JP3572217B2 - 食器洗浄機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄槽内の洗浄水を勢い良く吐出するための洗浄ポンプ及び洗浄水を機外に排出するための排水ポンプを備えた食器洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、食器洗浄機にあっては、例えば図18に示すように、洗浄行程、2回のすすぎ行程、加熱すすぎ行程、乾燥行程をこの順に実行することにより、食器類の洗浄から乾燥までを自動的に行う構成となっている(但し、図18の時間軸は、各行程の所要時間を正確に反映させたものではない)。
【0003】
図18において、洗浄行程では、給水運転が行われた後に、洗い運転、1回目排水運転、給水及び給排水運転、2回目排水運転が所定の停止期間を挟んで順次行われる。給水運転時には、給水弁を動作させることにより、洗浄槽内の所定水位まで洗浄水を供給する。洗い運転時には、供給された洗浄水をヒータにより加熱しながら洗浄ポンプを運転させるものである。この場合、洗浄ポンプが運転されると、洗浄槽内の洗浄水が洗浄ポンプに吸入され、その吸入された洗浄水が、洗浄槽内に配設された洗浄アームの噴出孔から洗浄槽内に収納された食器類に対して勢い良く吐出され、以て食器類が洗浄される。尚、洗浄工程の開始前の時点で、所定部位に設けられた洗剤投入装置に洗剤を投入しておくことにより、上記洗い運転の実行時に当該洗剤が洗浄槽内に流れ出すようになっている。また、洗浄水の温度は、60℃となるように制御される。そして、洗い運転開始後に設定時間(例えば15分)が経過したときには、洗浄ポンプを運転停止すると共にヒータを断電するものであり、これにより洗い運転が終了される。
【0004】
この後に行われる1回目排水運転時には、排水ポンプを所定時間(例えば40秒程度)だけ運転して洗浄水を機外に排出する動作を行う。給水及び給排水運転時には、給水弁を動作させた後に所定の遅れ時間(例えば5秒)が経過した時点から、その給水弁の動作状態を保持したまま排水ポンプを運転する動作を所定時間(例えば10秒)だけ行う。また、2回目排水運転時には、排水ポンプを所定時間(例えば10秒)だけ運転して洗浄水を機外に排出する動作を行う。
【0005】
2回反復されるすすぎ行程は、給水運転が行われた後に、すすぎ運転、1回目排水運転、給水及び給排水運転、2回目排水運転が所定の停止期間を挟んで順次行われる。この場合、給水運転、1回目排水運転、給水及び給排水運転、2回目排水運転は、前記洗浄行程の場合と同様に行われる。また、すすぎ運転時には、洗浄ポンプを所定時間(例えば1分)だけ運転するものであり、これにより食器類に付着した洗剤分などが落とされるようになる。
【0006】
加熱すすぎ行程では、前記洗浄行程及びすすぎ行程と同様の給水運転が行われた後に、加熱すすぎ運転、排水運転が所定の停止期間を挟んで順次行われる。加熱すすぎ運転時には、供給された洗浄水をヒータにより加熱しながら洗浄ポンプを運転させるものであり、これに応じて、食器類のすすぎが効率良く行われると共に、当該食器類が暖められてその後の乾燥行程での乾燥効率の向上が図られるようになる。この場合、洗浄水の温度が70℃まで上昇した時点で、洗浄ポンプを運転停止する共にヒータを断電するものであり、これにより加熱すすぎ運転が終了される。尚、この加熱すすぎ運転の終了時期を時間制御により行うこともある。この後に行われる排水運転時には、排水ポンプを所定時間(例えば40秒程度)だけ運転して洗浄水を機外に排出する動作を行う。
【0007】
乾燥行程では、ヒータを周期的に断続しながら、洗浄槽内に送風するための送風機のファンモータを駆動させるという乾燥運転が行われる。このとき、ファンモータの駆動に伴い、洗浄槽の外部の空気が洗浄槽内に供給されると共に、洗浄槽内の湿気を含んだ空気が洗浄槽の外部へ排出され、これに伴い食器類が乾燥されるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
食器洗浄機においては、洗浄ポンプ及び排水ポンプ用の各インペラを1個のモータで駆動する構成としたポンプユニットを用いることが広く行われている。このような1モータ構成のポンプユニットを採用する場合には、モータの正回転時に洗浄ポンプが機能し且つ逆回転時に排水ポンプが機能するものであるが、洗浄ポンプ及び排水ポンプは常時において同一の回転数で運転されることになる。具体的には、ポンプユニットに2極誘導モータを使用する場合には、洗浄ポンプ及び排水ポンプの回転数は、図18中に示したように常時において3000rpm (電源周波数が50Hzの場合)となるように構成される。
【0009】
ところが、このような構成では、洗浄ポンプ及び排水ポンプの能力を、それぞれ最適な状態に設定することが非常に難しくなって、特に、洗い運転時やすすぎ運転時における洗浄性能が不足気味になる場合があり、この場合には洗浄行程などの所要時間を短縮することが困難になるという問題点があった。また、排水ポンプの回転数が必要以上に大きくなるため、排水運転の末期(洗浄槽内の洗浄水が残り少なくなったとき、或いは洗浄水がなくなったとき)に、排水ポンプが空気を巻き込んで空転した状態(所謂エアガミ状態)になったときの騒音が異常に大きくなるという問題点があった。
【0011】
また、食器洗浄機においては、洗浄槽の汚れを落とすための槽洗浄運転を定期的に行うことが望ましいものであるが、このような槽洗浄運転は、洗浄室内に食器を収納しない状態で洗い運転時と同様の運転を所定時間だけ実行する構成としているのが実情である。しかしながら、このような構成では、洗浄ポンプによる洗浄水の吐出圧が洗い運転時と全く同じであるため、洗浄槽の洗浄を効果的に行うことが困難であり、この点の解決も望まれていた。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、洗浄所要時間の短縮並びに排水騒音の低減を実現可能になるなどの効果を奏する食器洗浄機を提供することにあり、第2の目的は、洗浄槽の洗浄を簡単な操作により効果的に行い得るようになる食器洗浄機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、食器類を収納する洗浄槽と、この洗浄槽内に供給された洗浄水を前記収納食器類に向けて吐出するための洗浄ポンプと、前記洗浄槽内の洗浄水を機外に排出するための排水ポンプと、前記洗浄槽内の底部に当該洗浄槽内に供給される洗浄水を加熱するように配置されたヒータと、前記洗浄ポンプを可変速駆動するための洗浄ポンプ駆動手段と、前記洗浄ポンプによる洗い運転及びすすぎ運転並びに前記排水ポンプによる排水運転などを制御するための制御手段とを備えた上で、前記制御手段を、少なくとも前記洗い運転時の洗浄ポンプの回転数と前記排水運転時の排水ポンプの回転数とを異ならせた制御、並びに洗い運転及びすすぎ運転の少なくとも一方の運転期間において前記ヒータに通電する制御を行うと共に、そのヒータの通電期間の初期に洗浄ポンプの回転数を低下させた状態を所定期間だけ保持した後に当該洗浄ポンプの回転数を定常状態まで高める制御を前記洗浄ポンプ駆動手段を通じて行う構成としたものである。
