JP3570179B2 - 車両用空調制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調制御装置に係り、特に、風量の最大値を制限することにより送風手段が発する騒音の抑制を図った車両用空調制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗員は車室内の暑さ又は寒さを感じ、これが最適な温度に調整されることを望んで冷房又は暖房を作動させる。従って、冷房又は暖房は速やかに行われることが望ましい。このため、冷房又は暖房の作動直後には、風量を最大に設定して冷風又は温風を吹き出させる制御が一般的である。しかし、風量を大きくする場合、吹出風量に伴ってブロアファンの騒音が大きくなることが知られている。このブロアファンの騒音は乗員に不快感を与えるため、一定の条件を満たすまで最大風量での空調を行ったのちブロアファンの騒音低減を重視して風量の上限値を制限する制御が考えられてきた。このような従来例として、特開昭57−104406号公報、特開昭59−40918号公報、特開平1−289712号公報及び特開平1−153317号公報等がある。
【0003】
特開昭57−104406号公報では、空調開始から一定時間後に風量の上限値を制限する。特開昭59−40918号公報では、車室内の全熱負荷に応じて風量の上限値を制限する。特開平1−289712号公報では、車室内上部の温度が適当な温度に制御されると風量の上限値を制限する。特開平1−153317号公報では、車室内の騒音に応じて風量の上限値を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例は、速やかな温調を重視するか、ブロアファンの騒音低減を重視するか、いずれか一方を主とし他方を従とする制御にすぎなかった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、ブロアファンの騒音低減を図りながら同時に速やかな温調を促進することのできる車両用空調制御装置を提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、車室内に送風する送風手段と、車室内に送風される空気の温度を調整する吹出温度調整手段とを備えている。また、この吹出温度調整手段及び送風手段を制御することにより車室内への吹出温度及び送風量を制御する制御部を有する。そして、制御部は、外気温と、設定温度と内気温度との偏差とにより基本風量を決定し、該基本風量と日射を考慮した補正風量とにより目標風量を算出し、外気温により風量制限値を算出し、前記目標風量が該風量制限値を超えていないか判断し、超えていない場合には前記目標風量を採用し、超えている場合には前記風量制限値を採用して前記送風量を制限すると共に、これを補償するように吹出温度を基準よりも高め又は低めに設定する、という構成を採っている。これにより、前述した目的を達成しようとするものである。本発明では、例えば冷房制御が行われている場合、送風手段による騒音抑制のため送風量が制限されると、これを補償するように吹出温度が基準よりも幾分低く設定される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。図1は、本実施形態における車両用空調制御装置のブロック図である。制御部5には、外気温検出手段1、内気温検出手段2、日射検出手段3、及び温度設定手段4が接続されている。また、記憶部6が接続されている。更に、送風手段7、吹出温度調節手段8、吹出口選択手段9、及び導入口選択手段10が接続されている。
【0008】
これを更に詳述すると、外気温検出手段1は、車外の温度を検出するものである。サーミスタ等のセンサでも良いし、内気温検出手段等の他の要素の出力から外気温を推定する手段であっても良い。内気温検出手段2は、車内の温度を検出するものである。サーミスタ等のセンサでも良いし、外気温検出手段等の他の要素の出力から内気温を推定する手段であっても良い。日射検出手段3は、車内への日射量を検出するもので、従来一般的な日射センサを採用することができる。温度設定手段4は、乗員が車内の希望温度を設定するものであり、ロータリースイッチ等を採用することができる。制御部5は、予め準備されたプログラムの実行により処理を行うマイコンと、制御対象を駆動するための従来一般的な駆動手段とを含んでいる。記憶部6には、RAMやROMが好適であり、制御部5が実行するプログラムや処理に必要なパラメータが格納される。送風手段7は、例えばブロアファンである。吹出温度調節手段8には、エバポレータ、コンプレッサ、ヒータ、エアミックスダンパ等の従来一般的な温度調節要素が含まれる。吹出口選択手段9には、例えばベントモード、バイレベルモード、ヒートモード等の吹出モードを切替可能なダンパ及びそのアクチュエータが含まれる。導入口選択手段10には、内気導入と外気導入とを切替可能なダンパ及びそのアクチュエータが含まれる。
【0009】
