JP3582666B2 - 直交周波数多重信号復調装置 - Google Patents
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Description
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
産業上の利用分野
従来の技術(図5〜図8)
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段(図1〜図4)
作用
実施例(図1〜図4)
(1)第1の実施例(図1)
(2)第2の実施例(図2)
(3)第3の実施例(図3)
(4)第4の実施例(図4)
(5)他の実施例
発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は直交周波数多重信号復調装置に関し、特に直交周波数多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex )信号を時間領域の信号から周波数帯域の信号に変換するDFT時間窓生成回路及びクロツク信号再生回路部分に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
デイジタル形式の信号を伝送する場合、単一周波数の搬送波信号をデイジタル信号に基づいて位相変調及び振幅変調する方法が一般的に用いられている。
このような変調方式としては、位相のみを変化させる位相変調(PSK:Phase sift keying )方式や位相と振幅の両方を変化させる直交変調(QAM:quadrature Amplitude Modulation )方式が良く用いられている。
【0004】
これら各変調方式の場合、単一周波数の搬送波信号を伝送帯域に収まる程度の占有帯域幅を有するように変調していた。一方、最近では新たな変調方式として、直交周波数多重方式と呼ばれる変調方式が提案されている。
この直交周波数多重方式は伝送帯域内に複数の直交する搬送波信号を発生させて伝送帯域を分割し、それぞれの搬送波信号をデイジタル信号に基づいて位相変調(PSK)又は直交変調(QAM)する変調方式である。
【0005】
この変調方式の場合、複数の搬送波信号によつて伝送帯域を分割するので1搬送波信号当たりの帯域幅は狭くなる。従つて1搬送波信号当たりの変調速度は遅くなる。しかし伝送帯域が同一である場合、複数の搬送波信号をそれぞれ変調した結果得られる総合的な伝送速度は従来の変調と変わらない。
【0006】
またこの方式では多数の搬送波信号が並列に伝送されるのでシンボル当たりの速度は遅くなる。このためマルチパス妨害の存在する伝送路ではシンボル時間長に対する相対的なマルチパス妨害波の遅延時間を小さくすることが可能である。従つてこの方式はマルチパス妨害の影響を受け難く、この特徴により地上波によるデイジタル信号の伝送に対して特に注目されている。
【0007】
さて直交周波数多重方式の信号処理には離散的フーリエ変換及び離散的逆フーリエ変換を高速に行う必要がある。この点に関しては最近の半導体技術の進歩により従来困難であつたハードウエア的な処理による離散的フーリエ変換や離散的逆フーリエ変換を実行可能な半導体素子が供給されるようになつてきているので、このような素子を用いれば簡単に直交周波数多重方式の変調を行う、又はこの変調方式により変調された信号を復調することができる。このような半導体技術の進歩もこの直交周波数多重方式が注目されている理由の一つである。
【0008】
続いて一般的な直交周波数多重方式について説明する。直交周波数多重方式の特徴は伝送チヤンネル(伝送帯域)を分割した所定の帯域幅ごとに直交する搬送波信号を発生し、変調後の信号がそれぞれの帯域幅に納まる程度の低いデータ速度のデイジタル信号で各搬送波信号のそれぞれをデイジタル信号で変調するのではなく全ての搬送波信号の変調を離散的逆フーリエ変換(IDFT)により一括して行う点にある。
【0009】
以下、図5を参照して直交周波数多重方式について説明する。図に直交周波数多重方式の各搬送信号による情報伝送の様子を示す。ここで#k(kは整数)に示す信号はそれぞれ時間区間(シンボル区間)Ts における周期Ts /kの搬送波信号波形を示しており、(a)、(b)の欄はそれぞれ伝送すべき情報の値1、0の場合の搬送波信号波形を示している。因に所定のある時間区間Ts をシンボル時間とする。
【0010】
