JP3575443B2 - 感光体ドラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に用いられる感光体ドラムの構成に関し、特に、感光体ドラムの感光体部と固定シャフトの間での接地を良好に設定可能で、異音の発生を防止可能な装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真複写機やファクシミリ装置、プリンタ等のように、電子写真方式を用いる画像形成装置においては、光書込手段を用いて感光体ドラムに静電潜像を形成し、その静電潜像に対して現像装置からトナーを供給してトナー画像として可視像化する。そして、前記感光体ドラムに形成したトナー画像を、転写手段を用いて用紙に転写し、そのトナー画像を転写した用紙を定着装置を通して定着して、コピーを作成している。前記感光体ドラムにおいては、ドラムに対して一様な帯電を行ってから、光書込手段により画像の光を照射して静電潜像を形成するに際して、感光体層の帯電電荷の除去が十分に行われていないと、画像不良が発生してしまうために、感光体の帯電電荷を固定シャフトを介して装置フレームに逃がす手段を設けている。
【0003】
前記アースの取り方としては、感光体ドラムの端部に配置されているフランジ部材に装着したアース板をドラムシャフトに摺接させて接地する等の手段が行われている。前記接地手段として用いられるアース板は、感光体ドラムを支持するフランジ部材とともに、固定シャフトに対して回転可能に設けられており、円板状のものの外周部に放射状に感光体の内周面に圧接する爪部を設け、固定シャフトに対して接触片を摺接させるように設けている。アース板が装着されたフランジ部材をドラム端部より押し込むことによってドラム内周部に対してアース板の爪部の弾性作用によって、アース板がドラム内周部に摺接する。このとき、アース板の爪部がドラム内周部のアルマイト層を破ることにより、感光体ドラムの感光体と接地されている装置フレームとの間を前記アース板を介して電気的に接続して、感光体の帯電電荷を逃がして静電潜像が形成されるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記固定シャフトに対してアース板の接触片を摺接させる部分では、導電性のグリース等の潤滑剤を塗布する等の潤滑手段を設けて、金属同士が摺動する部分での摺動作用と、導電作用とを良好な状態で行わせ得るようにしている。ところが、前記摺動部に導電性のグリースを塗布する場合に、そのグリースの塗布量が十分でない場合や、時間の経過とともにグリースが固化したり、他の部分に流れたりした場合には、摺接部での潤滑性能が変化するという問題が発生する。したがって、感光体ドラムが固定シャフトに対して回転される際に、前記接触片が固定シャフトに十分な潤滑剤が介在しない状態で摺接することにより、接触片が固定シャフトに対して滑らかに摺動せずに、接触片を介してアース板が自励振動(ビビリ)を起こして、高周波の異音が発生することがある。そして、感光体ドラムと固定シャフトの間での接地作用が良好に行われないことにより、感光体ドラムの帯電電荷の除去作用が良好に行われないという不都合が発生するとともに、異音が使用者に不快感を与えたり、そのような異音を発生することで装置に対する信頼感を失わせることがある。
【0005】
本発明は、前記アース板の摺接部での異音の発生を抑制するとともに、異音の抑制効果を長時間維持可能な手段を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、感光体と支軸との間に導電手段を設けてなる感光体ドラムに関する。
請求項1の発明は、感光体ドラムと、感光体ドラムの端部に固着されるフランジ部材と、前記フランジ部材を挿通して前記感光体ドラムを支持する固定シャフトと、前記フランジ部材に装着されドラム内周部と前記固定シャフトを電気的に接続するアース板と、を備え、
前記アース板は、感光体ドラム内周面に圧接する爪部と固定シャフトに弾性的に摺接する接触片とを一体に設け、前記接触片を固定シャフトの軸芯方向へ向けて押圧するために、弾性体を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、前記弾性体はフランジ部材に設けられた凹部に配置されることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記接触片は、前記固定シャフトに形成された小径部に圧接されることを特徴とする。
【0007】
