JP3593727B2 - 画像圧縮装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は画像圧縮装置に係り、特に、画像を主走査方向A画素、副走査方向B画素(A、Bは共に自然数)のブロック単位で圧縮処理する画像圧縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル画像データを取り扱う際の記憶容量の削減や通信時間の短縮を図る技術の1つに画像圧縮技術があり、その中でもISO/ITU−TS(旧CCITT)によって国際標準として規格化されたJPEG(Joint Photographic Experts Group) アルゴリズム(ISO/IEC DIS 10918−1)が知られている。また、画像圧縮装置としても入力された画像をJPEGアルゴリズムに従って圧縮処理を行うものがある。
【0003】
このJPEGアルゴリズムは、以下に説明する手順で行われるものである。
それは、図7のフローチャートに示すように先ず入力された画像を主走査(水平)方向8画素、副走査(垂直)方向8画素からなる処理単位ブロックに分割して、この分割した処理単位ブロックに下記の(1)式に従った2次元離散コサイン変換(以下,DCTと称す)を施す(ステップ701、以下ステップをSと略す)。
尚、(1)式において、f(i,j)は図8の(a)に示すようにDCT前の処理単位ブロック内の主走査方向i番目、副走査方向j番目の画素の値を表し、F(u,v)は図8の(b)に示すように、DCT後の処理単位ブロック内の主走査方向u番目、副走査方向v番目の変換値を表している。
【0004】
【数1】
【0005】
そして、DCTによって周波数成分(DCT係数)に変換された処理単位ブロックを、人間の視覚特性等に適合された量子化テーブルで量子化した後(S702)、図9に示すようなジグザグスキャンによって64個の係数からなる1次元データ系列へと並べ替えて(S703)、ハフマン符号化を行い(S704)、これを全ての処理単位ブロックについて終了するまで繰り返す(S705)。
ところが、JPEGアルゴリズムにおいては、処理単位ブロックの画素数が主走査方向8画素×副走査方向8画素となっているので、画像全体の主走査方向或いは副走査方向の画素数が8の自然数倍でないものに対しては、処理単位ブロックの画素数に満たない数のブロック、所謂半端ブロックが発生してしまう。
【0006】
そのために、例えば特開平4−183171号公報に開示された方法を用いた装置では、半端ブロックに符号化済みの画素を補充して処理単位ブロックの画素数を満たすように形成し、画像データの圧縮処理を行うようにしている。
また、特開平6−217149号公報に開示された装置のように、既に変換され画像メモリ内に記憶されている画素のアドレスを変更して半端ブロックに補充して、処理単位ブロックの画素数を満たすように形成して画像圧縮等の処理を行うものがある。
さらには、特開平6−221151号公報に開示された装置のように、処理する画像の大きさが処理単位ブロックサイズの整数倍でない場合、この画像の周囲にある不要データを画像の一部として加え、画像の大きさを処理単位ブロックサイズの整数倍に切上げて処理を行うものがある。
また、特開平6−237385号公報に開示された装置のように、半端ブロックが発生した際に、この半端ブロックの主走査方向の画素数が処理単位ブロックの主走査方向の画素数に満たない場合には、半端ブロックの最右端の画素列をこの画素列の右側にコピーしていき、また半端ブロックの副走査方向の画素数が処理単位ブロックの主走査方向の画素数に満たない場合には、半端ブロックの最下端の画素行をこの画素行の下側にコピーしていくものもある。
【0007】
但し、これらの画像圧縮装置では、例えば画像をスキャナー等で読み取って入力を行うと、この画像上の画素を主(水平)走査線が上から下に順に垂直走査して読み取るラスタースキャン形式で入力されるので、主走査方向8画素×副走査方向8画素の画素数の処理単位ブロックに分割するためには、一旦読み取った画像を、少なくとも副走査方向で8行分の画素行を記憶できるメモリ等の記憶媒体に格納した後に、改めて処理単位ブロックを記憶媒体より取り出すようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平4−183171号公報或いは特開平6−217149号公報に開示された装置では、半端ブロックに画素を補充する際に、主走査方向或いは副走査方向において補充する画素の前に位置する画素を用いて補充するので、記憶媒体からの取り出しアドレスの制御が複雑となり、半端ブロックを取り出すための特別なアドレス制御手段が必要となる。従って、入力された画像に半端ブロックが発生した際、その処理の迅速さを欠いてしまう。
また、特開平6−221151号公報に開示された装置では、半端ブロックに不要データを加えて処理単位ブロックを形成するので、この処理単位ブロック中の原画像部分と不要データ部分との相関性が低くなり、疑似エッジ(画像の稜線)の発生等によって画像の圧縮効率を低下させると共に、画像圧縮により画質を劣化させる可能性がある。
【0009】
さらに、特開平6−237385号公報に開示された装置では、半端ブロック内に斜め方向のエッジが存在する場合に、このエッジの最右端から右側に水平エッジが新たに生成されるか、或いはこのエッジの最下端から下側に垂直エッジが新たに生成される。つまり、半端ブロック内に斜め方向のエッジが存在する場合に、半端ブロック内に画素列或いは画素行をコピーすると、コピー後のブロック内に折れ曲がったエッジが生成されることになる。このコピー後のブロックを圧縮した場合、斜め方向のエッジを延長するようにして処理単位ブロックを形成して圧縮した場合に比べて圧縮効率が低下してしまう。
【0010】