#1〜#nはそれぞれ周期Ts 〜周期Ts /nの搬送波信号である。このような搬送波信号#1〜#nが順番に並んでいるとして、これらの各搬送波信号の振幅及び位相を伝送すべき情報で規定すると、シンボルの波形を伝送すべき情報(デイジタル信号)で規定することができる。
例えば図5(a)に示す波形の信号を論理値1に対応付け、図5(b)に示す波形の信号を論理値0に対応付ければ各搬送波信号ごとに情報(デイジタル信号)を伝送することができる。
【0011】
図5に示した例においては、各搬送波信号を2つの位相状態で規定したいわゆるBPSKで変調し、各搬送波信号ごとに1ビツトの情報を伝送しているが、各搬送波信号ごとにより多くの位相及び振幅を定義し、多値化して伝送することも可能である。すなわち各搬送波信号の振幅及び位相を規定することによつてその波形を得ることができる。
【0012】
この波形を得るための処理動作はいわゆる逆フーリエ変換となる。従つて直交周波数多重方式においては、離散的逆フーリエ変換回路を用いて直交周波数多重信号を得る方式が用いられている。
以下、図6を参照して直交周波数多重変調装置1による変調動作を説明する。まずシリアル/パラレル変換回路2及び3がシリアルデータ形式のIチヤネル信号及びQチヤネル信号をそれぞれパラレルデータの形式に変換する。離散的逆フーリエ変換(IDFT:Invert Discrete Fourier Transform )回路4はパラレルデータ形式に変換されたIチヤネル信号及びQチヤンネル信号を入力し、これを離散的逆フーリエ変換することにより時間領域の信号に変換する。
【0013】
パラレル/シリアル変換回路5及び6は離散的逆フーリエ変換回路4から入力されたパラレルデータ形式の時間領域信号を時間的に直列の信号に変換し、バツフアメモリ7及び8に与える。バツフアメモリ7及び8は入力された信号にガードインターバルを付加し、デイジタル/アナログ変換回路9及び10に与える。ガードインターバルが付加されたこれらの信号はデイジタル/アナログ変換回路9及び10によつてアナログ形式の信号に変換され、ローパスフイルタ11及び12に入力される。
【0014】
ローパスフイルタ11及び12はこれらの信号から折り返し信号成分を除去し、乗算回路13及び14に与える。
ここで乗算回路13はローパスフイルタ11から入力された信号と局部発振器15から出力された搬送波信号とを乗算し出力する。また乗算回路14はローパスフイルタ12から出力された信号と局部発振器15から出力された搬送波信号を90°移相回路16を介して90°移相した搬送波信号とを乗算し出力する。
【0015】
加算回路17は乗算回路13及び14から出力された乗算出力を入力して加算合成し、バンドパスフイルタ18に出力する。
バンドパスフイルタ18は入力された合成信号を所定の帯域幅に制限し、RFコンバータ19に出力する。RFコンバータ19は帯域制限された信号を所望の周波数に周波数変換し、送信アンテナ20を介して出力する。これら一連の処理動作により所望の信号が直交周波数多重変調され送信される。
【0016】
続いて、図7を参照して直交周波数多重変調信号を復号する直交周波数多重復調装置21の処理動作を説明する。
アンテナ22で補足されたRF信号はチユーナ23に入力され、周波数変換されて中間周波数帯域の信号に変換される。さらにチユーナ23は周波数変換された信号を増幅し、乗算回路24及び25に与える。乗算回路24はチユーナ23から取り込んだ信号と局部発振器26から出力された搬送波信号とを乗算し出力する。一方、乗算回路25はチユーナ23から取り込んだ信号と局部発振器26から出力された搬送波信号を90°移相回路27を介して90°移相した搬送波信号とを乗算し出力する。
【0017】
乗算回路24及び25によつて中間周波数帯域の信号は基底帯域信号に変換される。これら基底帯域信号はローパスフイルタ28及び29によりそれぞれ不要の高調波成分が除去され、アナログ/デイジタル変換回路30及び31に入力される。アナログ/デイジタル変換回路30及び31は基底帯域信号をデイジタル形式の信号に変換し、それぞれシリアル/パラレル変換回路32及び33に出力する。
【0018】
離散的フーリエ変換回路34はパラレルデータ形式に変換された信号を離散的フーリエ(DFT)変換してパラレル/シリアル変換回路35及び36に与える。パラレル/シリアル変換回路35及び36によつてパラレルデータ形式の信号はシリアルデータ形式の信号に変換され、バツフアメモリ37及び38に与えられる。バツフアメモリ37及び38信号はガードインターバルの除去処理等の各種の処理を実行し、デイジタル信号形式のIチヤネル信号及びQチヤネル信号として出力する。これら一連の処理により直交周波数多重復号装置21は直交周波数多重信号を復号している。
