JP3590671B2 - 負荷時タップ切換装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、負荷時タップ切換装置に関するもので、特に手動用のトルク検出手段を施した負荷時タップ切換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変圧器に設けられる負荷時タップ切換装置は、送配電系統の負荷が変動して、この変動による電圧変化が一定限度を越えた際に、変圧器に設けられているタップを切換えることにより、負荷側の電圧を一定に保つものである。その具体的な構成としては、変圧器のタップ用に機械的な接点を有し、更にその接点を動かす動作機構を有しているので、その動作状態を監視するには、機械的な内部異常を検出できるものでなければならない。従って、その検出方法の一つとして負荷時タップ切換装置の動作トルクをトルク検出器によって検出する方法が一般的に知られている。以下、トルク検出器を備えた従来の負荷時タップ切換装置の構成を図7を参照して説明する。
【0003】
変圧器タンク1内には、変圧器負荷電流を高速で開閉する遮断機構を有する切換開閉器2と、切換開閉器2と連動しタップ巻線のタップを選択するタップ選択器3と、を備えた負荷時タップ切換器4が収納されている。この負荷時タップ切換器4は、電動操作機構5内に収納されたモーター6からの回転力または、カップリング21を介して手動操作用駆動軸7に連結した手動操作用ハンドル8の手動による回転力によって駆動される。すなわちかかる回転力は、電動操作機構5内の歯車9a、9bまたは手動操作用駆動軸7から駆動軸10aへ、更に、電動操作機構5外の駆動軸10b、10c及びカサ歯車装置11a、11bを経由して、負荷時タップ切換器4に伝達される。そして、トルクセンサ12は電動操作機構5内の駆動軸10aに取付けられ、回転力が伝達されることにより動作した負荷時タップ切換器4の動作トルクを測定する。ここで、測定されたトルク信号は電動操作機構5内に据え付けられたA/D変換器13によってA/D変換され、トルク出力装置14に入力された後、送信ケーブル15を介して演算・判定部16に出力されて、演算処理と異常判定を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トルクセンサ12はその特性上回転する駆動軸に取付けるものであるため、新規製品に取り付けることは容易であるが、既設の負荷時タップ切換装置に取り付けるのは非常に困難で、駆動軸部分に大幅な改造が必要であった。更に、風雨等の外部環境の影響を受けることを防ぐため、収納ケースも必要であった。但し、電動操作機構5内の駆動軸である10aに取り付けるのであれば収納ケースは不要であるが、既設の電動操作機構はかかるトルクセンサ12を設置することなど前提として設計されているわけではないので、設置スペースがないのが普通である。従って、機器類の配置変更を行うか、電動操作機構収納箱を大型のものに交換するなどの処置が必要となる。更に、油中にある駆動軸系統に取り付ける場合には、外部の演算・判定部へトルクデータを導出するためのケーブル導出部をタンク外壁に新たに設置する改造を行わなければならない。かかる改造には、負荷時タップ切換器4を一時停止する等して駆動軸部分に大幅な改造をする必要があった。しかし負荷時タップ切換器4の一時停止は送配電系統の信頼性を損なう可能性があるため、望ましいものではない。
【0005】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、既設の負荷時タップ切換器にも容易に設置しうる、手動用のトルク検出器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明は請求項1記載の発明として、変圧器負荷電流を開閉する遮断機構を有する切換開閉器と、この切換開閉器と連動してタップ巻線のタップを選択するタップ選択器とを備えた負荷時タップ切換器と、内部に収納したモータの回転力によって前記負荷時タップ切換器を駆動する電動操作機構と、この電動操作機構に連結され手動操作による回転力によって前記負荷時タップ切換器を駆動する取り外し可能な手動操作用ハンドルと、を備えた負荷時タップ切換装置において、
前記手動操作用ハンドルにトルクセンサを組み込んで構成した可搬式トルク検出器と、前記手動操作用ハンドルの回転数を検出する回転検出器と、前記可搬式トルク検出器と前記回転検出器とにより出力される出力信号をA/D変換するA/D変換器と、これにより変換された出力信号を基に演算処理と異常判定を行う演算・判定部とを備えたことを特徴とする負荷時タップ切換装置を提供する。
