JP3603265B2 - フィニッシャの用紙排出機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電複写機やプリンタ等の画像形成機本体に装着され、画像形成機本体から搬入されることにより形成された用紙束に用紙後処理、例えば、ステイプル処理を施した後に排出トレイに排出するフィニッシャに備えられた用紙排出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成機、例えば静電複写機における複写機本体に装着され、複写機本体から搬入されることにより形成された用紙束に用紙後処理であるステイプル処理を施した後に、排出トレイに排出することができるフィニッシャは、既に広く実用化されている。この種のフィニッシャは、ステイプル処理を行なうための処理トレイを備えており、この処理トレイは、ステイプラのヘッド部を備えたトレイと、ステイプラのクリンチ部を備えたトレイとから構成されている。ステイプラはこのように2分割された形態で所定の位置に設置されている。処理トレイにおいてステイプル処理が施された用紙束は、処理トレイに備えられた用紙移動手段により用紙排出機構に搬送され、用紙排出機構によって排出トレイに排出される。
【0003】
用紙排出機構は、駆動ローラ及び被駆動ローラを含む排出ローラ対と、用紙束を排出ローラ対に向けて案内する静止下ガイド部材及び可動上ガイド部材とを備えている。駆動ローラはフィニッシャの静止枠に回動自在に支持され、被駆動ローラは可動上ガイド部材の用紙搬送方向下流側の端部に支持されている。可動上ガイド部材は、フィニッシャの静止枠に回動自在に支持され、ばね手段によって被駆動ローラが駆動ローラに圧接されるよう常時付勢されている。排紙時には駆動ローラは電動モータにより常時回転させられ、被駆動ローラは駆動ローラに連れ回りさせられる。排出ローラ対を用紙束が通過するときには、被駆動ローラは、可動上ガイド部材と共にばね手段に抗して駆動ローラから離れるよう用紙束によって上方に押し上げられ、用紙束の通過及び排出を許容する。
【0004】
上記ステイプラの設置位置は、用紙後処理の高効率化、高速化等を考慮して、一般的には処理トレイの長手方向中央部に規定されることが多い。これは、例えば、複写と共に用紙後処理が一般的に最も多く行なわれる標準サイズの用紙であるA4横サイズの用紙束の端部綴じに対応させたものである。このようなフィニッシャにおいて、A4横サイズの用紙よりも大きな用紙、例えばA3縦サイズの用紙束に用紙後処理である端部綴じを施す場合、用紙束が所定の後処理位置に位置付けられると、該用紙束の後端部は用紙排出機構の排出ローラ対を下流側に越えてしまう。このため該用紙束の後処理は、その後端部が排出ローラ対を下流側に越えた位置に位置付けた状態で行なう必要がある。この場合、処理トレイに搬入された用紙は、その先端を受け止めることができる受止部材によってステイプル位置よりも下方において用紙束に形成された後に、所定の後処理位置まで移動させられる。このとき、該用紙束は、その後端部が排出ローラ対によって排出されることなく、所定の後処理位置に停止させる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、標準サイズを越えた大きなサイズの用紙束を所定の後処理位置に停止させるために、従来の用紙排出機構においては、電動モータ、ソレノイド等のアクチュエータを配設し、このアクチュエータを可動上ガイド部材に作用させて、被駆動ローラを駆動ローラから上方に離隔させると共に、駆動ローラにクラッチを設け、駆動ローラの駆動を停止させるようにしていた。このような手段によれば、標準サイズを越えた大きなサイズの用紙束を所定の後処理位置に停止させることはできるものの、電動モータ、ソレノイド等のアクチュエータの他にクラッチを設ける必要があるので、部品点数が増加し、コストアップとなる。
【0006】
