JP3591845B2 - 塗料組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は塗料組成物に関し、さらに詳しくは、塗膜外観及び塗膜性能に優れた被膜を与える、例えば自動車上塗塗料として好適に使用でき、硬い埃や洗車によって生じる擦傷や、公害である酸性雨に対して優れた抵抗性を有する塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車上塗としては従来アルキドメラミン樹脂塗料,アクリルメラミン樹脂塗料等が使用されているが、耐候性の点で必ずしも十分とはいえず長期間の美観を維持するために、ワックスがけを入念におこなっているが、満足できるものではなかった。かかる問題点を解決するためにフルオロオレフィン,シクロヘキシルビニルエーテル,アルキルビニルエーテル及びヒドロキシアルキルビニルエーテルを共重合してなる共重合体を含む被膜組成物が提案されている(特開昭 58−136662号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この被膜組成物はメラミンやイソシアネートなどで硬化した場合に耐候性に優れた塗膜は得られるものの、硬い埃や洗車によって生じる擦傷や、公害である酸性雨に対して、より優れた抵抗性をもつことを期待されている。
【0004】
一方過去に、フルオロエチレンと水酸基含有ビニルエーテルとを主成分モノマーとして共重合してなる含フッ素共重合体と、エチルシリケートの部分加水分解物などの縮合ケイ酸との混合物が擦傷防止の表面処理剤として検討されている。しかし、硬化収縮時の亀裂発生のため、塗膜厚みがおおむね 5μm以下であり、自動車上塗塗料として使用し、酸性雨遮断性などの耐薬品性の点で下塗塗料を保護するのに十分な塗膜厚みを得ることができなかった。また、架橋密度が大きいために、塗膜硬度は高いものの、小石などの飛散に対するチッピング性などが不良なことが判っている。また、塗装方法が主としてディッピングによるなど、従来の自動車用塗装設備を利用できないなどの問題点がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は前記した従来の自動車用上塗塗料の問題点を解決し、塗膜外観及び塗膜性能(例えば、耐候性,硬化性,リコート密着性など)に優れ、硬い埃や洗車によって生じる擦傷や酸性雨に対し優れた抵抗性を有する塗膜を与える塗料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)水酸基価45〜110mgKOH/g、酸価5〜12mgKOH/gである含フッ素共重合体の100重量部、並びに(B)アルコキシシランの部分加水分解縮合物または金属アルコキシドの部分加水分解縮合物の5〜200重量部、を含有してなることを特徴とする塗料組成物を提供する。
【0007】
本発明の塗料組成物に配合される共重合体(A)は、水酸基価45〜110mgKOH/g、酸価5〜12mgKOH/gの共重合体である。かかる共重合体の使用によって所望の塗膜性能が得られる機構は必ずしも明確ではないが、共重合体中にカルボキシル基を導入することにより内部触媒の働きをするため、(B)のアルコキシシランの部分加水分解縮合物または金属アルコキシドの部分加水分解縮合物との一液型での均一混合を可能ならしめ、また架橋反応を、自動車用ライン塗装条件である140℃前後、30分前後の焼付条件での硬化を可能ならしめると考えられる。
【0008】
また、(B)のアルコキシシランの部分加水分解縮合物または金属アルコキシドの部分加水分解縮合物の硬化時に生じる収縮による亀裂の発生を防ぎ、塗膜としての耐チッピング性低下などの脆さを防ぐ適度な柔軟性を与えたり、塗膜の耐久性,塗膜外観,硬化時の速度制御などに、水酸基価,酸価の調整が必要である。
【0009】
上記共重合体(A)の水酸基価は45〜110mgKOH/g、酸価は 5〜12mgKOH/g でなければならず、水酸基価が45mgKOH/g 未満であったり、酸価が 5mgKOH/g 未満であったりすると、硬化性が不足して塗膜性能が不良になるので好ましくなく、逆に水酸基価が110mgKOH/gを越えたり、酸価が12mgKOH/g を越えたりすると、硬化が過度になりすぎて塗膜が脆くなるので好ましくない。
【0010】
なお、ここで水酸基価及び酸価はそれぞれ以下のようにして測定したものをいう。
水酸基価:樹脂全重量とOH基含有モノマー量より計算
酸価:JIS−K−5400 8.5A 法
【0011】
