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JP3574290B2 - 改質ポリプロピレン系樹脂発泡体およびその製法 - Google Patents
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JP3574290B2 - 改質ポリプロピレン系樹脂発泡体およびその製法 - Google Patents

改質ポリプロピレン系樹脂発泡体およびその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質ポリプロピレン系樹脂発泡体およびその製法に関する。さらに詳しくは、たとえば建築物の壁、間仕切りなどの構造材、高荷重の精密機器の包装材などの緩衝材などとして好適に使用しうる改質ポリプロピレン系樹脂発泡体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂からなる発泡体は、一般に、軽量で、断熱性や外部からの応力の緩衝性が良好であることから、断熱材、緩衝材、芯材、食品容器などとして幅広く利用されている。なかでも、ポリプロピレン系樹脂からなる発泡体は、安価で、耐薬品性、耐衝撃性および耐熱性が良好であるため、種々の分野で広く汎用され、なかでもとくに、緩衝材として好適に利用されている。
【0003】
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂は、結晶性樹脂であるため、溶融粘度および抗張力が溶融時に急激に低下し、該ポリプロピレン系樹脂を発泡させたばあい、発泡時に気泡壁の強度が充分に保持されない。また、ポリプロピレン系樹脂は、ガスバリヤ性が低いので、これを発泡させるときに、発泡剤から発生する気体が気泡より外部へ散逸されやすい。さらに、たとえばポリプロピレン系樹脂の押出発泡法においては、結晶性ポリプロピレンの結晶を完全溶融状態とする必要があるので、発泡に適正な粘度を維持させることができない。もし、ポリプロピレン系樹脂を完全溶融状態で押出発泡させたなら、発泡成長過程で気泡が破れてしまうおそれがある。
【0004】
このように、従来、ポリプロピレン系樹脂を発泡させることにより、外観美麗で、かつ独立気泡率が高い低密度の発泡体をうることが困難であった。
【0005】
そこで、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を改良する方法として、たとえば特公昭55−8535号公報には、アイオノマーおよびスチレン系重合体をポリオレフィンとともに用い、これらを発泡させる発泡樹脂成形体の製法が開示されている。しかしながら、かかる方法では、これら三成分の充分な相溶性がえられないため、前記のごときすぐれた発泡体をうることが困難である。
【0006】
また、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を改良する方法として、前記のほかにも、たとえばポリプロピレン系樹脂に架橋助剤を添加してその分子を架橋させる方法(特公昭45−40420号公報)や、ポリプロピレン系樹脂に該ポリプロピレン系樹脂と相溶性のあるゴムをブレンドし、これに架橋剤と発泡剤とを配合したのち発泡させる方法(特公昭40−15973号公報)などがあげられるが、これらの方法では、いずれもポリプロピレン系樹脂を架橋させるため、押出発泡させることができない。
【0007】
このように、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を改良し、外観美麗で、かつ独立気泡率が高い低密度の発泡体を、押出発泡によって製造する方法が未だ見出されていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、発泡性が改良された改質ポリプロピレン系樹脂からなり、外観美麗で、かつ独立気泡率が高い低密度の発泡体およびその製法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
▲1▼ポリプロピレン系樹脂(A)、オレフィン系エラストマーおよびオレフィン系イオン性共重合体から選ばれた少なくとも1種のオレフィン系共重合体(B)、イソプレン、1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル単量体から選ばれた少なくとも1種の重合性単量体(C)ならびにラジカル重合開始剤(D)を溶融混練してえられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物を押出発泡させてなる改質ポリプロピレン系樹脂発泡体、ならびに
▲2▼ポリプロピレン系樹脂(A)、オレフィン系エラストマーおよびオレフィン系イオン性共重合体から選ばれた少なくとも1種のオレフィン系共重合体(B)、イソプレン、1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル単量体から選ばれた少なくとも1種の重合性単量体(C)ならびにラジカル重合開始剤(D)を溶融混練してえられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を含浸させた発泡剤含浸樹脂組成物を、溶融状態で低圧領域に押出発泡させることを特徴とする改質ポリプロピレン系樹脂発泡体の製法