本発明の目的は、後処理位置に位置付けられた用紙束の後端部が排出ローラ対を越えた場合においても、駆動ローラの駆動を停止させることなく用紙束を確実に停止させた状態で後処理位置に位置付けるとを可能にし、その結果、駆動ローラを停止させるためのクラッチを設ける必要をなくして部品点数の削減及びコストダウンを可能にする、新規なフィニッシャの用紙排出機構を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、駆動ローラ及び被駆動ローラを含む排出ローラ対と、用紙束を排出ローラ対に向けて案内するよう用紙束の搬送方向上流側から下流側に向かって延在する下ガイド部材及び上ガイド部材とを備え、上ガイド部材の下流側端部には該被駆動ローラが支持され、上ガイド部材の該搬送方向中間部は固定軸に回動自在にかつ所定の範囲、上下方向に移動自在に支持され、上ガイド部材の上流側端部には支点軸が配設され、支点軸の上方への移動は拘束するが下方への移動は許容する拘束壁が配設され、上ガイド部材の、該固定軸よりも下流側が第1のばね手段により下方に付勢されて被駆動ローラが駆動ローラに圧接させられ、上ガイド部材の上流側端部が第2のばね手段により上方に付勢されて支点軸が拘束壁に圧接・拘束され、上ガイド部材の上流側端部を下方に向けて解除自在に強制する強制移動手段が配設され、下ガイド部材は、回動自在に配設されかつ上ガイド部材の上流側端部と連動しうるよう、その一部が支点軸に係合され、用紙束が排出ローラ対を通過するに際し用紙束により被駆動ローラに押し上げ力が作用すると、上ガイド部材は拘束壁に圧接・拘束された支点軸を支点に上方に回動させられかつ該固定軸に対し相対的に上方に移動させられて該通過が許容され、上ガイド部材の上流側端部が強制移動手段により下方に向けて強制させられると、上ガイド部材は、固定軸を支点に回動させられて被駆動ローラは駆動ローラの上方に離隔されかつ支点軸が拘束壁から下方に移動させられることにより下ガイド部材は、その上面が駆動ローラの外周面を越えて用紙束が駆動ローラの外周面に接触しない上方位置まで移動させられる、
ことを特徴とするフィニッシャの用紙排出機構、が提供される。
【0008】
該搬送方向に対し水平に直交する前後方向に間隔をおいて一対の静止側枠が配設され、静止側枠の各々には静止側枠の各々から相互に接近する方向に延び出す該固定軸が配設され、上ガイド部材の該前後方向両側部であって該搬送方向中間部には実質上、上下方向に延在する長孔が形成され、長孔の各々が、対応する該固定軸に嵌合されることにより、上ガイド部材の該搬送方向中間部は固定軸に回動自在にかつ長孔の上下方向両端により規定される該所定の範囲内で上下方向に移動自在に支持される、ことが好ましい。
用紙束が排出ローラ対を通過するに際し用紙束により被駆動ローラに押し上げ力が作用すると、上ガイド部材は拘束壁に圧接・拘束された支点軸を支点に回動させられかつ長孔の各々が、対応する該固定軸に対し相対的に上方に移動させられることにより被駆動ローラが押し上げられて該通過が許容される、ことが好ましい。
上ガイド部材の上流側端部が強制移動手段により下方に向けて強制させられると、上ガイド部材は、その長孔の各々の上端面が、対応する該固定軸に圧接させられることにより該固定軸を支点に回動させられて被駆動ローラは駆動ローラの上方に離隔される、ことが好ましい。
上ガイド部材の該前後方向両側部における上流側端部には、該支点軸が側外方に延び出すよう配設され、静止側枠の各々には、対応する支点軸に関連して該拘束壁が配設され、該拘束壁の各々は、対応する支点軸の上側を横切るように延在して支点軸の上方への移動を拘束する拘束部と、対応する支点軸の、該拘束部から該固定軸まわりの下方への回動移動及び逆方向への回動移動をそれぞれ案内して許容する案内部とを備えている、ことが好ましい。
下ガイド部材の該前後方向両側部には相互に間隔をおいて対向する取付フランジが形成され、下ガイド部材は、取付フランジの各々が、対応する静止側枠に回動自在に支持されることにより、対応する静止側枠に回動自在に支持され、取付フランジの各々の先端部には、一端が開放された係合溝が形成され、下ガイド部材は、上ガイド部材の上流側端部と連動しうるよう、取付フランジの各々の係合溝が、対応する支点軸に相対移動自在に係合されている、ことが好ましい。
