JP3607922B2 - 分散液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機高分子ポリマー用或いはその他の原料として有用な分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエステルやポリアミド等の有機高分子材料の諸特性、特に機械的特性、耐熱性を改良するために、炭酸カルシウム、粘土鉱物、雲母等の無機質材料を混合・混練することが行われてきている。しかしながら、これらの無機質材料を単に混合・混練するだけでは無機質材料が微細粒子となり難く分散しないため、満足すべき特性を有するものは得られていない。そのため、モンモリロナイトやフッ素雲母系膨潤性粘土鉱物を化学処理して微細粒子化を試み、有機高分子中への均一分散を狙った発明について多くの特許出願がなされている。それらの例として、特開昭62−74957号公報、特開平2−173160号公報、特開平3−7729号公報、特開平3−41149号公報、特開平8−3310号公報、特開平8−59822号公報、特開平8−120071号公報、特開平8−134205号公報が挙げられる。しかしながら、これらの手法で対処しても、実際は充分満足すべき分散性が得られていないのが現状である。
【0003】
また、“燐酸塩水溶液中での膨潤性マイカの秩序構造”についての報告があるが(第40回粘土科学討論会講演要旨集、平成8年、90〜91頁)、本発明の分散液については言及されていない。
特開平6−299104号公報には、スメクタイト系粘土鉱物及び縮合リン酸塩とからなる水性塗料用粘土調整剤が開示されているが、本発明の分散液とは目的も異なり、また、本発明の分散液に認められる特性についても記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来報告されている手法で得られる分散性をより向上させ、更により機能性が期待される有機高分子ポリマー用の原料として有用な分散液、又はその他の各種材料の物性改善もしくは特性付与剤として有用な分散液を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、無機質材料を有機高分子中へ均一分散させるには、無機質材料を有機高分子の原料であるモノマー中へ均一分散させることが、極めて重要であるという従来の経験で得られた知見に基づき、各種のテストを繰り返し、ある条件で造られる分散液が、従来にない特性を有し、それにより機能性の面でも従来にないよさが期待できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)膨潤性層状ケイ酸塩、カリウム塩及び溶媒を混合して得られる分散液。
(2)カリウム塩がピロリン酸カリウムであり、溶媒が水及び/又はグリコール類である前記(1)に記載の分散液。
(3)膨潤性層状ケイ酸塩、カリウム塩及び溶媒を混合して得られる高分子ポリマー製造用分散液。
【0007】
(4)カリウム塩がピロリン酸カリウムであり、溶媒が水及び/又はグリコール類である前記(3)に記載の分散液。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の分散液に、更に高分子モノマーを混合して得られる高分子モノマー分散液。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記したように、膨潤性層状ケイ酸塩、カリウム塩及び溶媒を混合して得られる分散液、並びに当該分散液に更に高分子モノマーを混合して得られる高分子モノマー分散液に関するものである。
それらの分散液の原料となる、膨潤性層状ケイ酸塩、カリウム塩、溶媒及び高分子モノマーの詳細は下記に示される。
【0009】
▲1▼膨潤性層状ケイ酸塩
膨潤性とは、水或いは有機溶媒中で結晶層間に水或いは有機溶媒が侵入して膨潤する意味であり、主要構成層を構成する元素と層間物質を構成する元素の種類により膨潤度に差を生じ、所謂自由膨潤或いは限定膨潤になるもので、本発明ではいずれも使用できる。それらの膨潤性層状ケイ酸塩は水中で薄片状の微結晶となって分散する。
【0010】
