JP3576701B2 - パケット受信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパケット受信システムに関し、特にパケットを多重して行われるデータ通信におけるパケット受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パケットを多重してデータ通信を行うシステムでは、収容している複数の端末とのリンク確立後、端末より送出されるパケットを受信すると、受信したパケットを一時的にバッファに格納している。そして、この格納したそれぞれの受信パケットに対応してプロトコル処理を起動するためのイベントを発行し、これをキューに積み込む。このキューに積み込んだイベントは、システムの処理装置によって取出され、それぞれのパケットについてのプロトコル処理が行われる。
【0003】
ところで、ある特定の端末より一時的に多数のパケットが送出されてきた場合には、パケットに対するシステム側の処理がその特定の端末に占有され他の端末へのサービスが制約されてしまう。例えば、端末の故障によって多数のパケットが送出される場合や、ユーザが故意に多数のパケットを送出する場合が考えられ、かかる場合には他のユーザの端末へのサービスが制約される。
【0004】
このサービスが制約されることを防ぐためのシステムが特開平7―177196号公報に記載されている。この従来の受信システムでは、キューに積み込まれたイベント数の上限値を各リンク毎に設定しておき、この上限値を越えたリンクのイベントを廃棄するものである。この廃棄処理を行えば、一時的に多数のパケットが送出されてきても、他のユーザの端末へのサービスが制約されることはないのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のパケット受信システムでは、以下の欠点がある。
【0006】
まず、ある端末から受信したパケットに対するイベントをキューから取出して判定し、廃棄するまでの処理の間に、他の端末に対するキューが上限値に達してしまう可能性がある。このように、キューを使用した従来のシステムでは、結局ある1つの端末からの異常なパケットの送出のために正常なリンクのキューまでもが上限値に達してしまい、異常なリンクのパケットだけでなく、正常なリンクのパケットまで廃棄されてしまうという欠点がある。
【0007】
また、従来のシステムでは、受信パケットに対応するプロトコル処理を起動するためのイベントを廃棄することで、パケットの種別に関係なく全てのパケットを廃棄していた。このため、端末側より送出されたユーザデータを送受信するためのパケットである情報パケットに対するシステム側からの応答パケットが端末側に返送されず、端末側から情報パケットの再送が行われてしまい、結局システムに送出されるパケットの数が軽減されないという欠点がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の欠点を解決するためになされたものであり、その目的はある端末の動作異常等によって一時的にパケットが多数送られた場合であっても、このパケットによってシステムの処理能力が損なわれることがなく、正常なパケット受信に対して安定した処理を行うことのできるパケット受信システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるパケット受信システムは、多重されたパケットを受信するパケット受信システムであって、受信したパケットのうち制御パケットの数をカウントするカウント手段と、このカウント値が所定値になったとき以後新たに受信する制御パケットを廃棄するパケット廃棄手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の作用は以下の通りである。
【0011】
あるリンクより受信したパケットが制御パケットと判定された場合に、そのリンクの受信制御パケット数をカウントアップする。この場合、リンクの確立と同時に起動されるタイマが満了するまでカウントされ、タイマが満了した時点でカウント値をクリアしてタイマを再起動する。このカウント値が対応するリンクの既定値を越えた時点より以後、カウント値が対応する既定値を越えている間に受信する制御パケットは全て廃棄する。以上の処理は、制御パケットを受信したその時点で行われる。
【0012】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明によるパケット受信システムの一実施例の構成を示すブロック図である。図において、本発明の一実施例によるパケット受信システムは、受信回線からパケットを受信する受信回線制御部2と、受信制御パケット監視ブロック1とを含んで構成されている。受信回線制御部2において受信されるパケットには、ユーザデータを送受信するためのパケットである情報パケットと、通信規約で予め定められ通信制御を行うための制御パケットとがある。なお、受信したパケット中の特定のフィールドの内容を確認することによって、これら情報パケットと制御パケットとを判別することができる。
【0014】
受信制御パケット監視ブロック1は、受信したパケットの種別を判定して情報パケットと制御パケットとを振り分けて制御パケットを抽出する受信パケット種別判定部3と、図示せぬ端末との間で予めとり決めた既定値が設定されこれを保持する既定値保持部4と、計時を行い計時値が所定時間毎にクリアされるタイマ6と、受信パケット種別判定部3の判定結果であるカウントアップ情報30に従ってカウントアップ動作を行う受信制御パケット数カウント部5とを含んで構成されている。
【0015】
また、受信制御パケット監視ブロック1は、カウンタ5のカウント値と既定値保持部4に保持されている既定値とを比較する受信制御パケット数判定部7と、この受信制御パケット数判定部7にて比較した結果、カウント値が既定値を越えた時以後に受信する制御パケットの廃棄処理を行う受信制御パケット廃棄部8とを含んで構成されている。
【0016】
受信パケット種別判定部3は、受信回線制御部2によって受信されたパケットの種別を判定し、情報パケットと制御パケットとに振り分けるものである。情報パケットと判定された場合は、そのパケットに対して通常のプロトコル処理が行われる。一方、制御パケットと判定された場合には、カウントアップ情報30が受信パケット種別判定部3から受信制御パケット数カウント部5に伝えられ、受信パケット数判定部7にて比較判定処理が行われる。