【0014】
この構成によれば、洗い運転及びすすぎ運転を行うための洗浄ポンプと排水運転を行うための排水ポンプは、異なる回転数で運転されることになる。これにより、洗浄ポンプ及び排水ポンプの能力を、それぞれ最適な状態に容易に設定できるようになるから、洗い運転時やすすぎ運転時における洗浄性能が不足気味になることを未然に防止できて、洗浄所要時間の短縮を実現可能になる。また、排水ポンプの回転数が必要以上に大きくなることを未然に防止できるから、排水運転の末期に所謂エアガミ状態が発生したときの騒音が大きくなる恐れもなくなって、排水騒音の低減も実現できるようになる。しかも、洗浄水の温度をヒータへの通電によって高めた状態で洗い運転及びすすぎ運転の少なくとも一方を実行できるようになるから、食器類の洗浄効率が向上するようになる。また、ヒータの通電期間の初期には、洗浄ポンプの回転数を低下させた状態が所定期間だけ保持されるから、その間に洗浄水を効果的に昇温できるようになって、洗浄効率を一段と向上させ得るようになる。
【0021】
請求項2記載の発明は、前記第1の目的を達成するために、食器類を収納する洗浄槽と、この洗浄槽内に供給された洗浄水を前記収納食器類に向けて吐出するための洗浄ポンプと、前記洗浄槽内の洗浄水を機外に排出するための排水ポンプと、前記洗浄ポンプを可変速駆動するための洗浄ポンプ駆動手段と、前記洗浄ポンプによる洗い運転及びすすぎ運転並びに前記排水ポンプによる排水運転などを制御するための制御手段とを備えた上で、前記制御手段を、少なくとも前記洗い運転時の洗浄ポンプの回転数と前記排水運転時の排水ポンプの回転数とを異ならせた制御を行うと共に、洗い運転時における洗浄ポンプの回転数がすすぎ運転時における回転数より低くなるように前記洗浄ポンプ駆動手段を通じて制御する構成としたものである。
【0022】
この構成によっても、洗い運転及びすすぎ運転を行うための洗浄ポンプと排水運転を行うための排水ポンプは、異なる回転数で運転されることになるから、請求項1記載の発明と同様に、洗浄所要時間の短縮並びに排水騒音の低減を実現できるようになる。また、一般的に、洗剤を使用して行われる洗い運転期間、つまり洗剤により大量の泡が発生する期間には、洗浄ポンプが空気を巻き込みやすくなって、運転騒音が大きくなる恐れが出てくるが、上記構成によれば、洗剤を使用して行われる洗い運転期間には洗浄ポンプの回転数が相対的に下げられた状態となるから、運転騒音が大きくなる事態を未然に防止できるようになる。
【0023】
請求項3記載の発明は、前記第1の目的を達成するために、食器類を収納する洗浄槽と、この洗浄槽内に供給された洗浄水を前記収納食器類に向けて吐出するための洗浄ポンプと、前記洗浄槽内の洗浄水を機外に排出するための排水ポンプと、前記排水ポンプを可変速駆動するための排水ポンプ駆動手段と、洗浄槽内の水位を検出する水位検出手段と、
前記洗浄ポンプによる洗い運転及びすすぎ運転並びに前記排水ポンプによる排水運転などを制御するための制御手段とを備えた上で、前記制御手段を、少なくとも前記洗い運転時の洗浄ポンプの回転数と前記排水運転時の排水ポンプの回転数とを異ならせた制御を行うと共に、前記排水ポンプによる排水運転の実行時に前記水位検出手段による検出水位が所定水位以下となったときに排水運転が末期に達したものと判断して、当該排水ポンプの回転数を定常時の回転数より低下させる制御を前記排水ポンプ駆動手段を通じて行う構成としたものである。
【0024】
この構成によっても、洗い運転及びすすぎ運転を行うための洗浄ポンプと排水運転を行うための排水ポンプは、異なる回転数で運転されることになるから、請求項1記載の発明と同様に、洗浄所要時間の短縮並びに排水騒音の低減を実現できるようになる。また、上記構成によれば、排水運転の末期において、洗浄槽内の洗浄水が残り少ない状態或いは洗浄水がなくなった状態を呈するのに伴い所謂エアガミ状態が発生した場合でも、排水ポンプの運転音を抑制できるようになるから、運転騒音の低減を実現できるようになる。しかも、排水運転が末期に達した時期、つまり前記エアガミ状態が発生する時期を、水位検出手段による検出水位に基づいて正確に判断可能になるから、エアガミ状態の発生に対処するために排水ポンプの回転数を低下させる制御が不要に早く行われる恐れがなくなって、排水効率の悪化を未然に防止できるようになる。
【0028】
この構成によれば、選択スイッチを操作するだけで洗浄槽を自動的に洗浄するコースを実行できるようになる。この場合、洗浄ポンプの回転数が定常時より高められて吐出能力が大きくなるから、洗浄槽の洗浄を効果的に行い得るものであり、また、洗浄槽内には洗い運転時より高い水位まで給水されるから、洗浄ポンプの吐出能力が大きくなった状態でも当該洗浄ポンプが吸い込む洗浄水が不足する恐れがなくなる。この結果、簡単な操作により、洗浄槽の洗浄を確実且つ効果的に行い得るようになる。
【0031】
この構成によれば、1個のモータを設けるだけで済んで全体構成を簡略化できるようになる。また、そのモータの正回転時及び逆回転時の回転数をそれぞれ変えるだけで洗浄ポンプ及び排水ポンプの能力を容易に変更できるようになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1実施例について、図1ないし図6を参照して説明する。 まず、図2及び図3において、食器洗浄機の本体1の内部には洗浄槽2が設けられ、本体1の前部には、下部が本体1に支持された扉3が回動可能に設けられていて、洗浄槽2の前面がその扉3により開閉されるようになっている。洗浄槽2内の底部にはヒータ4が設けられ、また、洗浄槽2内の下部及び上部には、洗浄アーム5及び6が設けられており、これら洗浄アーム5、6のそれぞれの上方に食器かご7、8が引き出し可能に収納されている。
