JP3592249B2 - ダイヤルアップルータ及び回線接続抑制方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はLAN(Local Area Network)とWAN(Wide Area Network)間におけるIP(Internet Protocol)パケットの送受信を中継するダイヤルアップルータ及びその回線接続抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤルアップルータは、イーサネット(Ethernet)によって端末やサーバ装置等が接続されたLANと電話回線や専用線を介して構成されるWANとを接続することでLANとWAN間におけるIP(Internet Protocol)パケットの送受信を中継する装置である。例えば、LAN内の端末等からIPパケットを受け取ると、そのIPパケットの送信先の情報(IPアドレス)を調べ、電話回線を介してWANにIPパケットを送り出す。また、電話回線を介してWANからIPパケットを受け取ると、その送信先を調べ、対応するLAN内の端末等に送信する。
【0003】
従来、このようなダイヤルアップルータでは、WANとの通信終了後の回線切断忘れや、設定ミスによって不要な発呼が繰り返されることがあったため、回線接続料金がLANを管理するユーザが認識している料金よりも高くなることがあった。
【0004】
そこで、通信終了後に回線を確実に切断する方法として、例えば、WANと送受信しているIPパケットの有無を監視し、IPパケットの送受信が無くなったときに(無通信状態)自動的に回線を切断する方法が考えられる。ダイヤルアップルータにこのような機能を持たせれば、回線の切断忘れによって回線接続料金が高額になることを防ぐことができる。
【0005】
また、不要な回線接続を防止する方法として、ダイヤルアップルータによるWANへの自動接続を無効にする方法が考えられる。この場合、ダイヤルアップルータは、LANから受け取ったIPパケットの送信先がWANであっても、ユーザの回線接続の許可が無ければ電話回線等に接続しないため、意図しない発呼を防ぐことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した回線接続料金が高額になることを防止する方法のうち、無通信状態のときに回線を切断する方法では、無通信状態であるか否かの判断手法によって、実際には通信が終了しているにも係わらず回線が切断されるまでに多くの時間がかかることがあった。
【0007】
一方、不要な回線接続を防ぐ方法では、WANに対してIPパケットを送信する毎に、ユーザはダイヤルアップルータに対して回線との接続を指示する必要があるため、ユーザの手間が増えて使いにくい通信システムになってしまう問題があった。
【0008】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、回線に対する自動接続を禁止することなく、通信終了後の回線切断忘れや不要な発呼の繰り返しを確実に防止するダイヤルアップルータ及び回線接続抑制方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のダイヤルアップルータは、イーサネットで接続されたLANとWAN間のIPパケットの送受信を中継するダイヤルアップルータであって、
前記LANを構成する端末のうち、通信中の端末のMACアドレス及びIPアドレスが一時的に登録されるARPテーブルと、
前記MACアドレス及びIPアドレスを前記ARPテーブルに登録し、登録された該MACアドレス及びIPアドレスを所定の登録時間経過後に前記ARPテーブルから削除するARP管理部と、
前記登録時間よりも短い周期から成る監視時間毎にその値が更新される監視カウンタと、
前記監視時間毎に前記ARPテーブルの内容を監視し、前記ARPテーブルに前記MACアドレス及びIPアドレスが1件も登録されていない場合は前記監視カウンタの値をカウントアップし、前記ARPテーブルに前記MACアドレス及びIPアドレスが登録されている場合は前記監視カウンタの値を零にクリアし、前記監視カウンタの値が予め設定されたしきい値を超えた場合は前記WANに繋がる回線との接続を禁止するための回線接続禁止通知を出力するARP監視部と、
前記ARP監視部から前記回線接続禁止通知を受け取った場合に、前記回線との接続要求があっても前記回線との接続を停止し、前記回線と既に接続されている場合は該接続を切断する回線制御部と、
を有する構成である。