【0017】
タイマ6は、本システムが受信する制御パケットの数の監視時間を各リンク毎に設定するものである。計時を行うタイマが各リンクに対応して設けられ、各リンクが確立状態に遷移したときに起動され計時を行うものとする。
【0018】
受信制御パケット数カウント部5は、タイマ6の起動期間内に受信した制御パケットの数を各受信リンク毎にカウントするものである。各リンクに対応してカウンタが設けられているものとする。
【0019】
既定値保持部4は、タイマ6の起動期間内に受信する制御パケットの上限値が各リンク毎に設定されるものである。この既定値保持部4内には、各リンクに対応する既定値を記憶する手段を有している。この記憶手段をハードウェアで実現する場合には、例えば既定値用のメモリを予め設けておき、このメモリに既定値を記憶しておく。なお、この記憶手段は、メモリ以外のハードウェアでも実現でき、またソフトウェア(ファームウェア)で実現できることは明らかである。
【0020】
受信制御パケット数判定部7は、既定値保持部4に保持された既定値とカウント部5のカウント値とを比較し、その比較結果に応じて制御パケットを制御パケット廃棄部8に送るものである。この受信制御パケット数判定部7をハードウェアで実現する場合には、例えば、既定値とカウント値とを比較する比較器と、この比較部の出力に応じて制御パケットの送出先を定めるセレクタとを用いて構成すれば良い。なお、この判定部7は、比較器及びセレクタ以外のハードウェアでも実現でき、またソフトウェア(ファームウェア)で実現できることは明らかである。
【0021】
受信制御パケット廃棄部8は、判定部7で比較した結果、カウント値が既定値を越えていると判定された場合に、受信制御パケットの廃棄処理を行うものである。
【0022】
かかる構成からなる受信システムの動作について図2のシーケンス図を参照して説明する。
【0023】
本システムでは、収容する端末とのリンクが確立した時点で、そのリンクに対応するタイマを起動する(図2中の符号9)。このタイマの起動期間内(図2中の符号11)において、受信回線制御部2でそのリンクよりパケットを受信すると、受信パケット種別判定部3にて、パケットの種別により情報パケットと制御パケットとに振り分ける。情報パケットを受信した場合は、通常のプロトコル処理が行われる。
【0024】
制御パケットを受信した場合は、制御パケット数カウント部5により、そのリンクに対応するカウンタをカウントアップし(図2中の符号10)、受信制御パケット数判定部7で既定値との比較処理を行う。受信制御パケット数判定部7は、そのリンクに対する既定値保持部4内の既定値を参照し、カウント部5のカウント値と比較する。
【0025】
この比較の結果、カウント部5でカウントした値が既定値を越えていると判定された時点で(図2中の符号12)、その制御パケットの廃棄処理が行われる(図2中の符号13)。一方、カウント値が既定値以下である場合には、その制御パケットに対して通常のプロトコル処理が行われ、受信した制御パケットに対応した応答パケットが回線に返送される(図2中の符号10)。
【0026】
本システムでは、各リンク毎にタイマ6の起動開始(図2中の符号9)から計時満了(図2中の符号14)までの間(図2中の符号11)、以上の処理が行われ、タイマ6が計時満了となった時点でカウント部5がカウントした該当リンクの値がクリアされる。そして、このクリア後にタイマ6が再起動されることで、制御パケットの受信が再開される。
【0027】
さらに、図1の受信システムにSSCOP(Service Specific Connection―oriented Protocol;ITU―T勧告 Q.2110)を適用した場合の動作について、図3のシーケンス図を参照して説明する。
【0028】
この場合、上述した制御パケットに相当するのが、POLL―PDU(Poll―Protocol Data Unit;以下、POLLと称する)である(図3中の符号15)。このPOLLを送出する間隔を決めるタイマPOLL(TimerPOLL)のデフォルト値は、750[ms]に規定されている(図3中の符号17)。
【0029】
一例として、本システムにおけるあるリンクについて、リンク確立時より起動開始するタイマ(図3中の符号18)によるPOLL監視期間毎(図3中の符号19)に受信するPOLLの数を「10」と規定する。すなわち、上述した既定値=10である。
【0030】
この既定値は、既定値保持部4内に予め設けられた、対応するリンクの既定値用メモリに記憶される。
【0031】
対応するリンクの監視を行うタイマの1サイクルの時間は、上述したデフォルト値及び受信数より、750[ms]×10=7.5[sec]となる(図3中の符号19)。
【0032】
POLL受信数を計数する受信制御パケット数カウント部5は、各リンクに対応して設けられたカウンタと、この各カウンタのカウント値を保持するメモリとを含んでいるものとする。このメモリは、リンクが確立した時点ではクリアされているものとする。
【0033】
本システムがPOLLを受信すると、対応するリンクのカウンタのカウント値が「1」加算される。そして、受信制御パケット数判定部7は、このリンクの既定値を既定値保持部4内のメモリから読出し、カウント値と比較する(図3中の符号20)。この比較の結果、カウンタ値が既定値以下なら通常のプロトコル処理として、回線側へSTAT―PDU(Solicited Status―Protocol Data Unit;以下、STATと称する)を返送する(図3中の符号16)。
【0034】
対応するリンクのPOLLが数回受信され、そのリンクのカウンタ値がそのリンクに対応する既定値を越えた場合には(図3中の符号21)、このPOLLは受信制御パケット廃棄部8によって廃棄される(図3中の符号22)。この時点以後に該当リンクのPOLLを受信しても、カウンタのカウント値が既定値を越えている間は、同様に廃棄部8によって廃棄される(図3中の符号22)。
【0035】
