JP3591642B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理装置に係り、特に、ガス種、ガス圧力、高周波電力等の各種パラメータの広範囲な設定に対して、高密度で、高均一性のプラズマを発生させ、被処理物のプラズマ処理を良好に実施することを可能にしたプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超高密度集積回路(ULSI)においては、各部の構成要素の微細化、これらの構成要素の高集積回路化が急速に進み、0.13μm程度の微細構造のものが開発されるようになった。また、このような超高密度集積回路を形成する半導体ウエハにおいては、径が300mm程度の大口径のものが出現しており、DRAM(ダイナミックRAM)やフラッシュメモリだけでなく、システム高密度集積回路(LSI)に対して、エッチング技術においても、高精度のエッチングが可能な処理装置や大口径ウエハの処理が可能な処理装置が求められている。
【0003】
このような求めに応じて、プラズマ処理においては、大処理面積を高均一に処理できるだけでなく、高度な制御特性を有するものが必要になる。すなわち、プラズマ処理装置においては、プラズマ処理部が微細化され、かつ、加工寸法に対する規格が厳蜜になってきている。例えば、プラズマ処理によるエッチングにおいては、微細パターンの底部に正電荷が蓄積することによって起こる「ノッチ」という形状異常の発生を防ぐ必要がある。ところで、エッチングに使用されるCl2 、BCl3 、SF6 等の負性ガスでは、エッチング処理時に負イオンが形成されるが、形成された負イオンが微細パターンの底部に蓄積された正電荷を中和する働きがある。この負イオンは、電子温度が低いほど形成され易くなるので、低電子温度プラズマの実現が求められており、この低電子温度プラズマはVHFまたはUHF帯の高周波を用いたプラズマ処理装置によって実現される。
【0004】
プラズマ処理装置に供給される高周波は、その周波数に着目した場合、周波数が10MHz以下であれば、アンテナや対向電極とプラズマとが容量結合することによりプラズマが生成される。このとき、高周波の波長は、アンテナの径に比べて十分長く、アンテナに電位分布が生じないため、プラズマはアンテナ前面にわたってほぼ均一に生成される。
【0005】
これに対し、プラズマ処理装置に供給される高周波の周波数がVHF帯以上の周波数になると、高周波の波長が短くなり、アンテナの径に比べて長くなくなるので、アンテナ前面におけるプラズマ分布の均一性が損なわれるようになる。
【0006】
ここで、図12は、VHFやUHF帯の高周波を用いた既知のプラズマ処理装置の要部構成の一例を示す断面図である。
【0007】
図12において、50は筐体、51は真空容器、52は処理室、53は支持台(電極)、54は被処理物(ウエハ)、55はガス導入路、56は排気路、57は第1高周波発生源、58は高周波導波路、59は整合器、60はシールド体、61はディスク状アンテナ、62は誘電材料、63は磁場形成部、64は導入窓、65はガス分散板、66は第2高周波発生源である。
【0008】
そして、筐体50は、内部に真空容器51が配置される。真空容器51は、内側に処理室52が形成され、下部に真空排気を行う排気路56が結合される。処理室52は、内部に被処理物54を載置した支持台53が配置され、広口開口部にガス分散板65を介して導入窓64が設けられ、広口開口部を封止している。ガス導入路55は、ガス分散板65に結合され、ガス分散板65を通してガスを処理室52内に供給する。ディスク状アンテナ61は、導入窓64上に配置され、誘電材料62とともにシールド体60によって覆われる。高周波導波路58は、シールド体60及び筐体50の貫通孔を通してディスク状アンテナ61と外部の第1高周波発生源57とを接続するもので、一端がディスク状アンテナ61に結合され、他端が整合器59を通して第1高周波発生源57に接続され、第1高周波発生源57が発生するUHF帯(またはVHF帯)の高周波をディスク状アンテナ61に供給する。磁場形成部63は、筐体50内部に配置され、処理室52内に磁場を供給する。第2高周波発生源66は、支持台53に接続され、第2高周波発生源66が発生するUHF帯(またはVHF帯)の高周波を支持台53に供給する。
【0009】
前記構成によるプラズマ処理装置において、ガス導入路55からガスを処理室52内に供給し、第1高周波発生源57からディスク状アンテナ61に高周波を供給するとともに、第2高周波発生源66から支持台53に高周波を供給し、磁場形成部63から処理室52に磁場を供給すると、処理室52内にプラズマが発生する。このプラズマは、被処理物54に照射され、被処理物54の表面領域をプラズマ処理する。
【0010】
この場合、高周波がUHF帯(またはVHF帯)のものであるため、高周波は、電磁波の様相を呈し、プラズマ密度とカットオフ周波数との関係からプラズマ表面領域のみを伝播し、吸収されるようになる。そして、高周波は、単にディスク状アンテナ61から放射されるだけでなく、プラズマ領域表面のシース部分や高周波導波路58内に定在波を形成し、プラズマ領域表面の大きさやその形状に依存した電界分布を示す。かかる高周波の電界を所望の分布、例えば被処理物54の長さ(径)方向に平坦な分布になるようにするには、ディスク状アンテナ61の下部領域だけでなく、被処理物54の周辺領域の電界にも注意しなければならない。これは、被処理物54の周辺領域に生じる高周波の電界は、大きくなり易い性質を有しており、周辺領域に一旦プラズマが生成されると、高周波がそのプラズマ生成領域に集中するようになるため、プラズマ密度が益々大きくなるからである。