そこで、本発明は、入力された画像を複数の画素からなる処理単位ブロックに分割して圧縮処理を行う画像圧縮装置において、半端ブロックが発生してしまう場合であっても、圧縮効率が良く迅速な画像の圧縮処理を行うことのできる画像圧縮装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために案出されたもので、請求項1記載の発明に係わる画像圧縮装置は、入力された画像を複数の画素からなる処理単位ブロックに分割してこの処理単位ブロック毎に圧縮処理を行うものであり、さらには、入力された画像を前記処理単位ブロックに分割する際にこの処理単位ブロックの画素数に満たない数の画素からなる半端ブロックが発生するか否かを判断する判断手段と、この判断手段で前記半端ブロックが発生すると判断された場合に前記半端ブロックをブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置き換える置換手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
【作用】
請求項1記載の発明に係わる画像圧縮装置の構成によれば、入力された画像を圧縮処理を行うために処理単位ブロックに分割する際に、判断手段で半端ブロックが発生すると判断されると、置換手段でこの半端ブロックが予め設定されているブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックと置き換えられる。
そして、全画素が所定の値である処理単位ブロックは、他の処理単位ブロックと同様に圧縮処理が行われる。
【0015】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明に係わる画像圧縮装置について説明する。
【0016】
〔第1実施例〕
図1は本実施例の画像圧縮装置による動作例を示すフローチャートであり、図2は本実施例の画像圧縮装置の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施例の画像圧縮装置は、画像入力制御部21と、この画像入力制御部21に接続されたラインメモリ22と、同じく画像入力制御部21に接続された圧縮部23とから構成されている。
【0017】
画像入力制御部21は、例えば図示しないスキャナー等で読み取られラスタースキャン形式で入力された画像を受け取るものであり、この画像を後述するラインメモリ22に格納するとともに、格納された画像を主走査方向8画素×副走査方向8画素の画素数の処理単位ブロックで取り出して、圧縮部23へ送出するものである。また、この画像入力制御部21は、ラインメモリ22に格納された画像を処理単位ブロックで取り出す際に、この処理単位ブロックの画素数に満たない数の画素からなる半端ブロックが発生するか否かを判断し、半端ブロックが発生すると判断した場合に、その周囲の画素の値から演算して算出した画素を前記半端ブロックに補充するものとなっている。
ラインメモリ22は、画像入力制御部21からの画像を一時的に格納するために、少なくともラスタースキャン形式で入力された画像の副走査方向で8行分の画素を格納する容量を有するものであり、例えば半導体メモリやハードディスク装置等からなるものである。
圧縮部23は、画像入力制御部21から送出された処理単位ブロック毎に、JPEGアルゴリズムに従って圧縮処理を行うものである。
【0018】
次に、上記構成による画像圧縮装置の動作例について、図1のフローチャートに基づき説明する。
但し、ここではラスタースキャン形式、即ち図3に示すように主走査方向1番目からW番目までの画素が読み取られ、これが1行目からH行目まで繰り返される形式で入力された画像に圧縮処理を行う場合について説明する。尚、図3においてW、Hはともに自然数、iはW以下の自然数、jはH以下の自然数、Pi,j は主走査方向i番目、副走査方向j番目の画素を表している。
図1に示すように、入力された画像は、その画素が画像入力制御部21によってラインメモリ22に書き込まれて格納される(S101)。画像入力制御部21は、ラインメモリ22への画素の格納が終了すると(S102)、続いて、格納されている画素を主走査方向8画素及び副走査方向8画素毎に読み込んで、処理単位ブロックとして分割してラインメモリ22から取り出す(S103)。
【0019】
このときの処理単位ブロックの分割は、図4に示すように、先ず格納されている画素を主走査方向に1画素目から8画素目まで読み込んでこれを副走査方向の8画素目まで繰り返して1つの処理単位ブロックを形成し、この処理単位ブロックの形成を主走査方向の1番目からM番目まで終了するまで行い、次に副走査方向の1番目からN番目までの全てについて終了するまで繰り返す。
尚、Mは入力画像の主走査方向のブロック数(半端ブロックを含む)、Nは入力画像の副走査方向のブロック数(半端ブロックを含む)、pはM以下の自然数、qはN以下の自然数、Bp,q は主走査方向p番目、副走査方向q番目を表している。また、mはWを8で割った余り(8より小さい自然数)、nはHを8で割った余り(8より小さい自然数)、P′x,y はブロック内の主走査方向x番目、副走査方向y番目の画素を表している。
【0020】
また、図1において、ラインメモリ22から取り出されたブロックは、画像入力制御部21によってこのブロックが半端ブロックか否か、即ちこのブロックが主走査方向8画素×副走査方向8画素の画素数を満たすものか否かを各ブロック毎に判断される(S104)。
画像入力制御部21で半端ブロックであると判断された場合には、後述するように半端ブロックに画素が補充されて処理単位ブロックが形成され(S105)、この処理単位ブロックが圧縮部23に入力される(S106)。また、画像入力制御部21で半端ブロックでないと判断された場合には、取り出したブロックはそのまま圧縮部23へ入力される(S106)。
そして、圧縮部23は、入力された処理単位ブロックをJPEGアルゴリズムに従って圧縮し、圧縮データを出力する。
画像入力制御部21で分割された全てのブロックについて圧縮部23での圧縮が終了すると(S107)、入力された画像全てについての圧縮、即ち画像全体の符号化が終了したか否かを確認し(S108)、終了していない場合に上述のステップ(S101〜S108)を繰り返す。
【0021】
ここで、上述した半端ブロックに画素を補充するステップ(図1におけるS105)について詳細に説明する。
画像入力制御部21は、図5の(a)に示すように、半端ブロックの主走査方向の画素数が8画素に満たないものであれば、主走査方向の(m+1)番目から8番目までの各画素の値(画素を数値化した値)を次の(2)式に従って算出する。即ち、補充する各画素の値を、主走査方向においてその画素の左隣に位置する画素及びさらにその左隣に位置する画素の値を基に算出する。