次に、本実施形態の動作を説明する。図2は、制御部5が行う空調制御のフローチャートである。制御部5は、イグニッションがオンされると(Ig ON)、図2の処理を開始する。まず、必要な初期設定を行う(S1)。次に、外気温検出手段1から外気温Taを、内気温検出手段2から内気温TRを、日射検出手段3から日射量Sを、及び温度設定手段4から設定温度Tsを取得し、これらのパラメータを記憶部6に格納する(S2)。続いて、車内への送風量を決定する(S3)。続いて、車内への吹出温度を決定する(S4)。続いて、車内への吹出口を決定する(S5)。吹出口の決定は、例えば次の方法により行うことができる。吹出温度をTBLWとして、TBLW<T1ならばベント吹き出し、T1≦TBLW<T2ならばバイレベル吹き出し、T2≦TBLWならばヒート吹き出しを選択するように制御しても良い。ここで、T1、T2は所定のしきい値である。次に、外気導入による空調を行うか内気循環による空調を行うかを決定する(S6)。導入口の決定は、例えば次の方法により行うことができる。外気温をTaとして、Ta<T3ならば外気導入、T3≦Taならば内気循環を選択するように制御しても良い。ここまでの処理が終了したら、制御部5は次の駆動制御を行う(S7)。決定された風量に応じて送風手段7を駆動する。決定された吹出温度に応じて吹出温度調節手段8を駆動する。決定された吹出口に応じて吹出口選択手段9を駆動する。決定された導入口に応じて導入口選択手段10を駆動する。
【0010】
次に、S3で示した風量の決定処理を図3のフローチャートに基づいて詳述する。風量の決定処理を実行する段になると、制御部5は、次式(1)に基づいて目標風量FANを算出する(S31)。
【0011】
FAN=f1(Ts,Ta,TR)+f2(S) ・・・(1)
【0012】
ここで、f1()は基本風量を示す関数である。例えば、図5に示す特性を有する関数として定義することができる。上述したように、Tsは設定温度、Taは外気温、TRは内気温である。それぞれ記憶部6から読み出した値が用いられる。また、f2()は日射を考慮した補正風量を示す関数である。例えば、図6に示す特性を有する関数として定義することができる。上述したようにSは日射量であり、記憶部6から読み出した値が用いられる。なお、図5及び図6において、縦軸は送風手段7の最大送風能力を100%としたパーセント表示になっている。図5では、f1はTaに比例する。かつ、f1は|Ts−TR|に比例する。比例係数は正側と負側とで異なっていても良い。ただし、f1が100%を超えることはない。また、図6では、f2はSに比例する。ただし、f2が25%を超えることはない。
【0013】
続いて、制御部5は、風量制限値FANLITを次式(2)に基づいて算出する(S32)。
【0014】
FANLIT=f3(Ta) ・・・(2)
【0015】
ここで、f3()は、例えば図7に示す特性を有する関数として定義することができる。上述したように、Taは外気温であり、記憶部6から読み出した値が用いられる。なお、図7において、縦軸は送風手段7の最大送風能力を100%としたパーセント表示になっている。図7では、f3は約10℃<Ta<20℃の範囲で極小値60%を採っている。また、負側の最大値は100%、正側の最大値はおよそ90%である。その間では線形変化する特性に設定されている。
【0016】
続いて、制御部5は目標風量FANが風量制限値FANLITを超えているか判断する(S33)。この結果、超えていなければS31で算出した目標風量FANをそのまま採用する。一方、風量制限値FANLITを超えている場合は、目標風量FANとして風量制限値FANLITの値を採用する(S34)。従って、目標風量FANが風量制限値FANLITを超えることはない。この風量制限により送風手段7の騒音が抑制される。
【0017】
次に、S4で示した吹出温度の決定処理を図4のフローチャートに基づいて詳述する。S4の処理に来ると、制御部5は次式(3)に基づいて基本吹出温度TBLWを算出する(S41)。
【0018】
TBLW=KsTs−KaTa−KRTR−KSUNS+C ・・・(3)
【0019】
ここで、Ks,Ka,KR,KSUNは制御系における利得であり、内気温を設定温度に収束させるために好適な実験値が採用される。また、Cは定数である。続いて制御部5は、式(1)で得られた目標風量FANが式(2)で得られる風量制限値FANLITを超えるものであったか否かを判断する(S42)。この結果、超えるものでなかった場合は、S41で得た基本吹出温度TBLWをそのまま吹出温度として採用する。一方、風量制限値を超えるものであった場合、現在冷房制御中であるか否かを判断する(S43)。例えば、基本吹出温度TBLWが設定温度Tsよりも低い場合に冷房制御中と判断することができる。この結果、冷房制御中であれば次式(4)により基本吹出温度TBLWを補正し、基本吹出温度よりも幾分低い吹出温度を採用する(S44)。ここで、KFは所定の係数である。
【0020】
TBLW=TBLW−KF{f1(Ts,Ta,TR)+f2(S)−FANLIT}・・・(4)
【0021】
一方、冷房制御中でなければ次式(5)により基本吹出温度TBLWを補正し、基本吹出温度よりも幾分高い吹出温度を採用する(S45)。ここで、KFは所定の係数である。
【0022】
TBLW=TBLW+KF{f1(Ts,Ta,TR)+f2(S)−FANLIT}・・・(5)
【0023】
このように、本実施形態によれば算出された目標風量が風量制限値を超える場合には、風量自体は風量制限値を超えないように制御すると共に、制限された風量を補うように吹出温度を基準より高め又は低めに設定するので、送風手段の騒音低減を図りながら同時に速やかな温調を促進することができる。
【0024】
