまで、ステップS3〜S7の処理が繰り返される。
【0179】
このような処理の繰返しにより、ステップS2で読み込んだ決定遅延時間D=τd2に最も近い遅延時間となるテーブル番号Iを決めることができる。そして最終的にステップS8で、決定されたテーブル番号Iに基づいた選択信号E17を可変ディレイ回路114に出力して遅延時間τd2に最も近い遅延時間を設定する。このときの選択信号E17は、図32に示したテーブル番号Iのデシマル値を8ビットで表現したデータであり、ビット対応により一義的に遅延素子の選択が決まることになる。
5.積分回路の調整
図22に示した積分回路124にあっては、定電流源142,144によってコンデンサ126に流す電流量を決定しているが、定電流源142,144を実現する定電流回路に使用している抵抗、更にはコンデンサ126の容量に、製造過程において、ばらつきが発生する。
【0180】
このため、オントラック状態のデューティ比50%のデューティパルスに基づいてコンデンサ126に両方向から電流を流して、理想的には端子電圧を0Vにしなければならないが、実際にはどちらかに偏った両端電圧が発生してしまう。このコンデンサ126のオントラック時の誤差電圧は、位置検出信号におけるシリンダセンタからのずれ量としてドライブ・プロセッサ30に取り込まれ、位置検出精度が低下する。
【0181】
そこで本発明のディスク装置にあっては、ドライブ・プロセッサ30に設けている積分回路調整処理部86の機能により、デューティ比50%のときのコンデンサ126の誤差電圧を測定し、ヘッド位置制御の際にはADコンバータ38から取り込んだ位置信号から誤差を差し引いて正しい位置データを使用する補正を行う。
【0182】
このようなオントラック時におけるコンデンサ126の誤差電圧の測定は、図8に示したドライブ・プロセッサ30より制御信号E32を選択回路118に出力し、選択回路118でドライブ・プロセッサ30からの擬似的なゼロクロス検出パルスに相当するリードパルスをデューティパルス作成回路120に供給し、デューティパルスE19のデューティ比をドライブ・プロセッサ30で制御することで、積分回路124におけるデューティ比50%のときの誤差電圧を測定する。
【0183】
更に、選択回路118を介して目標シリンダに対し±1シリンダ分シークしたと同等なデューティパルスを擬似的に発生させて積分回路124で位置信号を測定し、1シリンダ当たりの位置検出データを示すシリンダゲインを測定する。このため、実際にサーボヘッド18を動かすことなく、擬似的なデューティパルスの作成のみによって積分回路124のコンデンサ誤差電圧および1シリンダのヘッド移動量を示す位置検出データとしてのシリンダゲインを測定できる。
【0184】
図36はドライブ・プロセッサ30で選択回路118を介してデューティパルス作成回路120に積分誤差電圧およびシリンダゲインの測定のために出力される3種類のリードパルスを位相サーボパターンと共に示している。
図36(A)はサーボ面の位相サーボパターンを示し、サーボヘッド18はシリンダ番号2にオントラックしている。このようなオントラック状態にあっては、図36(B)に示すマスタクロックがデューティパルス作成回路120に供給されている。マスタクロックは、その立上がりでデューティパルスをセットする。デューティパルスのリセットは選択回路118を経由したドライブ・プロセッサ30からのオントラック・リードパルスで行う。
【0185】
このオントラック・リードパルスは図35(C)に示すように、マスタクロックの立上がりに対し4τの位相差をもって発生する。これにより、図35(D)に示すデューティ比50%のデューティパルスを擬似的に作成して積分回路124を動作させることができる。
図36(F)は、図36(A)に示すシリンダ番号にオントラックしているサーボヘッド18をプラス方向に1シリンダシークしたときに相当するドライブ・プロセッサ30から出力される+1シークリードパルスを示している。この+1シークリードパルスは図35(A)でサーボヘッド18がシリンダ番号3に移動したときのリードパルスに相当し、マスタクロックの立上がりに対し6τの位相遅れをもって発生する。
【0186】
この+1シークリードパルスによって、図36(G)に示す第1および第4フィールドEVEN1,2でデューティ比75%、第2および第3フィールドODD1,2でデューティ比25%のデューティパルスを擬似的に発生することができる。
更に、図36(H)は、オントラック状態からサーボヘッド18をマイナス方向に1シリンダシークしてシリンダ番号1に移動した際に得られるリードパルスに相当するパルスを、ドライブ・プロセッサ30で−1シークリードパルスとして発生している。この−1シークリードパルスは、第1および第4フィールドEVEN1,EVEN2では、マスタクロックの立上がりに対し2τ位相シフトし、第2および第3フィールドODD1,2については基準クロックに対し6τ位相シフトしたパルスである。
【0187】
この結果、−1シークリードパルスによって、図36(I)に示す第1および第4フィールドEVEN1,2でデューティ比25%、第2および第3フィールドODD1,2でデューティ比75%のデューティパルスを擬似的に発生することができる。
図37(A)は、図36(C)に示すオントラック・リードパルスをドライブ・プロセッサ30で発生して擬似的なデューティ比50%のデューティパルスで積分回路124を動作させたときの理想的な電位差の変化を示し、この電位差の変化330は最終的に零となる。しかし実際には、抵抗や容量のばらつきによりオントラック・リードパルスに基づくデューティ比50%のデューティパルスで積分回路124を動作させると、図37(B)の破線の理想特性330に対し実線の特性332に示すようにコンデンサ126の電位差は変化し、最終的にオフセット電圧ΔVが誤差電圧として残る。
【0188】
そこで、ドライブ・プロセッサ30はADコンバータ38によって、このオフセット電圧ΔVを取り込んで保持し、その後のヘッド位置制御の際にはADコンバータ38から取り込まれた1データからオフセット電圧ΔVを除去して正しい位置データを作り出す。
図38はシリンダゲインを求めるための+1シリンダリードパルスおよび−1シリンダリードパルスの発生によるコンデンサ126の電位差の変化を示している。実線の特性334は擬似的に+1シリンダシークしたときの変化であり、この場合、+V1の電位差が得られる。点線の特性336は−1シリンダシークしたときの電位差の変化である。この場合には、−V2の電位差が得られる。
【0189】
そこでドライブ・プロセッサ30は、+1シリンダシーク時の電位差+V1と−1シリンダシーク時の電位差−V2の変化パワーを(V1+V2)として求め、これを2シリンダで割ることで、1シリンダ当たりの電位差即ち位置信号の変化をシリンダゲインとして求める。
図39のフローチャートはドライブ・プロセッサ30による積分回路調整処理を示している。まずステップS1で、選択回路118を切り替えてサーボヘッド18を切り離し、ドライブ・プロセッサ30から擬似的なリードパルスをデューティパルス作成回路120に供給可能とする。
【0190】
続いてステップS2で、位相番号0番のマスタクロックをシリンダ切替信号E30により選択し、マスタクロック作成回路110よりマスタクロックE10とて出力させる。続いてステップS3で、全フィールドで50%となるデューティパルスを作成するオントラックリードパルスを発生し、擬似的なオントラック制御状態を作り出す。続いてステップS4で、オントラックリードパルスの発生により得られた積分電圧を取り込んでオフセット電圧ΔVを検出する。
【0191】
検出後にステップS5で積分電圧補正データを作成し、後の補正処理に使用可能とする。次にステップS6〜S11の処理によりシリンダゲインを測定する。まずステップS6で75%,25%,25%,75%とデューティ比が変化する+1シリンダシークのデューティパルスを作成するリードパルスを発生し、擬似的な+1シリンダシーク状態を作り出し、ステップS7で、そのときの積分電圧V1を取り込む。
【0192】
続いてステップS8で、25%,75%,75%,25%となるデューティパルスを作成するリードパルスを発生し、擬似的に−1シリンダのシーク状態を作り出し、ステップS9で、そのときの積分電圧V2を取り込む。続いてステップS10で、2シリンダ分シーク時の電圧変化即ち(V1+V2)から1シリンダ当たりの変化電圧を(V1+V2)/2として算出する。最終的にステップS11で、算出電圧をシリンダゲインとして格納し、サーボヘッドの切離しを解除する。
【0193】
この積分回路の調整処理も、図7のステップS5に示したようにディスク装置のパワーオンスタートに伴う初期化処理の際に実行される。
6.加速度成分を含む位置予測
位相サーボ情報を用いた本発明のディスク装置におけるシーク制御にあっては、従来の2相位相サーボパターンを用いたディスク装置のようにトラッククロッシングパルスを使用しないことから、速度制御において目標速度を得るための目標シリンダまでの残りシリンダ数の算出については、位置検出のサンプリング周期ごとに次のヘッド移動位置を予測する。
【0194】
そして、予測したヘッド移動位置から目標シリンダまでの残りシリンダ数を求め、残りシリンダ数に対応する目標速度パターンから目標速度を求めて速度制御を行うようになる。このようなシーク中の速度制御におけるヘッド位置の予測について、従来のディスク装置にあっては速度予測のみを行っている。
図40は従来の速度成分のみによるヘッド移動位置の予測を示している。いまサンプリング・タイミングtでヘッドが位置284にあったとする。また、前回のサンプリング時点tn−1 でヘッドは位置282にあったものとする。この場合には、現在のヘッド位置284と前回のヘッド位置282からヘッドの移動速度を求め、次のサンプリング時点tn+1 のヘッド位置286を予測する。
【0195】
予測位置286が決まれば目標シリンダまでの残りシリンダ数が求まることから、この残りシリンダ数により目標速度パターンを参照して、対応する目標速度を求め、速度制御部に設定して速度制御を行う。同時に位相サーボ情報はシリンダ番号0〜3の4シリンダごとに繰り返していることから、予測位置286に対応するシリンダ番号2を求め、次のサンプリング時点tn+1 における位相サーボパターンに基づく位置検出に使用するマスタクロックを選択するシリンダ切替えを行う。
【0196】
しかしながら、シーク中のヘッド速度制御にあっては、目標速度パターンが加速,定速,減速となっており、加速時および減速時にあっては、各サンプリング時点での検出速度が変化する加速度成分をもつことになる。例えば図40が加速中であった場合には、サンプリング時点tn+1 における予測位置286に対し実際のヘッド位置は位置288にあったとする。この実際の移動位置288は現在位置284に対し4シリンダを越えた位置となっている。
【0197】
このため、サンプリング時点tn+1 にあっては実際のヘッド位置288であっても、予測位置286を中心とした±2シリンダの範囲内しかヘッド位置が認識できないため、予測位置286の1シリンダ手前の実位置288と同じシリンダ番号3の位置290にヘッドが移動したと判断する。
したがって、サンプリング時点tn+1 における次のサンプリング時点tn+2 の予測位置は位置294と、実際のヘッド移動位置292より大きくずれてしまい、この時点でヘッド位置が判らなくなってシークエラーとなってしまう。そこで本発明にあっては、サンプリング時点ごとの次のヘッド位置の予測に、速度成分に加えて加速度成分を取り込んだことを特徴とする。
【0198】
図41は、速度成分に加えた加速度成分を加えた本発明のディスク装置におけるヘッド位置の予測を示す。なお、サンプリング時点tn−1 ,tについては、図40と同じ位置である。
図41において、いまサンプリング時点tでヘッドが位置284にあったとすると、今回のヘッド位置284から前回のヘッド位置282を差し引くことでサンプリング周期におけるヘッド速度を示すシリンダ数を求める。即ち、ヘッド移動速度は位置検出におけるサンプリング周期当たりの移動シリンダ数として定義される。
【0199】
この場合の次のサンプリング時点tn+1 における速度成分のみによる予測位置は図40の場合と同様、位置286となる。即ち、速度成分によって次のサンプリング時点tn+1 におけるヘッド移動量を示すシリンダ数CLvが求められる。更に本発明にあっては、現在のサンプリング時点tにおける加速度成分から次のサンプリング時点tn+1 における加速度によるヘッド移動量となるシリンダ数CLaを算出する。この加速度成分によるヘッド移動量を示すシリンダ数CLaは、例えばヘッド駆動を行っているVCM16に供給する駆動電流に基づいて算出する。
【0200】
具体的には、加速度成分によるヘッド移動量を示すシリンダ数CLaを
CLa=VCM指示電流値×加速度補正係数
として求める。ここで加速度補正係数は単位指示電流当たりのサンプリング周期における移動シリンダ数を与えるもので、実験的に決めることができる。
