JP3580319B2 - カプセル剤のバンドシール検出方法及びバンドシール検出装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、カプセルのボディーとキャップとの間をバンドシールしたカプセル剤のバンドシールを自動的に検出する方法及び装置に関し、更に詳述すると、バンドシールの有無、幅、位置ずれ等を検出してバンドシールの不良検査を行うことができ、しかも非常に精度の高い検査を自動的に行うことができるカプセル剤のバンドシール検出方法及びカプセル剤のバンドシール検出装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
従来より、液状薬剤や酸化分解性の薬剤などをカプセルに充填してカプセル剤とする際、カプセルのボディーとキャップとの間を帯状にシールする所謂バンドシールを施すことが行われている。
【0003】
このようなカプセル剤、例えば主剤が酸化分解性物質であるカプセル剤において、バンドシールの欠落,欠け,位置ずれ等の不良は充填薬剤の変質を招き、致命的欠陥となる。このため、このようなバンドシールを施したカプセル剤については、通常の検査の他にバンドシールの不良を検査することが行われている。
【0004】
従来、バンドシールの検査は、バンドシール機からバンドシールが施されて排出されてきたカプセル剤を検査員が目視により検査しているのが現状である。即ち、通常のバンドシール機はバンドシール済みのカプセル剤を整列させた状態でコンベア状の搬送機構により排出するが、この整列状態で排出されてくるカプセル剤のバンドシールを検査員が目視により検査している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような目視による検査は、検査員にとって過酷な作業を課すものであり、このため数人の検査員が交替制で検査を行うこととなり、多大な人件費を要する。また、バンドシールの有無を検査するのが精一杯で、バンドシールの欠けや位置ずれなどの不良を検査をすることはほとんど不可能であるばかりでなく、バンドシールの有無についても必ずしも十分な信頼性が得られないものである。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、カプセル剤のバンドシール検査を自動的に行うことができ、かつ高い信頼性が得られると共に、バンドシールの有無だけでなく欠けや位置ずれ等の不良をも良好に検出することが可能なカプセル剤のバンドシール検出方法及びカプセル剤のバンドシール検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記目的を達成するため、カプセルのボディーとキャップとの間をバンドシールしたカプセル剤の上記バンドシールを検出するバンドシール検出方法であって、多数のカプセル剤をその径方向に沿って連続的に搬送し、所定の搬送位置でこのカプセル剤に所定光度の光を照射すると共に、該カプセル剤をその長手方向に沿って1次元カメラにより撮影し、その像を電圧信号に変換してカプセル剤の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形を得、該波形のバンドシール部分を含む所定範囲をウィンドウとして切り出すと共に、該ウィンドウ内に検査しきい値を設定して、ウィンドウ内の電圧波形とこのしきい値との関係からバンドシールを検出することを特徴とするカプセル剤のバンドシール検出方法を提供する。
【0008】
即ち、上記本発明のバンドシール検出方法は、まずカプセルシール機によりバンドシールを施した多数のカプセル剤をその径方向に沿って連続的に搬送し、所定の搬送位置でこのカプセル剤に所定光度の光を照射すると共に、該カプセル剤をその長手方向に沿って1次元カメラで撮影し、該カプセル剤の像を電圧信号に変換してカプセル剤の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形を得る。
【0009】
この場合、バンドシールを施したカプセル剤は、通常バンドシールの有無を目視によっても容易に識別し得るようにカプセルのボディー及びキャップとバンドシールとでその色調を変えることが行われており、例えばカプセルのボディーを白、キャップを水色等の淡色とし、バンドシールを紺や黒の濃色とすることが行われている。従って、このようなカプセル剤を上記のように1次元カメラで撮影し、その像を電圧信号に変換してカプセル剤の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形を得ると、淡色のカプセルボディー及びキャップ部分は明度が高いので高電圧値を示すと共に、濃色のバンドシール部分は明度が低いので低電圧値を示し、バンドシール部分が負のピークとして現れる。なお、通常このような組み合わせは行われないが、逆に濃色のボディー及びキャップのカプセルに淡色のバンドシールを施した場合には、明度が低い濃色のカプセルボディー及びキャップ部分は電圧値が低く、明度が高い淡色のバンドシール部分は電圧値が高くなり、バンドシール部分が正のピークとして現れる。
【0010】
次いで、このようにして得られた電圧波形のバンドシール部分(上記正又は負のピーク部分)を含む所定範囲をウィンドウとして切り出し、このウィンドウ内に設定した検査しきい値とこのウィンドウ内の電圧波形との関係からバンドシールを検出する。即ち、ウィンドウ内にカプセルボディー及びキャップの電圧値とバンドシールの電圧値との間に検査しきい値を設定し、電圧波形がこの検査しきい値を横切るか否かによりバンドシールの有無を検出するものである。またこの場合、バンドシールを表すピーク波形が検査しきい値を横切る幅によりバンドシールの幅を検出してバンドシールの欠け等を検査することができ、更にこのピーク波形が検査しきい値を横切る位置によりバンドシールの位置ずれも検出することができるものである。なお、上記ウィンドウの設定は、カプセル両端部などの陰影等により本来の明度が得られない部分やカプセルボディー及びキャップに記載されたマーク,記号などを検査対象から除くためのものであり、これにより誤検出の発生を確実に防止することができるものである。