本発明の塗料組成物に使用される(A)の含フッ素共重合体は、特公昭61−49323 号公報に記載された方法などにより製造が可能である。例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなどのフルオロオレフィンと、ヒドロキシアルキルビニルエーテル,ヒドロキシアルキルアリルエーテルなどの水酸基含有単量体とを共重合せしめる方法、あるいは、フルオロオレフィンと、ビニルアルコールのカルボン酸エステルの如き、加水分解により水酸基を発現する単量体を共重合した後、加水分解する方法などにより水酸基含有含フッ素共重合体を製造し、しかる後、多塩基酸無水物などを、該水酸基含有含フッ素共重合体の水酸基の量よりも少ない量にて、反応せしめることにより、水酸基および酸基を有する含フッ素共重合体が製造される。
【0012】
また、特開平1−268706号、特開平1−268707号、特開平1−268708号、特開平2−58555 号などに記載された方法、すなわち、フルオロオレフィン、水酸基含有単量体およびカルボキシル基含有単量体を共重合することにより、製造することも可能である。
【0013】
本発明における(A)の含フッ素共重合体は、水酸基価および酸価が上記範囲内にあれば、アルキルビニルエーテル、シクロアルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、カルボン酸ビニルエステルなどの単量体が共重合されていてもよい。
【0014】
また、本発明における(A)の含フッ素共重合体は、数平均分子量(GPCでポリスチレン換算で計算)が3000〜10000 の範囲にあるものが好ましい。数平均分子量が3000より小さいものは塗膜の耐久性が低下して好ましくない。また数平均分子量が10000 より大きいものは塗膜の外観が不良となる(例えば、鮮映性が悪くなる)ため好ましくない。
【0015】
また、(B)の成分は部分加水分解縮合物であることが重要である。アルコキシシランまたは金属アルコキシドを加水分解しないで使用すると、(A)成分との混合不均一、塗装時のハジキなどが発生し、添加量を増すと水酸基とアルコキシル基とのアンバランスを生じ、また、促進用触媒を添加しても前記焼付条件では十分でなく、アルコキシシランまたは金属アルコキシドによる収縮を生じ、単純な(A)成分の硬化剤としての役割を果たすのみで、本来の強靭性,耐擦傷性,耐薬品性を十分に発揮し得ない。貯蔵安定性もあり、混和性もある部分加水分解縮合物として使用することにより、本発明の成果を十分に発揮し得るものと考えられる。
【0016】
(B)の成分におけるアルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン,トリアルコキシシラン,ジアルコキシシランなどがあるが、塗膜の耐擦傷性などを考慮すると、テトラアルコキシシラン単独またはテトラアルコキシシランを主成分とし、若干のトリアルコキシシランまたはジアルコキシシランを含有することが好ましい。また、トリアルコキシシランまたはジアルコキシシランを併用することにより、硬化収縮時の亀裂発生を防止する適度の柔軟性が付与されることが期待できる。
【0017】
かかるアルコキシシランとしては、テトラブトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラメトキシシラン,テトラキス(2−メトキシエトキシ)シランなどが例示される。経済的には、テトラエトキシシランが安価に入手可能であることから好ましい。しかしながら、アルコキシル基の炭素数の小さいものは、硬化時に発生するアルコールが下地塗膜に悪影響(メタリックむらの発生など)を起こすことがある。一方、アルコキシル基の炭素数の大きいものは、硬化時に発生するアルコールの揮発性が悪く、塗膜中に残存するおそれがある。好ましくは、炭素数4〜8程度のアルコキシル基を有するシランである。
【0018】
また、(B)の成分がチタン,ジルコニウム,アルミニウムから選ばれる金属のアルコキシドの部分加水分解縮合物であってもよい。それぞれの金属により粘性及び塗膜の透明性(屈折率),耐薬品性,着色性,硬化速度に特徴があり、性能と経済性により選択して使用される。
また、前記アルコキシシランと同様に、金属のアルコキシドのアルコキシル基の炭素数が1〜12、特に3〜8であるものの部分加水分解縮合物が好ましい。具体的には Ti(O・i−C3H7)4, Ti(O・n−C4H9)4, Ti[OCH2CH(C2H5)C4H9]4, Zr(O・i−C3H7)4, Zr(O・n−C4H9)4, Zr[OCH2CH(C2H5)C4H9]4, Al(O・i−C3H7)3 , (i−C3H7O)2Al(sec−C4H9O),(sec−C4H9O)3Al などの部分加水分解縮合物が挙げられる。