【0010】
このとき、前記端末との通信が開始されると前記登録時間を計測するための登録タイマを設定し、該登録タイマの満了を前記ARP管理部に通知し、
ダイヤルアップルータが起動されると前記監視時間を計測するための監視タイマを設定し、該監視タイマの満了毎に前記ARP監視部に通知するタイマ部を有していてもよく、
ダイヤルアップルータ内から発せられたIPパケットを前記WANに送信する場合に、前記ARP監視部から出力される前記回線接続禁止通知を無効にするためのARP監視設定部を有していてもよい。
【0011】
一方、本発明の回線接続抑制方法は、イーサネットで接続されたLANとWAN間のIPパケットの送受信を中継するダイヤルアップルータと、前記WANに繋がる回線との接続を抑制するための回線接続抑制方法であって、
予め、前記LANを構成する端末のうち、通信中の端末のMACアドレス及びIPアドレスを一時的に登録するためのARPテーブルを備えておき、
通信を開始した端末のMACアドレス及びIPアドレスを前記ARPテーブルに登録し、所定の登録時間経過後に該MACアドレス及びIPアドレスを前記ARPテーブルから削除し、
前記登録時間よりも短い周期から成る監視時間毎に前記ARPテーブルの内容を監視し、前記ARPテーブルに前記MACアドレス及びIPアドレスが1件も登録されていない場合はカウント値をアップし、前記ARPテーブルに前記MACアドレス及びIPアドレスが登録されている場合は前記カウント値を零にクリアし、前記カウント値が予め設定されたしきい値を超えた場合は前記WANに繋がる回線との接続を禁止するための回線接続禁止通知を出力し、
前記回線接続禁止通知が出力された場合は、前記回線との接続要求があっても前記回線との接続を停止し、前記回線と既に接続されている場合は該接続を切断する方法である。
【0012】
このとき、前記端末との通信が開始されると前記登録時間を計測するための登録タイマを設定し、該登録タイマが満了すると前記ARPテーブルに登録されたMACアドレス及びIPアドレスを削除し、
ダイヤルアップルータが起動されると前記監視時間を計測するための監視タイマを設定し、該監視タイマが満了する毎に前記ARPテーブルの内容を監視してもよく、
ダイヤルアップルータ内から発せられたIPパケットを前記WANに送信する場合に、前記回線接続禁止通知を無効にしてもよい。
【0013】
上記のようなダイヤルアップルータ及び回線接続抑制方法では、LANを構成する端末とダイヤルアップルータ間の通信が無くなると、所定の登録時間が経過した後にARPテーブルから端末のMACアドレス及びIPアドレスが削除され、 MACアドレス及びIPアドレスが削除された後、監視カウンタがしきい値に達する所定時間経過後に回線接続禁止通知が出力されて回線が切断される。
【0014】
また、ARPテーブルに登録される端末のMACアドレス及びIPアドレスの有無によって回線への接続可否が判断されるため、ARPテーブルに登録されないダイヤルアップルータから不要な回線接続要求が出力されても、回線への接続が許可されることは無い。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明について図面を参照して説明する。
【0016】
本発明のダイヤルアップルータは、Ethernetで接続されたLAN端末のMAC(Media Access Control)アドレスとそのIPアドレスとを対応づけて(以下、アドレス情報と称す)保持するARP(Address Resolution Protocol)テーブルを監視し、ARPテーブルにLAN端末のアドレス情報の未登録状態が所定時間続いたときに回線接続を禁止し、既に回線と接続されている場合はその回線を切断する。なお、MACアドレスは、デバイス毎に割り当てられる識別番号であり、全世界のEthernetデバイスには1つ1つ固有のMACアドレスが割り当てられる。