図42はVCM指示電流値に加速度補正係数を掛け合わせることで求められる加速度成分による位置補正量CLaの速度制御中における変化を示している。即ち、時刻t1〜t2が加速期間となり、特性298−1に示すように、加速度による位置補正量CLaはプラスの変化となる。次の時刻t2〜t3の特性298−2に示す区間は定速区間であり、加速度成分による位置補正量CLaはほぼ0である。更に時刻t3〜t4の特性298−3示す区間は減速区間であり、減速加速度成分による位置補正量CLaはマイナスの値をもつ。
【0201】
この結果、図41のサンプリング時点tn+1 に示すように、ヘッド位置296を予測することができ、実際のヘッド位置288に対し位置検出可能なシリンダ範囲を正しく予測することができる。勿論、次のサンプリング時点tn+1 にあっては、予測位置296に対し実位置288がずれていることから、予測位置296を実位置288に変更して次のサンプリング時点tn+1 の位置予測を行うことになる。
【0202】
図43のフローチャートは加速度を含めた位置予測を行う本発明のディスク装置におけるシーク制御を示している。
図43において、まずステップS1で、目標シリンダアドレスをセットし、ステップS2で、目標速度パターンに基づく速度制御(コアス制御)を開始する。ステップS3にあっては、位相サーボパターンに基づく位置検出の有無を監視しており、サンプリング周期ごとに位置検出が行われる。位置検出ができたならば、ステップS4で、現在位置から前回位置を引いてヘッド移動速度を求める。
【0203】
続いてステップS5で、次のヘッド移動位置の検出位置を予測する。この予測処理は速度成分と加速度成分を含めて行われる。次にステップS6で、予測位置に基づき目標シリンダのシリンダ番号を認識してマスタクロックの切替条件をセットする。続いてステップS7で、残りシリンダ数が目標シリンダの0.5シリンダ手前か否かチェックし、目標シリンダの0.5シリンダ手前に達するまでステップS2〜S7の処理を繰り返す。
【0204】
目標シリンダの0.5シリンダ手前へのヘッド移動を判別すると、ステップS8に進み、それまでの速度制御からヘッドを目標シリンダを示すヘッド位置に引き込むためのファイン制御に切り替える。ファイン制御に切り替えると、ステップS9で、目標シリンダに対し予め定めたオントラックスライス値の範囲内に入るか否か監視し、オントラックスライス値の範囲内に入れば、オントラック信号を上げることで目標シリンダ位置を認識し、一連のシーク処理を終了する。
【0205】
図44は図43のステップS5に示した位置予測の詳細をサブルーチンとして示している。尚、図44の位置予測にあっては、ヘッド移動速度の最高速度がサンプリング周期ごとに±2シリンダ以内に収まっている場合を例にとっている。図44において、まずステップS1で、現在位置Pは前回位置Pn−1 を中心に±2シリンダ以内か否かチェックする。もし±2シリンダを越えていた場合にはヘッドの暴走であることから、ステップS5に進み、エラー検出処理を行う。±2シリンダ以内であった場合にはステップS2に進み、既に求めているヘッド移動速度Vから次回の検出位置までのシリンダ変化数CLvを算出する。
【0206】
続いてステップS3で、加速度による次回の検出位置までのシリンダ変化数CLaを算出する。最終的にステップS4で、速度に基づくシリンダ変化数CLvと加速度に基づくシリンダ変化数CLaを現在位置Pに加算して、次回位置Pn+1 を求める。
7.シーク速度によるシリンダ切替え
位相サーボパターンを用いてヘッド位置を検出する本発明のディスク装置にあっては、位相サーボパターンが4シリンダごとに繰り返し記録されているため、第1〜第4フィールドEVEN1,ODD1,ODD2,EVEN2で構成された位相サーボ領域を、位置検出が行われる目標シリンダを中心に±2シリンダを越えないヘッド移動速度のときに、初めて位置検出が可能となる。従って位相サーボ領域の通過速度が4シリンダを越えるような速度でヘッド移動を行うことはできず、高速シークを行うことができない。
【0207】
図45は位相サーボ領域の通過速度が±4シリンダに制限されている場合のヘッド移動の様子を示している。尚、この場合のヘッド移動速度は半径方向に見たヘッドの通過シリンダ数を、円周方向に見たサーボ領域の通過時間幅stで割った値であり、例えば+4[CL/st]とする単位で表現できる。以下の説明には単にヘッド通過速度をシリンダ数で表現する。
【0208】
図45において、ヘッドが第2および第3フィールドODD1,2の境界点を通過するシリンダ位置215が位相サーボパターンから検出される。したがって、検出位置215がシリンダ番号0にあったとすると、これを中心に±2シリンダとなる斜線の領域214を越えない位相サーボ領域の通過速度であれば、ヘッド位置を正確に検出できる。ここで、ヘッドの位置検出が行われる検出点215が位置するシリンダを、以下、センタシリンダと定義する。
【0209】
図45の場合には、シリンダアドレスがプラス方向に増加するインナ側へのフォワードシークにあっては、ヘッド移動軌跡218に示すように、4シリンダ分の位相サーボ領域214を左上コーナから右下コーナに抜けるヘッド移動が最高速の+4シリンダとなる。逆にシリンダアドレスが減少するマイナス方向、即ちアウタ方向へのリバースシークについては、速度軌跡220に示すように4シリンダ分の位相サーボ領域214の右上コーナから左下コーナに抜ける最高シーク速度−4シリンダとなる。
【0210】
したがって、シーク速度が+4シリンダ〜−4シリンダの範囲内にあれば、センタシリンダ216へのオントラック時と同様に、位置215の位置検出をシーク中も行うことができる。シーク中におけるセンタシリンダ216の位置検出は図44に示した位置予測の結果として行われる。この場合の目標シリンダを示すシリンダ番号に対するマスタクロック位相番号は図46のテーブルに示すようになる。即ち、シーク中にあってもオントラック時と同様に、シリンダ番号に対応したマスタクロックの選択を行うシリンダ切替えが行われる。
【0211】
図47は、図46に示すように、ヘッド移動速度が±4シリンダに収まっているときの位相サーボ領域の各フィールドにおけるマスタクロック位相番号を示しており、オントラック時と同様、全フィールドで同一のマスタクロックが当然に使用されている。
このようなシーク中のヘッド位置検出が行われるセンタシリンダを中心とした±4シリンダの範囲内にヘッド移動速度が制限されるディスク装置に対して、本発明にあっては、±4シリンダを越えるヘッド移動速度についてもセンタシリンダのヘッド通過位置を検出可能としている。
【0212】
図48はフォワード方向のヘッド移動速度の最高速度を+6シリンダとした場合のシリンダ切替えを示している。即ち、従来のディスク装置にあっては、1つの位相サーボ領域を構成する4フィールドでは全フィールド同一のマスタクロックを使用しているが、これではシーク速度が±4シリンダに制限されることから、本発明にあっては位相サーボ領域のフィールド内でシリンダ切替えを行うようにしたことを特徴とする。
【0213】
図48は、前半の2フィールドと後半の2フィールドに分けて位相サーボ領域で2段階にマスタクロックを切り替える2段階のシリンダ切替えを示している。図48において、ヘッド位置検出が行われる検出位置215のセンタシリンダ216に対し、±1シリンダずれた第1センタシリンダ228と第2センタシリンダ230を設定して、第1フィールドEVEN1と第2フィールドODD1については第1センタシリンダ228に対応したマスタクロックのシリンダ切替えを行う。また後半の第3フィールドODD2と第4フィールドEVEN2については第2センタシリンダ230に対応したマスタクロックのシリンダ切替えを行う。これによって、シリンダアドレスが増加するフォワードシークについては、速度軌跡232に示すように+6シリンダを最高速度とするヘッド移動を実現できる。
【0214】
これに対し、シリンダアドレスが減少するリバース方向のシークについては、ヘッド検出位置215を通過する速度軌跡は速度軌跡235に示すように±1シリンダの範囲に制約され、−2シリンダが最高速度となる。
図49は、図48の+6シリンダ〜−2シリンダのシーク速度を可能とする場合のヘッド検出位置215をもつセンタシリンダ216に対するフォワードシーク時のマスタクロック位相番号とリバースシーク時のマスタクロック位相番号を示している。前半の第1および第2フィールドEVEN1,ODD1と、後半の第3および第4フィールドODD2,EVEN2で異なった位相番号のマスタクロックとなるシリンダ切替えが2段階に行われている。
【0215】
図50はフォワード方向の最高速度を+7シリンダとした場合のシリンダ切替えを示している。この場合には第1〜第4フィールドの各フィールドごとに段階的にシリンダ切替えを行っている。即ち、検出位置215をもつセンタシリンダ216に対し、第1フィールドから第4フィールドの順番に1シリンダずつずれて、第1センタシリンダ246、第2センタシリンダ248、第3センタシリンダ250および第4センタシリンダ252を設定する。尚、第3センタシリンダは250はセンタシリンダ216と同じになる。
これによって、それぞれのセンタシリンダ246,248,250,252について±2シリンダの領域238,240,242,244が設定される。このときのシリンダアドレスが増加するフォワード方向のシーク最高速度は、速度軌跡254に示すように+7シリンダとなる。一方、シリンダアドレスが減少するマイナス方向のリバースシークについては、−1シリンダに制約される。
【0216】
図51は、図56のシリンダ切替えにおける各フィールドでのマスタクロック位相番号をヘッド検出位置215をもつセンタシリンダのシリンダ番号に対応して示している。いずれの場合にも、第1〜第4フィールドで段階的に異なったマスタクロックの位相番号が選択されるシリンダ切替えが行われている。
図52は、フォワード方向の最高速度を+10シリンダとした場合のシリンダ切替えを示す。図52のシリンダ切替えは図50と同様、各フィールドごとにシリンダ切替えを行っており、更に各フィールドごとのシリンダ切替えは、図50の場合は1シリンダおきであったものが、図50にあっては2シリンダに増加している。
【0217】
即ち、ヘッド検出位置215をもつセンタシリンダ216を中心に2シリンダ間隔となるように、第1センタシリンダ268、第2センタシリンダ270、第3センタシリンダ272および第4センタシリンダ274を設定している。各センタシリンダ268,270,272および274に対しては、±2シリンダの範囲となる領域260,262,264,266が設定される。
【0218】
このため、フォワード方向の最高速度は速度軌跡276に示すように+10シリンダとなる。一方、ヘッド最高速度に対しフォワードシークの最低シリンダ速度が規制され、速度軌跡278に示すように+4シリンダとなる。したがって、図52のシリンダ切替えにあっては、+4シリンダ〜10シリンダのシーク速度でヘッド移動ができる。
【0219】
図53は、図52のシリンダ切替えに使用するマスタクロックの位相番号の組合せをヘッド検出位置215が属するセンタシリンダ216のセンタシリンダ番号に対応して示している。
図54は、ヘッド移動速度について図45のシリンダ切替えを1速(1ST)、図48のシリンダ切替えを2速(2ND)、図50のシリンダ切替えを3速 (3RD)、図52のシリンダ切替えを4速(4TH)として、一種のシーク速度の変速パターンを示している。
【0220】
このようにシリンダ切替えによる変速パターンが実現できることから、ヘッド移動速度を検出して必要な速度レンジを選択したシリンダ切替えを行うことで、任意のシーク速度に対応することができる。これは恰も自動車に採用されている自動変速機に類似した機能といえる。
図55のフローチャートは図54に示した1速(1ST)と2速(2ND)の2段階の速度切替えを利用したシリンダ切替処理を示している。
【0221】
図55において、まずステップS1で速度Vを読み込む。この速度Vは現在のヘッド位置と前回のヘッド位置の差から求められている。続いてステップS2に進み、速度Vが±4シリンダの範囲内にあるか否かチェックする。±4シリンダの範囲内にあればステップS3に進み、次に検出されるヘッドの予測位置に対応したシリンダ番号に基づき、図46に示す所謂1速テーブルからマスタクロック位相番号を選択して位相切替パターンを決める。
【0222】
一方、ステップS2で速度Vが±4シリンダを越えていた場合には、ステップS4に進み、−2〜+6シリンダの範囲内にあるか否かチェックし、この範囲内にあればステップS5に進み、予測されたシリンダ番号に対応した図49の所謂2速テーブルから対応するマスタクロック位相番号の組合せでなる位相切替パターンを選択する。
【0223】
尚、図52は+10シリンダを最高速としているが、更に各フィールドにおけるセンタシリンダのシリンダ間隔を3シリンダ,4シリンダと広げることで最高速をアップすることができる。
8.データ面の位相サーボパターン
本発明のディスク装置にあっては、データ面の特定シリンダに対してもサーボ面の位相サーボパターンと同等な位相サーボパターンを記録し、データヘッドに設けているリードヘッド(MRヘッド)からヘッド位置を検出できるようにしている。
【0224】