強制移動手段は、静止側枠の各々間に回動自在に支持された軸と、該軸に配設された作動レバーと、該軸に駆動連結されたソレノイドとを含み、ソレノイドがONされると、作動レバーの先端が上ガイド部材の上流側端部を下方に向けて強制する、ことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成されたフィニッシャの用紙排出機構の好適な実施の形態を、添付図面を参照して更に詳細に説明する。図1を参照して、図示しない複写機本体に付設されるフィニッシャ2は、直方体形状のハウジング4を備えている。ハウジング4の、図示しない複写機本体の一側部と対向する一側部には用紙搬入口6が設けられている。ハウジング4内には、用紙搬入口6からハウジング4の他側部方向に向かって延びる第1用紙搬送路8が配設されている。ハウジング4内にはまた、第1用紙搬送路8から分岐して後述する処理トレイ20に向かって延びる第2用紙搬送路10が配設されている。第1用紙搬送路8と第2用紙搬送路10との分岐部には分岐爪12が配設されている。第1用紙搬送路8には搬送ローラ対8a及び8bが配設され、第2用紙搬送路10には搬送ローラ対10aが配設されている。第1用紙搬送路8の下流端(排出端)には、本発明による用紙排出機構に含まれる排出ローラ対14が配設されている。ハウジング4の排出側である他側部には排出トレイ16が装着されている。用紙(記録紙)に後処理を行なわない場合には、分岐爪12は図1に示す位置から図示しない他の位置に切り換えられ、用紙搬入口6から搬入された用紙は、搬送ローラ対8a及び8bにより第1用紙搬送路8を通して排出ローラ対14に向けて搬送され、排出ローラ対14により排出トレイ16に排出される。一方、用紙(記録紙)にステイプル処理を行なう場合には、分岐爪12は図1に示す位置に切り換えられ、用紙搬入口6から搬入された用紙は、搬送ローラ対8a、8b及び10bにより第2用紙搬送路10を通して処理トレイ20に搬送される。
【0010】
ステイプル処理を行なうための処理トレイ20は、処理トレイ下部22と、処理トレイ下部22に対向して配置された処理トレイ上部24とを備えている。処理トレイ下部22及び処理トレイ上部24は、下方から上方に排出ローラ対14に向かって斜めに延在するよう配置されている。処理トレイ下部22にはステイプラのヘッド部22aが備えられ、処理トレイ上部24にはステイプラのクリンチ部24aが備えられている。ステイプラはこのように、処理トレイ下部22と処理トレイ上部24との間で2分割された形態で所定の位置に設置されている。実施形態において、ステイプラのヘッド部22aとステイプラのクリンチ部24aとは、処理トレイ20の長手方向中央部に対して対称な位置に2基設置されている。これは、先に述べたように、複写と共に用紙後処理が一般的に最も多く行なわれる標準サイズの用紙であるA4横サイズの用紙束の端部綴じに対応させたものである。
【0011】
処理トレイ下部22には、用紙移動手段である無端ベルト26及び28が、処理トレイ下部22の幅方向(図1において表裏方向)の中央部に回動自在に配設されている。無端ベルト26には、第2用紙搬送路10を通して処理トレイ20に搬送される用紙の先端中央を受け止めて支持するための用紙中央先端受止部材30が配設されている。また無端ベルト28には、用紙の後端又は先端の中央を押すことができる突起部材32が配設されている。無端ベルト28は幅方向中央に配置された1本の無端ベルトからなり、また無端ベルト26は幅方向中央部において幅方向に間隔をおいて配置された2本の無端ベルトからなるので、無端ベルト28及び突起部材32が無端ベルト26に干渉することはない。処理トレイ下部22にはまた、ステイプラを利用して用紙束(上記A4横サイズの用紙束)の先端部を綴じる場合に、該用紙束の先端を所定の後処理位置に位置付けるため、一対の用紙先端受止部材34が、無端ベルト26を挟んで幅方向に間隔をおいて配設されている。このレイアウトにより、用紙先端受止部材34の各々が無端ベルト26の用紙中央先端受止部材30の移動に干渉して該移動を妨げることはない。用紙先端受止部材34の各々は、中綴じ等の場合には、用紙の搬送を妨げないように、処理トレイ下部22の表面から処理トレイ上部24側に退避されるよう移動自在に配設されている。処理トレイ下部22にはまた、用紙束の幅方向位置を整合させるための図示しない幅寄せ部材が、無端ベルト26及び28を挟んで幅方向に上部下部にそれぞれ1対、移動自在に配設されている。