【0011】
このように、本発明のバンドシール検出方法によれば、多数のカプセル剤を搬送しながら自動的に信頼性の高いバンドシールの検査を行うことができ、しかもバンドシールの有無だけではなく、バンドシールの欠けや位置ずれ等の不良をも検出することが可能なものである。
【0012】
また、本発明は、上記検出方法によりバンドシールの検出を行う装置として、カプセルのボディーとキャップとの間をバンドシールしたカプセル剤の上記バンドシールを検出するバンドシール検出装置であって、カプセル剤をカプセルポケット内に収容して該カプセル剤の径方向に沿って搬送する搬送手段と、所定搬送位置にあるカプセル剤に光を照射する照明装置と、上記所定搬送位置にあるカプセル剤を該カプセル剤の長手方向に沿って撮影し、カプセル剤の像を電圧信号として取り出す1次元カメラと、該1次元カメラにより取り出した電圧信号をカプセル剤の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形に変換する波形変換手段と、得られた波形のバンドシール部分を含む所定範囲をウィンドウとして切り出すウィンドウ設定手段と、上記ウィンドウ内に検査しきい値を設定する検査しきい値設定手段と、ウィンドウ内の電圧波形と上記検査しきい値との関係からバンドシールの検出判定を行う判定手段とを具備してなることを特徴とするカプセル剤のバンドシール検出装置を提供する。
【0013】
即ち、上記本発明のカプセル剤のバンドシール検出装置は、上記本発明のバンドシール検出方法に従ってカプセル剤のバンドシールを検出するもので、カプセル剤を搬送手段のカプセルポケット内に収容して該カプセル剤を一定姿勢に保持すると共に、この状態で該カプセル剤をその径方向に沿って搬送し、このカプセル剤が所定の搬送位置に搬送されてきた際に、上記照明装置により該カプセル剤に所定光度の光を照射すると共に、該カプセル剤をその長手方向に沿って上記1次元カメラで撮影してカプセル剤の像を電圧信号として取り出し、上記波形変換手段によりこの電圧信号をカプセル剤の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形に変換し、得られた電圧波形のバンドシール部分を含む所定範囲を上記ウィンドウ設定手段によりウィンドウとして切り出すと共に、上記検査しきい値設定手段より該ウィンドウ内に検査しきい値を設定し、上記判定手段によりウィンドウ内の電圧波形と検査しきい値との関係からバンドシールの有無、欠け、位置ずれ等のシール不良を判定するものである。なお、上記波形変換手段、ウィンドウ設定手段、検査しきい値設定手段及び判定手段は、コンピュータ内にコンピュータプログラムとして構成し、上記1次元カメラからの電圧信号を該コンピュータに入力して、これら手段による処理を行うようにすることができる。
【0014】
このように、本発明のカプセル剤のバンドシール検出装置によれば、上記本発明のバンドシール検出方法に従って、多数のカプセル剤を搬送機構で搬送しながら、自動的に信頼性の高いバンドシールの検査を行うことができ、しかもバンドシールの有無だけではなく、バンドシールの欠けや位置ずれ等の不良をも検出することが可能なものである。
【0015】
以下、本発明につき図面を参照して更に詳しく説明する。
本発明のバンドシール検出方法の検査対象となるカプセル剤は、図5に示したように、ボディー1aとキャップ1bとからなるカプセルに薬剤を充填し、ボディー1aとキャップ1bとの間をバンドシール2により帯状にシールしたものであり、通常はカプセルのボディー1a及びキャップ1bが白や水色等の淡色でバンドシール2が紺や黒等の濃色になっているものが用いられるが、これとは逆にボディー1a及びキャップ1bが濃色でバンドシール2が淡色になっていてもよく、要するにボディー1a及びキャップ1bの色彩とバンドシール2の色彩との間に明確な明度の差があればよい。また、カプセル剤1には、カプセルのボディー1a及びキャップ1bにマーク1cや識別記号1dが記載されたものもあるが、このようなカプセル剤も検査対象とすることができる。なお、説明の便宜上、以下の説明においては特に説明のない限り、白地に水色の数字1dが記されているボディー1aと、水色又は白色の地に少し濃いめの水色でマーク1cが記されキャップ1bとからなるカプセルに紺色のバンドシール2を施したカプセル剤、即ち淡色のボディー1a及びキャップ1bに濃色のバンドシール2を施したカプセル剤を検査対象として説明する。
【0016】
本発明のカプセル剤のバンドシール検出方法は、上記バンドシール2を施したカプセル剤1のバンドシール2を自動的に検出するもので、まずバンドシール機によりバンドシール2を施した多数の上記カプセル剤1をその径方向に沿って連続的に搬送し、所定の搬送位置でこのカプセル剤1に所定光度の光を照射すると共に、該カプセル剤1をその長手方向に沿って1次元カメラで撮影し、該カプセル剤1の像を電圧信号に変換してカプセル剤1の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形を得る。
【0017】
具体的には、例えば図1に示した装置を構成し、多数のカプセル剤1を搬送しながら、1次元カメラ3でこのカプセル剤1を撮影し、電圧波形を得ることができる。即ち、図1は本発明のバンドシール検出方法を実施するための装置の一例を示すもので、基台4上をコンベアベルトのように移動する多数の長板状スラット5に図2に示したように凹状のカプセルポケット6を形成し、該カプセルポケット6内に上記カプセル剤1が収容され、スラット5が基台4上を移動することにより、カプセル剤1が一定姿勢を保持したままその径方向に沿って搬送されるようになっている。そして、所定の搬送位置において、搬送中のカプセル剤1にその上方に配設された照明装置7から所定光度の光が照射されると共に、上方に配設された1次元カメラ3で該カプセル剤1を撮影し、その像を電圧信号として取り出す。
【0018】