本発明で用いる膨潤性層状ケイ酸塩の結晶構造は、四面体シート(A)と八面体シート(B)が、A:B=2:1の割合で組み合わされた主要構成層(2:1層)と、電荷バランスをとるためにそれらの層間にある陽イオンよりなる層間物質とよりなるもので、その陽イオン交換容量(メチレンブルー吸着量)は15〜150meq(ミリ当量)/100gの範囲のものが好ましく、50〜150meq(ミリ当量)/100gのものが更に好ましい。
また、本発明で用いる膨潤性層状ケイ酸塩は、平均粒径が0.1〜50μmのものが好ましく、粒径が大きい場合は粉砕した方が好ましい。
【0011】
本発明で用いる膨潤性層状ケイ酸塩の具体例としては、例えば、天然又は合成の、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノントロナイト、ベントナイト等のスメクタイト族粘土鉱物やNa型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母族粘土鉱物及びバーミキュライト、又はこれらの置換体や誘導体、或いはこれらの混合物が挙げられる。なお、前記の置換体には、層間イオンのNa+ 或いはLi+ イオンの一部がK+ イオンで置換されているもの、四面体シートのSi4+イオンの一部がMg2+イオンで置換されているものが含まれる。
【0012】
市販品としては、ラポナイトXLG(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、ラポナイトRD(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、サーマビス(独国、ヘンケル社製合成ヘクトライト類似物質)、スメクトンSA−1(クニミネ工業(株)製サポナイト類似物質)、ベンゲル(豊順洋行(株)販売の天然モンモリロナイト)、クニピアF(クニミネ工業(株)販売の天然モンモリロナイト)、ビーガム(米国、バンダービルト社製の天然ヘクトライト)、ダイモナイト(トピー工業(株)製の合成膨潤性雲母)、ソマシフ(ME−100、コープケミカル(株)製の合成膨潤性雲母)、SWN(コープケミカル(株)製の合成スメクタイト)、SWF(コープケミカル(株)製の合成スメクタイト)等が挙げられる。
【0013】
前記の膨潤性層状ケイ酸塩の中では、タルクとケイフッ化ナトリウム及び/又はケイフッ化リチウムを混合した微粉末を700〜1200℃に加熱して得られる、ナトリウム及び/又はリチウムから選ばれたアルカリ金属、マグネシウム、ケイ素、酸素、フッ素を主要構成元素とする膨潤性層状ケイ酸塩が好ましい。この方法で製造される膨潤性層状ケイ酸塩の詳細は、特公平6−27002号公報に記載されており、前記のソマシフ(ME−100)はその製法で得られたものである。
【0014】
▲2▼カリウム塩
水、或いは本発明において溶媒として用いる有機溶媒に溶解するカリウム塩であれば無機体カリウム塩或いは有機体カリウム塩のいずれでもよく、特に限定されない。
具体例として、ピロリン酸カリウム、三リン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、蓚酸カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カリウム等が挙げられ、特に好ましいものとしてピロリン酸カリウムが挙げられる。
【0015】
▲3▼溶媒
溶媒としては、水、有機溶媒又はこれらの混合溶媒が用いられる。有機溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール等)及び/又はグリコール類を含む多価アルコール類が好ましい。溶媒として用いることができるグリコール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0016】
▲4▼高分子モノマー
本発明では、合成樹脂等の高分子化合物製造用の原料を高分子モノマーという。なお、本発明で高分子モノマーとは、一般的にいうモノマー以外に高分子化合物製造用の原料となる低重合のポリマーも含む概念である。本発明では高分子モノマーの1種又は2種以上を用いる。
代表的な高分子化合物であるポリアミド及びポリエステルのモノマーについて次に記載する。
【0017】
ポリアミドモノマーの具体例としては、6−アミノ−n−カプロン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノ酸、ヘキサメチレンジアミンのアシピン酸塩等のナイロン塩、ε−カプロラクタム、ブチロラクタム、バレロラクタム、カプリルラクタム、ドデカノラクタム等のラクタム等が挙げられる。