図56はデータ面の特定シリンダに書き込まれている位相サーボパターンのフレーム構成を示す。図56において、データ面の例えばアウタ・ガードバンド領域OGB1内の特定シリンダおよびインナ・ガードバンド領域IGB1の特定シリンダには、直線に展開して示すディスク1回転分のサーボ領域340が設けられている。
【0225】
この1回転分のサーボ領域340は、図10に示したサーボ面と同様、216の領域に分割されて216個のデータ面サーボフレーム350を構成している。データ面サーボフレーム350は、拡大して示すように、未使用領域360とサーボパターン部370で構成される。
サーボパターン部370は図10のデータ面のサーボパターン部164と同じ大きさであり、基準クロックのカウント値をサーボフレームの先頭で0としたとき、サーボパターン部370はカウント値1268から1512の範囲となる。サーボパターン部370には図56および図57に分けて示す位相サーボパターンが記録されている。
【0226】
図56および図57において、位相サーボパターンは第1フィールド372、第2フィールド374、第3フィールド376および第4フィールド378に分けられている。この第1〜第4フィールドは、サーボ面位相サーボ領域と同様、第1フィールド372がEVEN1、第2フィールド374がODD1、第3フィールド376がODD2、第4フィールド378がEVEN2と呼ばれる。また第1〜第4フィールドは未使用領域を除いて基準クロックの4周期に相当する4τ×10の長さをもっている。
【0227】
位相サーボパターンは、第1フィールドと第4フィールドは同じ位相サーボパターンであり、また第2フィールドと第3フィールドも同じ位相サーボパターンであり、更に第1,第4フィールドと第2,第3フィールドとの間では逆位相のパターンとなっている。この点もサーボ面の位相サーボパターンと同じである。サーボ面位相サーボパターンと相違する点は、図59に取り出して示すように、第1フィールド372(EVEN1)と第4フィールド378(EVEN2)の位相パターンの間に0.25シリンダ分の半径方向の位置ずれをもたせている点である。この点は図60に示す第2フィールド374(ODD1)と第3フィールド376(ODD2)の間についても同様の関係となっている。
【0228】
更に、図57,図58に示すように、データ面サーボパターンは目標シリンダとなる0シリンダを中心に±2.5シリンダの範囲に記録されており、しかも±1.5シリンダを越える領域についてはヘッド位置検出を行わせないために位相ずれのないパターンを記録している。従ってサーボ面におけるヘッド位置可能範囲となる4シリンダに対し、データ面の場合にはヘッド位置可能範囲となるシリンダ数が3シリンダに制限されている。
【0229】
このヘッド位置検出が可能となるシリンダ数が3シリンダに制限されている点は、データ面に記録するサーボ情報は例えば目標シリンダとしてのシリンダ番号0にオントラックした状態でオフセットを測定することを目的としており、従って±1.5シリンダ程度のヘッド検出範囲をもたせれば十分であることによる。この範囲を越えるようなヘッド位置の誤差については、本来、サーボ面の位相サーボ情報に基づくヘッド位置の検出でカバーされるものである。
【0230】
図59,図60に示したように、第1フィールドと第4フィールド、および第2フィールドと第3フィールドで半径方向に位相サーボパターンを0.25シリンダずらして記録している理由は、サーボヘッド18に対しデータヘッド20に設けているMRヘッドを用いたリードヘッドのコア幅が小さく、サーボヘッド18と同じ位相サーボパターンでは位置検出に不感帯ができてしまうことを防ぐためである。この関係を説明すると次のようになる。
【0231】
図61はサーボ面の位相サーボパターンをサーボヘッドで読み出したときのヘッド移動量に対する検出量の関係を示している。図61は、サーボ面38のサーボフレームにおける第2フィールドODD1と第3フィールドODD2の境界部分を取り出しており、サーボヘッド18のコア幅W1はほぼ1シリンダ分ある。例えば、トラックピッチを7.5μmとすると、サーボヘッド18のコア幅W1=7μm程度となる。このようなサーボヘッド18のコア幅W1に対し、サーボ面380には半径方向に0.5シリンダピッチでサーボパターンが記録されている。サーボヘッド18は常に2つのサーボパターンに跨がりながら読出信号を得るため、ヘッド移動量に対し検出量は特性382に示すように直線的に変化する。
【0232】
図62は、データ面384に図61のサーボ面380と全く同じサーボパターンを記録した場合を示す。データ面384のサーボ読出しに使用するリードヘッド410は、MRヘッドを使用していることから、コア幅W3はサーボヘッド18に比べて小さく、例えばW3=3μmと半分以下になる。
したがって、このようなコア幅W3の小さいリードヘッド410でサーボ面と同じサーボパターンを読み取ると、0.5シリンダ幅をもつサーボパターンの中にリードヘッド410が完全に入り込んで、ヘッド位置が変化しても検出量が全く変化しない不感帯390,392,394を生ずる。このため、ヘッドの移動量に対する検出量の関係は特性386に示すようになり、破線で示す本来の特性382に従ったヘッド位置の検出ができなくなる。
【0233】
この問題を解決するため、本発明にあっては、図63に示すように、例えば第2フィールドODD1と第3フィールドODD2の位相サーボパターンを半径方向に0.25シリンダずらして記録する。これによって、コア幅W3が小さいリードヘット410であっても、ヘッド移動によって特定の位相サーボパターンの中に入り続けてしまうような不感帯を生ずることがなく、サーボ面の場合と同様、移動量に対し検出量が直線的な特性388で示すように得ることができる。この点は第1フィールドEVEN1と第4フィールドEVEN2との間についても同様である。
【0234】
このように、第1フィールドと第4フィールドEVEN1,2、および第2フィールドと第3フィールドODD1,2で0.25シリンダずつずらした位相サーボパターンをデータ面に書き込むためには、16種類の位相の異なったライト信号が必要となる。即ち、図57に示すように、前半の第1フィールド372 (EVEN1)と第2フィールド374(ODD1)でサーボパターンは各パターンが半径方向に0.5シリンダの長さをもつことから、サーボ面と同様、1τずつずれた8種類の異なった位相のライト信号が必要となる。更に、図57の第3フィールド376(ODD2)と図58の第4フィールド378(EVEN2)については、0.25シリンダだけ半径方向に位置がずれることから、同じ書込シリンダ位置で更に位相が異なる8種類のライト信号が必要となる。
【0235】
具体的には、前半の第1フィールドEVEN1、第2フィールドODD1については、図15(A)の基準クロックの立ち上がりに同期した位相番号0,2,4,6,8,10,12,14の8種類のライト信号を使用し、後半の第3フィールドODD2と第4フィールドEVEN2については、図16(A)の基準クロックの立ち下がりに同期した位相番号1,3,5,7,9,11,13,15の8種類のライト信号を使用する。
以上の説明はサーボ面に記録したサーボ情報のシリンダ繰り返し数を4とした場合の説明であるが、シリンダ繰り返し数を一般的な表現であるNで表現すると、データ面サーボ情報書込手段は、基準クロックを1/Nに分周し、且つ基準クロックに対して0.25N周期分ずつ位相を異ならせた4N種類の書込パルスを発生し、その書込パルスの中から書込シリンダで特定される所定の位相の書込パルスを選択してデータ面のサーボ領域にサーボ情報として書き込ませることになる。
【0236】
これら位相番号0〜15をもつ16種類のライト信号は、図17に示した回路構成をもつマスタクロック作成回路110からデータ面に対するサーボ情報の書込モードの際に供給される。
図64は、図57,図58に示したデータ面に位相サーボパターンを書き込む際のライト信号の位相番号を、目標シリンダとなるシリンダ番号0を中心に±2.5シリンダの範囲について0.25シリンダ単位に示している。このうち、目標シリンダとなるシリンダ位置0.00に対し、±1.5シリンダを越える領域については、同じパターンの繰返しであり、±1.5シリンダの範囲で有効な位相サーボ情報の書込みを与える。
【0237】
具体的な書込みは、サーボ面の位相サーボ情報に基づくデータ面の目標シリンダへのオントラック状態で、例えば−2.5シリンダ、オフセットした位置から0.25シリンダ単位にシークしながら、図64に示すサーボ書込み信号の位相番号を第1〜第4フィールドごとに選択しながら、各サーボフレームのタイミングでサーボパターンの書込みを行う。
【0238】
図65は、図57,図58に示したデータ面の位相サーボパターンをデータヘッドに設けているリードヘッドで読み出して位置検出する際に使用するシリンダ切替えに基づくマスタクロックの選択位相番号を、3シリンダ分示している。勿論、データ面サーボの読取りの際に目標シリンダとなるのはシリンダ相対番号0であり、両側の±1シリンダについてはオントラックさせる必要がないことから、固定的にシリンダ相対番号0のマスタクロック選択位相番号だけであってもよい。
【0239】
図66は本発明のディスク装置によるデータ面に対するサーボパターンの書込処理を示しており、この書込処理は図6に示したように、製品出荷前の生産工程の最終段階でサーボ面への位相サーボ情報の書込みが済み、またサーボ系の自動調整が済んだ後の段階で行われる。
図66において、まずステップS1でデータ面の書込開始シリンダ即ち目的シリンダへのシークをサーボ面の位相情報に基づいて行う。このデータ面の書込開始シリンダとしては、サーマルオフセット測定のためのデータ面への位相サーボ情報の書込みについては、アウタ・ガードバンド領域OGB1の特定シリンダとなる。
【0240】
また、ヨー角オフセット測定については、インナ側でのオフセット測定も必要とすることから、アウタ・ガードバンド領域OGB1の書込みが済むとインナ・ガードバンド領域IGB1の特定シリンダが書込シリンダとして指定される。ステップS2で書込開始シリンダに対するシークが完了すると、例えば+2.5シリンダまたは−2.5シリンダ、オフセットシークした状態で、図64から最初の書込パターンを選択する。
【0241】
次にステップS4でサーボ面のサーボ状態に同期して、選択した書込パターン位相番号のマスタクロックを選択して、サーボフレーム内の位相サーボ領域ごとに位相サーボパターンを書き込む。続いてステップS5で、全パターンの書込終了をチェックし、ステップS6で、0.5シリンダ、オフセットシークし、再びステップS2に戻り、ステップS3で次の書込パターンを選択し、ステップS4で同様にサーボパターンの書込みを行う。以上の処理をステップS5で全パターンを書き込むまで繰り返す。
9.データ面への位相サーボパターンによるリード/ライト
比較的大型のディスク装置にあっては、図2に示したようにヘッド,モータを含む機構部分からなるディスクエンクロージャ10と、これを制御するプリント基板からなるドライブ・コントローラ12で構成され、これを一体化して1つのドライブモジュールを構成している。そして1台のディスクシステムは上位のディスクコントロールユニットに複数のドライブモジュールを組み合わせて1つの装置を構成する。
【0242】
このような磁気ディスク記憶装置は、ディスクエンクロージャ10およびドライブ・コントローラ12のプリント基板を最小単位として構成するが、同じ機種であってもディスクエンクロージャ10とドライブ・コントローラ12に様々なものがあり、適切なディスクエンクロージャ10とドライブ・コントローラ12の組合せとしなければならない。
【0243】
そこで従来のディスク装置にあっては、ドライブ・コントローラ12を実装したプリント基板にディップスイッチなどを設け、組み合わせるディスクエンクロージャ10の変更に対し組合せ動作を正常に行えるようにしている。しかし、これではディスクエンクロージャ10の基板を人為的に判断してドライブ・コントローラ12側のディップスイッチを操作する必要があり、誤設定の恐れがあった。
【0244】
そこで本発明のディスク装置にあっては、ディスクエンクロージャ10の組立完了段階において適当なドライブ・コントローラ12を組み合わせて、データ面の特定シリンダ、例えばシリンダアドレス0番から外側のアウタ・ガードバンド領域OGB1までの間の空きシリンダにディスクエンクロージャの基板などの組合せに必要なデータを位相サーボ情報を利用して書き込んでおく。そして、ドライブ・コントローラ12を組み合わせた際にドライブ・コントローラ12側でこのディスクエンクロージャの情報を読み出して、組合せに伴う各種の設定を自動的に行えるようにしている。
【0245】
データ面の特定シリンダに対する位相サーボパターンを利用したデータ書込みは、図8に示した位置信号作成回路36の機能を利用してドライブ・プロセッサ30が実行する。
図67は、データ面に記録したデータビット0に対応する位相サーボパターンとその読出波形を示す。また図68は、データビット1に対応したデータ面に対する位相サーボパターンとその読出波形を示している。
【0246】