ここで、カプセル剤1は図2に示したように、複数個(図では8個)のカプセル剤1をその長手方向に沿って1列に並べ、各カプセル列ごとにカプセル剤1の径方向に沿って搬送することができ、これにより一度に複数個(図では8個)ずつバンドシールの検出を行うことができる。即ち、図では上記長板状スラット5の長さ方向に沿って8個のカプセルポケット6を連設してこれらカプセルポケット6内にカプセル剤1を収容し、スラット5がその幅方向に沿って図2中矢印10方向に移動することにより、8個のカプセル剤1からなるカプセル列がカプセル剤1の径方向に沿って搬送されるようになっている。
【0019】
また、特に制限されるものではないが、搬送中のカプセル剤1を少なくとも検査位置においてカプセル剤1の周方向に沿って回転させることが好ましく、これによりカプセル剤1の全周に亘ってバンドシール2の検出を行うことができる。カプセル剤1を回転させる方法としては、図3に示したように、上記カプセルポケット6をスラット5を貫通する貫通穴状に形成し、スラット5が移動することにより、カプセルポケット6内に保持されたカプセル剤1が基台4上を転がりながら搬送されるようにすることができ、これにより1次元カメラ3による撮影ライン8aをカプセル剤1が移動することによりカプセル剤1の径方向に移動させると共に、カプセル剤1が回転することにより該カプセル剤1を一周させることができる。
【0020】
ここで、上記スラット5に形成された全カプセルポケット6は、図2に示されているように、カプセル剤1に相応した略長楕円形状に形成されているが、その軸線9aをスラット5の進行方向10と直交する線9bから一方向に少し傾けて形成されており、これにより基台4上を転がりながら移動する全てのカプセル剤1がカプセルポケット1の一端側(図では上側)に接した状態で移動するようになっている。これにより、検査位置に搬送されてくる全てのカプセル剤1はそれぞれスラット5の端部から所定の距離を保った状態となる。なお、各カプセルポケット6には、その長さ方向中間部の両側部に外側に膨らんだ膨出部6a,6aを有しており、この膨出部6a,6aに指を差し込んでカプセル剤1を取り出すことができるようになっている。
【0021】
このようにして、搬送されてきたカプセル剤1を1次元カメラ3で該カプセル剤1の長手方向に沿って撮影するが、このとき照明装置7から該カプセル剤1に所定光度の光を照射してカプセルボディー1a及びキャップ1bとバンドシール2との間に明確な明度差が得られるようにする。この場合、カプセル剤1の表面や背景に鏡明反射が生じることがあり、このような鏡明部はその明度が実際のカプセル剤1及び背景の明度よりも著しく高いためノイズとなり誤検査の要因となり得る。そこで、図1に示したように、照明装置7の光源部と1次元カメラ3のレンズ3aとにそれぞれ偏光フィルタ10a,10bを配設し、カプセル剤1に該偏光フィルタ10aを通した光を照射すると共に、このカプセル剤1を偏光フィルタ10bを通して1次元カメラ3で撮影することが好ましく、これにより鏡明反射を除去することができる。即ち、光源から照射される光にはもともと偏光性はないが、偏光フィルタ10aを一枚通ることによりその光は直線偏光を施された光となり、この光がカプセル剤の表面に照射されると鏡面反射以外の光は偏光のない(少ない)光となって反射される。そして、偏光の向きを照明の偏光の向きと一致させた偏光フィルタ10bを通してこのカプセル剤を1次元カメラ3で撮影すると、偏光の向きが一致している光は偏光フィルタ10bを通らないので、その結果鏡明部が除去されることになる。
【0022】
また、上記1次元カメラ3は、カプセル剤1の長手方向に沿って該カプセル剤1を撮影するように設置され、図1のように複数(図では8個)のカプセル剤1をその長手方向に沿って1列に並べた場合には、このカプセル列の長さ方向に沿ってカプセル列の全てのカプセル剤1を撮影するようにする。具体的には、図2に示したように、スラット5及び基台4(より具体的には、スラット5を駆動するチェーンのカバー)にカメラ位置決めマーク11,11,11を設け、これらのマーク11がカメラ3の撮影ラインと一致するようにカメラ3を設置することにより、カプセル列の全てのカプセル剤1を一度に撮影することができる。
【0023】
更に、カプセル剤1を撮影する1次元カメラ3は、図1のように1台でもよいが2台又はそれ以上のカメラを設置してカプセル剤1を時間差で撮影してもよい。即ち、上述したように、カプセル剤1を回転させながら撮影することにより、カプセル剤1の全周に亘ってバンドシール検査を行うことができるが、この場合1台の1次元カメラでカプセル剤1の全周を撮影することが困難な場合には、第2の1次元カメラを設置し、図3に示されているように、この第2の1次元カメラの撮影ライン8bを第1の1次元カメラの撮影ライン8aよりも後方に設定して、カプセル剤1が撮影ライン8aを通過した後に第2の撮影ライン8bを通過することにより、撮影ライン8aで撮影できなかった箇所をこの第2の撮影ライン8bで撮影するようにすることができる。
【0024】
このようにして、カプセル剤1を1次元カメラ3で撮影することにより、カプセル剤1の長手方向に沿った線上の像が電圧信号として取り出される。この場合、複数個のカプセル剤1を1列に並べたカプセル列を撮影した場合には、カプセル列の長さ方向に沿った線上の像が電圧信号として取り出されるものである。
【0025】
そして、このようにして得られた電圧信号を波形に変換してカプセル剤1の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形を得る。この場合、上記カプセル列を撮影して得られた電圧信号からは、該カプセル列の長さ方向に沿った明度変化を示す電圧波形が得られる。得られた電圧波形は、図6に示したように、カプセル剤の淡色のカプセルボディー1a及びキャップ1b部分は明度が高いので高電圧値を示すと共に、濃色のバンドシール2部分は明度が低いので低電圧値を示し、バンドシール部分が負のピークとして現れる。
【0026】