次に、本発明の他の実施形態を図8のフローチャートに基づいて説明する。本実施形態が先の実施形態と異なるのは、図1のS3に当たる風量の決定処理の部分だけである。その他の構成は、先に説明した実施形態と同一である。そこで、先の実施形態と同一の部分については同一符号を付して重複説明を省略する。
【0025】
本実施形態では、風量の決定処理において、風量制限値FANLITを算出する前に内気温TRと設定温度Tsとの間に一定以上の開きがあるか否かを判断する(S35)。例えば、TRrefを一定のしきい値としてTs−TR<TRrefが満たされているか否かを判断する。この結果、内気温と設定温度との間に大きな開きがない場合は、先の実施形態と同様にS32からの処理を実行する。一方、一定以上の開きがある場合は風量制限値を最大に設定し風量制限をかけないようにする(S36)。これによると、夏の日照により車内が極端に暑い場合等は、風量制限をかけないようにすることができ乗員の快適感を最優先にした空調制御を行うことができる。
【0026】
ここで、上記各実施形態において、図2のフローチャートでは先に風量の決定処理を行い、次に吹出温度の決定を行っているが、これらの処理の順序を含め、S3からS6までの処理の順序は任意に定めることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、算出された目標風量が風量制限値を超える場合には、風量自体は風量制限値を超えないように制御すると共に、制限された風量を補うように吹出温度を基準より高め又は低めに設定するので、送風手段の騒音低減を図りながら同時に速やかな温調を促進することができる、という従来にない優れた車両用空調制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態及び他の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態及び他の実施形態における空調制御の流れを示したフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態で採用される風量の決定処理を詳細に示したフローチャー2トである。
【図4】本発明の一実施形態及び他の実施形態で採用される吹出風量の決定処理を詳細に示したフローチャートである。
【図5】基本風量の関数f1を例示した特性図である。
【図6】日射補正風量の関数f2を例示した特性図である。
【図7】風量制限値の関数f3を例示した特性図である。
【図8】本発明の他の実施形態で採用される風量の決定処理を詳細に示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 外気温検出手段
2 内気温検出手段
3 日射検出手段
4 温度設定手段
5 制御部
6 記憶部
7 送風手段
8 吹出温度調節手段
9 吹出口選択手段
10 導入口選択手段
Claims (2)
- 車室内に送風する送風手段と、車室内に送風される空気の温度を調整する吹出温度調整手段と、この吹出温度調整手段及び前記送風手段を制御することにより車室内への吹出温度及び送風量を制御する制御部とを備えた車両用空調制御装置において、
前記制御部は、外気温と、設定温度と内気温度との偏差とにより基本風量を決定し、該基本風量と日射を考慮した補正風量とにより目標風量を算出し、外気温により風量制限値を算出し、前記目標風量が該風量制限値を超えていないか判断し、超えていない場合には前記目標風量を採用し、超えている場合には前記風量制限値を採用して前記送風量を制限すると共に、これを補償するように前記吹出温度を基準よりも高め又は低めに設定することを特徴とした車両用空調制御装置。 - 前記目標風量が前記風量制限値を超えていないかの判断は、前記設定温度と内気温度との偏差が一定未満の場合に行い、該偏差が一定以上の場合には前記判断をすることなく前記目標風量を採用することを特徴とした請求項1記載の車両用空調制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31599197A JP3570179B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 車両用空調制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31599197A JP3570179B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 車両用空調制御装置 |
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Family
ID=18072032
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31599197A Expired - Fee Related JP3570179B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 車両用空調制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP3570179B2 (ja) |
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-
1997
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