【0018】
ポリエステルモノマーの具体例としては、ジカルボン酸或いはそのジエステルとして、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、ジメチルテレフタレート等;
ジオール(グリコール)として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0019】
本発明の分散液を製造する方法を下記に述べるが、これに限定されるものではない。
通常は膨潤性層状ケイ酸塩を溶媒に入れて分散させるが、カリウム塩を溶媒に溶解した溶液に膨潤性層状ケイ酸塩を入れて分散させてもよい。特に、溶媒がグリコール類の場合は後者が好ましい。
【0020】
溶媒は通常水を使用するが、場合によりアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール等)及び/又は多価アルコールを混合してもよい。また、分散が良好であれば、水を使わずアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール等)及び/又は多価アルコールに分散させてもよく、特に高分子モノマーでもあるグリコール類に分散させると有益な分散液となる場合がある。
【0021】
膨潤性層状ケイ酸塩濃度は特に限定されないが、通常1〜20重量%の分散液となるように混合する。分散をよくするために撹拌は充分に行う。次に、その膨潤性層状ケイ酸塩を含む分散液にカリウム塩を添加する。カリウム塩は、通常、膨潤性層状ケイ酸塩1モルに対しカリウム塩中に含まれるカリウム量が0.05〜10(モル或いはグラムイオン)となるような量を添加する。添加したカリウム塩は溶媒に溶解させる必要があるため、溶媒が不足の場合は追加をする。また、前記したように、先ずカリウム塩を溶媒に溶解させてから、その溶液に膨潤性層状ケイ酸塩を添加してもよい。なお、これまでの一連の操作において、液温は0〜60℃程度であれば、特に問題はない。このようにして本発明の分散液が得られる。
【0022】
次に、得られた分散液の特性について述べる。
原料の膨潤性層状ケイ酸塩を水に分散させた分散液ではカードハウス構造をとるためにX線回折パターンで膨潤性層状ケイ酸塩の底面間隔値(d001 )である(001)回折線領域付近の反射ピーク値(6〜15Å)は認められず、また、その分散液にトリポリリン酸ナトリウムを混合した分散液では(001)回折線領域付近の反射ピークが明瞭に観測される。
【0023】
しかし、本発明の水分散液(溶媒が水の場合の本発明の分散液)のX線回折パターンでは(001)回折線領域付近の反射ピークは明瞭に認められず、15.4〜15.5Å付近に非常に弱いブロードなピークが認められる。これは、超薄層化した状態で分散している膨潤性層状ケイ酸塩の粒子間に相互作用が働き、水分子を2分子挾んだ状態で膨潤性層状ケイ酸塩が平板状粒子の端部間でわずかに重なり合い積層していることを示していると判断される。このピークは、原料の膨潤性層状ケイ酸塩のみよりなる水分散液では存在しない。
【0024】
原料の膨潤性層状ケイ酸塩のみを水に分散させた分散液(「素分散液」とする。)と本発明の水分散液のX線回折パターンを比較すると、本発明の水分散液では、低角度(2θ=1〜3°)の強度が素分散液に比較して非常に弱い。このことは、素分散液の場合、分散している膨潤性層状ケイ酸塩の各粒子間で近距離での相互作用が働き低角度に無秩序な粒子間距離に基づく反射ピークが生ずるのに対して、本発明の水分散液では粒子間の近距離での相互作用が弱くなったことを示している。このように分散している膨潤性層状ケイ酸塩の各粒子間の相互作用が弱くなる理由としては、分散している膨潤性層状ケイ酸塩の各粒子同士が端部間でわずかに重なり合い、数10枚程度の膨潤性層状ケイ酸塩が二次元的な平板状のドメインを構成し、その平板状のドメイン間の距離がX線回折では干渉し得ない程度の距離に離れていることが予想される。
【0025】
また、本発明の水分散液では、レオロジーの測定では、ビンガム流体の挙動を示し、剪断試験で粘性は剪断試験の回数が増加するに従い、剪断応力が増加する。これは非常に興味ある結果であり、これまでにこのように極端に剪断応力が増加した例は報告されていない。この事実は、本発明の水分散液では、分散している膨潤性層状ケイ酸塩の各粒子は剪断応力により粒子間のポテンシヤル障壁を乗り越えて新しい構造を形成しうることを示している。即ち、剪断応力が負荷される度に、膨潤性層状ケイ酸塩の各粒子間の結合が促進され、大きな二次元状のドメインが成長していることになる。