【0035】
洗浄槽2の底部前側の最深部は貯水部9とされ、この貯水部9の後側に洗浄ポンプ10と排水ポンプ11とが配設されている。この場合、これら洗浄ポンプ10と排水ポンプ11は、共通のポンプモータ12を駆動源としている。このポンプモータ12は、例えば直流ブラシレスモータにて構成されていて、インバータ回路13(図5参照:本発明でいう洗浄ポンプ駆動手段及び排水ポンプ駆動手段に相当)により可変速駆動されるようになっている。そして、このポンプモータ12は、正回転することにより洗浄ポンプ10を機能させ、逆回転することにより排水ポンプ11を機能させる構成となっている。
【0036】
具体的には、上記洗浄ポンプ10、排水ポンプ11及びポンプモータ12は図4に示すような構成となっている。この図4において、洗浄ポンプ10及び排水ポンプ11は、それぞれのポンプケース10a及び11a内にインペラ10b及び11bを同軸状に配置すると共に、各インペラ10b及び11bをポンプモータ12の回転軸12aに連結した構造となっている。上記ポンプケース10aは、吸入口10cが前記貯水部9に接続部14を介して連通され、吐出口10dが前記洗浄アーム5、6の各吸入口(図示せず)に送水部15及び送水パイプ16を介して連通される。また、ポンプケース11aは、図示しない吸入口が前記貯水部9に接続パイプ17を介して連通され、吐出口が後述する排水ポンプ18に連通される。
【0037】
この場合、洗浄ポンプ10のインペラ10bは、ポンプモータ12の正回転時に、洗浄槽2内の洗浄水を貯水部9から接続部14を通じて吸入し、その吸入した洗浄水を送水部15及び送水パイプ16を通じて上記洗浄アーム5、6に圧送するようになっている。尚、上記洗浄アーム5、6は、洗浄ポンプ10から圧送されてくる洗浄水を、それぞれ図示しない噴出孔から食器かご7、8に収容された食器類に対して吐出するものである。また、排水ポンプ11のインペラ11bは、ポンプモータ12の逆回転時に、洗浄槽2内の洗浄水を貯水部9から接続パイプ17を通じて吸入し、その吸入した洗浄水を排水ホース18を通じて一旦揚水した後に機外へ排出するようになっている。
【0038】
洗浄槽2の底部の下面には、貯水部9から外れた部位に位置させてサーミスタから成る温度センサ19が設けられており、この温度センサ19により、洗浄槽2内の洗浄水の温度を検出するようにしている。また、洗浄槽2の下部の後側には、洗浄槽2内の水位を検出する水位検出手段として水位スイッチ20が設けられており、このスイッチスイッチ20は、接続パイプ20aを介して前記貯水部9の底部に設けられた孔部9aに連通されている。尚、水位スイッチ20としては、フロート式やエアトラップ式など多様な形式のものを利用できる。
【0039】
洗浄槽2の後部には給水弁21が設けられ、この給水弁21に給水ホース22が接続されていて、図示しない水道の水が、給水ホース22及び給水弁21を介して洗浄槽2内に洗浄水として供給されるようになっている。また、洗浄槽2の背部には送風機23及び送風ダクト24が配設され、洗浄槽2の上方部には吸気ダクト25及び排気ダクト26が配設されている。送風機23は、ファンモータ27と、これにより回転されるファン28とを備えていて、このファン28の送風作用により、機外の空気が吸気ダクト25を通じ吸入されて送風ダクト24を通じて洗浄槽2内に供給されると共に、洗浄槽2内の空気が排気ダクト26を通じて機外へ排出されるようになっている。
【0040】
前記扉3の前面上部には、図3に示すように、扉ロックレバー29及び操作パネル30が設けられている。このうち、扉ロックレバー29は、閉鎖した扉3をロックするためのもので、図示位置がロック位置であり、この位置から左側へ回動操作することによりそのロックが解除されるようになっている。操作パネル30には、スタートスイッチなどから成るスイッチ入力部31、LEDから成る表示部32などが設けられている。また、操作パネル30の背部には、前記インバータ回路13と共に本発明でいう制御手段を構成する制御装置33(図2、図5参照)が設けられている。
【0041】
制御装置33は、食器洗浄機の作動全般を制御するもので、マイクロコンピュータを主体に構成されている。この制御装置33には、図5に示すように、操作パネル30のスイッチ入力部31、水位スイッチ20、扉3の開閉に応動する扉スイッチ34及び温度センサ19などからの信号が入力されるようになっている。そして、制御装置33は、それらの入力信号及び予め設定された制御プログラムに基づいて、表示部32、ブザー35、給水弁21、ヒータ4、ファンモータ27などを駆動回路36を介して制御すると共に、前記ポンプモータ12をインバータ回路13を介して制御する。
【0042】
次に、上記構成の作用を説明する。
食器類を洗浄する場合には、使用者は、まず、扉3を開放した状態で、洗浄する食器類を上下の各食器かご7、8に収容し、これらを洗浄槽2内に収納すると共に、扉3の所定部位に設けられた洗剤投入装置(図示せず)に洗剤を収容しておく。そして、扉3を閉鎖した状態で、操作パネル30におけるスイッチ入力部31のスタートスイッチを操作すると、制御装置33は、予め設定された制御プログラムに基づいて運転を実行する。尚、上記洗剤投入装置は、例えば、洗浄槽2内への洗浄水の給水動作或いは洗浄行程の開始に連動して洗浄槽2内へ洗剤を自動的に投入する構成となっている。
【0043】
図1には、洗浄行程、2回のすすぎ行程、加熱すすぎ行程、乾燥行程をこの順に実行する標準コースにおけるタイムチャートが、洗浄槽2内の洗浄水の温度変化状態やポンプモータ12の回転数などと共に示されている。この図1において、斜線帯部分が各機器の動作状態を示している。但し、図1の時間軸は、各行程の所要時間を正確に反映させたものではない。
【0044】
運転が開始されると、最初に洗浄行程が実行される。この洗浄行程では、まず、給水弁21を開放動作させて洗浄槽2内に水道水を洗浄水として供給するという給水運転が行われる。洗浄槽2内に洗浄水が供給されると、その水が洗浄槽2内に貯留され、洗浄槽2内の水位が次第に上昇する。そして、洗浄槽2内の水位が予め設定された設定水位H(図2参照)に達すると、これが水位スイッチ20により検出され、その検出出力に基づき制御装置33は給水弁21を閉鎖動作させて給水運転を停止する。
【0045】
この給水運転の終了後に行われる洗い運転時には、ヒータ4に通電して加熱動作させると共に、ポンプモータ12をインバータ回路13を通じて正回転させて洗浄ポンプ10を運転させるものである。このとき、ポンプモータ12の回転数は、図18に示した従来構成の3000rpm より高い3500rpm となるように制御される。