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
ポリプロピレン系樹脂から、均一な気泡構造を有し、独立気泡率が高い押出発泡体をうるには、溶融粘度の温度依存性を低下させるとともに、ダイ内発泡体を抑制させることが重要となる。すなわち、発泡時のダイ圧をダイ内発泡を抑制するのに充分な圧力に高めるための溶融粘度を、ポリプロピレン系樹脂が有することが必要となる。
【0011】
本発明の改質ポリプロピレン系樹脂発泡体は、前記したように、ポリプロピレン系樹脂(A)、オレフィン系エラストマーおよびオレフィン系イオン性共重合体から選ばれた少なくとも1種のオレフィン系共重合体(B)、イソプレン、1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル単量体から選ばれた少なくとも1種の重合性単量体(C)ならびにラジカル重合開始剤(D)を、たとえばポリプロピレン系樹脂(A)が溶融する温度であり、かつラジカル重合開始剤(D)が分解しうる温度で溶融混練してえられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物を、溶融状態で低圧領域に押出発泡させることによってえられる。
【0012】
前記ポリプロピレン系樹脂(A)としては、プロピレンの単独重合体、ブロック共重合体およびランダム共重合体のいずれであってもよい。これらのなかでは、とくにプロピレンを75重量%以上含有するプロピレン系共重合体およびプロピレン単独重合体が好ましい。
【0013】
プロピレン系共重合体におけるプロピレンと共重合可能な単量体としては、エチレンのほか、たとえばブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、3−メチル−ブテン−1、ヘキセン−1、3−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、3,4−ジメチル−ブテン−1、ヘプテン−1、3−メチル−ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1などの炭素数が4〜12のα−オレフィン;シクロペンテン、ノルボルネンなどの環状オレフィンなどがあげられる。
【0014】
ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローインデックス(MI)(JIS K 7210に記載の方法に準じ、230℃、荷重2.16kgにて測定)は、加工性の点から、0.2g/10分以上、なかんづく0.3g/10分以上であることが好ましく、また改質ポリプロピレン系樹脂組成物の粘度を、発泡に適した程度に溶融時に維持させる点から、20g/10分以下、なかんづく10g/10分以下であることが好ましい。
【0015】
前記オレフィン系共重合体(B)は、前記ポリプロピレン系樹脂(A)の溶融粘度の温度依存性を低下させる作用を有するものであり、オレフィン系エラストマーおよびオレフィン系イオン性共重合体から選ばれた少なくとも1種である。
【0016】
前記オレフィン系エラストマーは、さらにえられる発泡体の断面拡大率を向上せしめる成分であり、たとえばエチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などが好適なものとしてあげられる。
【0017】
エチレン−プロピレン共重合体は、エチレンとプロピレンとのみによって共重合され、分子内に二重結合を有しないものである。
【0018】
また、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体は、エチレン、プロピレン、および第三成分として1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエンなどの線状非共役ジエン;1,4−シクロヘプタジエン、1,5−シクロオクタジエンなどの単環ジオレフィン;4,7,8,9−テトラヒドロインデン、ビシクロ[3,2,0]2,6−ヘプタジエンなどの双還ジオレフィン;1,2−ジビニルシクロブタン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンなどのポリアルケニルシクロアルカン;ジシクロペンタジエン;5−エチリデン−2−ノルボルネンなどのジエン単量体を共重合させてえられた共重合体である。
【0019】
オレフィン系エラストマーの重量平均分子量にはとくに限定がないが、通常、10000〜1000000程度であることが好ましい。
【0020】
前記オレフィン系イオン性共重合体は、さらにえられる発泡体の接着性を向上せしめる成分であり、α−オレフィンを主成分とし、官能基としてカルボキシル基を有する共重合成分単位を含み、そのカルボキシル基の一部または全部が金属イオンで置換された共重合体をいう。またカルボキシル基および金属置換カルボキシル基を有する共重合成分単位のほかに、エステル基を有する共重合成分単位が含有されていてもよい。