尚、x及びyは共に8以下の自然数である。また、図5において、シェード付矩形は実際に存在する画素、白抜き矩形は補充すべき画素を表している。
【0022】
【数2】
P′x,y =P′x−1,y +ax,y (P′x−2,y −P′x−1,y ) ・・・(2)
(ただし、m+1≦x≦8、1≦y≦8)
【0023】
また、図5の(b)に示すように、半端ブロックの副走査方向の画素数が8画素に満たないものであれば、副走査方向の(n+1)番目から8番目までの各画素の値を次の(3)式に従って算出する。即ち、補充する各画素の値を、副走査方向においてその画素の上に位置する画素及びさらにその上に位置する画素の値を基に算出する。
【0024】
【数3】
P′x,y =P′x,y−1 +ax,y (P′x,y−2 −P′x,y−1 ) ・・・(3)
(ただし、1≦x≦8、n+1≦y≦8)
【0025】
また、図5の(c)に示すように、半端ブロックの主走査及び副走査の両方向の画素数が8画素に満たないものであれば、主走査方向の(m+1)番目から8番目まで、及び副走査方向(n+1)番目から8番目までの範囲にある各画素の値を次の(4)式に従って算出する。即ち、補充する各画素の値を、主走査方向においてその画素の左隣に位置する画素及びさらにその左隣に位置する画素の値と、副走査方向において補充する画素の上に位置する画素及びさらにその上に位置する画素の値とを基に算出する。
【0026】
【数4】
【0027】
尚、上記(2)式〜(4)式において、ax,y は重み係数であり、画素補充後のブロックの圧縮率及びこのブロックに圧縮ならびに伸長を行った復元ブロックの画質や、(2)式〜(4)式の演算の難易度等により決定されるものである。また、このax,y は、(2)式及び(4)式においてm=1である場合にはa1,y =0とし、また、n=1である場合にはax,1 =0とするものである。
また、(2)式及び(4)式において、演算結果が画素の値の取り得る範囲を越えた場合には、この画素の値の取り得る範囲内で前記演算結果に一番近い値を補充する画素の値として算出する。
【0028】
次に、本実施例の画像圧縮装置によって圧縮された画像を、画像伸長装置(図2には図示せず)を用いて、再び伸長する場合について説明する。
例えば、圧縮前の画像の画素数が主走査方向{8(M−1)+m}画素、副走査方向{8(N−1)+n}画素であるとすると、この画像の画素数は画像入力制御部21における画素の補充によって、主走査方向8M画素、副走査方向8N画素となる。よって、この画像を圧縮部23でJPEGアルゴリズムに従って圧縮し、再びこのJPEGアルゴリズムに対応する伸長アルゴリズムで伸長すると、補充した画素を含む主走査方向8M画素、副走査方向8N画素の画素数の画像となってしまう。
このため、圧縮部23での画像圧縮の際に、圧縮されたデータ中に圧縮前の画像の画素数を記録しておき、再び伸長する際に記録した画素数に基づき、圧縮前の画素数である主走査方向{8(M−1)+m)}画素、副走査方向{8(N−1)+n}画素になるように補充した画素の切り捨てを行えばよい。よって、画像入力制御部21における画素の補充があっても、画像を伸長した際に圧縮前の画素数からなる画像を得ることができる。但し、この画素の切り捨ては、公知の技術である画素切り捨てのための手法により行われる。
【0029】
このように本実施例の画像圧縮装置は、入力された画像の圧縮処理を行うために処理単位ブロックに分割する際に、画像入力制御部21で半端ブロックがあるか否かを判断して、半端ブロックがある場合にはさらに画像入力制御部21で補充する画素を演算により求めて前記半端ブロックに補充し、この半端ブロックを処理単位ブロックとするものである。
従って、半端ブロックに補充する画素を演算、即ち線形予測により求めるので、ラインメモリ22から半端ブロックを取り出すための特別なアドレス制御手段が不要であり、また処理単位ブロックを圧縮するアルゴリズムに何ら変更を加えることなく、入力された画像に半端ブロックが発生しても迅速に処理することができる。また、補充する画素を線形予測により求めるので、画素を補充した際に例えば不必要なエッジ等の圧縮効率の低下及び画質劣化の要因の発生を防止することができる。
【0030】
尚、本実施例では、(2)式〜(4)式によって補充する画素を算出する場合について説明したが、画素の演算はこれらの式に限定されるものではなく、圧縮データ量を増加させずに画質の劣化を防ぎかつ演算量及びハードウエア規模の観点から実現容易であれば、他の式であっても実施可能である。
【0031】
〔第2実施例〕
次に、他の実施例の画像圧縮装置について説明する。尚、本実施例の画像圧縮装置は、請求項1記載の発明に係わるものである。
本実施例の画像圧縮装置は、上述した第1の実施例と同じく図2に示すように、画像入力制御部21と、ラインメモリ22と、圧縮部23とから構成されている。
但し、本実施例において画像入力制御部21は第1の実施例と異なり、本発明の判断手段及び置換手段として機能するものである。即ち、この画像入力制御部21は、ラインメモリ22に格納された画像を処理単位ブロックで取り出す際に、この処理単位ブロックの画素数に満たない数の画素からなる半端ブロックが発生するか否かを判断し、半端ブロックが発生すると判断した場合に、前記半端ブロックをブロック内の全画素が所定の値(この実施例においては所定の色)である処理単位ブロックに置き換えるようにしたものである。
【0032】
次に、上記構成による画像圧縮装置の動作例について説明する。
この画像圧縮装置は、図6のフローチャートに示すように画像の圧縮処理を行うものであるが、ここでは第1の実施例(図1に示した動作例)と異なる処理単位ブロックを置換するステップ(図6におけるS605)についてのみ詳細に説明する。
画像入力制御部21で半端ブロックがあると判断された場合には、さらに画像入力制御部21によって、この半端ブロックをブロック内の全画素が所定色である処理単位ブロックに置き換えられる。
【0033】
この置き換えられる処理単位ブロックは、その全画素が予め所定の色に設定されて、例えば画像入力制御部21内に設けられているレジスタ或いはラインメモリ22内の所定の領域等に格納されているものである。