【0046】
このように洗浄ポンプ10が運転されると、洗浄槽2内の洗浄水が貯水部9から洗浄ポンプ10に吸入され、その吸入された洗浄水が、送水部15及び送水パイプ16を通じて洗浄アーム5、6に圧送され、これら洗浄アーム5、6の噴出孔から食器かご7、8に収容された食器類に向けて吐出される。この場合、ヒータ4の加熱動作により、洗浄水が加熱されて温度が上昇するが、この洗浄水の温度は温度センサ19による検出温度に基づいて60℃となるように制御される。そして、制御装置33は、洗い運転開始後に設定時間(例えば10分)が経過したときには、ポンプモータ12を断電して洗浄ポンプ10の運転を停止すると共にヒータ4を断電するものであり、これにより洗い運転が終了される。尚、上記洗い運転のための設定時間は、洗浄水の初期温度に応じて長短変化させる構成としても良い。
【0047】
上記のような洗い運転時には、ポンプモータ12の回転数が3500rpm に設定されているから、従来構成と比べた場合、洗浄ポンプ10がより高い吐出圧で運転されるようになって、洗浄アーム5、6の噴出孔から吐出される洗浄水の吐出圧が高くなるため、勢い良く吐出された洗浄水により食器類に付着した汚れが効率良く洗い落とされるようになる。これにより、洗い運転の所要時間を、従来構成のような洗浄性能を保ちながら従来の15分から10分に短縮できることになる。
【0048】
制御装置33は、洗い運転の終了後には、1回目排水運転、給水及び給排水運転、2回目排水運転を所定の停止期間(例えば10秒)を挟んで順次実行する。具体的には、1回目排水運転時には、ポンプモータ12を2500rpm で逆回転させて排水ポンプ11を所定時間(例えば40秒程度)だけ運転することにより、洗浄槽2内の洗浄水を機外へ排出する動作を行う。給水及び給排水運転時には、給水弁21を開放動作させた後に所定の遅れ時間(例えば5秒)が経過した時点から、その給水弁21の開放状態を保持したまま、ポンプモータ12を同じく2500rpm で逆回転させて排水ポンプ11を所定時間(例えば10秒)だけ運転することにより、洗浄槽2内の洗浄水を機外へ排出する動作を行う。また、2回目排水運転時には、ポンプモータ12を同じく2500rpm で逆回転させて排水ポンプ11を所定時間(例えば10秒)だけ運転して洗浄槽2内の洗浄水を機外に排出する動作を行う。
【0049】
以上のようにして洗浄行程が終了すると、2回のすすぎ行程が順次実行される。各すすぎ行程では、給水運転が行われた後に、すすぎ運転、1回目排水運転、給水及び給排水運転、2回目排水運転が所定の停止期間を挟んで順次行われる。この場合、給水運転、1回目排水運転、給水及び給排水運転、2回目排水運転は、前記洗浄行程の場合と同様に行われる。また、上記すすぎ運転時には、ポンプモータ12をインバータ回路13を通じて3500rpm で正回転させて洗浄ポンプを所定時間(例えば1分)だけ運転するものであり、これにより洗浄アーム5、6の噴出孔から食器類に対して高い吐出圧の洗浄水が吐出され、以て食器類に付着した洗剤分などが効率良く落とされるようになる。
【0050】
上記のようにして2回のすすぎ行程が実行された後には、加熱すすぎ行程が実行される。
この加熱すすぎ行程では、まず、給水弁21を開放動作させて洗浄槽2内に水道水を洗浄水として供給するという給水運転を行った後に、ヒータ4を通電して洗浄水を加熱しながら、ポンプモータ12を3500rpm で正回転させて洗浄ポンプ10を運転する。このように洗浄水が加熱されるのに応じて、食器類のすすぎが効率良く行われると共に、当該食器類が暖められてその後の乾燥行程での乾燥効率の向上が図られるようになる。勿論、この場合にも、ポンプモータ12の回転数が3500rpm に設定されているから、この面からも食器類のすすぎが効率良く行われるようになる。
【0051】
この場合、制御装置33は、洗浄水の温度が70℃まで上昇したことが温度センサ19により検出された時点で、ポンプモータ12を断電して洗浄ポンプ10を運転停止する共に、ヒータ4を断電するものであり、これにより加熱すすぎ運転が終了される。尚、この加熱すすぎ運転の終了時期を時間制御により行うことも可能である。この後に行われる排水運転時には、ポンプモータ12を2500rpm で逆回転させて排水ポンプ11を所定時間(例えば40秒程度)だけ運転することにより、洗浄槽2内の洗浄水を機外へ排出する動作を行う。
【0052】
上記のような加熱すすぎ行程が終了した後に行われる乾燥行程では、制御装置33は、ヒータ4を周期的に断続しながら、送風機23のファンモータ27を連続運転して洗浄槽2内に送風し、以て食器類を乾燥させるという乾燥運転を実行する。このような乾燥行程は約20分間行われるものであり、最終的に乾燥行程が終了すると、表示部32及びブザー35により、運転が終了したことが報知される。
【0053】
上記した第1実施例によれば、次のような効果を得ることができる。
本実施例においては、洗浄行程での洗い運転やすすぎ行程及び加熱すすぎ行程でのすすぎ運転を行うための洗浄ポンプ10と、各行程での排水運転を行うための排水ポンプ11は、異なる回転数(3500rpm と2500rpm )で運転されることになる。これにより、洗浄ポンプ10及び排水ポンプ11の能力を、それぞれ最適な状態に容易に設定できるようになるから、洗い運転時やすすぎ運転時における洗浄性能が不足気味になることを未然に防止できて、洗浄所要時間の短縮を実現可能になる。この場合、洗浄ポンプ10を動作させるポンプモータ12を直流ブラシレスモータにて構成すると共に、インバータ回路13を介して制御するようにしているので、そのポンプモータ12の回転数、ひいては洗浄ポンプ10及び排水ポンプ11の能力をきわめて容易に制御できるようなる。また、洗浄水の温度をヒータ4への通電によって高めた状態で洗い運転及び加熱すすぎ運転を実行するようにしたから、食器類の洗浄効率及びすすぎ効率が向上するようになる。
【0054】
図6には、洗浄行程での洗い運転の所要時間(洗浄時間)と食器類の洗浄率との関係を、ポンプモータ12の回転数をパラメータとして実測した結果が示されている。この図6から理解できるように、本実施例のようにポンプモータ12の回転数を3500rpm に設定した場合には、洗い運転を5分程度継続すれば許容レベル(65%程度)以上の洗浄率が得られるものである。従って、本実施例のように、ポンプモータ12を3500rpm で回転させながら洗い運転を10分継続する構成によれば、洗浄所要時間を従来構成に比べて短縮しながら食器類の洗浄効率を十分に高めることができるものである。
