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JP3583083B2 - 立体駐車設備およびその駆動装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立体駐車設備およびその駆動装置に関する。さらに詳しくは、車両搭載パレット(以下、単にパレットという)がピット内の収容位置とピット上の車両出入位置との間を昇降させられる立体駐車設備、および、このパレットを昇降させる伝動装置を駆動するための駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3には従来の立体駐車設備51が示されている。この駐車設備51は、上下に離間した状態で相互に固定された複数段のパレット52が、地面に掘られたピット53内に収容されるものである。この複数段のパレット52が一体で昇降させられ、所望のパレットをピット53上の乗り入れレベルに位置させて車両を出入させる。この駐車設備51では、上下三段のパレット52a、52b、52cが相互に離間した状態で、その左右両側を支柱54によって固定されている。パレットは三段には限られず、二段以下または四段以上であってもよい。これらパレット52の昇降機構は昇降駆動する油圧シリンダ55と油圧ユニット56とから構成されている。油圧シリンダ55はパレット52の後部の両外側の床面に立設されている。そして、ピストンロッド55aの先端が上段パレット52aに固定されている。パレット52はピストンロッド55aを伸縮することによって一体で昇降させられる。ピットの上面が乗り入れ口となっているので、昇降させることによって所望のパレット52を乗り入れ口のレベルに一致させる。
【0003】
油圧ユニット56は図示しない油圧ポンプおよびポンプ駆動モータを含んでおり、この油圧ユニット56から油圧シリンダ55に作動油が供給される。この油圧ユニット56は通路部57に配設されている。この通路部57は地面に対応する位置(ピットの上端)であってパレット52の側方に位置し、ピット53に固定されて上下移動し得ないものである。このように、図3に示す立体駐車設備51の油圧ユニット56は地上レベルに設置されているため、ピット53内が雨水等によって冠水した場合でも油圧ユニット56の浸水による被害が少なくて済む。
【0004】
しかしながら、立体駐車設備ではその主たる音源はパレットを昇降させる油圧ユニット等の駆動装置の作動に伴うものであり、この駆動装置が地上レベルに設置されていることにより騒音の問題が生じる。通常は図3に示すように油圧ユニット56が利用者の障害とならないようにこれを立体駐車設備の後方に配置されているが、この位置は一般的に隣地境界である場合が多い。かかる点がさらに騒音の問題を大きくしている。
【0005】
パレットを駆動装置によってピット内とピット上とに昇降させる立体駐車設備としては、前述のものの他に特公平2−29144号公報、特開平8−53950号公報、特開2000−17874号公報、実開平4−52165号公報、実開平4−59250号公報等において知られている。これらの立体駐車設備ではパレット昇降駆動装置はピット内の中間部分またはピット床面に設置されているので、ピット内が冠水した場合には駆動装置内への浸水のおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、ピット冠水時の駆動装置の浸水被害を防止しつつ低騒音化を可能にし、また、冠水時にも作動が可能なパレット昇降駆動装置およびこの駆動装置が適用された立体駐車設備を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の立体駐車設備の駆動装置は、車両搭載パレットをピット内とピット上との間を昇降させる油圧シリンダを駆動するための油圧ユニットと、該油圧ユニットを液密に覆うカバーと、該カバーに配設された、カバー内とピットの上方とを連通する通気配管とを備えており、上記カバーが天板部および側板部を有する容器状を呈しており、側板部の下端がシール部材を介装してピットの床面に取り付けられるように構成されている。また、本発明の他の駆動装置は、上記カバーが、天板部、側板部および床板を有する容器状を呈しており、該カバーの内部に上記油圧ユニットが収容されている。本発明のさらに他の駆動装置は、上記油圧ユニットが、液密の作動油タンク、該作動油タンクの上に配置された油圧ポンプおよびポンプ駆動モータを備えており、上記カバーが、油圧ポンプおよびポンプ駆動モータを収容した状態で作動油タンク上に設置されている。
【0008】
かかる駆動装置によれば、たとえ立体駐車設備のピット内の床面に設置されていても駆動源がカバーによって密に覆われているため、ピットが冠水しようとも駆動源は浸水被害を免れる。また、駆動装置の作動に伴う騒音が低減される。さらに、カバー内とピットの上方とを連通する通気配管が配設されているため、駆動源の冷却効果が生じる。
【0009】
また、上記通気配管に、駆動源に電力を供給するための電線が挿通されてなる駆動装置が好ましい。ピットへの浸水や冠水に備えて給電機構への特別な防水策が不要だからである。
【0010】
さらに、上記通気配管が二本配設されており、一方の通気配管に送風機が配設されてなる駆動装置にあっては、発熱源たる駆動源の冷却効果が一層向上するので好ましい。