【0021】
前記α−オレフィンとしては、たとえばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1などがあげられる。
【0022】
オレフィン系イオン性共重合体を構成する第二成分であり、カルボキシル基を有する共重合成分単位を付与するのは、α,β−不飽和カルボン酸である。該α,β−不飽和カルボン酸の例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸などのモノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸、たとえばマレイン酸メチル、フマル酸メチル、フマル酸エチルなどのこれらジカルボン酸のモノエステル、マレイン酸無水物などがあげられる。また、α,β−モノエチレン型不飽和カルボン酸無水物を用いることもできる。
【0023】
オレフィン系イオン性共重合体中のカルボキシル基の一部または全部を置換する金属イオンは、たとえば1〜3の原子価を有するものであればよい。
【0024】
前記1価の金属イオンとしては、たとえばNa、K、Li、Cs、Ag、Hg、Cuなどがあげられる。
【0025】
前記2価の金属イオンとしては、たとえばBe2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cu2+、Cd2+、Hg2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+などがあげられる。
【0026】
前記3価の金属イオンとしては、たとえばAl3+、Sc3+、Fe3+、Yt3+などがあげられる。
【0027】
なお、かかる金属イオンによるカルボキシル基の置換は、溶融時にイオン結合が弱くなり、固化時に橋かけした重合体の性質を示すという点を考慮すると、カルボキシル基全量の10%程度以上が中和されるように行なうことが好ましい。
【0028】
オレフィン系イオン性共重合体のメルトフローインデックス(MI)(ASTM−D−1238−57Tに記載の方法に準じて測定)は、加工性の点から、0.1g/10分以上、なかんづく0.2g/10分以上であることが好ましく、また改質ポリプロピレン系樹脂組成物の粘度を、発泡に適した程度に溶融時に維持させる点から、35g/10分以下、なかんづく25g/10分以下であることが好ましい。
【0029】
なお、前記オレフィン系エラストマーおよびオレフィン系イオン性共重合体は、それぞれ単独で用いてもよく、両者を併用してもよいが、併用するばあいの両者の割合にはとくに限定がない。
【0030】
前記ポリプロピレン系樹脂(A)とオレフィン系共重合体(B)との重量比(ポリプロピレン系樹脂(A)/オレフィン系共重合体(B))は、ダイ内で改質ポリプロピレン系樹脂組成物が発泡しやすくなり、えられる発泡体の独立気泡率が低下するおそれをなくすためには、60/40以上、なかんづく85/15以上であることが好ましく、またポリプロピレン系樹脂(A)の溶融粘度の温度依存性が充分に低下するようにするためには、99/1以下、なかんづく98/2以下であることが好ましい。とくに、ポリプロピレン系樹脂(A)とオレフィン系共重合体(B)との相溶性を考慮すると、前記重量比が85/15〜98/2であることがさらに好ましい。
【0031】
前記重合性単量体(C)は、ラジカル重合開始剤(D)によるポリプロピレン系樹脂(A)の主鎖切断を抑制して改質作用を呈するものであり、イソプレン、1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル単量体から選ばれた少なくとも1種である。
【0032】
前記芳香族ビニル単量体としては、たとえばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼンなどの1種または2種以上があげられる。
【0033】
なお、イソプレン、1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよいが、これらを併用するばあいの割合にはとくに限定がない。
【0034】
前記重合性単量体(C)の量は、かかる重合性単量体(C)を用いたことによるポリプロピレン系樹脂(A)の主鎖切断を抑制するといった効果を充分に発現させるためには、前記ポリプロピレン系樹脂(A)およびオレフィン系共重合体(B)の合計100部(重量部、以下同様)に対して0.1部以上、なかんづく1部以上であることが好ましく、またポリプロピレン系樹脂(A)が本来有する耐熱性、耐衝撃性などが損なわれないようにするためには、50部以下、なかんづく30部以下であることが好ましい。とくに、ポリプロピレン系樹脂(A)とオレフィン系共重合体(B)との相溶性を考慮すると、前記重合性単量体(C)の量が、ポリプロピレン系樹脂(A)およびオレフィン系共重合体(B)の合計100部に対して0.1〜30部であることが好ましい。
【0035】
前記ラジカル重合開始剤(D)は、ポリプロピレン系樹脂(A)のポリマー分子に対して水素引き抜き能を有するラジカル重合開始剤である。
【0036】