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は本発明のダイヤルアップルータの第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のダイヤルアップルータ1は、LAN20とのインタフェース部であるLANインタフェース部2と、LAN20あるいはWAN30から受け取ったIPパケットの転送経路を制御するルーティング制御部3と、WAN30とのインタフェース部であるWANインタフェース部4と、WAN30に繋がる回線との接続、切断を行う回線制御部5と、LAN20に接続されたLAN端末21のアドレス情報が一時的に登録されるARPテーブル9と、ARPテーブル9に対するアドレス情報の登録、削除を行なうARP管理部8と、指定されたIPアドレスに対応するMACアドレスをARPテーブル9を参照して検索し、検索したMACアドレスを要求元へ通知するARP検索部7と、指定されたIPアドレスを含むアドレス情報がARPテーブル9に登録されていない場合に、該IPアドレスを有するLAN端末21のMACアドレスの送信をLAN20に要求(ARP要求)するARP要求部6と、タイマ設定要求にしたがって所定時間のタイマを動作させると共に、タイマの満了を要求元へ通知するタイマ部10と、ARPテーブル9に対するMACアドレスとIPアドレスの登録有無を監視するARP監視部11と、ダイヤルアップルータ1とLAN端末21間が通信中であるか否かを判断するために用いられる監視カウンタ12とを有する構成である。
【0019】
LANインタフェース部2は、WAN30より受け取ったIPパケットからEthernetフレームを生成し、LAN20に送信する。また、LAN20より送信されたEthernetフレームからIPパケットを取り出し、ルーティング制御部3へ送信する。さらに、Ethernetフレームの送信元であるLAN端末21のアドレス情報をARP管理部8へ送信し、ARPテーブル9への登録を要求する。
【0020】
ルーティング制御部3は、LANインタフェース部2またはWANインタフェース部4から受け取ったIPパケットを、その送信先のIPアドレスにしたがって適切なインタフェース部(LANインタフェース部2、WANインタフェース部4、またはLANインタフェース部2とWANインタフェース部4の両方)に転送する。
【0021】
WANインタフェース部4は、LAN20より受け取ったIPパケットから、例えば、ISDNフレームを生成してWAN30に送信する。この時、回線が接続されていなければ回線制御部5に回線の接続を要求する。また、WAN30より受け取ったISDNフレームからIPパケットを取り出し、ルーティング制御部3へ送信する。
【0022】
ARP検索部7は、LANインタフェース部2からの問い合わせにより、ARPテーブル9を参照して指定されたIPアドレスに対応するMACアドレスを検索し、検索したMACアドレスをLANインタフェース部2へ通知する。このとき、ARPテーブル9を参照しても指定されたIPアドレスに対応するMACアドレスが見つからない場合は、該当するLAN端末21からMACアドレスを取得するためにARP要求部6に問い合わせを行なう。
【0023】
ARP要求部6は、ARP検索部7からの問い合わせにしたがって、指定されたIPアドレスを有するLAN端末のMACアドレスを取得するためにLAN20に対してARP要求を送出する。ARP要求に該当するLAN端末21は、ARP要求を受け取ると自装置のMACアドレスをARP応答としてARP要求部6に返送する。ARP応答を受け取ったARP要求部6は、ARP応答で得たMACアドレスをARP検索部7へ通知する。また、ARP要求部6はARP検索部7からの問い合わせで指定されたIPアドレスとARP応答で得られたMACアドレスとをARP管理部8へ登録要求する。
【0024】
ARP管理部8は、LANインタフェース部2またはARP要求部6からアドレス情報(IPアドレス及びMACアドレス)の登録要求を受け取ると、登録要求されたアドレス情報がARPテーブル9に既に登録されているか否かを確認し、登録されていなければARPテーブル9へ登録する。また、登録されたアドレス情報を所定の時間経過後にARPテーブル9から削除するための登録タイマの設定をタイマ部10へ要求すると共に、監視カウンタ12を「0」にクリアする。ARP管理部8は、タイマ部10から登録タイマの満了が通知されると、タイマ要求時に登録したアドレス情報をARPテーブル9より削除する。
【0025】
ARP監視部11は、ダイヤルアップルータ1の起動時に、ARPテーブル9を監視するための監視タイマの設定をタイマ部10に要求する。監視タイマの満了は周期的にタイマ部10からARP監視部11に通知される。ARP監視部11は、タイマ部10から監視タイマの満了通知を受け取る毎にARPテーブル9の内容を監視し、アドレス情報が登録されているか否かを確認する。そして、ARPテーブル9にアドレス情報が1件も登録されていない場合は監視カウンタ12の値をカウントアップし、登録されている場合は監視カウンタ12の値を「0」にクリアする。また、監視カウンタ12の値が予め設定されたしきい値を超えた場合は、「ルータとLAN間の通信状態=通信なし」と判断する。このとき、回線制御部5から回線接続の可否の問合わせがあった場合は、回線接続を禁止する応答(回線接続禁止通知)を出力する。また、回線が既に接続されている場合は該回線接続禁止通知により回線制御部5に回線を切断させる。