図67(A)のデータビット0を示す位相サーボパターンは、目標シリンダとなるシリンダ番号0の記録パターンに対し、通常のサーボ面にあっては+1シリンダ分だけずらしたサーボパターンに相当するサーボパターンを、±1.5シリンダの範囲に共通に記録している。このため、図67(B)に示すリードパルスが第1〜第4フィールドEVEN1,ODD1,ODD2,EVEN2について得られる。
【0247】
一方、図67(C)のマスタクロックは、シリンダ番号0番に対応する基準クロックである。したがって、マスタクロックの立上がりでセットされ、リードパルス立上がりでリセットされることで得られるデューティパルスは、図67(D)に示すようになる。
即ち、データビット0の場合、デューティパルスは第1および第4フィールドEVEN1,2でデューティ比が25%、第2および第3フィールドODD1.2でデューティ比が75%となる。このデューティパルスは図67(E)によるデータウィンドウ信号で抽出され、積分回路による積分動作で、図67(F)に示す−Vとなるデータビット0を示す積分電圧が得られる。
【0248】
図68(A)のデータビット1に対応した位相サーボパターンは、図67のデータビット0の場合と逆に、シリンダ番号0番の目標シリンダに対する本来のサーボパターンの位置に対し−1シリンダシークした場合に相当する1τ、位相遅れした位置に、±0.5シリンダの範囲に亘って同じ位相サーボパターンを記録している。
【0249】
このため図68(B)に示すリードパルスが得られ、図68(C)のマスタクロックはシリンダ番号0を目標シリンダに対応したマスタクロックによるセットとリードパルスによるリセットで、図68(D)に示すデューティパルスが得られる。即ち、デューティパルスは第1および第4フィールドEVEN1,2でデューティ比が75%、第2および第3フィールドODD1,2でデューティ比が25%と、データビット0の場合とは逆の関係にある。したがって、図68(E)のデータウィンドウ信号により抽出されたデューティパルスによる積分電圧は、図68(F)に示すように、最終的に+Vとなる。
【0250】
図69のフローチャートは図67(A)および図68(A)に示したデータビット0,1に対応したデータ面に対する位相サーボパターンの書込処理を示している。
ここで、図69に示したライト処理は、図8に示したように、マスタクロック作成回路110からの位相番号のパターンに従ったデータヘッド20のライトヘッド400によるライト動作は、サーボヘッド18の読取信号によるヘッド位置信号に基づくオントラック制御と並行してできることから、データ面の特定シリンダの全サーボフレームにデータビット0または1を示す位相サーボパターン書き込むことができる。しかし、データ面位相サーボパターンのリード処理は、サーボヘッド18の読取信号に基づくオントラック制御とデータヘッド20のリードヘッド410からの読取信号によるデータビット0,1の復元を、同じ位置信号作成回路36で時分割処理にしなければならない。
【0251】
例えば12フレーム置きにリードする場合には、1回目は、フレーム0,13,26,・・・と読み、2回目は、フレーム2,13,27,・・・と読み、同様に1フレームずつずらしながら最後にフレーム12,26,38,・・・と読む。これによって216フレームの全てをリードできる。
図70は、このようなサーボヘッド18とデータヘッド20に設けているリードヘッド410を切り替えて行うリード処理における1シリンダ当たり216点のサーボフレームについての位置信号作成回路36からの積分電圧に基づくデータビットの復元、即ちリード処理を示している。
【0252】
図70において、まず所定のデータ面サーボフレームに基づく割込みを受けて積分電圧を読み込み、ステップS2で、規定値以上のマイナス電圧か否かチェックする。規定値以上のマイナス電圧であれば、ステップS3に進み、ビット0を復元する。一方、規定値以上のマイナス電圧でなければ、ステップS4に進み、規定値以上のプラス電圧か否かチェックする。
【0253】
規定値以上のプラス電圧であれば、ステップS5でビット1を復元する。以上の処理を、ステップS6で全ビットを読み出すまで繰り返す。尚、上記の実施例は、データ面の1シリンダ当たり16サーボフレーム分、即ち16ビットのデータ読み書きを例にとっているが、更にデータ量を増加したい場合には、書き込むシリンダ数を増加させればよい。
10.ヨー角オフセットの測定と補正
データヘッドのリードヘッドに小型のMRヘッドを用いた磁気ディスク装置において、図71に示すように、データヘッド20を最インナ側の位置20´に位置決めした場合と最アウタ側の位置22´に位置決めした場合とで、ライトヘッド400のオントラック状態に対し位置ずれを生ずる。これをヨー角オフセットという。即ち、インナ側の端部にデータヘッド20を移動したときのヘッドアーム402の回転中心430の中立位置に対するインナ最大ヨー角α1と逆方向のインナ最大ヨー角α2とで、データヘッド20に設けているライトヘッド400とリードヘッド410との間に位置ずれを起こす。
【0254】
図72はデータヘッド20を拡大して示したもので、磁気ヘッドを用いたライトヘッド400とMRヘッドを用いたリードヘッド410が一体に設けられている。ライトヘッド400のコア幅W2は、例えばトラックピッチを7.5μmとすると6μm程度である。これに対し、MRヘッドを用いたリードヘッド410のコア幅W3は、その半分以下となる3μm以下となる。設計上はライトヘッド410のセンタは一致させるが、実際には位置ずれによる機械的なオフセットΔWをもっている。
【0255】
データ面のユーザ領域におけるデータの書込みは、サーボ面の位相サーボ情報に基づいたライトヘッド400のオントラック制御で行われる。このため、リードヘッド410によるリード動作に切り替えたい場合には、機械的なオフセットΔWだけトラックセンタからずれた位置でリードすることになる。
このようなデータヘッド20におけるライトヘッド400とリードヘッド410の機械的なオフセットΔWに加え、図71に示したように、VCM16によるヨー角ごとに異なるオフセットがライトヘッド400とリードヘッド410の間に生ずる。
【0256】
図73(A)は図71のインナ最大ヨー角α1におけるトラックセンタ460に対するリードヘッド410のヨー角オフセットを示している。また、図72 (B)は図71のアウタ最大ヨー角α2におけるトラックセンタ480に対するリードヘッド410のヨー角オフセットを示している。
図72(A)と(B)を対比して明らかなように、図71のセンタ位置402におけるヨー角オフセット0に対し、最インナ側と最アウタ側では逆向きのヨー角オフセットを生ずる。
【0257】
図74はヨー角オフセットが0°となる中央のシリンダアドレス、例えばシリンダアドレス2000を原点に、左側にインナ、右側にアウタの最大ヨー角におけるオフセットΔWinとΔWout をプロットしている。最インナと最アウタのヘッド位置424,422が決まれば、その間を結ぶ直線428によって、間のオフセットを推定することができる。
【0258】
ここで、センタ位置でのヨー角を0°、アウタ側をプラス、インナ側をマイナスとし、ヨー角0°における機械的なオフセットΔWを減点としてインナ側およびアウタ側のヨー角オフセットの最大値を見ると、アウタ側はプラスのオフセット、インナ側はマイナスのオフセットを相対的に生じている。
そこで本発明のディスク装置にあっては、図56乃至図58に示したように、データ面のインナガードバンド領域IGB1の特定空きシリンダとアウタガードバンド領域OGB1の特定空きシリンダに位相サーボパターンを予め記録していることから、例えば図6に示したように、製品出荷前の組立最終段階でヨー角オフセット処理を行ってヨー角オフセットテーブルの補正テーブルを作成しておく。
【0259】
図75のフローチャートは本発明のディスク装置によるヨー角オフセットの測定処理を示す。
図75において、まずステップS1で、データ面の位相サーボパターンに基づきデータヘッド20をデータ面の最インナ側のインナガードバンド領域IGBの特定シリンダにシークする。続いてステップS2に進み、一定のサーボフレーム間隔でサーボヘッド18からデータヘッド20のリードヘッド410に切り替えながら、データ面位相サーボパターンからインナ側のヨー角オフセットΔWinを測定する。
【0260】
このデータ面位相サーボパターンの測定処理は、例えば1シリンダ当たり216個のサーボフレームのうちサーボ面サーボフレームを13フレーム処理するごとに、データ面サーボフレームの読出しに切り替えて、1シリンダにつき16点、ヨー角オフセットを測定し、最終的には、平均値としてヨー角オフセットΔWinを決定する。
【0261】
ステップS2のインナ側のヨー角オフセット処理を、ステップS4でデータヘッドを切り替えながら全ヘッドについて行う。ステップS1〜S4のインナ・ヨー角オフセットの測定処理が済むと、ステップS5に進み、データ面の位相サーボパターンに基づきデータヘッド20をデータ面の最アウタに位置するアウタ・ガードバンド領域OGB1の位相サーボパターンを書き込んでいる特定シリンダにシークする。
【0262】
シーク完了でステップS6に進み、ステップS2の場合と同様、一定のサーボフレーム間隔でサーボヘッド18からリードヘッド410に切り替えて、例えば1シリンダ当たり16点のデータ面サーボフレームの位相サーボパターンからアウタ側ヨー角オフセットを測定し、その平均値としてアウタ側ヨー角オフセットΔWout を決定する。ステップS6の処理を、ステップS8でヘッドを切り替えながら、ステップS7で全ヘッドが終了するまで繰り返す。
【0263】
インナ側およびアウタ側のヨー角オフセットの測定が終了すると、ステップS9で、各データヘッドごとに出た最インナと最アウタのヨー角オフセットΔWin,ΔWout の線形補間で、図74に示すように、各シリンダ位置におけるヨー角オフセットを算出して、補正に使用するヨー角オフセットテーブルを作成する。図76は図75のヨー角オフセット測定処理により作成されたヨー角オフセットの補正テーブルの一例を示す。この補正テーブルにあっては、例えば50シリンダアドレスごとに1つのヨー角オフセットを求めたテーブルとしている。
【0264】
図77は、本発明のディスク装置をシステムに組み込んで運用中のリード処理で行われるヨー角オフセット補正を示している。
図77において、まずステップS1で目標シリンダにシークし、ステップS2でリード動作を行う。このリード動作において、もしステップS3でリードエラーが判定された場合には、ステップS5で、図76に示すヨー角オフセットテーブルを参照して目標シリンダのアドレスに対応するヨー角オフセットを読み出し、このヨー角オフセットを補正するようにデータヘッドを位置決めする。
【0265】
即ち、ステップS3のリードエラーは、ヨー角によってライトヘッドにより書かれた記録パターンに対しリードヘッドが大きくずれて読取波形が劣化した場合に起きることから、この読取波形の劣化を補障するためにヨー角オフセットを行ってリードヘッドをシリンダセンタ側に位置補正し、リード動作のリトライを行ってリード動作を成功させる。
【0266】
ステップS3でリードエラーがなければ、ステップS4で正常終了応答をステータス応答として返して、メインの処理にリターンする。このように、ヨー角オフセットを予め測定して補正テーブルを作っておくことで、リードエラーが発生した際のヨー角オフセット補正でリードエラーのリカバリを確実に行うことができる。
11.VCM用DAコンバータのセンタ値調整
図78は本発明のディスク装置のドライブ・コントローラ12に設けているVCM16の駆動回路部を示している。ドライブ・プロセッサ30からのVCM16に対する電流指示データはDAコンバータ40でアナログ信号に変換され、ドライバ回路42で駆動電流に変換されて供給される。
【0267】
ここで、VCM16の電流制御において、ドライブ・プロセッサ30による電流指示データを数ビットのデジタルデータとして出力する場合、指示データに正負の符号と操作量をもたせるため、ドライバ回路42に対し参照電圧作成回路414を設け、DAコンバータ40からの変換電圧を参照電圧を中心に見て極性と操作量をもつ駆動電圧を作り出し、0点を中心に正負の駆動電流をもってVCM16を駆動するようにしている。
【0268】
理想的には、DAコンバータ40に指示電流0を指示したときの変換電圧と参照電圧作成回路414で発生している参照電圧は一致し、ドライバ回路42の駆動電流は零となる。しかしながら、DAコンバータ40、参照電圧作成回路414の構成部品において、抵抗値や定数などの精度にばらつきがある。このため、DAコンバータ40が変換出力したセンタ指示電圧と参照電圧作成回路414で作成している参照電圧との間に誤差が発生し、VCM16に誤差に応じた不要な電流が流れ、所謂センタオフセットを生じ、サーボ制御に悪影響を与える。
【0269】
この問題を解決するため、本発明のディスク装置にあっては、図17のフローチャートのステップS2に示したように、パワーオンスタートにおける初期化処理の段階でDAコンバータ40のセンタ指示電圧と参照電圧作成回路414による参照電圧との誤差を測定し、初期化終了後のリードライト処理において、この誤差を補正したサーボ制御を行う。
【0270】