【0007】
また、請求項2記載の発明として、前記可搬式トルク検出器から出力される出力信号を電波として送信する送信器と、前記送信器からの電波信号を受信する受信器と、この受信器により受信された信号をA/D変換するA/D変換器と、これにより変換された信号を基に演算処理と異常判定を行う演算・判定部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換装置を提供する。
【0008】
また、請求項3記載の発明として、前記可搬式トルク検出器と前記回転検出器とから出力される出力信号を電波として送信する送信器と、前記送信器からの電波信号を受信する受信器と、この受信器により受信された信号をA/D変換するA/D変換器と、これにより変換された信号を基に演算処理と異常判定を行う演算・判定部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換装置を提供する。
【0009】
また、請求項4記載の発明として、前記演算・判定部は、前記回転検出器からの回転数データを基に慣性トルクを算出する慣性トルク算出部と前記可搬式トルク検出器からのトルクデータとに基いて実際の動作トルク値を算出する補正トルク演算部と、前記負荷時タップ切換器の基準となる動作時間及び動作トルクの判定値を記憶しておく記憶部と、この判定値と前記実際の動作トルク値あるいは前記回転数データとを比較することにより動作トルクの異常の有無を判別する異常判定部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の負荷時タップ切換装置を提供する。
【0010】
【作用】
請求項1の発明はかかる構成を有することにより、既設の負荷時タップ切換装置に、手動用のトルク検出器を簡便に取付けることが可能となる。
請求項2の発明は信号送信方式として無線方式を採用したことにより、電波の受信可能な範囲内であれば、A/D変換器や演算・判定部を有した受信部を1台に統合することが出来、また設計の自由度を高めることが可能となる。
【0011】
請求項3の発明は信号送信方式として無線方式を採用し更に、無線信号に回転検出器の信号を加えたことにより、既設の負荷時タップ切換装置に、手動用のトルク検出器を簡便に取付け得る請求項1の作用と、電波の受信可能な範囲内であれば、A/D変換器や演算・判定部を有した受信部を1台に統合することが出来、また設計の自由度を高めうる請求項2とを併せた作用を得ることができる。
請求項4の発明はかかるシステムを採用したことにより、手動操作によって生ずる負荷のムラを補正することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明における負荷時タップ切換装置の一実施例を図1を参照して説明する。なお、図7と同一部分には同一符号を附して説明は省略する。
手動操作用ハンドル8にトルクセンサ12を組み込んだ可搬式トルク検出器17を、手動操作用ハンドル8の回転に連動しないように固定台18に固定する。更にこれをカップリング21を介して手動操作用駆動軸7へ連結して操作する。また、可搬式トルク検出器17は、回転検出器19をも有しており手動操作用ハンドル8にて発生する駆動トルクとその回転数を検出している。これらにより検出されたトルクデータと回転数データは送信ケーブル等を介してA/D変換器13に出力され、ここでA/D変換された後、トルク出力装置14あるいは回転数出力装置20を経由して演算・判定部16に出力される。そして、この演算・判定部16において、回転数データとトルクデータを組み合わせた演算処理と異常判定が行われる。
【0013】
かかる構成を有する負荷時タップ切換装置においては、手動操作用ハンドル8にトルクセンサ12を組み込んだ可搬式トルク検出器17を既設の電動操作機構5内に設られた手動操作用駆動軸に組み合わせるものなので、負荷時タップ切換器4を手動で操作させる場合は、カップリング21を介して連結された操作用ハンドル8を可搬式トルク検出器17と取り換えるだけでトルク検出器を容易に取り付けることが可能となる。また、トルクデータ以外に回転数データを取り込んでいるため、単純な発生トルクと基準値との比較判定以外にも、回転角度とトルクとの相関性から異常を検出しうる、高度な判定を行うことが可能となる。
【0014】
また、本発明の第二の実施例を、図2を参照して説明する。