【0026】
監視カウンタ12は、ダイヤルアップルータ1の起動時にARP監視部11によって「0」にクリアされ、ダイヤルアップルータ起動後は監視タイマの満了毎に更新される。また、ARP管理部8によりARPテーブル9にアドレス情報が登録されたときに「0」にクリアされる。
【0027】
回線制御部5は、回線が接続された状態で、回線切断の要求を受け取ると回線を切断する。また、WANインタフェース部4より発信要求を受け取った場合、あるいはWANから着信があった場合に回線接続を行う。但し、発信要求により回線を接続する場合はARP監視部11に回線接続の可否を問い合わせ、回線接続の禁止応答を受けた場合は回線を接続をしない。
【0028】
次に、本実施形態のダイヤルアップルータ1の動作について説明する。
【0029】
まず、ARPテーブル9にアドレス情報が登録、削除されるときの動作について説明する。
【0030】
なお、以下では、ARPテーブル9にアドレス情報が登録されてから削除されるまでの時間(登録タイマの値)をT1とする。
【0031】
EthernetフレームをLAN端末21へ送信する場合、ダイヤルアップルータ1のLANインタフェース部2は、フレームの送信先であるLAN端末21のMACアドレスをEthernetフレームに組み込む必要がある。したがって、LANインタフェース部2はEthernetフレームの送信毎にARP検索部7に送信先のLAN端末21のMACアドレスを問い合わせる。
【0032】
上述したように、ARP検索部7は、ARPテーブル9を参照することで得られる当該LAN端末21のMACアドレス、あるいはARP応答によって得られる当該LAN端末21のMACアドレズをLANインタフェース部2へ通知する。このとき得られたLAN端末21のMACアドレスを含むアドレス情報はARP管理部8によりARPテーブル9に登録される。
【0033】
したがって、ダイヤルアップルータ1がLAN端末21とWAN30間の通信を中継している間、ARPテーブル9には当該LAN端末21のアドレス情報が必ず登録される。
【0034】
ARPテーブル9へ登録されたLAN端末21のアドレス情報は、登録されてから時間T1が経過するとARP管理部8により削除される。その後、新たにダイヤルアップルータ1からLAN端末21にEthernetフレームが送信された場合は、改めてARPテーブル9にLAN端末21のアドレス情報が登録される。
【0035】
よって、ARPテーブル9にLAN端末21のアドレス情報が登録されていれば、ダイヤルアップルータ1はLAN端末21と通信を行っている状態にある。また、ARPテーブル9にLAN端末21のアドレス情報が1件も登録されていない場合は、ダイヤルアップルータ1はLAN20に接続された全てのLAN端末21と通信を行っていない状態にある。
【0036】
ARP監視部11は、時間T1よりも十分に短い時間T2(監視タイマの値)毎にARPテーブル9の内容を周期的に確認し、ARPテーブル9にLAN端末21のアドレス情報が1件も登録されていなければ、LAN20に接続された全てのLAN端末21とダイヤルアップルータ1との間が無通信状態にあると判断する。
【0037】
次に、ARPテーブル9によってLAN20との通信状態が判断され、回線が接続または切断されるまでの動作について図2を用いて説明する。
【0038】
図2は図1に示したダイヤルアップルータの動作を示すタイミングチャートである。なお、以下では、ARP監視部11でダイヤルアップルータ1とLAN20間の通信状態を判断する際に用いる監視カウンタ12のしきい値が「2」に設定された場合で説明する。また、図2に示したS11〜S14は、LAN端末21とダイヤルアップルータ1間で通信が行われている期間を示している。
【0039】
ARPテーブル9では、上述したようにARP管理部8によってLAN端末21のアドレス情報の登録、削除が繰り返される。例えば、図2に示す期間S11〜S14においてそれぞれLAN端末21のアドレス情報が登録される。また、期間S11〜S14の通信開始時にタイマ部10に設定された登録タイマが満了すると(T1経過後)、ARPテーブル9に登録されたLAN端末21のアドレス情報が削除される。なお、図2に示した期間S12では、通信途中で期間S11の通信開始時に設定された登録タイマが満了している。このとき、LAN端末21のアドレス情報はARPテーブル9から一旦削除されるが、再びARPテーブル9にアドレス情報が登録され、タイマ部10に登録タイマが設定される。