このリンクの確立時よりタイマの1サイクルの時間である7.5[sec]を経過した時点で、そのリンクに対応するカウンタのカウンタ値がクリアされ、タイマは再起動される(図3中の符号23)。
【0036】
この時点以降に、そのリンクのPOLLを受信した場合は、カウンタのカウンタ値がそのリンクに対応する既定値を越えるまでは、通常のプロトコル処理として、回線側へSTATが返送される(図3中の符号24)。
【0037】
そのリンクに対応する既定値を越える前に、そのリンクに対応するカウンタのカウント値がクリアされる場合は、POLLの廃棄は行われない(図3中の符号24)。
【0038】
なお、本システムにおいて、端末側のタイマと、システム側のタイマとの誤差や、回線のトラフィックの状況によるシステム側での制御パケット受信間隔のばらつき等も考えられる。これらを考慮したシステムを実現するには、既定値保持部4に保持する既定値(上述した例では「10」)を、ゆとりを持たせた値にすれば良い。
【0039】
以上のように、ある端末の動作異常等によって一時的に制御パケットが多数送出された場合でも、制御パケットを受信する毎に判定を行い、既定値を越えた時点で直ぐにそのリンクの制御パケットの廃棄を行うことにより、他のリンクに影響を与えることなく確実に異常なリンクのみを制御できるのである。
【0040】
また、制御パケットに対してのみ廃棄処理を行うので、情報パケットの再送による制御パケットや情報パケットに対するシステムの処理能力低下を招くことがなく、システムのパケット受信に対する処理を軽減できるのである。
【0041】
請求項の記載に関連して本発明は更に次の態様をとりうる。
【0042】
(9) 前記抽出手段は、前記受信したパケットの種別を判定することによって前記制御パケット抽出することを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載のパケット受信システム。
【0043】
(10) 前記制御パケットは、SSCOP(Service Specific Connection―oriented Protocol)におけるPOLL―PDU(Poll―Protocol Data Unit)であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のパケット受信システム。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、受信したパケットからを抽出した制御パケットの数を各リンク毎にカウントし、このカウント値が所定値になったとき以後受信する制御パケットを直ぐに廃棄することにより、ある端末の動作異常等によって一時的にパケットが多数送られた場合であっても、このパケットによってシステムの処理能力が損なわれることがなく、正常なパケット受信に対して安定した処理を行うことができるという効果がある。また、受信したパケットのうち、制御パケットに対してのみ廃棄処理を行うので、情報パケットの再送による制御パケットや情報パケットに対するシステムの処理能力低下を招くことがなく、システムのパケット受信に対する処理を軽減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるパケット受信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のパケット受信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図3】図1のパケット受信システムにSSCOPを適用した場合の動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1 受信制御パケット監視ブロック
2 受信回線制御部
3 受信パケット種別判定部
4 既定値保持部
5 受信制御パケット数カウント部
6 タイマ
7 受信制御パケット数判定部
8 受信制御パケット廃棄部
Claims (9)
- 多重されたパケットを受信するパケット受信システムであって、受信したパケットのうち制御パケットの数をカウントするカウント手段と、このカウント値が所定値になったとき以後新たに受信する制御パケットを廃棄するパケット廃棄手段とを含むことを特徴とするパケット受信システム。
- 前記カウント手段は、受信したパケットから制御パケットを抽出する抽出手段と、この抽出された制御パケットの数をカウントする手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のパケット受信システム。
- 前記カウント手段は、各リンク毎に前記制御パケットの数をカウントすることを特徴とする請求項1又は2記載のパケット受信システム。
- 前記カウント手段は、一定時間内に受信した制御パケットの数をカウントすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパケット受信システム。
- 前記所定値は、各リンク毎に予め定められることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパケット受信システム。
- 前記パケット廃棄手段は、前記カウント値と前記所定値とを比較する比較手段を含み、この比較結果に応じて制御パケットを廃棄することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパケット受信システム。
- 各リンクの確立に応答して前記一定時間の計時を開始するタイマを更に含み、この計時される一定時間内に受信した制御パケットの数を前記カウント手段がカウントすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパケット受信システム。
- 前記タイマは、前記各リンク毎に計時することを特徴とする請求項7記載のパケット受信システム。
- 前記カウント手段は前記カウント値を記憶する記憶手段を含み、かつ前記パケット廃棄手段は前記所定値を記憶する記憶手段を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のパケット受信システム。
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