即ち、図6は8個のカプセル剤1を白色紙上にカプセル剤1の長手方向に沿って1列に並べ、そのカプセル列を該列の長さ方向に沿って1次元カメラで撮影し、その像から得られた電圧波形をカプセル列と対比させて示したもので、各カプセル剤1に対応した位置にカプセルボディー1a(水色)、キャップ1b(白色)及びバンドシール2(紺色)の明度を表す電圧波形が現れ、バンドシール2部分が負のピークとして現れていることが分かる。ここで、この図6に示した波形は、白色紙上にカプセル剤を並べたものであるが、上記図1の装置では金属製の上記スラット5上にカプセル剤1が並べられるので背景が金属であり、フィルタ処理することによりこの背景が黒色となり、カプセル剤を示す波形がより明確に現れる。つまり、図6の波形は最悪の条件での波形であり、このような条件でも良好な波形が得られるものである。なお、上記カプセル剤1とは逆に濃色のボディー及びキャップのカプセルに淡色のバンドシールを施した場合には、明度が低い濃色のカプセルボディー及びキャップ部分は電圧値が低く、明度が高い淡色のバンドシール部分は電圧値が高くなり、バンドシール部分が正のピークとして現れる。
【0027】
次に、本発明のバンドシール検出方法は、このようにして得られた電圧波形のバンドシール部分を含む所定範囲をウィンドウとして切り出し、このウィンドウ内に設定した検査しきい値とこのウィンドウ内の電圧波形との関係からバンドシールの検出を行う。即ち、図7に示したように、電圧波形のバンドシール部分を含む所定範囲にウィンドウ12を設定すると共に、該ウィンドウ12内に検査しきい値13を設け、該検査しきい値13とウィンドウ12内の電圧波形との関係からバンドシールの検出を行う。具体的には、上記ウィンドウ12内で電圧波形が上記検査しきい値13を横切るか否かによりバンドシールの有無を検出する(横切ればバンドシール有り、横切らなければバンドシール無し)。また、図7に示したように、検査しきい値13を横切るバンドシールのピーク波形を2値化し、その幅によりバンドシールの幅を検出してバンドシールの欠け等を検査することができ、更にこのピーク波形が検査しきい値13を横切る位置によりバンドシールの位置ずれを検出することもできる。この場合、上記ウィンドウ12の設定により、陰影等により本来の明度が得られないカプセル両端部などの部分やカプセルボディー1a,キャップ1bに記載されたマーク1c,記号1dなどが検査対象から除かれ、これにより誤検出の発生が確実に防止される。なお、図7には特に図示していないが、ウィンドウ12及び検査しきい値13はカプセル列の全カプセル剤に対してそれぞれ設定されるものである。
【0028】
ここで、上記ウィンドウ12の設定は次のように行なうことができる。即ち、図1の装置の場合、カプセル剤1が全て方向規制され、キャップ1bとボディー1dの向きが全て一定であると共に(通常バンドシール機から排出されたカプセル剤は、このように方向規制されている)、上述したように全てのカプセル剤1はそれぞれスラット5の端部から所定の距離を保った状態となるので、各カプセル剤1のスラット端部からの距離に応じて、バンドシール2部分に相応した位置にウィンドウ12を設定すればよい。また、カプセル剤1の向きがアトランダムな場合には、検査位置に搬送されてきたカプセル剤ごとに得られた電圧波形からカプセル剤の両端部を導きだし、その端部からの距離によりバンドシール部分にウィンドウを自動設定するようにすればよい。
【0029】
また、上記ウィンドウ12の幅は、電圧波形に現れる正常なバンドシール2のピーク幅より広く、かつカプセル剤1の両端部やマーク1c及び記号1dを除去し得る幅であればよく、バンドシールの幅等により適宜設定することができる。更に詳述すれば、バンドシールの有無を検出するだけであれば、上記カプセル剤1の両端部及びマーク1c,記号1dを除去し得る限り、カプセルポケット6内におけるカプセル剤1のばらつき等を許容するように、比較的幅広くすることが好ましい。一方、ウィンドウ12の幅をバンドシール2の幅ぎりぎりに設定して、このウィンドウ12内でバンドシール2のピークが検査しきい値13を横切るか否かを厳格に検出することにより、バンドシールの有無検査と同時にバンドシールの幅及び位置を検査することもできる。
【0030】
次に、上記検査しきい値13は、カプセルボディー1a及びキャップ1bの電圧値とバンドシール2の電圧値との間に設定される。この場合、検査しきい値13の設定は、予め所定の電圧値を検査しきい値13としてウィンドウ12内に設定しておくこともできるが、カプセル列の各カプセル剤ごと、及び検査位置に搬送されてきた各カプセル剤ごとにそれぞれ自動設定することが好ましい。即ち、上記照明装置7の光源はスラット5の中央部上方からスラット5上のカプセル列に光を照射するので、スラット5の中央部が明るく両端部が比較的暗くなる。このため、図6に示されているように、得られる電圧波形は中央部の電圧値が高く両端部が低くなり、単一の検査しきい値では誤検査が生じるおそれがある。また、搬送されてくるカプセル剤によっても得られる電圧値が異なる場合があり、更には光源の劣化等により照射される光の光度が低下して電圧値が変動することもあり、この点からも単一の検査しきい値では誤検査が生じるおそれがある。従って、上述のように、カプセル列の各カプセル剤ごと、及び検査位置に搬送されてきた各カプセル剤ごとにそれぞれ適切な検査しきい値を自動設定することが好ましい。
【0031】
上記検査しきい値13を自動設定する方法としては、検査位置に搬送されてきたカプセル剤1ごとに、またカプセル列の各カプセル剤1ごとに得られた電圧波形の上記ウィンドウ12内における最高電圧値(カプセルボディー及びキャップが淡色でバンドシールが濃色の場合)又は最小電圧値(カプセルボディー及びキャップが濃色でバンドシールが淡色の場合)に対する所定パーセントの電圧値を検査しきい値13として自動的に設定する方法が好適に用いられる。即ち、例えばカプセルボディー1a及びキャップ1bが淡色でバンドシール2が濃色のカプセル剤1の場合、ウィンドウ12内の最高電圧値は明度が最も高いカプセルのボディー1a又はキャップ1b部分となり、この最高電圧値に対するバンドシール2部分の電圧低下割合は、カプセルボディー1a又はキャップ1bとバンドシール2の色調が一定である限り、カプセル剤1に照射される光が変化しても一定である。よって、図7に示したように、このウィンドウ12内の最大電圧値(最大明度)に対する所定パーセント(以下、THRという)を検査しきい値とすることにより、カプセル列の各カプセル剤ごと、及び検査位置に搬送されてきた各カプセル剤ごとにそれぞれ適切な検査しきい値13を自動設定することができる。なお、カプセルボディー1a及びキャップ1bが濃色でバンドシール2が淡色である場合には、バンドシール3は正のピークとなりカプセルボディー1a又はキャップ1b部分はウィンドウ12内の最小電圧値として現れる。従ってこの場合には、上記THRは最小電圧値(最小明度)に対する所定パーセント(100%を超える値)となる。