【0055】
尚、図6から理解できるように、洗浄ポンプ12の回転数を2500rpm に設定した場合でも、洗浄時間を20分程度に設定すれば許容レベル以上の洗浄効率が得られるから、洗浄所要時間を無視する場合には、洗浄ポンプ12の回転数を2500rpm 以上に設定すれば、十分な洗浄効率を得ることが可能になるものである。
【0056】
また、上述したように、排水ポンプ11の能力を最適な状態に容易に設定できるから、排水ポンプ11の回転数が必要以上に大きくなることを未然に防止できるようになる。つまり、本実施例のように、排水ポンプ11の回転数(排水運転時におけるポンプモータ12の回転数)を従来より低い2500rpm に設定した場合には、排水運転の末期に所謂エアガミ状態が発生したときの騒音が大きくなる恐れもなくなって、排水騒音の低減も実現できるようになる。
【0057】
さらに、本実施例では、洗浄ポンプ10及び排水ポンプ11を、可変速制御される同一のポンプモータ12により回転駆動されるインペラ10b及び11bをそれぞれ備えた構成とし、各インペラ10b及び11bを、ポンプモータ12の正回転時に洗浄ポンプ10が機能し且つ逆回転時に排水ポンプ11が機能する形状に構成した上で、ポンプモータ12を、正回転時(つまり洗浄ポンプ10が機能するとき)の回転数が逆回転時(つまり排水ポンプ11が機能するとき)の回転数より大きくなるように制御される構成としたから、洗浄ポンプ10の運転に応じて行われる洗い運転時やすすぎ運転時の洗浄効率を相対的に高めることができ、結果的に洗浄所要時間を短縮できるようになる。
【0058】
さらに、上記のような構成によれば、1個のポンプモータ12を設けるだけで済んで全体構成を簡略化できるようになると共に、そのポンプモータ12の正回転時及び逆回転時の回転数をそれぞれ変えるだけで洗浄ポンプ10及び排水ポンプ11の能力を容易に変更できるようになるから、食器洗浄機の設計及び製造を行う上できわめて有用になる。
【0059】
また、一般的に、洗浄ポンプ10及び排水ポンプ11を同一のモータで同一回転数にて運転する場合には、排水ポンプ11を必要以上の能力で運転することになって運転騒音が大きくなる欠点があるが、上記構成によれば斯様な欠点を効果的に解消できるようになる。しかも、このように洗浄ポンプ10及び排水ポンプ11を同一回転数にて運転する場合、ポンプモータ12の逆回転時(排水ポンプ11が機能するとき)には、洗浄ポンプ10側のインペラ10bが空転して当該洗浄ポンプ10側で空気を巻き込むことによる騒音増大現象が発生するが、本実施例では、ポンプモータ12の逆回転時の回転数が相対的に小さい状態とされるから、上記のような騒音増大現象を抑制できて、この面からも運転騒音の低減を図り得るようになる。
【0060】
上記第1実施例では、洗浄行程、2回のすすぎ行程での1回目排水運転の終了後において、洗浄槽2内に洗浄水を給水しながら排水ポンプ11を駆動させる給排水運転を所定期間(例えば10秒)だけ行う構成としたから、その給排水運転の実行に応じて洗浄槽2内の残渣を効果的に排出できるようになる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図7ないし図9には本発明の第2実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。
この第2実施例では、制御装置33は、図7に示すように、洗浄行程における洗い運転期間及び加熱すすぎ行程における加熱すすぎ運転期間の双方において、洗浄ポンプ10の回転数(ポンプモータ12の正方向回転数)をインバータ回路13を通じて周期的に高低変化させる制御を反復して行う。具体的には、洗浄ポンプ10を例えば30秒だけ2500rpm で回転させると共に例えば1分だけ3500rpm で回転させるというサイクルを繰り返す制御を行う。尚、このような制御は、洗い運転及び加熱すすぎ運転の少なくとも一方の運転期間のみにおいて行う構成としても良い。
【0062】
図8には、本実施例で使用する洗浄アーム5及び6の平面図が示され、図9には、図8中のY−Y線に沿った断面図が示されている。これら図8及び図9において、洗浄アーム5及び6には、例えばその5箇所にそれぞれ所定方向へ向いて開口した噴出孔37が設けられており、各噴出孔37は、スリット38aを有した例えばゴム製の弁体38により閉鎖された状態とされている。この弁体38は、洗浄ポンプ10による洗浄水の吐出圧が大きくなるのに応じてスリット38aの開口量が拡大するものである。従って、このような弁体38が設けられた結果、噴出孔37は、洗浄ポンプ10による洗浄水の吐出圧が小さい場合ほど実質的な開口面積が小さくなる構成となっている。
【0063】
このような第2実施例においても、前述した第1実施例と同様な作用効果を得ることができる。特に、本実施例によれば、洗い運転期間及び加熱すすぎ運転期間において、洗浄ポンプ10による洗浄水の吐出能力が大小変化される状態が反復されることになるから、洗浄槽2内に収納された食器類に対し洗浄水が衝突するときの力が周期的に変動するようになって当該食器類に付着した汚れが落ちやすくなる。しかも、これと同時に食器類に対する洗浄水の衝突範囲が拡大するようになるから、総じて洗浄性能が向上するようになる。さらに、洗浄アーム5及び6の噴出孔37にスリット38aを有したゴム製の弁体38を設ける構成としたから、洗浄ポンプ10による洗浄水の吐出圧が小さい場合には、噴出孔37の実質的な開口面積が小さくなって当該洗浄ポンプ10による揚水力が高められるようになる。このため、洗浄水の吐出圧が小さく期間においても洗浄水を勢い良く吐出できるようになるから、洗浄性能の向上を図り得るようになる。
【0064】
(第3の実施の形態)
図10には本発明の第3実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。
この第3実施例では、制御装置33は、図10に示すように、洗浄行程における洗い運転期間及び加熱すすぎ行程における加熱すすぎ運転期間の双方において、ヒータ4の通電期間の初期に洗浄ポンプ10の回転数を2500rpm に低下させた状態を所定期間(例えば5分程度)だけ保持した後に、当該洗浄ポンプ10の回転数を定常状態(3500rpm )まで高める制御をインバータ回路13を通じて実行する。