【0012】
次に処理トレイ20に搬入されたA4横サイズの用紙束の端部綴じの概要を説明する。用紙中央先端受止部材30は、無端ベルト26によって、一対の用紙先端受止部材34と整合された所定の後処理位置に移動させられ、待機させられる。処理トレイ20に搬入された用紙は、用紙中央先端受止部材30及び用紙先端受止部材34によって受け止められ、用紙束が形成される。このとき突起部材32が無端ベルト28によって下方に移動させられ、用紙束の後端が押されて前端が揃えられ、また図示しない幅寄せ部材の幅方向の移動によって用紙束は該幅方向に揃えられる。次いでステイプラが作動して用紙束の先端部が綴じられる。端部綴じが遂行された用紙束は、用紙中央先端受止部材30に先端が支持された状態で、図1において反時計方向に回動される無端ベルト26によって無端ベルト26の最上位まで搬送される。このとき、無端ベルト28は図1において反時計方向に回動させられ、該回動により突起部材32が用紙中央先端受止部材30から用紙束を受け取って排出ローラ対14に向けて上方に移動させる。排出ローラ対14まで搬送された用紙束は排出ローラ対14によって排出トレイ16に排出される。
【0013】
次に、上記排出ローラ対14を含む、本発明による用紙排出機構について説明する。なお、図2〜図4においては、後述する側板36は省略して示されている。先ず図2、図5及び図6を参照して、フィニッシャ2には、前後方向(図2において表裏方向、図5において左右方向)に間隔をおいて一対の側板36が配設されている。図5においては前側の側板36のみが示されている。なお同様に、図2〜図5において、該前後方向に備えられた一対の部材については、前側のみが図示されている。鋼板からなる側板36の各々の内側には、鋼板からなる主枠体38が図示しないビスにより締結されている。主枠体38は、該前後方向に延在する天壁部38aと、天壁部38aの該前後方向両端から垂下する取付部38bと、取付部38bの各々よりも所定の距離だけ内側に配置されて直立するよう形成された静止側枠38cとを備えている。主枠体38は、取付部38bの各々が、対応する側板36にビスにより締結されることにより、側板36の各々間に支持される。用紙排出機構は、上記排出ローラ対14と、用紙束を排出ローラ対14に向けて案内するよう用紙束の搬送方向(図2において矢印B方向)上流側から下流側に向かって延在する下ガイド部材40及び上ガイド部材42とを備えている。排出ローラ対14は、駆動ローラ44及び被駆動ローラ46から構成されている。被駆動ローラ46は駆動ローラ44の上側に配置されて、被駆動ローラ46の回転駆動により連れ回りされるよう構成されている。駆動ローラ44は、側板36間に水平に延在して回転自在に支持された軸44aに相互に間隔をおいて複数個、実施形態においては4個、一体回転しうるよう装着されている(図2及び図5においては1個のみ示されている)。駆動ローラ44は、フィニッシャ2内に配設された図示しない搬送モータによって回転駆動されるよう、該搬送モータに駆動結合されている。被駆動ローラ46は、後述する上ガイド部材42の該搬送方向下流側端部に複数個、実施形態においては4個、それぞれ回転自在に支持されている(図2及び図5においては1個のみ示されている)。
【0014】
ABS樹脂等の適宜の合成樹脂から一体に形成することができる上ガイド部材42は、その全体は図示されてはいないが、平面から見てほぼ矩形状をなし、また該前後方向から見て、被駆動ローラ46の直径よりも若干小さい高さ寸法(厚さ)をもって該搬送方向に延在するような矩形状に形成されている。上ガイド部材42は、底壁42aと、底壁42aの周縁に連続して形成されかつ底壁42aから直立するよう形成されたフランジ42bとを備えている。底壁42aの下面は、用紙の案内面を規定している。主枠体38の各々の静止側枠38cには、相互に接近する方向に水平に延び出す固定軸48が共通の軸線上に配設されている。上ガイド部材42の該前後方向(長手方向)両側部(フランジ42b)における該搬送方向中間部には、底壁42aに対してほぼ直交する上下方向に延在する長孔50が形成されている。長孔50の各々が、対応する固定軸48に嵌合されることにより、上ガイド部材42の該搬送方向中間部は固定軸48に回動自在にかつ長孔50の上下方向両端により規定される所定の範囲内で上下方向に移動自在に支持される。