【0011】
図13(a)乃至(d)は、かかる高周波の電界の発生状況の一例を示す説明図であって、(a)はプラズマ処理装置の一部分の断面構成図、(b)はその部分における電界強度の発生状態、(c)はディスク状アンテナ61の径方向における電界の状態、(d)はディスク状アンテナ61の径方向における吸収パワーの状態をそれぞれ示すものであり、高周波周波数fが450MHzで、導入窓64が石英(比誘電率3.5)によって形成されているときのものである。
【0012】
図13(a)において、67はシース領域であり、その他、図12に図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号をつけている。また、図13(c)において、横軸はmで表した被処理物54の中心からの距離であり、縦軸は中心部の電界Ecenterに対する任意の位置の電界Eedgeとの比であり、図13(d)において、横軸はmで表した被処理物54の中心からの距離であり、縦軸は電磁波からプラズマに伝達されるパワー(吸収パワー)である。
【0013】
図13(b)に示されるように、UHF帯の高周波は、導入窓64とシース領域(プラズマ表面領域)64を伝播する。このとき、図13(c)に示されるように、導入窓64の直下の電界は、中心からの距離110mmのところで節を持った分布となり(TM01モード)、被処理物54の周辺部分にも電界Eedgeが存在し、かつ、プラズマ密度が上昇変化する特性になると、UHF帯の高周波がその部分に集中し、その部分のプラズマ密度が上昇し、それによりUHF帯の高周波は益々集中するようになる。その結果、図13(d)に示されるような特性になり、高周波パワー(密度)を変化させたときに、高周波のプラズマへの吸収パワー、プラズマ密度分布が変化する特性になる。
【0014】
このように、VHFやUHF帯の高周波を用いた既知のプラズマ処理装置は、アンテナ前面におけるプラズマ分布の均一性が損なわれるだけでなく、高周波パワー(密度)が変化することにより、プラズマ密度分布が変化するようになる。
【0015】
この他に、VHFまたはUHF帯の高周波を用いたプラズマ処理装置には、プラズマ発生状態を一部分に改良したものがいくつか知られている。その中の第1のものは、特開2000−195843号に開示のプラズマ処理装置であって、被処理物であるウエハと対向した位置に誘電材料を介してディスク状対向電極を配置しているものであり、その中の第2のものは、特開平7−307200号に開示のプラズマ処理装置であって、高周波を供給するアンテナ構造を、中心から外周方向に放射状に延びる複数のアンテナと外周の中心方向に延びる複数のアンテナとが互いに食い違うように構成しているものであり、その中の第3のものは、特開平10−12396号に開示のプラズマ処理装置であって、被処理物に供給されるプラズマの均一性を解決するために、アンテナ構造を、内側アンテナ導体と外側アンテナ導体との高さ方向の位置や長さを変えた共振器構造にしているものであり、その中の第4のものは、特開2000−195843号に開示のプラズマ処理装置であって、被処理物に供給されるプラズマの均一性を解決するために、被処理物であるウエハと対向した位置にあるディスク状対向電極(アンテナ)に、環状かつ溝状のプラズマトラップを設け、ウエハ上のプラズマ分布を制御するようにしているものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1のプラズマ処理装置は、アンテナと対向電極との間に誘電材料を配置し、対向電極における高周波の電位分布を緩和しようとするものであるが、高周波の電位分布に依存した容量結合によるプラズマの生成によって、対向電極の表面を伝播する電磁波によるプラズマ生成が支配的になり、対向電極における高周波の電位分布を緩和の効果は比較的小さいものである。
【0017】
前記第2のプラズマ処理装置は、放射状のアンテナを用いているため、アンテナの外周方向に向かうに従ってアンテナ導体の間隔が広くなり、その部分の電界が弱くなるだけでなく、アンテナ導体が存在する箇所と存在しない箇所では、電磁波の境界条件が異なっているので、電界はアンテナの周方向に対して一定にならないものである。
【0018】
前記第3のプラズマ処理装置は、要求される共振器構造が形成されたとき、アンテナから放射された強い電磁波がシース領域内を伝播するため、アンテナ放射パターンとシース領域内の電界パターンとは異なるものになり、必ずしもプラズマ分布を均一にすることができるとは限らないものである。
【0019】
前記第4のプラズマ処理装置は、対向電極に設けたプラズマトラップがプラズマ発生領域に形成されているもので、対向電極から放射された電磁波がプラズマトラップで強められ、プラズマトラップ周辺のプラズマ密度が高くなり、その領域の高密度のプラズマが被処理物の周辺部分に拡散し、プラズマトラップを設けていないものに比べ、被処理物全体にわたり均一なプラズマが得られるものであるが、プラズマがプラズマトラップの溝内に侵入するため、より均一なプラズマを得ることが難しいものである。
【0020】
このように、VHFやUHF帯の高周波を用いた既知のプラズマ処理装置は、被処理物の配置範囲内に均一なプラズマを生成させることが難しいだけでなく、被処理物の周辺部分のプラズマが各種パラメータの変化によって変動しないようにする配慮を欠いているものである。