【0026】
また、溶媒がグリコール類の場合或いはグリコール類と水をほぼ同量(重量ベース)混合した混合液である場合、これに膨潤性層状ケイ酸塩を混合した分散液のX線回折パターンでは17Å付近に大きな鋭いピークが認められるが、そこに更にカリウム塩が混合された本発明の分散液のX線回折パターンでは、混合するカリウム塩の量が多くなるにつれ小さくブロードなピークになる。これは混合するカリウム塩の量が多くなるにつれ膨潤性層状ケイ酸塩の分散状態がよくなることを意味していると判断される。
【0027】
前記した方法で得られる分散液に、高分子モノマーを混合することにより、本発明の高分子モノマー分散液が得られる。分散液と高分子モノマーの混合比は、目的により任意に選べるが、一般的には、分散液中に含まれる原料の膨潤性層状ケイ酸塩1に対し、高分子モノマーの量は5〜1000(重量比)である。なお、当該混合比は、溶媒と高分子モノマーが同一物質の時は、溶媒も高分子モノマーとみなして計算する。
【0028】
また、混合する高分子モノマーとしては任意のものが選べるが、その代表例として前述したポリアミドモノマー、ポリエステルモノマーが挙げられる。
本発明の高分子モノマー分散液を用いて、簡単な重合テストを実施したところ、重合後に生成したポリマー中に分散している膨潤性層状ケイ酸塩の(001)回折線領域付近の反射ピークがブロードで極めて弱いか、殆ど確認できない程であり、観察によって均質であることが認められる点等より、膨潤性層状ケイ酸塩はモノマーが重合した高分子中で均一に分散しているものと判断される。
【0029】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、カリウム塩は試薬グレードのものを使用した。また、原料配合比の数字は特に断わりがなければ重量ベースである。
膨潤性層状ケイ酸塩としては、コープケミカル(株)製のソマシフ(ME−100)を用いた。ソマシフの詳細を下記する。
【0030】
【化1】
一般式:Na2X+2a Mg3.0−X [(Si4.0−a Mga)O10] (F,OH)2
(式中、0≦X≦0.5,0≦a<0.50,0.15≦X+a≦0.5であり、Naは層間にある配位数12の陽イオン;Mg3.0−X 中のMgは八面体シートを形成している配位数6の陽イオン;(Si4.0−a Mga) 中のSiとMgは四面体シートを形成している配位数4の陽イオンである。)
陽イオン交換容量(メチレンブルー吸着量):70ミリ当量/100g
平均粒径3μm
(実施例1〜4)水系の分散液
ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸塩)と水を混合し、そこへピロリン酸カリウムを混合し、混合比率の異なる4種類の本発明の分散液を得た。その混合比率を表1に示した。なお、いずれの分散液も分散状態良好であった。
【0031】
【表1】
【0032】
図1(1−a)に実施例4の分散液のX線回折パターンを示した。比較のために、比較例1の比較用分散液(1)のX線回折パターンを図1(1−b)に示した。実施例4の分散液の場合は15.4Å付近に非常に弱いブロードなピークが認められるが、比較用分散液(1)では認められない。また、2θ=1〜3度付近の強度(X線回折パターンの下方の面積部分)は実施例4の分散液の方が比較用分散液(1)より弱い(面積部分が小さい)のが認められる。
図2は実施例4の分散液を用いて、繰り返し(4回)剪断試験を行った結果を示す。これより、剪断試験の回数が増加するに従い剪断応力が増加するのが認められる。
【0033】
(実施例5〜9)エチレングリコール系の分散液
ピロリン酸カリウムをエチレングリコールと混合して溶解し、そこへソマシフ(膨潤性層状ケイ酸塩)を加えて混合し、混合比率の異なる5種類の本発明の分散液(或いは高分子モノマー分散液)を得た。その混合比率を表2に示した。なお、いずれの分散液も分散状態良好であった。
【0034】
【表2】
【0035】