このセンタ指示電圧と参照電圧の誤差を測定するため、図78の実施例にあっては新たにDAコンバータ40の変換電圧と参照電圧作成回路414の参照電圧を比較する比較回路416を設け、比較回路416の比較出力を利用してドライブ・プロセッサ30の機能として実現されるDACセンタ値調整部80により誤差を測定し、通常のリードライト動作において測定誤差に基づいた補正を行うようにしている。
【0271】
図79は図78のVCM用DACセンタ値調整部80による測定処理の様子を示している。この測定処理は前半のモード1と後半のモード2に分かれる。モード1の測定処理にあっては、予め決められたDAコンバータ40に対するセンタ指示データに対し所定量低めの下限センタ指示器VCLを設定し、段階的に指示値を増加させ、図示のようにDAコンバータ40の出力電圧を上昇させる。
【0272】
最初、参照電圧に対しDAコンバータ40の下限センタ指示電圧VCLは低いことから、比較回路416の出力はLレベルとなっている。DAコンバータ40に対する指示値を増加させると、変換電圧が実際の参照電圧を越えた時点で比較回路416の出力がHレベルに反転し、Hレベルに反転したときの電圧VC1を測定値として保持する。モード1にあっては同様な処理を例えば4回繰り返し、その平均値として最終的なモード1の第1センタ電圧VC1を求める。
【0273】
次にモード2の測定に入る。モード2の測定にあっては、予定しているセンタ指示データより高いセンタ上限指示データをDAコンバータ40にセットし、センタ上限指示電圧VCHから徐々に変換電圧を減少させる。最初、センタ上限電圧VCHは実際の参照電圧より高いことから、比較回路416はHレベル出力を生じており、変換電圧を下げてくると参照電圧を下回った時点で比較回路416の出力がLレベルに反転する。
【0274】
したがって、このときの電圧VC2を第2のセンタ上限電圧として保持する。モード2についてもモード1と同様、4回の測定処理を行い、その平均値として最終的な測定電圧VC2を求める。以上のモード1,2の測定が済んだならば、モード1の測定電圧VC1にモード2の測定電圧VC2を加えて2で割った電圧VからDAコンバータ40に対するセンタ指示データを求め、補正されたDACセンタ指示データとしてドライブ・プロセッサ30に保持する。
【0275】
この測定されたDAコンバータ40のセンタ指示データの変換電圧は参照電圧作成回路414の参照電圧にほぼ完全に一致し、正確なセンタ電圧の設定ができる。また、ドライブ・プロセッサ30におけるVCM16における電流指示データは、測定されたセンタ指示電圧Vに対応するデータをゼロ点として、符号と操作量に応じたデータを作り出してDAコンバータ40に出力する。
【0276】
図80は図78におけるDAコンバータのセンタ値調整処理を示す。図80において、ステップS1〜S5が図79のモード1に示す処理となる。またステップS6〜S10が図79のモード2に示す処理となる。そしてステップS11で、最終的なセンタ値Vの平均値を用いた計算を行い、ステップS12で、ドライブ・プロセッサ30に参照電圧に一致するDAコンバータ40のセンタ指示置をセットする。
【0277】
このようなDAコンバータ40に対するセンタ指示データに基づく変換電圧とドライバ回路42にゼロ点となる動作点を設定する参照電圧作成回路414からの参照電圧との誤差を測定して補正することにより、高精度のサーボ制御を行うことができる。
12.リゼロ動作
本発明のディスク装置にあっては、図7のステップS3に示したように、パワーオンスタートにおける初期化処理の段階でヘッドをアウタ・ガードバンド領域OGB1に位置付けて、シリンダアドレスを形成しているカウンタの値を初期値としてのゼロアドレスにセットするためのリゼロ動作を行う。しかしながら、リゼロ動作の段階では絶対的なシリンダアドレスが判っていないため、最インナ側のコンタクトスタート・ストップ領域(CSS領域)60にあるヘッドをアウタ・ガードバンド領域にシークするための速度制御に問題がある。
【0278】
即ち、位相サーボパターンを用いた本発明のシーク制御にあっては、ヘッド位置検出のサンプリング周期ごとに速度を検出し、次のサンプリング時点でのヘッド位置を予測しながら速度制御を行うが、絶対的なシリンダアドレスが確定していない段階では予測シリンダ位置に基づいたシリンダ切替えのための目標シリンダアドレスに誤りがあり、正常なシーク動作が期待できない。
【0279】
そこで本発明のリゼロ動作にあっては、ヘッドを最インナのコンタクトスタート・ストップ領域から加速制御によりアウタ側に突き離し駆動した後、最初に得られる積分電圧零で相対的にシリンダアドレスを0番にするリゼロ動作を行い、このシリンダアドレスに基づいて速度検出による位置予測で目標シリンダまでの残りシリンダ数を求めながら目標速度を決定して速度制御を行う。
【0280】
そして、アウタ・ガードバンド領域OGB1へのヘッドの到達でガードバンド検出信号が得られた時点でシリンダアドレスの絶対値を0にする絶対的なリゼロ動作を行う。
図81のフローチャートは本発明のディスク装置におけるリゼロ処理の詳細を示す。まずステップS1で、コンタクトスタート・ストップ領域で浮上したヘッドをVCM16に対する加速電流の供給でインナ側からアウタ側に突き離し駆動する。この状態でステップS2においてシリンダ切替えによるマスタクロックの位相番号は0番に固定している。
【0281】
続いてステップS3において、積分電圧の変化から4シリンダ分の移動時間Tを測定する。具体的には、4シリンダの移動で積分電圧は4段階に変化することから、この4段階の積分電圧の変化を検出することで4シリンダ分の移動時間Tを測定できる。続いてステップS4で、測定移動時間Tによりシリンダ数4を割って単位時間当たりの移動シリンダ数即ち速度Vを算出する。
【0282】
速度Vが算出できたならば、ステップS5で、積分電圧が零電圧か否か、即ちマスタクロックの位相番号0に対応したシリンダにヘッドが達したか否かチェックし、積分電圧が零となったタイミングでステップS6に進む。ステップS6にあっては、ヘッドの絶対位置に対する移動量を示す位置の値Lpos を相対的に零とする相対的なリゼロ動作を行う。
【0283】
続いてステップS7で速度制御に切り替える。この速度制御の段階では、ステップS6において相対的にヘッド位置が得られていることから、ステップS8で、次のサンプリング時点の位置予測が可能となる。尚、位置予測は図44に示したように加速度成分を含めるようにしてもよい。
ステップS8で次のサンプリング時点の位置が予測できたならば、ステップS9で、予測位置のシリンダに応じた位相番号のマスタクロックを選択し、また目標シリンダまでの残りシリンダ数から速度制御パターンの目標速度を求め、ステップS10でアウタ・ガードバンドOGB1を検出するまで速度制御を繰り返す。
【0284】
ステップS10でアウタ・ガードバンドOGB1が検出されると、ステップS11で再度、位置の値を示すLpos を零にする本来のリゼロ動作を行う。これでリゼロ動作が終了し、ステップS12で、アウタ・ガードバンドOGB1を検出したシリンダアドレスにオントラックするファイン制御に切り替わる。
このように本発明のディスク装置にあっては、ヘッドの絶対位置が確定していないリゼロ動作の状態にあっても、速度検出に基づく次のヘッド位置の予測に従った速度制御を確実に行うことができ、ヘッドをアウタ・ガードバンド領域に確実にシークしてリゼロ動作を正確に行うことができる。
13.サーボ系の自動調整
磁気ディスク装置でシーク制御の最適化を図るためには、速度制御を行っているコアス制御からファイン制御に切り替えたときのセトリング時間を最小限に抑えることが望ましい。このセトリング時間を最小時間に抑えるサーボ系の調整方法としては、図82に示すポジション誤差絶対積分値を測定して調整値としての目標速度パターンにおける加減速のゲインを決定する方法がある。
【0285】
また他の方法としては、図83に示すように、評価関数としてコアス時間を最小とするように目標速度パターンの加減速における速度ゲインを調整値Kとして調整する調整法がある。図82で評価関数として採用しているポジション誤差絶対積分値は、図85(A)の目標速度パターン、(B)のシーク電流、および (C)の位置信号について示すように、ヘッドが目標シリンダの0.5シリンダ手前に達して、コアス制御からファイン制御に切り替えた後のオントラックに入るまでの位置信号の誤差を積分して絶対値を求めたものである。
【0286】
また図83に評価関数として採用しているコアス時間Tcは、図85(C)に示すように、速度制御の開始からヘッドが目的シリンダの0.5シリンダ手前に達するまでの時間である。これら評価関数として使用するポジション誤差絶対積分値ΔIおよびコアス時間Tcは、図85(A)の目標速度パターンにおける加速時および減速時の速度ゲイン、例えば加速時については傾きを示す速度ゲインK1,K2,K3を切り替えることで変化する。
【0287】
即ち、ポジション誤差絶対積分値ΔIについては、図82に示すように、速度ゲインとしての調整値Kの変化に対し特性418となり、得意点420,422の2つで評価関数ΔIの最適値が得られる。またコアス時間Tcについては、図83に示すように、調整値Kに対し特性424となり、この場合には特異点426で最適評価関数Tcとなる。
【0288】
しかし、図82の評価関数としてポジション誤差絶対積分値ΔIを使用した場合には、評価関数ΔIは最小値となってもコアス時間が長くなりすぎて全体としてシーク性能が落ちてしまい、必ずしも最適なサーボ系の調整状態は得られない。また図83のコアス時間Tcを評価関数とした場合にも、コアス時間は最短にできるが、オントラックに入るまでのセトリング時間が長くなり、これについても全体的なシーク性能の最適化は期待できない。
【0289】
そこで本発明のサーボ系のセトリング自動調整にあっては、図82のポジション誤差絶対積分値ΔIと図83のコアス時間Tcの両方を評価関数に取り込んで速度ゲインとしての調整値Kの最適化を図る。具体的には、調整値Kとしての速度ゲインを加減しながらシーク動作を繰り返して各シーク動作ごとにポジション誤差絶対積分値ΔIとコアス時間Tcを測定し、2つを加算した評価関数(ΔI+Tc)を評価関数として、図84に示す調整値Kに対する特性428を測定する。
【0290】
この特性428が得られれば、特異点430が評価関数(ΔI+Tc)を最小値とする最適調整値として求まり、特異点430の調整値Kに図85(A)に示す目標速度パターンの加減速における速度ゲインを設定すればよい。サーボ系のセトリング自動調整は、図6に示したように、製品出荷段階の最終工程で行われることになる。
【0291】
このような本発明のシーク制御におけるセトリング調整によりコアス時間とポジション誤差絶対値を最小とする最適調整値を得ることができ、シーク性能を大幅に向上できる。しかもセトリング自動調整はディスク装置ごとに行われることから、装置固有のばらつきも吸収した最適調整状態を作り出すことができる。
14.イレーズ時のオントラックスライス値の拡大
本発明のディスク装置にあっては、上位のディスクコントローラユニットよりパディングコマンドを受けると、指定されたシリンダアドレスの任意のレコードからインデックスを検出するまでの区間をライトヘッドを使用して交流イレーズを行っている。
【0292】
リード動作,ライト動作と同様、パディング処理におけるイレーズ動作の際にも、サーボヘッドによるオントラック時の位置誤差が予め設定されたオントラックスライス値より大きくなった場合にはエラーと判定している。このエラー判定に対し、リード動作やライト動作にあってはリトライ動作を行うことになる。しかしながら、指定されたレコードからインデックスまでを全てイレーズするパディング処理にあっては、オントラックに対する誤差からエラーとなった場合にはパディング処理を強制的に終了してしまう。
【0293】
このため、パディング処理を強制終了した以降のレコードのデータは消去されずにシリンダ上に残ってしまい、上位のディスクコントローラユニットではパディング中に異常終了したことが検出できず、そのまま別の処理に移行する。その結果、上位のディスクコントローラユニットでのデータの管理状態の認識と実際のディスク装置側でのデータ状態との間に相違が発生し、例えば同一シリンダ内に同じ番号をもつIDが存在するような異常事態を起こし、装置異常としてエラー終了してしまう問題がある。
【0294】
そこで本発明のディスク装置にあっては、パディング処理中にあっては可能な限りオントラックエラーによる異常終了を回避するため、リード動作やライト動作の際に使用しているオントラックスライス値をパディング処理の際に拡大するようにしたことを特徴とする。
図86は、シリンダ番号1番のシリンダセンタにデータヘッドに設けているライトヘッド400およびリードヘッド410がオントラックされている状態を示す。ここで、隣接するシリンダセンタに対するトラックピッチTPを例えば7.5μmとすると、ライトヘッド400のコア幅W1はそれより小さい例えば6μmにあり、またMRヘッドを用いたリードヘッド410のコア幅W3はその半分の3μm程度となる。
【0295】