また、全画素の所定色は、画像全体における半端ブロックの位置と、画像を圧縮し伸長した際にどのように可視化するのか(記録紙にプリントするのかディスプレイに表示するのか等)とを考慮して、予め設定され格納されているものであり、例えば普通紙等にプリントする場合には白色等に設定されるものである。
尚、設定される所定色は、上述した第一の実施例のように画像入力制御部21に演算手段としての機能を設けて、半端ブロックに隣接するブロック(例えば半端ブロックが画像の右端にあればその左側、下端にあればその上側にあるブロック)或いはこの半端ブロックの画素の値に基づき演算して、所定色を求めるようにすることも実施可能である。
【0034】
次に、本実施例の画像圧縮装置によって圧縮された画像を、画像伸長装置を用いて再び伸長する場合について、特にここでは圧縮された画像を普通紙にプリントするために伸長する場合について説明する。
例えば、圧縮前の画像の画素数を主走査方向{8(M−1)+m}画素、副走査方向{8(N−1)+n}画素であるとすると、この画像の画素数は、画像入力制御部21による半端ブロックの置き換えによって、主走査方向8M画素、副走査方向8N画素となる。このとき、主走査方向M番目の処理単位ブロック及び副走査方向N番目の処理単位ブロックは、それぞれブロック内の画素が所定色(例えば白色)となっている。
【0035】
そして、主走査方向8M画素、副走査方向8N画素からなる画像を圧縮部23でJPEGアルゴリズムに従って圧縮し、再びこのJPEGアルゴリズムに対応する伸長アルゴリズムで伸長してこれを普通紙にプリントすると、主走査方向8M画素、副走査方向8N画素の画素数の画像で、かつ主走査方向M番目の処理単位ブロック内及び副走査方向N番目の処理単位ブロック内が白色である画像が得られる。
但し、半端ブロックは画像の右端或いは下端に発生するので、通常その領域は必要な情報に対する余白画像であることが多く、またその画素数が主走査方向m画素、副走査方向n画素であるので、画像全体の画素数と比較すると大変小さな領域である。従って、半端ブロックを画素が白色である処理単位ブロックと置き換えても、置換前と置換後で画像が大幅に異なることはない。
【0036】
また、圧縮部23に後述するような符号化に対応する機能を設ければ、ブロックの置換と同等の効果が得られ、なおかつ符号化を高速化できる。
それは、半端ブロックが発生すると判断された場合には、画像入力制御部21でこの半端ブロックを所定色ではなく、予め定められた半端ブロックであることをしめす特定の符号に置き換える。そして、この置き換えられた特定の符号を受け取った圧縮部23では、画像圧縮を行い再び画像伸長を行う際に、前記特定の符号を基に元の画像の画素数とブロックの位置とから置換前の半端ブロックを算出する。例えば、この圧縮部23での算出によって、画像全体の右端は主走査方向m画素、副走査方向8画素、下端は主走査方向8画素、副走査方向n画素、右下端は主走査方向m画素、副走査方向n画素の画素数の半端ブロックを求めて、これらを画像伸長時に特定の符号と置き換える。よって、ブロックの置換と同等の効果が得られ、なおかつ符号化を高速化できる。
【0037】
このように本実施例の画像圧縮装置は、入力された画像の圧縮処理を行うために処理単位ブロックに分割する際に、画像入力制御部21で半端ブロックがあるか否かを判断して、半端ブロックがある場合にはさらに画像入力制御部21で前記半端ブロックをブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置き換えるようになっている。
従って、ブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置換するので、処理単位ブロックを圧縮するアルゴリズムに何ら変更を加えることなく、非常に効率の良い画像圧縮が可能となり、また圧縮処理時間も短縮できるようになり、結果として半端ブロックが発生する場合であっても迅速に処理することができる。
【0038】
尚、上述した各実施例(第1実施例及び第2実施例)では、圧縮部23の圧縮アルゴリズムとしてJPEGアルゴリズムを例にとって説明したが、画像を主走査方向A画素、副走査方向B画素のブロック単位で圧縮処理するものであれば、他のアルゴリズムによるものであってもよい。
さらに、各実施例では、画像入力制御部21にラスタースキャン形式で画像が入力される場合について説明したが、ブロック単位で画像を入力する場合であっても実施可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明の画像処理装置は、入力された画像を複数の画素からなる処理単位ブロック毎に圧縮処理を行う画像圧縮装置において、画像を処理単位ブロックに分割する際に、判断手段で半端ブロックが発生するか否かを判断して、半端ブロックが発生する場合にはこの半端ブロックを置換手段でブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置き換えることにより、非常に効率が良く処理時間の短い圧縮処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像圧縮装置の第1の動作例を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係わる画像圧縮装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】ラスタースキャン形式の走査順序を示す説明図である。
【図4】画像を処理単位ブロックに分割する手順を示す説明図である。
【図5】本発明における半端ブロックに対する画素の補充又は置換処理を示す説明図である。
【図6】本発明に係わる画像圧縮装置の第2の動作例を示すフローチャートである。
【図7】画像圧縮時のJPEGアルゴリズムによる処理を示すフローチャートである。
【図8】DCT前の画素の値及びDCT後の変換値を示す説明図である。
【図9】JPEGアルゴリズムによるジグザグスキャンの順序を示す説明図である。
【符号の説明】
21 画像入力制御部 22 ラインメモリ
23 圧縮部
【産業上の利用分野】