【0015】
上ガイド部材42の該前後方向両側部(フランジ42b)における上流側端部には、支点軸52が側外方に延び出すよう共通の軸線上に配設されている。主枠体38の各々の静止側枠38cには、対応する支点軸52に関連して拘束壁54が配設されている。拘束壁54の各々は、対応する支点軸52の上側を横切るように水平に延在して支点軸52の上方への移動を拘束する拘束部54aと、対応する支点軸52の、拘束部54aから固定軸48まわりの下方への回動移動、及び逆方向への回動移動をそれぞれ案内して許容する案内部54bとを備えている。案内部54bの各々は、対応する固定軸48を中心とする円弧面上に配置されることが好ましい。拘束壁54の各々は、対応する主枠体38の静止側枠38cの下端部を側外方に直角に折り曲げることにより形成されている。
【0016】
上ガイド部材42の、固定軸48の各々よりも下流側は、第1のばね手段である、一対の圧縮コイルばね56により下方に付勢されている。圧縮コイルばね56の各々は、上ガイド部材42の底壁42aの該前後方向両端部と、主枠体38の天壁部38aの、対応する端部との間に介在させられている。上ガイド部材42は圧縮コイルばね56の各々により、下方に強制され、長孔48の各々は、対応する固定軸48に対し下方に向かって相対的に移動させられる。上ガイド部材42に支持された被駆動ローラ46は駆動ローラ44に圧接させられる。長孔48の各々の上端面は、対応する固定軸48に対して上方に僅かの隙間を残して位置付けられる。上ガイド部材42の上流側端部は、第2のばね手段である一対の引張コイルばね58により上方に付勢されている。引張コイルばね58の各々は、上ガイド部材42の該前後方向両側部(フランジ42b)に形成された取付孔42cと、主枠体38の天壁部38aの、対応する端部に形成された取付孔38dとの間に介在させられている。なお、天壁部38aの対応する端部には、取付孔38dに隣接して比較的大きな他の取付孔38eが形成され、対応する引張コイルばね58の装着を可能にしている。上ガイド部材42の支点軸52の各々が、対応する拘束壁54の拘束部54aに対し上方に強制されるので、支点軸52の各々は、対応する拘束壁54の拘束部54aに圧接・拘束される。支点軸52の各々は、対応する拘束壁54の拘束部54aと案内部54bとの境界部に位置付けられている。この状態で、上ガイド部材42の長孔50の各々は、実質上、上下方向に延在するよう位置付けられる。上記したように、拘束壁54の各々は、対応する主枠体38の静止側枠38cの下端部を側外方に直角に折り曲げることにより形成されているので、引張コイルばね58の各々によって支点軸52を介して上方への負荷が作用しても、強度上有利である。また後述する、支点軸52の各々のガイドも円滑に行なわせることができる。
【0017】
主枠体38の静止側枠38cの各々には、相互に接近する方向に水平に延び出す支持軸60が共通の軸線上に配設されている。支持軸60の各々は、対応する固定軸48よりも下方位置に配置されている。下ガイド部材40は、支持軸60の各々を介して主枠体38の各々の静止側枠38cに回動自在に配設されると共に上ガイド部材42の上流側端部と連動しうるよう、その一部が支点軸52に係合されている。更に具体的に説明すると、下ガイド部材40は、該搬送方向に延在する案内壁部40aと、案内壁部40aの該前後方向両端に相互に間隔をおいて対向するよう形成された取付フランジ40bとを備えている。取付フランジ40bの各々は、下ガイド部材40を前後方向(長手方向)に見て、案内壁部40aの幅方向中央部から一定の幅で案内壁部40aの上面に対し所定の角度傾斜して該上面から離隔する方向に直線状に延び出すよう形成されている。下ガイド部材40は、取付フランジ40bの各々が、対応する静止側枠38cに支持軸60を介して回動自在に支持されることにより、対応する静止側枠38cに回動自在に支持される。取付フランジ40bの各々の先端部には、一端が開放された係合溝41が形成されている。