【0021】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的は、VHFまたはUHF帯の高周波を用いてプラズマを生成する場合、各種パラメータの広範囲の変化に対応して、被処理物全体にわたり高密度、高均一性を持ったプラズマを実現することを可能にしたプラズマ処理装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によるプラズマ処理装置は、真空容器と、真空容器の内部に形成された処理室と、処理室にガスを供給するガス供給路と、処理室内にあって被処理物を支持する支持電極と、処理室内にUHFまたはVHF帯の高周波を導出するディスク状アンテナと、ディスク状アンテナに高周波を供給する高周波導波路と、処理室とディスク状アンテナとの間を仕切る誘電材料の導入窓と、ディスク状アンテナと導入窓との間にあってディスク状アンテナ周縁部に側面を接触状態にして配置したリング状導体とを備えるものであって、導入窓は、第1の誘電材料の導入窓と第2の誘電材料の導入窓とが重なり合うように配置したもので、2つの導入窓における第1の誘電材料と第2の誘電材料とが異なる誘電率を有しており、リング状導体は、そのリング内径がリング内部を伝播する高周波波長の2分の1の整数倍の±10%の範囲内に設定されている手段を具備する。
【0023】
前記手段によれば、ディスク状アンテナに側面が接触するようにリング状導体を配置し、リング状導体のリング内に高周波の定在波を発生させるようにしたもので、それによりリング内の電界強度が強くなり、周辺部分の電界強度が相対的に低下するので、高周波パワー(密度)が変化したとしても、プラズマへの吸収パワーの変動、すなわちプラズマ分布の変動を小さくすることができる。
【0024】
そして、前記手段においては、導入窓として、第1の誘電材料の導入窓と第2の誘電材料の導入窓とが重なり合うように配置したもので、導入窓における第1の誘電材料と第2の誘電材料とが異なる誘電率を有している構成にしたので、ディスク状アンテナ直下の高周波の定在波が強まり、プラズマ表面領域の定在波を強めることができ、前記手段の機能を増大させることができる。
【0026】
さらに、前記手段において、ディスク状アンテナに、ディスク状アンテナと導入窓との間隔またはディスク状アンテナと導入窓及び第2導入窓との間隔を調整可能なアンテナ昇降手段を結合した構成にすることができる。
【0027】
このような手段を採用すれば、ディスク状アンテナ直下の高周波の定在波の節の位置をディスク状アンテナの径方向に移動させることができ、それによりプラズマ分布の状態を自由に変化させ、ガス種や加工膜種に応じたプラズマ分布を実現することができる。
【0028】
また、前記手段においては、リング状導体のリング内径を、そのリング内部を伝播する高周波波長の2分の1の整数倍の±10%の範囲内に設定している構成にしたので、ディスク状アンテナ直下の高周波の定在波を強めることができ、その位置におけるプラズマの生成が容易になる。
【0030】
さらに、前記手段において、ディスク状アンテナの中央部分におけるリング状導体のリングで囲まれた領域内に、リング状導体の高さに等しい高さを有する突起状または円柱状導体を配置した構成にすることができる。
【0031】
このような手段を採用すれば、ディスク状アンテナの中央部分の高周波の電界を強めることができ、被処理物の中央部分の処理速度を高めることができる。
【0032】
また、前記手段において、導入窓の中央部分におけるリング状導体のリングで囲まれた領域内に、リング状導体の高さに近接した高さを有するリング状または円柱状誘電材料を配置した構成にすることができる。
【0033】
このような手段を採用すれば、ディスク状アンテナの中央部分の高周波の電界の窪みをなくすことができ、中央部分の高周波の電界の均一化を図ることができる。
【0034】
さらに、前記手段において、ディスク状アンテナ及び高周波導波路を、ディスク状アンテナの半径をa、高周波導波路の実効半径をRdとしたとき、a/Rdが0.4以下または0.6以上になるような寸法に設定することができる。
【0035】
このような手段を採用すれば、ディスク状アンテナの周辺部分の高周波の電界を低減させ、その部分のプラズマ分布を低減することにより、各種パラメータの広範囲の変化にも係わらず、被処理物全体にわたり高密度、高均一性を持ったプラズマを安定に生成させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は、本発明によるプラズマ処理装置の第1の実施の形態に係わるもので、その要部構成を示す断面図である。
【0038】
図1において、1は真空容器、2は処理室、3は支持台(支持電極)、4は被処理物、5はガス導入路、6は排気路、7は第1高周波発生源、8は高周波導波路、9は整合器、10はシールド体、11はディスク状アンテナ、12は誘電材料、13はリング状導体、14は導入窓、15はガス分散板、16は第2高周波発生源、17は充填材料、18は磁場形成部、19は筐体である。
【0039】
そして、この実施の形態によるプラズマ処理装置は、筐体19を有し、筐体19内に真空容器1が配置される。真空容器1は、内側に処理室2が形成され、下部に真空排気を行う排気路6が結合される。処理室2は、内部に被処理物4を載置した支持台3が配置され、広口開口部にガス分散板15を介して導入窓14が設けられ、それにより広口開口部が封止されている。ガス導入路5は、ガス分散板15に結合され、ガス分散板15を通してガスを処理室2内に供給する。ディスク状アンテナ11は、リング状導体13を介して導入窓14上に配置され、周辺に誘電材料12が配置され、誘電材料12とともにシールド体10によって覆われている。リング状導体13は、一方の側面がディスク状アンテナ11の周辺部分に接触し、他方の側面が導入窓14に接触しており、リング内に充填材料17が充填されている。高周波導波路8は、シールド体10及び筐体19の貫通孔(図番なし)を通してディスク状アンテナ11と外部にある第1高周波発生源7とを接続するもので、一端がディスク状アンテナ11の中心部に結合され、他端が整合器9を通して第1高周波発生源7に接続される。第1高周波発生源7は、UHF帯(またはVHF帯)の高周波を発生し、高周波導波路8を通してディスク状アンテナ11に供給する。磁場形成部18は、筐体19の内部に配置され、処理室2内に磁場を供給する。外部にある第2高周波発生源16は、支持台3に接続される。第2高周波発生源16は、UHF帯(またはVHF帯)の高周波を発生し、支持台3に供給する。