本発明は画像圧縮装置に係り、特に、画像を主走査方向A画素、副走査方向B画素(A、Bは共に自然数)のブロック単位で圧縮処理する画像圧縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル画像データを取り扱う際の記憶容量の削減や通信時間の短縮を図る技術の1つに画像圧縮技術があり、その中でもISO/ITU−TS(旧CCITT)によって国際標準として規格化されたJPEG(Joint Photographic Experts Group) アルゴリズム(ISO/IEC DIS 10918−1)が知られている。また、画像圧縮装置としても入力された画像をJPEGアルゴリズムに従って圧縮処理を行うものがある。
【0003】
このJPEGアルゴリズムは、以下に説明する手順で行われるものである。
それは、図7のフローチャートに示すように先ず入力された画像を主走査(水平)方向8画素、副走査(垂直)方向8画素からなる処理単位ブロックに分割して、この分割した処理単位ブロックに下記の(1)式に従った2次元離散コサイン変換(以下,DCTと称す)を施す(ステップ701、以下ステップをSと略す)。
尚、(1)式において、f(i,j)は図8の(a)に示すようにDCT前の処理単位ブロック内の主走査方向i番目、副走査方向j番目の画素の値を表し、F(u,v)は図8の(b)に示すように、DCT後の処理単位ブロック内の主走査方向u番目、副走査方向v番目の変換値を表している。
【0004】
【数1】
【0005】
そして、DCTによって周波数成分(DCT係数)に変換された処理単位ブロックを、人間の視覚特性等に適合された量子化テーブルで量子化した後(S702)、図9に示すようなジグザグスキャンによって64個の係数からなる1次元データ系列へと並べ替えて(S703)、ハフマン符号化を行い(S704)、これを全ての処理単位ブロックについて終了するまで繰り返す(S705)。
ところが、JPEGアルゴリズムにおいては、処理単位ブロックの画素数が主走査方向8画素×副走査方向8画素となっているので、画像全体の主走査方向或いは副走査方向の画素数が8の自然数倍でないものに対しては、処理単位ブロックの画素数に満たない数のブロック、所謂半端ブロックが発生してしまう。
【0006】
そのために、例えば特開平4−183171号公報に開示された方法を用いた装置では、半端ブロックに符号化済みの画素を補充して処理単位ブロックの画素数を満たすように形成し、画像データの圧縮処理を行うようにしている。
また、特開平6−217149号公報に開示された装置のように、既に変換され画像メモリ内に記憶されている画素のアドレスを変更して半端ブロックに補充して、処理単位ブロックの画素数を満たすように形成して画像圧縮等の処理を行うものがある。
さらには、特開平6−221151号公報に開示された装置のように、処理する画像の大きさが処理単位ブロックサイズの整数倍でない場合、この画像の周囲にある不要データを画像の一部として加え、画像の大きさを処理単位ブロックサイズの整数倍に切上げて処理を行うものがある。
また、特開平6−237385号公報に開示された装置のように、半端ブロックが発生した際に、この半端ブロックの主走査方向の画素数が処理単位ブロックの主走査方向の画素数に満たない場合には、半端ブロックの最右端の画素列をこの画素列の右側にコピーしていき、また半端ブロックの副走査方向の画素数が処理単位ブロックの主走査方向の画素数に満たない場合には、半端ブロックの最下端の画素行をこの画素行の下側にコピーしていくものもある。
【0007】
但し、これらの画像圧縮装置では、例えば画像をスキャナー等で読み取って入力を行うと、この画像上の画素を主(水平)走査線が上から下に順に垂直走査して読み取るラスタースキャン形式で入力されるので、主走査方向8画素×副走査方向8画素の画素数の処理単位ブロックに分割するためには、一旦読み取った画像を、少なくとも副走査方向で8行分の画素行を記憶できるメモリ等の記憶媒体に格納した後に、改めて処理単位ブロックを記憶媒体より取り出すようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平4−183171号公報或いは特開平6−217149号公報に開示された装置では、半端ブロックに画素を補充する際に、主走査方向或いは副走査方向において補充する画素の前に位置する画素を用いて補充するので、記憶媒体からの取り出しアドレスの制御が複雑となり、半端ブロックを取り出すための特別なアドレス制御手段が必要となる。従って、入力された画像に半端ブロックが発生した際、その処理の迅速さを欠いてしまう。
また、特開平6−221151号公報に開示された装置では、半端ブロックに不要データを加えて処理単位ブロックを形成するので、この処理単位ブロック中の原画像部分と不要データ部分との相関性が低くなり、疑似エッジ(画像の稜線)の発生等によって画像の圧縮効率を低下させると共に、画像圧縮により画質を劣化させる可能性がある。
【0009】
さらに、特開平6−237385号公報に開示された装置では、半端ブロック内に斜め方向のエッジが存在する場合に、このエッジの最右端から右側に水平エッジが新たに生成されるか、或いはこのエッジの最下端から下側に垂直エッジが新たに生成される。つまり、半端ブロック内に斜め方向のエッジが存在する場合に、半端ブロック内に画素列或いは画素行をコピーすると、コピー後のブロック内に折れ曲がったエッジが生成されることになる。このコピー後のブロックを圧縮した場合、斜め方向のエッジを延長するようにして処理単位ブロックを形成して圧縮した場合に比べて圧縮効率が低下してしまう。
【0010】
そこで、本発明は、入力された画像を複数の画素からなる処理単位ブロックに分割して圧縮処理を行う画像圧縮装置において、半端ブロックが発生してしまう場合であっても、圧縮効率が良く迅速な画像の圧縮処理を行うことのできる画像圧縮装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために案出されたもので、請求項1記載の発明に係わる画像圧縮装置は、入力された画像を複数の画素からなる処理単位ブロックに分割してこの処理単位ブロック毎に圧縮処理を行うものであり、さらには、入力された画像を前記処理単位ブロックに分割する際にこの処理単位ブロックの画素数に満たない数の画素からなる半端ブロックが発生するか否かを判断する判断手段と、この判断手段で前記半端ブロックが発生すると判断された場合に前記半端ブロックをブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置き換える置換手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