ラジカル重合開始剤(D)としては、たとえば過酸化物、アゾ化合物などがあげられ、具体的には、たとえばメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの有機過酸化物などの1種または2種以上を用いることができる。
【0037】
これらのなかでも、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、かかるラジカル重合開始剤としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上があげられる。
【0038】
前記ラジカル重合開始剤(D)の量は、えられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物の溶融粘度を充分に適正化するためには、前記ポリプロピレン系樹脂(A)およびオレフィン系共重合体(B)の合計量100部に対して0.05部以上、なかんづく0.1部以上であることが好ましく、また経済性を考慮すると、10部以下、なかんづく5部以下であることが好ましい。
【0039】
さらに、本発明に用いられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、たとえば気泡核形成剤(造核剤)、酸化防止剤、金属不活性剤、リン系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤、架橋剤、連鎖移動剤、滑剤、可塑剤、充填剤、強化剤、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤、収縮防止剤などの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
【0040】
たとえば、前記気泡核形成剤は、通常用いられるものであればよく、その具体例としては、たとえばタルク、シリカなどの無機粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの有機微粉末;クエン酸と炭酸水素ナトリウムとの混合物の加熱によってガスを発生する微粉末などがあげられる。
【0041】
また前記添加剤を用いるばあいには、この添加剤は、あらかじめポリプロピレン系樹脂(A)および/またはオレフィン系共重合体(B)に添加してもよく、ポリプロピレン系樹脂(A)および/またはオレフィン系共重合体(B)を溶融混練するときに添加してもよい。また、改質ポリプロピレン系樹脂組成物を製造したのち、適切な方法でこの改質ポリプロピレン系樹脂組成物に添加してもよい。
【0042】
本発明に用いられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)、オレフィン系共重合体(B)、重合性単量体(C)およびラジカル重合開始剤(D)、ならびに必要に応じて添加剤などを溶融混練してえられる。
【0043】
前記ポリプロピレン系樹脂(A)、オレフィン系共重合体(B)、重合性単量体(C)およびラジカル重合開始剤(D)、ならびに必要に応じて添加剤などの混合方法および溶融混練方法にはとくに限定がない。たとえば、ポリプロピレン系樹脂(A)、オレフィン系共重合体(B)、重合性単量体(C)、ラジカル重合開始剤(D)、および必要に応じて添加される添加剤を混合したのち、溶融混練してもよいし、ポリプロピレン系樹脂(A)とオレフィン系共重合体(B)とを溶融混練したのち、これに重合性単量体(C)、ラジカル重合開始剤(D)および必要に応じて添加される添加剤を、同時にあるいは別々に、一括してあるいは分割して混合し、溶融混練してもよい。
【0044】
前記溶融混練に用いられる装置としては、たとえばロール、コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、二軸押出機などの混練機、二軸表面更新機、二軸多円板装置などの横型撹拌機またはダブルヘリカルリボン撹拌機などの縦型撹拌機などの、高分子材料を適切な温度に加熱し、適宜剪断応力を与えながら混練することができる装置があげられる。これらのなかでは、とくに単軸または二軸押出機が生産性の点から好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶融混練を複数回繰り返してもよい。
【0045】
また、前記溶融混練の温度は、たとえば200〜300℃程度といった前記ポリプロピレン系樹脂(A)が溶融する温度であり、かつ前記ラジカル重合開始剤(D)が分解しうる温度であればよい。
【0046】
かくしてえられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物を押出発泡させることにより、本発明の発泡体を製造することができる。
【0047】