前述したように、アース板と固定シャフトとを導通する接触片を、弾性体が後押しする状態でシャフトに向けて押圧させるようにしているので、前記接触片がシャフトに対して摺動することにより自励振動を生じようとしたときに、その自励振動を抑制することができ、異音の発生を防止できる。また、前記弾性体が補助部材として作用することにより、接触片が固定シャフトから離れることを防止しているために、感光体ドラムの帯電電荷をアースに逃がす作用を適確に行うことができ、補助部材がフランジ部材と一体に形成されているために、部品点数が少なく、感光体ドラムの組立作業を容易に行うことができる。したがって、固定シャフトの小径部に潤滑剤を塗布することにより、グリース等の潤滑材を固定シャフトが保持する作用を良好に維持でき、時間が経過してもグリースが拡散したりすることがなく、異音防止効果を持続できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図示される例にしたがって、本発明の装置の構成を説明する。図1に示す画像形成装置1は、複写機またはファクシミリ装置として構成するものを示しており、記録部3の上部に読取部2を配置して、前記読取部2で読み取った原稿の画像情報を記録部3に伝達して、記録部3でコピーを作成するように構成している。また、前記画像形成装置1をファクシミリ装置として構成する場合には、読取部で得た画像情報を電話回線を通して他のファクシミリ装置に対して送信することや、他のファクシミリ装置から受信した情報を記録部で記録紙として出力することも可能なことは、従来の装置と同様に構成することができる。なお、前記画像形成装置1においては、読取部を組み合わせて設けずに、記録部3を単独でプリンタ等として構成することもできる。
【0009】
前記画像形成装置1の記録部3においては、装置下部に設ける給紙トレイ4に、ボトムプレート4a上に支持されて収容されている用紙Pを、フィードローラ5により一枚ずつ取出して、搬送ローラ装置7を設けた用紙搬送路6を通し、記録部10に向けて給紙するようにしている。前記記録部10においては、固定シャフト15に対して回転可能に支持される感光体ドラム20の周囲に、現像装置11と、書込装置13、クリーニング装置14および図示を省略する帯電手段を配置している。
【0010】
前記記録部10においては、帯電手段により感光体ドラム20に一様な帯電を行わせてから、例えば、LED(Light−Emitting Diode)、レーザスキャナ等の光書込手段13から光を照射し、感光体ドラム20に静電潜像を形成する。そして、現像装置11に収容しているトナーを現像ローラ12から静電潜像に向けて供給して、トナー画像として可視像化してから、感光体ドラム20に接して搬送される用紙の裏面に接する転写ローラ8から、所定の値の電位を印加してトナー画像を用紙に移転させる。前記トナー画像を担持する用紙は、定着装置9を通して定着され、排出ローラ装置9aによりコピーを排出している。また、前記トナー画像を用紙に転写させた後で、感光体ドラム20の表面に残留するトナーは、クリーニング装置14により除去されるとともに、帯電手段により再び帯電されて、画像の書込に向けて対応させる。なお、前記クリーニング装置14を設ける装置に代えて、クリーナレス装置として記録部を構成する画像形成装置では、クリーニング装置を設けずに、残留トナーの付着力を弱めて、感光体表面にトナーを分散させる手段を設けることも可能である。
【0011】
前記記録部10に設ける感光体ドラム20は、図2に示すように構成することができるもので、記録部の装置フレーム18、18の間に固定支持される固定シャフト15に対して、感光体ドラム20を回転可能に支持している。前記感光体ドラム20においては、円筒状の感光体21の両端部にフランジ部材22、23を設け、前記フランジ部材22、23の固定シャフト15に対応する孔の内面を軸に対する摺動部として構成し、前記フランジ部材22……の端部に設けるギヤ部24に対して図示を省略する駆動ギヤを噛合わせて、一定の速度で駆動する。なお、前記感光体21としては、従来の感光体ドラムの例と同様に、アルミ等の金属で筒状のものとして構成し、その表面に感光体層を形成したものに対して、表面の保護層を設けたものを用いており、筒の内面と固定シャフト15とを接地させるためにアース板27を設けている。
【0012】
前記感光体21を支持する2つのフランジ部材22、23は、プラスチック等を用いて一体に形成したものを用いているもので、前記フランジ部材23を例にして説明すると、図3、4に示すように構成している。図示されるように、前記フランジ部材23は、大径の外側筒部材23aと、内側の小径筒部材23bとを端部の接続部23cにより接続して一体のものとして構成しており、前記大径筒部23aの端部の外周部にはギヤ部24を設け、他の部分の外周部には感光体21が嵌合される。また、前記小径筒部材23bに設けた孔は、固定シャフト15に対する摺動面として形成され、固定配置される金属製の固定シャフト15に対して摺動させるように構成される。