【作用】
請求項1記載の発明に係わる画像圧縮装置の構成によれば、入力された画像を圧縮処理を行うために処理単位ブロックに分割する際に、判断手段で半端ブロックが発生すると判断されると、置換手段でこの半端ブロックが予め設定されているブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックと置き換えられる。
そして、全画素が所定の値である処理単位ブロックは、他の処理単位ブロックと同様に圧縮処理が行われる。
【0015】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明に係わる画像圧縮装置について説明する。
【0016】
〔第1実施例〕
図1は本実施例の画像圧縮装置による動作例を示すフローチャートであり、図2は本実施例の画像圧縮装置の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施例の画像圧縮装置は、画像入力制御部21と、この画像入力制御部21に接続されたラインメモリ22と、同じく画像入力制御部21に接続された圧縮部23とから構成されている。
【0017】
画像入力制御部21は、例えば図示しないスキャナー等で読み取られラスタースキャン形式で入力された画像を受け取るものであり、この画像を後述するラインメモリ22に格納するとともに、格納された画像を主走査方向8画素×副走査方向8画素の画素数の処理単位ブロックで取り出して、圧縮部23へ送出するものである。また、この画像入力制御部21は、ラインメモリ22に格納された画像を処理単位ブロックで取り出す際に、この処理単位ブロックの画素数に満たない数の画素からなる半端ブロックが発生するか否かを判断し、半端ブロックが発生すると判断した場合に、その周囲の画素の値から演算して算出した画素を前記半端ブロックに補充するものとなっている。
ラインメモリ22は、画像入力制御部21からの画像を一時的に格納するために、少なくともラスタースキャン形式で入力された画像の副走査方向で8行分の画素を格納する容量を有するものであり、例えば半導体メモリやハードディスク装置等からなるものである。
圧縮部23は、画像入力制御部21から送出された処理単位ブロック毎に、JPEGアルゴリズムに従って圧縮処理を行うものである。
【0018】
次に、上記構成による画像圧縮装置の動作例について、図1のフローチャートに基づき説明する。
但し、ここではラスタースキャン形式、即ち図3に示すように主走査方向1番目からW番目までの画素が読み取られ、これが1行目からH行目まで繰り返される形式で入力された画像に圧縮処理を行う場合について説明する。尚、図3においてW、Hはともに自然数、iはW以下の自然数、jはH以下の自然数、Pi,j は主走査方向i番目、副走査方向j番目の画素を表している。
図1に示すように、入力された画像は、その画素が画像入力制御部21によってラインメモリ22に書き込まれて格納される(S101)。画像入力制御部21は、ラインメモリ22への画素の格納が終了すると(S102)、続いて、格納されている画素を主走査方向8画素及び副走査方向8画素毎に読み込んで、処理単位ブロックとして分割してラインメモリ22から取り出す(S103)。
【0019】
このときの処理単位ブロックの分割は、図4に示すように、先ず格納されている画素を主走査方向に1画素目から8画素目まで読み込んでこれを副走査方向の8画素目まで繰り返して1つの処理単位ブロックを形成し、この処理単位ブロックの形成を主走査方向の1番目からM番目まで終了するまで行い、次に副走査方向の1番目からN番目までの全てについて終了するまで繰り返す。
尚、Mは入力画像の主走査方向のブロック数(半端ブロックを含む)、Nは入力画像の副走査方向のブロック数(半端ブロックを含む)、pはM以下の自然数、qはN以下の自然数、Bp,q は主走査方向p番目、副走査方向q番目を表している。また、mはWを8で割った余り(8より小さい自然数)、nはHを8で割った余り(8より小さい自然数)、P′x,y はブロック内の主走査方向x番目、副走査方向y番目の画素を表している。
【0020】
また、図1において、ラインメモリ22から取り出されたブロックは、画像入力制御部21によってこのブロックが半端ブロックか否か、即ちこのブロックが主走査方向8画素×副走査方向8画素の画素数を満たすものか否かを各ブロック毎に判断される(S104)。
画像入力制御部21で半端ブロックであると判断された場合には、後述するように半端ブロックに画素が補充されて処理単位ブロックが形成され(S105)、この処理単位ブロックが圧縮部23に入力される(S106)。また、画像入力制御部21で半端ブロックでないと判断された場合には、取り出したブロックはそのまま圧縮部23へ入力される(S106)。
そして、圧縮部23は、入力された処理単位ブロックをJPEGアルゴリズムに従って圧縮し、圧縮データを出力する。
画像入力制御部21で分割された全てのブロックについて圧縮部23での圧縮が終了すると(S107)、入力された画像全てについての圧縮、即ち画像全体の符号化が終了したか否かを確認し(S108)、終了していない場合に上述のステップ(S101〜S108)を繰り返す。
【0021】
ここで、上述した半端ブロックに画素を補充するステップ(図1におけるS105)について詳細に説明する。
画像入力制御部21は、図5の(a)に示すように、半端ブロックの主走査方向の画素数が8画素に満たないものであれば、主走査方向の(m+1)番目から8番目までの各画素の値(画素を数値化した値)を次の(2)式に従って算出する。即ち、補充する各画素の値を、主走査方向においてその画素の左隣に位置する画素及びさらにその左隣に位置する画素の値を基に算出する。
尚、x及びyは共に8以下の自然数である。また、図5において、シェード付矩形は実際に存在する画素、白抜き矩形は補充すべき画素を表している。
【0022】
【数2】
P′x,y =P′x−1,y +ax,y (P′x−2,y −P′x−1,y ) ・・・(2)
(ただし、m+1≦x≦8、1≦y≦8)
【0023】