係合溝41の各々は、対応する取付フランジ40bの各々に沿って一定の幅で平行にかつ直線状に延在する側壁部41a(図4参照)と、側壁部41aの各々間を円弧形状に連結する閉塞端部41bとを備えている(図4参照)。係合溝41の各々は、該前後方向に見てほぼU形状をなすよう形成されている。係合溝41の各々の周縁は、対応する取付フランジ40bを側外方に直角に折り曲げることにより形成されている。下ガイド部材40は、上ガイド部材42の上流側端部と連動しうるよう、取付フランジ40bの各々の係合溝41が、対応する支点軸52に相対移動自在に係合されている。図2に示されるセット状態において、取付フランジ40bの各々及び係合溝41の各々における側壁部41aの各々はほぼ水平に位置付けられ、係合溝41の各々における上側の側壁部41aは、対応する拘束壁54の拘束部54aに整合して位置付けられる。
【0018】
本発明による用紙排出機構には、更に、上ガイド部材42の上流側端部を下方に向けて解除自在に強制する強制移動手段が配設されている。更に具体的に説明すると、強制移動手段は、静止側枠38cの各々間に回動自在に支持された軸62と、軸62に間隔をおいて配設された一対の作動レバー64と、軸62の該前後方向の前端に配設された被作動レバー66と、被作動レバー66に駆動連結されたソレノイド68とを含んでいる。ソレノイド68は前側の側壁36に装着されている。ソレノイド68がONされると、被作動レバー66が図2において時計方向に回動させられ、作動レバー64の先端が上ガイド部材42の上流側端部を下方に向けて強制する。
【0019】
図1及び図2を参照して、上記用紙排出機構において、用紙束の先端部が綴じられた、標準サイズであるA4横の用紙束が上記処理トレイ20から搬送させられると、該用紙束は、駆動ローラ44及び被駆動ローラ46によって排出トレイ16に排出される。用紙束が排出ローラ対14を通過するに際しては、用紙束により被駆動ローラ46に押し上げ力が作用する。被駆動ローラ46に押し上げ力が作用すると、上ガイド部材42は、拘束壁54の拘束部54aに圧接・拘束された支点軸52を支点に、圧縮コイルばね56の各々のばね力に抗して図2において時計方向に回動させられかつ、長孔50の各々が、対応する固定軸48に対し相対的に上方に移動させられることにより被駆動ローラ46が押し上げられて該通過が許容される(図3参照)。被駆動ローラ46の上方への移動ストロークは、用紙束の最大の厚さ以上に規定されている。この動作において、上ガイド部材42の支点軸52の各々は、対応する引張コイルばね58によって拘束壁54の拘束部54aにしっかりと圧接・拘束され、実質上不動に保持されるので、被駆動ローラ46の上昇動作は安定して容易かつ確実に遂行される。また、この動作において、上ガイド部材42の支点軸52の各々が、実質上不動に保持されることに起因して、下ガイド部材40はセット位置に確実に保持され、用紙束の排出を円滑に案内する。
【0020】
図1及び図2を参照して、A4横サイズの用紙よりも大きな用紙、例えばA3縦サイズの用紙束に後処理である端部綴じを施す場合、用紙中央先端受止部材30は、無端ベルト26によって下方に移動させられ、下方位置で待機させられる。一対の用紙先端受止部材34は用紙の搬入を妨げないように、処理トレイ下部22の表面からその内側に退避させられる。処理トレイ20に搬入された用紙は、用紙中央先端受止部材30によって受け止められ、用紙束が形成される。次に、用紙中央先端受止部材30は無端ベルト26によって上方に移動させられ、用紙束の先端部を後処理位置(ステイプル位置)に位置付けるが、少なくともそれよりも前に、上記用紙排出機構においては、ソレノイド68がONされる。
【0021】