【0040】
ARP監視部11は、ダイヤルアップルータ1の装置起動時(t0)に監視タイマの設定をタイマ部10へ要求し、以降、タイマ部10から監視タイマの満了が通知される度に(T2毎に)、ARPテーブル9にアドレス情報が登録されているか否かを確認し、確認結果に応じて監視カウンタ12の値を更新する。
【0041】
監視カウンタ12は、ARPテーブル9にアドレス情報が1件も登録されていない場合はカウントアップされ、アドレス情報が1件でも登録されている場合は「0」にクリアされる。
【0042】
図2に示した期間S11において、LAN端末21からWAN30に対してIPパケットが送信されると、WANインタフェース部4は回線と接続するために回線制御部5へ回線接続を要求する。
【0043】
回線制御部5は、ARP監視部11へ回線接続の可否を問い合わせ、ARP監視部11は、監視カウンタ12の値が「0」であるため「ルータとLAN間通信状態=通信あり」と判断して回線接続を許可する。回線制御部5は、ARP監視部11から回線接続の許可応答を受け取ると回線を接続する。
【0044】
一方、図2に示した期間S14において、LAN端末21からWAN30に対してIPパケットが送信されると、期間S11における処理と同様に、WANインタフェース部4は回線制御部5へ回線の接続を要求する。回線の接続を要求された回線制御部5はARP監視部11へ回線接続の可否を問い合わせる。
【0045】
ここで、期間S14の時刻t15では、監視カウンタ12の値が「5」であり、ARP監視部11は回線接続を禁止する状態にある。しかしながら、LANインタフェース部2がLAN端末21からEthernetフレームを受けとると、回線制御部5がARP監視部11へ回線接続の可否を問い合わせるよりも先に、LANインタフェース部2からARP管理部8へLAN端末21のMACアドレスとIPアドレスのアドレス情報の登録が要求される。したがって、ARP管理部8により監視カウンタ12の値が「0」にクリアされる。回線制御部5がARP監視部11へ回線の接続可否を問い合わせた時点で監視カウンタ12の値は「0」であるため、ARP監視部11は「ルータとLAN間通信状態=通信あり」と判断して回線接続を許可する。よって、回線制御部5はARP監視部11から回線接続の許可応答を受け取ると回線を接続する。
【0046】
図2に示した期間S13終了後の時刻t12において、ARP監視部11は監視カウンタ12の値が「2」になると、「ルータとLAN間通信状態=通信なし」と判断する。さらに、ARP監視部11は、回線の接続状態を確認し、回線が接続されている場合は回線制御部5に回線の切断を要求する。回線の切断要求を受け取った回線制御部5は回線を切断する。
【0047】
また、図2に示した時刻t13において、ダイヤルアップルータ1からWAN30に対する通信が発生すると、回線が接続されていないためWANインタフェース部4は回線制御部5へ回線接続を要求する。
【0048】
回線制御部5は、ARP監視部11へ回線接続の可否を問い合わせ、ARP監視部11は、監視カウンタ12の値が「3」であることから「ルータとLAN間の通信状態=通信なし」と判断して回線接続を禁止する。したがって、ARP監視部11から回線接続を禁止する応答を得た回線制御部5は回線を接続しない。
【0049】
以上説明したように、LANに接続されている全てのLAN端末21がWAN30との通信を終えてダイヤルアップルータ1との通信が無くなれば、登録時間が経過した後にARPテーブル9からLAN端末21のアドレス情報が削除され、アドレス情報が削除された後、監視カウンタがしきい値に達する所定時間経過後に回線接続禁止通知が出力されて回線制御部5により回線が切断されるため、通信終了後の回線切断が確実に実行されて、回線切断忘れが防止される。
【0050】
また、ARPテーブル9に登録されるLAN端末のアドレス情報の有無によって回線への接続可否が判断されるため、ARPテーブル9に登録されないダイヤルアップルータ1から不要な回線接続要求が出力されても、回線への接続が許可されることは無い。したがって、ダイヤルアップルータ1から不正なパケットが発信されることによる意図しない回線接続を防ぐことができる。
【0051】
(第2の実施の形態)
