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JP3606971B2 - 不燃性板の製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主として住宅の外壁、内壁、天井等に用いられる、凹凸模様つきの不燃性の板に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記の不燃性の板としては、セメント板、珪酸カルシューム板などがあり、セメント板は、セメント、増量材、補強用の短い繊維等を水と共にスラリー状に混合してなる原料を固化させたものであり、珪酸カルシューム板も珪酸カルシューム等に増量材、補強用の短い繊維等を水と共にスラリー状に混合した原料を板状に抄造し固化させたものである。
【0003】
そして、これらの板の表面には種々の形状の凹凸模様がつけられて塗料による着色が施されて販売されている。該凹凸模様は、半固化の状態のときプレスによって作られ、その深さは2〜3mmであったが、深さを大にすると共に角部をシャープにすると豪華な感じが得られること、深さを多様に変化させれば模様の種類が多くなることなどから、最近は凹凸部の深さを4〜6mmに増加して高級化する傾向が多く見られるようになっている。
【0004】
しかし、半固化のものをプレスして深い凹凸を形成することは困難であり、かつ模様の角部のシャープさがなくなり、また凹部を深くすると、その分だけ板の最小厚さが減少して強度が低下し、施工時などに板を長手の両端で持ち上げたとき、中央部が自重で撓んで折れるおそれがあり、強度を増すために厚さを大にすると重量が大になり、取扱いが不便になる。
【0005】
また、前記の原料を用いて、補強繊維を長手方向に揃わせながら薄く抄造して半固化の薄板とし、これをロールに複数回巻付けて切開し、プレスし固化させた積層板も知られている。該積層板は、補強繊維が長手方向に揃っているため曲げ強度が大きいが、層間に隙間が残り易く、寒冷地で外壁に使用すると、該隙間に侵入した水が凍結融解を繰返して隙間を長大化させ、層間剥離による板の欠落が生じることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、板の厚さ又は重量を増大することなく凹凸の深さを増大して高級化すると共に、強度の低下を防止することを課題とする。
【000
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した板の構成は、硬化性の不燃性材料、水、補強用の繊維等を混合してなるスラリー状の原料を板状に抄造し、かつ、その表面に凹凸模様を形成して固化させた長尺の不燃性板において、前記繊維を板の長手方向を向くものを多くして抄造し、長手方向の強度を幅方向の強度より10%以上大きく形成した基材に、該原料とほぼ同一の原料を型込めして凹凸模様を形成した表面材が、一体に重合されていることを特徴とする。
【000
そして、前記板の製造方法の一つは、請求項に記載したとおり、通気性のベルトを上り傾斜部を経て無端状に走行させると共に、該上り傾斜部の下面に負圧を作用させ、硬化性の不燃性材料、水、補強用の繊維等を混合したスラリー状の原料を上り傾斜部に供給し、該原料をベルト上で流下させながら上方へ搬送して、前記繊維を表面側に対して裏面側で10%以上多く長手方向に揃えた状態で、略等厚の半脱水した基材を抄造し、該基材とは別に、板の表面を形成するための型面を底部に設けた表面材の型枠に、基材と略同一の原料を型込めし、前記基材の表面側を前記型枠内の未固化の表面材の上面に重合したのち基材の裏面に吸水性の脱水体及び多孔板を当てて、前記基材と表面材とを前記型枠ごと加圧して、一体に固化させることを特徴とする。
【000
他の製造方法は、請求項に記載したとおり、請求項において、前記重合した基材と表面材とを型枠ごと上下反転して、前記基材を下側に位置させた状態で前記加圧工程を行うことを特徴とする。
【0010
また別の製造方法は、請求項に記載したとおり、請求項において、前記材と表面材とを前記型枠ごと加圧しながら該裏面側から真空引きして脱水することを特徴とする。
【0011