パディング処理にあっては、ライトヘッド400によりシリンダ記録データを交流消去しており、消去する範囲は隣接するシリンダに設けているリードヘッドの読出領域を消さない限り、トラックセンタからずれても構わない。即ち、パディング処理の際のライトヘッド400は図示のように±WS2の範囲に収まっていればよい。ここで、±WS2=±3μmとなる。
【0296】
図87は本発明のディスク装置におけるリードライト時のオントラックスライス値±WS1と図86に基づいて定めたパディング時のオントラックスライス値±WS2を示している。リードライト時のオントラックスライス値±WS1は、通常、±1μm程度である。これに対し、本発明によるパディング時のオントラックスライス値±WS2は最大で3μmまで拡大することができ、例えば±2μmとすればよい。
【0297】
図88のフローチャートは本発明のディスク装置におけるパディング処理を示す。このパディング処理は、まずステップS1で、上位のディスクコントローラユニットにより指定された目標シリンダにヘッドをシークし、ステップS2で、目標シリンダの0.5シリンダ手前に達したときに、ステップS3に進んで、ファイン制御に切り替わる。
【0298】
このファイン制御にあっては、通常のリードライト時に使用しているオントラックスライス値±WS1を使用してオントラック状態を監視しており、ヘッド位置が目標シリンダの±WS1の範囲に入るとオントラック検出信号を上げ、これがステップS4で判別され、シーク制御からオントラック制御に切り替わる。
オントラック制御に切り替わると、ステップS5で、拡大されたパディング用のオントラックスライス値±WS2に切り替わり、指定されたデコードからインデックスを検出するまでのイレーズ動作をステップS6で行う。イレーズ動作中にあっては、ステップS7で、拡大したオントラックスライス値±WS2をヘッド位置信号が越えるか否かチェックしており、もし越えた場合にはステップS10で異常終了となる。
【0299】
しかし本発明にあっては、通常のリードライト値に対し十分に大きくオントラックスライス値を拡大していることから、オントラック異常となって異常終了するようなことはほとんどなく、ステップS8でイレーズ動作を正常終了することができる。イレーズが終了すると、ステップS9で、再びオントラックスライス値を元の±WS1に復旧し、メインの処理にリターンする。
【0300】
このようにパディング中にあっては、通常のオントラックスライス値に対し拡大したオントラックスライス値を使用することで、パディング処理が途中で異常終了してしまう事態を最小限に抑えることができる。
15.その他
上記の実施例は、図8に示したように、第1リードパルス検出手段としてピーク検出回路100を使用し、第2リードパルス検出手段としてゼロクロス検出回路112を使用した場合を例にとっている。これに対し本発明の変形として、第2リードパルス検出手段としてゼロクロス検出回路112をピークパルス検出回路に置き換えてもよい。
【0301】
具体的にはゼロクロス検出回路112を除き、選択回路116を介してサーボヘッド18とリードヘッド410をピーク検出回路100に接続し、ピーク検出回路100の出力を可変ディレイ回路114に入力し、ピーク検出回路100に入力する。
この場合には、サーボフレームのトレーニング領域、インデックス・ガードバンド領域、マーカー領域及びサーボ領域の全ての読取信号のピークタイミングの検出でリードパルスが生成される。この場合のシフター108及び可変ディレイ回路114によるデューティ比50%への調整は、回路遅延に起因した位相シフトを保証することになる。
【0302】
逆に、本発明の他の変形として、第1リードパルス検出手段としてピーク検出回路100をゼロクロス検出回路に置き換えてもよい。この場合には、サーボフレームのトレーニング領域、インデックス・ガードバンド領域、マーカー領域及びサーボ領域の全ての読取信号のゼロクロスタイミングの検出でリードパルスが生成される。
【0303】
具体的にはピーク検出回路100を除き、選択回路116を介してサーボヘッド18とリードヘッド410をゼロクロス検出回路112に接続し、ゼロクロス検出回路112の出力を、PLL回路102、マーカー検出回路014、〜ガードバンド・インデックス検出回路105、差に可変ディレイ回路114に入力する。この場合もシフター108及び可変ディレイ回路114によるデューティ比50%への調整は、回路遅延に起因した位相シフトを保証することになる。
【0304】
また本発明のディスク装置は上記の実施例に限定されず、実施例に記載した範囲内で種々の組合せや変形が可能である。また本発明は実施例に示した数値による限定は受けない。
【0305】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、次の効果が得られる。
まず位相サーボパターンの読取りをゼロクロス検出により行っていることから、ピーク検出のようなノイズによるジッタを起こすことなく、正確にヘッド位置を検出できる。
【0306】
また、ピーク検出で同期制御された基準クロックに対し、位相サーボ情報のゼロクロス検出によりオントラック時の理想的なデューティパルスのデューティ比50%がずれるようになるが、このオントラック時のデューティ比を測定して50%となるように遅延調整していることで常にオントラック時に50%のデューティ比が得られ、目標シリンダ±2シリンダの範囲でのヘッド位置検出を可能とする。
【0307】
また、回路部品のばらつきによる様々な遅延が生じても、オントラックのデューティ比が50%に調整されることで、装置のばらつきによるヘッド位置信号の検出範囲のばらつきを確実に防止できる。
また、位相サーボパターンを用いたシーク時の速度制御にあっては、速度から次のサンプリング時点のヘッド位置を予測しているが、この位置予測に、本発明にあっては速度成分に加えて加速度成分を加えることで、より正確な位置予測ができ、次のサンプリング時点でのシリンダ切替えおよび残りシリンダ数に基づく目標速度の設定を正確に行うことができる。
【0308】
更に、シーク中におけるヘッド検出について位相サーボ領域の第1〜第4フィールド内で段階的にシリンダ切替えを行うことで、シーク速度が±4シリンダに限定されていたものがそれ以上のシーク速度に拡大することができ、より高速のシーク制御をヘッド位置の検出を行いながら行うことができ、シーク性能を向上できる。
【0309】
また、ディスク装置自体にデータ面の特定シリンダに位相サーボ情報を読み書きする機能をもたせたことで、製品出荷前におけるデータ面に対する位相サーボ情報の書込みが簡単にできる。
このデータ面に対する位相サーボパターンの書込みが、データヘッドのリードヘッドが小さいことからデータ面サーボパターンとは異なったパターンとなるが、これについても簡単なライト信号の発生、即ちサーボ面の位相サーボパターンの書込みに使用する8相のライト信号に加えて、基本的には同じ回路で作り出される8相の位相信号を加えた16相のライト信号を使うことで、簡単にデータ面に位相サーボ情報を書き込むことができる。
【0310】
また、データ面の特定シリンダに記録した位相サーボ情報を読み出してヨー角オフセット補正やサーマルオフセット補正を簡単に行うことができ、サーボ性能を大幅に向上できる。
更に、データ面に対する位相サーボ情報の書込読出機能を利用してデータビット0,1に対応する固有の位相サーボパターンを記録することで、ディスク装置単体でディスクエンクロージャ側とそのディスクコントローラ側の回路基板との組合せに関する各種の情報の読み書きによる組合せ調整ができる。
【0311】
これ以外にも、VCMの電流制限に使用するDAコンバータのセンタ値の自動調整、位相サーボ情報を用いたことによる固有のリゼロ動作、またサーボ系のセトリング自動調整、更にはパディング処理におけるイレーズ時のオントラックスライス値の拡大をもって、ディスク装置としての全体的な性能を大幅に引き上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明のハードウェア構成を示したブロック図
【図3】図2のディスクエンクロージャの構造説明図
【図4】図3のヘッドアクチュエータの側面断面図
【図5】本発明の機能を示したブロック図
【図6】本発明のディスク装置の製品出荷前の処理を示したフローチャート
【図7】本発明のディスク装置の全体的な処理動作を示したフローチャート
【図8】図2の位置信号作成回路の実施例を示したブロック図
【図9】サーボパターンの磁気記録の説明図
【図10】サーボ面に記録した本発明のサーボフレームの説明図
【図11】図10のトレーニング部及びマーカー部における磁気記録パターンの説明図
【図12】図10のガードバンド・インデックス部における磁気記録パターンの説明図
【図13】図10のサーボパターン部における前半2フィールドの磁気記録パターンの説明図
【図14】図10のサーボパターン部における後半2フィールドの磁気記録パターンの説明図
【図15】サーボパターンの書込み使用する偶数番号をもつ8種類のライト信号のタイミングチャート
【図16】サーボパターンの書込み使用する奇数番号をもつ8種類のライト信号のタイミングチャート
【図17】図8のマスタクロック作成回路の実施例を示したブロック図
【図18】サーボ面の書込に使用するライト信号の位相番号の組合せを示した説明図
【図19】シリンダ切替に使用するマスタクロックの位相番号の組合せを示した説明図
【図20】図8の一致判定回路によるサーボフレームの判定状態を示したタイミングチャート
【図21】オントラック時の位置検出を示した説明図
【図22】図8の積分回路の実施例を示した回路図
【図23】図8の積分回路による位置検出動作を示したタイミングチャート
【図24】ピーク検出とゼロクロス検出によるデューティ比の相違を示したタイミングチャート
【図25】図22の積分回路の制御部を示したブロック図
【図26】図2の積分制御部によるデューティ比の測定動作を示したタイミングチャート
【図27】図8のシフターの実施例を示したブロック図
【図28】図27のシフターの遅延動作を示したタイミングチャート
【図29】図8の可変ディレイ回路の実施例を示したブロック図
【図30】図29の可変ディレイ回路の遅延動作を示したタイミングチャート
【図31】図29の可変ディレイ回路で使用する遅延素子の遅延時間を示した説明図
【図32】図29の可変ディレイ回路の遅延時間を決めるテーブル情報の説明図
【図33】図8のシフターと可変ディレイ回路によるデューティ比50%への遅延調整を示したタイミングチャート
【図34】本発明のデューティ調整処理を示したフローチャート
【図35】可変ディレイ回路に対する遅延時間の設定処理を示したフローチャート
【図36】積分回路の誤差測定に使用するデューティパルス生成を示したタイミングチャート
【図37】本発明による積分誤差の測定動作を示したタイミングチャート
【図38】本発明によるシリンダゲインの測定動作を示したタイミングチャート
【図39】本発明の積分回路調整処理を示したフローチャート
【図40】速度成分のみによる位置予測を示した説明図
【図41】本発明の加速度成分を含めた位置予測を示した説明図
【図42】本発明のVCM駆動電流を利用した加速度成分の予測を示したタイミングチャート
【図43】本発明のディスク装置におけるシーク処理を示したフローチャート
【図44】本発明の位置予測をサブルーチンで示したフローチャート
【図45】+4〜−4シリンダの速度範囲をもつヘッド移動速度の説明図
【図46】シリンダ切替に使用するシリンダ番号とマスタクロック位相番号の関係を示した説明図
【図47】図45の各フィールドで使用するマスタクロック位相番号の組合せ説明図
【図48】+6〜−2シリンダの速度範囲をもつヘッド移動速度の説明図
【図49】図48の各フィールドで使用するマスタクロック位相番号の組合せ説明図
【図50】+7〜−1シリンダの速度範囲をもつヘッド移動速度の説明図
【図51】図50の各フィールドで使用するマスタクロック位相番号の組合せ説明図
【図52】+10〜+4シリンダの速度範囲をもつヘッド移動速度の説明図
【図53】図52の各フィールドで使用するマスタクロック位相番号の組合せ説明図
【図54】図45、図48、図50及び図52によるシーク速度の変速パターンの説明図
【図55】本発明のシーク速度に応じたシリンダ切替処理を示したフローチャート
【図56】本発明のデータ面のサーボフレームの説明図
【図57】図56のサーボパターン部の第1〜第3フィールドの磁気記録パターンの説明図
【図58】図56のサーボパターン部の第4フィールドの磁気記録パターンの説明図
【図59】図57と図58の第1及び第4フィールドを対比して示した説明図
【図60】図58の第2及び第3フィールドを対比して示した説明図
【図61】サーボ面でのサーボヘッドによる位置検出の説明図
【図62】サーボ面と同じパターンをデータ面に記録してリードヘッドで位置検出した場合の問題を示した説明図
【図63】本発明のデータ面サーボパターンによる位置検出の説明図
【図64】本発明のデータ面サーボ書込みに使用するライト信号の位相番号の組合せ説明図
【図65】本発明のデータ面サーボ読出しに使用するマスタクロック位相番号の組合せ説明図
【図66】本発明によるデータ面サーボパターンの書込処理を示したフローチャート