【0011】
本発明の立体駐車設備は、ピットと、このピット内とピット上との間を昇降する車両搭載パレットと、この車両搭載パレットを昇降させるための伝動装置と、この伝動装置を駆動するための駆動装置とを備えており、この駆動装置が、上記ピット内に配設されている。
【0012】
かかる立体駐車設備によれば、駆動源はその浸水被害を免れることができ、また、駆動装置の作動に伴う駐車設備の騒音が低減される。そのために特別な機器や設備を必要とすることはない。
【0013】
上記伝動装置としては、たとえば油圧シリンダ、送りねじ機構、スプロケットおよびチェーン等が考えられる。また駆動源としては、伝動装置が油圧シリンダである場合には油圧ポンプおよびポンプ駆動モータを含む油圧ユニットであり、伝動装置が送りねじ機構並びにスプロケットおよびチェーンである場合には電動モータである。
【0014】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照しながら本発明の立体駐車設備およびそのパレット昇降用の駆動装置の実施形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の立体駐車設備の一実施形態を示す斜視図である。
【0016】
図示の駐車設備はピット53内に上中下三段のパレット1、2、3を備えたパレット群が二列配設されたものである。とくに三段に限定されることはなく、一段若しくは二段であってもよく、または四段以上であってもよい。また、二列に限らず、一列であってもよく、三列以上であってもよい。両パレット1、2、3は複数本の支柱4によって相互に上下間隔をおいて固定されている。図1では向かって左側のパレット1、2、3(パレット群ともいう)が上昇位置にあり、向かって右側のパレット群が下降位置にある状態を示している。図中の矢印Fは乗り入れる車両の進入方向を示す。
【0017】
パレット群の左右両側辺にはパレット昇降手段としての、すなわち後述の駆動源20からパレットへの伝動装置としての油圧シリンダ5が配設されている。シリンダ本体(外筒ともいう)5aの基端が床に固定され、ピストンロッド5bの先端が上段パレット1の側辺に固定されている。また、上記とは逆さにして、ピストンロッド5bの先端を床面に固定し、外筒5aの基端を上段パレット1の側辺に固定してもよい。
【0018】
この油圧シリンダ5を作動させるための駆動装置としての油圧ユニット6がピット53内の床面に設置されている。油圧ユニット6はパレット群の昇降の障害にならないように両パレット群の間のスペースに設置されている。このように油圧ユニット6がピット53内にあるため、その作動に伴う騒音はピット53上に伝播することが大きく制限される。また、騒音の上方への発散がパレットの存在によって一層制限される。油圧ユニット6からは各油圧シリンダ5へ給油管7が配管されている。この油圧ユニット6はカバー8によって外部から液密に封じられている。このカバー8にはカバー8の内部とピット53の上方外部とを連通する通気配管9が配設されている。
【0019】
図2に油圧ユニット6の詳細が示されている。油圧ユニット6は、そのカバー8内に油圧ポンプ10、ポンプ駆動モータ11、作動油の吐出管12、作動油の切替弁13、図示しない作動油の戻り管等が収納されたものである。駆動源20たるこれらの機器10、11は、作動油タンク14の上に設置されているが、配置は適宜変更可能である。
【0020】
上記カバー8は図示のごとく駆動源20全体の上面を覆う天板部8aおよび側部全周を覆う側板部8bから構成されている。駆動源20の底部にはカバー8の一構成部品として床板を取り付けてもよい。すなわち、カバー8を液密な容器状にするのである。または、床板を設けずに上記側板部8bをシール部材等を介してピット床面に液密状態で取り付けてもよい。図示のカバー8はその側板部8bが作動油タンク14から間隔を置いて形成されているが、かかる構成に限定されない。作動油タンク14は本来外部とは液密であるから、この作動油タンク14の上部にのみカバー8を形成してこの中に駆動源20たる油圧ポンプ10およびポンプ駆動モータ11を収容してもよい。
【0021】
カバー8は鋼板等の金属から形成される場合は各辺のつなぎ目は溶接によるか、またはガスケットを介在させてボルト止めしたりする。また、天板部および側板部をプラスティックから一体に成型すれば気密や防錆が完全なものとなり、しかも軽量となるので好ましい。カバー8の形状は図示のような直方体に限定されることはなく、製造の容易性、搬送や取り付けの容易性、内蔵機器の形状への適合性等を考慮して立方体、円柱体等の任意の形状にすればよい。
【0022】
本実施形態では、二本の通気配管9a、9bがカバー8に取り付けられている。そのうちの一方の通気配管9aの内部には駆動モータ11に電力を供給するための電気ケーブル15が挿通されている。こうすることにより、ピット冠水時のために駆動モータ11への給電機構に特別な防水施策の必要がない。他方の通気配管9bには送風機16が取り付けられている。こうすることにより、カバー内へ外気が循環するので油圧ユニット6が効果的に冷却される。もちろん、この送風機16は電気ケーブル15が挿通された通気配管9aに取り付けてもよい。ピット53上端より上に突出した通気配管9a、9bの上端は、雨水の流入防止のために横方向または下方に湾曲させられる。また、この上端にフィルタを取り付けてもよい。