【0040】
前記構成による第1の実施の形態によるプラズマ処理装置の基本的な動作は、図12に図示された既知のプラズマ処理装置の動作と殆ど同じで、ガス導入路5に導入された処理ガスをガス分散板15を通して処理室2内に供給し、第1高周波発生源7から出力されたUHF帯(またはVHF帯)の高周波、例えば周波数450MHzの高周波を整合器9及び高周波導波路8を通してディスク状アンテナ11に供給してディスク状アンテナ11の下側部分に高周波電界を発生させ、同時に、第2高周波発生源16から出力されたUHF帯(またはVHF帯)の高周波、例えば周波数450MHzの高周波を支持台3に供給し、磁場形成部18から処理室2に磁場を供給すると、処理室2内にプラズマが生成される。このプラズマは、被処理物4に照射され、被処理物4の表面領域がプラズマ処理されるものである。
【0041】
この場合、ディスク状アンテナ11の周辺部分に側面が接触するようにリング状導体13を配置するようにしたので、そのリング内に高周波の定在波が形成され、リング内の電界を強めることができ、相対的にリング状導体11の周辺部の電界を弱めることができる。
【0042】
ここで、図8(a)、(b)は、第1の実施の形態によるプラズマ処理装置の電界分布及び吸収パワーの状態を示す特性図であって、(a)は電界分布、(b)は吸収パワーを表しているものである。
【0043】
図8(a)において、横軸はmで表したディスク状アンテナ11における中心からの距離、縦軸はディスク状アンテナ11の中心の電界E0 (Ecenter)で規格化した各部の電界E1 (Eedge)、E1 /E0 である。また、図8(b)において、横軸はmで表したディスク状アンテナ11における中心からの距離、縦軸は高周波からプラズマに移行される吸収パワーを示す。
【0044】
第1の実施の形態によるプラズマ処理装置は、図8(a)に示されるように、電界分布が、ディスク状アンテナ11の中心が最も高く、中心から周辺に行くに従って順次低くなり、最外周部分でほぼゼロになっており、また、図8(b)に示されるように、吸収パワーが、中心付近で比較的大きく、周辺に行くに従って順次小さくなり、最外周部分に近い部分から外でほぼゼロになっている。そして、第1の実施の形態によるプラズマ処理装置の吸収パワーは、図12に図示のリング状導体11を有しないプラズマ処理装置における同じく図13(d)に図示の吸収パワーに比べて周辺部分の吸収パワーが大幅に低下した特性になっているので、高周波パワー(密度)を変化したとしても、吸収パワー、すなわちプラズマ分布の変化が小さくなり、プロセスパラメータに依存するプラズマ分布の変化を少なくすることができる。
【0045】
次に、図2は、本発明によるプラズマ処理装置の第2の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナ11の配置部分の要部構成を示す断面図である。
【0046】
図2において、20は第2導入窓であり、その他、図1に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号をつけている。
【0047】
第2の実施の形態によるプラズマ処理装置は、第1の実施の形態によるプラズマ処理装置の導入窓14とリング状導体13との間に第2導入窓20を配置し、第2導入窓20を構成する誘電材料の誘電率を、導入窓14を構成する誘電材料の誘電率と異ならせているものであり、その他の構成は第1の実施の形態によるプラズマ処理装置と同じである。なお、第2導入窓20は、誘電材料によって形成するものの他に、空隙によって形成すものであってもよい。
【0048】
第2導入窓20は、空隙によって形成した場合、この空隙が2つの役割を果たしている。その1つの役割は、ディスク状アンテナ11の下側に強い電界を形成することであり、もう1つの役割は、プラズマ側から見て、導入窓14の誘電率が実質的に低く見えるようにしていることである。
【0049】
既に述べたように、UHF帯(またはVHF帯)の高周波は、プラズマ表面に形成されるシース領域中を伝播する。このシース領域の比誘電率εは、シース領域内のプラズマ密度をnes、素電荷をe、真空中の誘電率をε0 、電子の質量をme 、高周波の角周波数をωとしたとき、ε=1−nese2 /ε0 me ω2 になり、1以下の値となる。このため、ディスク状アンテナ11とプラズマ表面との間には、空気もしくは真空層からなる第2導入窓20(ε=1)と、石英からなる導入窓14(ε=3.5)と、シース領域(ε<1)とからなる3層構造が設けられる。このような3層構造を設けることにより、ディスク状アンテナ11の直下領域における高周波の定在波が強くなり、それによりプラズマ表面の定在波が強くなって、その領域のプラズマ密度を高めることができる。
【0050】