本発明において、前記改質ポリプロピレン系樹脂組成物に含浸させる発泡剤としては、たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;クロロジフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、クロロメタン、クロロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、ジクロロフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ジフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、トリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、クロロペンタフルオロエタン、パーフルオロシクロブタンなどのハロゲン化炭化水素類;二酸化炭素、チッ素、空気などの無機ガス;水などの1種または2種以上があげられる。
【0048】
前記発泡剤の添加量にはとくに限定がなく、発泡剤の種類および発泡体の目標発泡倍率により異なるが、改質ポリプロピレン系樹脂組成物100部に対して5〜50部程度の範囲内であることが好ましい。
【0049】
溶融混練させてえられた改質ポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を含浸させ、えられた発泡剤含浸樹脂組成物を溶融状態で低圧領域に押出発泡させるには、たとえば前記溶融混練に用いられる装置で改質ポリプロピレン系樹脂組成物を作製したのち、該改質ポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を含浸させた発泡剤含浸樹脂組成物を前記装置外に吐出させ、発泡させてもよいし、該改質ポリプロピレン系樹脂組成物に、たとえばタンデム型押出機などの装置中で発泡剤を含浸させ、発泡させてもよい。さらに、たとえば前記のごとき2つの工程を1つの工程で行なうことができる混練装置、つまり各成分を溶融混練することにより改質ポリプロピレン系樹脂組成物をうる工程と、これに発泡剤を含浸させ、発泡させる工程とを同時に行なうことができる混練装置を用い、かかる混練装置外に吐出させ、発泡させてもよい。
【0050】
なお、前記発泡剤含浸樹脂組成物を溶融状態で低圧領域に押出発泡させる際には、発泡に適した温度に調整することが好ましい。かかる発泡に適した温度は、改質ポリプロピレン系樹脂組成物の組成に応じて適宜調整すればよく、たとえば120〜200℃程度、なかんづく130〜160℃程度であることが好ましい。
【0051】
また、前記低圧領域は、通常大気圧下であるが、必要に応じて大気圧よりも低い減圧雰囲気であってもよい。
【0052】
本発明の改質ポリプロピレン系樹脂発泡体は、軽量および外観美麗で、かつ高独立気泡率および低密度を有する発泡体であり、包装材料、緩衝材料、断熱材料や、その他の用途できわめて有用なものである。
【0053】
【実施例】
つぎに、本発明の改質ポリプロピレン系樹脂発泡体およびその製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0054】
実施例1
エチレンランダムポリプロピレン(グランドポリマー(株)製のハイポールB230、ポリプロピレン含量=97重量%、MI=0.5g/10分)95部、オレフィン系エラストマー(三井石油化学(株)製のタフマーP0680、エチレン−プロピレン共重合体)5部、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製のパーブチルP、1分間半減期温度=175℃)0.25部、安定剤(チバガイギー社製のイルガノックスB225)0.2部およびブレンドオイル(越谷化成(株)製のスーパーイーズ)0.05部からなる配合物を、スーパーフロータで撹拌混合した。該混合物を、定量フィーダを用いて30kg/hrとなるように口径が44mmの二軸押出機(L/D=38)のホッパー口に投入し、イソプレンが3kg/hrとなるように付属の液送ポンプ(日機装(株)製のダイアフラム、型式C22X−08F−14D1D、吐出圧力=50kgf/cm)を用いて押出機シリンダー中途からイソプレン10部を圧入した。イソプレン圧入前の温度を180℃、圧入後の温度を200℃に設定して回転数100rpmで溶融混練物を押出し、改質ポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを作製した。
【0055】
えられた改質ポリプロピレン系樹脂組成物の溶融粘度を以下の方法にしたっがって調べた。その結果を表2に示す。
【0056】
(溶融粘度)
東洋精機(株)製のキャピログラフにおいて、直径1mm、長さ10mmのキャピラリーを用い、180℃に調整されたバレル内に詰め込んだ改質ポリプロピレン系樹脂組成物を、一定降下速度10mm/min(せん断速度=122sec−1)下でキャピラリーより押出したときの溶融粘度(Pa・s)を測定した。
【0057】
つぎに、前記改質ポリプロピレン系樹脂組成物100部に対してブレンドオイル0.05部および気泡核形成剤として炭酸水素ナトリウム−クエン酸0.1部を加え、スーパーフロータで混合した。ついで、これを40mmφ−50mmφタンデム型押出機に供給し、第1段押出機(40mmφ)中にて200℃で溶融させたのち、発泡剤としてイソリッチブタン(n−ブタン/i−ブタン(重量比)=15/85)を、該改質ポリプロピレン系樹脂組成物100部に対して10部圧入混合し、第2段押出機(50mmφ)で樹脂温度145℃まで冷却し、円筒ダイ(6mmφ×25mm)から大気圧下に吐出して丸棒状の発泡体をえた。