ソレノイド68がONされると、被作動レバー66が図2において時計方向に回動させられ、作動レバー64の先端が上ガイド部材42の上流側端部を下方に向けて強制する。上ガイド部材42の長孔50の各々の上端面は、対応する固定軸48に僅かの隙間をおいて位置付けられているので、上ガイド部材42は、僅かに下方に移動させられ該隙間は実質上ゼロにさせられる。これにより上ガイド部材42は、固定軸48の各々を支点に図2において時計方向に安定して回動させられ、被駆動ローラ44は駆動ローラ46の上方に離隔される。被駆動ローラ46の上方への移動ストロークは、用紙束の最大の厚さ以上に規定されている。上ガイド部材42の、固定軸48の各々を支点とする上記回動によって、支点軸52の各々が、対応する引張コイルばね58のばね力に抗して、対応する拘束壁54の拘束部54aから下方に案内部54bに沿って移動させられる。上ガイド部材42の支点軸52の各々が拘束壁54の拘束部54aから下方に移動させられることにより下ガイド部材40が支持軸60の各々まわりに回動させられる。支点軸52の各々は、拘束壁54の案内部54bに沿って移動させられると共に下ガイド部材40の、対応する案内溝41の各々内を相対移動しながら下ガイド部材40を支持軸60の各々まわりに回動させるので、上ガイド部材42と下ガイド部材40との連動は円滑に行なわれる。下ガイド部材40の上記回動により、下ガイド部材40は、その上面が駆動ローラ44の外周面を越えて用紙束が駆動ローラ44の外周面に接触しない上方位置まで回動させられる(図4参照)。
【0022】
上記用紙排出機構においてA3縦等の長手サイズの用紙についての処理動作が遂行された後に、用紙中央先端受止部材30は無端ベルト26によって上方に移動させられ、用紙束の先端部が後処理位置(ステイプル位置)よりも若干通過した位置で停止させられる。次いで、用紙先端受止部材34の各々が退避位置から後処理位置に復帰させられ、用紙中央先端受止部材30は無端ベルト26によって下方に移動させられ後処理位置に位置付けられる。このとき用紙束の後端部が、駆動ローラ44の上方を延在するよう位置付けられる。しかしながら、下ガイド部材40の上面は、用紙束が駆動ローラ44の外周面に接触しない上方位置に位置付けられているので、駆動ローラ44が回転駆動されていても、用紙束を排出させたり動かしたりすることはなく、用紙束は十分確実に後処理位置に位置付けられ、所望するとおりに後処理であるステイプル処理が遂行される。駆動ローラ44を停止させるためのクラッチを設ける必要をなくして部品点数の削減及びコストダウンを可能にする。次いで、用紙中央先端受止部材30を無端ベルト26によって上方に移動させて用紙束を移動させ、同時にソレノイド68をOFFして、上ガイド部材42及び下ガイド部材40をセット位置に復帰させる。用紙束の後端部は駆動ローラ44及び被駆動ローラ46によりニップされ、排出トレイ16に排出される。用紙中央先端受止部材30は無端ベルト26によって下方に移動させられ、先に述べた待機位置に戻される。
【0023】
【発明の効果】
本発明によるフィニッシャの用紙排出機構によれば、後処理位置に位置付けられた用紙束の後端部が排出ローラ対を越えた場合においても、駆動ローラの駆動を停止させることなく用紙束を確実に停止させた状態で後処理位置に位置付けるとを可能にし、その結果、駆動ローラを停止させるためのクラッチを設ける必要をなくして部品点数の削減及びコストダウンを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたフィニッシャの用紙排出機構の実施形態を備えた複写機のフィニッシャを示す概略構成図。
【図2】図1に示すフィニッシャに備えられた用紙排出機構の実施形態の構成を示す側面図。
【図3】図2に示す用紙排出機構の他の作動態様を示す側面図。
【図4】図2に示す用紙排出機構の更に他の作動態様を示す側面図。
【図5】図2に示す用紙排出機構の一部を示す上面図。
【図6】図1のA−A矢視断面図。
【符号の説明】
2 フィニッシャ
14 排出ローラ対
20 処理トレイ
38 静止側枠
40 下ガイド部材
42 上ガイド部材
44 駆動ローラ
46 被駆動ローラ
48 固定軸
50 長孔
52 支点軸
54 拘束壁
56 圧縮コイルばね
58 引張コイルばね
68 ソレノイド
Claims (7)