また、図5の(b)に示すように、半端ブロックの副走査方向の画素数が8画素に満たないものであれば、副走査方向の(n+1)番目から8番目までの各画素の値を次の(3)式に従って算出する。即ち、補充する各画素の値を、副走査方向においてその画素の上に位置する画素及びさらにその上に位置する画素の値を基に算出する。
【0024】
【数3】
P′x,y =P′x,y−1 +ax,y (P′x,y−2 −P′x,y−1 ) ・・・(3)
(ただし、1≦x≦8、n+1≦y≦8)
【0025】
また、図5の(c)に示すように、半端ブロックの主走査及び副走査の両方向の画素数が8画素に満たないものであれば、主走査方向の(m+1)番目から8番目まで、及び副走査方向(n+1)番目から8番目までの範囲にある各画素の値を次の(4)式に従って算出する。即ち、補充する各画素の値を、主走査方向においてその画素の左隣に位置する画素及びさらにその左隣に位置する画素の値と、副走査方向において補充する画素の上に位置する画素及びさらにその上に位置する画素の値とを基に算出する。
【0026】
【数4】
【0027】
尚、上記(2)式〜(4)式において、ax,y は重み係数であり、画素補充後のブロックの圧縮率及びこのブロックに圧縮ならびに伸長を行った復元ブロックの画質や、(2)式〜(4)式の演算の難易度等により決定されるものである。また、このax,y は、(2)式及び(4)式においてm=1である場合にはa1,y =0とし、また、n=1である場合にはax,1 =0とするものである。
また、(2)式及び(4)式において、演算結果が画素の値の取り得る範囲を越えた場合には、この画素の値の取り得る範囲内で前記演算結果に一番近い値を補充する画素の値として算出する。
【0028】
次に、本実施例の画像圧縮装置によって圧縮された画像を、画像伸長装置(図2には図示せず)を用いて、再び伸長する場合について説明する。
例えば、圧縮前の画像の画素数が主走査方向{8(M−1)+m}画素、副走査方向{8(N−1)+n}画素であるとすると、この画像の画素数は画像入力制御部21における画素の補充によって、主走査方向8M画素、副走査方向8N画素となる。よって、この画像を圧縮部23でJPEGアルゴリズムに従って圧縮し、再びこのJPEGアルゴリズムに対応する伸長アルゴリズムで伸長すると、補充した画素を含む主走査方向8M画素、副走査方向8N画素の画素数の画像となってしまう。
このため、圧縮部23での画像圧縮の際に、圧縮されたデータ中に圧縮前の画像の画素数を記録しておき、再び伸長する際に記録した画素数に基づき、圧縮前の画素数である主走査方向{8(M−1)+m)}画素、副走査方向{8(N−1)+n}画素になるように補充した画素の切り捨てを行えばよい。よって、画像入力制御部21における画素の補充があっても、画像を伸長した際に圧縮前の画素数からなる画像を得ることができる。但し、この画素の切り捨ては、公知の技術である画素切り捨てのための手法により行われる。
【0029】
このように本実施例の画像圧縮装置は、入力された画像の圧縮処理を行うために処理単位ブロックに分割する際に、画像入力制御部21で半端ブロックがあるか否かを判断して、半端ブロックがある場合にはさらに画像入力制御部21で補充する画素を演算により求めて前記半端ブロックに補充し、この半端ブロックを処理単位ブロックとするものである。
従って、半端ブロックに補充する画素を演算、即ち線形予測により求めるので、ラインメモリ22から半端ブロックを取り出すための特別なアドレス制御手段が不要であり、また処理単位ブロックを圧縮するアルゴリズムに何ら変更を加えることなく、入力された画像に半端ブロックが発生しても迅速に処理することができる。また、補充する画素を線形予測により求めるので、画素を補充した際に例えば不必要なエッジ等の圧縮効率の低下及び画質劣化の要因の発生を防止することができる。
【0030】
尚、本実施例では、(2)式〜(4)式によって補充する画素を算出する場合について説明したが、画素の演算はこれらの式に限定されるものではなく、圧縮データ量を増加させずに画質の劣化を防ぎかつ演算量及びハードウエア規模の観点から実現容易であれば、他の式であっても実施可能である。
【0031】
〔第2実施例〕
次に、他の実施例の画像圧縮装置について説明する。尚、本実施例の画像圧縮装置は、請求項1記載の発明に係わるものである。
本実施例の画像圧縮装置は、上述した第1の実施例と同じく図2に示すように、画像入力制御部21と、ラインメモリ22と、圧縮部23とから構成されている。
但し、本実施例において画像入力制御部21は第1の実施例と異なり、本発明の判断手段及び置換手段として機能するものである。即ち、この画像入力制御部21は、ラインメモリ22に格納された画像を処理単位ブロックで取り出す際に、この処理単位ブロックの画素数に満たない数の画素からなる半端ブロックが発生するか否かを判断し、半端ブロックが発生すると判断した場合に、前記半端ブロックをブロック内の全画素が所定の値(この実施例においては所定の色)である処理単位ブロックに置き換えるようにしたものである。
【0032】
次に、上記構成による画像圧縮装置の動作例について説明する。
この画像圧縮装置は、図6のフローチャートに示すように画像の圧縮処理を行うものであるが、ここでは第1の実施例(図1に示した動作例)と異なる処理単位ブロックを置換するステップ(図6におけるS605)についてのみ詳細に説明する。
画像入力制御部21で半端ブロックがあると判断された場合には、さらに画像入力制御部21によって、この半端ブロックをブロック内の全画素が所定色である処理単位ブロックに置き換えられる。
【0033】
この置き換えられる処理単位ブロックは、その全画素が予め所定の色に設定されて、例えば画像入力制御部21内に設けられているレジスタ或いはラインメモリ22内の所定の領域等に格納されているものである。
また、全画素の所定色は、画像全体における半端ブロックの位置と、画像を圧縮し伸長した際にどのように可視化するのか(記録紙にプリントするのかディスプレイに表示するのか等)とを考慮して、予め設定され格納されているものであり、例えば普通紙等にプリントする場合には白色等に設定されるものである。