【0032】
上記のように、ウィンドウ12を設定し、該ウィンドウ12内に検査しきい値13を設定して該検査しきい値13とウィンドウ12内の波形との関係からバンドシールの検出を行うが、この場合カプセル剤1は連続的に検査位置に搬送され、多数のカプセル剤(又は多数のカプセル列)に対して連続的に検査が行われるものである。このとき、一のカプセル剤(又はカプセル列)の検査を行った後、次のカプセル剤(又は次のカプセル列)の検査を行う前に、検査位置を上記スラット5の上面や縁部が通過し、これらが1次元カメラ3により撮影され、カプセル剤と同様に検査されると、これが不良カプセルと判断されてしまう。このため、これらの部分を検査対象から除外する必要があり、その方法としては、適宜なセンサーでカプセル剤が検査位置に搬送されたことを検知し、カプセル剤が検査位置にあるときのみ検査が行われるようにする方法が好適に採用される。具体的には、図1に示したように光電スイッチ14を設置し、この光電スイッチ14によりスラット5に設けたマークやスラット5の端部を検知してトリガ信号を発信させ、該トリガ信号により検査の開始及び停止を行えばよい。
【0033】
また、通常はスラット5のカプセルポケット6に抜けが生じて空のカプセルポケット6が検査位置に来ることは考えにくいが、何らかの理由により空のカプセルポケット6が検査位置を通過する場合もあり、この場合にも不良カプセル剤として検出され誤検査となってしまう。従って、このような空のカプセルポケットも検査対象から除去することが好ましく、その方法としては図7に示したように、上記ウィンドウ12内に上記検査しきい値13とは別にカプセル抜けを検出するためのカプセル抜けしきい値15を設定し、このカプセル抜けしきい値15とウィンドウ12内の波形との関係からカプセル剤の搬送不良(具体的には空のカプセルポケット6)を検知して検査対象から除外する方法が好適に採用される。
【0034】
上記カプセル抜けの検出方法について更に詳述すると、金属製のスラット5はフィルタを介することにより、ほとんど黒色として認識され、カプセル剤1の波形に比べて得られる電圧値が遥かに低く、ウィンドウ12内におけるカプセル剤1の高電圧値部分とこの空のカプセルポケットの低電圧値との間にカプセル抜けしきい値15を設定し、ウィンドウ12内の波形に該カプセル抜けしきい値15より高い電圧値が存在すればカプセル剤有り、存在しなければカプセル剤無しと識別する。
【0035】
即ち、図8はカプセルポケット6にカプセル剤1が収容されていないスラット5の電圧波形(実線)とカプセル剤1が収容されたスラット5の電圧波形(破線)とを重ねて示したものであるが、このようにカプセル剤1が収容された場合と、収容されていない場合とで得られる波形の電圧値が大きく異なる。そこで、図9に示したように、ウィンドウ12内におけるカプセル有り波形(破線)の最高電圧値とカプセル無し波形(実線)の最高電圧値との間にカプセル抜けしきい値15を設定し、ウィンドウ12内の波形にこのカプセル抜けしきい値15より高い電圧値が存在するか否かによりカプセル抜けを検知し、空のカプセルポケットを検査対象から除外するものである。
【0036】
なお、カプセル剤の抜けが、極まれにしか発生しない場合には、必ずしもカプセル抜けの検出を行う必要はない。即ち、バンドシール不良が検出された場合には、後述するように、搬送装置を停止してそのカプセル剤を除くか、又は自動的にカプセルポケット5から不良のカプセル剤を取り除く処置が採られるが、たとえ搬送装置を停止する手段を採用し、カプセル抜けが生じてそれが不良カプセル剤と判断され、装置が停止されたとしても、それが極まれであれば検査効率上さしたる問題となることはない。
【0037】
また、本発明のバンドシール検出方法は、上述した方法により、上記検査しきい値13をカプセル剤ごとに自動設定する方法を採ることにより、カプセル剤に照射される光の照度の変化には良好に対応することができるが、上記照明装置7の光源や偏光フィルタ10aが劣化してその照度が大幅に低下した場合には、バンドシールの検出が困難になる場合がある。そこで、光源や偏光フィルタの劣化状況を検知する手段を設け、正常なバンドシール検出が困難になった場合に検査を停止することが好ましい。光源の劣化を検出する方法としては、特に制限されるものではないが、カプセル剤1と共に1次元カメラにより撮影される検査位置の固定部(例えば、スラット5を駆動するチェーンのカバー等)にマークなどを設け、この部分にカプセル剤1と同様にウィンドウを設定してその明度を電圧値として得ると共に、該ウィンドウ内に光源劣化しきい値を設けて、その電圧値(明度)が光源劣化しきい値よりも低下した場合に、光源劣化と判断するようにすることができる。
【0038】
ここで、上記1次元カメラ3で取り出した電圧信号を電圧波形に変換する手段、該波形の検査部分にウィンドウ12を設定する手段、ウィンドウ12内に検査しきい値13を設定する手段、光電スイッチ14からのトリガ信号により検査の開始,停止を制御する手段、ウィンドウ12内の電圧波形と検査しきい値13とからバンドシールの検出を行う手段、ウィンドウ12内にカプセル抜けしきい値15を設定する手段、ウィンドウ12内の電圧波形とカプセル抜けしきい値15とからカプセル抜けを検出する手段及び光源劣化を検知するためのウィンドウ,光源劣化しきい値の設定,光源劣化の判断を行う手段等は、コンピュータを用いて該コンピュータ内にコンピュータプログラムとして設定することができる。またこの場合、コンピュータにより判定したバンドシールの検出結果は電気信号として出力することができ、バンドシールの不良を検出した場合には、この信号によりシーケンサ等の制御装置を介して搬送装置及びバンドシール機を停止し、不良カプセルを手作業により除去したり、不良カプセル剤の除去装置を構成して該除去装置にコンピュータから信号を発信し、自動的に不良カプセル剤を除去するようにすることもできる。