図3は実施例5〜9の分散液のX線回折パターンである。比較のために、比較例2の比較用分散液(2)のX線回折パターンを図4に示した。実施例及び比較例共16.9〜17.0付近に反射ピ−クがあるが、比較用分散液(2)に比べ実施例の分散液のピーク強度はいずれも極めて小さく、また、実施例ではピロリン酸カリウム混合量が多いもの程ピーク強度が小さくなっているのが分かる。これは混合するカリウム塩の量が多くなるにつれ膨潤性層状ケイ酸塩の分散状態がよくなることを意味していると判断される。
【0036】
(実施例10〜15)各種のカリウム塩の分散液
ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸塩)と水を混合し、そこへ各種のカリウム塩を混合後、更にエチレングリコールを混合し、異なる6種類の本発明の分散液を得た。その6種類の混合比率を表3に示した。なお、いずれの分散液も分散状態良好であった。
【0037】
【表3】
【0038】
図5に実施例10〜15の分散液のX線回折パターンを示した。いずれも16.9〜17.0Å付近に小さなブロードなピークが認められる。
【0039】
(実施例16)
実施例5で得られた本発明の分散液9.7部に、ジメチルテレフタレート19.4部とエチレングリコール3.1部を混合し、本発明の高分子モノマー分散液を得た。この高分子モノマー分散液に酢酸カルシウム0.04部、酸化アンチモン0.08部を加えた混合物を、冷却管の側管付き重合管に入れ、N2 ガスを導入しながら、重合管を油浴に入れて180℃に加熱した。撹拌により、良好な分散液となり、その後内部を減圧にしながら液温を高め、275℃に到達後3時間保ち、その後取り出して冷却し、ポリエチレンテレフタレートを合成した。得られたポリエチレンテレフタレートについてX線回折装置により測定を行った。膨潤性層状ケイ酸塩に起因する9〜15Åに特有の反射ピークが殆ど認められないため、膨潤性層状ケイ酸塩は極微細な薄片状の微粒子となってよく分散しているものと判断される。
【0040】
(比較例1)
ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸塩)4部と水96部を混合し、比較用分散液(1)を得た。
(比較例2)
ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸塩)4部とエチレングリコール96部を混合し、比較用分散液(2)を得た。
【0041】
【発明の効果】
本発明の分散液及び高分子モノマー分散液は、前記したように、その分散液中の膨潤性層状ケイ酸塩粒子同士が二次元的なドメインを構成して分散していると推定される点、特異な粘性特性を有している点及び分散性がよい点等、従来にない特性を有しており、この特性を利用して、有機高分子ポリマーの物性向上或いは特性付与の原料として、又は各種の原料に混合して物性改善或いは特性付与のための原料の一部として、或いは特有の粘性付与剤として等の活用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分散液のX線回折パターンである。
【符号の説明】
1−a 実施例4の分散液
1−b 比較用分散液(1)
【図2】実施例4の分散液を用いて、繰り返し(4回)剪断試験を行った結果を示す図である。
【符号の説明】
1 1回目
2 2回目
3 3回目
3 4回目
【図3】実施例5〜9の分散液のX線回折パターンである。
【符号の説明】
5 実施例5
6 実施例6
7 実施例7
8 実施例8
9 実施例9
【図4】比較用分散液(2)のX線回折パターンである。
【図5】実施例10〜15の分散液のX線回折パターンである。
【符号の説明】
10 実施例10
11 実施例11
12 実施例12
13 実施例13
14 実施例14
15 実施例15
Claims (4)
- 膨潤性層状ケイ酸塩、カリウム塩及びグリコールを混合して得られる分散液。
- 膨潤性層状ケイ酸塩、カリウム塩及びグリコールを混合して得られる高分子ポリマー製造用分散液。
- グリコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールから選択される請求項1又は2記載の分散液。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散液に、更に高分子モノマーを混合して得られる高分子モノマー分散液。3340
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