本実施例においては可搬式トルク検出器17に送信器40を備えていることを特徴とする。この送信器40によって、検出されたトルク信号を電波によって送信する。この電波を演算・判定部16に接続された受信器41により受信する。この受信された信号はA/D変換器13によりA/D変換され、演算・判定部16に出力される。
【0015】
かかる構成を有する負荷時タップ切換装置においては、可搬式トルク検出器17に、送信器40を組み合わせたため、従来、トルク検出器の近傍に設置しなければならなかったA/D変換器13を、遠隔の演算・判定部近傍に設置すればよくなり、また、出力装置や送信ケーブル等が不要になるため、トルク検出時には、電動操作機構5内に可搬式トルク検出器17だけをもって行けばよく、可搬性に優れた構成となっている。更に、図6に示すように数台の変圧器60が設置されている発電所や変電所などでは、従来方式だと、変圧器1台に対してそれぞれA/D変換器13と演算・判定部16が1個ずつ必要であったが、本実施例では信号送信方式として無線を一部採用したことにより電波の受信可能な範囲内であれば、A/D変換器13や演算・判定部16を有した受信部を1台に統合することが出来、受信部の方も小型化することが可能となる。従って、変電所全体の設計の自由度を高めることができる。
【0016】
また、本発明の第三の実施例を、図3を参照して説明する。
本実施例においては、送信器40を備えた可搬式トルク検出器17に、更に回転検出器19を備えていることを特徴とする。これらの検出器により検出されたトルクデータと回転数データは、送信器40から電波によりそれぞれ送信している。この電波は演算・判定部16に接続された受信器41によってそれぞれ受信された後、A/D変換器13によりA/D変換され、演算・判定部16に出力される。
【0017】
かかる構成を有する負荷時タップ切換装置では、可搬式トルク検出器17に、回転検出器19を組み合わせたため、第一実施例と同様に、回転角度とトルクとの相関性から異常を検出し得る高度な判定を行うことが可能となる。また、第二実施例のように送信器40を備えたことにより、可搬性に優れた構成となっているとともにA/D変換器13や演算・判定部16を有した受信部を1台に統合することができる。
【0018】
また、図4に示す実施例は、可搬式トルク検出器17と回転検出器19とから出力されるトルクデータと回転数データを演算・判定するための演算・判定部16の構成を示している。
【0019】
回転検出器19の据え付けられたトルク検出器17から演算・判定部16に出力されるデータは、トルクデータ50と回転数データ51がある。先ず、演算・判定部16に取り込まれた回転数データ51から、慣性トルク算出部52にて、手動操作時に発生する慣性トルク値が算出される。そして、算出された慣性トルク値は、補正トルク演算部53にて、可搬式トルク検出器17から送られてきたトルクデータ50と組み合わせて実際に負荷時タップ切換器4の動作によって生じた実トルク値を演算する。一方、異常判定部55では、こうして演算された実トルク値を記憶部54に記憶しておいた基準値としての判定値と比較することにより、異常判定を行う。更に、回転数データ51を読み込み、動作開始点からの回転数により動作時間を算出し、その時点でのトルク値を算出し、記憶部54に記憶された動作時間ごとの判定値と比較して異常判定を行う。
【0020】
かかる構成を有する実施例においては、手動操作によって生ずる負荷のムラを補正することができる。つまり、通常のモータ6で駆動させて負荷時タップ切換器4を動作させる場合は、ほぼ一定の角速度で駆動されるので、角加速度もほぼ0となり、検出トルク値にバラツキは少なくなる。しかし、手動操作により動作させる場合は、角速度にバラツキが生じ角加速度にもバラツキが生ずるため、モータ6の動作で考慮する必要のなかった慣性力の変化の影響を考慮する必要がある。そのため、慣性トルク算出部52では、回転数の時間当たりの変動値を計測することにより、手動操作時のハンドルの角加速度ω’を求め、全ての検出トルクデータ毎の慣性トルク値Tz を以下の式で算出している。
【0021】
Tz =I×ω’
I:トルク検出部の慣性モーメント
次に、補正トルク演算部53において、計測トルク値とトルクが計測された時点毎の慣性トルク値とを組み合わせて、負荷時タップ切換装置4に発生する実トルク値を算出するようにしている。実トルク値To は以下の演算式で算出する。
【0022】
To =Ta ±Tz
Ta :手動操作部に設けたトルク検出器で検出された計測トルク値
こうして算出された実トルク値は、判定部55で記憶部に記憶させておいた上限または下限判定値の正常範囲内にあることを確認することで、異常判定している。これにより、バラツキのある手動操作であっても、精度の良いトルク検出が可能となる。