【0039】
上記図1の装置によりコンピュータを用いてバンドシール検出を行う場合のブロック図を示すと図4の通りである。即ち、1次元カメラ3によりカプセル剤(又はカプセル列)を撮影して取り出した電圧信号が1次元カメラ入力用ボード16を介してコンピュータ17に入力され、該電圧信号がカプセル剤の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形に変換されると共に、光電スイッチ14からのトリガ信号がI/Oボードを介してコンピュータ17に入力され、このトリガ信号によりバンドシール検出がスタートする。検出がスタートすると、コンピュータ17により電圧波形のバンドシール部分を含む所定の範囲がウィンドウ12として切り出されると共に、該ウィンドウ12内に検査しきい値13が自動的に設定され、バンドシールの検出が行われる。また、これと同時にカプセル抜けしきい値15が設定され、カプセル抜けの検出が行われ、カプセル抜けが生じていたらそのカプセルポケットについての検査をキャンセルする。そして、検査結果をコンピュータ17のディスプレイに表示すると共に、バンドシール不良を検出した場合には、それを電気信号としてI/Oボード18を介して発信し、この信号により搬送装置及びバンドシール機を停止して不良カプセルを手作業で除去するか、又は不良カプセル除去装置により不良カプセル剤を自動除去するものである。なお、不良カプセル除去装置としては、検査位置よりも後方において、吸引パイプをスラット5の上方に配設し、該吸引パイプでカプセルポケット6から不良カプセル剤を吸引除去する方法が好適に採用される。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を示し本発明をより具体的に説明する。
図10に示したバンドシール検出装置を構成し、カプセル剤のバンドシールの有無検査を行った。図10に示した装置は、2台の1次元カメラ3a,3b及び該カメラ3a,3bに対応した2個の光電スイッチ14a,14bを用いて、それぞれのカメラ3a,3bで回転しながら搬送されてくるカプセル剤1を周方向に沿って半周ずつ撮影するように構成したもので、その他は上述した図1の装置と同一である。また、この装置は搬送機構としてバンドシール機のカプセル剤搬送機構をそのまま使用しており、各スラット5がカプセル剤1を保持した状態でバンドシール機から排出された後、上記2台の1次元カメラ3a,3bの下を通過するようになっている。なお、図中参照符号19,19は、カプセル剤1がスラット5のカプセルポケット6から浮き出していることを検出する浮き検出用光電スイッチであり、カプセル剤1がカプセルポケット6から浮き出していると、バンドシール機の構造上バンドシール不良となることが分かっており、この浮き検出用光電スイッチ19,19は、このバンドシール不良を検出するものである。
【0041】
このバンドシール検出装置のブロック図を示すと、図11の通りである。即ち、2台のコンピュータ17a,17bを用い、一方の1次元カメラ3aからの電圧信号を1次元カメラ用入力ボード16aを介して第1コンピュータ17aに入力し、他方の1次元カメラ3bからの電圧信号を1次元カメラ用入力ボード16bを介して第2コンピュータ17bに入力すると共に、それぞれのカメラ3a,3bによる検査位置に対応した光電スイッチ14a,14bからのトリガ信号がそれぞれI/Oボード18a,18bを介して第1コンピュータ17a,第2コンピュータ17bに入力されるようになっている。また、一方の1次元カメラ3aの電圧信号に対する第1コンピュータ17aによる検出結果はI/Oボード18a,18bを介して第2コンピュータ17bに入力され、第2コンピュータ17bでは他方の1次元カメラ3bの電圧信号に対する検査判定を行うと共に、その検査結果と上記第1コンピュータ17aからの検査結果とから総合判定を行い、その結果をI/Oボード18bを介してプログラマブルコントローラ20に入力し、その判定結果に応じて該プログラマブルコントローラ20が停止信号をバンドシールシーケンサ21に発信し、バンドシールシーケンサ21がバンドシール機を停止させる(これにより、スラットの移動も停止する)。また、上記浮き検出用光電スイッチ19,19からの信号が直接プログラマブルコントローラ20に入力されると共に、上記光電スイッチ14a,14bからのトリガ信号も直接プログラマブルコントローラ20に入力され、このトリガ信号ごとにカプセル剤の浮き出し検査が行われ、カプセル剤の浮き出しが検出された場合、上記第2コンピュータ17bからの総合判断結果に拘らず、プログラマブルコントローラ20が停止信号をバンドシールシーケンサ21に発信し、バンドシールシーケンサ21がバンドシール機を停止させるようになっている。
【0042】
上記第1コンピュータ17a、第2コンピュータ17b及びプログラマブルコントローラ20における検査アルゴリズムは、図12に示した通りである。即ち、第1コンピュータ17aでは、光電スイッチ14aからのトリガ信号によりトリガ判定を行い該トリガ判定後、検査を開始すると、一方の1次元カメラ3aからの電圧信号が入力され、該電圧信号を信号処理(波形変換、ウィンドウ設定、検査しきい値設定、バンドシール検出)してバンドシールの検出を行い、その結果を第2コンピュータ17bに出力する。一方、第2コンピュータ17bでも同様に、光電スイッチ14bからのトリガ信号入力、トリガ判定、他方の1次元カメラ3bから電圧信号入力、信号処理によるバンドシール検出を順次行い、その結果と上記第1コンピュータ17bの判定結果とから総合判定を行い、総合判定結果をプログラマブルコントローラ20に出力すると共に、CTR(ディスプレイ)に表示する。そして、プログラマブルコントローラ20では、カプセル浮き検出用光電スイッチ19,19からの信号と、上記第2コンピュータ17bから入力された総合判定結果とから、光電スイッチ14a及び14bからのトリガ信号ごとにバンドシール機停止判定を行い、上記総合判定及び浮き検出信号のいずれかに不良が有った場合、ディレイを介してタイミングを遅らせた後、バンドシール機停止信号をバンドシール機シーケンサ21に出力するようになっている。