【0058】
えられた発泡体の物性として、(イ)独立気泡率、(ロ)発泡体密度、(ハ)断面拡大率および(ニ)外観を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0059】
(イ)独立気泡率
ASTM D−2856に記載の方法に準拠し、エアピクノメータ(ベックマン社製のMODEL 930)により独立気泡率(%)を測定した。
【0060】
(ロ)発泡体密度
JIS−K6767に記載の方法に準拠して発泡体密度(kg/m)を測定した。
【0061】
(ハ)断面拡大率
24時間室温で養生させた発泡体の断面積を測定し、これと発泡させた押出しダイスの断面積とから、以下の式に基づいて発泡体の断面拡大率(倍)を算出した。
【0062】
断面拡大率(倍)=(発泡体の断面積)/(押出しダイスの断面積)
【0063】
(ニ)外観
発泡体の外観を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0064】
◎:発泡体表面の収縮およびささくれが、全体に対して7%未満である。
○:発泡体表面の収縮およびささくれが、全体に対して7%以上、12%未満である。
△:発泡体表面の収縮およびささくれが、全体に対して12%以上、20%未満である。
×:発泡体表面の収縮およびささくれが、全体に対して20%以上である。
【0065】
実施例2〜6および比較例1〜3
実施例1において、改質ポリプロピレン系樹脂組成物の組成を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして改質ポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを作製し、これから丸棒状の発泡体をえた。えられた改質ポリプロピレン系樹脂組成物の溶融粘度および発泡体の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0066】
なお、表1中の略号は以下に示す通りである。
【0067】
PP:エチレンランダムポリプロピレン(グランドポリマー(株)製のハイポールB230)
EPR:オレフィン系エラストマー(三井石油化学(株)製のタフマーP0680)
EPDM:オレフィン系エラストマー(日本合成ゴム(株)製のEP181SP、エチリデンノルボルネン系のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体)
IP:イソプレン
BD:1,3−ブタジエン
St:スチレン
BPO:α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン
【0068】
【表1】
Figure 0003574290
【0069】
【表2】
Figure 0003574290
【0070】
表2に示された結果から、実施例1〜6でえられた本発明の発泡体は、いずれも外観にすぐれ、かつ高独立気泡率および低密度を有するほか、断面拡大率が大きいものであることがわかる。
【0071】
これに対して、オレフィン系共重合体(B)(オレフィン系エラストマー)が用いられていない比較例1および2の発泡体は、いずれも断面拡大率が小さく、外観に劣るものであり、また重合性単量体(C)およびラジカル重合開始剤(D)が用いられていない比較例3の発泡体は、独立気泡率、密度、断面拡大率および外観のいずれの物性にも劣るものであることがわかる。
【0072】
実施例7
実施例1で用いたものと同じエチレンランダムポリプロピレン95部、オレフィン系イオン性共重合体(デュポン(株)製のサーリンA#1705、MI=0.5g/10分)5部、ならびにそれぞれ実施例1で用いたものと同じα,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン0.5部、安定剤0.2部およびブレンドオイル0.05部からなる配合物を、スーパーフロータで撹拌混合した。該混合物を、定量フィーダを用いて30kg/hrとなるように口径が44mmの二軸押出機(L/D=38)のホッパー口に投入し、スチレンが3kg/hrとなるように付属の液送ポンプ(日機装(株)製のダイアフラム、型式C22X−08F−14D1D、吐出圧力=50kgf/cm)を用いて押出機シリンダー中途からスチレン10部を圧入した。スチレン圧入前の温度を180℃、圧入後の温度を200℃に設定して回転数100rpmで溶融混練物を押出し、改質ポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを作製した。
【0073】
つぎに、前記改質ポリプロピレン系樹脂組成物100部に対してブレンドオイル0.05部および気泡核形成剤として炭酸水素ナトリウム−クエン酸0.1部を加え、スーパーフロータで混合した。ついで、これを40mmφ−50mmφタンデム型押出機に供給し、第1段押出機(40mmφ)中にて200℃で溶融させたのち、発泡剤としてイソリッチブタン(n−ブタン/i−ブタン(重量比)=15/85)を、該改質ポリプロピレン系樹脂組成物100部に対して10部圧入混合し、第2段押出機(50mmφ)で樹脂温度145℃まで冷却し、円筒ダイ(6mmφ×25mm)から大気圧下に吐出して丸棒状の発泡体をえた。