- 駆動ローラ及び被駆動ローラを含む排出ローラ対と、用紙束を排出ローラ対に向けて案内するよう用紙束の搬送方向上流側から下流側に向かって延在する下ガイド部材及び上ガイド部材とを備え、上ガイド部材の下流側端部には該被駆動ローラが支持され、上ガイド部材の該搬送方向中間部は固定軸に回動自在にかつ所定の範囲、上下方向に移動自在に支持され、上ガイド部材の上流側端部には支点軸が配設され、支点軸の上方への移動は拘束するが下方への移動は許容する拘束壁が配設され、上ガイド部材の、該固定軸よりも下流側が第1のばね手段により下方に付勢されて被駆動ローラが駆動ローラに圧接させられ、上ガイド部材の上流側端部が第2のばね手段により上方に付勢されて支点軸が拘束壁に圧接・拘束され、上ガイド部材の上流側端部を下方に向けて解除自在に強制する強制移動手段が配設され、下ガイド部材は、回動自在に配設されかつ上ガイド部材の上流側端部と連動しうるよう、その一部が支点軸に係合され、用紙束が排出ローラ対を通過するに際し用紙束により被駆動ローラに押し上げ力が作用すると、上ガイド部材は拘束壁に圧接・拘束された支点軸を支点に上方に回動させられかつ該固定軸に対し相対的に上方に移動させられて該通過が許容され、上ガイド部材の上流側端部が強制移動手段により下方に向けて強制させられると、上ガイド部材は、固定軸を支点に回動させられて被駆動ローラは駆動ローラの上方に離隔されかつ支点軸が拘束壁から下方に移動させられることにより下ガイド部材は、その上面が駆動ローラの外周面を越えて用紙束が駆動ローラの外周面に接触しない上方位置まで移動させられる、
ことを特徴とするフィニッシャの用紙排出機構。 - 該搬送方向に対し水平に直交する前後方向に間隔をおいて一対の静止側枠が配設され、静止側枠の各々には静止側枠の各々から相互に接近する方向に延び出す該固定軸が配設され、上ガイド部材の該前後方向両側部であって該搬送方向中間部には実質上、上下方向に延在する長孔が形成され、長孔の各々が、対応する該固定軸に嵌合されることにより、上ガイド部材の該搬送方向中間部は固定軸に回動自在にかつ長孔の上下方向両端により規定される該所定の範囲内で上下方向に移動自在に支持される、請求項1記載のフィニッシャの用紙排出機構。
- 用紙束が排出ローラ対を通過するに際し用紙束により被駆動ローラに押し上げ力が作用すると、上ガイド部材は拘束壁に圧接・拘束された支点軸を支点に回動させられかつ長孔の各々が、対応する該固定軸に対し相対的に上方に移動させられることにより被駆動ローラが押し上げられて該通過が許容される、請求項2記載のフィニッシャの用紙排出機構。
- 上ガイド部材の上流側端部が強制移動手段により下方に向けて強制させられると、上ガイド部材は、その長孔の各々の上端面が、対応する該固定軸に圧接させられることにより該固定軸を支点に回動させられて被駆動ローラは駆動ローラの上方に離隔される、請求項2記載のフィニッシャの用紙排出機構。
- 上ガイド部材の該前後方向両側部における上流側端部には、該支点軸が側外方に延び出すよう配設され、静止側枠の各々には、対応する支点軸に関連して該拘束壁が配設され、該拘束壁の各々は、対応する支点軸の上側を横切るように延在して支点軸の上方への移動を拘束する拘束部と、対応する支点軸の、該拘束部から該固定軸まわりの下方への回動移動及び逆方向への回動移動をそれぞれ案内して許容する案内部とを備えている、請求項2〜4のいずれか1項に記載のフィニッシャの用紙排出機構。
- 下ガイド部材の該前後方向両側部には相互に間隔をおいて対向する取付フランジが形成され、下ガイド部材は、取付フランジの各々が、対応する静止側枠に回動自在に支持されることにより、対応する静止側枠に回動自在に支持され、取付フランジの各々の先端部には、一端が開放された係合溝が形成され、下ガイド部材は、上ガイド部材の上流側端部と連動しうるよう、取付フランジの各々の係合溝が、対応する支点軸に相対移動自在に係合されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載のフィニッシャの用紙排出機構。
- 強制移動手段は、静止側枠の各々間に回動自在に支持された軸と、該軸に配設された作動レバーと、該軸に駆動連結されたソレノイドとを含み、ソレノイドがONされると、作動レバーの先端が上ガイド部材の上流側端部を下方に向けて強制する、請求項2又は4〜6のいずれか1項に記載のフィニッシャの用紙排出機構。
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