【0043】
なお、図12の検査アルゴリズムには、特に図示していないが、この検査システムでは、上述した方法により、検査しきい値の自動設定、カプセル抜けの検出、及び光源劣化の検出を行うようになっている。
【0044】
このバンドシール検出装置を用い、白色ボディーと白色又は青色のキャップとからなるカプセルに紺色のバンドシールを施したカプセル剤について下記の実験を行い、検査しきい値、カプセル抜けしきい値、光源劣化しきい値の設定値を求めた。
【0045】
カプセル抜けしきい値の設定
図9に示した波形からカプセル抜けの波形の電圧値は、カプセル有りの場合の約30%程度であることが分かる。そこで、カプセル有りを100%、カプセル無しを30%としてカプセル抜けしきい値15をその中間の65%に設定し、空運転(カプセル無し)、良品カプセル(白キャップ)のみでの運転、バンドシール不良カプセル(白キャップ)のみでの運転及びバンドシール不良カプセル(青キャップ)のみでの運転を行い、バンドシールの検出実験(バンドシールの有無検査)を行った。なおこの場合、図7に示したウィンドウ12の幅はバンドシール幅の約2倍に設定すると共に、検査しきい値13は電圧波形上のカプセルキャップ1bに記載されたマーク1c(図5参照)の電圧値とバンドシール2(図5参照)の電圧値との間に設定した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1の結果から明らかなように、空運転においてバンドシール不良として検出されたものはなく、空のカプセルポケットは全て検査対象から除外されたことが分かる。よって、カプセル抜けしきい値をカプセル有り時の電圧値の65%に設定することにより、確実にカプセル抜けを検出できることが確認された。従って、カプセル抜けしきい値は、ウィンドウ内におけるカプセル有り時の最高電圧値に対して65%の電圧値に設定した。
【0048】
検査しきい値の設定
上記カプセル抜けしきい値の設定時と同様の条件で、バンドシールの有無検査について大量実験を行ったところ、無駄ばね(良品を不良と判定)が生じたため、検査しきい値を変えて更に大量実験を行った。即ち、図7におけるウィンドウ12内の最大電圧値(最大明度)に対する40%,45%,50%(THR)の電圧値を検査しきい値13として自動設定するようにコンピュータにプログラムし、バンドシールの検出を行った。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
表2の結果から、THRを50%として検査しきい値を自動設定することにより、無駄ばね率0%,検出率100%の検査が可能であることが確認された。従って、検査しきい値のTHRは、50%に設定した。
【0051】
光源劣化しきい値の設定
スラット5を駆動するためのチェーンのカバー上に光源劣化検出用のマーク(白色)を貼り付け、このマーク上の明度が89/256階調となるように照明装置を設定し、THR50%の検査しきい値で上記と同様の条件によりバンドシール検出を行った。次に、マーク上の明度を56/256階調に落として明度が63%に劣化した条件で同様に実験を行った。結果を表3に示す。なお、両実験時の各ウィンドウ内における最大明度(白色の標準片をおいて測定)を表3に併記する。
【0052】
【表3】
【0053】
表3の結果から、マーク上における明度が89/256階調から56/256階調に63%劣化しても検査精度は変化しないことが確認された。よって、光源劣化しきい値を63%設定した。
【0054】
上記各実験により得られた結果から設定した各設定値をまとめると下記表4の通りである。なお、表4中XS,XLは各ウィンドウ及び光源劣化検出用マークの両端部のポイント数(1次元カメラによる撮影範囲の端部からの距離)を表し、MAX及びMINはそれぞれシール幅の最大画素及び最小画素である。
【0055】
【表4】
【0056】
白色ボディーと白色又は青色のキャップとからなるカプセルに紺色のバンドシールを施したカプセル剤を製造するに当たり、その製造ラインにおけるバンドシール機の搬送ラインに上記図10のバンドシール検出装置を構成し、表4に示した設定値で6日間に亘ってバンドシールの有無検査を行った。その結果、無駄ばね率0.008%,不良検出率100%の結果が得られた。また不良発生時には、バンドシール機が確実に停止し、停止したバンドシール機のスラット5から手作業により不良カプセル剤を取り除くことができた。更に、再びラインを稼働させることにより、良好にカプセル剤の製造及びバンドシール検査を再開させることができた。なお、6日間でのカプセル剤の検査数は白キャップのカプセル剤が20万個、水色キャップのカプセル剤が200万個で、不良カプセル剤の検出数は、白キャップのカプセル剤が2個、水色キャップのカプセル剤が2個であった。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカプセル剤のバンドシール検出方法によれば、多数のカプセル剤を搬送しながら自動的に信頼性の高いバンドシールの検査を行うことができ、しかもバンドシールの有無だけではなく、バンドシールの欠けや位置ずれ等の不良をも検出することが可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカプセル剤のバンドシール検出方法を実施するための装置の一例を示す概略斜視図である。
【図2】同装置を構成するスラットを示す部分平面図である。
【図3】同装置のカプセル剤搬送機構を示す概略断面図であり、カプセル剤が(A)〜(C)に順次搬送されていく様子を示すものである。
【図4】同装置によるバンドシール検出システムを示す概略ブロック図である。
【図5】バンドシールを施したカプセル剤の一例を示す平面図である。
【図6】8個のカプセル剤を白色紙上にカプセル剤の長手方向に沿って1列に並べたカプセル列を該列の長さ方向に沿って1次元カメラで撮影し、その像から得られた電圧波形を示すグラフとカプセル列とを対比させて示した説明図である。