【0074】
えられた発泡体の物性として、(イ)独立気泡率、(ロ)発泡体密度および(ニ)外観を実施例1と同様にして調べ、また(ホ)接着性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表4に示す。
【0075】
(ホ)接着性
えられた丸棒状の発泡体16cmを用意し、その中心部(8cm部分)を切断した。中心部の切断面の片側に粘着剤(綜研化学(株)製のSKダイン801B)を塗布し、切断面を再び重ね合わせ、ついで接着部分を1kg/cmで加圧圧着させてもとの16cmの発泡体形状に戻した。こののち、室温で24時間放置したときの接着性を以下の評価基準に基づいて評価した。
【0076】
(評価基準)
◎:発泡体の両端を水平方向に対して角度15度以上傾斜させても、接合部が剥離しない。
○:発泡体の両端を水平方向に対して傾斜させたとき、水平方向に対して角度12度以上、15度未満で接合部が剥離してしまう。
△:発泡体の両端を水平方向に対して傾斜させたとき、水平方向に対して角度10度以上、12度未満で接合部が剥離してしまう。
×:発泡体の両端を水平方向に対して傾斜させたとき、水平方向に対して角度10度未満で接合部が剥離してしまう。
【0077】
実施例8〜9および比較例4
実施例7において、改質ポリプロピレン系樹脂組成物の組成を表3に示すように変更したほかは、実施例7と同様にして改質ポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを作製し、これから丸棒状の発泡体をえた。
【0078】
えられた改質ポリプロピレン系樹脂組成物の溶融粘度および発泡体の物性を実施例7と同様にして調べた。その結果を表4に示す。
【0079】
なお、表3中の略号は以下に示すとおりである。
【0080】
PP:エチレンランダムポリプロピレン(グランドポリマー(株)製のハイポールB230)
OIP:オレフィン系イオン性共重合体(デュポン(株)製のサーリンA#1705)
St:スチレン
IP:イソプレン
BD:1,3−ブタジエン
BPO:α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン
【0081】
【表3】
Figure 0003574290
【0082】
【表4】
Figure 0003574290
【0083】
表4に示された結果から、実施例7〜9でえられた本発明の発泡体は、いずれも外観にすぐれ、かつ高独立気泡率および低密度を有するほか、接着性にすぐれたものであることがわかる。
【0084】
これに対して、ポリプロピレン系樹脂(A)のみからなる比較例4の発泡体は、独立気泡率、密度、外観および接着性のいずれの物性にも劣るものであることがわかる。
【0085】
【発明の効果】
本発明の改質ポリプロピレン系樹脂発泡体は、外観美麗で、かつ高独立気泡率および低密度を有し、さらにオレフィン系共重合体(B)としてオレフィン系エラストマーが用いられたばあいには、断面拡大率が大きく、オレフィン系イオン性共重合体が用いられたばあいには、種々の物体との接着性にすぐれたものである。
【0086】
したがって、本発明の改質ポリプロピレン系樹脂発泡体は、従来の発泡体ではなしえない高い緩衝特性を備えており、包装材、緩衝材料、断熱材料などとしてすぐれた性能を発揮することが期待される。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン系樹脂(A)、オレフィン系エラストマーおよびオレフィン系イオン性共重合体から選ばれた少なくとも1種のオレフィン系共重合体(B)、イソプレン、1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル単量体から選ばれた少なくとも1種の重合性単量体(C)ならびにラジカル重合開始剤(D)を溶融混練してえられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物を押出発泡させてなる改質ポリプロピレン系樹脂発泡体。
  2. オレフィン系エラストマーがエチレン−プロピレン共重合体またはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体である請求項1記載の改質ポリプロピレン系樹脂発泡体。
  3. ポリプロピレン系樹脂(A)、オレフィン系エラストマーおよびオレフィン系イオン性共重合体から選ばれた少なくとも1種のオレフィン系共重合体(B)、イソプレン、1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル単量体から選ばれた少なくとも1種の重合性単量体(C)ならびにラジカル重合開始剤(D)を溶融混練してえられる改質ポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を含浸させた発泡剤含浸樹脂組成物を、溶融状態で低圧領域に押出発泡させることを特徴とする改質ポリプロピレン系樹脂発泡体の製法。
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