このとき、リング状導体13のリング内に充填されている誘電材料12中の高周波波長λは、誘電材料12の比誘電率をεr 、真空中の高周波波長をλ0 としたとき、λ=λ0 /εr 1/2 になり、また、導入窓14の厚さをd1、導入窓14の比誘電率をεr1、空隙または第2導入窓20の厚さをd2、その比誘電率をεr2としたとき、総合した導入窓14、20の誘電率εは、実質的に、ε=εr1 1/2 ×{d1/(εr1 1/2 d1+εr2 1/2 d2)}×εr1になる。
【0051】
ここで、図9(a)乃至(c)は、第2の実施の形態のプラズマ処理装置における高周波電界の発生状況の一例を示す説明図であって、(a)はプラズマ処理装置の一部分の断面構成図、(b)は空隙または第2誘電体20の厚さd2に依存するシース領域内における電界の発生状態、(c)は空隙または第2誘電体20の厚さd2に依存するディスク状アンテナ11の径方向の電界の状態である。
【0052】
図9(a)において、2’はシース領域であり、その他、図2に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号をつけている。
【0053】
図9(b)において、横軸はmで表したディスク状アンテナ11の中心からの距離であり、縦軸はディスク状アンテナ11の中心の電界|Ecenter|と、各部の電界|E|との比、すなわち|E|/|Ecenter|であって、シース領域2’内の電界の径方向成分Erと高さ方向成分Ezを表しているものである。そして、上段は空隙または第2導電窓20がない(d2=0)場合、下段は空隙または第2導電窓20の厚さが20mm(d2=20)の場合の特性図である。
【0054】
図9(c)において、横軸はmで表したディスク状アンテナ11の中心からの距離であり、縦軸はディスク状アンテナ11の中心の電界|Ecenter|で規格化した各部の電界、すなわちディスク状アンテナ11の中心の電界E0 (Ecenter)で規格化した各部の電界E1 (Eedge)、すなわち|E|(normalized)である。り、空隙または第2導電窓20がない(d2=0)場合と、空隙または第2導電窓20の厚さが10mm(d2=10)、20mm(d2=20)、30mm(d2=30)である場合の特性図である。
【0055】
図9(b)に示されるEr成分とEz成分は、プラズマ中の波長をβ、0次のベッセル関数をJ0 、1次のベッセル関数をJ1 としたとき、Er成分はJ1 (βr)に依存し、、Ez成分はJ0 (βr)に依存するもので、TM01モードと同じになる。いま、高周波の周波数を450MHzにした場合、真空中における高周波の1/4波長は166mmになり、石英中における高周波の1/4波長は88mmになる。この場合、図9(b)に示されるように、空隙または第2導電窓20の厚さd2を増やすにつれて、Ez成分はその節の位置が外側方向に移動し、実効的に高周波の波長が伸びているのが判る。例えば、高周波の周波数が450MHzにした場合、導入窓14として厚さd2=35mmのものを用いたとすると、図9(c)に示されるように、空隙または第2導電窓20がない場合(d2=0)のときに、r=150mm点の電界強度が低下しているが、空隙または第2導電窓20として厚さd2=10mm以上のもの設けると、|E|(normalized)が比較的均一な特性になる。
【0056】
これまでの例では、導入窓11の比誘電率εr1と、第2導入窓20の比誘電率εr2との間で、εr1>εr2を満たす場合を挙げて説明したが、このような関係は使用される高周波周波数や導入窓11の比誘電率εr1、第2導入窓20の比誘電率εr2等によって変わるもので、以下のように一般化される。
【0057】
すなわち、導入窓11及び第2導入窓20における比誘電率εr1、εr2の大きさ及びその厚さd2は、使用される高周波の波長と加工する被処理物4の大きさ(半径R)によって次のように一般化される。この場合、被処理物4の半径Rは、シース領域2’内における高周波の実効的な波長の1/4程度になるようにすればよく、前述の記号を用いれば、次のように表される。
【0058】
(1−1/10)R<(λ0 /4/εr1 1/2 )×{εr1 1/2 ×d1/(εr1 1/2 d1+εr2 1/2 d2)}<(1+1/10)R
例えば、UHFより波長の長いVHF帯の高周波を用い、導入窓11として石英(比誘電率=3.5)を用いたとき、直径300φの均一なプラズマを実現するためには、第2導入窓20として前の場合と反対に比誘電率の高いアルミナ(比誘電率=9.6)を用いることができる。
【0059】
次いで、図3は、本発明によるプラズマ処理装置の第3の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナ11の配置部分の要部構成を示す断面図である。
【0060】
図3において、21は空隙部、22は調整可能なアンテナ昇降手段であり、その他に、図1に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号をつけている。
【0061】
第3の実施の形態によるプラズマ処理装置は、第1の実施の形態によるプラズマ処理装置の導入窓14とリング状導体13との間に空隙部21を設けており、シールド体10を通してディスク状アンテナ11に達する調整可能なアンテナ昇降手段22が結合配置しているものであり、その他の構成は第1の実施の形態によるプラズマ処理装置と同じである。
【0062】
第3の実施の形態によるプラズマ処理装置は、アンテナ昇降手段22を設けているもので、アンテナ昇降手段22がシールド体10に螺合されている。そして、アンテナ昇降手段22の回動によってディスク状アンテナ11が昇降し、ディスク状アンテナ11及びリング状導体13と導入窓14との配置間隔が可変にされ、その間に空隙部21を設けられる。アンテナ昇降手段22の調整によりディスク状アンテナ11が昇降すると、ディスク状アンテナ11と導入窓14との間に空隙21が形成され、その空隙21の厚さはアンテナ昇降手段22の調整により変化する。