【0065】
このような第3実施例においても、前述した第1実施例と同様な作用効果を得ることができる。特に、本実施例によれば、洗い運転期間及び加熱すすぎ運転期間におけるヒータ4の通電期間の初期には、洗浄ポンプ10の回転数を定常時より低下させた状態が所定期間だけ保持されるから、その間に洗浄水を効果的に昇温できるようになって、洗浄効率を一段と向上させ得るようになる。
【0066】
(第4の実施の形態)
図11には本発明の第4実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。
この第4実施例では、制御装置33は、図11に示すように、洗浄行程での洗い運転時において、洗浄ポンプ10の回転数が、すすぎ行程でのすすぎ運転時並びに加熱すすぎ行程での加熱すすぎ運転時における回転数(3500rpm )より低い回転数(例えば3000rpm )となるようにインバータ回路13を通じて制御する。
【0067】
この場合、一般的に、洗剤を使用して行われる洗い運転期間、つまり洗剤により多くの泡が発生する期間には、洗浄ポンプ10が空気を巻き込みやすくなって、運転騒音が大きくなる恐れが出てくるが、上記した第4実施例の構成によれば、このような期間には洗浄ポンプ10の回転数が相対的に下げられた状態となるから、運転騒音が大きくなる事態を未然に防止できるようになる。
【0068】
(第5の実施の形態)
図12には本発明の第5実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。
この第5実施例では、制御装置33は、図12に部分的に示すように、洗浄行程、2回のすすぎ行程及び加熱すすぎ行程での各1回目排水運転が開始されたときには、その開始時点から所定時間(例えば20秒)が経過した後に、排水ポンプ11の回転数(ポンプモータ12の逆方向回転数)を、定常時の回転数(2500rpm )より低下させた回転数(例えば1500rpm )とする制御をインバータ回路13を通じて行う。また、制御装置33は、上記各行程での給水及び給排水運転、2回目排水運転時には、排水ポンプ11の回転数を1500rpm とする制御をインバータ回路13を通じて行う構成となっている。
【0069】
このように構成した第5実施例によれば、1回目排水運転の末期、或いは給水及び給排水運転や2回目排水運転時において、洗浄槽2内の洗浄水が残り少ない状態或いは洗浄水がなくなった状態を呈するのに伴い所謂エアガミ状態が発生した場合でも、排水ポンプ11の運転音が抑制されるようになるから、運転騒音の低減を実現できるようになる。
【0070】
(第6の実施の形態)
図13には、上記第5実施例に変更を加えた本発明の第6実施例が示されており、以下これについて当該第5実施例と異なる部分のみ説明する。
この第6実施例では、制御装置33は、図13に部分的に示すように、洗浄行程、2回のすすぎ行程及び加熱すすぎ行程での各1回目排水運転の実行時には、スイッチスイッチ20による洗浄槽2内の検出水位が所定水位以下となったときに排水運転が末期に達したものと判断して、排水ポンプ11の回転数を第5実施例と同様に低下させる制御を行うものであり、また、上記各行程での給水及び給排水運転、2回目排水運転時には、排水ポンプ11の回転数を1500rpm とする制御を同様に行う構成となっている。
【0071】
このように構成した第6実施例によれば、排水運転が末期に達した時期、つまり前記エアガミ状態が発生する時期を正確に判断可能になるから、エアガミ状態の発生に対処するために排水ポンプ11の回転数を低下させる制御が不要に早く行われる恐れがなくなって、排水効率の悪化を未然に防止できるようになる。
【0072】
(第7の実施の形態)
図14には本発明の第7実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。
この第7実施例では、制御装置33は、図14に部分的に示すように、洗浄行程、2回のすすぎ行程での1回目排水運転の終了後において、給水及び給排水運転を所定期間だけ行った後に、排水ポンプ11を定常の回転数(2500rpm )より高い回転数(例えば3500rpm )で運転する制御をインバータ回路13を通じて行う。
【0073】
このように構成した第7実施例によれば、上記給排水運転が行われるのに応じて洗浄槽内の残渣を効果的に排出できるものであり、また、この後には排水ポンプ11の能力が高められた状態の排水運転が所定時間だけ行われるから、洗浄槽2内に残った洗浄水が一気に排出されるようになって、その排水動作を確実に行い得るようになる。
【0074】
(第8の実施の形態)
図15には本発明の第8実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。
この第8実施例では、制御装置33に対して、洗浄ポンプ10の回転数を示す信号を与えるための回転検出手段(図示せず)が設けられる。尚、この回転検出手段は、実際にはポンプモータ12の回転数を検出する構成とされるものであるが、本実施例のように、ポンプモータ12を直流ブラシレスモータにて構成する場合には、そのロータの回転位置を検出するために設けられた位置検出手段の出力を転用することができる。
【0075】
制御装置33は、洗浄行程において図15のフローチャートに示す内容の制御プログラムを実行する。この制御プログラムは、スイッチ入力部31のスタートスイッチが操作されたときに開始されるものであり、まず、給水弁21を開放(オン)させて洗浄槽2内への給水運転を開始し(ステップA1)、この後に水位スイッチ20による検出出力を読み込んで洗浄槽2内の水位を監視し、その監視内容を参照することにより洗浄槽2内が設定水位H(図2参照)になるまで待機する(ステップA2)。
【0076】
洗浄槽2内に設定水位Hまで給水されたときには、給水弁を閉鎖(オフ)させるステップA3、洗浄ポンプ10をインバータ回路13により例えば3500rpm で運転開始(オン)させるステップA4、ヒータ4に通電開始(オン)させるステップA5を順次実行するものであり、これにより洗い運転が開始される。この洗い運転開始後には、洗浄ポンプ10の単位時間内での回転数変動値が所定範囲である例えば100rpm を超えたか否かを判断する(ステップA6)。ここで「YES」と判断したときには、エアガミ状態が発生したことを示す異常報知を例えば操作パネル30の表示部32を通じて行い(ステップA7)、さらに、洗浄ポンプ10を断電(オフ)させるステップA8、ヒータ4を断電(オフ)させるステップA9を順次実行して上記洗い運転を強制的に中止させ、その状態で制御プログラムの実行を中断する。