【0019】
アルコキシシランまたは金属アルコキシドの部分加水分解は、通常行なわれるように所望の塗料としての貯蔵安定性や塗膜物性に応じた計画量の水の添加によって行なわれる。通常、アルコキシシランまたは金属アルコキシドと水を均一系において反応させるため、エタノール,イソプロパノール,ブタノール,エチルセルソルブなどのアルコール系溶剤を添加して行なわれる。また、塩酸,リン酸などの無機酸や、酢酸,トルエンスルホン酸などの有機酸が触媒として使用される。
【0020】
テトラエトキシシランやテトラブトキシシランなどの部分加水分解は、市販の部分加水分解縮合物を使用しても良いが、単純なアルコールなどを溶剤としたシリカゾルでは粒子表面がアルコキシル基でないものがあり、本発明の(A)成分との間に架橋反応を形成し得ないので十分な塗膜の強度,耐薬品性なども発揮し得ないため、注意を要する。
【0021】
(A)成分 100重量部に対して(B)成分の固形分を 5〜200 重量部、好ましくは10〜100 重量部加えることにより本発明の効果が発揮されるが、(B)成分がこれ以下の場合は架橋が不十分でもあり、耐擦傷性に対する塗膜強度が十分でなく、これ以上であると塗膜が脆くなり、耐チッピング性などが劣る他、固形分として10〜20μm以上塗布された場合に硬化収縮による亀裂を生じる。
【0022】
さらに(A)成分及び(B)成分を必須成分とするが、この他にアクリル樹脂その他の合成樹脂または天然樹脂、メラミン,イソシアネート,アミン,エポキシ,アルコキシシラン,金属アルコキシドなどの硬化剤や触媒及び着色顔料、補強用顔料なども、塗料としての貯蔵安定性や(A)成分と(B)成分との反応硬化を著しく妨げない範囲で加えられてよいことはもちろんである。
【0023】
本発明の塗料組成物は一般的な塗料の調製方法にしたがって調合することができる。例えば、前記した(A)成分,(B)成分,硬化剤及びその他の任意成分、例えば着色材料,レベリング剤,沈降防止剤,色分かれ防止剤,消泡剤,ハジキ防止剤,顔料分散剤,紫外線吸収剤,酸化防止剤などを分散混合することによって調合することができる。
【0024】
このようにして調製した塗料組成物は、着色顔料を配合してソリッドカラー塗料としたり、着色顔料を全く配合しないか、透明性を失わない程度に配合してクリヤー塗料として使用できる。
【0025】
クリヤー塗料は、アクリルメラミン樹脂塗料などのメタリックベース塗料と組合せて、2コート1ベークメタリック塗膜を形成することができる。また、アクリルメラミン樹脂塗料などの2コート1ベークメタリック塗膜やアルキドメラミン樹脂塗料などのソリッドカラー塗膜の上に、サンディングなしに 5〜35μmのクリヤー塗料を塗装することによっても、下地との密着性,リコート密着性及び塗膜外観,グロスリテンション,撥水性が良く、変色,褪色しにくいなどの耐候性に非常に優れた塗膜を得ることができる。特に本発明の組成物を用いることにより、膜厚が 5〜20μmでも耐候性が良く外観の良好な塗膜が得られる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、かかる実施例により本発明は何ら限定されるものでない。
【0027】
[実施例1]
内容積 2.5リットルのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧30kg/cm2)にキシレン 946g,エタノール 266g,シクロヘキシルビニルエーテル(以下、CHVEという)106 g、エチルビニルエーテル(以下、EVEという)61g,ω−ヒドロキシブチルビニルエーテル(以下、HBVEという)131 g,炭酸カリウム 5.5g、t−ブチルパーオキシピバレート50%キシレン溶液4mlを仕込み、冷却脱気とチッ素ガスによる加圧を繰返して溶存空気を除去する。しかるのちにクロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEという) 328g をオートクレーブ中に導入し昇温する。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点で圧力 4.0kg/cm2G を示す。
【0028】
その後オートクレーブを水冷し、反応を停止した。室温に達した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブを開放する。得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