【図67】本発明によるデータビット0の位相サーボパターンと読出動作を示したタイミングチャート
【図68】本発明によるデータビット1の位相サーボパターンと読出動作を示したタイミングチャート
【図69】位相サーボパターンを用いた本発明のライト処理を示したフローチャート
【図70】位相サーボパターンを用いた本発明のリード処理を示したフローチャート
【図71】ヨー角とデータヘッドの関係を示した説明図
【図72】データヘッドに設けたライドヘッドとリードヘッドの説明図
【図73】インナとアウタの最大ヨー角におけるリードヘッドのオフセットを示した説明図
【図74】ヨー角に対するオフセットの直線補間による変化を示した説明図
【図75】本発明のヨー角オフセット測定を示したフローチャート
【図76】図75のヨー角オフセット測定で作成されるオフセット補正テーブルの説明図
【図77】ヨー角オフセット補正を伴うリード処理を示したフローチャート
【図78】本発明におけるVCMの駆動回路系を示したブロック図
【図79】VCM用DAコンバータのセンタ値の測定動作を示した説明図
【図80】本発明によるVCM用DAコンバータのセンタ値調整処理を示したフローチャート
【図81】本発明によるリゼロ処理を示したフローチャート
【図82】評価関数をポジション誤差絶対積分値とした場合の調整値との関係を示した特性図
【図83】評価関数をコアス時間とした場合の調整値との関係を示した特性図
【図84】評価関数をポジション誤差絶対積分値とコアス時間の和として調整値を決める本発明のサーボ系自動調整を示した特性図
【図85】シーク制御におけるポジション誤差絶対積分値とコアス時間を示したタイミングチャート
【図86】隣接シリンダに対するデータヘッドに設けたライトヘッドとリードヘッドの関係を示した説明図
【図87】本発明のパディング処理で拡大するオントラックスライス値の説明図
【図88】本発明のパディング処理を示したフローチャート
【図89】従来の位相サーボパターンの説明図
【図90】図89でシリンダ番号1,2,3番の各々にオントラックした時の第1及び第3フィールドEVEN1,2でのデューティパルスを示したタイミングチャート
【図91】図89でシリンダ番号2,3番の各々にオントラックした時の第2フィールドODDでのデューティパルスを示したタイミングチャート
【符号の説明】
1:デューティ調整手段
2:デューティ測定手段
3:リードパルス検出手段
10:ディスクエンクロージャ
12:ドライブコントローラ
14:スピンドルモータ
16:ボイスコイルモータ(VCM)
18:サーボヘッド
20,20−1〜20−n:データヘッド
22:サーボヘッドIC
24:データヘッドIC
26:制御プロセッサ(MPU)
28:インタフェース回路
30:ドライブプロセッサ(DSP)
32,40:DAコンバータ
34,42:ドライバ
36:位置信号作成回路
38:ADコンバータ
44:符号化/復号化回路
46:バイアス電流制御回路
48:復調回路
50,50−1〜50−11:磁気ディスク
52:ケース
54:回転軸
56−1,56−2:ベアリング
58:ヘッドアクチュエータ
60:シャフト
62:ブロック
64:コイル
66−1〜66−11:アーム
70:サーボ系自動調整部
72:データ面位相情報書込部
74:データ面ビットデータ書込読出部
76:ヨー角オフセット測定部
78:ヨー角オフセット補正部
80:VCM用DACセンタ値調整部
82:リゼロ処理部
84:デューティ遅延調整処理部
86:積分回路調整処理部
88:シーク制御部
90:シリンダ切替制御部
92:位置予測処理部
94:サーマルオフセット測定部
96:サーマルオフセット補正部
98:パディング処理部
100:ピーク検出回路
102:PLL回路
104:マーカー検出回路
105:ガードバンド・インデックス検出回路
106:PLLカウンタ
108:シフター
110:マスタクロック作成回路
112:ゼロクロス検出回路
114:可変ディレイ回路
116,118:選択回路
120:デューティパルス作成回路
122:一致検出回路
122−1:復調モード発生部
122−2:ハーフモード発生部
122−3:データウィンドウ発生部
122−4:放電制御部
124:積分回路
126:コンデンサ
128,130,132,134:制御スイッチ
138,140,142,144,146:定電流源
148,150:オペアンプ
152:差動アンプ
156:サーボフレーム
158:トレーニング部
160:マーカー部
162:ガードバンド・インデックス部
164:サーボパターン部
174:第1多数決部
176:第2多数決部
178:第3多数決部
200:第1フィールド(EVEN1)
202:第2フィールド(ODD1)
204:第3フィールド(ODD2)
206:第4フィールド(EVEN2)
300,302,304:D−FF
306:選択回路
308−1〜308−8:ディレイ素子
310−1〜310−8:選択回路
312:反転回路
314,322,324:AND回路
318,320,326,328:OR回路
316:排他的論理和回路(EOR)
350:データ面サーボフレーム
370:データ面サーボパターン部
400:ライトヘッド
410:リードヘッド(MRヘッド)
414:参照電圧作成回路
416:比較回路
500,510:シフト回路
520:反転回路
530:マルチプレクサ

Claims (46)

  1. 複数のシリンダを1単位として各シリンダの円周方向に配置した複数のサーボフレームの各々に、4フィールドに分割され、その内の第1及び第4フィールド(EVEN1,2)に位置の位相変化を有するサーボ情報を記録すると共に第2及び第3フィールド(ODD1,2)に逆の位相変化を有するサーボ情報を記録したサーボ領域を設け、更にサーボフレームの先頭のトレーニング領域に続くマーカ領域にマーカ信号を記録し、サーボフレームの最後に設けているサーボパターンに位相サーボ信号を記録したディスク媒体のサーボ面と、
    前記ディスク媒体の半径方向に移動して前記サーボ面の記録情報を読み出すサーボヘッド手段(18)と、
    前記サーボフレーム読取信号のピークタイミングからピーク検出パルスを検出するピーク検出手段(100)と、
    前記サーボフレーム読取信号のゼロクロスタイミングから位相サーボ信号を検出するゼロクロス検出手段(112)と、
    前記ピーク検出手段(100)により検出されたピーク検出パルスに位相同期した基準クロックを発生するクロック発生手段(102)と、
    前記クロック発生手段(102)の基準クロックを基準位相として異なる位相をもつ複数のマスタクロックを生成し、前記サーボヘッド手段(18)がオントラックする目標シリンダに対応した位相のマスタクロックを選択して出力するマスタクロック作成手段(110)と、
    前記マスタクロック作成手段(102)の出力するマスタクロックの基準位相から前記ゼロクロス検出手段(112)による前記サーボ情報の検出タイミングまでの位相差に対応したデューティ比をもつデューティパルスを発生するデューティパルス作成手段(120)と、
    前記デューティパルス作成手段(120)からのデューティパルスを積分して前記サーボヘッド手段(18)の位置を示す位置信号を発生する積分手段(124)と、
    電源投入直後の初期化処理において、特定の目標シリンダに対する前記サーボヘッド手段(18)のオントラック状態で、前記デューティパルスのデューティ比を測定するデューティ測定手段(1)と、
    前記デューティ測定手段の測定結果に基づいて前記デューティパルスのデューティ比を目的シリンダのオントラック状態で50%に保つ調整状態を作り出すデューティ調整手段(2)と、
    を設けたことを特徴とするディスク装置。
  2. 請求項1記載のディスク装置に於いて、前記デューティ測定手段(1)は、前記サーボ情報の第2及び第3フィールドに対応した前記デューティパルスの部分を反転して前記積分手段(124)で積分させることで、デューティ比を示す積分信号を得ることを特徴とするディスク装置。
  3. 請求項1記載のディスク装置に於いて、前記デューティ調整手段(2)は、前記マスタクロックの基準位相を遅延させ前記デューティ比を低下させる第1遅延手段(108)と、前記サーボフレーム読取信号のゼロクロス検出タイミングを遅延させてデューティ比を増加させる第2遅延手段(114)とを備えたことを特徴とするディスク装置。
  4. 請求項記載のディスク装置に於いて、前記前記第1遅延手段(108)は、前記マスタクロックの1周期内で前記基準クロックで決まる所定時間ずつ段階的に遅延させるシフト回路を備え、該シフト回路のいずれか1つのシフト段出力を選択して前記マスタクロックに希望する遅延量を与えることを特徴とするディスク装置。
  5. 請求項載のディスク装置に於いて、前記前記第2遅延手段(114)は、遅延量が決った複数の遅延素子を備え、前記複数の遅延素子を直列に選択接続して前記サーボ情報のリードパルスに希望する遅延量を与えることを特徴とするディスク装置。
  6. 請求項1記載のディスク装置に於いて、更に、
    ディスク媒体のサーボ面に、特定シリンダの円周方向に配置した複数のサーボフレームの各々に、位置の位相変化を有するサーボ情報を記録すると共に逆の位相変化を有するサーボ情報を記録したサーボ領域を設け、前記サーボヘッド手段(18)の読出信号とデータヘッド手段(20)の読出信号を切替えて前記ゼロクロス検出手段(112)に入力する切替手段(116)を設け、
    前記デューティ測定手段(1)は、前記サーボ面のサーボ情報から得られたデューティパルスのデューティ比を測定し、前記デューティ調整手段(2)は、サーボ面のサーボ情報から得られたデューティパルスのデューティ比を目的シリンダのオントラック状態で50%に保つ調整状態を作り出すことを特徴とするディスク装置。
  7. 請求項1記載のディスク装置に於いて、更に、
    電源投入直後の初期化処理の際に、前記サーボヘッド手段(18)を前記サーボ面の任意の目標シリンダ位置へのオントラック状態に相当するデューティパルスを前記積分手段(124)に供給して積分誤差を測定する積分誤差測定手段と、
    初期化処理終了後に、前記積分手段(124)から得られた位置信号を前記積分誤差で補正して正しい位置信号を求める積分誤差補正手段と、
    を備えたことを特徴とするディスク装置。
  8. 請求項記載のディスク装置に於いて、前記積分誤差測定手段は、前記サーボ情報の第1フィルド乃至第4フィールドが全てデューティ比50%となるデューティパルスを発生させるように前記デューティパルス作成手段(120)に対しサーボ情報の擬似的なリードパルスを供給する擬似パルス発生手段を備えたことを特徴とするディスク装置。
  9. 請求項1記載のディスク装置に於いて、更に、
    電源投入直後の初期化処理の際に、前記サーボヘッド手段(18)を前記サーボ面の任意の目標シリンダにオントラックしたと同等なデューティパルスの発生から一方向に1シリンダ移動したと同等なデュティパルスと、逆方向に1シリンダ移動したと同等なデューティパルスの発生に切替えて前記積分手段(124)にそれぞれの位置変化を測定させる測定手段と、
    前記測定手段の位置変化に基づき1シリンダ当りの位置変化量をシリンダゲインとして検出するシリンダゲイン検出手段と、
    を備えたことを特徴とするディスク装置。
  10. 請求項記載のディスク装置に於いて、前記測定手段は、前記サーボ情報の第1フィルド乃至第4フィールドで全てデューティ比50%となるデューティパルスを、第1フィルド乃至第4フィールドでデューティ比25%、75%、75%、25%と変化するデューティパルスの発生と第1フィルド乃至第4フィールドでデューティ比75%、25%、25%、75%と変化するデューティパルスの発生を行うように、前記マスタクロック作成手段(120)に対し前記サーボ情報の擬似的なリードパルスを供給する擬似パルス発生手段を備えたことを特徴とするディスク装置。
  11. 請求項1記載のディスク装置に於いて、更に、
    サンプリング周期毎に得られたヘッド位置の差に基づシーク時のヘッド移動速度に加速度を加味してヘッド位置を検出する位置予測手段と、
    前記プリング周期毎に得られる次のサンプリング時点におけるヘッド位置に基づき、前記マスタクロック作成手段(110)目標シリンダに対応した位相のマスタクロックを選択させるマスタクロック選択手段と、
    を備えたことを特徴とするディスク装置。
  12. 請求項11記載のディスク装置に於いて、前記マスタクロック選択手段は、ヘッド移動速度に応じて前記サーボ領域の第1乃至第4フィールドの各々で目標シリンダを切替えて対応する位相のマスタクロックを選択させることを特徴とするディスク装置。
  13. 請求項12記載のディスク装置に於いて、前記マスタクロック選択手段は、ヘッド移動速度の上昇範囲に応じて第1乃至第4フィールドでのシリンダ切替段数と該シリンダ切替え毎の目標シリンダの変化数増加量を決めることを特徴とするディスク装置。