【0063】
第2の実施の形態の説明で述べたように、空隙21の厚さが増すと、プラズマ側から見た導入窓14の実効的な誘電率が低下するので、プラズマ表面に形成される高周波の電界分布の節が周辺方向に移動する。周辺部分のプラズマ密度を上昇させたいときは、空隙21の厚さを増大する方向にディスク状アンテナ11を移動させればよい。一方、周辺部分のプラズマ密度を低下させたいときまたはプラズマ密度を径方向に凸状の分布にしたいときは、空隙21の厚さが低減する方向にディスク状アンテナ11を移動させればよい。
【0064】
ここで、磁場形成部18が発生する外部磁場Bの役割について説明する。
【0065】
高周波がプラズマに供給するパワー(吸収パワーと呼ばれる)の密度pは、導電率をσ、Eの共役複素ベクトルをE* としたとき、p=σEE* で表わされ、p〜|E|2 +α|E×B|の形になる。高周波としてUHF帯のものを用いた場合、TM01モードになるので、円柱座標で表現したとき、角度成分θがなく、E=(Er、0、Ez)になる。外部磁場Bとして、B=(Br、0、Bz)を用いたとき、中心部分(r=0)のプラズマ分布付近を強めようとすると、Brの強い磁場分布を用いればよく、また、中間部分を強めようとすると、Erの山の位置においてBzが強くなる磁場分布を用いればよい。
【0066】
第3の実施の形態によるプラズマ処理装置においては、アンテナ昇降手段22の調整により電界分布が所望の分布になるように調整し、さらに、外部磁場Bの強度とその分布の調整により、|E×B|を変え、吸収パワー分布、すなわちプラズマ分布を凸状、平坦状、凹状になるように自由に変えることができる。これらの調整機能によって、種々のガス種や加工膜種に適したプラズマ分布を実現することが可能になる。
【0067】
続く、図4は、本発明によるプラズマ処理装置の第4の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナ11の配置部分の要部構成を示す断面図である。
【0068】
図4において、13Rはリング状導体13のリング部内径であり、その他、図2に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号をつけている。
【0069】
第4の実施の形態によるプラズマ処理装置は、第2の実施の形態によるプラズマ処理装置のリング状導体13のリング部内径13Rを、充填材料17内の高周波波長の1/2の整数倍程度に選んでいるものであり、その他の構成は第2の実施の形態によるプラズマ処理装置と同じである。
【0070】
第4の実施の形態によるプラズマ処理装置は、リング状導体13のリング部内径13Rを充填材料17内の高周波波長の1/2の整数倍程度に選択しているもので、このような選択を行った場合、リング状導体13のリングで囲まれた領域に形成される高周波の定在波の強度を、それ以外の領域に形成される高周波の定在波の強度よりも強めることにより、ディスク状アンテナ11の下部領域のプラズマ分布の大きさを他の領域のプラズマ分布よりも大きくすることができる。
【0071】
続いて、図5は、本発明によるプラズマ処理装置の第5の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナ11の配置部分の要部構成を示す断面図である。
【0072】
図5において、23は突起状または円柱状導体であり、その他、図1に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号をつけている。
【0073】
第5の実施の形態によるプラズマ処理装置は、第1の実施の形態によるプラズマ処理装置のディスク状アンテナ11の中央部に、リング状導体13のリング部の高さに略等しい高さを有する突起状または円柱状導体23を設けているものであり、その他の構成は第1の実施の形態によるプラズマ処理装置と同じである。
【0074】
また、図10は、第5の実施の形態のプラズマ処理装置によるディスク状アンテナ11の径方向の電界分布の変化状態を示す特性図である。
【0075】
図10において、横軸はmで表したディスク状アンテナ11の中心からの距離であり、縦軸はディスク状アンテナ11の中心の電界|Ecenter|と、各部の電界|Eedge|との比、すなわち|Eedge|/|Ecenter|であって、突起状または円柱状導体23の高さhを、0から34.5mmの範囲内で変化させたときの特性図である。
【0076】
第5の実施の形態のプラズマ処理装置は、ディスク状アンテナ11の中央部におけるリング状導体13のリング内に、突起状または円柱状導体23を設けているもので、突起状または円柱状導体23を設けたことにより、ディスク状アンテナ11の下部領域における高周波の電界分布は、突起状または円柱状導体23の高さhに応じて、図10に示されるような分布になる。図10に示される特性図から判るように、突起状または円柱状導体23がない場合(h=0)よりもある場合の方が、突起状または円柱状導体23がある場合でも、突起状または円柱状導体23の高さが高くなるに従ってディスク状アンテナ11の中央部の電界強度が上昇している。例えば、メタルのエッチング処理の場合のように、BCl3 のような解離や電離し難いガスや反応生成物が多く放出されるような処理工程においては、ディスク状アンテナ11の中央部のプラズマ密度が低下し、処理結果も中央部で窪みが形成され易くなる。このとき、第5の実施の形態のように、ディスク状アンテナ11の中央部に適宜選択した高さの突起状または円柱状導体23を設ければ、中央部の処理速度が調整され、その加工形状を改善することができる。この場合、突起状または円柱状導体23は、第2導入窓20の内部、さらには第2導入窓20及び導入窓14の中まで達するように形成すれば、より中央部の電界を向上させることができる。