尚、設定される所定色は、上述した第一の実施例のように画像入力制御部21に演算手段としての機能を設けて、半端ブロックに隣接するブロック(例えば半端ブロックが画像の右端にあればその左側、下端にあればその上側にあるブロック)或いはこの半端ブロックの画素の値に基づき演算して、所定色を求めるようにすることも実施可能である。
【0034】
次に、本実施例の画像圧縮装置によって圧縮された画像を、画像伸長装置を用いて再び伸長する場合について、特にここでは圧縮された画像を普通紙にプリントするために伸長する場合について説明する。
例えば、圧縮前の画像の画素数を主走査方向{8(M−1)+m}画素、副走査方向{8(N−1)+n}画素であるとすると、この画像の画素数は、画像入力制御部21による半端ブロックの置き換えによって、主走査方向8M画素、副走査方向8N画素となる。このとき、主走査方向M番目の処理単位ブロック及び副走査方向N番目の処理単位ブロックは、それぞれブロック内の画素が所定色(例えば白色)となっている。
【0035】
そして、主走査方向8M画素、副走査方向8N画素からなる画像を圧縮部23でJPEGアルゴリズムに従って圧縮し、再びこのJPEGアルゴリズムに対応する伸長アルゴリズムで伸長してこれを普通紙にプリントすると、主走査方向8M画素、副走査方向8N画素の画素数の画像で、かつ主走査方向M番目の処理単位ブロック内及び副走査方向N番目の処理単位ブロック内が白色である画像が得られる。
但し、半端ブロックは画像の右端或いは下端に発生するので、通常その領域は必要な情報に対する余白画像であることが多く、またその画素数が主走査方向m画素、副走査方向n画素であるので、画像全体の画素数と比較すると大変小さな領域である。従って、半端ブロックを画素が白色である処理単位ブロックと置き換えても、置換前と置換後で画像が大幅に異なることはない。
【0036】
また、圧縮部23に後述するような符号化に対応する機能を設ければ、ブロックの置換と同等の効果が得られ、なおかつ符号化を高速化できる。
それは、半端ブロックが発生すると判断された場合には、画像入力制御部21でこの半端ブロックを所定色ではなく、予め定められた半端ブロックであることをしめす特定の符号に置き換える。そして、この置き換えられた特定の符号を受け取った圧縮部23では、画像圧縮を行い再び画像伸長を行う際に、前記特定の符号を基に元の画像の画素数とブロックの位置とから置換前の半端ブロックを算出する。例えば、この圧縮部23での算出によって、画像全体の右端は主走査方向m画素、副走査方向8画素、下端は主走査方向8画素、副走査方向n画素、右下端は主走査方向m画素、副走査方向n画素の画素数の半端ブロックを求めて、これらを画像伸長時に特定の符号と置き換える。よって、ブロックの置換と同等の効果が得られ、なおかつ符号化を高速化できる。
【0037】
このように本実施例の画像圧縮装置は、入力された画像の圧縮処理を行うために処理単位ブロックに分割する際に、画像入力制御部21で半端ブロックがあるか否かを判断して、半端ブロックがある場合にはさらに画像入力制御部21で前記半端ブロックをブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置き換えるようになっている。
従って、ブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置換するので、処理単位ブロックを圧縮するアルゴリズムに何ら変更を加えることなく、非常に効率の良い画像圧縮が可能となり、また圧縮処理時間も短縮できるようになり、結果として半端ブロックが発生する場合であっても迅速に処理することができる。
【0038】
尚、上述した各実施例(第1実施例及び第2実施例)では、圧縮部23の圧縮アルゴリズムとしてJPEGアルゴリズムを例にとって説明したが、画像を主走査方向A画素、副走査方向B画素のブロック単位で圧縮処理するものであれば、他のアルゴリズムによるものであってもよい。
さらに、各実施例では、画像入力制御部21にラスタースキャン形式で画像が入力される場合について説明したが、ブロック単位で画像を入力する場合であっても実施可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明の画像処理装置は、入力された画像を複数の画素からなる処理単位ブロック毎に圧縮処理を行う画像圧縮装置において、画像を処理単位ブロックに分割する際に、判断手段で半端ブロックが発生するか否かを判断して、半端ブロックが発生する場合にはこの半端ブロックを置換手段でブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置き換えることにより、非常に効率が良く処理時間の短い圧縮処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像圧縮装置の第1の動作例を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係わる画像圧縮装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】ラスタースキャン形式の走査順序を示す説明図である。
【図4】画像を処理単位ブロックに分割する手順を示す説明図である。
【図5】本発明における半端ブロックに対する画素の補充又は置換処理を示す説明図である。
【図6】本発明に係わる画像圧縮装置の第2の動作例を示すフローチャートである。
【図7】画像圧縮時のJPEGアルゴリズムによる処理を示すフローチャートである。
【図8】DCT前の画素の値及びDCT後の変換値を示す説明図である。
【図9】JPEGアルゴリズムによるジグザグスキャンの順序を示す説明図である。
【符号の説明】
21 画像入力制御部 22 ラインメモリ
23 圧縮部
Claims (1)
- 入力された画像を複数の画素からなる処理単位ブロックに分割してこの処理単位ブロック毎に圧縮処理を行う画像圧縮装置において、
前記画像を前記処理単位ブロックに分割する際に、この処理単位ブロックの画素数に満たない数の画素からなる半端ブロックが発生するか否かを判断する判断手段と、
該判断手段で前記半端ブロックが発生すると判断された場合に、前記半端ブロックをブロック内の全画素が所定の値である処理単位ブロックに置き換える置換手段とを備えることを特徴とする画像圧縮装置。
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