【0013】
前記大小の筒部材23a、23bの間を接続する接続部材23cには、感光体の装着方向の先端部側から、小径筒部材23bを掘り込んだ状態の凹部25を設けており、前記凹部25には弾性体26を装着している。前記弾性体26としては、任意の硬さを有するスポンジ状の部材を用いているもので、略円筒状の弾性体により、前記フランジ部材23の凹部25を埋めるようにする。前記凹部25に対応する位置では、固定シャフト15に小径部16を形成しており、前記小径部16に対して、アース板27の接触片28を押圧させて、接地手段を構成している。
【0014】
前記アース板27は、図示されるように、リン青銅製等のバネ性と導電性を有する金属で構成し、略円板状の本体の周囲部分に爪部29……を所定の角度で突出形成しており、前記爪部29は感光体21の内面より突出している。前記爪部29が所定の角度で突出形成されていることにより、アース板を感光体に対してスムーズに装着できるようにし、感光体に対する電気的な接続を行っている。また、アース板27の固定シャフト15に対応する孔には、接触片28……を突出形成しており、前記接触片28と爪部29……とは、金属の円板部材を打ち抜き加工等の処理を施すことにより一体に形成する。前記接触片は円弧状先端部を有しており、固定シャフトの小径部に対して前記円弧状先端部が接触している。これにより、ドラムシャフトに対する電気的な接触作用を良好に行い得るので、印字品質が長期間確保でき、製品寿命を長くできる。特に、使用済みのドラムユニットにトナーを補給してドラムユニットを再利用する場合でも、感光体の帯電電荷を逃がす作用を良好に維持できる。そして、前記フランジ部材23に対して前記アース板27を固定支持させた状態で、感光体21と組み合わせることにより、感光体ドラム20における接地手段を構成している。
【0015】
前記アース板27を用いて固定シャフト15と感光体21との接地を行う場合には、図3に説明するような状態で、固定シャフト15の小径部16に対して、アース板27の接触片28を押圧させ、感光体21の内面と固定シャフト15との間を導通させるようにしている。前記フランジ部材23に組み合わせて設けたアース板27においては、フランジ部材23に設けている凹部25の内側で、固定シャフト15の小径部16に接触片28を摺接させるように設けている。また、前記接触片は、アース板27に形成されたスリットにより、弾性が得られるように形成されている。そして、前記フランジ部材23に固定シャフト15を組み合わせた状態で、小径部16に押圧される接触片28を、凹部25に設けている弾性体26により、押圧する状態としている。前述したように、接触片28は、感光体20の端部に配置されているフランジ部材22に対して撓むように形成されている。したがって、感光体ドラムの組立に際して、フランジ部材22の装着が容易になる上、装着時にアース板27に無理な方向に力が加わっても、接触片28が適確に変形でき、接触片28と固定シャフト15の小径部16との接触を確実に保つことができる。また、フランジ部材22に凹部25を設け、前記凹部25に円筒状の弾性体26を埋めるように設けているので、感光体ドラム20の回転時に接触片28が振動を生じることを抑制できる。したがって、前記接触片28を小径部16に対して押圧する際に、前記接触片28のバネ性による押圧作用に対して、その接触片28を弾性体26により規制する作用を付与することで、接触片28が小径部16に押圧される状態を良好に設定することができる。
【0016】
前記アース板27の接触片28が、固定シャフト15に押圧される部分では、前記固定シャフト15に小径部16を形成しているもので、前記小径部16の固定シャフト15に切り込んだ深さ(小径部16の径)等は、任意の値として設定される。また、前記小径部16に対しては、感光体ドラム20を固定シャフト15に装着する前に、任意の導電性の潤滑剤を塗布しておくことにより、接触片28が軸に摺動する際の摺動抵抗を小さい値とすることができ、軸に塗布した潤滑剤が、固定シャフト15の他の部分に流れ出したりしないように保持できるようにする。前述したように、接触片28が摺動する小径部16に対して潤滑剤を設けることにより、感光体ドラム20を回転させた際に、接触片28の小径部16に対する摺動作用を良好に維持できるようにする。
【0017】