【0023】
また、回転数データから負荷時タップ切換器4の動作中の駆動軸回転角度を時間とともに読みとることにより、図5に示すようなトルク波形を得ることができる。一方、記憶部54に、タップ選択器3の接点のON・OFF動作点63,64や、切換開閉器2の切換開閉器動作点65などといった代表的な動作時間を記憶しておけば、図5にあるように各検出トルク値が負荷時タップ切換器のどの動作時に発生した動作トルクなのかを識別することができる。この識別を行う各動作領域毎に、記憶部54でそれぞれ判定値を設けることにより、各動作毎の異常判定を行い、異常トルク発生時には、どの動作箇所で異常が発生しているのかの特定が可能となり、より精度の高いトルクによる診断が可能となる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、可搬性のある可搬式トルク検出器を手動操作用駆動軸に組み合わせてトルク検出を行うことにより、既設の負荷時タップ切換器を手動で動作させる場合であれば、大幅な改造をせずに動作トルクを簡単に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の負荷時タップ切換装置の構造断面図。
【図2】本発明の第二実施例の負荷時タップ切換装置の構造断面図。
【図3】本発明の第三実施例の負荷時タップ切換装置の構造断面図。
【図4】本発明の演算・判定部のシステム構成を示すブロック図。
【図5】負荷時タップ切換装置に発生する駆動トルクの出力波形を示す図。
【図6】本発明の第二及び第三実施例の適用例を示す図。
【図7】従来の負荷時タップ切換装置の構造断面図。
【符号の説明】
2…切換開閉器、3…タップ選択器、4…負荷時タップ切換器、5…電動操作機構、6…モータ、8…手動操作用ハンドル、12…トルクセンサ、13…A/D変換器、16…演算・判定部、17…可搬式トルク検出器、19…回転検出器、40…送信器、41…受信器、50…トルクデータ、51…回転数データ、52…慣性トルク算出部、53…補正トルク演算部、54…記憶部、55…異常判定部。
Claims (4)
- 変圧器負荷電流を開閉する遮断機構を有する切換開閉器と、この切換開閉器と連動してタップ巻線のタップを選択するタップ選択器とを備えた負荷時タップ切換器と、内部に収納したモータの回転力によって前記負荷時タップ切換器を駆動する電動操作機構と、この電動操作機構に連結され手動操作による回転力によって前記負荷時タップ切換器を駆動する取り外し可能な手動操作用ハンドルと、を備えた負荷時タップ切換装置において、
前記手動操作用ハンドルにトルクセンサを組み込んで構成した可搬式トルク検出器と、前記手動操作用ハンドルの回転数を検出する回転検出器と、前記可搬式トルク検出器と前記回転検出器とにより出力される出力信号をA/D変換するA/D変換器と、これにより変換された出力信号を基に演算処理と異常判定を行う演算・判定部とを備えたことを特徴とする負荷時タップ切換装置。 - 前記可搬式トルク検出器から出力される出力信号を電波として送信する送信器と、前記送信器からの電波信号を受信する受信器と、この受信器により受信された信号をA/D変換するA/D変換器と、これにより変換された信号を基に演算処理と異常判定を行う演算・判定部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換装置。
- 前記可搬式トルク検出器と前記回転検出器とから出力される出力信号を電波として送信する送信器と、前記送信器からの電波信号を受信する受信器と、この受信器により受信された信号をA/D変換するA/D変換器と、これにより変換された信号を基に演算処理と異常判定を行う演算・判定部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換装置。
- 前記演算・判定部は、前記回転検出器からの回転数データを基に慣性トルクを算出する慣性トルク算出部と前記可搬式トルク検出器からのトルクデータとに基いて実際の動作トルク値を算出する補正トルク演算部と、前記負荷時タップ切換器の基準となる動作時間及び動作トルクの判定値を記憶しておく記憶部と、この判定値と前記実際の動作トルク値あるいは前記回転数データとを比較することにより動作トルクの異常の有無を判別する異常判定部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の負荷時タップ切換装置。
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