【図7】本発明のバンドシール検出方法において、得られた電圧波形に設定されたウィンドウ及び検査しきい値を説明する説明図である。
【図8】カプセルポケットにカプセルがある場合の電圧波形と、ない場合の電圧波形とを併記したグラフである。
【図9】本発明のバンドシール検出方法において、得られた電圧波形に設定されたカプセル抜けしきい値を説明する説明図である。
【図10】実施例において、本発明のバンドシール検出方法を実施するために構成したバンドシール検出装置を示す概略斜視図である。
【図11】同検出装置によるバンドシール検出システムを示すブロック図である。
【図12】同検出装置によるバンドシール検出のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カプセル剤
2 バンドシール
3 1次元カメラ
4 基台
5 スラット
6 カプセルポケット
7 照明装置
10a,10b 偏光レンズ
12 ウィンドウ
13 検査しきい値
14 光電スイッチ
15 カプセル抜けしきい値
Claims (11)
- カプセルのボディーとキャップとの間をバンドシールしたカプセル剤の上記バンドシールを検出するバンドシール検出方法であって、
多数のカプセル剤をその径方向に沿って連続的に搬送し、所定の搬送位置でこのカプセル剤に所定光度の光を照射すると共に、該カプセル剤をその長手方向に沿って1次元カメラにより撮影し、その像を電圧信号に変換してカプセル剤の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形を得、該波形のバンドシール部分を含む所定範囲をウィンドウとして切り出すと共に、該ウィンドウ内に検査しきい値を設定して、ウィンドウ内の電圧波形とこのしきい値との関係からバンドシールを検出することを特徴とするカプセル剤のバンドシール検出方法。 - 複数のカプセル剤を該カプセル剤の長手方向に沿って1列に並べ、該カプセル列をカプセル剤の径方向に沿って搬送すると共に、検査位置に搬送されてきたカプセル列の全カプセル剤を1次元カメラにより一度に撮影してカプセル列全体の長さ方向に沿った明度変化を示す電圧波形を得、得られた電圧波形に対して各カプセル剤ごとにウィンドウを設定する請求項1記載のカプセル剤のバンドシール検出方法。
- 検査位置に搬送されてきた各カプセル剤ごとにウィンドウ内の最大又は最小電圧値に対する所定パーセントの電圧値を検査しきい値として自動設定する請求項1又は2記載のカプセル剤のバンドシール検出方法。
- カプセル剤を周方向に沿って回転させながら搬送し、カプセル剤の全周に亘ってバンドシールの検出を行う請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカプセル剤のバンドシール検出方法。
- ウィンドウ内の電圧波形が検査しきい値を横切るか否かによりバンドシールの有無を検出すると共に、検査しきい値を横切る正又は負のピーク幅によりバンドシールの幅を検出し、かつ該ピークが検査しきい値を横切る位置によりバンドシールのずれを検出する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカプセル剤のバンドシール検出方法。
- ウィンドウ内に検査しきい値とは別にカプセル抜けしきい値を設定し、このカプセル抜けしきい値とウィンドウ内の電圧波形との関係からカプセル剤の搬送不良を認識して検査対象から除外する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカプセル剤のバンドシール検出方法。
- カプセル剤に偏光フィルタを通した光を照射すると共に、このカプセル剤を偏光フィルタを介して1次元カメラで撮影することにより、カプセル表面及び背景の鏡明反射を除去するようにした請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカプセル剤のバンドシール検出方法。
- カプセルのボディーとキャップとの間をバンドシールしたカプセル剤の上記バンドシールを検出するバンドシール検出装置であって、
カプセル剤をカプセルポケット内に収容して該カプセル剤の径方向に沿って搬送する搬送手段と、
所定搬送位置にあるカプセル剤に光を照射する照明装置と、
上記所定搬送位置にあるカプセル剤を該カプセル剤の長手方向に沿って撮影し、カプセル剤の像を電圧信号として取り出す1次元カメラと、
該1次元カメラにより取り出した電圧信号をカプセル剤の長手方向に沿った明度変化を示す電圧波形に変換する波形変換手段と、
得られた波形のバンドシール部分を含む所定範囲をウィンドウとして切り出すウィンドウ設定手段と、
上記ウィンドウ内に検査しきい値を設定する検査しきい値設定手段と、
ウィンドウ内の電圧波形と上記検査しきい値との関係からバンドシールの検出判定を行う判定手段とを具備してなることを特徴とするカプセル剤のバンドシール検出装置。 - ウィンドウ内に検査しきい値とは別にカプセル抜けしきい値を設定するカプセル抜けしきい値設定手段と、
上記カプセル抜けしきい値とウィンドウ内の電圧波形との関係から空のカプセルポケットを認識して検査対象から除外するカプセル抜け判定手段とを具備した請求項8記載のカプセル剤のバンドシール検出装置。 - 搬送手段が、基台上を一方向にスライド移動する多数の板状スラットに貫通穴状のカプセルポケットを形成してなり、該カプセルポケット内にカプセル剤を収容した状態でスラットが移動することにより、カプセル剤が基台上を転がりながら一方向に搬送されるものである請求項8又は9記載のカプセル剤のバンドシール検出装置。
- 照明装置の光源に偏光フィルタを設置し、該偏光フィルタを通した光をカプセル剤に照射すると共に、1次元カメラにも偏光フィルタを設置し、該偏光フィルタを介してカプセル剤を撮影することにより、カプセル表面及び背景の鏡明反射を除去するようにした請求項8乃至10のいずれか1項に記載のカプセル剤のバンドシール検出装置。
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