【0077】
次に、図6は、本発明によるプラズマ処理装置の第6の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナ11の配置部分の要部構成を示す断面図である。
【0078】
図6において、24は円柱状またはリング状の誘電材料であり、その他、図2に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号をつけている。
【0079】
第6の実施の形態によるプラズマ処理装置は、第2の実施の形態によるプラズマ処理装置のリング状導体13のリング内の充填材料17を除去して空隙にし、ディスク状アンテナ11の中央部に、第2導電窓20からリング内に向かって立設された円柱状またはリング状の誘電材料24を設けているものであり、その他の構成は第2の実施の形態によるプラズマ処理装置と同じである。
【0080】
第6の実施の形態によるプラズマ処理装置は、ディスク状アンテナ11の中央部におけるリング状導体13のリング内に、第2導電窓20側から円柱状またはリング状の誘電材料24を設けているものである。この円柱状またはリング状の誘電材料24は、ディスク状アンテナ11の中央部の電界を高めるために、その高さが高い方が望ましいが、ディスク状アンテナ11に接するまでの高さを必要としない。
【0081】
この場合、円柱状またはリング状の誘電材料24は、円柱の半径またはリングの半径dsとして、高周波の径方向電界成分Erのピーク値を示す位置の半分程度、すなわちシース領域2’中の高周波波長の1/4の半分程度の長さに選択すればよい。具体的には、真空中の高周波波長をλ0 、導入窓14の誘電率をεsとすれば、近似的に、ds=εs1/2/(1+εs1/2)λ0 /4/2にすればよい。さらに、誘電材料24としてリング状のものを用いれば、より効果的にディスク状アンテナ11の中央部の電界の窪みをなくすことができる。なお、誘電材料24は、その誘電率が導入窓14の誘電率よりも大きいことが望ましいもので、使用される高周波の周波数を450MHzにし、導入窓14として石英(ε=3.5)を用いた場合、誘電材料24の材質としては、アルミナが好適であって、半径dsとして54mm程度の長さを選択すればよい。
【0082】
次いで、図7は、本発明によるプラズマ処理装置の第7の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナ11の配置部分の要部構成を示す断面図である。
【0083】
図7において、10Rはシールド体10の内部半径(導波路半径)、11Rはディスク状アンテナ11の半径であり、その他、図2に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号をつけている。
【0084】
第7の実施の形態のプラズマ処理装置は、シールド体10の内部半径10Rとディスク状アンテナ11の半径11Rとの間で、ディスク状アンテナ11の半径11Rをa、シールド体10の内部半径10Rをbとし、ディスク状アンテナ11とシールド体10の側壁との間に充填された誘電材料(図番なし)の比誘電率をεsとしたとき、ディスク状アンテナ11の半径aと実効導波路径cとの比γ(γ=a/c)が、0.4以下あるいは0.6以上になるように選択しているものである。ここで、実効導波路径cは、c={a+εs1/2(b−a)}で定義される。
【0085】
ここで、図11は、第7の実施の形態のプラズマ処理装置において、ディスク状アンテナ11の半径aと実効導波路径cとの比γを変化させたときの高周波電界の状況の変化を示す特性図である。
【0086】
図11において、横軸は比γであり、縦軸はディスク状アンテナ11の中心の電界|Ecenter|と、各部の電界|Eedge|との比、すなわち|Eedge/Ecenter|であって、ディスク状アンテナ11の側面領域に充填された誘電材料として、空気、アルミナ、石英を選択したときの特性図である。
【0087】
図11に示された特性図を用いて、ディスク状アンテナ11の半径aと実効導波路径cとの比γが高周波電界分布ひいてはプラズマ分布の決定因子になることを説明する。
【0088】
ディスク状アンテナ11の半径aを変えれば、ディスク状アンテナ11よりも外側方向の電界強度が変化する。図11に示されるように、横軸に比γ(=a/c)をとり、縦軸に|Eedge/Ecenter|をとったとき、ディスク状アンテナ11の側面領域に充填された誘電材料の誘電率、誘電材料が変化した場合であっても、ほぼ同様な曲線を描いている。この場合、比γとして、0.4以下あるいは0.6以上の範囲を選んだとすると、電界分布が低下している領域であることが判る。例えば、導波路径として220mmのものを用いると、ディスク状アンテナ11の半径aは88mm以下または132mm以上のものであればよい。一方、高周波の周波数fを変化させた場合については、アンテナ半径/実効導波路径をγ* =γ*(f/f0 )と定義すれば、前記範囲と同じ指数の範囲が周辺電界と中心電界との比についても当てはまる。ここで、f0 は基準周波数で、450MHzを選択している。なお、実効導波路径bは、それを用いる変わりにチャンバー径によって代用してもよい。
【0089】