図3は本発明のダイヤルアップルータの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0052】
本実施形態のダイヤルアップルータは、ARP監視部41から出力される回線接続の禁止及び切断を指示する回線接続禁止通知を無効に設定できるARP監視設定部40を有する点が第1の実施の形態のダイヤルアップルータと異なっている。また、ARP監視部41にARP監視設定部40からの指示によって回線接続禁止通知を出力するか否かを切り替える機能を有している。その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0053】
通常、ダイヤルアップルータは、LAN端末とWAN間で通信を行うときのみ回線に接続するため、第1の実施の形態のようにLANとの通信が途絶えれば回線を切断することが望ましい。しかしながら、例えば、ダイヤルアップルータからWANにログ情報等を1日1回だけ送信する場合のように、LANからの接続要求が無くてもWANとの回線接続が必要になる場合がある。
【0054】
上述した第1の実施の形態の構成では、ダイヤルアップルータとLANとの通信が無くなれば回線を自動的に切断するが、ダイヤルアップルータからの要求で回線に接続することはできない。
【0055】
本実施形態では、ARP監視設定部40により、回線が接続されていない時にダイヤルアップルータとLANとが無通信状態であれば回線接続を禁止する処理、及び回線が接続されている時にダイヤルアップルータとLANの通信が無くなれば回線を切断させるARP監視部41の処理を、有効、あるいは無効にするかを選択できるようにする。
【0056】
このようなARP監視設定部40を有することで、「回線が接続されていない時にダイヤルアップルータとLANが無通信状態ならば回線接続を禁止する」処理を「実行しない」と設定すれば、ARP監視部は回線制御部からの回線接続の可否の問い合わせに対して監視カウンタの値に関係なく回線接続を許可する応答を出力する。
【0057】
また、「回線が接続されている時にダイヤルアップルータとLANの通信が無くなれば回線を切断する」処理を「実行しない」と設定すれば、ARP監視部は監視カウンタの値がしきい値を超えても回線の切断を回線制御部へ要求しない。
【0058】
よって、ダイヤルアップルータからの要求による回線接続を可能にしつつ、ダイヤルアップルータとLAN間の通信が無くなれば回線を切断することが可能になる。
【0059】
なお、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ダイヤルアップルータがそれぞれ機能毎の構成要素をそれぞれ有する例を示した。しかしながら、ダイヤルアップルータは、このような構成に限定されるものではなく、例えば、LANインタフェース部と、WANインタフェース部と、記憶装置、記録媒体、及びCPUを含む処理装置とを有し、それらがバスによって接続された情報処理装置でも第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の処理を実現できる。その場合、上記ARPテーブルは記憶装置内に形成され、上述したルーティング制御部、ARP要求部、ARP検索部、ARP管理部、タイマ部、ARP監視部、監視カウンタ、及びARP監視設定部の各処理は、記録媒体に記録されたプログラムにしたがってCPUによりそれぞれ実行される。
【0060】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0061】
LANを構成する端末とダイヤルアップルータ間の通信が無くなると、所定の登録時間が経過した後にARPテーブルから端末のMACアドレス及びIPアドレスが削除され、 MACアドレス及びIPアドレスが削除された後、監視カウンタがしきい値に達する所定時間経過後に回線接続禁止通知が出力されて回線が切断されるため、通信終了後の回線切断が確実に実行されて、回線切断忘れが防止される。
【0062】
また、ARPテーブルに登録される端末のMACアドレス及びIPアドレスの有無によって回線への接続可否が判断されるため、ARPテーブルに登録されないダイヤルアップルータから不要な回線接続要求が出力されても、回線への接続が許可されることは無い。したがって、ダイヤルアップルータから不正なパケットが発信されることによる意図しない回線接続を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤルアップルータの第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したダイヤルアップルータの動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明のダイヤルアップルータの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ダイヤルアップルータ