【0019】
ところで直交周波数多重復号装置21が受信された信号を正確に復調するためには局部発振器26が適切な発振周波数で発振できること、アナログ/デイジタル変換回路30のサンプリングタイミングが正確であること、及び離散フーリエ変換回路34における窓同期位相が正確であることの3つの用件が必要となる。
【0020】
そこで直交周波数多重復号装置21には、1つ目の用件のために、パラレル/シリアル変換回路35及び36から出力されたDFT処理後の信号を搬送波再生回路39、デイジタル/アナログ変換回路40及びローパスフイルタ41で構成されるコスタスループを介して局部発振器26に帰還するようになされている。このコスタスループを用いた構成は一般的であり、局部発振器26は送信側と同一周波数の搬送波信号を再生することができる。
【0021】
また直交周波数多重復号装置21には、2つ目及び3つ目の用件のために、クロツク再生回路(BTR)42及びDFT時間窓生成回路(WR)43が設けられている。その詳細構成を図8に示す。
このうちDFT時間窓生成回路(WR)43はDFT処理後の信号から直交周波数多重信号に含まれている窓同期用信号を検出し、窓位相状態に対応した窓位相制御信号WCONTを離散的フーリエ変換回路34に出力することにより時間領域から周波数領域へデータを変換する際のタイミングがずれないようにしている。因に窓同期用信号はフレームの先頭部分に無信号として送信側で挿入されている信号である。
【0022】
一方、クロツク再生回路42は初段の選択回路42Aによつて選択された位相制御用信号を位相誤差検出部42Bに与え、この位相誤差検出回路42Bにおいて所定の基準信号と比較することにより位相制御信号の位相ずれを検出している。そして検出された位相ずれ信号をローパスフイルタ42Cを介してVCO回路42Dに与え、VCO回路42Dの発振位相を制御することによりクロツクCKの位相が適切な位相になるように制御している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来回路の場合、DFT時間窓生成回路43とクロツク再生回路42とはそれぞれ独立に動作している。しかも窓位相制御信号WCONTによる窓移相量
と位相誤差検出回路42Bから出力される位相誤差情報との間には何等の関係もない。従つて窓位相制御により起こる位相制御用信号の位相回転はクロツク再生回路42においては単に入力信号の位相誤差として判断されるおそれがあつた。このことは窓位相の制御によつて正しい処理動作ができ得る状態にありながらクロツクCKの位相がずれることを避け得ないことを意味する。
【0024】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来に比して位相誤差が少ない状態で信号処理することができる直交周波数多重信号復調装置を提案しようとするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、直交周波数多重信号を基底帯域信号に変換する周波数変換手段(24)、(25)と、基底帯域信号を時間領域から周波数領域へ変換する演算手段(34)と、演算手段(34)の出力信号に基づいて基底帯域信号から処理単位の信号を切り出すのに用いる時間窓の位相を制御する窓位相制御手段(53)とを有する直交周波数多重信号復調装置において、演算手段(34)の出力信号を入力してクロツク信号(CK)を再生するクロツク再生回路(52)、及び又は、演算手段(34)の出力信号を入力して直交周波数多重信号の搬送波を再生する搬送波再生回路内の位相誤差検出部が検出する位相誤差を、窓位相制御手段(53)による時間窓の移相量に応じて補正する位相誤差補正手段を設ける。
【0026】
また本発明においては、直交周波数多重信号を基底帯域信号に変換する周波数変換手段(24)、(25)と、基底帯域信号を時間領域から周波数領域へ変換する演算手段(34)と、演算手段(34)の出力信号に基づいて基底帯域信号から処理単位の信号を切り出すのに用いる時間窓の位相を制御する窓位相制御手段(83)とを有する直交周波数多重信号復調装置において、窓位相制御手段(83)が演算手段(34)に与える窓位相の移相量を制御する制御量を固定値とし、かつ演算手段(34)の出力信号を入力してクロツク信号(CK)を再生するクロツク再生回路(82)、及び又は、演算手段(34)の出力信号を入力して直交周波数多重信号の搬送波を再生する搬送波再生回路内の位相誤差検出部に取り込む搬送波を、固定値と一定の関係を有する特定の搬送波に限定する。