このように、ディスク状アンテナ11の外周部分の電界を低下させることは、ディスク状アンテナ11の外周部分のプラズマ分布を低下させることになり、高周波パワーや、ガス圧及びガス種の変化に対するUHF、VHF帯の高周波の電界分布の変化を抑制することになる。その結果、高周波パワーや、ガス圧及びガス種を広い範囲で変化させたとしても、常時、安定したプラズマを生成することができる。
【0090】
このように、第1乃至第7の実施の形態によれば、ディスク状アンテナ11の半径aの選択したことにより、ディスク状アンテナ11の周縁部の下側にあるリング状導体13を配置したことにより、リング状導体13と導入窓14との間に第2導入窓20または空隙を設けたことにより、UHF、VHF帯の高周波電界分布について、第1に、被処理物4の配置範囲内の電界分布を強めること、また所望の電界分布、例えば、平坦状または若干の凹状の電界分布にすること、第2に、ディスク状アンテナ11の外周部分における高周波の伝播を低減させること、第3に、アンテナ昇降手段22の設置によってディスク状アンテナ11と導入窓14との実効距離を変え、プラズマ側から見た実効誘電率を変えること、等の各手段によって、高周波の電界分布がガス種に対応した所望のものになるように調整することができるものである。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ディスク状アンテナに側面が接触するようにリング状導体を配置し、リング状導体のリング内に高周波の定在波を発生させるようにしているもので、そのような定在波の発生によってリング内の電界強度が強くなり、周辺部分の電界強度が相対的に低下するので、高周波パワー(密度)や、ガス圧やガス種が変化したとしても、プラズマへの吸収パワーの変動、すなわちプラズマ分布の変動を小さくすることができ、その結果、広範囲のプロセスパラメータに対して高均一のプラズマを生成させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマ処理装置の第1の実施の形態に係わるもので、その要部構成を示す断面図である。
【図2】本発明によるプラズマ処理装置の第2の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナの配置部分の要部構成を示す断面図である。
【図3】本発明によるプラズマ処理装置の第3の実施の形態に係わるもので、その要部構成を示す断面図である。
【図4】本発明によるプラズマ処理装置の第4の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナの配置部分の要部構成を示す断面図である。
【図5】本発明によるプラズマ処理装置の第5の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナの配置部分の要部構成を示す断面図である。
【図6】本発明によるプラズマ処理装置の第6の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナの配置部分の要部構成を示す断面図である。
【図7】本発明によるプラズマ処理装置の第7の実施の形態に係わるもので、ディスク状アンテナの配置部分の要部構成を示す断面図である。
【図8】第1の実施の形態によるプラズマ処理装置の電界分布及び吸収パワーの状態を示す特性図である。
【図9】第2の実施の形態によるプラズマ処理装置の電界分布及び吸収パワーの状態を示す特性図である。
【図10】第5の実施の形態のプラズマ処理装置によるディスク状アンテナの径方向の電界分布の変化状態を示す特性図である。
【図11】第7の実施の形態のプラズマ処理装置において、ディスク状アンテナの半径と実効導波路径との比を変化させたときの高周波電界の状況の変化を示す特性図である。
【図12】VHFやUHF帯の高周波を用いた既知のプラズマ処理装置の要部構成の一例を示す断面図である。
【図13】高周波の電界の発生状況の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 真空容器
2 処理室
2’ シース領域
3 支持台(電極)
4 被処理物
5 ガス導入路
6 排気路
7 第1高周波発生源
8 高周波導波路
9 整合器
10 シールド体
11 ディスク状アンテナ
12 誘電材料
13 リング状導体
14 導入窓
15 ガス分散板
16 第2高周波発生源
17 充填材料
18 磁場形成部
19 筐体
20 第2導入窓
21 空隙部
22 アンテナ昇降手段
23 突起状またはリング状導体
24 円柱状またはリング状誘電体
Claims (1)
- 真空容器と、前記真空容器の内部に形成された処理室と、前記処理室にガスを供給するガス供給路と、前記処理室内にあって被処理物を支持する支持電極と、前記処理室内にUHFまたはVHF帯の高周波を導出するディスク状アンテナと、前記ディスク状アンテナに前記高周波を供給する高周波導波路と、前記処理室と前記ディスク状アンテナとの間を仕切る誘電材料の導入窓と、前記ディスク状アンテナと前記導入窓との間にあって前記ディスク状アンテナ周縁部に側面を接触状態にして配置したリング状導体とを備えるプラズマ処理装置において、前記導入窓は、第1の誘電材料の導入窓と第2の誘電材料の導入窓とが重なり合うように配置したもので、前記2つの導入窓における第1の誘電材料と第2の誘電材料とが異なる誘電率を有しており、前記リング状導体は、そのリング内径がリング内部を伝播する高周波波長の2分の1の整数倍の±10%の範囲内に設定されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
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