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態を説明する。図1は本発明に係る石積み模様をもつ不燃性壁板1の正面図、図2は端面図、図3は図1の3−3断面を拡大して示すもので、2は表面、3は裏面で、寸法は例えば幅Wが45cm、厚さTが14mm、長さLが3mであり、表面2に設けた目地模様としての溝4の深さは例えば5mmとされる。この壁板1は、セメントに増量材を混合し、更に補強材としてパルプを主体とした長さ10mm内外の繊維5を重量比で5〜20%混合したスラリー状のものを原料として、これを固化させたセメント板であり、後記する装置により前記幅Wの数倍の幅をもつものを長さ方向に連続的に作り、所定の長さLに切断したのち両側の耳部を切除し、前記幅Wに縦に分割して作られる。
【0012
前記繊維5は、裏面3側では図3に5aとして示すように壁板1の長手方向を向いて揃えられたものの割合いが最も多く、その他の部分でもその割合いは減少するが長手方向を向いたものが多い。全体の補強繊維5のうち10%以上を長手方向を向くように抄造することにより、長手方向の強度を幅方向に比して10%以上大きくすることができる。この構成により、図4に示すように荷重Fで壁板1が裏面3を下にして仮想線1aで示すように曲げられても、裏面3側の繊維5aが張力部材となって抗張力を発生して折れ難い。
【0013
次に図5は壁板の裏面側になる基材の製造装置10を示し、ここに、例えばセメント、増量材、補強材としてのパルプを主成分とする短い繊維、水等を混合したスラリー状の原料M1を供給すると、該装置10の後述する抄造作用により繊
維5の前記の配列が得られる。珪酸カルシュームを主原料とする場合も同様の基材が得られる。図中11は通気性をもつベルトで、ローラ12,13,14と適宜のガイド部材により上り傾斜部15と水平部16を経て矢印A方向に動き、無負荷側17がガイドローラ18に案内されて戻る。
【0014
上り傾斜部15の上面はカバー19で覆われ、その上方側には原料M1の供給
口20が連設され、下方端には環流装置21が連設され、送出器22、環流路23を介して供給口20に連通されている。また、水平部16の上面には3個のローラ25にベルト26を掛け渡した均し装置24が設けられ、ベルト11と略同一の速度で駆動されている。そして、上り傾斜部15の下面と水平部16の下面に負圧室27,28が設けられて真空ポンプにより真空引きされており、このうち負圧室27が特に重要である。
【0015
ベルト11を矢印A方向に走行させ、供給口20から原料M1を供給すると、
該原料M1は、負圧室27から下向きの吸引力を受けながら摩擦力で矢印A方
向に運搬されると共に重力で矢印B方向に流下する作用が生じ、両方向の速度差で下層部分が上方へ運搬され、上層部分は流下して環流路23から、供給口20に戻り、新しい原料に混合される。
【0016
このとき、原料M1の下層部分は負圧室27の負圧を強く受けるため、該下層
部分中の繊維5の1本について見れば、ベルト11に近い部分は水と共にベルト11側に吸引されて該ベルト11及びその付近の原料M1と一体的に動き、ベル
ト11から遠い部分は原料M1の矢印B方向の動きに従って動くから、該繊維5
は図3で5aとして示すようにベルト11の運動方向を指向し、ベルト11近傍の繊維群は、強い抄造作用を受けた状態になり、図3に示すように揃えられ強度が上る。上面側の繊維5も流下方向を向く抄造作用を受けるがその比率はベルト11側ほどは多くなく、多方向を向くものが多く、繊維が揃っていないため、後述の表面材M2と重合し易い利点がある。
【0017
次に原料M1は、水平部16と均し装置24のロール25とで絞り作用を受け
ると共に上面がベルト26でこすられるが、その表面には小さい凹凸が残る。そして前記の負圧下の抄造作用とロール25の絞り作用で半脱水されて流動しない状態になると共に、略一定の厚さにされて搬出され、一定の長さに切断されて後記の基材34となる。
【0018
一方、壁板1の表面部分となる表面材の原料M2には、図6に示す型枠30が
用意され、該型枠30の底面31は、前記溝4を形成するための凸条32や他の凹凸模様を適宜に設けた型面となっており、型枠30内に基材34と略同一の材料からなるスラリー状の原料M2が流下及び散布されて型込めされる。これによ
り原料M2の繊維は揃っていないが凹凸模様が深くしかも角がシャープな表面材
2ができる。
【0019
前記基材製造装置10から搬出された原料M1は、図7のコンベア33で搬送