2 LANインタフェース部
3 ルーティング制御部
4 WANインタフェース部
5 回線制御部
6 ARP要求部
7 ARP検索部
8 ARP管理部
9 ARPテーブル
10 タイマ部
11、41 ARP監視部
12 監視カウンタ
20 LAN
21 LAN端末
30 WAN
40 ARP監視設定部
Claims (6)
- イーサネットで接続されたLANとWAN間のIPパケットの送受信を中継するダイヤルアップルータであって、
前記LANを構成する端末のうち、通信中の端末のMACアドレス及びIPアドレスが一時的に登録されるARPテーブルと、
前記MACアドレス及びIPアドレスを前記ARPテーブルに登録し、登録された該MACアドレス及びIPアドレスを所定の登録時間経過後に前記ARPテーブルから削除するARP管理部と、
前記登録時間よりも短い周期から成る監視時間毎にその値が更新される監視カウンタと、
前記監視時間毎に前記ARPテーブルの内容を監視し、前記ARPテーブルに前記MACアドレス及びIPアドレスが1件も登録されていない場合は前記監視カウンタの値をカウントアップし、前記ARPテーブルに前記MACアドレス及びIPアドレスが登録されている場合は前記監視カウンタの値を零にクリアし、前記監視カウンタの値が予め設定されたしきい値を超えた場合は前記WANに繋がる回線との接続を禁止するための回線接続禁止通知を出力するARP監視部と、
前記ARP監視部から前記回線接続禁止通知を受け取った場合に、前記回線との接続要求があっても前記回線との接続を停止し、前記回線と既に接続されている場合は該接続を切断する回線制御部と、
を有するダイヤルアップルータ。 - 前記端末との通信が開始されると前記登録時間を計測するための登録タイマを設定し、該登録タイマの満了を前記ARP管理部に通知し、
ダイヤルアップルータが起動されると前記監視時間を計測するための監視タイマを設定し、該監視タイマの満了毎に前記ARP監視部に通知するタイマ部を有する請求項1記載のダイヤルアップルータ。 - ダイヤルアップルータ内から発せられたIPパケットを前記WANに送信する場合に、前記ARP監視部から出力される前記回線接続禁止通知を無効にするためのARP監視設定部を有する請求項1または2記載のダイヤルアップルータ。
- イーサネットで接続されたLANとWAN間のIPパケットの送受信を中継するダイヤルアップルータと、前記WANに繋がる回線との接続を抑制するための回線接続抑制方法であって、
予め、前記LANを構成する端末のうち、通信中の端末のMACアドレス及びIPアドレスを一時的に登録するためのARPテーブルを備えておき、
通信を開始した端末のMACアドレス及びIPアドレスを前記ARPテーブルに登録し、所定の登録時間経過後に該MACアドレス及びIPアドレスを前記ARPテーブルから削除し、
前記登録時間よりも短い周期から成る監視時間毎に前記ARPテーブルの内容を監視し、前記ARPテーブルに前記MACアドレス及びIPアドレスが1件も登録されていない場合はカウント値をアップし、前記ARPテーブルに前記MACアドレス及びIPアドレスが登録されている場合は前記カウント値を零にクリアし、前記カウント値が予め設定されたしきい値を超えた場合は前記WANに繋がる回線との接続を禁止するための回線接続禁止通知を出力し、
前記回線接続禁止通知が出力された場合は、前記回線との接続要求があっても前記回線との接続を停止し、前記回線と既に接続されている場合は該接続を切断する回線接続抑制方法。 - 前記端末との通信が開始されると前記登録時間を計測するための登録タイマを設定し、該登録タイマが満了すると前記ARPテーブルに登録されたMACアドレス及びIPアドレスを削除し、
ダイヤルアップルータが起動されると前記監視時間を計測するための監視タイマを設定し、該監視タイマが満了する毎に前記ARPテーブルの内容を監視する請求項4記載の回線接続抑制方法。 - ダイヤルアップルータ内から発せられたIPパケットを前記WANに送信する場合に、前記回線接続禁止通知を無効にする請求項4または5記載の回線接続抑制方法。
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