【0027】
【作用】
窓位相制御手段(53)が時間窓の位相を移相する場合にはこれに同期して位相誤差検出部が検出する位相誤差を補正できるようにしたことにより、実際には時間窓の移相によつてクロツク信号(CK)の位相が正確な状態に制御されているにも係わらずあたかも位相誤差があるかのように位相誤差検出部が誤判定するおそれを除去することができる。
【0028】
また窓位相制御手段(83)による時間窓の移相量及び位相誤差検出部が位相誤差の検出に用いる搬送波を一定の関係を有するものに限定したことにより、時間窓の移相が位相誤差検出部において位相誤差として現れないようにすることができる。
【0029】
【実施例】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0030】
(1)第1の実施例
図8との対応部分に同一符号を付して示す図1において、52及び53は直交周波数多重復号装置を構成する回路ブロツクのうちクロツク再生回路及びDFT時間窓生成回路をそれぞれ示している。
この実施例で用いるクロツク再生回路52は選択回路42Aと位相誤差検出回路42Bとの間に位相誤差補正回路52Aを有することを除いてクロツク再生回路42と同様の構成を有している。
またDFT時間窓生成回路53は窓位相制御信号WCONTに対応する位相補正制御信号PCONTをクロツク再生回路52に出力するように構成されていることを除いてDFT時間窓生成回路43と同様の構成を有している。
【0031】
以上の構成において、クロツク再生回路52及びDFT時間窓生成回路53によるクロツク再生動作及び時間窓移相動作を説明する。
DFT時間窓生成回路53はパラレル/シリアル変換回路35及び36の出力から窓同期用信号を入力すると、この入力された窓同期信号を基にDFT回路34での窓位相の状態に対応した窓位相制御信号WCONTを出力端子より出力する。またこの窓位相制御信号WCONTに対応する位相補正制御信号PCONTをクロツク再生回路52の位相誤差補正回路52Aへ出力する。
【0032】
このとき位相誤差補正回路52Aは選択回路42Aにおいて選択された位相制御用信号の位相を位相補正制御信号PCONTに基づいて補正し、これを位相誤差検出回路42Bに出力する。これにより位相誤差検出回路42Bには位相補正制御信号PCONTによる窓位相の移相に相当する分予め補正された位相制御信号が入力される。
従つて位相誤差検出回路42Bでは窓位相の移相によつても取り除くことができなかつた位相誤差分のみが検出され、これが位相誤差情報としてローパスフイルタ42Cに与えられる。この結果、VCO回路42Dから出力されるクロツク信号CKの位相は速やかに正確な位相状態に移行する。
【0033】
以上の構成によれば、従来に比較して動作速度を一段と高速化でき、かつ短時間で正確な基準信号再生を実現できる直交周波数多重復号装置を得ることができる。また従来に比較して位相誤差検出回路42Bの検出誤差を抑制でき、高精度化することができる。
【0034】
(2)第2の実施例
この実施例の場合、図2に示すように、位相誤差補正回路62Aを選択回路42Aと位相誤差検出回路42Bとの間ではなく位相誤差検出回路42Bとローパスフイルタ42Cとの間に設けたことを除いて図1と同様の構成を有している。図1との違いは、位相誤差検出回路42Bの検出結果には窓位相を移相することにより生じた誤差分が含まれたままであり、窓位相の移相に基づく移相誤差情報がローパスフイルタ42Cに与えられる直前に補正される点である。
以上の構成によつても第1の実施例の場合と同様の効果を得ることができる。
【0035】
(3)第3の実施例
図8との対応部分に同一符号を付して示す図3において、72及び73は直交周波数多重復号装置を構成する回路ブロツクのうちクロツク再生回路及びDFT時間窓生成回路をそれぞれ示している。
この実施例で用いるクロツク再生回路72は、DFT時間窓生成回路53から入力される位相補正制御信号PCONTに基づいてクロツク信号CKの再生に用いる位相制御信号を適宜選択することを特徴としている。因に位相補正制御信号PCONTは窓位相制御信号WCONTに対応して出力される信号であり、また位相制御信号は直交関係が成り立つ複数の搬送波信号である。
【0036】
例えばDFT時間窓生成回路53が窓位相を進めた場合、クロツク再生回路72は位相補正制御信号PCONTに基づいて窓位相の移相量に相当する分だけ周波数の高い搬送波信号を選択するのに対し、DFT時間窓生成回路73が窓位相を遅らせた場合、クロツク再生回路72は位相補正制御信号PCONTに基づいて窓位相の移相量に相当する分だけ周波数の低い搬送波信号を選択するように動作する