【0029】
ポリマー収量は 607g,ポリマー濃度33%,モノマー反応率97%であった。得られたポリマーの固有粘度(テトラヒドロフラン中、30℃)は、0.040dl/g 、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量及びその比はそれぞれ 18000,6200,2.90であった。この共重合体の13C NMRスペクトルにより同定定量したポリマー組成は、CTFE/CHVE/EVE/HBVE(モル%)=50/15/15/20であった。
【0030】
引き続いて、蒸留によりエタノールを除去し、ろ過により炭酸カリウムを除去した後、無水コハク酸11g、トリエチルアミン 0.1gを加え、70℃にて加熱撹拌を行い、水酸基価90mgKOH/g ,酸価10mgKOH/g の樹脂を得て、これをキシレンにて固形分65%とした。
【0031】
この含フッ素共重合体溶液 154重量部にテトラエトキシシランの部分加水分解縮合物 HAS−1(シリカ分20重量%)(コルコート(株))を50重量部、キシレンを250 重量部配合し、塗料組成物を得た。この塗料組成物を用いて後述の評価を行った。
以下の実施例および比較例には、塗料組成物の変更点のみを記述する。
【0032】
[実施例2]
実施例1の HAS−1が 250重量部である塗料組成物。
【0033】
[実施例3]
実施例1の HAS−1が 500重量部であり、キシレンの追加なしの塗料組成物。
【0034】
[実施例4]
実施例3において、含フッ素共重合体溶液を、実施例1の方法に準じて製造し、数平均分子量6000,水酸基価110mgKOH/g , 酸価2 mgKOH/g の含フッ素共重合体溶液(固形分65%)154 重量部とし、HAS−1 を1000重量部に変えた塗料組成物。
【0035】
[実施例5]
実施例2にさらにアルキルエーテル化メラミン樹脂としてコーバン20 SE 60(三井東圧化学(株))50重量部が添加された塗料組成物。
【0036】
[実施例6]
実施例3にさらにアクリル樹脂としてヒタロイド3004(日立化成(株))(固形分50%,水酸基価 30 mg KOH/g )50重量部が添加された塗料組成物。
【0037】
[実施例7]
実施例3において、HAS−1 に代えて、あらかじめテトラブトキシシランに加水分解後のシリカ固形分が10%になるように計算された量のブタノールと水および触媒として1規定の塩酸を1重量%用いて反応し、調製されたテトラブトキシシラン部分加水分解縮合物 100重量部を使用した塗料組成物。
【0038】
[実施例8]
実施例3において、HAS−1 に代えて、あらかじめテトラブトキシシランとCH3Si(O−nC4H9)3 の重量比が80/20でその加水分解後のシリカ固形分が10%となるように計算された量のブタノールと水および触媒として1規定の塩酸を1重量%用いて反応し、調製されたテトラブトキシシランとCH3Si(O−nC4H9)3 の部分加水分解縮合物 100重量部を使用した塗料組成物。
【0039】
[実施例9]
実施例3において HAS−1に代えて、あらかじめテトラブトキシチタンに加水分解後の酸化チタンとしての固形分が 5%となるように計算された量のブタノールと水および触媒としてパラトルエンスルホン酸を0.01重量%用いて反応し、調製されたテトラブトキシチタンの部分加水分解縮合物 100重量部を使用した塗料組成物。
【0040】
[実施例10]
実施例9におけるテトラブトキシチタンに代えて、テトラブトキシジルコニウムを使用した塗料組成物。
【0041】
[実施例11]
実施例9におけるテトラブトキシチタンに代えて、トリイソプロポキシアルミニウムを使用した塗料組成物。
【0042】
[比較例1]
実施例5において HAS−1を使用しない塗料組成物。
【0043】
[比較例2]
実施例3において含フッ素共重合体溶液を使用しない塗料組成物。
【0044】
[比較例3]
実施例1において HAS−1が10重量部である塗料組成物。
【0045】
[比較例4]
実施例3において HAS−1が1500重量部である塗料組成物。
【0046】
[比較例5]
実施例3の含フッ素共重合体溶液に代えて、数平均分子量 15000,水酸基価 54mgKOH/g ,酸価 0mgKOH /g の含フッ素共重合体溶液(固形分60%)を167 重量部使用した塗料組成物。
【0047】
[比較例6]
実施例1の HAS−1に代えて、テトラエトキシシランを使用した塗料組成物。
【0048】
[比較例7]
実施例3の HAS−1に代えて、テトラエトキシシランを使用した塗料組成物。