【0077】
これに対して、ステップA7で「NO」と判断したときには、洗浄槽2内の洗浄水を60℃程度に昇温してその温度に保持するための制御ステップA10、A11、洗い運転を10分で終了させるための制御ステップA12を実行した後に、洗浄行程における1回目排水運転、給水及び給排水運転、2回目排水運転のための各制御ステップA13〜A28を実行し、この後に1回目すすぎ行程のための制御プログラムへ移行する。
【0078】
要するに、本実施例は、洗浄行程での洗浄ポンプ10による洗い運転中において当該洗浄ポンプ10の回転数が所定範囲を超えて変動した場合に洗い運転を中止する構成としたものである。この構成によれば、洗い運転時において発泡性が高い洗剤が誤って使用されるなどして洗浄ポンプ10がエアガミ状態のまま運転継続される事態、つまり騒音が増大し且つ洗浄水の吐出圧力が低下した状態で運転継続される事態を未然に防止できるようになる。
【0079】
(第9の実施の形態)
図16及び図17には本発明の第9実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。
図16には、操作パネル30の具体的な正面外観が示されている。この図16において、スイッチ入力部31には、電源スイッチ31a、一時停止スイッチを兼用したスタートスイッチ31b、乾燥行程のみを行う状態並びにその所要時間を選択するための乾燥行程用スイッチ31c、複数種類の運転コースの中から所望のコースを選択するためのコース切換スイッチ31d(本発明でいう切換スイッチに相当)が設けられる。また、表示部32には、選択されたコースを表示するための表示部32a〜32dや、乾燥運転時間を表示するための表示部32e、32fなどが設けられる。この場合、上記運転コースとしては、第1実施例で説明した標準コースの他に、洗い運転の時間を延長するなどした念入りコース、予洗いコース、槽洗浄運転コースが設定されるものであり、コース切換スイッチ31dが操作される毎に各コースが選択されたことを表示するための表示部33a〜32dの一つが歩進的に点灯されるようになっている。尚、上記槽洗浄運転コースは、洗浄室2内に食器類を収納せずに行うものである。
【0080】
制御装置33は、スイッチ入力部31において、コース切換スイッチ31dにより槽洗浄運転コースが選択設定された状態でスタートスイッチ31bが操作されたときには、図17のフローチャートに示す内容の槽洗浄用制御プログラムを実行する。この制御プログラムにおいては、まず、給水弁21を開放(オン)させて洗浄槽2内への給水運転を開始し(ステップB1)、この後に水位スイッチ20による検出出力を読み込んで洗浄槽2内の水位を監視し、その監視内容を参照することにより、洗浄槽2内が水位が洗い運転時の設定水位H(図2参照)より所定レベルだけ高い水位になるまで待機する(ステップB2)。
【0081】
洗浄槽2内に上記のような高水位まで給水されたときには、給水弁を閉鎖(オフ)させるステップB3、洗浄ポンプ10をインバータ回路13により定常時より高い回転数である例えば4000rpm で運転開始(オン)させるステップB4を順次実行するものであり、これにより槽洗浄運転が開始される。このように槽洗浄運転が開始された後には、予め設定された時間(例えば5分)だけ待機し(ステップB5)、その設定時間が経過したときには、洗浄ポンプ10を断電(オフ)させるステップB6を実行する。
【0082】
次いで、所定期間だけ停止状態を保持するステップB7、排水ポンプ11を定常回転数(2500rpm )で運転開始(オン)させるステップB8を順次実行するものであり、これにより排水運転が開始される。このように排水運転が開始された後には、予め設定された時間(例えば60秒)だけ待機し(ステップB9)、その設定時間が経過したときには、排水ポンプ11を断電(オフ)させるステップB10を実行するものであり、これにより一連の槽洗浄用制御プログラムが終了される。
【0083】
要するに、制御装置33は、コース切換スイッチ31dにより槽洗浄運転コースが選択された状態でスタートスイッチ31bが操作されたときには、洗浄槽2内に洗い運転時より高い水位まで洗浄水を供給した状態で洗浄ポンプ10を定常時より高い回転数(4000rpm )で所定期間(60秒)だけ回転させる制御を、インバータ回路13を通じて行うものである。
【0084】
このように構成した本実施例によれば、コース切換スイッチ31dの操作に応じて洗浄槽2の洗浄運転を自動的に行うコースを実行できるようになる。この場合、洗浄ポンプ10の回転数が定常時より高められて吐出能力が大きくなるから、洗浄槽2の洗浄を効果的に行い得るものであり、また、洗浄槽2内には洗い運転時より高い水位まで給水されるから、洗浄ポンプ10の吐出能力が大きくなった状態でも当該洗浄ポンプ10が吸い込む洗浄水が不足する恐れがなくなり、総じて洗浄槽2の洗浄を確実に行い得ることになる。
【0085】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
洗浄ポンプ10の可変速運転を行うための洗浄ポンプ駆動手段及び排水ポンプ11の可変速運転を行うための排水ポンプ駆動手段として、可変周波数電源であるインバータ回路13を用いる構成としたが、位相制御方式或いは電源波形の間引き制御を行う装置などを用いる構成としても良い。洗浄ポンプ10及び排水ポンプ11を同一のポンプモータ12で回転させる1モータ方式としたが、各ポンプ10及び11を専用のポンプモータで運転する構成としても良い。洗い運転時における洗浄ポンプ10の回転数及び排水運転時における排水ポンプ11の回転数は、本発明の目的を達成できる範囲であれば、上記した各実施例のような数値に限定されるものでないことは勿論であり、その回転数を3段階以上に変化させる構成も可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば以下に述べるような効果を奏することができる。
請求項1、2、3にそれぞれ記載した食器洗浄機によれば、少なくとも洗い運転時の洗浄ポンプの回転数と排水運転時の排水ポンプの回転数とを2段階以上に異ならせた制御が行われる構成となっているから、洗浄ポンプ及び排水ポンプの能力を、それぞれ最適な状態に容易に設定できて、洗浄所要時間の短縮を実現できると共に、排水騒音の低減も実現できるものである。請求項1、2、3にそれぞれ記載した食器洗浄機においては、このような効果の他に、以下に述べるような効果も奏することができる。