  14. 請求項12記載のディスク装置に於いて、前記マスタクロック選択手段に代え、前記サンプリング周期ごとの移動シリンダ数で定義されるヘッド移動速度がサーボ情報の繰り返しシリンダ数以内の場合、第1乃至第4フィールドで目標シリンダを切替えずに対応する位相のマスタクロックを固定的に選択させる第1マスタクロック選択手段としたことを特徴とするディスク装置。
  15. 請求項12記載のディスク装置に於いて、サーボ情報の繰り返しシリンダ数が4シリンダの場合、前記マスタクロック選択手段に代え、前記ヘッド移動速度が−4シリンダ乃至+4シリンダの時、第1乃至第4フィールドで目標シリンダを切替えずに中心シリンダとなる目標シリンダに対応する位相のマスタクロックを選択させる第2マスタクロック選択手段としたことを特徴とするディスク装置。
  16. 請求項12記載のディスク装置に於いて、前記マスタクロック選択手段に代え、前記サンプリング周期の移動シリンダ数で定義されるヘッド移動速度がサーボ情報の繰り返しシリンダ数を越えた場合、第1及び第2フィールドと第3及び第4フィールドとに分けて目標シリンダを2段階に切替えて対応する位相のマスタクロックを選択させる第3マスタクロック選択手段としたことを特徴とするディスク装置。
  17. 請求項16記載のディスク装置に於いて、サーボ情報の繰り返しシリンダ数が4シリンダの場合、前記第3マスタクロック選択手段は、前記ヘッド移動速度が−2シリンダ乃至+6シリンダの時、第1及び第2フィールドで中心シリンダに対し1シリンダ少ない目標シリンダに切替え、さらに第3及び第4フィールドでは中心シリンダに対し1シリンダ多い目標シリンダに切替えて各々対応する位相のマスタクロックを選択させることを特徴とするディスク装置。
  18. 請求項12記載のディスク装置に於いて、前記マスタクロック選択手段に代え、サンプリング周期の移動シリンダ数で定義されるヘッド移動速度がサーボ情報の繰り返しシリンダ数を越えた場合、第1乃至第4フィールドの各々に分けて目標シリンダを複数段階に切替えて対応する位相のマスタクロックを選択させることを特徴とする第4マスタクロック選択手段としたことを特徴とするディスク装置。
  19. 請求項18載のディスク装置に於いて、前記位置予測手段は、第1乃至第4フィールドの各々に分けて目標シリンダを1シリンダ単位に複数段階に切替えて対応する位相のマスタクロックを選択させることを特徴とするディスク装置。
  20. 請求項18記載のディスク装置に於いて、サーボ情報の繰り返しシリンダ数が4シリンダの場合、前記位置予測手段は、前記ヘッド移動速度が−1シリンダ乃至+7シリンダの時、第1フィールドで中心シリンダに対し2シリンダ少ない目標シリンダに切替え、第2フィールドで中心シリンダに対し1シリンダ少ない目標シリンダに切替え、第3フィールドで中心シリンダに対し1シリンダ多い目標シリンダに切替え、さらに第4フィールドで中心シリンダに対し2シリンダ多い目標シリンダに切替えて各々対応する位相のマスタクロックを選択させることを特徴とするディスク装置。
  21. 請求項18記載のディスク装置に於いて、前記位置予測手段は、第1乃至第4フィールドの各々に分けて目標シリンダを複数シリンダ単位に複数段階に切替えて対応する位相のマスタクロックを選択させることを特徴とするディスク装置。
  22. 請求項21記載のディスク装置に於いて、サーボ情報の繰り返しシリンダ数が4シリンダの場合、前記位置予測手段は、前記ヘッド移動速度が+4シリンダ乃至+10シリンダの時、第1フィールドで中心シリンダに対し3シリンダ少ない目標シリンダに切替え、第2フィールドで中心シリンダに対し1シリンダ少ない目標シリンダに切替え、第3フィールドで中心シリンダに対し1シリンダ多い目標シリンダに切替え、さらに第4フィールドで中心シリンダに対し3シリンダ多い目標シリンダに切替えて各々対応する位相のマスタクロックを選択させることを特徴とするディスク装置。
  23. 請求項11乃至22記載のディスク装置に於いて、前記マスタクロック切換手段は、ヘッド移動の速度およびヘッド移動の加速度を検出して次のサンプリング時点のヘッド位置を予測することを特徴とするディスク装置。
  24. 請求項11乃至22記載のディスク装置に於いて、前記マスタクロック切換手段は、ヘッド駆動電流に基づいてヘッド加速度に依存した移動シリンダ数を現在位置に加算して予測位置を算出することを特徴とするディスク装置。
  25. 請求項1記載のディスク装置に於いて、更に、
    前記サーボ面と一体回転するディスク媒体のデータ面と、
    前記ディスク媒体の半径方向に前記サーボヘッド手段(18)と一体に移動して前記データ面の記録情報を読み出すデータヘッド手段(20)と、
    前記データ面の特定シリンダの円周方向に配置した複数のサーボフレームの各々に、位置の位相変化を有するサーボ情報を記録すると共に逆の位相変化を有するサーボ情報を記録してサーボ領域を形成するデータ面サーボ情報書込手段と、
    を設けたことを特徴とするディスク装置。
  26. 請求項25記載のディスク装置に於いて、更に、前記データ面サーボ情報書込手段は、前記データ面のサーボ領域を、4フィールドに分割し、その内の第1及び第4フィールド(EVEN1,2)に位置の位相変化を有するサーボ情報を記録すると共に第2及び第3フィールド(ODD1,2) に逆の位相変化を有するサーボ情報を記録したことを特徴とするディスク装置。
  27. 請求項26記載のディスク装置に於いて、前記サーボ面に記録したサーボ情報のシリンダ繰り返し数をNとした場合、前記データ面サーボ情報書込手段は、
    基準クロックを1/Nに分周し、且つ前記基準クロックに対し0.25N周期分ずつ位相を異ならせた4N種類の書込パルスを発生し、該書込パルスの中から書込シリンダで特定される所定の位相の書込パルスを選択して前記データ面のサーボ領域にサーボ情報として書込ませることを特徴とするディスク装置。
  28. 請求項26記載のディスク装置に於いて、前記サーボ面に記録したサーボ情報のシリンダ繰り返し数をNとした場合、前記データ面サーボ情報書込手段は、前記基準クロック発生手段の基準クロックの立上がりに同期した2N位相分の偶数位相番号をもつ書込パルスを発生すると共に、基準クロックの立下がりに同期した残り2N位相分の奇数位相番号をもつ書込パルスを発生することを特徴とするディスク装置。
  29. 請求項28記載のディスク装置に於いて、前記サーボ面に記録したサーボ情報のシリンダ繰り返し数を4シリンダとした場合、前記データ面サーボ情報書込手段は、基準クロックを1/4に分周し、且つ基準クロックの立上がりに同期して8位相分の書込パルスを発生すると共に、基準クロックの立下がりに同期して残り8位相分の書込パルスを発生することを特徴とするディスク装置。
  30. 請求項26記載のディスク装置に於いて、前記データ面サーボ情報書込手段は、前記データ面にサーボ面のサーボ情報と同一シリンダピッチでサーボ情報を記録し、且つ、第1と第4フィールドのサーボ情報と第2と第3フィールドの位相情報の各々を、所定シリンダピッチだけずらして書込むことを特徴とするディスク装置。
  31. 請求項30記載のディスク装置に於いて、前記サーボ面に0.5シリンダピッチでサーボ情報を記録している場合、前記データ面サーボ情報書込手段は、前記データ面にサーボ面と同じ0.5シリンダピッチでサーボ情報を書込み、且つ、第1フィールドと第4フィールドのサーボ情報及び第2フィールドと第3フィールドの位相情報の各々を、0.25シリンダピッチだけずらして書込むことを特徴とするディスク装置。
  32. 請求項26記載のディスク装置に於いて、前記データ面サーボ情報書込手段は、書込み目標シリンダを中心とした所定オフトラック領域にサーボ情報を書込むことを特徴とするディスク装置。
  33. 請求項26記載のディスク装置に於いて、前記データ面サーボ情報書込手段は、前記データ面のユーザ領域を外れた外周シリンダにデータ面のオフトラック測定に使用するサーボ情報を書込むことを特徴とするディスク装置。
  34. 請求項26記載のディスク装置に於いて、前記データ面サーボ情報書込手段は、前記データ面のユーザ領域を外れた外周シリンダ及び内周シリンダの各々に、ヘッド駆動機構のヨー角オフセットの測定に使用するサーボ情報を書込むことを特徴とするディスク装置。
  35. 請求項34記載のディスク装置に於いて、
    電源投入直後の初期化処理の際に、ライトヘッドとリードヘッドを一体に備えたデータヘッド手段(20)を、前記サーボ面のサーボ情報に基づいて前記データ面の外周シリンダ及び内周シリンダの各々に位置決めしてヘッドアームの回動に伴う前記リードヘッドのヨー角オフセットを測定するヨー角オフセット測定手段と、
    前記ヨー角オフセット測定手段で測定した内周と外周の各ヨー角オフセットの補間計算により各シリンダ位置でのヨー角オフセットを求め、シリンダアドレスをインデックスとした補正テーブルを作成するテーブル作成手段と、
    を備えたことを特徴とするディスク装置。
  36. 請求項35記載のディスク装置に於いて、前記補正テーブル作成手段は、所定のシリンダ数単位にヨー角オフセットを格納した補正テーブルを作成することを特徴とするディスク装置。
  37. 請求項35記載のディスク装置に於いて、更に、前記データ面のリード時に、前記補正テーブルのヨー角オフセットを読出してヘッド位置を補正するヨー角オフセット補正手段を設けたことを特徴とするディスク装置。
  38. 請求項37記載のディスク装置に於いて、前記ヨー角オフセット補正手段は、データ面のリードエラー発生時にヨー角オフセットを補正してリトライ動作させることを特徴とするディスク装置。
  39. 請求項1記載のディスク装置に於いて、
    テータ面のユーザ領域を外れた特定シリンダに、サーボ情報を使用してデータを書込むデータ書込手段と、
    前記データ書込手段で書込まれたサーボ情報を読出してデータを復元するデータ読出手段と、
    を設けたことを特徴とするディスク装置。
  40. 請求項39記載のディスク装置に於いて、前記データ書込手段は、書込データビット0,1に対応して第1及び第4フィールドのデューティ比と第2及び第3フィールドのデューティ比の異なるデューティパルスを使用してサーボ情報を書込むことを特徴とするディスク装置。
  41. 請求項40記載のディスク装置に於いて、
    前記データ書込手段は、第1乃至第4フィールドのデューティ比が25%、75%、75%、25%のデューティパルスと、第1乃至第4フィールドのデューティ比が75%、25%、25%、75%のデューティパルスの2種類の何れか一方を使用して書込データビット0,1に対応するサーボ情報を書込むことを特徴とするディスク装置。
  42. 請求項39記載のディスク装置に於いて、前記データ読出手段は、前記データ面のサーボ情報の読取信号を前記マスタクロック作成手段(120)に供給してデューティパルスを発生し、更に前記積分手段(120)でデューティパルスを積分して得た信号からデータビット0又は1を復元することを特徴とするディスク装置。
  43. 請求項1記載のディスク装置に於いて、更に、
    サーボ制御時のヘッド駆動データをアナログ信号に変換するDA変換手段と、前記DA変換手段のセンタ値の変換中心値を設定する参照電圧を発生する参照電圧発生手段と、
    前記参照電圧に対する前記DA変換手段の変換信号の極性と大きさに応じてヘッド駆動手段に駆動電流を供給するドライブ手段と、
    電源投入直後の初期化処理の際に、前記ヘッド駆動データをセンタ値から変化させてDA変換信号が前記参照電圧に一致するまでの誤差を求めるセンタ誤差測定手段と、
    前記初期化処理後に、前記DA変換手段に対するヘッド駆動データを前記センサ誤差を除去するように補正するセンタ誤差補正手段と、
    を設けたこを特徴とするディスク装置。
  44. 請求項1記載のディスク装置に於いて、更に、
    シーク動作でコアース制御からファイン制御に切替えるまでのコアース時間を、速度制御に使用する目標速度パターンの加減速を決めるゲインを調整値として可変しながら測定するコアース時間測定手段と、
    シーク動作でフアイン制御に切替えてからオントラックするまでの位置誤差の絶対積分値を、速度制御に使用する目標速度パターンの加減速を決めるゲインを調整値として可変しながら測定する積分測定手段と、
    前記測定手段で得られたコアス時間と位置誤差の絶対積分値の和を評価関数として最小値となる調整値を最適値として検出してサーボ系を自動調整する調整手段と、
    を備えたことを特徴とするディスク装置。
  45. 請求項1記載のディスク装置に於いて、更に、
    イレーズ時にオントラック状態を判定するオントラック・スライス値を、リード及びライト時のオントラック・スライス値に対し拡大した値に変更する手段を設けたことを特徴とするディスク装置。
  46. 請求項1記載のディスク装置に於いて、前記マーカー領域とサーボ領域の間にインデックス情報とカードバンド情報を同時に複数組記録したインデックス・ガードバンド領域を設け、前記複数組のインデック情報とカードバンド情報の読取結果の多数決により各情報を検出する検出手段を設けたことを特徴とするディスク装置。
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