されながら一定長さに切断されて基材34となり、吊上げ装置35の下に来る。該吊上げ装置35は、下向きの浅い箱状の吊上げ吸着器36の開口部に、空気の流通を阻害しないための格子体37が固定され、該格子体37に多孔板として作用するワイヤネット及びフェルトからなる脱水体38が張設され、吊上げ吸着器36がホース39で真空源に接続され、かつロボットアーム40に固定された構造をもつ。該吊上げ装置35を基材34の表面上に接触させて真空引きすると、基材34は吸水されながら吸着されるから、該装置35をロボットアーム40で動かして基材34をコンベア33上から別位置に移動することができる。
【0020
図8は、反転装置41を示し、該反転装置41は、前記吊上げ装置35で吊上げた基材34を受取り、その裏面34aを吸着したのち、反転させて表面側を下にしたのち該表面側を図6の型枠30内の表面材の原料M2上に圧着させるため
のものである。図8で、上向きの浅い箱状の反転吸着器42の開口部にはワイヤネット43とフェルト44からなる脱水体38が空気の流通を阻害しない格子体45で支持されており、ホース46で真空源に接続されている。そして、吸着器42の底部は、複数の補強リブ47を介してロボットアーム48に接続されている。
【0021
反転装置41を、図8に示すように吊上げ装置35の下に移動させ、該装置35,41の一方を上下に移動させて反転装置41の吸着器42を基材34の裏面に密着させ、上の吊上げ吸着器36を大気圧に戻し、下の反転吸着器42内を減圧して該反転吸着器42に基材34を吸着させた後は、反転装置41を矢印イ方向に回転して反転し、図9に示すように、型枠30内に充填された未硬化の表面材M2の上に基材34を重合して負圧を解除して基材34を表面材M2上に載置する。
【0022
図9において、前記型枠30は、コンベア50で運搬されて支台51上に来たとき停止され、前記の操作で表面材M2に基材34を重合して反転装置41を退
去させたのち搬送され、硬化を待って型出しが行なわれて壁板1になる。
【0023
なお、前記操作で表面材M2に基材34を吸着反転させて重合したが、もちろ
ん他の方法で重合してもよい。また重合した壁板を積重ねてプレスし、硬化後型枠を分離するとシャープな模様の壁板ができてよい。
【0024
図9の工程で表面材M2上に基材34を載置したのち、基材34を脱水体38
を介して加圧することにより、表面材M2と基材34の密着性を高めると共に、
表面材M2を型枠30内で加圧し正確な凹凸模様を形成し、水分を押出して固化させることができる。
【0025
次に図10〜13に示す実施の形態は、表面材の原料M2に基材34を重ねた
のち、表面材M2及び基材34の固化を更に促進するために脱水を積極的に行な
わせるものである。なお、表面材M2と基材34の厚さを図9のものに比べて拡
大して示した。
【0026
図9の状態から反転吸着器42を引上げて、型枠30上に表面材M2と基材3
4が重なった状態で図10のコンベア52に乗せ、反転機構53に送る。該反転機構53は、支持コロ53aに回転リング54が回転自在に支持され、上下にコンベア55,56が設置されたもので、型枠30及び表面材34は、コンベア52から回転リング54の中を通ってコンベア55,56間に送り込まれ、矢印ロ方向に半回転され、基材34が下にされてコンベア57上に送り出され、更に図12の脱水機58に送られる。
【0027
脱水機58は、下部に多孔質のコンベア59、真空室60、真空ダクト61、コンベア59を支持する支持格子62を有し、上部に加圧板63を有する。加圧板63を矢印ハの方向に加圧すると、基材34と表面材M2は、型枠30を介し
て加圧されて水分が絞り出され、真空室60の吸引作用によって脱水が更に促進され硬化が早くなる。
【0028
そして、図13に示すようにコンベア64に取出し、型枠30を除去することにより基材34上に表面材M2を密着した壁板1が得られる。
【0029
なお、該脱水機58において、真空引きのみで脱水してもよいし、加圧板63の加圧のみで搾水してもよい。いずれの場合も水分が下向きに流れて排出されるから容易に脱水できる。
【0030
以上の操作により作られた壁板1は、基材34の長手方向を向く補強繊維5の比率が高いため、幅方向に比して長手方向の引張り強度が大きく、長手方向に湾曲する曲げに対する強度が大であり、特に裏面側には補強用の繊維5が前記5aとして示すように多量に長手方向に揃えられるから、裏面側に長手方向の張力を生じさせる曲げに対する強度が大きく、又基材34の表側と表面材M2は、互い