。
このようにしても前述の第1及び第2の実施例の場合と同様、従来に比較して動作速度を一段と高速化でき、かつ短時間で正確な基準信号再生を実現できる直交周波数多重復号装置を得ることができる。また従来に比較して位相誤差検出回路42Bの検出誤差を抑制でき、高精度化することができる。
【0037】
(4)第4の実施例
図4に第4の実施例を示す。この実施例ではDFT時間窓生成回路83が出力する窓位相制御信号WCONTの値を任意の値ではなく一定値に固定し、かつクロツク再生回路82の選択回路82Aが選択する位相制御信号(搬送波)を窓位相制御信号と一定の関係にあるものに限定する。すなわち窓位相制御信号WCONTによる窓移相量が選択回路82Aで選択された位相制御用信号との関係で位相誤差として現れないもの(=補正量0)を用いることを特徴としている。
【0038】
例えば窓位相の移相量が±5°である場合に位相制御信号fに現れる位相のずれが位相誤差として検出されないのであれば、たとえDFT時間窓生成回路38で検出された窓位相のずれが3°の進みであつても窓位相制御信号WCONTとして5°の遅れを指示することにより、DFT時間窓生成回路83の位相制御がクロツク再生回路82の位相検出に影響を与えないようになされている。
【0039】
以下に上述の関係を満たす窓移相量x及び位相制御信号(n倍搬送波)の求め方を示す。位相誤差の検出にコスタスループを用いた場合、位相制御が90°単位で行なわれる。また復調に用いられるDFT処理において1024ポイントの変換を行なつた場合、最も低い搬送波は1024ポイントで360°を示す。この2倍の搬送波では512ポイントで360°を示す。このように復調にkポイントの変換を用いた場合、n倍の搬送波に対してはk/nポイントで360°を示す。つまり選択回路82Aでn番目のデータを選択した場合である。
【0040】
窓移相量がxポイントである場合、この制御によりn倍搬送波が受ける位相回転量は(360°/(k/n))×xとなる。この回転量を90°単位で換算した値が誤差補正量となる。換算した値とは位相回転量を90°で割つたときの余りである。この誤差補正量が0°でn及びxが一定である場合が第3の実施例となる。つまり窓移相量xを(mk)/(4n)ポイントとした場合である。これは次式から求められる。
【数1】
ただしmは整数であり、xも整数となる様にする。実用的には窓移相量xが大きいと窓位相制御に対し誤差を発生するのでmはあまり大きな値は望ましくない。
【0041】
以上の構成によれば、前述の第1〜第3の実施例同様、従来回路のようにDFT時間窓生成回路による位相制御がクロツク再生回路において位相誤差として誤検出されるおそれのない直交周波数多重復号装置を得ることができる。
【0042】
(5)他の実施例
なお上述の第1の実施例〜第3の実施例においては、窓移相量xを時間経過に対して任意に可変する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、窓移相量xを時間経過に対して一定としても良い。このようにすれば位相制御信号PCONTを省略することができる。ただし第3の実施例の場合には第4の実施例と同じ構成となる。また第1及び第2の実施例については位相回転量が一定となるので位相誤差補正回路における処理を固定にすれば良い。
【0043】
また上述の第1〜第3の実施例においては、DFT時間窓生成回路による窓位相の移相量に応じてクロツク再生回路内における位相誤差検出回路部の位相誤差を補正し、また上述の第4の実施例においてはDFT時間窓生成回路による窓位相の移相量としてクロツク再生回路内における位相誤差検出回路部への位相誤差を生じさせないものを選択する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、搬送波再生回路内に設けられる位相誤差検出回路についても位相誤差を補正し又は位相誤差を生じさせない一定の関係に制御しても良い。
【0044】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、窓位相制御手段が時間窓の位相を移相する場合にはこれに同期して位相誤差検出部が検出する位相誤差を補正することにより、時間窓の移相によつて位相誤差検出部における判定結果に誤差が重畳されないようにすることができる。これにより短時間のうちに正確なクロツク信号を再生することができる。
【0045】