【0049】
[比較例8]
実施例3の含フッ素共重合体溶液に代えて、クロロトリフルオロエチレンとヒドロキシブチルビニルエーテルとを1対1のモル比で2−ブタノール中で重合後(数平均分子量6000)固形分65%に調整したもの(水酸基価240mgKOH/g ,酸価
0mgKOH /g )を使用した塗料組成物。
【0050】
上記実施例1〜11、比較例1〜8の塗料組成物について、アルミニウム板にバーコーターにより乾燥塗膜厚み20μmになるよう塗布し、140 ℃のオーブンで30分間加熱硬化を行った。
【0051】
この塗膜について外観で透明性,艶の有無,亀裂発生の有無で評価(良を○、不良を×)した。密着性は、カミソリにて1 mm間隔で10本切り込みを入れ、これに直角方向に同様の操作を行った後、表面にセロテープを貼りつけ、次いでこれをはがし、良不良で判定(良を○、不良を×)した。
【0052】
硬化性は、塗膜表面をキシレンを浸み込ませたガーゼにて30回強く拭き、溶出するものを×、わずかに表面異常が認められるものを△、異常のないものを○とした。
【0053】
折り曲げ性は、直径5 mmの棒に塗面を上にして 180°折り曲げた時の割れ,剥離の発生の有無を判定(剥離無を○、剥離有を×)した。
【0054】
硬度は、各種かたさの鉛筆にて、JIS K−5400 6.14 (鉛筆引っかき試験)にしたがって試験した結果である。
【0055】
耐擦傷性は、家庭用のクレンザーにて水を含ませたスポンジで30回拭いた結果で、傷のひどいものを1点、ないものを5点として判定した結果であって、傷つきにくさと、傷の回復とのバランスを示している。
【0056】
耐酸性は、10%硫酸を0.5 g 塗膜表面に落し、70℃で24時間経過後、異常の有無で判定(異常無を○、異常有を×)した。塗膜自体の耐酸性及び保護機能が十分でなければ異常となる。
【0057】
これらの結果を表1に示した。(表1中、透明性の欄に*のあるものはハジキがあったことを示す)
【0058】
【表1】
【0059】
表1で容易にわかるように、本発明の範囲でなければ、比較例1,3の如く、テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物がなかったり少量の場合、硬度は発揮できず、メラミンなどの別の硬化剤がなければ硬化性も不十分である。比較例2,4の如く、テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物が過多であり、またはそれのみである時には、この塗膜厚みでは自身の硬化収縮により亀裂が入る。また塗膜に艶色が得られない。比較例5の如く、酸価のない含フッ素樹脂を用いる時は相溶性も悪く、透明で艶のある塗膜が得られないばかりでなく、硬化性も不十分である。比較例6,7の如く、加水分解を行わないエチルシリケート原体を用いる時は、硬度も十分に発揮されず、加熱硬化も本条件では十分に行われず、合せて塗膜のハジキなどの問題を生じる。比較例8の如く、HAS−1 との相溶性と硬化性を高い水酸基価で補ったものは硬度は出るが、この塗膜厚みでは塗膜自身の硬化収縮により亀裂が入り、擦傷の回復力がない。
【0060】
以上の如く、本発明の範囲内であればこれらの塗膜は自動車用上塗塗料としての性能上問題がない。また耐候性としてはサンシャインウェザーオメーター(スガ試験機製)にていずれも3000時間異常は生じていないので十分である。
【0061】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物は、耐候性に優れ、かつ、耐擦傷性に優れるため、自動車用上塗塗料として有用である。
Claims (4)
- (A)水酸基価45〜110mgKOH/g、酸価5〜12mgKOH/gである含フッ素共重合体の100重量部、並びに(B)アルコキシシランの部分加水分解縮合物または金属アルコキシドの部分加水分解縮合物の5〜200重量部、を含有してなることを特徴とする塗料組成物。
- (B)の成分が、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物である請求項1に記載の塗料組成物。
- (B)の成分が、テトラアルコキシシランと、トリアルコキシシランまたはジアルコキシシランとの部分加水分解縮合物である請求項1に記載の塗料組成物。
- (B)の成分が、チタン,ジルコニウム,アルミニウムから選ばれる金属のアルコキシドの部分加水分解縮合物である請求項1に記載の塗料組成物。
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