に繊維が揃っていないため重合し易く、型枠30内に未硬化の状態で型込めされるから、型面を正確に転写した表面形状をもつものになり、結局、強度が大で表面に所期の深い凹凸形状をもつ壁板が得られる。
【0031
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による不燃性板は、表面材が、型枠にスラリー状の原料を型込めすることにより凹凸模様を形成されているから、凹凸の深さの大きい板面が形成され、また基材内の補強繊維の長手方向を向くもの比率を大にすることにより、座板の長手方向の強度を幅方向より10%以上大きくしたため、同一量の補強繊維を用いても、補強繊維の方向性がないもの比べて長手方向の強度の比率を向上させることができ、長手方向の曲げは、板を取扱うときや、建築物に取付けたとき表面に加わる圧力又は衝撃によって生じる最も受け易い曲げであるから、実質上の強度を増大できる利点を有する。
【0032
本発明によれば、基材の補強用の繊維を、上り傾斜の部分をもつコンベアベルトと負圧室を利用するだけの手段で長手方向に向けることができ、特に裏面側の補強繊維を多量に長手方向に揃えた強度の大きい基材の製造が簡単であり、一方、表面部を別個の型枠で作るから正確な模様が作り易い利点を有し、該基材を2組の吸着装置を用いて吊上げ、反転及び表面材への載置をするから、大寸法の板を容易に作ることができる利点を有する。
【0033
また本発明によれば、未固化の表面材は、型枠中で基材を介して加圧されるから、正確な凹凸が形成されると共に基材に隙間なく密着できる利点があり、基材及び表面材中の水分は、脱水体を介して脱水され、板の固化及び乾燥が促進される。
【0034
あるいは、未硬化の表面材の上面に基材を密着させ、これらを反転して表面材を上にして加圧すると共に基材の背面側を真空にするため、型押し作用、密着作用、搾水作用の外に吸水作用が生じて固化が促進され、作業能率が向上する効果がある。
【0035
また、基材の上に未硬化の表面材を重ねて下から真空引きするため、水分が下向きに流れて原料から分離し易く、脱水能率が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した板の平面図
【図2】同上側面図
【図3】同上拡大断面図
【図4】同上作用説明図
【図5】基材の製造装置の正面図
【図6】表面材の型枠の断面図
【図7】基材の吊上げ装置の正面図
【図8】同上反転装置の受取り時の正面図
【図9】同装置の載置時の正面図
【図10】別の製造方法に用いる反転機構の正面図
【図11】反転状態の正面図
【図12】脱水機の正面図
【図13】製品取出し時の正面図
【符号の説明】
1 板 2 表面
3 裏面 4 溝
5 繊維 10 基材製造装置
11 ベルト 24 均し装置
27,28 負圧室 30 型枠
34 基材 35 吊上げ装置
36 移動吸着器 41 反転装置
42 反転吸着器 53 反転機構
58 脱水機

Claims (3)

  1. 通気性のベルトを上り傾斜部を経て無端状に走行させると共に、該上り傾斜部の下面に負圧を作用させ、
    硬化性の不燃性材料、水、補強用の繊維等を混合したスラリー状の原料を上り傾斜部に供給し、該原料をベルト上で流下させながら上方へ搬送して、前記繊維を表面側に対して裏面側で10%以上多く長手方向に揃えた状態で、略等厚の半脱水した基材を抄造し、
    該基材とは別に、板の表面を形成するための型面を底部に設けた表面材の型枠に、基材と略同一の原料を型込めし、
    前記基材の表面側を前記型枠内の未固化の表面材の上面に重合したのち基材の裏面に吸水性の脱水体及び多孔板を当てて、前記基材と表面材とを前記型枠ごと加圧して、一体に固化させることを特徴とする不燃性板の製造方法。
  2. 請求項において、前記重合した基材と表面材とを型枠ごと上下反転して、前記基材を下側に位置させた状態で前記加圧工程を行うことを特徴とする不燃性板の製造方法。
  3. 請求項において、前記材と表面材とを前記型枠ごと加圧しながら該裏面側から真空引きして脱水することを特徴とする不燃性板の製造方法。
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