また上述のように本発明によれば、窓位相制御手段による時間窓の移相量及び位相誤差検出部が位相誤差の検出に用いる搬送波を一定の関係を有するものに限定したことにより、時間窓の移相が位相誤差検出部において位相誤差として現れないようにすることができる。これにより短時間のうちに正確なクロツク信号を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による直交周波数多重復調装置の一実施例を示すブロツク図である。
【図2】本発明による直交周波数多重復調装置の一実施例を示すブロツク図である。
【図3】本発明による直交周波数多重復調装置の一実施例を示すブロツク図である。
【図4】本発明による直交周波数多重復調装置の一実施例を示すブロツク図である。
【図5】直交周波数多重方式による各搬送信号を示す略線図である。
【図6】従来の直交周波数多重変調装置の構成を示すブロツク図である。
【図7】従来の直交周波数多重復調装置の構成を示すブロツク図である。
【図8】従来用いられているDFT時間窓生成回路及びクロツク再生回路の構成を示すブロツク図である。
【符号の説明】
1……直交周波数多重変調装置、21……直交周波数多重復調装置、42、52、62、72……クロツク再生回路、42A、72A、82A……選択回路、42B……位相誤差検出回路、42C……ローパスフイルタ、42D……VCO回路、43、53、63、73、83……DFT時間窓生成回路、52A、62A……位相誤差補正回路。
Claims (5)
- 直交周波数多重信号を基底帯域信号に変換する周波数変換手段と、上記基底帯域信号を時間領域から周波数領域へ変換する演算手段と、上記演算手段の出力信号に基づいて上記基底帯域信号から処理単位の信号を切り出すのに用いる時間窓の位相を制御する窓位相制御手段とを有する直交周波数多重信号復調装置において、
上記演算手段の出力信号を入力してクロツク信号を再生するクロツク再生回路、及び又は、上記演算手段の出力信号を入力して上記直交周波数多重信号の搬送波を再生する搬送波再生回路内の位相誤差検出部が検出する位相誤差を、上記窓位相制御手段による上記時間窓の移相量に応じて補正する位相誤差補正手段
を具えることを特徴とする直交周波数多重信号復調装置。 - 上記位相誤差補正手段は、上記位相誤差検出部に入力される上記演算手段の出力信号の位相を上記時間窓の移相量に応じて移相する
ことを特徴とする請求項1に記載の直交周波数多重信号復調装置。 - 上記位相誤差補正手段は、上記位相誤差検出部から出力される位相誤差検出出力を上記時間窓の移相量に応じて補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の直交周波数多重信号復調装置。 - 前記位相誤差補正手段は、上記位相誤差検出部に入力される搬送波を上記時間窓の移相量に応じて切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の直交周波数多重信号復調装置。 - 直交周波数多重信号を基底帯域信号に変換する周波数変換手段と、上記基底帯域信号を時間領域から周波数領域へ変換する演算手段と、上記演算手段の出力信号に基づいて上記基底帯域信号から処理単位の信号を切り出すのに用いる時間窓の位相を制御する窓位相制御手段とを有する直交周波数多重信号復調装置において、
上記窓位相制御手段が上記演算手段に与える窓位相の移相量を制御する制御量を固定値とし、かつ上記演算手段の出力信号を入力してクロツク信号を再生するクロツク再生回路、及び又は、上記演算手段の出力信号を入力して上記直交周波数多重信号の搬送波を再生する搬送波再生回路内の位相誤差検出部に取り込む搬送波を、上記固定値と一定の関係を有する特定の搬送波に限定した
ことを特徴とする直交周波数多重信号復調装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33260194A JP3582666B2 (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 直交周波数多重信号復調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33260194A JP3582666B2 (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 直交周波数多重信号復調装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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