【0090】
請求項1に記載した食器洗浄機によれば、洗い運転及びすすぎ運転の少なくとも一方の運転期間において、洗浄水を加熱するためのヒータの通電期間の初期に洗浄ポンプの回転数を低下させた状態を所定期間だけ保持した後に、当該洗浄ポンプの回転数を定常状態まで高める制御が行われるから、ヒータの通電期間の初期に洗浄水を効果的に昇温できるようになって、洗浄効率の向上を図り得るようになる。
【0091】
また、請求項2記載の食器洗浄機によれば、洗い運転時における洗浄ポンプの回転数がすすぎ運転時における回転数より低くなるように制御されるから、洗剤を使用して行われる洗い運転期間において、洗剤により発生した多くの泡に起因して運転騒音が大きくなる事態を未然に防止できるようになる。
【0092】
さらに、請求項3記載の食器洗浄機によれば、排水運転の末期には排水ポンプの回転数を定常時の回転数より低下させる制御が行われるから、排水運転の末期において、洗浄槽内の洗浄水が残り少ない状態或いは洗浄水がなくなった状態を呈するのに伴い所謂エアガミ状態が発生した場合でも、排水ポンプの運転音を抑制できるようになって、運転騒音の低減を実現できるようになる。この場合、請求項3記載の構成によれば、排水運転が末期に達した時期、つまり前記エアガミ状態が発生する時期を、水位検出手段による検出水位に基づいて正確に判断可能になるから、エアガミ状態の発生に対処するために排水ポンプの回転数を低下させる制御が不要に早く行われる恐れがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を説明するためのもので、食器洗浄のための行程の内容を洗浄水の温度変化特性やポンプモータの回転数などと共に示すタイミングチャート
【図2】縦断側面図
【図3】外観斜視図
【図4】ポンプ構造を示す縦断側面図
【図5】電気的構成を概略的に示す機能ブロック図
【図6】食器類の洗浄率の実測結果を示す特性図
【図7】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図8】洗浄アームの平面図
【図9】図8中のY−Y線に沿った断面図
【図10】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図11】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図12】本発明の第5実施例を示す図1相当図
【図13】本発明の第6実施例を示す図1相当図
【図14】本発明の第7実施例を示す図1相当図
【図15】本発明の第8実施例における制御内容を示すフローチャート
【図16】本発明の第9実施例を示す操作パネルの正面図
【図17】制御内容を示すフローチャート
【図18】従来例を説明するための図1相当図
【符号の説明】
2は洗浄槽、4はヒータ、5、6は洗浄アーム、7、8は食器かご、10は洗浄ポンプ、10bはインペラ、11は排水ポンプ、11bはインペラ、12はポンプモータ、13はインバータ回路(洗浄ポンプ駆動手段、排水ポンプ駆動手段)、19は温度センサ、20は水位スイッチ(水位検出手段)、21は給水弁、30は操作パネル、31はスイッチ入力部、32は表示部、31dはコース切換スイッチ(選択スイッチ)、33は制御装置(制御手段)、37は噴出孔、38は弁体、38aはスリットを示す。
Claims (3)
- 食器類を収納する洗浄槽と、
この洗浄槽内に供給された洗浄水を前記収納食器類に向けて吐出するための洗浄ポンプと、
前記洗浄槽内の洗浄水を機外に排出するための排水ポンプと、
前記洗浄槽内の底部に当該洗浄槽内に供給される洗浄水を加熱するように配置されたヒータと、
前記洗浄ポンプを可変速駆動するための洗浄ポンプ駆動手段と、
前記洗浄ポンプによる洗い運転及びすすぎ運転並びに前記排水ポンプによる排水運転などを制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、少なくとも前記洗い運転時の洗浄ポンプの回転数と前記排水運転時の排水ポンプの回転数とを異ならせた制御、並びに洗い運転及びすすぎ運転の少なくとも一方の運転期間において前記ヒータに通電する制御を行うと共に、そのヒータの通電期間の初期に洗浄ポンプの回転数を低下させた状態を所定期間だけ保持した後に当該洗浄ポンプの回転数を定常状態まで高める制御を前記洗浄ポンプ駆動手段を通じて行うことを特徴とする食器洗浄機。 - 食器類を収納する洗浄槽と、
この洗浄槽内に供給された洗浄水を前記収納食器類に向けて吐出するための洗浄ポンプと、
前記洗浄槽内の洗浄水を機外に排出するための排水ポンプと、
前記洗浄ポンプを可変速駆動するための洗浄ポンプ駆動手段と、
前記洗浄ポンプによる洗い運転及びすすぎ運転並びに前記排水ポンプによる排水運転などを制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、少なくとも前記洗い運転時の洗浄ポンプの回転数と前記排水運転時の排水ポンプの回転数とを異ならせた制御を行うと共に、洗い運転時における洗浄ポンプの回転数がすすぎ運転時における回転数より低くなるように前記洗浄ポンプ駆動手段を通じて制御することを特徴とする食器洗浄機。 - 食器類を収納する洗浄槽と、
この洗浄槽内に供給された洗浄水を前記収納食器類に向けて吐出するための洗浄ポンプと、
前記洗浄槽内の洗浄水を機外に排出するための排水ポンプと、
前記排水ポンプを可変速駆動するための排水ポンプ駆動手段と、
洗浄槽内の水位を検出する水位検出手段と、
前記洗浄ポンプによる洗い運転及びすすぎ運転並びに前記排水ポンプによる排水運転などを制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、少なくとも前記洗い運転時の洗浄ポンプの回転数と前記排水運転時の排水ポンプの回転数とを異ならせた制御を行うと共に、前記排水ポンプによる排水運転の実行時に前記水位検出手段による検出水位が所定水位以下となったときに排水運転が末期に達したものと判断して、当該排水ポンプの回転数を定常時の回転数より低下させる制御を前記排水ポンプ駆動手段を通じて行うことを特徴とする食器洗浄機。
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