さらに、前記小径部16に摺動する接触片28が何等かの予期できない理由により、自励振動を生じるような事態が発生した場合にも、前記接触片28を弾性体26により軸側に向けて押圧する作用により、接触片28の振動が増大することを防止できる。また、前記接触片28に生じた振動を弾性体26が吸収し、接触片28に対する制振作用を発揮することができるので、振動が大きくなってビビリ音等の異音が発生することを防止できる。したがって、前記フランジ部材23の凹部25に対して弾性体26を設けたことにより、アース板27の接触片28に対する押圧作用を良好に発揮でき、フランジ部材の構成を複雑にすることがないものであり、感光体ドラムの装置本体に対する着脱作用に支障が生じることがなく、接地作用を良好に発揮できる。
【0018】
なお、前記感光体ドラム20において、感光体21の両端部に装着するフランジ部材22、23は、同一の構成部材を用いることが可能であるが、一方のフランジ部材23に対してはアース板27を配置して構成し、他方のフランジ部材22に対してはアース板を設けないもので構成することも可能である。その場合には、他方のフランジ部材22を凹部を設けた筒状の部材で構成するのみでも良く、固定シャフト15に対して回転させる際の摩擦抵抗値を小さいものとするのみでも良い。また、前記感光体と固定シャフトとの間で導通を設定するアース板27としては、感光体21の内面に対する導通を確実にするための爪部29の形状を、任意に構成することができるもので、その爪部の形状等は任意に構成が可能である。さらに、アース板27に形成する接触片28は、図示するように2つの部材を設けることの他に、任意の数の接触片を中央部の孔に突出させて設けることが可能であり、接触片の湾曲形状と、太さ等も任意に形成可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明の感光体ドラムは、前述したように構成したものであり、フランジ部材に固着され、感光体ドラムを接地するアース板に、感光体ドラムと固定シャフトを導通させるための摺接片を一体に形成し、前記摺接片はシャフトに対して圧接するように取り付けられ、前記摺接片を固定シャフトに常時接触させる補助部材が配置されていることで、アース板と固定シャフトとを導通する接触片の自励振動を抑制することができるので、異音の発生を防止できる。また、補助部材により接触片が固定シャフトから離れることを防止しているために、感光体ドラムの帯電電荷をアースに逃がす作用を適確に行うことができる。
【0020】
前記効果に加えて、前記補助部材は、フランジ部材と一体に形成されていることにより、部品点数が少なく、感光体ドラムの組立作業を容易に行うことができる。また、補助部材は、フランジ部材に設けられた凹部に配置されている弾性体であることから、接触片が自励振動を生じようとしたときに、弾性体によりその振動を吸収することができ、異音の発生を抑止する効果をより良好に発揮できる。さらに、前記摺接片は、固定シャフトに形成された小径部に圧接されるものであり、固定シャフトの小径部に潤滑剤を塗布することにより、グリース等の潤滑材を固定シャフトが保持する作用を良好に維持でき、時間が経過してもグリースが拡散したりすることがなく、異音防止効果を持続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図2】感光体ドラムの構成の説明図である。
【図3】フランジ部材の構造の説明図である。
【図4】図3のフランジ部材の正面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置、 2 読取部、 3 記録部、
4 給紙トレイ、 5 ピックアップローラ、 6 用紙搬送路、
7 搬送ローラ装置、 8 転写ローラ、 9 定着装置、
10 記録部、 11 現像装置、 12 現像ローラ、
13 書込装置、 14 クリーニング装置、 15 固定シャフト、
16 小径部、 19 装置フレーム、 20 感光体ドラム、
21 感光体、 22・23 フランジ部材、 24 ギヤ部、
25 凹部、 26 弾性体、 27 アース板、 28 接触片、
29 爪部
Claims (3)
- 感光体ドラムと、
感光体ドラムの端部に固着されるフランジ部材と、
前記フランジ部材を挿通して前記感光体ドラムを支持する固定シャフトと、
前記フランジ部材に装着されドラム内周部と前記固定シャフトを電気的に接続するアース板と、を備え、
前記アース板は、感光体ドラム内周面に圧接する爪部と固定シャフトに弾性的に摺接する接触片とを一体に設け、
前記接触片を固定シャフトの軸芯方向へ向けて押圧するために、弾性体を設けたことを特徴とする感光体ドラム。 - 前記弾性体はフランジ部材に設けられた凹部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の感光体ドラム。
- 前記接触片は、前記固定シャフトに形成された小径部に圧接されることを特徴とする請求項1に記載の感光体ドラム。
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