【0023】
本実施形態では二本の通気配管9a、9bを取り付けているが、これに限定する必要はない。たとえば、一本の通気配管のみを配設し、この中に電気ケーブル15を挿通してもよい。また、通気配管を二重管とし、内管および外管のいずれか一方に電気ケーブル15を挿通してもよい。
【0024】
油圧ユニット6の切替弁13に接続された給油管7および図示しない戻り管は、カバー8に形成された貫通孔17を貫通している。この貫通孔17には上記吐出管12等との間を液密にするためのシール部材18が取り付けられている。
【0025】
以上のごとく、油圧ユニット6はカバー8によって外部から液密状態で密封されているので、ピット冠水時にも油圧ユニット6が雨水の影響を受けることがない。したがって、ピット冠水時にも油圧ユニット6を作動させることが可能となる。また、油圧ユニット6がカバー8によって密封されていることおよびピット53内部の床面に設置されていることにより、その運転時の騒音が低減される。さらに、カバー8の内部が通気配管9を通してピット53の上方において大気と通じているため、油圧ユニット6の作動時にカバー8内部が負圧になることが防止される。油圧ポンプ10の作動によって作動油タンク14の油面レベルが低下するが、その分、通気配管9を通して空気が供給されるためである。また、カバー8内の空気の入れ替わりによって油圧ユニット6に対する冷却効果が生じる。
【0027】
空気圧駆動の場合は前述した油圧ユニットと同様の配置構成になる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、立体駐車設備のピットが冠水したばあいであっても駆動装置の浸水被害を防止することができ、また、駐車設備全体の低騒音化が可能になる。しかも、ピット冠水時にも油圧ユニットを作動させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体駐車設備の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1における駆動装置の一実施形態を示す側面断面図である。
【図3】従来の立体駐車設備の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・上段パレット
2・・・・中段パレット
3・・・・下段パレット
4・・・・支柱
5・・・・油圧シリンダ
5a・・・(油圧シリンダの)シリンダ本体
5b・・・(油圧シリンダの)ピストンロッド
6・・・・油圧ユニット
7・・・・給油管
8・・・・カバー
8a・・・天板部
8b・・・側板部
9・・・・通気配管
10・・・・油圧ポンプ
11・・・・ポンプ駆動モータ
12・・・・吐出管
13・・・・切替弁
14・・・・作動油タンク
15・・・・電気ケーブル
16・・・・送風機
17・・・・貫通孔
18・・・・シール部材
20・・・・駆動源
53・・・・ピット

Claims (6)

  1. 車両搭載パレットをピット内とピット上との間を昇降させる油圧シリンダを駆動するための油圧ユニットと、
    該油圧ユニットを液密に覆うカバーと、
    該カバーに配設された、カバー内とピットの上方とを連通する通気配管とを備えており、
    上記カバーが天板部および側板部を有する容器状を呈しており、側板部の下端がシール部材を介装してピットの床面に取り付けられるように構成されてなる立体駐車設備の駆動装置。
  2. 車両搭載パレットをピット内とピット上との間を昇降させる油圧シリンダを駆動するための油圧ユニットと、
    該油圧ユニットを液密に覆うカバーと、
    該カバーに配設された、カバー内とピットの上方とを連通する通気配管とを備えており、
    上記カバーが、天板部、側板部および床板を有する容器状を呈しており、該カバーの内部に上記油圧ユニットが収容されてなる立体駐車設備の駆動装置。
  3. 車両搭載パレットをピット内とピット上との間を昇降させる油圧シリンダを駆動するための油圧ユニットと、
    該油圧ユニットを覆うカバーと、
    該カバーに配設された、カバー内とピットの上方とを連通する通気配管とを備えており、
    上記油圧ユニットが、液密の作動油タンク、該作動油タンクの上に配置された油圧ポンプおよびポンプ駆動モータを備えており、
    上記カバーが、油圧ポンプおよびポンプ駆動モータを液密に収容した状態で作動油タンク上に設置されてなる立体駐車設備の駆動装置。
  4. 上記通気配管に、駆動源に電力を供給するための電線が挿通されてなる請求項1〜3のうちのいずれか一の項に記載の立体駐車設備の駆動装置。
  5. 上記通気配管が二本配設されており、一方の通気配管に送風機が配設されてなる請求項1〜3のうちのいずれか一の項に記載の立体駐車設備の駆動装置。
  6. ピットと、
    該ピット内とピット上との間を昇降する車両搭載パレットと、
    該車両搭載パレットを昇降させるための伝動装置と、
    該伝動装置を駆動するための請求項1〜5のうち一の項に記載の駆動装置とを備えており、
    該駆動装置が上記ピット内に配設されてなる立体駐車設備。
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